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環境教育の実践的研究 ―佐保川の水質に関する研 究―

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

環境教育の実践的研究 ―佐保川の水質に関する研 究―

著者 島田 宇一郎, 松村 竹子, 森井 ふじ

雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要

27

ページ 45‑65

発行年 1991‑03‑01

その他のタイトル A Practical Study of Environmental Education 

−Study on the Quality of Water in SAHO River

URL http://hdl.handle.net/10105/6757

(2)

環境教育の実践的研究

−佐保川の水質に関する研究−

島 田 宇一郎Ⅰ・松 村 竹 子(化学教室)

森 井 ふ じ(日本分析化学専門学校)

要旨:環境教育の実践課題として水環境の実態を把握するため、身近な佐保川 を選んで水質分析を行なった。佐保川の水質については、水質の悪化が指摘さ れてきている。そこで本研究では、佐保川の富栄養化の実態をつかむため、窒 素、リンおよび、主要無機8成分について調査した。採水は、佐保川上流から 下流の水質変化を知るため、1987年8月13日、同年9月18日両日に、上流から 下流までの7地点で行なった。

また、2地点については24時間観測を行ない水質に対する周辺地域の人間活 動の影響を検討した。比較のために奈良県南部の北山川上流の水質も調査し、

両河川の水質を比較した。調査の結果、佐保川の水質は富栄養化が進んでいる ことが明らかになった。これらの結果は、環境教育を身近な環境についての実 態把握に基づいて展開する上で重要な資料である。

キーワード:佐保川の水質、環境教育、水質分析

1.緒 言

私たちは日常生活において河川水を上水道や農業用水等として利用しているが、・一方では生活 排水や産業排水を河川に流している。そのため日本各地の河川では、水質汚満や富栄養化が問題

になっており、私たちが生活している奈良市内を流れる佐保川も例外ではない。都市型河川であ る佐保川は、富栄養化への方向をたどり、佐保川本流そのものが奈良市内の家庭などからの下水 の排水溝となっているといっても過言ではない。著者らは環境教育の実践課題として河川水の水 質分析を通して水環境の実態に触れたいと考え、身近な佐保川を選んで水質分析を行なった。

佐保川の水質については、奈良県、奈良市などから一年毎の結果が発表されているが、その内

A PracticalStudy of EnvironmentalEducation

−Study on the Quality of Waterin SAHO River−

Ⅰ現在;十津川二村小学校

Uitiro SHIMADA(Department of Chemistry,ホPresent Adress:Totsukawa−Nimura

Elementary School)

Takeko MATSUMURA−INOUE(DepartmentofChemistry,NaraUniversityofEducation)

FujiMORII(College of AnalyticalChemistry,Japan)

−45−

(3)

容は生活環境項目が中心になっている。そこで本研究では佐保川の富栄養化の実態をつかむため、

窒素、リンおよび主要8無機成分について調査した。採水は、佐保川上流からド流の水質変化を 知るため、1987年8月13日、同年9月18日両日に、上流から下流の7地点で行なった。北山川上 流の水質も調査し、両河川の水質を比較した。

2.実 験

2−1 試水の採取地点

佐保川は春日山原始林内に源を発し、奈良市内、大和郡山市郊外を流れ、奈良盆地中央で初瀬 川に合し、大和川に流入する流路約19km、流域面積192kIdの河川である。生活排水、農業排永、

(4)

表1 佐保附水質分析採水地点 地点名

地点間の距離)

採水地点

l

伯鵬 ) 2

41別由 3

春 日山原始林鴬滝

奈良市川上町えびす橋下流 5 0 m 奈良市大宮町 4丁目三条高橋上流 2 0 m

乃桃山 hr

11咄4 5

奈良市船木町、佐保川 と国道別号線交差下流1訊h の橋下 大和郡山市野垣内町佐保橋上流4状bの橋下

4咄 いづ

6 大和郡山市、国道 2 5 号線井筒僑僑下

31咄 軸た

7 大和郡山市額田脚 J額田郎高橋上流 1 0 m

工業排水などが途中で流入し、中下流の汚濁度は著しく高いとされている。今回の調査では表1、

図1に示す7地点を選んで採水を行なった。

2−2 測定項目および分析法

採水現場で水温、気温、透視度1)・2)、pHl)・2)、流量1)を測定する。

NH.+TNはチモール法3)、NOz ̄−Nはナフチルエチレンジアミン法1)p2)、NO, ̄−Nはサリチル 酸ナトリウム法5)、PO43 ̄−Pl)、加水分離性−Pl)・6)、Org−Pl)16)、Total−Pl)・6)はモリブデン青法、

