高浜発電所1号炉
高経年化技術評価書
(40年目)
平成25年11月
(平成26年10月一部変更)
(平成27年 4月一部変更)
(平成27年 7月一部変更)
(平成27年11月一部変更)
(平成28年2月一部変更)
(平成28年4月一部変更)
(平成28年6月一部変更)
関西電力株式会社
本 評 価の 対象 とす る機器 ・ 構造 物お よび 評価手 法 は、 「高 浜 発電 所運 転期 間延 長認 可申 請書 (1 号発 電用 原子 炉施 設 の 運 転 の 期 間 の 延 長 ) の 添 付 書 類 二 『 高 浜 発 電 所 1 号 炉 劣 化 状 況評 価書 』」 にお ける もの と同 様で あり 、本 評価 書に お い て 、「 劣化 状況 評価 」と ある のは 「4 0年 目の 高経 年化 技 術 評価」と読み替える。
目 次 1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.高浜発電所1号炉の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.1 高浜発電所1号炉の設備概要・・・・・・・・・・・・ 5 2.2 高浜発電所1号炉の経緯・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.3 技術基準規則への適合に向けた取組およびそのスケジュール 7 2.4 高浜発電所1号炉の保全概要・・・・・・・・・・・・ 12 3.技術評価の実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 3.1 評価の実施に係る組織・・・・・・・・・・・・・・・ 21 3.2 評価の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 3.3 工程管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 3.4 協力事業者の管理・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 3.5 評価記録の管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 3.6 評価に係る教育訓練・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 3.7 評価年月日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 3.8 評価を実施した者の氏名・・・・・・・・・・・・・・ 23 4.技術評価方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 4.1 技術評価対象機器・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 4.2 技術評価手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 4.3 耐震安全性評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 4.4 耐津波安全性評価・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 4.5 冷温停止状態維持時の技術評価・・・・・・・・・・・ 34 5.技術評価結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41 5.1 運転を断続的に行うことを前提とした機器・構造物の 技術評価結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41 5.2 運転を断続的に行うことを前提とした 耐震安全性評価結果・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 5.3 運転を断続的に行うことを前提とした 耐津波安全性評価結果・・・・・・・・・・・・・・・ 45 5.4 冷温停止状態維持を前提とした機器・構造物の 技術評価結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 5.5 冷温停止状態維持を前提とした耐震安全性評価結果・・ 47 5.6 冷温停止状態維持を前提とした耐津波安全性評価結果・ 48
5.7 評価の結果に基づいた補修等の措置・・・・・・・・・ 48 6.今後の高経年化対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 6.1 保守管理に関する方針および長期保守管理方針の策定・ 49 6.2 長期保守管理方針の実施・・・・・・・・・・・・・・ 49 6.3 技術開発課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 7.劣化状況評価で追加する項目・・・・・・・・・・・・・・・ 54 8.まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54
1.はじめに 我が国の原子力発電所においては、1970年3月に運転を開始した 日本原子力発電敦賀発電所1号炉を始め、2014年12月末時点で5 ユニットが運転開始後40年を経過しており、高浜発電所1号炉におい ても、2014年11月に運転開始後40年を経過している。 原子力発電所ではこれまでプラントの安全・安定運転を確保するため に、電気事業法に基づく定期検査注 1 )により、技術基準への適合が確認 されるとともに、保守管理における機器・構造物の保全活動として、点 検や予防保全活動等に取り組んでいる。加えて、最新の技術的知見の反 映や国内外で経験された事故・故障の再発防止対策等についても、必要 に応じ実施している。 また、一般的には、機器・材料は使用時間の経過とともに、経年劣化 することが知られているが、これまでのところ30年の運転期間を超え 40年目以降においても劣化の傾向が大きく変化することを示す技術的 知見は得られていないことや、運転年数の増加に従ってトラブルの発生 件数が増加しているという傾向は認められておらず、現時点で高経年化 による原子力発電所設備の信頼性が低下している状況にはない。 しかしながら、より長期の運転を仮定した場合、経年化に伴い進展す る事象は、運転年数の長いものから顕在化してくることから、運転年数 の長い原子力発電所に対して、高経年化の観点から技術的評価を行い、 そこで得られた知見を保全に反映していくことは原子力発電所の安全・ 安定運転を継続していく上で重要である。 このような認識のもと、1996年4月に通商産業省(現:経済産業 省)資源エネルギー庁は「高経年化に関する基本的な考え方」をとりま とめ、原子力発電所の高経年化対策の基本方針を示した。さらに、20 03年9月および2005年12月に「実用発電用原子炉の設置、運転 等に関する規則」(以下、「実用炉規則」という。)を改正するととも に、原子力安全・保安院(現:原子力規制委員会。以下同じ)は「実用 発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイドライン」および「実 用発電用原子炉施設における高経年化対策標準審査要領(内規)」(以 下、「高経年化対策実施ガイドライン等」という。)を発出し、原子炉 の運転を開始した日以降29年を経過する日までに、また、以降10年 毎に、耐震安全性評価を含めた経年劣化に関する技術的な評価(以下、 「高経年化技術評価」という。)を行い、これに基づき保全のために実 施すべき措置に関する10年間の計画を策定することを電気事業者に求
