固定化 菌 に よ る銅 イ オ ン含 有 フ ェ ノー ル 処 理 の 工 学 的検 討 中村
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(2) 2.3培. が フ ェ ノー ル 分 解 菌 を用 い た フ ェ ノー ル の 生 物 分 解 につ い て研 究 して きた が,阻 害 物 質 と して 重 金 属 イ オ ン存 在 下 で の フ ェ ノー ル の 生 物 分 解 に関 す る報 告 は ほ とん ど な か っ た3‑7)。 特 に 鉄 鋼 排 水 中 に は 数 百 〜 数 千mg/2の ノー ル と数 〜 数 十mg/lの. 養方法. 菌 の 培 地 組 成 は0.1g/lフ. ェ ノ ー ル,1.0g/l. (NH4)2SO4,0.02g/lKHZPO4,0.2g/lMgSO4・7H20,1.0. フェ. g/lCaCl2で あ り,菌 は培 地100ml中. 重 金 属 イ オ ンが 含 まれ るの で,. 濃 度 のCuSO4を. で 培 養 した 。 種 々の. 添 加 す る こ と に よ って 培 地 中の 銅 イ オ ン. 重 金 属 イ オ ン存 在 下 で の フ ェ ノー ル の 生 物 分 解 を合 理 的. 濃 度 を調 製 した。 培 地 に添 加 され た固 定 化 ゲ ル ビ ーズ の. に行 う ため の 研 究 が 望 まれ る2)。. 全 容 積(ゲ. 菌 の 固 定 化 培 養 は(1)高 効 率 の 改 善,(2)処 止,(3)毒. い 菌 濃 度 の 維 持 に よる 処 理. 理 シス テ ムか らの 菌 のwashoutの. ル ビ ー ズ 間 の 間 隙 容 積 は含 ま な い),直. 個 数 は そ れ ぞ れ10ml,4mm,290個 300ml容. 防. 性 物 質 に よ る阻 害 作 用 の 低 減 化 な どが 期 待 で. 三 角 フ ラ ス コ を用 い て100rpmの. 37℃,pH7.8で. 径,. で あ っ た 。培 養 は 回転数 の下 で. 行 っ た。サ ンプ ル液(2〜3m.l)を. 一時. き るの で,重 金 属 イ オ ン存 在 下 の フ ェ ノ ー ルの 微 生 物 分. 間毎 に培 養 液 か ら抜 き取 り,菌 体 光 学 密 度 とフ ェ ノ ー ル. 解 の た め に効 果 的 と思 わ れ る8,9)。 著 者 ら10)はア ル ギ ン酸. 濃 度 な どの 測 定 に用 い た。. ゲ ル ビ ーズ に フ ェ ノ ー ル分 解 菌 を固 定 化 した固 定 化 培 養 2.4分. を行 い,固 定 化 培 養 が 従 来 まで の 液 体 培 養 よ りも銅 イ オ ンや 亜 鉛 イ オ ン な どの 重 金 属 イ オ ン存 在 下 の フ ェ ノ ー ル. 析方法. 固 定 化 ゲ ル ビ ー ズ 中 の 菌 の濃 度 は10mlの. を短 時 間で 効 率 よ く分 解 で き る こ と を報 告 した。. 液(39/4KH2PO4と7g/lK2HPO4か. 本 研 究 で は,重 金 属 イ オ ン と して銅 イ オ ン を含 有 す る. リ ン酸 緩 衝. ら成 る)中 で溶 解 し. た後 に測 定 した。 菌 体 光 学 密 度 は吸 光 度 計(島 津 製UV‑. フ ェ ノ ー ルの 固定 化 菌 処 理 を ゲ ル ビ ー ズ 内へ の フ ェ ノ ー. 120)を. ル と銅 イ オ ン の浸 透 や 濃度 分 布 の 実 験 値 な どか ら検 討 し. は高 速 液 体 ク ロ マ トグ ラ フ ィー に て測 定 した。 銅 イ オ ン. た。 次 に,固 定 化 菌 に よ る種 々の 銅 イ オ ン濃 度 含 有 フ ェ. 濃 度 はDDTC抽. ノ ー ル の 回分 処 理 につ い て検 討 した後,提. 3.結. 前 報10)では,液 体 処 理 で は増 殖 阻 害 の ため に分 解 で き. 株. な か っ た0.5mg/lの. フ ェ ノ ー ル 分 解 菌 と し てAcinetobacter ラ ム 陰 性 桿 菌,非. calcoaceticus. 運 動 性,約2μm)を. 