Ca2+とMg2+はキレート適定法l)・2)、Na+とK+は炎光光度法1)、アルカリ度はpH4.8法8)、Cl ̄

はモール法1)、SO。2 ̄は比商法7)及びイオンクロマトグラフ法8)、SiO。はモリブデン黄法1)でそ れぞれ定量した。分析値はmg/lで表した。

2−3 分析項目の測定値および無機成分の溶存状態と河川の水質との関連性

・富栄養化とは

都市活動・工業活動・農業活動などによる排水の増加と質の変化により、窒素、リンなどの栄 養塩類の濃度が自然の状態に比して増加してくると藻類が異常繁殖する。このような現象を富栄 養化という。

・透視度、電導度およびpH

これらの測定は採水現場で簡便に行なえるが、測定値は水質を反映している。透視度の測定は 河川の清浄さの目安になる。すなわち透視度の値が大きいほど清浄であることを示す。電導度は 溶存イオンの濃度を反映し、溶存イオンの竜が多いと電導度が高い。pHは河川の酸性度を示す。

採水現場でのこれらの項目の分析も大切な意味を持つ。

各溶存成分の分析値(喝/l)に淳子法によって測定した測定地点における水の流量を乗じて、

流出負荷量(mg/sec)を算出した。河川水が運んだ溶存成分の総量が評価できる。

・窒素の溶存状態と水質

一47−

(5)

窒素は水中で種々の状態で存在する。水中に窒素ガスとして溶けているもの、主としてアミノ 酸・ポリペプチド・タンパク質として存在する有機態窒素、①アンモニア態窒素(NH4㌧N)、

②亜硝酸態窒素(NO2 ̄−N)、③硝酸態窒素(NO3 ̄−N)などである。

人間活動により窒素は主に有機物として河川に流入する。河川水中に02が充分にあると、有 機物の分解により放出された窒素は、無機的あるいは好気性バクテリアの作用を通じ酸化状態の 高いほうへ移行しようとする。しかし、酸素が乏しい還元状態では、嫌気的バクテリアの作用を 通じ酸化状態の低いほうへ移行する。このような還元状態では、有機物が多量に存在し、河川の 汚満はひどい。

①アンモニア態窒素(NH㍉一N):汚染された還元的環境にある水にみられる。アンモニア態肇

②亜硝酸態窒素(NO2 ̄−N)

③硝酸態窒素(NO。 ̄一N)

素は、主としてタンパク態物質の分解によって生じたり、尿 素が変化して生じる。

硝酸イオンの還元あるいは、アンモニアの酸化によって亜硝 酸イオンが生じる。

一般の淡水には、NO。−Nとして0.1〜1mg/l含まれる。

・リンの溶存状態と水質

リンもまた、.,窒素と同様水中に存在する。すなわちオルトリン酸態リン、無機縮合態リンなど である。動植物体の分解により、有機態リンは動植物の死滅後は速やかにオルトリン酸となって 水中に溶け出てくる。また、合成洗剤中のトリポリリン酸にもリンが含まれ、生活排水の影響を 受けた河川のリン濃度は大きい。これらのリンは定量法によって次の様に分類される。

①T−P(全リン)………・=水中の全リン量で試水にCa2ナ塩を加えてリンを固定しながら HClO。とHN03で灰化して得られるリンの値

②リン酸態リン(PO。3 ̄−P)……オルトリン酸の形のリンで、リンの発色試薬と反応するのはこ の形の時のみである

③加水分解性リン………種々の縮合態のリンで、H2SO。を加え一定時間加熱してオル

④org−P

トリン酸に変わりうるリン

動植物体中に存在するリンで、①から(②+③)を引いた値が これに相当する

3.結果および考察

3−1佐保川上流から下流への水質変化および流出負荷量

表2−1に1987年8月13日および9月18日の採水による佐保川の水質分析値をしめす。佐保川 の流Fに伴う水質変化を、各項目および地点別にまとめると次のようになる。

①pH

第1回(1987年8月13日採水)  第2回(1987年9月18日採水)

分析結果       分析結果

7.0〜9.3の範囲である。最低値は、 7.0〜8.1の範囲である。最低値は、

−48−

(6)

表2−1佐保川水質分析結果 1987年8月13日及び9月18円採水

1項汀年8月13日採水

採 水地 点 1 2 3 4 5 6 7

採 水 時 刻 8 :13 9 : 10 :10 10 :43 11 :4 0 13 こ05 1 3 :