めた。 その後、2008年8月に実用炉規則が改正され、高経年化対策を通 常の保全の中に位置づけ一体化することで、原子力発電所の運転当初か らの経年劣化管理を義務づけるとともに、「保全のために実施すべき措 置に関する10年間の計画」を、新たに「保全のために実施すべき措置 に関する方針」(以下、「長期保守管理方針」という。)として原子炉 施設保安規定(以下、「保安規定」という。)に位置づけ、認可の対象 とされた。また、実用炉規則の改正に伴い、原子力安全・保安院は「高 経年化対策実施ガイドライン等」を改訂し、2008年10月に発出後、 2010年4月および2011年5月に改正した。 また、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とこれ により生じた津波に起因する東京電力福島第一原子力発電所で発生した 事故に鑑み、2012年9月に原子力規制委員会設置法が施行され、原 子力安全・保安院に代わる機関として、原子力規制委員会が環境省の外 局として設立された。 さらに、2013年7月には、同法により、発電用原子炉の運転する ことができる期間について、最初に使用前検査に合格した日から起算し て40年注 2 )と規定され、当該期間満了に際しては、原子力規制委員会 の認可を受けて、20年を超えない期間を限度として一回に限り延長で きることとなった。 そ れ ら を 踏 ま え 、 原 子 力 規 制 委 員 会 は 2 0 1 3 年 6 月 に 「 実 用 炉 規 則」を改正するとともに、「実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請 に係る運用ガイド」(以下、「運転延長ガイド」という。)にて、運転 期間延長認可申請書の記載内容等を定め、2013年11月に「実用発 電用原子炉の運転の期間の延長の審査基準」(以下、「運転延長審査基 準」という。)を制定し、運転の期間の延長の審査にあたって確認すべ き 事 項 を 定 め て い る 。 ま た 、 運 転 延 長 ガ イ ド に つ い て は 、 2 0 1 3 年 1 2 月 お よ び 2 0 1 4 年 8 月 に 、 運 転 延 長 審 査 基 準 に つ い て は2016年4月に改正されている。 加えて、原子力規制委員会・規制庁は2013年6月に「高経年化対 策実施ガイドライン等」に代わるものとして「実用発電用原子炉施設に おける高経年化対策実施ガイド」および「実用発電用原子炉施設におけ る高経年化対策審査ガイド」(以下、「高経年化対策実施ガイド等」と いう。)を制定し、2013年12月に改正、さらに「実用発電用原子 炉施設における高経年化対策実施ガイド」については2015年10月 に改正している。
一方、日本原子力学会は2007年3月に「原子力発電所の高経年化 対策実施基準:2007」を制定、「原子力発電所の高経年化対策実施 基準:2008」(以下、「学会標準2008版」という。)として改 定の上、2009年2月に発行、2010年4月にエンドースされた。 さらに、2010年9月に「原子力発電所の高経年化対策実施基準:2 010追補1」(以下、「学会標準2010追補版」という。)、20 1 2 年 6 月 に 「 原 子 力 発 電 所 の 高 経 年 化 対 策 実 施 基 準 : 2 0 1 1 追 補 2」(以下、「学会標準2011追補版」という。)、2012年12 月に「原子力発電所の高経年化対策実施基準:2012追補3」(以下、 「学会標準2012追補版」という。)、2016年3月に「原子力発 電所の高経年化対策実施基準:2015」を発行した。 さらに、原子力安全基盤機構(現:原子力規制委員会。以下同じ)は 上記「高経年化対策実施ガイド等」および「学会標準2008版」に対 応して、「高経年化技術評価審査マニュアル」を作成し、公表している。 注1:2013年7月以降は、「核原料物質、核燃料物質および原子炉 の規制に関する法律」に基づき、原子力規制委員会が施設定期検 査を実施 注2:原子力規制委員会設置法附則第25条第2項の規定が適用される 高浜発電所1号炉については、平成28年7月7日まで 本評価書は、運転開始後40年を迎える高浜発電所1号炉のプラント を構成する機器・構造物に対し、「運転延長ガイド」、「高経年化対策 実 施 ガ イ ド 等 」 、 「 学 会 標 準 2 0 0 8 版 」 、 「 学 会 標 準 2 0 1 0 追 補 版」、「学会標準2012追補版」などに基づき、60年間の運転およ び冷温停止を仮定し、想定される経年劣化事象に関する技術評価を「延 長しようとする期間における運転に伴い生ずる原子炉その他の設備の劣 化の状況に関する技術的な評価」(以下、「劣化状況評価」という。) として実施するとともに、運転を開始した日から40年以降の20年間 に、高経年化の観点から現状保全を充実する新たな保全項目等を抽出し、 「延長しようとする期間における原子炉その他の設備についての保守管 理に関する方針」(以下、「保守管理に関する方針」という。)として とりまとめたものである。さらに、運転開始後30年目の高経年化技術 評価の検証として、劣化傾向の評価、保全実績の評価および長期保守管 理方針の有効性評価についてもとりまとめている。 な お 、 劣 化 状 況 評 価 の 対 象 と す る 機 器 ・ 構 造 物 お よ び 評 価 手 法 は、40年目の高経年化技術評価におけるものと同様である。
この結果、現状の保全の継続等により、今後、プラントを健全に維持 することが可能であることを確認した。 また、抽出した「保守管理に関する方針」については、長期保守管理 方針として策定するとともに、保安規定に記載し、変更認可申請する。 今後は、認可された長期保守管理方針に基づき保全活動を実施してい くとともに、実用炉規則82条にて定める時期に高経年化技術評価の再 評価等を実施していくことにより、機器・構造物を健全に維持・管理し ていく。 なお、本評価書は各機器・構造物の劣化状況評価内容の概要等を示す ものであり、各機器・構造物の詳細な劣化状況評価、耐震安全性評価お よび耐津波安全性評価結果については、別冊にまとめている。
2.高浜発電所1号炉の概要 2.1 高浜発電所1号炉の設備概要 高浜発電所1号炉は、加圧水型の原子力発電所で燃料には低濃縮ウ ランを使用し、冷却材には軽水を使用している。 原子炉内で核分裂反応により発生した熱は、蒸気発生器内で1次冷 却材から2次側の給水へ伝達され、蒸気を発生させる。また、熱交換 を行った1次冷却材は1次冷却材ポンプにより再び原子炉へ戻される。 蒸気発生器で発生した蒸気は主蒸気管でタービン建屋に導かれター ビンを駆動して発電し、その後復水器に流入して復水となり、復水ポ ンプ、低圧給水ヒータを通り給水ポンプにより高圧給水ヒータを経て 再び蒸気発生器に戻される。 (1) 主要仕様 電気出力 約826MW 原子炉型式 加圧水型軽水炉 原子炉熱出力 約2440MW 燃料 低濃縮ウラン(燃料集合体157体) 減速材 軽水 タービン 横置串型4車室再熱再生式 (2) 主要系統 主要系統を資料2-1に示す。
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2.2 高浜発電所1号炉の経緯 高 浜 発 電 所 1 号 炉 は 、 原 子 炉 等 の 主 要 設 備 に つ い て は 、 設 計 か ら 据 付 ・ 試 運 転 ま で 米 国 ウ エ ス チ ン グ ハ ウ ス 社 と の 契 約 に よ り 建 設 し た 我 が 国 8 番 目 の 商 業 用 原 子 力 発 電 所 で 、 加 圧 水 型 原 子 力 発 電 所 と しては美浜発電所2号炉に続き我が国3番目のものである。 同 炉 は 、 1 9 6 9 年 1 2 月 に 原 子 炉 設 置 許 可 を 得 て 、 通 商 産 業 大 臣 よ り 電 気 工 作 物 変 更 許 可 を 取 得 し た 。 同 年 同 月 に 建 設 に 着 工 し 、 1 9 7 4 年 3 月 に 初 臨 界 、 送 電 系 統 に 初 並 列 し た 後 、 同 年 1 1 月 に 営業運転を開始した。 ま た 、 高 浜 発 電 所 1 号 炉 で は 、 原 子 力 発 電 設 備 の 有 効 利 用 に よ り C O2排 出 量を 削 減 で き、 地 球 温 暖 化 の 防止 に も 貢 献 す る こと が で き る定格熱出力一定運転実施に向け、2001年12月の経済産業省通 達「定格熱出力一定運転を実施する原子力発電設備に関する保安上の 取扱いについて」の手続きに基づき、設備の健全性評価、運転管理方 法の改善へ向けた諸対策を実施し、2003年2月から定格熱出力一 定運転を開始している。 発電電力量・設備利用率の年度推移を資料2-2、計画外停止回数 の年度推移を資料2-3、事故・故障等一覧を資料2-4に示す。