用い. 銅 イ オ ン含 有 フ ェ ノ ー ルが 固定 化 菌. 処 理 に よっ て分 解 され る こ とが わ か っ た 。 銅 イ オ ンの よ うな 阻害 物 質 の存 在 下 の フェ ノ ー ル の 分 解 に 及 ぼ す 固 定. た3,4)。. 化 菌 処 理 の 有 効 性 を さ ら に 詳 し く検 討 す る た め に直 径 40mmの. 2.2固. い て検 討 した 。Fig.1は ゲ ル ビー ズ を10mg/lの 銅 イ オ ン. ア ル ギ ン酸 ナ トリ ウ ム 溶 液. を含 む水 溶 液(500m.l)に. 懸 濁 し,混 合 液 を 穏 や か に 攪 拌 さ れ て い る. 0.1mol/lのCaCL溶. ゲ ル ビー ズ(菌 の 固 定 化 な し)を 作 成 し,ゲ ル. ビー ズ 内へ の フ ェ ノ ー ル銅 イ オ ンの浸 透 お よび 吸 着 につ. 定化方法. 0.05gの 微 生 物 を3g/lの (1l)に. ル ビ ーズ 内へ の フ ェ ノ ール お よび 銅 イ オ ン の 浸 透 お よび 吸 着. 験 方 法. AH株(グ. 出一原 子 吸 光 法 に て 測 定 した 。. 果 と考 察. 3.1ゲ. 推 算 した。. 2.1菌. 測 定 し た。 フ ェ ノ ー ル 濃 度. 出 した数 式 モ. デ ル に よ っ て フ ェ ノ ー ルの 連 続 処 理 の経 時 変 化 につ い て. 2.実. 用 い て 波 長660nmで. ル ギ ン酸 カ ル シ ウ ム ゲ ル ビー ズ の 直 径 は 約4mmで り,ゲ ル ビ ー ズ1個. 入 れ た 時 の ゲ ル ビー ズ 表 面 か. ら0〜1,1〜2,5〜6mmの. 液 に滴 下 し た。 菌 が 固定 化 され た ア あ. 地 点 にお け る銅 イ オ ン. 濃度 の 経 時 変 化 を示 す 。 ゲ ル ビ ー ズ表 面 か ら0〜1mm と1〜2mmの. 当 た りの微 生 物 量 は 約1.67×10‑6g. であった。. 加 し,2時. ゲ ル ビー ズ 内 へ の フェ ノ ー ル お よび銅 イ オ ンの浸 透 を. 地 点 で は 銅 イ オ ン濃 度 は 時 間 と と も に増 間 後 に ほ ぼ 一 定 値 にな り,0〜1mmの. の 銅 イ オ ン濃 度(0.18mg/cm3)は1〜2mmの. 検 討 す る ため に,大 きな直 径 を持 つ ゲ ル ビー ズ を以下 の よ. イ オ ン濃 度(0.025mg/cm3)の. うに作 成 した。3g/lの. ビー ズ 表 面 か ら5mmの. に0.1MCaCl2水. アル ギ ン酸 ナ トリウ ム(100m/l). 溶 液 を 吹 き か け て 外 部 を 固 め て か ら,. 約7倍. 地点 地点の銅. で あ った。ゲ ル. 地 点 で は 銅 イ オ ン濃 度 は0の. ま. まで あ った 。 銅 イ オ ンの ゲ ル ビー ズ 内 で の 吸 着 は 表 面 か. 0.1MCaCl、 水 溶 液 中 で 攪 拌 す る こ と に よ り直 径 約40mm. ら2mmの. の ゲ ル ビー ズ を得 た 。 フ ェ ノー ル お よび 銅 イ オ ンの 浸 透. 付 近 に存 在 して い る こ とが わ か った 。 ゲ ル ビー ズ 表 面 で. 実 験 は ゲ ル ビー ズ1個. は ゲ ル ビー ズ 内 のCa2+とCu2+と. を500mlの. 培 地 に入 れ て行 い,ゲ. ル ビ ー ズ 表 面 か ら0〜1,1〜2,5〜6,19〜20mm. 地 点 まで で,銅. イ オ ンの 大 部 分 が0〜1mm. の 置 換 反 応 が起 こ り11),. 2時 間 で 置 換 反 応 が 平 衡 に達 した と思 われ る。. の 場 所 の ゲ ル を切 り取 り,フ ェ ノー ル と銅 イ オ ンの 濃 度. Fig.2は ゲ ル ビ ー ズ を100mg/lの. を測 定 した 。. 溶 液(500m.「)に 1,1〜2,5〜6mmの. 326. フェノールを含む水. 入 れ た 時 の ゲ ル ビー ズ 表 面 か ら0〜 地 点 に お け る フェ ノー ル 濃 度.