気 温 C 2 2 9 3 2 32 33 35

水 温 C 19 25 3 1 29 3 1 3 1

透 視 度 皿 Ⅶ 以 上 瓢 以 上 測以 上 2 1 18 17

p H t O 7 8 諷3 8 4 7 5 8 2 8 7

M 4 L N 0 .01 n O 2 n O l 1.0 3 2 8 4 2 糾 n 4 7 M 2 ̄一 n ∝刀 n (氾7 n ∝)9 0.2 9 1 0.2 氾 n 獅 n 2 4 3

周 3 ̄一 n 23 n 4 2 n 18 n a 0.49 n お n 63

無機 態 窒 素 n 24 n 45 0 .a ) 1.6 0 & 57 a 43 1.34 m t トIP 0.0 14 n O a I n m n 398 n 4説) n 53 1 0∴汀1

Ca z. 1 0 16 .4 a 2 a O a T 芝 3 a 9

嶋 2 1.1 & 4 1 2 5 0 1 9 5 3 1 7

Ih ▲ 9 1乙 7 z 乙6 n 4 盟 3 45.6 3 9.0

K . 1.0 ▲ 0 5 7 8 1 1 7 T 7 1 7

ア ル カ リ度 14.4 岨 0 72 6 8 9.1 8鼠 1 弧 G 弧 1

l C l ̄ a l 18 1 26 .0 4▲ 7 訂 .3 軋 9 鼠 6

SO .2 ̄ 6.1 11 8 19.9 1& 0 芝 4 3 1.2 a I.0

S iO 2 18.6 12 1 8 .3 19.4 16.3 1&6 14.9

1鋸7年9月18日採水

採 水 地 点 1 2 3 4 5 6 LT

採 水時 刻 8 :: 9 :10 10 : 10 : 1 1 :15 12 :12 13 :

気 温  ℃ 2 1 2 4 2 1 a 5 m 5 2 24

水 温 . ℃ 19 2 2 2 芝 9 24

透 視 度 血 Ⅶ 以 上 Ⅶ以 上 氾以 上 到 以 上 岨 5 3 9.5 40

p H t O γ 2 8 1 7 4 7.5 1 4 1 6

M ▲L N 0 .【 0.04 n O 4 2 0 4 a O9 2 訂 1.3 5 M 2  ̄−N 0 .0 ∝l 0.∝汀 0 .05 8 n 2 % n 35 1 仇 :お0 n 3 17 岨 1㌧ N 0 .2 0.75 n 7 0 0 .4 0 0.40 0.62 n 97 無 残 懸 窒 素 n 盟 0.82 0.80 2 7 4 a 84 a Z 7 2 6 4 和 4ト ーP n (刀1 0.【氾3 n 糾 6 n 153 n 4 16 0.3 45 n a 1

th 2. a T 16.5 10 .6 19 .2 2 1.7 芝 5 茄 .5

馳 l 1.3 0.6 5 5 5 0 説0 5 3 E O

随 . E l 11.3 13 .6 2鼠 6 孔 8 孔 7 29 .7

K . 1.0 且 6 ▲ 6 6.7 7 2 7 2 6 .7

ア ル カ リ度 15 .7 3 & 3 40 .6 弘 1 敗  ̄6 7 & 1 69 .6 l C l ̄ 1 1 15 0 17 .8 罰 .3 n 2 弧 1 温 2 S O 4ト ▲ 3 11.5 11 1 13 .3 15.0 3 1.2 n l S iO t 2 1.2 15.1 14 .7 17 .7 18 7 17.8 17 .2

一49

(7)

②透視度

③NH4+−N

④NO2 ̄−N

⑤NO。 ̄−N

⑥無機態窒素

地点1(7.0)次いで低い順に、

地点5(7.5)、地点2(7.8)となっ ている。最高値は地点3(9.3)

で、地点7(8.7)、地点4(8.4)、

地点6(8.2)と高い値を示して いる。

()内はpHを示す。

地点1から地点3までは50cm以上 であるが、地点4(21cm)以降、

地点5(34cm)、地点6(18cm)、

地点7(17cm)と低下する。河川 水中の懸濁物質が増加している。

()内は透視度を表す。

0.01〜2.朗mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.01)で、地点 2(0.02)、地点3(0.01)と低 い値を示す。最高値は地点5

(2.朗)、地点4(1.03)も高い。

しかし地点7(0.47)で少し低く なっている。

尚、()内はmg/lを表し、以 下も同様である。

0.000〜0.291mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.000)で、地 点2(0.007)、地点3(0.009)

と低い値を示す。最高値は地点4

(0.291)で、地点7(0,243)、地 点5(0.239)、地点6(0.208)

