茨城大学教育学部紀要(教育科学)41号(1992)10g−121 109
男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造について
高野 祐一*・野田 洋平*
(1991年9月13日受理)
AFactor Structure of Junior High School Boy s Consciousness for Soccer
Yuichi TAKANo and Yohei NoDA
(Received September l3,1991)
は じ め に
サッカーの特性は,コート内で相対する両チームが入り乱れ,キックによって互いに相手の守備 陣を抜いてゴールにシュートし,得点を競いあう楽しさを味わうというものである1)。また,主要 な技術は足でボールを扱うことであり,ゲーム中にミスが生じやすいが,しかしそのミスを偶然性 によりカバーすることができ,技術差による心理的な苦痛を減少させる。さらに,ポジション的に はキーパー・バック・ハーフ・フォワードと広く選択できるという面もある2)。
中学校における体育の授業では,生徒自身の経験が未熟ということで,ゲームを中心に行なって いても基礎的技術の発展性は少ないが,攻めや守りのパターンがないことでかえって自由を生かし,
一人一人が興味をもって取り組めるといえる3)。現行の中学校学習指導要領4)には,球技について
「チームにおける自己の役割を自覚して,その責任を果たし,互いに協力して,計画的に練習やゲ 一ムができるようにする。」と述べられている。集団対集団という形で行なわれるサッカーの中で,
個人の役割を果たし,なおかついかに集団が持つ組織的なプレーを円滑に行なえるかということが 重要な点であると思われる。また,組織内でのよい人間的な関わりを作ることで組織力を高めるこ
とも必要であろう。集団としてのサッカーに目を向けがちであるが,以上のことから,集団を造り 上げる個人に注目することも大切なことであると思われる。
大淵ら5)は,生徒の発達段階に並行してゲームの様相が高等化していくと述べている。同様に福 原ら6)は,学年が進むにつれてスキルの水準は高まり,選手の水準に近づく傾向にあるとしている。
また桑原7)は,サッカーの学習活動を,ボールコントロール・攻撃優先・数的優位の三点に分け,
それらへの学習者の欲求とそれに応じた効果的な指導法により,実践意欲を生み出すことが大切で あるとしている。同様に,サッカーの指導法に関して五島ら8)は,能率的効果的指導法を工夫した
ところ,集団技能を中心とし,ポジションをエリアという形で規定して指導したほうがポジション の把握が早く,集団としての協同動作を行なうようにゲームを展開していくようになるとしている。
*茨城大学教育学部保健体育講座(〒310 茨城県水戸市文京2丁目1−1).
さらに奥ら9}は,分習一全習というグループと,全習一分習というグループで,どちらが早く学習 効果を示すかという実験をしたところ,生徒の実体に即し,全習から分習へ指導すると大いに学習
効果に影響を及ぼすということを見出している。 一
このように実践を通して,個人にあわせた指導法を明かにしたり,技術の発達を効果的に得られ る方法を明かにした研究は多く見られる。それらは教える側に関することであり,生徒側の行動を 評価しているものである。その行動をおこす生徒はどのような意識をもっているのかということに 関する研究は見あたらない。
大城ら1°)は,中学生の体育学習に対する態度に関渉る研究で,体育時間への適応度・身体運動的 自己概念・身体運動面での社会的自己意識の3つの観点から生徒自身の体育学習に対する態度をと らえることによって,中学校体育の目標を押し進めていくとしている。また野口ら11)は,学習者の 体育授業に対する態度の因子分析的研究の中で,教師・集団・学習内容その他様々のものが媒介変 数となり,その変数が複雑な組み合せを示し,体育という枠で好き・嫌いを示すことはできないと
している。
以上の研究から,体育に対する様々な観点で学習者自身の意識をとらえ,またその意識が,体育 という科目に限定されることなく,その中の単元に対してどのように変化しているのかを知る必要 性があると思われる。そこで本研究では,学校で教科体育として行われているサッカーに対して,