(3) 環 境 化 学Vol.12,No.2[2002]. Fig.. 1. Time. courses. in. gel. 2,. and. in. of. bead. at. 5•`. the. 6mm. ion. concentration. distance. from. diffusion. Symbols: •›,. copper. radial. of. surface. O•` 1,. of. experiment. of. 0•`1mm; • ,. 1•`. gel. bead. copper. ion Fig.. 1•`2mm; •¢,. 3. 5•`6mm. Time. courses. of. copper. and. phenol. concentration. tion. in. diffusion. ion. and. the phenol. Symbols: •›, phenol. ion in. experiment. into. gel. copper. concentration aqueous of. solucopper. bead ion. concentration; • ,. concentration. ほ ぼ 一 定 値 約7mg/lに. 達 した 。 フ ェ ノ ー ル 濃 度 は時 間. と と もに徐 々 に減 少 して2時 間後 に ほ ぼ一 定 値 約90mg/l に達 した。 銅 イ オ ン濃度 の減 少 割 合 が フ ェ ノ ー ル濃 度 よ り も大 き か っ た理 由 は,銅 イ オ ンの場 合 に は ゲ ル ビー ズ 内へ の 浸 透 だ け で な く,カ ル シ ウ ム イ オ ン との置 換 反応 に よ っ て減 少 した こ とが 考 え られ る。 Fig.4は ゲ ル ビー ズ を10mg/4の 銅 イ オ ン と100mg/lの フ ェ ノ ー ル を含 む水 溶 液(500m.l)に2時. 間入 れ た時 の. ゲル ビー ズ 内 の銅 イオ ン とフ ェ ノー ル の濃 度 分 布 を示 す。 Fig.. 2. Time. courses. gel. bead. and. 5•`. the. at 6mm. diffusion Symbols: •›,. of radial. phenol. concentration. distance. from. of. surface. experiment. of of. 0•`1, gel. 2時 間 後 の 水 溶 液 中 の銅 イ オ ン濃 度 は約7×10‑3mg/ml. in. (7mg/l)で. 1•`2, bead. か ら1mmの. Phenol. 0•`1mm; • ,1•`2mm; •¢,. あ り,ゲ ル ビ ー ズ表 面 か ら1mmの. 銅 イ オ ン濃 度 は0.12mg/cm3で. in. 5•`. 地点 の. あ るの で,ゲ ル ビー ズ表 面. 地 点 の 方 が か な り高 くな っ て い る。 こ の理. 由 は前 述 した よ う にゲ ル ビ ーズ 内 の カ ル シ ウ ム イ オ ン と. 6mm. 銅 イ オ ン との 置 換 反 応 に よ り,銅 イ オ ンが ゲ ル ビ ーズ 表 面 に吸 着 し,凝 集 した ため と思 われ る。 ま た,ゲ ル ビ ー. の 経 時 変 化 を示 す 。 フ ェ ノー ル 濃 度 は 時 間 と と も に急 激. ズ 表 面 か ら5mm以. 上 で は銅 イ オ ン濃 度 は0で あ っ た。. に増 加 した 後,徐 々 に増 加 す る傾 向 を示 した 。 フ ェ ノ ー. フ ェ ノ ール 濃 度 はゲ ル ビ ーズ 中心 まで 浸 透 して い た。 以. ル は ゲ ル ビー ズ 表 面 か らゲ ル ビー ズ 内 部 へ 浸 透 し,最 終. 上 の こ とか ら,ゲ ル ビー ズ 内 で は フ ェ ノ ー ル は存 在 す る. 的 には フ ェ ノー ル 濃 度 は ゲ ル ビー ズ 内 部 の す べ て の 地 点. が,銅 イオ ンが 存 在 しな い領 域 が あ り,そ の領 域 内 に菌 が. で 一 定 にな る と思 わ れ る 。. 固 定 化 さ れ れ ば銅 イ オ ンの 阻害 作 用 を受 け る こ と な く,. Fig.3は. ゲ ル ビー ズ を10mg/lの. 銅 イ オ ン と100mg/lの. フ ェ ノー ル を含 む 水 溶 液(500m.l)に. フ ェ ノー ル が分 解 さ れ る こ とが 示 唆 され た 。結 果 と して,. 入 れ た 時 の水 溶 液. 固 定 化 菌 処 理 はゲ ル ビ ーズ 内 へ の 銅 イ オ ン と フ ェ ノ ー ル. 中 の 銅 イ オ ン濃 度 と フ ェ ノ ー ル 濃 度 の 経 時 変 化 を 示 す 。. の 浸 透 が 異 な る ため に培 養 液 中 に高 濃 度 の 銅 イ オ ンが 存. 銅 イ オ ン濃 度 は 時 間 と と も に急 激 に減 少 し,2時. 在 して も フ ェ ノー ル を分 解 で き る こ とが わか っ た。. 間後 に. 327.