過 去約40年間を遡った時点までの計画外停止(手動停止および自動停 止)件数の推移を見ると、供用期間の長期化に伴い、計画外停止件数 が増加する明確な傾向は認められない。 2.3 技術基準規則への適合に向けた取組およびそのスケジュール 高 浜 発 電 所 1 号 炉 に つ い て は 、 新 規 制 基 準 へ 適 合 さ せ る た め 、 平 成 2 7 年 3 月 1 7 日 付 け 関 原 発 第 2 7 4 号 を も っ て 原 子 炉 設 置 変 更 を 申 請 し 、 平 成 2 8 年 4 月 2 0 日 付 け 原 規 規 発 第 1 6 0 4 2 0 1 号 に て 許 可 を 受 け て い る 。 ま た 、 平 成 2 7 年 7 月 3 日 付 け 関 原 発 第 7 3 号 を も っ て 工 事 計 画 認 可 申 請 書 ( 平 成 2 7 年 1 1 月 1 6 日 付 け 関 原 発 第 2 1 5 号 、 平 成 2 8 年 1 月 2 2 日 付 け 関 原 発 第 3 1 5 号 、 平 成 2 8 年 2 月 2 9 日 付 け 関 原 発 第 3 7 5 号 、 平 成 2 8 年 4 月 2 7 日 付 け 関 原 発 第 5 6 号 お よ び 平 成 2 8 年 5 月 2 7 日 付 け 関 原 発 第 9 3 号 に て 一 部 補正)を申請し、平成28年6月10日付け原規規発第1606104 号にて認可を受けている。
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資料2-4 高浜発電所1号炉 事故・故障等一覧(1/2) No. 年 度 事 象 1 1974 高圧タービンからの蒸気漏れによる原子炉手動停止について 2 送電系統事故波及(外部電源喪失)による原子炉自動停止について 3 タービン軸受油圧低に伴う原子炉自動停止について 4 1975 A-主給水制御弁不調による原子炉手動停止について 5 1976 制御棒クラスタ駆動用電源故障による原子炉自動停止について 6 蒸気発生器伝熱管漏えいによる原子炉手動停止について 7 燃料集合体支持格子の一部欠落について 8 1978 原 子 炉 保護 系ロ ジ ック試 験 中 の誤 動作 に よる原 子 炉 自動 停止 に つ い て 9 C-1次冷却材ポンプの振動増加による原子炉手動停止について 10 1979 A-充てん高圧注入ポンプの主軸損傷について 11 制御棒クラスタ案内管たわみピンの損傷について 12 1980 1次冷却材ポンプ入口エルボスプリッタの損傷について 13 Cループ安全注入系蓄圧注入ラインベント管の漏えいについて 14 1981 蒸 気 発 生器 水位 低 と給水 低 の 一致 によ る 原子炉 自 動 停止 (調 整 運 転 中)について 15 タービンランバック制御系の不調による出力低下について 16 1982 計器用空気圧力低下による出力低下について 17 燃料集合体の漏えいについて 18 高圧タービン翼環締付ボルトの損傷について 19 蒸気発生器伝熱管の損傷について 20 1983 制御棒駆動回路不調による原子炉自動停止について 21 燃料集合体の漏えいについて 22 2A-低圧給水加熱器受衝板の損傷について 23 1984 蒸気発生器伝熱管の損傷について 24 所内電源切替に伴なう原子炉自動停止について 25 使用済燃料搬出時の燃料漏えいについて 26 1985 6A、B-高圧給水加熱器受衝板の損傷について 27 蒸気発生器伝熱管の損傷について 28 1 次 冷 却材 ポン プ オイル ク ー ラか ら冷 却 水漏え い に 伴う 原子 炉 手 動 停止について 29 1986 蒸気発生器伝熱管の損傷について 30 1987 B-1次冷却材ポンプ振動発生に伴なう原子炉手動停止について 31 B-循環水ポンプモータ用ケーブル取替による出力低下について 32 1988 1次冷却材ポンプ変流翼取付ボルトの損傷について 33 蒸気発生器伝熱管の損傷について 34 1989 蒸気発生器伝熱管の損傷について 35 1990 蒸気発生器伝熱管の損傷について
資料2-4 高浜発電所1号炉 事故・故障等一覧(2/2) No. 年 度 事 象 36 1991 タービン保安装置試験失敗に伴う原子炉自動停止について 37 1992 燃料集合体の漏えいについて 38 蒸気発生器伝熱管の損傷について 39 復水器細管漏えいに伴う出力抑制について 40 1993 蒸気発生器伝熱管の損傷について 41 主 蒸 気 配管 ベン ト 管取付 溶 接 部か らの 漏 えいに 伴 う 原子 炉手 動 停 止 について 42 1 次 冷 却材 ポン プ 計装配 管 溶 接部 から の 漏えい に 伴 う原 子炉 手 動 停 止について 43 1994 蒸気発生器伝熱管の損傷について 44 1995 B-主給水制御弁点検に伴う原子炉手動停止について 45 2000 復水器細管漏えいに伴う出力抑制について 46 2001 6B高圧給水加熱器伝熱管漏えいに伴う出力抑制について
2.4 高浜発電所1号炉の保全概要 高浜発電所1号炉での日常的な保守管理において時間経過に伴う特 性変化に対応した劣化管理が的確に行われている経年劣化事象(以下 「日常劣化管理事象」という。)の劣化管理の考え方を以下に記す。 原子力発電所に対する保全では、系統・機器・構造物の経年劣化が 徐々に進行して最終的に故障に至ることのないよう、定期的な検査や 点検等により経年劣化の兆候を早期に検知し、必要な処置を行い、事 故・故障を未然に防止している。 当社は、運転監視、巡視点検、定期的な検査および点検により設備 の健全性を確認し、経年劣化等の兆候が認められた場合には詳細な調 査および評価を行い、補修、取替等の保全を実施している。特に長期 の使用によって発生する経年劣化事象については、点検により経年的 な劣化の傾向を把握し、故障に至る前に計画的な保全を実施している。 また、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」 に基づく原子力規制委員会の施設定期検査注 )を受検するとともに、 定期事業者検査についても、その実施に係わる組織等の妥当性が定期 安全管理審査において審査されている。 さらに、保安規定において、定期事業者検査等の対象機器に対する 作業項目のうち、定期点検工事または定期修繕工事にて実施する分解 点検、開放点検等の機能回復を図るものについて、点検・補修等の結 果の確認・評価について規定している。 注:施設定期検査申請書には保全計画が含まれる。 な お 、 2 0 1 3 年 7 月 7 日 以 前 は 、 「 電 気 事 業 法 」 に 基 づ く 経 済 産 業 大 臣 の 定 期 検 査 を 受 検 す る と と も に 、 定 期 事 業 者 検 査 に つ い て も 、 そ の 実 施 に 係 わ る 組 織 等 の 妥 当 性 が 定 期 安 全 管 理 審 査において審査されていた。 具体的には、国が技術的な妥当性を評価し、実用発電用原子炉の設 置 、 運 転 等 に 関 す る 規 則 第 8 1 条 第 1 項 ( 当 時 は 第 1 1 条 第 1 項 ) に掲げる保守管理に係る要求事項を満たすものとなった、「原子力発 電 所 の 保 守 管 理 規 程 ( JEAC4209-2007) 」 に 基 づ き 、 社 内 標 準 類 を 策 定して保守管理を実施している。 まず初めに、社長は原子炉施設の安全確保を最優先として、保守管 理の継続的な改善を図るため、保守管理の現状を踏まえて保守管理の