が高い値を示す。

0.18〜0.63mg/lの範囲である。

最低値は地点3(0.18)で最高値 は地点7(0.63)である。

0.20〜3.57mg/lの範囲である。

最低値は地点3(0.20)で、地点 1(0.24)、地点2(0.45)が低 い。最高値は地点5(3.57)で、

−50−

地点1(7.0)で、低い順に、地 点2(7.2)、地点4(7.4)、地点 6(7.4)、地点5(7.5)、地点7

(7.6)である。最高値は地点3

(8.1)である。

地点1から地点4までは50cm以上 である。地点5(49.5cm)、地点 6(39.5cm)、地点7(40cm)と なり、1回目より回復しているが、

これは増水の影響と考えられる。

0.00〜3.09mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.00)で、地点 2(0.04)、地点3(0.04)も低 い値を示す。最高値は地点5

(3.09)で、地点6(2.37)、地点 4(2.04)、地点7(1.35)も高 い値を示している。

0.000〜0.351mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.000)で、地 点2(0,027)、地点3(0.058)

とわずかに増加する。最高値は地 点5(0.351)で、地点7(0.317)

地点4(0.296)、地点6(0.28)

が高い値を示している。

0.22〜0.97mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.22)で最高値 は地点7(0.97)である。

0.22〜3.84mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.22)で、地点 2(0,82)、地点3(0月0)と高 くなっている。最高値は地点5

(8)

地点6(3.43)、地点4(1.60)、

地点7(1.34)が高い。

(郭PO43 ̄−P 0.014〜0.531mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.014)で、地 点2(0.020)、地点3(0.072)

とわずかに増加する。最高値は地 点6(0.531)で、地点5(0.450)

地点4(0,398)、地点7(0.371)

が高い。地点1で既に環境基準値

(0.01)を越えているが、これは 生物活動に起因していると考えら

れる。

4.0〜23.9mg/lの範囲である。

1.1〜5.3mg/lの範囲である。

4.9〜45.6mg/lの範囲である。

(3.84)で、地点6(3.27)、地 点4(2.74)、地点7(1.34)が 高い値を示している。

私001〜0.416mg/lの範囲である。

最低値は地点1(0.001)で、地 点2(0.002)も低い。最高値は地 点5(0.416)で、地点6(0.345)、

地点7(0.281)、地点4(0.153)

が高い値を示している。

3.7〜26,5mg/lの範囲である。

0.6〜5.5mg/lの範囲である。

5.1〜30.8mg/lの範囲である。

表2−2 主要無機成分アニオン・カチオンmg当量値 1987年8月13日及び1987年9月18日採水)

1 9 8 7 年 8 月 1 3 日

採 水 地 点 1 2 3 4 5 6 7

C a 2 . 0 .2 0 0 0 .8 1 8 1 .1 5 8 1 ,14 8 1.1 8 3 1 .1 1 3 1 .1 9 3 u g 2 ナ 0 .(治0 0 .2 8 0 0 .3 4 5 0 .4 1 1 0 .4 0 3 0 .4 3 6 0 .3 8 7 N a t 0 .2 1 3 0 .5 5 2 0 .9 8 3 1 .6 2 6 1.4 0 4 1 ,9 8 3 1 .6 9 6 K ヰ 0 .0 2 6 0 .1 0 2 0 .1 4 6 0 .2 0 7 0 .1 9 7 0 .1 9 7 0 .1 9 7 ア ル カ リ度 0 .2 8 8 0 .8 5 9 1 .4 5 1 1 .7 8 0 1.7 8 0 1 .8 7 0 1 .6 脚 C l  ̄ 0 .0 8 7 0 .5 1 0 0 .7 3 3 1 .2 6 1 1.0 5 2 0 .8 7 1 0 .9 4 8 S O ㍉  ̄ 0 .1 2 7 0 .3 7 1 0 .4 1 4 0 .3 7 5 0 .4 6 6 0 .6 5 0 0 .5 8 3