生徒が個人としてどのような意識をもって参加しているのかに焦点をあてた。
男子中学生を対象としたアンケート調査を実施し,その結果を「サッカーが好き(以下L群)」
と「サッカーを学習する全員(以下A群)」という観点から,因子分析法を用いて生徒の意識を検 討した。それによって男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造を明かにしたものであ
る。
方 法
1.対 象
茨城県常陸太田市立A中学校,東海村立B中学校1,2,3年生 男子生徒580名 人数
1年生 2年生 3年生 A中学校 80名 82名 84名 B中学校 110名 120名 113名 2.調査方法
質問紙を用いてアンケート調査を実施した。
解答は5段階の間隔尺度で得た。
3.調査内容
質問紙は図1−1〜1−2の構成概念図式を元に102項目で作成した。
高野・野田: 男子中学生のザッカーの授業に対する意識の因子構造について 111
サッカーに対す る慧臓
㎜膿 ゲーム讐加への
@鯨
好轡・嫌いの
@魅 妓術剛階 繍 鰻 自己評優 性帽
質問項目例
よく どちらとも あまり
あてはまる あてはまる いえない あてはまらない あては馨らない
20)ゲームで勝つととてもうれしい 5 4−3−2_1
図1−1 質問項目の構成概念式(host)
サツカーに 対する意識
教師への欲求 サッカーへの ョ機づけ
家庭の
Xポーツ環境 友人関係 教師の態度・
@指轟力 安全への配慮
図1−2 質問項目の構成概念図式(env)
4.調査期間
平成2年11月18日〜12月7日 5.解析方法
サッカーの授業に対する生徒の意識の因子構造を検討するために主因子解法による因子分析を行
った。
因子の抽出は,芝の定義から8因子で行った。抽出された因子に対し,ノーマルバリマックス規 準による直交回転を施した。
共通性の推定は,SMCにより行った。
各因子の解釈は,回転後の因子負荷量0.4以上の項目に言及した。
因子得点は,完全推定法を用いた。
また,今回の調査で因子構造を比較するために,好き群と嫌い群を用いようとしたが嫌い群が 少なかった(N=21)ため,全体群を用いて因子構造の検討をおこなった。
結 果
1.因子の解釈と命名
ノーマルバリマックス規準による直交回転を施した後の因子負荷量を,表1−1〜1−4に表した。
それらの結果から,各群における因子の解釈を行なった。
○好き群 一主体要因一
・F1…技術向上意欲の因子
サッカー部の人に技で勝ったことがある,上手な人の技をよくまねる,などの項目に高い負荷量 を示した。これは,現在の技術レベルを逸脱して,さらに高等な技術へと進歩したいと考えている
という結果とし,技術向上意欲の因子とした。 o
・F2…基礎技術・チームプレー認識の因子
基礎技術の練習はゲームをするのに必要である,チームメイトのいいプレーを認める,などの項 目に高い負荷量を示した。これは,基礎技術の必要性やチームプレーとしてのサッカーを認識して いるとし,基礎技術・チームプレー認識の因子とした。
・F3…ゲーム参加意欲の因子
ゲームの中でボールにさわる回数が多い,ゲームの中でかつやくしている,などの項目に高い負 荷量を示した。これは,授業でおこなわれるゲームにどれだけ積極的に参加しているかという自己 評価として表現されたものと考え,ゲーム参加意欲の因子とした。
・F4…勝利への意欲の因子
ゲームでは勝たなくてはならない,ゲームで勝つととてもうれしい,などの項目に高い負荷量を 示した。これは,ゲーム中に作戦・チームプレー・個人技をいかんなく発揮し,その結果として勝 利を求めていると考え,勝利への意欲の因子とした。
・F5…授業の秩序遵守の因子
授業の中で安全を守ることを心がけている,先生の話しをよく聞いてサッカーをする,などの項 目に高い負荷量を示した。これは,激しいプレーを必要とするサッカーをおこなう前の準備や,プ レー中守るべき安全をよく理解し,授業に臨んでいると考え,授業の秩序遵守の因子とした。
・F6…達成・成就の因子
困難・苦痛を乗り切り,自分自身のやり遂げた事に対して充実感を味わうことに重きをおいてい るものとし,達成・成就の因子とした。
・F7…スポーッ愛好の因子