実施方針を定める。同方針は、保守管理の有効性評価の結果を踏まえ て見直されるとともに、高経年化技術評価の結果として長期保守管理 方針を策定または変更した場合には、長期保守管理方針に従い保全を 実施することを同方針に反映している。 また、原子力事業本部長、高浜発電所長は、保守管理の実施方針に 基づき、年度毎に保守管理目標を設定し、保守管理の有効性評価の結 果を踏まえて同目標の見直しを実施している。 この保守管理目標を達成するため、原子力発電所では、資料2-5 に示すような考え方に基づき、保全活動を行っている。 高浜発電所では、原子炉施設の中から各号炉毎に保全を行うべき対 象範囲として設備・構造物を選定し、この保全対象範囲について系統 毎の範囲と機能を明確にした上で、重要度分類指針の重要度とPSA から得られるリスク情報を考慮して保全重要度を設定する。 また、保全の有効性を監視し、合理的、客観性をもって評価するた めに、保全重要度を踏まえてプラントレベルおよび系統レベルの保全 活動監視指標を設定している。 そして、保全対象範囲に対し、保全重要度を勘案して次の事項を考 慮して保全計画を策定している。 a.運転実績、事故・故障事例などの運転経験 b.使用環境および設置環境 c.劣化、故障モード d.機器の構造等の設計的知見 e.科学的知見(各種技術情報) そして、予め保全方式(時間基準保全、状態監視保全、事後保全) を選定し、「点検方法」、その「実施頻度」および「実施時期」を定 めた点検計画を策定している。なお、この保全方式は、劣化事象・偶 発事象を勘案し、保全重要度を踏まえた上で保全実績、劣化、故障モ ード等を考慮し、効果的な保全方式を選定している。 上記のうち「点検方法」について、個別機器の保全内容はそれぞれ 個 々 に 検 討 し て い る が 、 具 体 的 に は 劣 化 メ カ ニ ズ ム 整 理 表注 )お よ び これまでの保守管理の結果から得られた機器の部位別に想定される劣 化事象に着目した保全項目の検討を行い、検討結果に基づく保全内容 を担保するために必要な作業、検査項目等を選定している。 注 :過 去 に 国内 で 実 施し て き た高 経 年 化技 術 評 価の 評 価 結果 を も と に 、 原 子 炉 施 設の 保 全 を 最 適 化 する た め の 情 報 とし て 、 劣 化メ カ ニ ズ ム ( 機 器機 能 、 部 位 、 劣 化事 象 ・ 因 子 、 保全 項 目 ( 検知 方法)等)を一覧表にまとめたもの。
同様に「実施頻度」についても、過去の点検実績等を参考にしなが ら機器に応じて適切に選定し、その決定根拠を整理している。また、 「実施時期」については、保全指針で定める機器の点検方法および実 施頻度に基づき、点検の実施時期を「点検計画表」として定めている。 補修、取替および改造を実施する場合は、予めその方法および実施 時期を定めた計画を策定している。具体的には、信頼性向上、経年劣 化の観点から長期的に取り組む工事について、実施内容と実施時期を 明確にする長期工事計画の策定、長期工事計画を基に、運転、補修実 績並びに工事の重要性・緊急度・経済性を勘案のうえ年度計画工事を 策定している。 以 上 の と お り 、 予 め 定 め ら れ た 保 全 計 画 に 従 い 、 「 工 事 計 画 」 、 「設計管理」、「調達管理」、「工事管理」の各プロセスにより点検 ・補修等の保全を実施し、記録している。 当社は、運転監視、巡視点検、定期的な検査および点検により設備 の健全性を確認し、経年劣化等の兆候が認められた場合には詳細な調 査および評価を行い、補修、取替等の保全を実施している。特に長期 の使用によって発生する経年劣化事象については、点検により経年的 な劣化の傾向を把握し、故障に至る前に計画的な保全を実施すること で機能回復を行い、長期的な健全性・信頼性を確保している。 そのために、劣化傾向監視による管理として状態監視保全、点検お よび取替結果の評価のための点検手入れ前データ(As-Foundデータ) を活用している状況にある。 一方、当社の原子力発電所で発生した事故・故障については、速や かに原因究明および再発防止対策を実施するとともに国内外他社で発 生した事故・故障の対策についても予防処置を行い、設備の改善、運 転・保守運用等の改善を行うことにより発電所のより一層の安全・安 定運転に努めている。 (1) 運転監視、巡視点検 運転状態を各種指 示計、記録計、計 算機出力等により 常時運転員 が監 視 す ると と も に、 原 子 力発 電 所 の多 種 多 様な 設 備 につ い て 運転 員お よ び 保修 員 が 計画 的 に 巡視 点 検 を行 い 、 機器 等 の 健全 性 確 認、 経年劣化等の兆候の早期発見に努めている。
(2) 定期的な検査 プラ ント の 運転 中 を主 体に 待 機設 備 の作 動確 認 等の 定 期的 な検 査 を行 い、 設備 の健 全性 確認 およ び経 年劣 化等 の兆 候の 早期 発見 に努 め、 事故 ・故 障の 未然 防止 を図 って いる 。定 期的 な検 査の うち 、工 学的 安全 施設 等の 安全 上重 要な 設備 の定 期的 な検 査の 内容 を保 安規 定に定め、これに基づく運用を行っている。 (3) 点検 「核 原料 物 質、 核 燃料 物質 及 び原 子 炉の 規制 に 関す る 法律 」に 基 づき 原子 力規 制委 員会 が行 う施 設定 期検 査に 合わ せ、 定期 的に プラ ント を停 止し 、高 浜発 電所 保修 業務 所則 指針 に基 づき 制定 した 保全 指針 等に 基づ き点 検を 実施 し、 設備 の機 能維 持お よび 経年 劣化 等の 兆候 の早 期発 見に 努め 、事 故・ 故障 の未 然防 止を 図る とと もに 、環 境、 防災 の維 持を 図っ てい る。 また 、プ ラン トを 停止 せず に点 検を 実施 でき る設 備に つい ては 、同 様の 点検 をプ ラン ト運 転中 に実 施し てい る。 点検 の結 果は 記録 とし てま とめ 、設 備の 経年 的な 傾向 を管 理し、以後の点検計画に反映している。 (4) 保守体制および業務 検査 およ び 点検 に つい ては 、 当社 が 計画 、作 業 管理 を 行い 、分 解 点検等の実作業は協力会社が実施している。 分解 点検 等 にあ た って は、 協 力会 社 の行 う作 業 およ び 品質 の管 理 を行っている。 (5) 予防保全 プラ ント の運 転監 視、 巡視 点検 、定 期的 な点 検お よび 検査 によ り、 設備 に機 能低 下や 経年 劣化 等の 兆候 が認 めら れた 場合 には 、予 防保 全の 考え 方に 基づ き、 故障 に至 る前 に補 修、 取替 を行 い、 事故 ・故 障の未然防止を図っている。 (6) トラブルの処理および再発防止 発生 した ト ラブ ル につ いて は 、不 適 合管 理・ 是 正処 置 とし て速 や かに 原因 究明 およ び対 策の 検討 、評 価を 行い 、的 確な 復旧 によ り設 備の機 能の 回復 を 図ると とも に再 発 防止対 策を 実施 し ている 。ま た、 国内 外他 社の 同種 設備 で発 生し たト ラブ ルに つい ても 予防 処置 を実 施し、事故・故障の未然防止を図っている。
(7) 改善活動 よ り 一 層 の 安 全 性 、 信 頼 性 を 確 保 す る た め 、 現 行 の 保 全 活 動 の レ ベ ル を 向 上 す る こ と が 重 要 で あ る と の 観 点 か ら 、 改 善 活 動 と し て 、 保 全 デ ー タ の 推 移 お よ び 経 年 劣 化 の 長 期 的 な 傾 向 監 視 の 実 績 、 高 経 年 化 技 術 評 価 や 定 期 安 全 レ ビ ュ ー 結 果 、 他 プ ラ ン ト の ト ラ ブ ル お よ び 経 年 劣 化 傾 向 に 係 る デ ー タ 等 に 基 づ い て 保 全 の 有 効 性 評 価 ( 資 料 2 - 6 ) を 実 施 す る と と も に 、 そ の 結 果 と 保 守 管 理 目 標 の 達 成 度 か ら 定 期 的 に 保 守 管 理 の 有 効 性 評 価 を 実 施 し 、 保 守 管 理 が 有 効 に 機 能 し て い る こ と を 確 認 す る と と も に 、 継 続 的 な 改 善 に 取 り 組 ん で い る。 以 上 の よ う な 日 常 的 な 保 守 管 理 が 有 効 に 機 能 し た か と い う 評 価 の 手 法 と し て 、 プ ラ ン ト レ ベ ル お よ び 系 統 レ ベ ル の 保 全 活 動 管 理 指 標 を 設 定 、 監 視 し て お り 、 至 近 ( 第 2 6 保 全 サ イ ク ル ) に お け る 実 績 は下記の通りである。 a.