(4) Fig.. 4. Conentration phenol gel of. distribution in. bead. at. copper. ion. Symbols: •›, phenol. 3.2ゲ. radial 2h. of. direction in and. the. copper from. diffusion. ion surface. Fig. 5. Time courses of phenol aqueous solution in the ment of phenol ion gel 4mm; number, 2900; total. Fig. 6. Time course. concenteation in diffusion experibeads (diameter, volume, 100ml ). and of. experiment. phenol. copper. ion. concentration; • ,. concentration. ル ビ ー ズ 内 へ の フ ェ ノ ール の拡 散 と菌 の増 殖. Fig.5は 微 生 物 を固 定 化 して い な い ゲ ル ビ ー ズ(個 数 2900,全. 体 積100ml)を420mg/lの. フ ェ ノー ル水 溶 液. 500mlに. 入 れ て 混 合 した 時 の 液 中 の フ ェ ノー ル 濃 度 の. 経 時 変 化 を示 す 。 フ ェ ノ ー ル 濃 度 は 時 間 と と も に減 少 し,0.5h以. 上 で ほ ぼ 一 定 値350mg/lに. 達 し た の で,約. 0.5hで 液 中 とゲ ル ビー ズ 内 の フ ェ ノ ー ル 濃 度 が 等 し く な る こ とが わ か っ た 。 溶 存 酸 素 濃 度30mg/lの の 比 較 的 高 濃 度 フ ェ ノ ー ル が 直 径0.5mmの. tion. 下 で10g/l ゲル ビーズ. in. of dissolved. the. addition. into saturated. oxygen. oxygen. concentra-. experiment aqueous. of cells. solution. 10個 に よっ て 分解 した 結 果,固 定 化 ゲ ル ビー ズ 内 の 最 大 菌 体 光 学 密Xmは140に. 達 した 。菌 が1gの. フェ ノ ー ル. そ の傾 きか ら菌 の 維持 代 謝 に よる 単 位 時 間,単 位 菌 体 光. を 分解 す るた め に必 要 な酸 素量fは フ ェ ノ ー ル の酸 化 分. 学 密 度 当 た りの 酸 素 消 費 量hは7×10‑3g/(l・h)と. 解 の 化 学 反 応 式 か ら2.38gと 推 算 され る。 菌 の維 持 代 謝. され た 。. 推算. に よる単 位 時 間,単 位 菌体 光 学密 度 当 た りの酸 素 消 費 量 hは フ ェ ノー ル を含 ま な い飽 和 酸 素 水 溶 液 中 に菌 液 を添. 3.3固. 添 加 し た場 合 の 溶 存 酸 素 濃 度 の 減 少 の経 時 変 化 を示 す 。 な お,水 溶 液 中 の 菌 体 光 学 密 度 は 約0.1で あ っ た 。溶 存 酸 素 濃 度 は 初 期 値 約7mg/4か. 定 化 菌 に よ る銅 イ オ ン含 有 フ ェノ ー ル の処 理 とモ デ ル 式 の 提 出. 加 させ て 測 定 した 。Fig.6は 菌 液 を飽 和 酸 素 水 溶 液 中 に 3.3.1固. 定 化 菌 の 増殖 とフ ェノ ー ル の処 理. Fig.7は 種 々 の 濃 度 の 銅 イ オ ン含 有 フ ェ ノ ー ル の 固 定. ら ほ ぼ 直 線 的 に 減 少 し,. 化 処 理 にお け る 平均 菌 体 光 学 密 度 と フ ェ ノー ル 濃度 の 経. 328.