部活動をやっているときが1番楽しい,テレビでスポーツ番組をよく見る,などの項目に高い負 荷量を示した。これは,スポーツ活動・観戦に強い関心をあらわしているものと考え,スポーッ愛 好の因子とした。
・F8…満足度の因子
授業で行なわれているサッカーに対して,どれだけの満足感を表しているかということを考え,
満足度の因子とした。
高野・野田:男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造について 113
表1−1 因子負荷量(L群・host)
質問項目 FI F2 F3 F4 F5 F6 F7 F8 共通性 72)新聞でよくサッカrの記事を読む
R8)マラドーナやプリットのプレーをまねたりする VDテレビでワールドカッブイタリア大会を見た R)サッカー部の人に技で勝ったことがある P8)サッカーの攻め方や守り方をよく理解している S)上手な人の技をよくまねる
P9)サッカーのルールをよく知っている Q)サッカーをやって足が器用になった V3)突然サッカーをやりたくなるときがある Q9)いろいろなポジションができる T)サッカーをやって中学校生活が楽しくなった
T9)ゲームの前にはゲーム中にしようとすることをいろいろ考え42)チームメイトのいいプレーをみとめる
S3)チームブレーの練習を大切にしている SDチームメイトが失敗したらはげます S0)チームのリーダーを信頼している R9)ゲームの中で作戦がうまくいくとうれしい Q6)基礎技術の線習はゲームをするのに必要である Q7)基礎技術の練習はグループで工夫して行っている Q8)現在の技術レベルでも楽しくサッカーができる R6)ゲーム中にどんなにつらくなっても根性でがんばる Q2)ゲームの中でかつやくしている
T6)ゲームの中ではいつも攻撃を中心にプレーをしている P5)ゲームの中ではボールにさわる回数が多い U1)どんなスポーツでもできる
T1>ゲーム中はいつも得点をねらっている R2)サッカーをするときには積極的になる
S9)ゲームの中ではアシストを大切にすることを心がけている S4)チームに役立つようにプレーしている
R7)ゲーム中はいつも動いている
T7)ゲーム中はいつも攻撃を中心にプレーをしている P6)ゲームでは勝たなくてはならないと思う
P7)ゲームに勝つためには目分がいなくてはならないと思う R4)ゲームで負けるのがきらいである
QDゲームに勝っためには手段を選ぱない Q0)ゲームで勝ととてもうれしい S5)授業の中で安全を守ることを心がけている S6)先生の謡レをよく聞いてサッカーをする
0.7522 O.6866 O.6462
O5949
O.5718 O.5672 O5568 O.5470 O5241 O.4774 O.4755 O.4694
@ −0.7459
@ −0.7084
@ −0.6786
@ −0.6H重
@ 一〇5617
@ −0.4897
@ 一α4792
@ −0.4546
@ −0.4420
@ 0.6492
@ 0,6237
@ 0.6164
@ 0.5416
@ 05157
@ 0.4755
@ 0.4682
@ 0.4284
@ α4175
@ −04342
@ 0.6615
@ 0.5303
@ 0.4813
@ 0.4527
@ 0.4405
@ α5918
@ α4793
0.6513 O.5690 O.6513 O.5710 O.7231 O.5710 O.7231 ソ4968 O.4873 O.5434 O♂4816 O.4338,
O.6215 O.6215 O5748 O.5544 ソ4913 O.4892 O.4495 O.4534 O.4316 O.6491 O.5224 O.6491 O5且83 O.5079 O.5224 O.5973 O.4251 O.5445 O.50?9 O.4741
O5896 ソ4278 ソ3793 O.5162 O.4102 O.4250 47)準備運動や整理運動を十分行っている
T2)ゲームで得点したときはとてもうれしい U4)部活動をやっているときが…番楽しい U6)テレビでスポーッ書組をよく見る U8)団体競技が好きである R0)サッカーの授業はやる気が出る
0.4667
@ 05484
@ 0.5867
