京都市におけるノロウイルス集団感染事例の検討 2006! 07 シーズン
1)京都市山科保健所,2)京都市保健福祉局保健衛生推進室,3)京都市左京保健所,4)京都市衛生公害研究所
北川信一郎
1)2)臼井 忠男
3)石川 和弘
4)松井"佐公
2)(平成 19 年 12 月 28 日受付)
(平成 20 年 6 月 6 日受理)
Key words : norovirus, outbreak, epidemiology
要 旨
平成 18 年度に,京都市内で発生した感染性胃腸炎の集団感染事例(食中毒を除く)で,保健所が調査・
指導を実施した 96 件(有症者 6,483 人)の記述疫学調査と,衛生公害研究所における分子疫学調査を合わ せて検討を行った.高齢者福祉施設 56,病院 31,その他 9 件で,有症者の 25.9% が職員,74.1% が施設利 用者で,高齢者福祉施設 3 カ所で集団感染が再発していた.「発生〜終息」の期間のうち最も頻度が高いの は約 20 日であり,また,「発生〜指導」の期間との間に正の相関がみられた.利用者側の問題点は認知症に 伴うものが多く,施設側では不適切な処置,面会者の健康状況未把握等があげられた.検体のうち 74 サン プルを解析したところ,すべてが G II!4 で,さらに,同一年度内に再度発症した高齢者福祉施設における 代表サンプル 2 株を遺伝子解析したところ,共に全国で流行したヨーロッパ 2006b 変異株と同じクラスター に含まれていた.職員が初発であることも多く,一度発生すると終息までに最長で 67 日もかかったこと,吐 物からの検出率が高く取り扱いには注意が必要であったことから,流行時期以前に,感染対策に関する知識 の普及啓発が重要であることが再確認された.また,「発生〜指導」と「発生〜終息」の期間の間に正の相 関がみられたことから,早期に速やかな介入が大切であり,さらには同シーズン中の再発者もいたことから,
今後,高齢者の免疫の持続期間ならびに遺伝子の変異等についての追跡調査と多数の症例の解析が必要であ る.
〔感染症誌 82:434〜440,2008〕
序 文
ノロウイルスは平成 8 年 5 月に食品衛生法で指定さ れた食中毒の原因の 1 つであるとともに,ウイルス性 胃腸炎の主たる原因であり,平成 15 年度(2003!04 シーズン)の高齢者福祉施設における集団感染死亡事 例の報告により,ヒト―ヒト感染がある感染症として も世間の注目を集めるようになった.また,平成 18 年度(2006!07 シーズン)には全国的に猛威を振るい,
食中毒もさることながら高齢者施設などにおけるヒ ト―ヒト感染が疑われる集団発生も 10 月下旬から同 時多発的に発生し,ノロウイルスの集団発生件数が例 年比の 2 倍以上に達した.さらに全国約 3,000 の小児 科定点から報告される感染性胃腸炎の患者数は,第 50 週に定点当たり 22.8 人と 1981 年の調査開始以来最高 のピークを示した1).
このような状況の中,新たな検査方法の導入や積極
的疫学調査の実施により,同一事例でゲノグループ
(G I,G II)の異なるノロウイルスの検出2),年度・
事例により異なるゲノタイプの検出3)など,新たな知 見が集積され始めている.
京都市では平成 16 年度より市内 11 カ所の保健所管 内で発生する事例に対して,積極的疫学調査とまん延 防止指導を行い,京都市衛生公害研究所においてはリ ア ル タ イ ム PCR 装 置 に 加 え,平 成 17 年 度 か ら は DNA シークエンサーを導入し分子疫学的解析を実施 し,検査体制を充実させてきた.さらに平成 18 年度 からは,積極的疫学調査に係る統一の対応指針と報告 書様式の再整備を行い,衛生公害研究所に一元的に集 約することにより,集団感染事例について検討を行う 体制を整備し,その対策に努めている.