(5) 環 境 化 学Vol.12,No.2[2002]. ノ ー ル の 処 理 時 間 を短 縮 で き る こ とが 確 認 され た 。 3.3.2モ. デ ル式 の提 出 と実 験値 の シ ミュ レーシ ョン. 著 者 ら12)は固 定 化 菌 に よる ジ オ キ シ増 殖(微 に お い て2種 類 の 栄 養 源 が存 在 す る 場 合,菌. 生物培養 は優 先 的 に. 代 謝 す る 栄 養 源 を分 解 した 後 に他 方 の 栄 養 源 を分 解 す る 現 象 で2つ 態)を. の対 数 増 殖 期 とお くれ 時 間 か ら成 る 増 殖 形. もつ2基 質 の培 養 の増 殖 と基 質 の 分 解 に関 す る モ. デ ル式 をす で に提 出 して い る 。銅 イ オ ン存 在 下 で1つ の 基 質 の フ ェ ノ ー ル を 固定 化 菌 に よっ て分 解 す る と きの 比 増 殖 速 度 μ は式(1)で. 表 され る 。. 〓 (1). こ こで,X,YP,YM,YDは の 菌 体 光 学 密 度,フ. そ れ ぞ れ 固定 化 ゲ ル ビー ズ 内 ェ ノ ー ル濃 度,銅. 酸 素 濃 度 で あ る 。aとb1は あ る。b2とmは Fig.. 7. Experimental in der. result. batch. culture. various. immobilized Solid. and. of. model. phenol. copper. ion. simulation. degradation. bols: •›, •¬, 1mg/l; •¢, •¬,. フ ェ ノ ー ル の 基 質 阻 害 に 関 す る定 数,b3. とnは 銅 イ オ ンの 阻 害 に関 す る定 数,b4は 溶 存 酸 素 の飽 un-. concentrations. 和 定 数 で あ る。. by. 固 定 化 ゲ ル ビー ズ 内 の 平 均 菌 体 光 学 密 度Xは. cells lines. イ オ ン濃 度,溶 存. そ れ ぞ れ 増 殖 に関 す る定 数 で. show. the no. calculated copper. 3mg/l;•ž, •¬,. values.. る。. ion; • , •¬, 5mg/l. ゲルビー. ズ の 中 心 か ら半 径 方 向 の 長 さYに 関 す る次 式 で求 め られ. Sym-. ; •¤,•¬,. 10mg/l. 〓(2). こ こで,R,N,Vは 時 変 化 を示 す 。 平 均 菌 体 光 学 密 度 は フ ェ ノ ー ル濃 度 の 減. そ れ ぞ れ ゲ ル ビー ズ半 径,ゲ ル ビ ー. ズ個 数,培 養 液 体積 で あ る。. 少 と と も に増 加 し,フ ェ ノ ー ル 濃 度 が 完 全 に分 解 した. 固 定 化 ゲ ル ビ ー ズ 内 の フ ェ ノ ー ル 濃 度,銅. イ オ ン濃. 後,一 定 値 に達 した 。 液体 処 理 で は 銅 イ オ ン を0.5mg/l. 度,溶 存 酸 素 濃 度 も培 養 時 間 とゲ ル ビー ズ の 中心 か ら半. 