プラントレベルの保全活動管理指標 プ ラ ン ト 全 体 の 保 全 の 有 効 性 が 確 保 さ れ て い る こ と を 監 視 す る 観 点 か ら 、 プ ラ ン ト レ ベ ル の 保 全 活 動 管 理 指 標 と し て 設 定 し た 「 7 0 0 0 臨 界 時 間 あ た り の 計 画 外 自 動 ス ク ラ ム 回 数 」 、 「 7 0 0 0 臨 界 時 間 あ た り の 計 画 外 出 力 変 動 回 数 」 お よ び 「 工 学 的 安 全 施 設 の 計 画 外 作 動 回 数 」 に つ い て 、 す べ て 実 績 値 が 目 標 値 を 満 足 し て い る こ と か ら 、 保 全 は 有 効 に 機 能 し て い る と 評 価した。 b.系統レベルの保全活動管理指標 よ り 直 接 的 に 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 と 保 全 活 動 と を 関 連 付 け 監 視 す る 観 点 か ら 、 系 統 レ ベ ル の 保 全 活 動 管 理 指 標 と し て 、 保 全 重 要 度 の 高 い 系 統注 1 )の う ち 、 重 要 度 分 類 指 針 ク ラ ス 1 、 ク ラ ス 2 お よ び リ ス ク 重 要 度 の 高 い 系 統 機 能 に 対 し て 設 定 し た 「 予 防 可 能 故 障 ( M P F F注 2 )) 回 数 」 お よ び 「 非 待 機 ( U A ) 時 間注 3 )」 に つ い て 、 す べ て 実 績 値 が 目 標 値 を 満 足 し て い る こ と から、保全は有効に機能していると評価した。 注1:原子炉施設の安全性を確保するため重要度分類指針の重要度に 基づき、PSA(確率論的安全評価)から得られるリスク情報 を考慮して設定する。
注2:MPF F(Maintenance Preventable Function Failure)。系 統もしくは、トレインに要求される機能の喪失を引き起こすよ うな機器の故障のうち、適切な保全が行われていれば予防でき ていた可能性のある故障。 注3:UA時間(Unavailability Hours)。当該系統もしくはトレイン に要求される機能が必要とされる期間内において理由によらず その機能を喪失した状態になっている時間。 こ れ ら の 保 全 活 動 に つ い て は 、 原 子 力 発 電 所 に お け る 機 器 の 劣 化 兆 候 の 把 握 お よ び 点 検 の 最 適 化 に 繋 が る と と も に 、 常 に P D C A を 廻 し て 改 善 が 図 ら れ 、 高 経 年 プ ラ ン ト に 対 す る 的 確 な 劣 化 管 理 に 資 す る も の で あ り 、 今 後 も 日 常 点 検 を 継 続 す る こ と で 健 全 性 を 維 持 す ることが可能であると考える。
また、高浜発電所1号炉において、発電所の安全性・信頼性を向上させ るために実施した最近の主な改善工事としては、次のものがある。 「腐食」 ・2次系配管取替 計画的に超音波による肉厚測定を行い、余寿命評価を実施し、必 要に応じて配管取替を実施している。 「疲労」 ・余熱除去系統配管取替工事 国内PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度揺 ら ぎ に よ る 疲 労 ) を 踏 ま え 、 第 2 5 回 定 期 検 査 時 ( 2 0 0 7 年 度 ~2008年度)に、予防保全の観点から、余熱除去冷却器バイパ スライン合流部について、温度揺らぎを抑制できる合流部形状に変 更するとともに、応力集中が小さい溶接形状に変更した。 「応力腐食割れ」 ・燃料取替用水タンク取替 国 内 外 P W R プ ラ ン ト に お け る 応 力 腐 食 割 れ 事 象 を 踏 ま え 、 予 防 保 全 と し て 、 第 2 2 回 定 期 検 査 時 ( 2 0 0 4 年 度 ) に 耐 応 力 腐 食割れ性を向上した材料に取替を実施した。 ・ 原 子 炉 容 器 炉 内 計 装 筒 J- 溶 接 部 等 の ウ ォ ー タ ー ジ ェ ッ ト ピ ー ニ ン グ 国 内 外 P W R プ ラ ン ト に お け る 応 力 腐 食 割 れ 事 象 を 踏 ま え 、 予 防 保 全 と し て 、 溶 接 部 表 面 の 残 留 応 力 を 低 減 さ せ る た め 、 第 2 5 回 定 期 検 査 時 ( 2 0 0 7 年 度 ~ 2 0 0 8 年 度 ) に 6 0 0 系 ニ ッ ケ ル 基 合 金 が 使 用 さ れ て い る 炉 内 計 装 筒 J- 溶 接 部 お よ び 冷 却 材 出 入 口 管 台 溶 接 部 に つ い て 、 ウ ォ ー タ ー ジ ェ ッ ト ピ ー ニ ン グ (応力緩和)を実施した。 ・加圧器サージ管台取替 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、 予 防 保 全 と し て 、 加 圧 器 サ ー ジ 管 台 に つ い て は 第 2 7 回 定 期 検 査 時 (2010年度~)に、6 0 0 系 ニ ッ ケ ル 基 合 金 で 溶 接 さ れ た 管 台 か ら 、 よ り 耐 食 性 に 優 れ た 6 9 0 系 ニ ッ ケ ル 基 合 金 で 溶 接 さ れ た管台への取替を実施した。
資料2-6 保全の有効性評価
改善活動として、点検方法を 見直す場合には、右に示す評 価を行う。
3.技術評価の実施体制 3.1 評価の実施に係る組織 技術評価等にあたる体制を資料3-1に示す。高経年対策グループ は、高経年化対策に関する実施計画、実施手順の策定、運転経験、最 新知見の調査・分析等を行い評価書作成(コンクリート構造物および 鉄骨構造物を除く)およびとりまとめ等の全体調整を行った。 土木建築設備グループは、コンクリート構造物および鉄骨構造物の 技術評価を行い評価書を作成した。 また、評価書作成助勢として、機械設備に関する保守等を行う機械 設備グループ、電気・計装設備に関する保守等を行う電気設備グルー プ、高浜発電所およびその他の関係箇所と協力して、技術評価および 長期保守管理方針の策定を実施した。 3.2 評価の方法 劣 化 状 況 評 価 は 、 「 運 転 延 長 ガ イ ド 」 、 「 高 経 年 化 対 策 実 施 ガ イ ド 等 」 お よ び 「 学 会 標 準 2 0 0 8 版 」 な ど に 準 拠 し て 策 定 し た 高 経 年 化 対策実施手順書に基づいて実施した。 評価方法の詳細については、4.技術評価方法にまとめている。 3.3 工程管理 「 実 用 炉 規 則 」 お よ び 「 運 転 延 長 ガ イ ド 」 等 に 基 づ き 、 2 0 1 5 年4月8日から2015年7月8日までに運転期間延長認可申請等を 行うべく工程管理を実施した。 具体的には、資料3-2に示すように、2012年1月19日およ び2015年3月3日に実施計画および実施手順を策定し、技術評価 の実施を開始した。2015年4月3日に高浜発電所の評価書レビュ ーを完了し、2015年4月9日にグループ内での評価者以外による 技術的な妥当性確認を完了した。 また、原子力事業本部品質保証グループによるプロセス確認のため の内部監査を2015年4月10日までに完了した。 なお、2015年4月22日に、社内の原子力発電安全委員会にお いて本評価書の審議を実施し確認され、2015年4月22日に原子 力技術部門統括が承認した。 さらに、2016年5月の工事計画補正申請を踏まえた評価等を本 評価書に反映し、2016年5月30日に同委員会において審議を実 施し確認され、2016年5月30日に原子力技術部門統括(原子力 技術)が承認した。
3.4 協力事業者の管理 社内標準に定められる調達管理において、品質保証計画書の要求と 当社による審査を経て、関電プラントには、技術評価対象機器リスト の整備を委託し、原子力エンジニアリングには、国内外運転経験等の 整理等を委託し、三菱重工業および三菱電機には、技術評価対象機器 について長期健全性評価等の業務委託を実施した。 3.5 評価記録の管理 管 理 す べ き 文 書 ・ 記 録 の 名 称 、 審 査 者 、 承 認 者 、 保 有 責 任 者 お よ び 保 有 期 間 は 、 社 内 標 準 で 定 め て い る 。 高 経 年 化 対 策 技 術 評 価 に 係 る 記 録の主なものは以下の通りである。 名称 区別 審査者 承認者 保有責任 者 保有 期間 内部 文書 記録 P L M 実 施 計 画書 ○ ○ 高 経 年 対 策 グ ル ー プ チ ー フ マ ネ ジ ャ ー 原 子 力 技 術 部 門 統 括 ( 原 子 力技術) 高 経 年 対 策 グ ル ー プ チ ー フ マ ネ ジ ャ ー 永年 PLM評価書 - ○ - 原 子 力 技 術 部 門 統 括 ( 原 子 力技術) 高 経 年 対 策 グ ル ー プ チ ー フ マ ネ ジ ャ ー 永年 P L M 評 価 書 妥 当 性 確 認 チ ェックシート - ○ - 評 価 担 当 グ ル ー プ チ ー フ マ ネ ジ ャ ー ・部長 評 価 担 当 グ ル ー プ チ ー フ マ ネ ジ ャ ー ・部長 10 年