ノロウイルス集団感染事例については,これまでも 多くの報告がなされている2)〜4)が,一地域において年 間を通した積極的疫学調査と分子疫学的手法を合わせ た報告は渉猟する限りみられない.そこで,京都市に 原 著
別刷請求先:(〒607―8511)京都市山科区椥辻池尻町 14―2
京都市山科保健所 北川信一郎
Fig. 1 Corelation between outbreak and warning by publichealth centersand to the end
Table 1 Norovirusinfection outbreak details
GIIisolation/
Specimen Onset
With symptom Total
Facility
Vomit Stool
Staff User
Staff User
15/15 253/305
17 39
759 2272
56 Welfare institutionsforthe aged
0/0 152/177 8*
24* 841
1973 31
Hospital
2/2 37/43
2 7
79 559
9 Others
17/17 442/525
27* 70*
1679 96 4804
Total
459/542 96
6483
*Double-countforsimultaneousdetection in users(inpatients,etc.)and staff
おける平成 18 年度に発生したノロウイルス集団感染 事例について検討を行い,施設利用者のみならず職員 の発症状況,集団発生における利用者側と施設側の問 題点,再発事例の代表サンプルの遺伝子の比較,終息 までの期間,吐物からのノロウイルスの検出率,「発 生〜指導」と「発生〜終息」の期間に相関があること 等の知見を得たので,集団感染の現状を把握し,有効 な対策を講じるのに資するものと考え報告する.
対象と方法
平成 18 年度に,市内の高齢者福祉施設,病院等の 施設から,厚生労働省の通知5)に基づく感染性胃腸炎 の集団発生の報告があった事例で,食中毒を除く 112 件のうち,各保健所が調査・指導を実施した 96 件(有 症者 6,483 人)を対象として,保健所による記述疫学 調査と京都市衛生公害研究所の持つ分子疫学調査を合 せて検討を行った.その際,コロラド州当局が疫学調
査の際に用いている基準6)を参考に,「症例定義」は「急 に発症し 24 時間以内に嘔吐または下痢を計 2 回以上 きたした入所者及び職員で他の原因によるものを除外 した症例」,「終息日」は最終新規有症者発生から 6 日 後(潜伏期 1〜3 日間の 2 倍)とした.
ノロウイルスの検査は,ウイルス性下痢症診断マ ニュアル第 3 版7)に沿って実施した.ウイルス RNA の逆転写の後,リアルタイム PCR で陽性になった検 体の一部について,構造蛋白(Capsid)領域のプラ イ マ ー(G II用:G2-SKF,G2-SKR)を 用 い PCR 法 で約 300bp を増幅し,ダイレクトシーケンス法で塩 基配列を決定した.得られた塩基配列を BLAST によ る相同性検索でノロウイルスを確認するとともに,市 販の遺伝子解析ソフト(ジェネティックス等)で解析 し,系統樹を作成,遺伝子型を決定した.
また,統計学的分析には,統計解析ソフトとして SPSS Ver11.0 を使用した.
成 績 1.記述疫学調査の検討
施設の内訳(Table 1)は,入所設備のある高齢者 福祉施設 56(3 施設は集団感染が再発しており,重複 してカウントしている),病院 31,その他(デイサー ビス事業所,授産施設,保育園等)9 件であった.
初発患者の内訳は,職員であったものは 26 件,施 設利用者であったものは 69 件で,職員と利用者が同 時に発生していたものが 1 件であった.
有症者の内訳は職員 1,679 人(25.9%),利用者 4,804 人(74.1%),計 6,483 人であった.
高齢者福祉施設 3 カ所で集団感染が再発しており,
その内 1 施設において,7 人の入所者に 2 度の発症が 見られた.
本市 11 保健所からの記述疫学調査報告書によると,
「発生〜終息」までの期間は,最短が 10 日最長が 67 日で,19 日と 21 日が 7 施設と最も頻度が高く,「発 生〜指導」までの期間は,最短が 2 日最長が 20 日で,
3 日と 4 日が 11 施設と最も頻度が高かった.96 施設
Fig.2 Seasonalprevalence ofinfectionsgastroenteritis,and weekly isolation ofNorovirus
における「発生〜指導」と「発生〜終息」の期間の Pear- son の相関係数は 0.455 であり,1% 水準で有意(両 側)であった(Fig. 1).また,56 高齢者福祉施設と 31 病院それぞれについて相関係数を求めると,0.528,
0.413(それぞれ 1%,5% 水準で有意(両側))とな り,前者でより強い相関がみられた.
