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論 文 要 旨 専攻名

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Academic year: 2021

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別紙様式11

(課程博士・論文博士共通)

論 文 要 旨

専攻名

(又は推薦専攻名)

地域イノベーション学専攻 ふりがな 杉田す ぎ た 正明まさあき

学位論文題目 スポーツ科学的手法を用いた競技選手の競技力向上に関する研究

(英訳又は和訳:A Study on the improvement of competitive athletes using sports

science approaches.)

スポーツ科学的手法を用いてスポーツの競技力向上を支援する取り組みの中で、焦点を あてる主な要素としては、

Tactics

(戦術)、

Training

(練習)、コンディショニング(調整)

Instruments(道具)の視点があり、それぞれにさらに対応する様々なトピックがある。

本論文では、

Instruments

(道具)以外の

3

つの要素に関する幅広い研究内容を展開して

いる。

Tactics

(戦術)は、第2章の短距離、中距離走におけるレース分析に当たり、

Training

(練習)は、第3章のスポーツ選手を対象とした高地(低酸素)トレーニングの方法と効 果、コンディショニング(調整)は、第4章の高地トレーニング時のコンディショニング にそれぞれ該当し、第

5

章では、これらの研究成果と地域イノベーションとの関連性をも とに今後の構想をまとめている。

第2章の短距離、中距離走におけるレース分析は、陸上競技における国内外で行われる 実際の競技大会におけるビデオ撮影等の調査活動から競技力向上に資する知見を得ようと した研究である。ピッチやストライド長および接地時間を指標とした分析結果から、より 速く走るための方法やトレーニングへの示唆、さらには競技における戦術についての貴重 な成果が得られている。

第3章のスポーツ選手を対象とした高地(低酸素)トレーニングの方法と効果について は、事例研究として、

2010FIFA

ワールドカップ日本代表チームにおける高地トレーニング のコンディショニングに関する研究を行った。約

4

ヶ月間にわたりスポーツ科学的支援の 介入を行い、高地合宿中の様々なコンディションデータ等の基礎的資料を収集することが できた。本研究では、陸上競技の高地トレーニングのノウハウと新しいツール(低酸素、

高酸素など)を組み合わせたかたちの高地対策のコンディショニングとして実施した取り 組みが、異競技であるサッカーでもワールドカップという世界最高の競技会で活かされた ことは、科学的知見の競技横断的な共有の有効性と必要性を感じさせるのに十分な成果で あるといえる。さらに、人工的な低酸素環境を用いた(少ない回数での)低酸素トレーニ ングは、運動能力に効果をもたらすことが明らかとなり、今後の様々なトレーニングの可 能性を示唆する成果が得られている。

第4章の高地トレーニング時のコンディショニングについては、腕時計型の脈波センサ を用いて日本の一流女子長距離選手における高地トレーニング合宿時の疲労の状態を高い 精度で客観的に可視化する試みを行うとともに、疲労した筋をいかに早く回復促進させる

(2)

別紙様式11-続紙

(課程博士・論文博士共通)

ふり

がな 杉田す ぎ た 正明まさあき

かの観点からアミノ酸摂取の効果を明らかにしようとした。腕時計型脈波センサを用いた 夜間睡眠時の自律神経の活動水準は、時差や環境への適応に加え、その日のトレーニング や休息の状態をある程度反映しているものと考えられ、コンディションチェックに有用で あることが示唆された。また、12種類(グルタミン、アルギニン、ロイシン、イソロイシ ン、バリン、スレオニン、リジン、プロリン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニ ン、トリプトファン)のアミノ酸混合物摂取(11.2g/日)は、伸張性収縮トレーニングによ って疲労した上腕の骨格筋を速やかに回復させる効果があることを示唆し、画期的な研究 成果を得ることができた。これらのことは、トップアスリートのトレーニングが高ボリュ ーム化、高強度化している現状の中で、的確に疲労状態を把握するツールおよびクイック リカバリーの効果が期待できるサプリメントの開発に資することができたといえよう。

5

章では、研究内容と地域イノベーションとの関連性をもとに今後の構想を述べた。

三重県内の高地エリアにスポーツ施設の整備を行うとともに、三重県方式(三重オリジナ ル)・高地トレーニング(低酸素トレーニング)プログラムの開発(含・一般人の健康増進)

を行うことにより、三重県で第二、第三の野口みずき選手、吉田沙保里選手の輩出が期待 でき、スポーツビジネス等にも寄与できる可能性が示唆される。

以上のことから、本論文では、スポーツの競技力向上を目指す上で、スポーツ科学的手 法を用いての、

Tactics(戦術)

、Training(練習)及びコンディショニング(調整)に資す る幅広い研究内容が網羅されており、アスリートの科学的支援に資する研究成果となって いるといえる。脈波センサの開発やアミノ酸の製品化につながる成果が得られたことは、

結果として、Instruments(道具)を生み出した成果も得ることができたといえる。

本論文では、全てではないが、トップアスリートを対象として、実際の競技会やトレー ニング合宿等の状況下で研究活動が行われ、成果を生み出した内容を包含している点で、

説得力があり、現場に役立つ実学としてのスポーツ科学的研究であるということができる。

今後、本論文が基礎となり、三重県高地トレーニングセンター(仮称)プロジェクトが 立ち上がり、三重県方式の高地トレーニング(低酸素トレーニング)プログラムによって スポーツ選手だけでなく、一般人の健康増進にも貢献し、地域を元気にするイノベーショ ンが起こることを大いに期待したい。

参照

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