3.6 評価に係る教育訓練 社 内 標 準 に 基 づ き 、 技 術 評 価 を 実 施 す る 力 量 を 設 定 し 、 力 量 管 理 を 実 施 す る と と も に 、 育 成 計 画 を 定 め て 技 術 評 価 書 作 成 時 の O J T 等 に より資質向上を図っている。 3.7 評価年月日 2016年5月26日 3.8 評価を実施した者の氏名 原子力事業本部 原子力技術部門 高経年対策グループチーフマネジャー 南 安彦 原子力事業本部 原子力土木建築センター 土木建築設備グループ部長 山田 淳
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高浜発電所1号炉 高経年化対策実施体制表 注)必要により評価書作成助勢等の外部委託を実施するものとする。 「長期保守管理方針に基づく保守管理の実施」および「長期保守管理方針の維持」の管理は、 発電所にて実施する。 資料3-1 評価の実施に係る組織高浜発電所
保全計画課 ○全体とりまとめ ○実施計画、実施手順の策定 ○運転経験、最新知見の調査・分析 ○官庁対応、他電力等との業務・調整 ○高経年化技術評価書の作成 ○妥当性確認(技術的な内容) ○原子力発電安全委員会への付議 ○ 機 器 ・保 全 デー タ 提供 ○ 特 別 点検 デ ータ 提 供 ( 運 転 延長 申 請を 伴 う評価 を 行 う場 合 ) ○ 評 価 書作 成 助勢 ( 照 会 事項 に 対す る 回答等 ) ○ 評 価 書案 の 発電 所 確認 原子炉保修課 タービン保修課 電気保修課 計装保修課 土木建築課 原子燃料課 第一発電室 技術課 安全・防災室 放射線管理課 ○評価書作成助勢 ( 社 内 方針 、 技術 的 内容の 確 認 等) ○特別点検の実施計画の策定 (機械設備グループ) 原子力技術部門統括 (原子力技術) ○ 高 浜 発電 所 内と り まとめ ○高経年化技術評価書の作成 ○官庁対応 ○妥当性確認(技術的な内容) ○特別点検の実施計画の策定 *1 コンクリート構造物および鉄骨構造物のみ 原子力発電部門 品質保証グループ ○内部監査(プロセス監査) 原子力技術部門 高経年対策グループ 原子力発電安全委員会 原子力安全部門統括を委員長とし、各発電所長、各発電所原 子炉主任技術者、各チーフマネジャー以上の職位から構成さ れ原子炉施設保安規定の変更等を審議し確認する。 ○高経年化技術評価書の提出の承認原子力事業本部
原子力土木建築センター 土木建築設備グループ* 1 原子力発電部門 機械設備グループ 電気設備グループ他25
年月 項目 2012 2013 … 2015 2016 1 … 12 1 2 3 … 9 10 11 12 … 1 2 3 4 5 6 … 12 1 2 3 4 5 6 手順書作成 ▼ ▼ ▼ 評価書作成 発電所確認 妥当性確認 プロセス監査 ▼* 1 ▼* 1 ▼* 2 ▼* 2 ▼* 2 原子力発電安全委員会 (審議) ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 保安規定変更認可申請 ▼* 3 ▼* 4 ▼* 4 ▼* 4 ▼* 4 運転期間延長認可申請 ▼ ▼ ▼ ▼ *1:内部監査(プロセス監査)*2:妥当性確認のプロセス確認 *3:冷温停止を前提とした評価 *4:断続的運転および冷温停止を前提とした評価 資料3-2 実施工程4.技術評価方法 4.1 技術評価対象機器 本 検 討 で は 、 「 高 経 年 化 対 策 実 施 ガ イ ド 等 」 に 従 い 、 高 浜 発 電 所 1 号 炉 の 安 全 上 重 要 な 機 器 等 ( 「 実 用 炉 規 則 第 8 2 条 第 1 項 」 で 定 め る機器・構造物)を技術評価対象機器とした。 具 体 的 に は 、 「 発 電 用 軽 水 型 原 子 炉 施 設 の 安 全 機 能 の 重 要 度 分 類 に 関 す る 審 査 指 針 ( 1 9 9 0 年 8 月 3 0 日 原 子 力 安 全 委 員 会 決 定 ) 」 に お い て 定 義 さ れ る ク ラ ス 1 、 2 お よ び 3 の 機 能 を 有 す る 機 器 ・ 構 造 物 ( 実 用 炉 規 則 別 表 第 二 に お い て 規 定 さ れ る 浸 水 防 護 施 設 に 属 す る 機 器 ・ 構 造 物 を 含 む 。 ) な ら び に 「 実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 ( 2 0 1 3 年 原 子 力 規 制 委 員 会 規 則 第 5 号 ) 第 4 3 条 第 2 項 に 規 定 さ れ る 常 設 重 大 事 故 等 対 処 設 備 」 ( 以 下 、 「 常 設 重 大 事 故 等 対 処 設 備 」 と い う ) に 属 す る 機 器 ・ 構 造 物 と し 、 原 子 力 保 全 総 合 シ ス テ ム ( M 3 5 ) 、 系 統 図 等 を 基 に 抽 出 し た 。 さ ら に 、工 事 計 画 で 新 た に追 加 さ れ た 機 器 ・構 造 物 に つ い て も、 評価対象として抽出した。 な お 、 供 用 に 伴 う 消 耗 が 予 め 想 定 さ れ る 部 品 で あ っ て 設 計 時 に 取 替 を 前 提 と す る も の ま た は 機 器 分 解 点 検 等 に 伴 い 必 然 的 に 交 換 さ れ る も の は 消 耗 品 と し て 対 象 か ら 除 外 す る 。 ま た 、 設 計 時 に 耐 用 期 間 内 に 計 画 的 に 取 替 え る こ と を 前 提 と す る 機 器 で あ り 、 取 替 基 準 が 保 全 指 針 、 業 務 決 定 文 書 ま た は 原 子 力 発 電 所 保 修 業 務 要 綱 指 針 に よ り 定 め ら れ て いるものについても定期取替品として対象から除外する。 4.2 技術評価手順 4.2.1 機器のグループ化および代表機器の選定 評 価 に あ た っ て は 、 ポ ン プ 、 熱 交 換 器 、 ポ ン プ モ ー タ 、 容 器 、 配 管 、 弁 、 炉 内 構 造 物 、 ケ ー ブ ル 、 電 気 設 備 、 タ ー ビ ン 設 備 、 コ ン ク リ ー ト 構 造 物 お よ び 鉄 骨 構 造 物 、 計 測 制 御 設 備 、 空 調 設 備 、 機 械 設 備、電源設備に分類(カテゴリ化)し機種毎に評価した。 選 定 さ れ た 評 価 対 象 機 器 に つ い て 合 理 的 に 評 価 す る た め 、 構 造 ( 型 式 等 ) 、 使 用 環 境 ( 内 部 流 体 等 ) 、 材 料 等 に よ り 、 「 学 会 標 準 2 0 0 8 版 」 附 属 書 A ( 規 定 ) お よ び 「 学 会 標 準 2 0 1 2 追 補 版 」 附 属 書 A ( 規 定 ) に 基 づ き 、 「 経 年 劣 化 メ カ ニ ズ ム ま と め 表 注 )」を参考に、対象機器を分類しグループ化を行った。