更に,感染拡大の問題点は,記述疫学調査報告書に よると「施設利用者側の要因」としては,認知症によ る徘徊,手洗い困難やオムツ使用者が多く見られ,「施 設側の要因」としては,手洗い・手指消毒の不徹底,
不適切な消毒薬の選択,マスク・エプロン・手袋の未 使用,汚物の放置,浴室未消毒,風呂場の椅子に共有 タオルを敷設,面会者の健康状況未把握等があげられ ていた.
2.ノロウイルスの解析
京都市内の集団感染事例における衛生公害研究所で のノロウイルス検出状況をみてみると,ピークは第 47 週(11 月 20 日から 26 日)で,市内の定点医療機関 からの感染性胃腸炎の発生届のピークと一致していた
(Fig. 2).
提出された便 538 検体中 451 検体(83.8%),吐物 17 検体中 17 検体(100%)でリアルタイム PCR により ノロウイルス G IIが検出されたが,G Iは検出されな かった.そのうち 74 サンプルを DNA シークエンサー で塩基配列を読み取り系統樹を作成したところ,遺伝
子型別はすべて G II!4 であった.
さらに,7 人の入所者が同一年度内に再度発症した 高齢者福祉施設における代表サンプル 2 株の遺伝子を 解析したので,詳述する.
【事例】2006 年 11 月下旬に,市内の F 高齢者福祉 施設において 60〜99 歳の入所者 152 名および職員 52 名が嘔吐・下痢を呈し,検便で 6 検体中 5 検体におい てノロウイルス G IIが検出された.約 58 日間で終息 をみたが,2007 年 2 月下旬には,再度,59〜98 歳の 入所者 62 名および職員 8 名が同様な症状で発症し,検 便で 5 検体中 5 検体において前回同様ノロウイルス G IIが検出された.この際,75〜97 歳の 7 人の入所者が いずれの集団発生時にも発症していた.2007 年 2 月 下旬に採取された検便では,再発者の検体を得ること ができなかったので,それぞれの集団発生時の代表サ ン プ ル の 遺 伝 子 を 解 析 し た.2006 年 11 月 下 旬 の D435!KyotoCity!06 株および 2007 年 2 月下旬の D32
!KyotoCity!07 株で得られた塩基配列は BLAST 検索 ではそれぞれ AB291542 Norovirus Hu!G II.4!Kobe 034!2006!JP および EU003965 Norovirus Hu!G II.4
!C5-159!South Korea に 近 縁 で,と も に ほ ぼ 99%
(297!298 および 307!310)の相同性があった.両株お よび,近縁の Lordsdale 株(X86557)を並べた(Fig.
3).今回解析できた両株は 310 塩基中 3 塩基が異なり 一致率は 99.0% であり,その変異は Capsid 領域の開
Fig.3 Comparison ofPCR productnucleotide sequence
始コドン(ATG)から数えて 114 番目の塩基が,G から A に,133,134 番目の塩基がそれ ぞ れ A か ら C,C から A に変化していることが判明した(Fig. 3 網掛け部位).114 番目の塩基配列の変化はアミノ酸 の変化を伴っていないが,133,134 番目の塩基配列 の変化は,構造蛋白の 45 番目のトレオニン(ACA)
がグルタミン(CAA)に変化していた.系統樹解析 の結果,2006!07 シーズンに全国で流行したヨーロッ パ 2006b 変異株1)と同じクラスターに含まれていた
(Fig. 4).
考 察
本市においては,平成 18 年 11 月に集団感染の報告 が急増し,第 47 週にピークに達した.本市では,平 成 18 年度から各保健所の疫学調査報告書を標準化し,
その疫学情報を流行株等の分子疫学的情報を持つ京都 市衛生公害研究所に一元的に集約したことから,集団 感染の解析が容易となった.