@ 05170
@ 0.4815
@ α6283 α4250 O5ヨ62 O.5塵34 O.5134 O.4585 O.5992 31)サッカーをした後はとても良い気持ちになる
0.4621 α5922 固有値 6.8238 6.2974 5.2679 3.重451 1.9895 1.4850 Z2095 1.6452 28.8634 貢献度(%〉 11.3731 童0.4957 8.7798 5.24置9 3.3置58 2.4751 3.6825 2.7421 48.1059 積9献度(%) 1置3731 21.8687 30.6485 35.8904 39.2062 41.6813 45.3638 48.3106
○好き群 一環境要因一
・F1…スポーッ環境の因子
家庭の中でスポーツに関係しているものがいる,スポーツに関心のある家族である,などの項目 に高い負荷量を示した。これは,家庭でのスポーッに対する関心を示したものであり,また生徒を 取り巻く環境の一つと考え,スポーツ環境の因子とした。
・F2…教師の態度・指導の因子
先生の指導は熱〔♪である,先生と一緒にプレーできるとうれしい,などの項目に高い負荷量を示 した。これは,先生の指導や授業中の行動に対して,生徒がどれだけ関心を持っているかというこ
表1−2 因子負荷量(L群・env)
回転後 共通性
質問項目 FI F2 F3 F4 F5
83)スポーツに関心のある家族である 0.7245 0.6212
82)家庭の中でスポーツに関係しているものがいる 0.7073 0.6212
100)ゲームの勝敗が審判に左右されたことがある 0.6280 0.4394
89)サッカーがさかんな地域である 05251 0.4459
77)技術についていろいろ教えてくれる友達がいる 0.4877 0.4561
84)家族でよくスポーツをする 0.4349 0.5146
96)先生がする技術の説明は理解しやすい 一α8387 0.7200
95)先生が見本を見せてくれると理解しやすい ・0.7969 0.7200
78)先生の指導は熱心である 一α6990 0.5960
93)先生と一緒にプレーできるとうれしい ・0.6119 05940
98)先生は練習の時間を十分とってくれる 一〇.5417 0.5239
99)先生にこまかいところまでアドバイスしてもらったことがある 一〇.4713 0.5623
91)よくともだちにサッカーをやろうと誘われる ・0.7853 0.6965
88)休みの日にはよくサッカーをして遊ぶ ・0.7814 0.6965
90)近所にはサッカーができる広場がある 一〇.4822 0.4803
85)下手な人とチームを組むとやる気がなくなる 一〇.4327 0.2876
10Dゲームの中でレベルに合わせてルールを変えている ・0.4074 0.3789
87)グループ分けは自分たちでやっている 0.4680 0.3188
102)先生はサッカーに詳しい 0.4617 0.4700
固有値 3.3305 4.0109 2.5900 1.2089 1.2600 124003 貢献度(%) IL8947 143246 9250丑 43175 45002 44.2871
(%) 1L8947 26.2193 35.4694 39.7869 442871
と表していると考え,教師の態度・指導の因子とした。
・F3…サッカーに接する機会の因子
休みの日にはよくサッカーをして遊ぶ,近所にはサッカーができる広場がある,などの項目に高 い負荷量を示した。これは,体育以外の時間にサッカーに接することがあるかどうかということを 表していると考え,サッカーに接する機会の因子とした。
・F4, F 5…共に解釈不可能である。
○全体群 一主体要因一
・F1…サッカー理解の因子
サッカーの攻め方や守り方をよく理解している,新聞でよくサッカーの記事を読む,などの項目 に高い負荷量を示した。これは,授業中又は授業以外でもサッカーに触礼より深くサッカーを理 解しようとしているものと考え,サッカー理解の因子とした。
・F2…基礎技術・チームプレー認識の因子
基礎技術の練習はゲームをするのに必要である,チームメイトが失敗したら励ます,などの項目 に高い負荷量を示した。これは,好き群の主体要因・第2因子と同様のものと考え,基礎技術・チ 一ムプレー認識の因子とした。