1987年 9 月18 日

採水 地点 1 2 3 4 5 6 7

C a 2 ナ 0 .1 8 5 0 .8 2 3 0 .5 2 9 0 .9 5 8 1.0 8 3 1 .12 3

馳 2 ナ 0 .1 0 7 0 .0 4 9 0 .4 5 2 0 .4 1 1 0 .4 1 1 0 .4 3 6

N a . 0 .22 2 0 .4 9 1 0 .5 9 1 1 .1 13 1.3 3 9 1 .2 9 1

K 0 .0 2 6 0 .0 9 2 0 .1 1 8 0 .1 7 1 0 .1 8 4 0 .1 8 4

ア ル カ リ 度 0 .3 1 4 0 .6 8 5 0 .8 1 1 1 .2 8 1 1.6 5 0 1 .5 6 0

C l  ̄ 0 .1 1 6 0 .4 2 3 0 .5 0 2 1 .0 2 4 1.0 4 9 0 .9 3 3

S O 4 2  ̄ 0 .0 9 0 0 .2 3 9 0 .2 9 4 0 .2 7 7 0 .3 1 2 0 .6 5 0

4 1 1 m 3 9 1 9 9 3 m l   n U   L   O   l 0 0

(9)

⑪Kキ

⑫アルカリ度(H2CO。 ̄)

⑬Cl ̄

⑭SO42 ̄

⑮SiO。

1.0〜8.1mg/lの範囲である。

14.4〜93.6mg/lの範囲である。

3.1〜44.7mg/lの範囲である。

6.1〜31.2mg/lの範囲である。

8.3〜19.4mg/lの範囲である。

1.0〜7.2mg/lの範囲である。

15.7〜82.6mg/lの範囲である。

4.1〜37.2mg/lの範囲である。

4.3〜37.1mg/lの範囲である。

14.7〜21.2mg/lの範囲である。

これら、2回の定量値について栄養塩の含有量が大きい地点があるが、主要無機成分のそれは あまり大きくない。主要無機成分のmg当量値を表2−2に示す。また、2回の栄養塩流出負荷量 を算出すると表2−3のようである。

3−2 栄養塩の流程変化

佐保川上流から下流への富栄養化の状態を検討するため、第1回(8月13日)、第2回(9月 18日)の分析結果のうち栄養塩流程変化をグラフにし、図2(図2−1、図2−2)に示す。ま た、各地点でのNH。+rN、NO, ̄ ̄−N濃度の大小関係は、次の4つのグループに分類できる。

表2−3 佐保川栄養塩流出負荷量

1987年8月13日及び9月18日採水

1987年8月13日採水

採 水 地 点 2 3 4 5 6 7

採 水 時 刻 9 :2 0 1 0 こ10 1 0 :4 3 1 1 :4 0 1 3 こ0 5 1 3 :5 0 流 量 l /s e c 2 3 .6 3 3 6 .7 6 1 1 3 .1 3 1 1 .4 1 0 8 7 29 3 .2

M ㍉ 一N

0 .4 7 0 .3 7 1 1 6 8 8 4 3 0 9 3 1 3 8 N O 2  ̄−N 0 .16 5 0 .3 3 1 3 2 .9 1 7 4 .4 2 左腹 5 7 1.25

N O 3  ̄−N 9 .9 2 6 .6 2 3 1 .7 1 5 3 4 1 4 1 8 5

無 機 態 窒 素 e C 1 0 .6 7 .3 5 1 8 1 1 1 1 2 3 7 3 5 3 9 3 P O ㍉ ∴ P 0 .4 7 3 乙 6 4 7 4 5 .0 1 ′1 4 0 .0 1 5 7 8 .3 1 0 8 .8

1987年9月18日採水

採 水 地 点 2 3 4 5 6 7

採 水 時 刻 9 :1 0 1 0 :0 0 1 0 :3 0 1 1 二1 5 1 2 :12 13 :2 0 流 量 l /s e c 1 4 4 .5 1 7 0 .7 4 0 1.2 1 0 0 3 18 1 5 1 6 7 5

M l L N

5 .7 8 6 .8 3 8 1 8 3 0 9 9 4 3 0 2 2 2 6 1 N O 2  ̄−N 3 .9 0 2 9 .9 0 1 1 1 8 .8 3 5 2 .1 5 0 8 .2 5 3 1 .0

N O ㍉ −N 1 0 8 1 1 9 1 6 0 4 0 1 1 12 5 1 6 2 5

無 機 態 窒 素 S e C 1 1 8 1 3 7 1 0 9 9 3 8 5 2 5 9 3 5 4 4 2 2 P O .3  ̄−P 0 .4 3 4 7 .8 5 2 6 1 .3 8 4 1 7 .2 6 2 6 .2 4 7 0 .7

ー52−

(10)

囁蜜瀬迷

C

廿

q N

N

く由  ⊂ン       くつ

・・・       ・i

l NO:, ̄−N>NO2 ̄−N>NH.+−N

2 NO3 ̄−N>NH4+−N>NO2 ̄+N

3 NH4+−N>NO。 ̄−N>NO。

4 NH了−N>NO。 ̄−N>NO2

酸化的環境

還元的環境

囁要素迷

C

曽樹泄焉e事碑耕 N国

m Cl 廿

Q N

この分類のうち、1と2は河川水が酸化的環境にあることを示し、3と4は還元的環境に有る

−53−

(11)

