• 検索結果がありません。

リアルタイム映像パフォーマンス向け映像合成システム 小林 敦友

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "リアルタイム映像パフォーマンス向け映像合成システム 小林 敦友"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

リアルタイム映像パフォーマンス向け映像合成システム

小林 敦友

志築 文太郎

田中 二郎

筑波大学コンピュータサイエンス専攻

1

はじめに

コンサートやファッションショーなどのイベントに て、その場で映像を加工し観客に提示するようなリア ルタイム映像パフォーマンスが行われることがある。そ のような映像パフォーマンスにおいては複数映像の合 成、映像へのエフェクトの適用などが、会場の雰囲気 や観客の反応に応じて臨機応変に行われる必要がある。

多くの場合、このような映像パフォーマンス用のシス テムは複数の映像ソース(ビデオデッキ、DVDプレー ヤ、カメラ、PC等)をエフェクタやビデオミキサで合 成するといった構成が一般的である。しかし、これら 複数のハードウェアによるシステムは一旦設置すると、

その構成を変更するのは困難であり、パフォーマンス の最中には不可能である。また、各エフェクトのパラ メータやミキシング時の透明度などの値の変更につい ても、両手で操作してもせいぜい二つ程度の値しか同 時には変更できない。そこで本研究では柔軟な構成の 変更、および複数の値の同時操作が可能なソフトウェ ア映像合成システムを開発した。

2

データフロー型映像合成システム

本システムでは、柔軟な構成の変更を実現するため、

データフロー(以下DF)の概念を採用し、DF図をイン タフェースとして使用する。DF図とはデータの処理と 流れを表す図であり、データの処理をノード、データの 流れをエッジとした有向グラフとして表わされる。特に 信号処理用のビジュアルプログラミング言語(以降VP 言語)においてよく使われ[1]、適用例としては、音楽、

音響用VP言語のCycling ’74Max/MSPや可視化用 VP言語のAdvanced Visual Systems Inc. AVS/Express などが挙げられる。DF図をインタフェースとして使用 することにより、ユーザが映像ソースやエフェクトの 構成を視覚的に把握でき、映像パフォーマンスの最中 においても混乱なく構成変更を行えることが期待でき る。また、本システムにて対象としている映像パフォー マンスを行うユーザは、映像機材の接続になれており、

映像機材の構成図とよく似ているDF図は容易に理解 できるという利点も挙げられる。DF図で映像合成を表

Video Composition System for Realtime Video Performance

†Atsutomo KOBAYASHI †Buntarou SHIZUKI †Jiro TANAKA

†Department of Computer Science, University of Tsukuba

現するインタフェースを図1に示す。図1は本システ ムにおいて、2つの映像にそれぞれエフェクトを適用 し、それらを合成しているところである。

Movie File

2D Image

2D Image Alpha Blend

2D Image 2D Image Amount

Layer Mixer 2D Image 2D Image 2D Image

Main Output 2D Image

Blur 2D Image 2D Image Amount Camera Input

1:本システムのデータフロー図インタフェース

3

複数の値の同時操作を実現する手法

複数の値の同時操作を可能にするために、値の変化 をキーフレームアニメーションとしてタイムライン上 に表したタイムラインノードを導入する。DFのノード の一種類として、編集可能なキーフレームタイムライ ンを用意し、それをたとえばエフェクトのパラメータ に結線することでそのパラメータを変更できるように する。図2はタイムラインノードの概観である。中央 に波形のように表示されている部分が値の変化を表し ている。

Timeline

Amount

2:タイムラインノード

タイムラインを複数使うことにより複数パラメータ の同時変化が可能になるのは既存の映像合成システム、

例えばAdobe社のAfter Effectsなどで示されていると おりである。しかしそのような既存のシステムでは、

あるタイムラインが操作するパラメータを確認するに は、そのタイムラインの上部などに示されているパラ メータ名を確認し、そのパラメータ名のパラメータを 探さなければならない。本システムはDF型であるこ とを利用し、DF図上の一つのノードとして直接操作対 象のパラメータに結線することにより、どのタイムラ インがどのパラメータを操作するかを視覚的に把握し

(2)

やすく出来る。また、個々のタイムラインを一つずつ 別のノードとし、それぞれに再生時間軸を設けること で、あるタイムラインの再生中にでも、そのタイムラ インに影響することなく別のタイムラインを編集し確 認することが可能になる。タイムラインノードによっ て他のノードの値を制御する例を図3に示す。図3 は「Camera Input」からの映像に「Blur」エフェクトを 適用しており、「Blur」エフェクトのかかり具合をタイ ムラインノードにより制御している。