・F3…攻撃重視の因子 P
ゲーム中はいつも得点をねらっている,ゲーム中はいつも攻撃を中心にプレーしている,などの
高野・野田:男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造について 115
表1−3 因子負荷量(A群・host)
回.一 共通性
質問 目 FI F2 F3 F4 F5 F6 F7 F8 19)サッカーのルールをよく知っている
P8)サッカーの攻め方や守り方をよく理解している R)サッカー部の人に技で勝ったことがある Q9)いろいろなポジシ日ンができる V2)新閉でよくサッカーの記事を読む Q2)ゲームの中でかつやくしている TDゲーム中はいつも得点をねらっている R8)マラドーナやブリットのプレーをまねたりする S)上手な人の技をよくまねる
V1)テレビでワールドカップイタリア大会を見た V3)突然サッカーをやりたくなるときがある R7)ゲーム中はいつも動いている
P)サッカーで身についた技術は他のスポーッにも役立つ Q8)現在の技術レペルでも楽しくサッカーができる S9)ゲームの中ではアシストを大切にすることを心がけている U9)サッカーボールを大切にする
T5)ボールを持っている敵には積極的に向かっていく S4)チームに役立つようにプレーしている U1)どんなスポーッでもできる
P7)ゲームに勝つためには自分がいなければならない T)サッカーをやって中学校生活が楽しくなった
Q5}基礎技術の練習(キック、パス、ドリブル)にまじめに取り組む S2)チームメイトのいいプレーをみとめる
SDチームメイトが失敗したらはげます43)チームプレーの練習を大切にしている40)チームのリーダーを信頼している
Q6)基礎技術の練習はゲームをするのに必要である Q7)基礎技笏の練習はグループで工夫して行っている T2)ゲームで得点したときはとてもうれしい
0.7682 O.7644
O.7017 O.6815 O.6531 O.6348 O.6241
ソ6162 O5778
O.5434
O5249 ソ4874
O.4846 O.4737
ソ4639
O.4577 O.4410 O.0441 ソ4311 O.4334 O.4165 ソ411董
@ 一〇.7重66
@ 《}.7131
@ −0.6396
@ 心.6157
@ 一α5355
@ ゆ.4937
@ −0.4896
0.7531 O.7351 O.5836
ソ5833
O.6679 O.6454
ソ6300
O.5679
O5836
O.6679
ソ5639 O5554
O.5183
ソ5479 O5902
O.4708
O5126 ソ5894 ソ5霊34 O.6454
ソ5373
O.4802 O.6629 O.6629 O.6614
O5896
O.5223 O.4712 O.5581 39)ゲームの中で作戦がうまくいくとうれしい
S8)サッカーの後片付けをよくやる
T6)ゲームの中ではいつも攻撃を中心にプレーをしている
一〇.4866
│0.4120
@ 05546
α5165 O.4537 O5481 51》ゲーム申はいつも得点をねらっている
R5)サッカーの授業では自分さえよければ他はなんでもいい α4926O.4370 α5481
O.3351 21)ゲームに勝つためには手段を邊ばない
P7》ゲームに勝つためには自分がいなくてはならないと思う Q3)授桑で学習するだけでサッカーが上手になった
0.4349 O.4277
ソ4202
0.3705 O.6454 O.478ユ
47)準備運動や整理運動を十分行っている
S6)先生の話しをよく聞いてサッカーをする 05274
O.4781
0.4670 O.4670 45)授業の中で安全を守ることを心がけている
α4448 α4224
66)テレビでスポーツ番組をよく見る
U4)蔀活動をやっているときが…番楽しい α5289O.4782 0.4387
O.4074
68)団体競技が好きである 0.4611
0.4387 30)サッカーの授業はやる気が出る
R1)サッカーをした後はとても良い気持ちになる 0.6961O.6547 α7329
O.7329