表3 採水地点における無機態窒素のグループ分け

第1回

(8月13日)

第2回

(9月18日)

環境区分

1

2

4

b

7

1 1 1

1 1

1

1

1

1

1

1

1 1

1

1111IIIII

事を示している。各地点での河川水がど のグループに属するかを表3に示す。

佐保川は、地点1、地点2、地点3で は酸化的環境下にあり比較的良好な水質 である。PO43−Pは8月13日の分析結果 では地点1で既に環境基準(0.01mg/l 以上は汚濁)を越えた値を示すがこれは 生物活動に起因すると考えられる。

地点3以降、地点4、地点5、地点6 では、佐保川は還元的環境にあり、地点 5の無機態窒素は地点1の16倍にもなる。

PO。3 ̄−Pは地点3以降徐々に増加し、

地点5、地点6では環境基準の約50倍に もなっている。この原因は、佐保川の地 点3の下流に菩提川、菰川などの富栄養 化の著しい河川が混入するためと考えられる。

地点7では、酸化的環境(8月13日)にも還元的環境(9月18日)にも分類できることや、

NH4+−Nが減少し、NO3 ̄ ̄−Nが増加していることなどから富栄養化は多少回復していると考えら れる。また、PO。3 ̄一Pも少し減少している。これは、佐保川流域の土地利用が住宅地から水田 地帯へ変化したことや、佐保川に合流する河川の水質が比較的良いためと考えられる。また、透 視度は生活排水が混入してくると低下することが図3(図3−1、図3−2)より判明した。

3−3 主要無機8成分の流程変化

8月13口、9月18日の分析結果に主要無機成分のmg当量について、それらの流程変化を示すと 図4(図4−1〜図4−3)のようである。

1   2   3   4   5   6   7

採水地点

1   2   3   4   5   6   7

採水地点

関3−11987年8月13日採水各地点での透視度       図∃一21987年9月18日採水各地点での透視度

図3 透視度の流程変化

−54−

(12)

[1] [2]    [3] [4][5]    [6]   [7]

採水地点

図4−1 カチオンの流程変化

[1] [2]    [3] [4][5]    [6]   [7]

採水地点

図 4−2 アニオンの流程変化 図4 主要無機成分の流程変化

Cl ̄は、人為汚染を示す重要な成分である。PO43 ̄−P、栄養塩、同様下流に向かうに伴って Na+も増加の傾向が見られる。他の主要無機成分のうち、Ca2+、Mg2+、SO。2 ̄、Si02について は、人為汚染による増加傾向は見られない。逆に、人為汚染による増加が見られる主要無機成分 はNa+である。Na+は、人的活動によりNaClとして排出されるためであろう。

−55−

(13)

[1] [2]    [3] [4][5]    [6]   [7]

採水地点

図4−3 Si02の流程変化

図4 主要無機成分の流程変化

【2】  【3コ【4】【5】 【6】 【7】       臼】    【3】 【4]【5〕    【6】   〔7】

虞水壇A

【111日7年8月13日

採水地点

【2】 川37年,月18日

図5 栄養塩の流出負荷量の流程変化

−56−

(14)

表4 佐保川24時間観測水質分析値

1987年11月14日10時〜11月4日10時

採 水 時 刻 9 :4 0 1 4 :0 0 1 8 :0 0 2 2 :1 0 1 :5 5 6 :1 0 1 0 :0 6

気 温 C 1 3 .0 1 5 .9 1 2 .8 1 0 .2 1 0 .0 6 .0 1 3 .0

水 温 C 1 2 .0 1 3 .0 1 2 .8 1 1 .6 1 2 .0 1 1 .0 1 1 .0

透 視 度 5 0 以 上 4 7 .5 5 0 以 上 5 0 以 上 5 0 以 上 5 0 以 上 5 0 以 上

p H 7 .7 7 .3 7 .4 7 .6 7 .6 7 .5 7 .8

M 4 ㌧ N 0 .1 9 0 .5 5 0 .2 0 0 」 7 0 .1 5 0 .17 0 .1 7

N O l  ̄−N 0 .0 5 0 0 .0 9 0 0 .0 5 9 0 .0 5 2 0 .0 5 1 0 .0 5 1 0 .0 4 8

N O . ̄−N 1 .0 7 1 .1 9 1 .0 4 1 .0 3 0 .9 8 1 .0 3 1 .0 2

無 機 態 窒 素 1 .3 1 1 .8 3 1 .3 0 1 .2 5 1.1 8 1 .2 5 1 .2 4

P O .3  ̄−P 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 加 水 分 解 性 P 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 0 .0 0 0 O r g −P 0 .0 5 3 0 .0 5 0 0 .0 4 g 0 .0 1 6 0 .0 1 3 0 .0 2 6 0 .0 5 5 T − P 0 .0 5 3 0 .0 5 0 0 .0 4 9 0 .0 1 6 0 .0 1 3 0 .0 2 6 0 .0 5 5