添 加 す る と菌 の増 殖 と フ ェ ノー ル の 分 解 は全 く見 られ な. 径 方 向へ の 距 離 の 関 数 と して 与 え られ る。 フ ェ ノー ル は. か っ た10)。しか しな が ら,Fig.7に. 示 した よ う に 固 定 化. 培 養 液 中 か らゲ ル ビー ズ 内 に 浸 透 す る と菌 に よ って 分 解. よ う な 高 濃 度 の 銅 イ オ ン を添. さ れ る の で,フ ェ ノ ー ル の 蓄積 速度 は拡 散 と分 解 を考慮. 菌 処 理 で は1〜10mg/lの. 加 して も菌 が 増 殖 して フ ェ ノ ー ルが 分 解 さ れ る こ とが わ. した式(3)で. 表 され る 。. か った 。 この 理 由 は,前 述 した よ う に ゲ ル ビ ーズ の 中心 付 近 に は フ ェ ノ ール 菌 の 増 殖 を 阻害 す る ほ ど の銅 イ オ ン が 存 在 し ない た め に重 金 属 阻 害 の 影 響 が 低 減 化 さ れ,ゲ. 〓 (3). ル ビー ズ の 中心 付 近 の 菌 に よ って フ ェ ノ ー ルが 分 解 さ れ た と思 わ れ る。 銅 イオ ン濃 度 が 増 加 す る と ゲ ル ビ ーズ の. こ こ で,φ1,η. はそ れ ぞれ 固定化 ゲル ビーズ 内へ の. 中 心 まで 銅 イ オ ンが 吸 着 す る ため に,銅 イ オ ン濃 度 の 増. フ ェ ノ ー ル の拡 散 係 数,菌 体 収 率 を表 す 。. 加 と と も に菌 の 増 殖 や フ ェ ノ ール の 分 解 が 遅 くな る と思. 銅 イ オ ン は培 養 液 中 か らゲ ル ビー ズ 内 に浸 透 す る とゲ. わ れ る 。 処 理 終 了 後 の 平均 菌 体 光 学 密 度 は銅 イ オ ン濃 度. ル ビ ーズ 内 の カ ル シ ウ ム イ オ ン と一 部 置 換 さ れ て吸 着 す. の 増 加 と と も に減 少 した の で,銅. るの で,銅. イ オ ンの 添 加 に よ って. 菌 体 収 率 が低 下 す る こ とが わ か っ た。 ま た,培 養 液14 当 た り約100mlの. イ オ ン の蓄 積 速 度 は拡 散 と吸 着 を考 慮 した式. (4)で 表 され る。. 固 定 化 ゲ ル ビ ー ズ を添 加 した 本 実 験. 結 果 を前 報10)の実験 結 果(培 養 液14当. た り約50mlの. 固. 〓(4). 定化 ゲ ル ビー ズ を添 加 した 実 験 結 果)と 比 較 す る と,大 量 の 固 定化 ゲ ル ビー ズ を用 い た本 実験 結 果 の 方 が 初 期 菌. こ こ で,ψ1は. 体 濃 度 の 増 加 と銅 イ オ ン吸 着 効 果 の 増 大 の た め に フ ェ. け の 拡 散 係 数(銅. 329. 固定 化 ゲ ル ビー ズ 内 へ の 銅 イ オ ンの 見 か イ オ ンの 拡 散 と吸 着 を考 慮 した拡 散 係.