32)サッカーをするときには積極的になる 05836 0.7105
16)ゲームでは勝たなくてはならないと思う 一〇.6138 05268
2①ゲームで勝つとζてもうれしい 。0.4882
0558量
34)ゲームで負けるのがきらいである 一〇.4234
0.4767
固値 儀9930 6.4819 3.3809 1.8196 L6182 3.2085 1.8519 L8519 29.7788
貢 % 166550 10.8033 5.6349 3.0327 2.6971 5.4809 3.0866 10866 49.7651
% 16.6550 27.4583 33.0932 361259 38.8230 44.3039 47.3905 49.7651
項目に高い負荷量を示した。これは,攻撃をすることで点をとり,勝利を得るものと考え,攻撃重 視の因子とした。
・F4…授業の秩序遵守の因子
授業の中で安全を守ることを心がけている,先生の話しをよく聞いてサッカーをする,などの項
■
レに高い負荷量を示した。これは,好き群の主体要因・第5因子と同様のものと考え,授業の秩序 遵守の因子とした。
・F5…スポーツ愛好の因子
/
表1−4 因子負荷量(A群・env)
回転後 共通性
質問項目 F1 F2 F3 F4 F 5
96)先生がする技術の説明は理解しやすい α8435 0.7742
95)先生が見本を見せてくれると理解しやすい 0.7983 0.7742
78)先生の指導は熱心である 0.7022 0.6310
98)先生は練習の時間を十分とってくれる 05929 0.5318
93)先生と一緒にプレーできるとうれしい 0.5371 05666
102)先生はサッカーに詳しい 0.5188 0.4362
76)サッカーは男らしいスポーツである 0516藍 0.4355
99)先生にこまかいところまでアドバイスしてもらったことがある 0.4965 0.5810
75)サッカーはむずかしいスポーツである 0!唇579 0.4156
79)本校ではスポーツ活動、行事がさかんである 0!匹164 0.4132
88)休みの日にはよくサッカーをして遊ぷ ・0.7259 0.6114
91)よくともだちにサッカーをやろうと誘われる 一〇.7195 0.6144
90)近所にはサッカーができる広場がある 一〇5373 0.4437
92)サッカーの試合を見て感動したことがある 一〇.5081 05464
89)サッカーがさかんな地域である 一α4069 0.4重38
97)先生は写真などを使ってサッカーの説明をしてくれる ・0.4665 0.4重11 101)ゲームの中でレベルに合わせてルールを変えている 一〇.4316 0.4453
81)サッカー部は強い 。0.4314 0.5656
82)家庭の中でスポーツに関係しているものがいる 一〇.6574 0.5656 100)ゲームの勝敗が審判に左右されたことがある 一〇.6434 0.4453
84)家族でよくスポーッをする 一〇.4370 0.5374
77)技術についていろいろ教えてくれる友達がいる 。α4140 0.4233 94)いいプレーをして先生にほめてもらったことがある 一〇.5449 0.5810
86)上手な人とチームを組むとプレーしやすい 一〇4679 0.3641
85)下手な人とチームを組むとやる気がなくなる ・−O4050 0.2445 固有値 3.3305 4.0109 2.5900 1.2089 1.2600 124003 貢献度(%) 11.8947 14.3246 9.2501 4.3175 4.5002 44.2871
〈%) 11.8947 26.2193 354694 39.7869 442871
部活動をやっているときが1番楽しい,テレビでスポーツ番組をよく見る,などの項目に高い負 荷量を示した。これは,好き群の主体要因・第7因子と同様のものと考え,スポーツ愛好の因子と
した。
・F6…授業への意欲・充実の因子
サッカーの授業はやる気が出る,サッカーをした後はとてもよい気持ちになる,などの項目に高 い負荷量を示した。これは,サッカーの授業への期待や意欲を持ち,授業後には充実感を得ている
と考え,授業への意欲・充実の因子とした。