次 に 、 グ ル ー プ 化 し た 対 象 機 器 か ら 重 要 度 、 使 用 条 件 、 運 転 状 態 等 に よ り 各 グ ル ー プ の 代 表 機 器 ( 以 下 、 「 代 表 機 器 」 と い う 。 ) を 選 定 し 、 代 表 機 器 で 評 価 し た 結 果 を グ ル ー プ 内 の 全 機 器 に 水 平 展 開 す る と い う 手 法 で 全 て の 機 器 に つ い て 評 価 を 実 施 し た 。 た だ し 、 代 表 機 器 の 評 価 結 果 を そ の ま ま 水 平 展 開 で き な い 経 年 劣 化 事 象 に つ い ては個別に評価を実施した。 注 :「 経 年 劣化 メ カ ニズ ム ま とめ 表 」 はこ れ ま での 高 経 年化 技 術 評 価 の 知 見 を 包 括的 に ま と め 、 高 経年 化 技 術 評 価 対象 機 器 個 別の 条 件 ( 型 式 、 使用 環 境 、 材 料 等 )を 考 慮 し 、 安 全機 能 達 成 のた め に 要 求 さ れ る機 能 の 維 持 に 必 要と な る 主 要 な 部位 に 展 開 した 上 で 、 そ の 部 位と 経 年 劣 化 事 象 の組 み 合 わ せ を 整理 し た 表 であ る こ と か ら 、 「経 年 劣 化 メ カ ニ ズム ま と め 表 」 を活 用 す る こと で 、 こ れ ま で に確 認 さ れ て い る 使用 材 料 お よ び 環境 に 応 じ 発生 し て い る か ま たは 発 生 が 否 定 で きな い 経 年 劣 化 事象 を 抜 け 落ち なく抽出することができる。 な お 、 2 . 4 に 示 す 「 経 年 劣 化 メ カ ニ ズ ム 整 理 表 」 は 「 経年 劣 化 メ カ ニ ズ ム ま と め 表 」 に 保 全 を 最 適 化 す る た め に 保 守 管 理 に 活 用 す る 情 報 を 集 約 し て ま と め た も の で あ り 、 保 守 管 理 の 結 果 に よ り 充 実 し て い く も の で あ る 。 こ の 「 経 年 劣 化 メ カ ニ ズ ム 整 理 表 」 に 反 映 さ れ る 保 守 管 理 の 結 果 に よ る 情 報 は 必 要 に 応 じ て「経年劣化メカニズムまとめ表」にフィードバックされる。 4.2.2 国内外の新たな運転経験および最新知見の反映 高 浜 発 電 所 1 号 炉 の 高 経 年 化 対 策 を 検 討 す る に あ た り 、 美 浜 発 電 所 1 、 2 、 3 号 炉 、 高 浜 発 電 所 1 、 2 号 炉 お よ び 大 飯 発 電 所 1 、 2 号 炉 を 含 む 先 行 号 炉 の 3 0 年 目 の 技 術 評 価 報 告 書 、 美 浜 発 電 所 1 、 2 号 炉 の 4 0 年 目 の 技 術 評 価 報 告 書 お よ び 高 浜 発 電 所 1 、 2 号 炉 の 4 0 年 目 の 技 術 評 価 報 告 書 ( 冷 温 停 止 状 態 が 維 持 さ れ る こ と を 前 提 と し た 評 価 ) を 参 考 に す る と と も に 、 そ れ 以 降 2 0 1 4 年 4 月 ~ 2 0 1 4 年 1 2 月 の 国 内 外 の 運 転 経 験 に つ い て 事 象 ・ 原 因 を 調 査 し 、 高 経 年 化 へ の 影 響 を 判 断 し て 反 映 を 実 施 す る 。 な お 、 そ の 期 間 以 外 に お い て も 、 劣 化 状 況 評 価 上 特 に 重 要 な 知 見 、 運 転 経 験 が 得 られた場合には、反映を実施する。 国 内 の 運 転 経 験 と し て は 、 法 律 対 象 の ト ラ ブ ル に 加 え 、 法 令 の 定 め で は 国 へ の 報 告 は 必 要 な い が 、 電 力 自 主 で 公 開 し て い る 軽 微 な 情 報 も 含 ん で い る 。 具 体 的 に は 、 原 子 力 安 全 推 進 協 会 が 運 営 し て い る
原 子 力 施 設 情 報 公 開 ラ イ ブ ラ リ ー に お い て 公 開 さ れ て い る 「 ト ラ ブ ル情報」、「保全品質情報」を対象とした。
ま た 、 海 外 の 運 転 経 験 と し て は 、 N R C ( 米 国 原 子 力 規 制 委 員 会 ; Nuclear Regulatory Commission ) の Bulletin ( 通 達 ) 、 Generic LetterおよびInformation Noticeを対象とした。
検討対象とした最新知見の情報を以下に示す。 ・ 国の定め る技術 基準およ び日本機 械学会、 日本電気 協会ならび に 日本原子力学会等の規格・基準類 ・ 原子力安 全基盤 機構の高 経年化技 術情報デ ータベー スにおける 試 験研究の情報 新たに考慮して技術評価に反映した最新知見を以下に示す。 ① 原子力安全 基盤 機構 原子 力発電 所のケーブ ル経年 劣化評価ガ イ ド(JNES-RE-2013-2049)、2014年2月発行 ② 日 本 電 気 協 会 電 気 技 術 規 程 原 子 炉 構 造 材 の 監 視 試 験 方 法 [ 2013 年 追 補 版 ] ( JEAC 4201-2007[2013 年 追 補 版 ] 、 2 0 1 4 年5月発行) ③ 実用発電用 原子 炉施設にお ける高 経年化対策 実施ガ イド(平成 27 年10月7日、原規規発第1510071号) ④ 原 子 力 発 電 所 の 高 経 年 化 対 策 実 施 基 準 : 2015 ( AESJ-SC-P005:2015)、2016年3月発行 ⑤ 実用発 電用 原子 炉の運転 の期間 の 延長の審 査基準 の 一部改正 につ いて(平成28年4月13日、原規規発第1604131号)
4.2.3 経年劣化事象の抽出 劣 化 状 況 評 価 を 行 う に あ た っ て は 、 選 定 さ れ た 評 価 対 象 機 器 の 使 用 条 件 ( 型 式 、 材 料 、 環 境 条 件 等 ) を 考 慮 し 、 「 学 会 標 準 2 0 0 8 版 」 附 属 書 A ( 規 定 ) お よ び 「 学 会 標 準 2 0 1 2 追 補 版 」 附 属 書 A ( 規 定 ) に 基 づ き 、 「 経 年 劣 化 メ カ ニ ズ ム ま と め 表 」 を 参 考 に 、 経 年劣化事象と部位の組み合わせを抽出した。 なお、抽出された経年劣化事象と部位の組み合わせのうち、下記 の「イ」または「ロ」に該当する場合は、高経年化対策上着目すべ き経年劣化事象ではない事象として除外した(資料4-1)。 こ の う ち 、 下 記 分 類 の 「 イ 」 に 該 当 す る 経 年 劣 化 事 象 は 、 「 主 要6 事 象注 )」のい ずれ に も該 当し な いも の であ って 、 20 0 9年 1 月 か ら 施 行 さ れ た プ ラ ン ト 毎 の 特 性 に 応 じ た 個 別 の 検 査 の 充 実 を 含 む 新 し い 検 査 制 度 の 実 績 を 踏 ま え 、 2 . 4 で 記 載 し た 日 常 的 な 保 守 管 理 に お い て 時 間 経 過 に 伴 う 特 性 変 化 に 対 応 し た 劣 化 管 理 を 的 確 に 行 な う こ と に よ っ て 健 全 性 を 担 保 し て い る も の で あ る 。 結果としてこれらが日常劣化管理事象となる。 注 : 原 子 力 規 制 委 員 会 の 「 実 用 発 電 用 原 子 炉 施 設 に お け る 高 経 年 化 対 策 実 施 ガ イ ド 」 に 示 さ れ た 「 低 サ イ ク ル 疲 労 」 、 「 中 性 子 照 射 脆 化 」 、 「 照 射 誘 起 型 応 力 腐 食 割 れ 」 、 「 2 相 ス テ ン レ ス 鋼 の 熱 時 効 」 、 「 電 気 ・ 計 装 品 の 絶 縁 低 下 」 お よ び 「 コ ンクリートの強度低下および遮蔽能力低下」 イ 想定 し た劣 化 傾 向と 実 際の 劣 化傾 向の 乖 離が 考 えが たい 経 年劣 化 事象 で あ っ て、 想 定し た 劣 化 傾向 等 に基 づ き 適 切な 保 全活 動 を行っているもの ロ 現在 ま での 運 転 経験 や 使用 条 件か ら得 ら れた 材 料試 験デ ー タと の 比較 等 に よ り、 今 後も 経 年 劣 化の 進 展が 考 え ら れな い 、ま た は進展傾向が極めて小さいと考えられる経年劣化事象