(6) 数)で. Table1は. ある。. モ デ ル 式 のパ ラ メ ー タ値 を示 す 。 フ ェ ノー. ル の 拡 散 係 数 φ、 は フ ェ ノ ー ル の 拡 散 方 程 式(3)と. 溶 存 酸 素 は培 養 液 中 か らゲ ル ビー ズ 内 に浸 透 す る と菌 の増 殖 と維 持 代 謝 の た め に消 費 され る の で,溶 存 酸 素 の. (6)を. 蓄 積 速 度 は拡 散 と消 費 を考慮 した 式(5)で. に フ ィ ッテ ィ ン グす る こ と に よ り計 算 され,1.4×10‑6. 表 され る 。. 用 い て 得 られ た計 算 値 をFig.5に 示 し た実 験 値. m2/hと 推 算 され た 。 また,他 の パ ラ メ ー タ値 につ い て は 3.2章. 〓(5). の 実 験 結 果 お よ び文 献 値'3)を用 い た。 モ デ ル式. とTable1に こ こで,φ2,五hは. そ れ ぞ れ 固 定 化 ゲ ル ビー ズ 内 へ の 溶. 存 酸 素 の 拡 散 係 数,菌. が1gの. Fig.7に. 示 したパ ラ メー タを用 い た 計算 結 果 を. 実 線 で 示 した 。計 算 値 と実 験 値 が よ く一 致 した. の で,モ デ ル式 は 銅 イ オ ン存 在 下 で の 菌 の 増 殖 と フ ェ. フ ェ ノ ー ル を分 解 す るた. め に必 要 な 酸 素 量,菌 の 維 持代 謝 に よ る単 位 時 間,単 位. ノー ル の 分 解 の 動 的 挙 動 を シ ミュ レ ー シ ョン で きる こ と. 菌体 光 学 密 度 当 た りの 酸 素 消 費 量 で あ る。. が わか っ た。 Fig.8は 固 定 化 菌 に よ る銅 イ オ ン含 有 フ ェ ノー ル の 回. 培 養 液 中の フェ ノー ル濃度YP*とYM*は 次 式 で示 され る。. 分 処 理 を5h行. っ た後,種. 々 の希 釈 率 の連 続 処 理 に移 行. した時 の流 出液 の フ ェ ノ ー ル濃 度 と銅 イ オ ン濃 度 の経 時. 〓(6). 変 化 を示 す 。 計 算 値 の初 期 フ ェ ノ ー ル濃 度 と初 期 銅 イ オ ン 濃 度 は そ れ ぞ れ100mg/lと10mg/lで. 〓(7). ある。希釈 率 が. 0.01h‑1の 時 に は 固 定 化 菌 に よ っ て フ ェ ノ ー ル が 効 率 よ く分 解 され,30hの. 処 理 で フェ ノ ー ル 濃 度 は ほ とん ど0. なお,初 期 条 件 と境 界 条 件 は次 の よ う に与 え ら れ る。 初 期 条 件(t=0,0<r<R):. Table. 1. Values. of paramevers. 〓(8)境 界 条 件(r=0):. 〓 (9). (r=R):(y=R):YP=YP*YM=YM*,YD=YD*(10). Fig. 8. Dynamic behaviors of phenol concentration and copper ion concentration in the change from a batch operation to a continuous operation by immobilized cells (initial phenol concentration, 100mg/l ; initial copper ion concentration, 1Omg/l). 330.
(7) 環 境 化 学Vol.12,No.2[2002]. に な っ た。 希 釈 率 が 高 くな る とフ ェ ノ ー ル濃 度 の減 少 が 遅 くな り,希 釈 率 が0.05h‑1や0.1h‑1で フ ェ ノ ー ル 濃 度 は20mg/l以. [水 質 編],pp22‑39,丸. は50hの 処 理 で も. 3)橋. 上 であ った。希釈率 が高 い. 本. 時 フ ェ ノ ール 濃度 の 低 下 が 少 なか っ た の は フ ェ ノ ー ル や. 奨,藤. 善,東. 田 正 憲:活. の. フ ェ ノ ー ル 分 解 菌 の 同 定 と そ の 性 質 に つ い て,下. 水. 道 協 会 誌,24,27‑33(1987). 阻 害 物 質 の 銅 イ オ ンの 流 入 量 が 大 きい た め に フ ェ ノ ー ル. 4)橋. 本. 奨,岩. 堀 恵 祐,岩. の 蓄 積 速 度 が 菌 に よ る分 解 速 度 よ り も高 くな っ た結 果 で. calcoaceticus. あ る。 また,固 定 化 ゲ ル ビ ーズ の 数 が 増 加 す る と菌 の処. 学 会 誌,70,267‑271(1992). 理 能 力 や 銅 イオ ンの 吸 着 能 力 が 増 加 す る ので,希 釈 率 の. AH株. 