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ケルセチン配糖体およびイソマルトメガロ糖の吸収と生理作用

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Academic year: 2021

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1 ケルセチン配糖体の構造式 北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2020年27

ケルセチン配糖体およびイソマルトメガロ糖の吸収と生理作用

応用生物科学専攻 食資源科学講座 食品健康科学 長瀬 僚介

1.はじめに

ケルセチン(Que)は耐糖能改善作用を始めとした有益な生理作 用を多く有するフラボノイドの一種である。Que は食品中に,

Quercetin-3-O-glucoside (Q3G),Rutin,α-Grucosylrutin (AGR)

等の配糖体の形(図

1)で存在している。消化管ホルモンGLP-1

は,

耐糖能改善作用を有し,これまでに,ラットにおける

Q3G

の長期

摂取が

GLP-1

分泌能を亢進させることを見出している。一方,イ

ソマルトメガロ糖(IMM)は,グルコースが 10~

100 個繋がったオ

リゴ糖と多糖の中間鎖長をもつメガロ糖の一種で,α-1,6 結合で つながった糖鎖をもつ 新規糖質で,これまでに

IMM

がラットにお いて

Que

の吸収を促進する作用が報告されている。

本研究では,Que による

GLP-1

分泌亢進作用に関して,配糖体による違い

(実験1)や消化管での

作用部位(実験

2), IMM

との相互作用(実験

3)について検討した。

2.方法

1) Que

配糖体摂食試験 糖源が

Sucrose

AIN-93G

を対照群とし,これに

0.5 %のQ3G,0.67 %

Rutin,0.85 %のAGR

を添加した試験食を与えた計

4

群のラットを

4

週間飼育し,組織中の

GLP- 1

含量,mRNA 発現量および血中の

Que,GLP-1

濃度,盲腸内容物中の

Que

濃度を測定した。2) 麻 酔下腸結紮ループ試験 麻酔下で回腸もしくは盲腸を洗浄後,結紮ループを作成し,水もしくはα

-glucosyl-isoquercitrin (Q3GM) 20 mmol/L

の溶液を投与し,回腸部腸間膜静脈に留置した採血用 カニューレより経時採血し,血漿中

GLP-1

濃度を測定した。3) IMM,

Q3GM

共投与試験 水,IMM

(2.0 g/kg),Q3GM (0.1 g/kg),IMM

Q3GM

の混合溶液を経口投与し,経時尾静脈採血を行った。

3.結果

1)

解剖時の血中

GLP-1

濃度が各

Que

摂食群で上昇した。 回腸における

GLP-1

含量と

Proglucagon mRNA

発現量に有意差がなかった一方で,盲腸における

Proglucagon mRNA

発現量は各

Que

配糖体 摂取群で上昇し,Q3G 群で最も高い値を示した。盲腸内容物中の

Que

はほとんどがアグリコンで存 在し,Q3G 群で最も高い値を示した。2)

Q3GM

による

GLP-1

分泌促進は回腸では見られた一方で,

盲腸において見られなかった。

3) IMM

投与により

GLP-1

分泌の促進が見られ,それを

Q3GM

が増強 する傾向が見られた。

4.考察とまとめ

1)の結果から,Que

長期摂取による血中

GLP-1

濃度の上昇は,盲腸における

GLP-1

分泌促進とそ れに伴う合成促進によるものではないかと考えられた。

2)で配糖体をアグリコンにするフロリジン

加水分解酵素 (LPH)の活性が低い盲腸において

GLP-1

分泌が見られなかったことから,

Que

はアグ リコンの形で

GLP-1

分泌を促進しているのではないかと考えられた。また

3)より,Que

IMM

によ

GLP-1

分泌を増強することが示唆された。以上より,

Que

がアグリコンの形で糖質誘導性の

GLP-

1

分泌を増強する可能性が示された。

参照

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