2006!07 シーズンのノロウイルスの流行株について は,全国の地方衛生研究所から国立感染症研究所感染 症情報センターに送られた「集団発生病原体票」の集 計によると,検出された 1,227 事例のゲノグループ の内訳は,G I単独 16 事例,G II単独 1,185 事例,G I
G II混合 11 事例,不明 15 事例で,このうち,シーク エンスにより G II遺伝子型別が実施された 465 事例中 442 事例(95%)で G II!4 が検出されている1).同様 に,京都市においては,555 検体中 468 検体から G II が検出され,遺伝子型別を実施した 74 サンプルはす べて G II!4 で,GI は検出されていない.今回の流行 は,2006 年春からヨーロッパで広く流行が報告され て い る 新 し い タ イ プ で あ る G II!4 ヨ ー ロ ッ パ 2006b8)〜10)の変異株によるものと考えられるが,本株 はこれまで日本で流行したものとは起源が異なってい る.しかしながら,2006 年 5 月の時点で既に富山に 存在していたことが確認されており11),早い時期から 日本にも入り込んでいた可能性がある.ノロウイルス には蛋白質コード領域(open reading frame;ORF)
が 3 つ存在するが,本株に特徴的な変異は,ORF1,
ORF2,ORF3 の遺伝子産物それぞれに検出され,中 でも構造蛋白である ORF2 の変異は,最も外側に位 置するループ(P2 領域)に集中して生じており,免 疫感受性や細胞指向性の変化が疑われている11).
96 施 設 の 有 症 者 6,483 人 の う ち,職 員 が 1,679 人
(25.9%)と多いこと,同年度の流行シーズンに同一 施設で 2 度発生したこと,集団感染が一度発生すると
Fig.4 NorovirusGⅡ/4 phylogenetictree
終息までの日数が最長で 67 日かかっていること,吐 物からの検出率は 100% であり,特にその消毒を含め た取り扱いには注意が必要であることから,流行時期 以前に,施設の管理者を含む職員に対して,ノロウイ ルスの感染対策に関する知識の普及啓発を行うことが
感染拡大防止対策の上で重要であることが示唆され た.
また,「発生〜指導」と「発生〜終息」の期間に正 の相関がみられ,特に高齢者福祉施設で相関係数 0.582 と強い相関が見られたことから,発生早期に速やかな
介入が大切である.国立感染症研究所の白土は,一見 健康な職員または来客が,外部から施設内へウイルス を運び込む可能性が高いことを指摘しており12),さら に,堺市衛生研究所の田中らは,施設内への「持ち込 み感染」が最大の感染経路と考えられ,その対応性の 重要を述べている13)ことからも,発端者を念頭に置い た積極的疫学調査や指導が強く求められる.
さらに,同シーズン中に集団感染が再発している高 齢者福祉施設を 3 カ所認め,1 施設では有症者のうち 入所者 7 人が 11 月下旬と翌年 2 月下旬の 2 度発症し ていた.一度本病に罹り回復すれば感染後 6 週間から 14 週間の間は同じノロウイルスに対しては免疫があ り,再感染は起こらないとの指摘14)や,長期ノロウイ ルス排泄者中におけるウイルス遺伝子の塩基配列の変 異とそれに伴う抗原性の変化の可能性も示唆されてい る15).今回,我々の経験した事例では,2 回の集団発 生時の検体を同一症例で採取できなかったが,2 回の 集団発生時の代表的サンプルを比較検討することがで きた.構造蛋白(Capsid)領域にアミノ酸配列の変 化を伴う変異があり,この領域が抗原性を決定する領 域か否かは不明であるが,ウイルスの抗原性が変化し ていたために短期間に 2 度の集団発生が生じた可能性 は否定できない.また,7 症例は,いずれも 75 歳以 上の高齢者であり,一度目の感染時には,十分な免疫 が獲得できなかった可能性や,免疫が獲得できていた としても通常より早く有効な免疫力が消失した可能性 等も考えられる.今後,ノロウイルスに対する高齢者 の免疫の持続期間ならびに遺伝子の変異等についての 同一人を含む追跡調査と多数の症例の解析が,これら の課題解決のために不可欠である.
以上のことを踏まえ,今後も引き続き積極的疫学調 査と分子疫学的調査を実施し,ノロウイルス感染症の 拡大防止の最善策を探っていきたい.
謝辞:稿を終えるにあたり,積極的疫学調査にあたった 本市保健所の職員の方々,分子疫学的調査を行った衛生公 害研究所微生物部門の梅垣康弘氏,近野真由美氏,臨床部 門の山野親逸氏,改田千恵氏ならびに報告書の集約を行っ た疫学情報部門の三宅健市氏に深謝いたします.
尚,本研究は,(財)大同生命厚生事業団平成 18 年度地 域保健福祉研究助成「京都市のノロウイルス感染症集団発 生時の積極的疫学調査の手法・システムに関する研究」の 一部として行われたものである.
