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熊本県下には300橋以上もの石橋が現存しており、

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Academic year: 2021

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熊本大学エ学部附属ものづくり創造融合エ学教育センター平成18年度年次報告書

損傷した石橋等の耐力診断と保存・防災のための新技術開発

社会環境工学科山尾敏孝

1.はじめに

熊本県下には300橋以上もの石橋が現存しており、

文化財として保存活用されている事例もある。その中 にはアーチ石の抜け落ち、横ずれ、ひび割れなど損傷 が激しいものも存在し、損傷の度合いも様々である。

その一例を写真1に示す。しかし、これらの石橋の補 修・補強方法についての検討は、予算の問題や適切な 補強方法や補修方法がなく、+分に行われていないの が現状である。本研究では、このような損傷した石橋 の補修・補強方策の開発を目的として、まず、耐力診 断が可能な解析プログラムの開発を目指し、次に、ア ーチ石材の損傷の有無による石橋の挙動や耐力の相違 を確認するために、石橋アーチの模型を用いて載荷試 験を行った。一列の石材アーチと三列の石材アーチを 用い、集中荷重及び等分布荷重を与える載荷試験を行 い、アーチ各部材のひずみや変位を測定した。特に、

実際のアーチ構成に近い三列アーチ石橋模型では損傷 を有する石橋を再現し、挙動の変化を調べた。また、

別途実際に損傷を有する実石橋の調査を行い、施工方 法について検討を行った。

(a)ずれの発生 写真1

(b)抜け落ち 石橋損傷の事例

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タグ

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石材Ⅱ,/

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石材I

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図1応カーひずZノL曲線 写真2圧縮試験区

表l圧縮試験結果 2.石材の圧縮試験

2つの石橋模型IとⅡに用いた石材 IとⅡの圧縮強度やヤング係数を求め るために圧縮試験(写真2)を行った。

得られた材料特性を表1に、応カー ひずみ曲線を図1に示した。石材は非 度を有することが判明した。

ヤング係数

(×104)

圧縮強度

(N/mm2)

破壊ひずみ

(P')

せん断弾性係数

(N/mm2)

ポアソン比

石材

1.10

41.9113682

0.47 0.18

石材Ⅱ|’3.14 89.312823

1.35 0.16

石材は非常に強い圧縮強

3.模型実験の概要

模型Iは写真3に示すようにスパン1,690 mm、ライズ400mm、橋幅200mmの一列ア ーチで、11個の石材Iを使用している。アー チ基部に固定のための鋼材枠を用い、実験で は、各石材の上下左右の4面にひずみゲージ を接着して各石材のひずみを測定し、アーチ 中央部に変位計を設置し、それぞれの変位を 調べた。図2は集中載荷試験の様子である。

模型Ⅱは、石材Ⅱを三列x17用いて組まれ

宣實~ず寝重i引鋼';fia

荷重P 写真4模型Ⅱ

図2集中荷重載荷

130

ヤング係数

(XlOl) :】:縮強度

(N/mm2)

破壊ひずみ

(u)

.:当ん断弾セ・係数

(Nノmm2)

ポアソンンピ

孑:.H、:

1.10 4コ.9

3682

()_47 0-18

7::.鞠、 3.14 89.3

2823

1.35

(2)

熊本大学エ学部附属ものづくり創造融合エ学教育センター平成18年度年次報告書

た模型でスパン580mm、ライズ250mm、橋幅270mm である。アーチ部材中央など計9部材の上下面軸方向 にひずみゲージを接着した。また、図3のように、抜 け落ち、害りれ石、ずれの損傷状態を想定したモデルも 用いた。荷重は集中載荷と等分布載荷の2通りで行い、

荷重の大きさはロードセルで測定した。また、鉛直変

位は変位計により測定した。 鍵 抜け落ち 乢叶 コ|| 打一一

-49

q実験結果および考察

図4はアーチ模型Iの部材番号図であり、図5は集 中及び等分布載荷による10t時の各部材上下部の応力 分布図である。集中荷重載荷では、部材L3-L4、R3 R4の部分にて、上下に加わる圧縮と引張の応力が入 れ替わっている。一方、等分布荷重載荷では、全ての 部材上部に圧縮力がかかっている。これは、等分布荷 重載荷により1/4径間部であるL3やR3付近のアーチ

図3部材の損傷状態と損傷位置

〆<己錘匝蕊 L1> R2ノヘ

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図4アーチ模型Iの部材番号図

杓嶺諭諭頽論諭fffz1ifzi

(a)集中荷重載荷10t

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5 DIII

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代迫

、./,/・実験値

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部材番号-050022(

図6アーチ部材上部の応力分布

図5 の膨らみも抑えられ、各部材の上部同士で力が伝わっ ていることがわかる。

-列アーチの模型Iが集中荷重を受けた場合の部材 応力分布について、実験値と解析値とで比較した結果 が図6である。解析モデルは骨組み解析法を用い、石 材を2節点l要素で部材を岡I結モデル化して解析を行 った。15ton時の状況で実験値は部材中央部、理論値 は部材同士の節点部の値を表す。両者の値には多少差 があるものの全体挙動はよく対応していることがわか る。弾性挙動でればこの手法でも解析できることが示 された。

三列アーチの模型Ⅱでは、アーチ形状が膨らまない ように基部からスパン1/4までを拘束した。図7は、

アーチクラウンの鉛直方向の荷重一変位曲線を示した。

今回図3の損傷を想定し、損傷なしの健全なアーチの 挙動や耐力比較したが図でも示すように有意な差は見 られなかった。これが直ちに現実の石橋に対応するも のではないが、今後更に詳細検討が必要である。

(b)等分布荷重載荷10t時

部材に作用する応力分布単位(N/mm2)

0. 6F

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=O

4卜

/〆

佃周

2卜 、--ニムー`/,

('二二E青鱸帯- 変位('nm)

図7アーチ中央部の荷重一変位曲線 5.まとめ

今回の研究では実石橋と同じ形状を有する模型実験 を行え、かつ損傷の有無による挙動を把握できたこと が一番の成果である。今後は耐力診断プログラムの開 発も含め、更に補修・補強に向けた様々な損傷ケース による実験や地震動による影響など、今後更に実験的、

解析的に検討が必要である。

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参照

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