C a 才ナ 1 0 .0 1 0 .7 1 0 .5 1 0 .3 1 0 .3 10 .5 1 0 .3

M g 2 ナ 2 .5 3 .2 2 ,3 乙 3 2 .4 2 .4 2 ,3

l N a 1 1 .3 1 4 、5 1 1 .3 1 1 .3 1 1 .3 1 1 .5 1 1 .5 .

K ナ 2 .9 3 、5 乙 9 乙 8 2 .9 2 .9 a 9

ア ル カ リ度 2 9 .1 3 4 .3 2 9 .0 2 9 .5 2 9 .9 2 8 .4 2 9 .0

C l  ̄ 1 2 .7 16 .5 1 2 .5 1 2 .3 1 2 .4 1 2 .6 1 2 .5

S O .ト 日 .1 12 5 1 1 .3 0 .2 1 L 8 1 0 .5 1 0 .6

S iO 2 1 8 .9 1 8 ,5 1 9 .0 18 .8 1 8 .8 1 8 .8 1 8 .9

採 水 時 刻 1 0 :2 0 1 4 :4 0 18 :4 5 2 2 :4 0 2 :2 5 6 :4 0 1 0 :却

気 温 C 1 2 .5 1 5 .5 1 2 .0 1 1 .0 10 .0 7 .1 1 2 .2

水 温 C 1 3 .2 1 3 .5 1 3 .8 1 4 .0 12 .0 1 2 .0 1 4 .0

透 視 皮 5 0 以 上 4 9 .0 3 9 .5 4 3 .1 4 5 ,7 5 0 以 上 5 0 以 上

p H 7 .2 7 .2 7 .2 7 .2 7 .2 7 .3 7 .5

N H 4 ㌧ N 乙 3 6 2 4 0 3 .1 3 2 .4 4 乙 8 5 2 .8 4 2 .4 5

N O l  ̄−N 0 .1 0 5 0 .1 1 5 0 .0 9 1 0 .0 8 3 0 ,0 7 8 0 .0 7 6 0 .0 6 0

N O 3  ̄一N 0 .4 3 0 .5 1 0 .3 0 0 ,3 1 0 .2 8 0 .3 1 0 .4 2

無 機 態 窒 素 2 9 0 3 .0 3 3 .5 2 2 .8 3 3 .2 1 3 .2 3 2 .9 3

P O 4 3  ̄−P 0 .2 0 5 0 .2 0 7 0 .4 3 0 0 .2 3 8 0 .2 2 7 0 .2 5 5 0 .2 0 6 加 水 分 解 性 P 0 .0 6 5 0 .0 7 8 0 .0 2 5 0 .1 5 2 0 .1 2 8 0 .0 9 0 0 .0 8 4 O r g −P 0 .1 4 9 0 .0 8 4 0 .2 9 5 0 .1 0 7 0 .2 0 7 0 .16 1 0 .0 7 0 T − P 0 .4 1 9 0 .3 6 9 0 .7 5 0 0 .4 9 7 0 .5 6 2 0 .5 0 6 0 .号6 0

C a 2 ヰ 1 8 .0 1 8 」 1 8 .7 1 8 .4 1 8 .9 18 .8 1 7.7

M g 2 3 .7 3 ,4 3 .0 3 .3 3 .7 3 ,6 3 .4

l N a ヰ 2 5 .9 2 5 ,3 3 5 .6 2 7 .6 2 7 .6 2 6 .4 2 4 .7

K ナ 6 .4 6 .2 8 .1 6 .6 6 .5 6 .5 6 ,2

ア ル カ リ度 6 8 .0 6 7 .2 8 1 .8 7 0 .7 7 2 .1 7 2 .0 6 7 ,0

C l ̄ 2 8 .3 2 6 .3 3 5 .8 2 8 .1 3 1 .8 2 8 .7 2 6 .5

S O 4 2  ̄ 18 .6 1 6 .0 1 5 .5 2 2 .6 ユ8 .8 1 7 .1 ほ 4

S i O 2 1 9 .1 1 8 .4 2 0 .2 1 9 .2 1 9 .4 1 8 .8 1 8 .0

−57−

(15)