文 献
1)国立感染症研究所・厚生労働省結核感染症課:
ノロウイルスの流行 2006!07 シーズン.病原体 検出情報 2007;28:277―8.
2)国立感染症研究所・厚生労働省結核感染症課:
保育園における G I,G IIノロウイルス混合感染 事例―堺市.病原体検出情報 2005;26:179.
3)国立感染症研究所・厚生労働省結核感染症課:
小学校を中心としたノロウイルス集団発生―大 阪府.病原体検出情報 2005;26:179―80.
4)大西 司,足立 満:教育病院におけるノロウ イルス胃腸炎アウトブレイクへの対応.感染症 誌 2007;81:689―94.
5)厚生労働省健康局長通知:社会福祉施設におけ る感染症発生時に係る報告について.平成 17 年 2 月 22 日.健発第 0222002 号.
6)Investigation and management of norovirus out- breaks in long term care facilities. Colorado de- partment of public health and environment communicable disease epidemiology program.
http:!!www.cdphe.state.co.us!hf!download!no- rovirusguidelines.pdf.
7)衛生微生物協議会レファレンス委員会編:ウイ ルス性下痢症診断マニュアル第 3 版.国立感染 症研究所ウイルス第二部.2003;p. 44―62.
8)Koopmans M, Harris J, Verhoef L, Depoortere E, Takkinen J, Coulombier D:European inves- tigation into recent norovirus outbreaks on cruise ships : update. Euro Surveill 2006;11:
E060706.5.
9)Kroneman A, Vennema H, Harris J, Reuter G, von Bonsdorff C-H, Hedlund K-O,et al.:In- crease in norovirus activity reported in Europe.
Euro Surveill 2006;11:E061214.1.
10)Krisztalovics K, Reuter G, Szucs G, Cshohan A, Borocz K:Increase in norovirus circulation in Hungary in October-November. Euro Surveill 2006;11:E061214.2.
11)国立感染症研究所・厚生労働省結核感染症課:
2006 秋冬シーズンに流行したノロウイルス G II! 4 株のゲノム解析. 病原体検出情報 2007;28:
279―80.
12)白土東子:ノロウイルスによる感染性胃腸炎の 集団発生.生活と環境 2005;50(3):8―13.
13)田中智之,三好龍也,内野清子,武田直和:院 内感染時における感染拡大予防策―ノロウイル ス.薬事 2007;49:1647―52.
14)室賀清邦,高橋計介:カキのノロウイルス感染.
日本水産学会誌 2005;71:535―41.
15)国立感染症研究所・厚生労働省結核感染症課:
長期ノロウイルス排出中に認められた遺伝子変 化.病原体検出情報 2007;28:288―9.
Norovirus Infection Outbreaks in Kyoto City―2006-2007―
Shinichiro KITAGAWA1)2), Tadao USUI3), Yasuhiro ISHIKAWA4)& Yusaku MATSUI2)
1)Kyoto City Yamashina Public Health Center,2)Kyoto City Public Health and Welfare Bureau,
3)Kyoto City Sakyo Public Health Center,4)Kyoto City Institute of Health and Environmental Sciences We studied 96 mass outbreaks of infectious gastroenteritis due to Norovirus in winter 2006-2007. Of these, 56 occurred in welfare institutions for aging adults 31 in hospitals, and 9 in other facilities such as kinder gardens. Affected staff accounted for 25.9% and users (inpatients, etc.) for 74.1%. The shortest out- break lasted 10 days and the longest 67 days. We found a positive corelation between periods from the be- ginning of an outbreak to warnings by public health centers and periods from the beginning to the end of outbreaks. The sooner advice was aired by public health centers, the sooner outbreaks ended. Dementia among users and insufficient knowledge and skills of staff were high risk factors in outbreaks. All 74 of specimens which we examined showed the GII4 genotype. We observed reoutbreaks at three institutions.
We compared first and second specimens from the same instition. Two specimens from the second outbreak belonged to the same cluster as the first outbreak. We analyzed 310 bases of RT-PCR products in Capsid re- gions in both specimens, finding three point mutations accompanied by amino acids changes. This may change the antigenicity of Capsid protein, and may be why reoutbreaks occurred so quickly.