・F7…勝利への意欲の因子
ゲームでは勝たなくてはならない,ゲームで勝つととてもうれしい,などの項目に高い負荷量を 示した。これは,好き群の主体要因・第7因子と同様のものと考え,勝利への意欲の因子とした。
・F8…解釈不可能である。
○全体群一環境要因一
・F1…教師の態度・指導の因子
高野・野田:男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造について 117
先生の指導は熱心である,先生と一緒にプレーできるとうれしい,などの項目に高い負の負荷量 を示した。これは,好き群の環境要因・第2因子と同様のものと考え,教師の態度・指導の因子と
した。
・F2…サッカーに接する機会の因子
休みの日にはよくサッカーをして遊ぶ,よく友達に「サッカーをやろう」と誘われる,などの項 目に高い負荷量を示した。これは,好き群の環境要因・第3因子と同様のものと考え,サッカーに 接する機会の因子とした。
・F3…解釈不可能である。
・F4…スポーッ環境の因子
家庭の中でスポーツに関係しているものがいる,スポーツに関心のある家族である,などの項目 に高い負荷量を示した。これは,好き群の環境要因・第1因子と同様のものと考え,スポーッ環境 の因子とした。
・F5…解釈不可能である。
以上,26因子中21因子を解釈することができた。表2−1〜2−4は,解釈された因子をまとめた ものである。
表2−1 因子命名表(L群,host) 表2−2 因子命名表(L群, env)
因子名 因子名 F1 技術向上意欲の因子 F 1 スポーツ環境の因子 F2 基戦技術・チームプレー認識の因子 F2 教師の態度・指導の因子 F3 ゲーム参加意欲の因子 F3 サッカーに接する機会の因子 F4 勝利への意欲の因子 F 4 解釈不可能
F5 授業の秩序遵守の因子 F 5 解釈不可能 F6 達成・成就の因子
F7 スポーツ愛好の因子 F8 満足度の因子
表2−3 因子命名表(A群,host) 表2−4 因子命名表(A群, env)
因子名 因子名 F1 サッカーの理解の因子 F1 教師の態度・指導の因子 F2 基礎技術・チームプレー認識の因子 F 2 サッカーに接する機会の因子 F3 攻撃重視の因子 F3 解釈不可能
F4 授業の秩序遵守の因子 F 4 スポーツ環境の因子 F5 スポーツ愛好の因子 F 5 解釈不可能 F6 授業への意欲・充実の因子
F7 勝利への意欲の因子 F8 解釈不可髭
両群で共通している因子として「基礎戦術・チームプレー認識」,「勝利への意欲」,「授業の 秩序遵守」,「スポーツ愛好」の各因子が挙げられる。
特有な因子として,A群で「攻撃重視の因子」が, L群で「技術向上意欲の因子」が挙げられる。
またL群において,F1に「現在の技術レベルでも楽しくサッガーができる」という技能的な発展 を望んでいない消極的な意識を表す項目や,F4に「ゲームに勝つためには手段を選ばない」とい う勝利への意欲が強すぎるといえる項目が含まれていることに注目できた。
また,因子得点からはA群がほぼ平均的な値を示しているのに対し,L群では基礎技術・チーム プレーに関する因子得点が高くなり,勝利への意欲に関する因子得点は低くなった。
2.因子得点の解釈 1)解釈の手順
1の結果から得られた共通因子(主体要因一4因子,環境要因一3因子)について,サンプルご との平均値を用いて,各共通因子の傾向を見た。
2)解釈
各群・要因別の共通因子に対する因子得点の平均値を表したものが,表3−1〜3−2・図2−1〜
2−7である。
表3−1 因子得点の平均値(host)
共通因子名 L群 A群 基礎技術・チームプレー認識 0.075 −0.213
勝利への意欲 一〇.756 0.113 授業の秩序遵守 α025 −0.037
スポーツ…好 α057 0.012
表3−2 因子得点の平均値(env)
共通因子名 L群 A群
スポーツ環境 一〇.133 0.121 教師の態度・指導 (M97 。0.283 サッカーに接する機会 α233 0.164
高野・ 野田:男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造について 119
■L群 ■L群
口A群 口A群
0.1 0.2