雁抽鮫華厳

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3−4 栄養塩流出負荷量からみた増水による佐保川の水質変化

第2回採水(9月18日)の前日には、1.0mmの降雨があり河川は増水していた。そこで、降雨 のなかった第1回採水(8月13日)と比較して、増水による佐保川の水質変化を栄養塩流出負荷 量から検討する。栄養塩流出負荷量の流程変化を示すと、図5((1)、(2))のようである。明らか

−58−

(16)

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に栄養塩流出負荷量は著しく増大している。各地点でNH4+−Nは平時の1〜19倍、NO2 ̄−Nは2

〜30倍、NO3 ̄−Nは3〜18倍、PO。3 ̄−Pは1〜4倍の変化がみられた。これは、河川の増水で 川底に堆積していた土壌、すなわち底質が巻起こされ、その中の栄養塩が流出したためと考えら れる。増水による栄養塩流出負荷量の増加は予想をはるかに越えたものであった。

−59−

(17)

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2.0 101418 22 2 610     101418 22 2 610     101418 22 2 610     101418 22 2 610 時刻時刻時刻 図7−1 主要無機成分の経時変動1987年11月14日10時〜15日10時 その1 図7 主要無機成分の経時変動

時刻

い−∽再来−ニ8昇腑8Ⅲ婦璧

華型聖㌣ゝ玩高密竺型誉孟竿壷喜N国史慧豊志も喜J苧甲ノ巾や軍事軍準砕伊竺戸

光琳結節柵碧痘︵確言苫鴻疎石計J汁蓮如N什光淋姉添柵碧到人海拙さ滴恭d計J汁藩誠心什d 雲躯遥計仙二rl幕営﹁ノ翠塑二日津城㊦皿料理申出掛﹁汁︒苅浄罪誉荘労石部ヰ什討64計か0

−の01

(18)

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1987年11月14日         1987年11月15[]

地点2  9:4014:0018:00 22:00   1:55 6:1010:06 地点4  10:2014:4018:45 22:40   2:25 6:4010:40

分析結果は表4のようである。

一61−

(19)

10  14  18  22   2   6  10 時     刻

50m 以上

10  14  18  22   2   6   10 時    刻

図 8−1 地点2 透視度の経時変動

図8 透視度の経時変動

図 8−2 地点4 透視度の経時変動

主成分の経時変動は図7(図7−1、図7−2)、透明度の経時変動は図8(図8−1、図8−

2)のようになった。

地点2では、NH。+−N、NO,.N、無機態窒素のすべてが14:00に最高値をしめしている。

T−P、Org−P濃度は18:00以降減少し、翌1:55に最低値を示している。地点2でのNおよびP の量は人間活動の活発な時間帯に増加し、活動の少ない時間帯に低い値をしめしていることが明 らかである。

地点4では、NO2 ̄−N、NO, ̄一Nは14:00に、NH㍉AN、無機態窒素は18:45に最高値を示し ている。また、PO43 ̄−P、Org−P、TrP濃度は18:45に、加水分解性リンは22:40に最高値をし めす。流出負荷量でも同様な傾向を示し、加水分解性リンは22:40に最高値を示す。地点4にお いても地点2同様、人間活動が活発な時間帯に河川水中の栄養塩は増加している。しかし、地点 4では、22:40頃から翌6:40頃にかけてNH㍉−N、無機態窒素、PO43 ̄−P、加水分解性リン、

Org−P、T−Pの値が高くなっており地点2とは異なった変動を示す。これは、地点4に合流する 菩提川の影響であると考えられる。菩提川は比較的夜遅くまで人間活動が行なわれている奈良市 街地を流れており、菩提川へ流入した排水が佐保川へ流れ、深夜にもかかわらず河川水中の栄養 塩濃度が高くなっているのではないかと考えられる。また、透視度は各地点での栄養塩の増加に 対応して低下している。

4.まとめ

佐保川の水質について上流から大和川合流地点までの7地点を選定し、1987年8月13日と9月 18日に採水と流量測定を行ない、栄養塩および主要無機成分の分析を行なった。一方、北山川上 流の水質を汚染のない河川本来の姿と考え、北山川上流の5地点の水質を調査(1987年11月24日)

した。その結果と佐保川地点5の水質および日本の河川の平均水質とを比較し、表5の結果を得 た。

北山川の水質を汚染のない河川本来の姿と考え、佐保川の水質と比較すると佐保川の富栄養化

−62一

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