上 昭 夫:Acinetobacter. の フ ェ ノ ー ル 分 解 活 性,醗. 5) Yang, R.D. and Humphrey, A.E.:. 高 い 連 続 処 理 も可 能 に な る と思 わ れ る。 要. 京(1987). 性 汚 泥 よ り分 離 し た3種. 酵工. Dynamic and. steady state studies of phenol biodegradation in pure and mixed culture. Biotechnol. Bioeng., 17, 12111235 (1975). 約. 固 定 化 菌 に よる 銅 イオ ン含 有 フ ェ ノー ル の 処 理 の 効 果. 6) Jung, J., Sanji, B., Godbole, S. and Sofer, S.: Biode-. をゲ ル ビー ズ 内 へ の フ ェ ノー ル お よび 銅 イ オ ンの 浸 透 の. gradation of phenol, J. Chem. Tech. Biotechnol., 56, 73-76 (1993). 動 的挙 動 な どか ら検 討 した 。 ゲ ル ビー ズ 内 の フ ェ ノ ー ル と銅 イ オ ンの濃 度 分布 を測 定 した 結 果,ゲ ル ビ ーズ 中心. 7)平. 山 け い 子,飛. 田 修 作,平. 山 公 明:Rhodotoyula属. 酵. 部 で は 銅 イ オ ン濃 度 が低 い た め に フ ェ ノー ル 菌 の 増 殖 阻. 母 に よ る フ ェ ノ ー ル お よび モ ノ ク ロ ロ フ ェ ノー ル の. 害 の な い領 域 が存 在 し,こ の領 域 で は フ ェ ノー ル が 比 較. 分 解,水. 的 容 易 に 処 理 で きる こ とが わ か っ た 。 固 定 化 菌 は1〜. 8)戸. 田. 10mg/lの 比 較 的 高 濃 度 の 銅 イ オ ン含 有 フ ェ ノ ー ル を ほ. 処 理 技 術,33,551‑555(1992) 清:固. 定 化 と は,水. 質 汚 濁 研 究,9,680‑683. 奨:生. 物 処 理 技 術 と微 生 物 固 定 化 技 術 の 問 題. (1986). ぼ 完 全 に 分 解 し た。 固 定 化 ゲ ル ビ ー ズ 内 の 菌 の 増 殖 や. 9)橋. フ ェ ノ ー ル の処 理 を表 す 数 式 モ デ ル が提 出 され,回 分 処. 本 点,水. 理 に お け る計 算 値 が 実験 的 に検 証 され た 。 固 定 化 菌 は 回. 10)中. 質 汚 濁 研 究,9,684‑689(1986). 村 嘉 利,沢. 田 達 郎,小. 森 正 樹:固. 定化 菌 に よる 重. 分 処 理 だ け で な く連 続 処 理 で も銅 イ オ ン含 有 フ ェ ノー ル. 金 属 イ オ ン 存 在 下 の フ ェ ノ ー ル の 微 生 物 分 解,環. を効 果 的 に処 理 で きる こ とが示 唆 され た 。. 化 学,9,581‑587(1999). 境. 11) Jang, L.K., Lopez, S.L., Eastman, S.L. and Pryfo謝. 辞. gle, P. ; Recovery of copper and cobalt by biopolymer gels. Biotechnol.Bioeng., 37, 266-273 (1991) 12) Nakamura, Y., Origasa, H. and Sawada, T.: Mathematical modeling for diauxic growth in immobilized cell culture. J. Ferment. Technol., 78, 361-367. 本研 究 を行 うにあ た り,フ ェ ノ ール分 解 菌Acinetobacter calcoaceticusAH株. を提 供 頂 い た大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研. 究 科 教 授 藤 田正 憲 先 生 に深 謝 致 し ます 。. 文. 献. 1)高. 田. 實 監 修:公 害 防止 管 理 者 試 験. 騒 音,pp412,弘 2)公. 文 社,大. 大気 ・水 質 ・. 阪(1991). (1994) 13) Kurosawa, H., Matsuno, M. and Tanaka, H.: Oxygen diffusivity in gel beads containing viable cells. Biotechnol.Bioeng., 34, 926-932 (1989). 害 防 止 技 術 と法 規 編 集 委 員 会:公 害 技 術 と法 規. 331.
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