0.05
@0 0
一〇.05 一〇.2
一〇.1
一〇.4 一〇」5
一α2 ・0.6
。α25 一α8
因子名:基礎技術・チームプレー認識 因子名:勝利への意欲 亀
図2−1 因子得点の平均値(host) 図2−2 因子得点の平均値(host)
■L群 口L群
口A群 口A群
0.04 0.06
0.05
0.02 0.04
0 0.03
0.02
一〇.02 0.01
0
一〇.04
因子名:授業の秩序遵守 因子名:スポーツ愛好
図2−3 因子得点の平均値(host) 図2−4 因子得点の平均値(host)
層L群 ■L群
口A群
口A群
0.15 0.1 0.2
0.05 0.1
0 0
一〇.05 。ω
・α1
一〇.2
・0」5
。0.3
因子名:スポーツ環境 因子名:教師の態度・指導 図2−5 因子得点の平均値(env) 図2−6 因子得点の平均値(env)
■L群 口A群
0.25 0.2 0.15 O.1
0.05
0
因子名:サッカーに接する機会
図2−7 因子得点の平均値(env)
これを見ると,主体要因では授業の秩序遵守とスポーツ愛好の因子ではほぼ同
じ傾向を示したが,基礎技術・チームプレー認識の因子と勝利への意欲の因子では出は全く逆の傾 向にある。好き群では,基礎技術・チームプレー認識を重視し,勝利への意欲を重視していない。
また,全体では基礎技術・チームプレー認識を軽視し,勝利への意欲を重視しているようである。
また,環境要因では,サッカーに接する機会の因子でほぼ同様の傾向を見せているが,スポーツ環 境の因子や教師の態度・指導に関する因子では全く逆の傾向を示している。
好き群では,スポーツ環境を軽視し,教師の態度・指導を重視している。しかし,全体ではスポ 一ッ環境を重視し,教師の態度・指導を軽視しているようである。
考 察
質問項目の構成概念とほぼ同様の因子構造が明らかとなった。
サッカーを好きといっても,技術や戦術を学習するといったことが好きではなく,体育の授業で 行われているサッカーに参加しプレイすることが好きであるように思われた。
学校体育の中で教科体育として行われているサッカーで目標として掲げられている「運動に親し む態度を育てる」「運動技能を高める」「楽しさや喜びを味わう」「攻防の仕方を工夫する」「作 戦をたてる」「集団的技能を生かす」などが成就されていなければならないが,本研究の結果から 見ると,必ずしもそれらが生徒個人に反映されていないようであった。
ま と め
サッカーが好きではあるが,プレイすることに好意の焦点が向けられていた。そこには,必ずし も保健体育の目標又は領域の目標に生徒の意識が向いているとは限らなかった。
7
高野・野田:男子中学生のサッカーの授業に対する意識の因子構造について 121
注
1)黒岩和博「運動の楽しさを味わわせる体育指導一サッカー」『学校体育』34−7(1981),p。103.
2)真先毅「楽しいサッカーの授業展開」『学校体育』34−5(1981),pp.96.
3)西川高好「ゲームを中心としたサッカーの授業実践」『学校体育』33−7(1980),pp.140−141.
4)文部省『中学校学習指導要領』p.78.
5)大淵正雄他「球技におけるゲームの様相の発達について,第2報(その3)『サッカー』発達の様相」
『体育学研究』7(1962),p.395.
6)福原黎三他「サッカーの追跡研究(1)」『体育学研究』13(1967),p.207.
7)桑原公「体育実技『サッカー』についての一考察」『新潟大学教養部研究紀要』4(1973),pp.109・111.
8)五島祐治郎他「サッカー指導に関する一考察」『体育学研究』9(1965),p.262.
9)奥保宏他「サッカーの指導における学習効果の実験的研究」『鹿児島大学体育科報告』4(1968),
PP.1−24.
10)大城昭子他「中学生の体育学習に対する態度の形成要因」『琉球大学教育学部紀要』13(1970),
pp.97−104.
11)野口義之他「体育授業に関する因子分析的研究(7)一教材別に見た学習者(高等学校男子生徒)の授業に 、
ホする態度一」『京都教育大学紀要』58(1981),pp.89−103.
12)内山源編著『調査のまとめ方と発表の仕方』 (ぎょうせい,1988),p.18.