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大学における英語スピーキング力の養成について ――

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Academic year: 2021

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大学における英語スピーキング力の養成について

――学習者を中心とした音読アプローチ

盧 宏亮

グローバルな規模で進展する国際化の時代には、英語のスピーキング力養成への社会的関心が これまで以上に高くなり、スピーキングやコミュニケーションの技術を身につけることを目ざし た、より効果的な学習法とその普及が必要である。

近年、繰り返し音読することによって、英語運用能力の向上を図ろうとする英語学習がブーム となっている。その代表的な主張者が国弘で、「只管朗読」という漢文の学習法を応用し、知的 記憶を運動記憶に変えることができると述べている。また、岩村もNHKのラジオ英語講座で音 読を中心とした練習方法を展開している。中国でも李陽による音読とパフォーマンスによるクレ イジー・イングリッシュが注目を集めている。しかし、実際に音読の英語スピーキング力伸張へ の効果を検証した研究は、まだ非常に少ない。本研究では、音読に北川の科挙式勉強法(25)

を取り入れ、音読とその定着をめざした音読アプローチ、すなわち「音読・筆写・反芻」の学習 法を構想し、その効果を測る実験をおこなった。

まず、第一章で日本の英語教育において、伝統的な訳読英語と音声重視の教授法の変遷を調査 した。第二章では、なぜ効果的な英語スピーキングの指導は難しいのか、またその客観的評価の 難しさを検討し、スピーキング力を向上させる為に必要な要素について論じた。第三章では長崎 大学の英語教員と学生へのアンケートを通して、実際に大学の英語授業におけるスピーキング活 動の状況を調査した。

さらに、第四章では、長崎大学環境学部の3年次の学生に、8年前期と後期に、音読アプロー チの実験に参加してもらい、その前後のインタビューとスピーキング模擬テスト、および、アン ケートの結果を分析することで、音読アプローチのスピーキング力の向上に及ぼす効果を検証し た。分析の結果、音読アプローチは学生のスピーキングに対する関心・意欲を高め、また実際に 語彙の数、発話の長さ、一文の長さ、反応するまでの速度において向上が見られたので、スピー キング力を高める一定の効果があったといえる。

オーラル・メソッドによる会話力習得の過程、1.耳による観察 2.模倣 3.口ならし 4.意味づけ 5.類推による作文というプロセスが、音読アプローチの「音読・筆写・反芻」

をすることによって、少しずつ定着していくと思われる。CDプレーヤー、カセットプレーヤー を利用して、聞く・話すという音声活動を十分に行うメディア環境が整い、学習者が日常的な家 庭学習として練習することができたこと、また、教材も内容的に興味深く学習者を飽きさせない こと、モデルとなる発話者が、専門的な音声訓練を受けていること、また実験の協力者が熱心に 取り組んでくれたことは、重要な要素であった。

参照

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