Blur 2D Image 2D Image Amount Timeline

Amount 2D Image

Camera Input

3:ほかのノードの値を制御するタイムラインノード 複数のタイムラインを別々にすることで、あるタイ ムラインの再生中に別のタイムラインを編集すること が可能になるが、個々のタイムラインが別々の位置に 表示されていると、あるタイムライン上のある時点が 別のタイムライン上でどの時点に当たるか把握しづら くなる。これに対しては、タイムラインを必要に応じ てグループ化出来るようにし、複数のタイムラインを 並べて表示することで、どのタイミングでどのような パラメータ変化が起こるか把握しやすくする。図4 グループ化されたタイムラインノードを示す。図4 は2つのタイムラインがグループ化されている。

Amount

Amount Timeline Group

4:グループ化されたタイムラインノード

4

利用シナリオ

ここで利用シナリオを示す。ユーザはカメラからの 映像にぼかしを少しずつかけながら、ムービーファイ ルの映像を万華鏡状に複数配置し、それぞれをフェー ドインさせたいと考えた。最終的に完成したDF構成 の一部を図5に示す。ムービーファイルからの映像を 六つに分岐させ、それぞれ回転させたものに透明度エ フェクトをかけ、それらの透明度をタイムラインによっ て変化させている。このような構成を、ハードウェア を組み合わせて行うには同じエフェクタを多数用意す る必要がある上に、パフォーマンス中にそれらのエフェ

クタを結線するのは不可能である。またこの例では7 つのパラメータを同時に操作しているが、これは両手 でハードウェアを操作しても困難である。

Alpha Blend 2D Image 2D Image Amount

Rotation 2D Image 2D Image Degree 300

Rotation 2D Image 2D Image Degree 240

Rotation 2D Image 2D Image Degree 180

Rotation 2D Image 2D Image Degree 120

Rotation 2D Image 2D Image Degree 60 Rotation

2D Image 2D Image Degree 0

Alpha Blend 2D Image 2D Image Amount

Alpha Blend 2D Image 2D Image Amount

Alpha Blend 2D Image 2D Image Amount

Alpha Blend 2D Image 2D Image Amount

Alpha Blend 2D Image 2D Image Amount Amount

Amount

Amount

Amount

Amount

Amount Timeline Group

Amount

Layer Mixer 2D Image 2D Image 2D Image 2D Image 2D Image 2D Image 2D Image

Movie File

2D Image

5:本システム上で構成された利用シナリオの一部

5

関連研究

リアルタイム映像パフォーマンスにソフトウェアを 使おうという試みとして、福地らのEffecTV[3]がある。

これは一台の計算機を一台のエフェクタとして使うも のである。Wolber[2]はオブジェクトのクリックなどの イベントに結び付けられた複数のタイムラインを、そ のイベントをユーザが例示することにより切り替え、

どのイベントにどのタイムラインが結び付けられてい るかをわかりやすくした。一方、本提案システムでは、

あるタイムラインにどのパラメータが結び付けられて いるかをわかりやすくすることを目的としている。

6

まとめ

本研究では、リアルタイム映像パフォーマンス向け の映像合成システムについて考察し、これを開発した。

今後の課題としては、ユーザビリティに関する評価実験 や、音声データへの対応などの改良などを考えている。

参考文献

[1] Johnston et al. “Advances in dataflow programming languages”, ACM CSUR Vol. 36, No. 1, pp.1 - 34, 2004

[2] Wolber. “Multiple Timeline Editor for Developing Multi-Threaded Animated Interfaces”, In Proc. 11th ACM UIST, pp.117 - 118, 1998

[3] Fukuchi et al. “EffecTV: a real-time software video effect processor for entertainment”, In Proc. 3rd ICEC pp.602-605, 2004

参照

関連したドキュメント

むすび 本研究では, 3次元

2 2.2 MZ Platform の利用 映像記録システムの構築におけるソフトウェア開 発には,著者らが開発したソフトウェア基盤の

大規模映像解析システム向けのサーバ割当手法 Server resource allocation and control method for large-scale video analysis systems 岩松洋介†

2018 年は,12 月 1 日に 4K8K の本格放送が開始され,HD を超える高精細映像の商用利用が本格的に始まった年に なった.また,2020 年の

 映像を取り入れた言語教育を考える場合,点語のメッセージに加えて,映像からくるメッセー

映像監視モニタリンクソリューションの市場動向と今後の展開 〉口l.B5No.11 Fl

率動画圧縮技術の進歩とCPU(CentralProcessingUnit) の高速化により,映像情報がこのような監視に積極的に l 【 あ 第1世代 (CRT初期) ・高輝度化

映像は芸術または娯楽として私たちの文化的生活を 担ってきたが、その機能は伝達や記録だけでなく、