高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 で は な い 事 象 ( 日 常 劣 化 管 理 事 象 以 外 ) 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 で は な い 事 象 ( 日 常 劣 化 管 理 事 象 ) 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 No Yes Yes No 4 . 2 . 3 の ロ に 該 当 す る 経 年 劣 化 事 象 PLM 学 会 標 準 2008 版 等 に 基 づ き 抽 出 し た 全 て の 経 年 劣 化 事 象 の う ち 、 主 要 6 事 象 を 除 く 経 年 劣 化 事 象 No 4 . 2 . 3 の イ に 該 当 す る 経 年 劣 化 事 象 資料4-1 経年劣化事象の分類
4.2.4 経年劣化事象に対する技術評価 4 . 2 . 1 で 選 定 さ れ た 代 表 機 器 に つ い て 、 4 . 2 . 3 で 抽 出 し た 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 と 部 位 の 組 み 合 わ せ に 対 す る 技 術 評 価 を 下 記 の 健 全 性 評 価 、 現 状 保 全 、 総 合 評 価 、 高 経 年 化 への対応の順で実施した。 な お 、 特 別 点 検 を 実 施 し た 機 器 は 、 特 別 点 検 結 果 を 踏 ま え た 評 価 を実施する。 a.健全性評価 機器毎 に抽出 した 部位と 経年劣 化事 象の組 み合わ せ毎 に60 年間使用 するこ と を仮定し て、傾 向 管理デー タによ る 評価およ び解析等 の定量 評 価、過去 の保全 実 績、一般 産業で 得 られてい る知見等 により 健 全性の評 価を実 施 する。ま た、工 事 計画を踏 まえた健全性評価を実施する。 b.現状保全 評価対 象部位 に実 施して いる点 検内 容、関 連する 機能 試験内 容、補修・取替等の現状保全の内容について整理する。 c.総合評価 上記a、 bをあ わ せて現状 の保全 内 容の妥当 性等を 評 価する 。 具体的に は、健 全 性評価結 果と整 合 の取れた 点検等 が 、現状の 発電所に おける 保 全活動で 実施さ れ ているか 。また 点 検手法は 当該の経年劣化事象の検知が可能か等を評価する。 d.高経年化への対応 60年間の使用を考慮した場合、現状保全の継続が必要とな る項目、今後新たに必要となる点検・検査項目、技術開発課題 等を抽出する。
4.3 耐震安全性評価 4.2.3で抽出した経年劣化事象およびその保全対策を考慮した上 で機器毎に耐震安全性評価を実施する。 4.3.1 耐震安全性評価対象機器 技術評価対象機器と同じとした。 4.3.2 耐震安全性評価手順 a.耐震安全上考慮する必要のある経年劣化事象の抽出 4 . 2 . 3 で 抽 出 し た 安 全 機 能 を 有 す る 機 器 ・ 構 造 物 に 想 定 さ れ る 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 お よ び 日 常 劣 化 管 理 事 象 を 対 象 と し て 、 こ れ ら の 事 象 が 顕 在 化 し た 場 合 、 代 表 機 器 の 振 動 応 答 特 性 ま た は 、 構 造 ・ 強 度 上 、 影 響 が 「 有 意 」 で あ る か 「 軽 微 も し く は 無 視 」 で き る か を 検 討 し 、 「 有 意 」 な も の を 耐 震 安全上考慮する必要のある経年劣化事象とした。 b.耐震安全性評価 前 項 で 抽 出 し た 経 年 劣 化 事 象 毎 に 、 耐 震 安 全 性 評 価 を 実 施 し た 。 評価の基本となる項目は、大別すると以下のとおり分類される。 ① 機器の耐震クラス ② 機器に作用する地震力の算定 ③ 60年の供用を仮定した経年劣化事象のモデル化 ④ 振動特性解析(地震応答解析) ⑤ 地震荷重と内圧等他の荷重との組合せ ⑥ 許容限界との比較 こ れ ら の 項 目 の う ち 、 ④ お よ び ⑥ に つ い て は 経 年 劣 化 の 影 響 を 考 慮 し て 評 価 を 実 施 し た 。 ま た 、 評 価 に 際 し て は 、 「 原 子 力 発 電 所耐震設計技術指針(JEAG4601-1987)」等に準じて実施した。 c.保全対策へ反映すべき項目の抽出 以 上 の 検 討 結 果 を 基 に 、 耐 震 安 全 性 の 観 点 か ら 高 経 年 化 対 策に 反映すべき項目について検討した。
4.4 耐津波安全性評価 4 . 2 . 3 で 抽 出 し た 経 年 劣 化 事 象 お よ び そ の 保 全 対 策 を 考 慮 し た 上で耐津波安全性評価を実施する。 4.4.1 耐津波安全性評価対象機器 評 価 対 象 機 器 は 、 「 技 術 評 価 」 に お け る 評 価 対 象 機 器 の う ち 、 津 波の影響を受ける浸水防護施設を耐津波安全性評価の対象とした。 4.4.2 耐津波安全性評価手順 a.耐津波安全上考慮する必要のある経年劣化事象の抽出 耐 津 波 安 全 性 評 価 対 象 機 器 に 対 し て 4 . 2 . 3 で 抽 出 し た 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 お よ び 日 常 劣 化 管 理 事 象 に つ い て 、 こ れ ら の 事 象 が 顕 在 化 し た 場 合 、 構 造 ・ 強 度 上 お よ び 止 水 性 上 へ の 影 響 が 「 有 意 」 で あ る か 「 軽 微 も し く は 無 視 」 で き る か を 検 討 し 、 「 有 意 」 な も の を 耐 津 波 安 全 上 考 慮 す る 必 要 の あ る 経 年劣化事象とした。 b.耐津波安全性評価 前 項 で 整 理 さ れ る 、 耐 津 波 安 全 性 評 価 上 考 慮 す る 必 要 の あ る 経 年 劣 化 事 象 が 想 定 さ れ る 設 備 に 対 し 、 耐 津 波 安 全 性 に 関 す る 評 価 を実施した。 c.保全対策へ反映すべき項目の抽出 以 上 の 検 討 結 果 を 基 に 、 耐 津 波 安 全 性 の 観 点 か ら 高 経 年 化 対 策 に反映すべき項目について検討した。 4 . 1 ~ 4 . 4 ま で の 検 討 に お け る 評 価 フ ロ ー を 、 資 料 4 - 2 お よび資料4-3に示す。
4.5 冷温停止状態維持時の技術評価 冷 温 停 止 状 態 維 持 時 の 技 術 評 価 フ ロ ー を 資 料 4 - 4 に 、 冷 温 停 止 状 態 維 持 に 必 要 な 設 備 抽 出 フ ロ ー を 資 料 4 - 5 に 示 す 。 抽 出 さ れ た 冷 温 停 止 状 態 維 持 に 必 要 な 設 備 に 対 し て 、 断 続 的 運 転 を 前 提 と し た 場 合 に 想 定 さ れ る 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 に 対 し て 冷 温 停 止 状 態 の 維 持 を 前 提 と し た 場 合 に お け る 劣 化 の 発 生 ・ 進 展 に 関 す る 整 理 を 実 施 し 、 そ の 結 果 を 基 に 冷 温 停 止 状 態 を 前 提 と し た 評 価 ( 以 下 、 「冷温停止を踏まえた再評価」という。)を以下の手順で実施した。 4.5.1 代表機器の選定 冷温停止状態維持に必要な設備を考慮して、断続的運転を前提と した技術評価における代表機器を本検討の代表機器として選定した。 4.5.2 冷温停止を踏まえた再評価を行う経年劣化事象の抽出 断続的運転を前提とした場合に想定される高経年化対策上着目す べ き 経 年 劣 化 事 象注 )に 対 し て 、 冷 温 停 止 状 態 の 維 持 を 前 提 と し た 場合における劣化の発生・進展に関する整理を実施し、冷温停止状 態の維持を前提とした場合において、発生・進展が断続的運転を前 提とした場合より厳しくなることが想定される経年劣化事象を抽出 した。その結果、より厳しくなることが想定される経年劣化事象が 抽出された場合には、冷温停止を踏まえた再評価を実施した。なお、 保全対策に反映すべき項目があるかもあわせて検討した。 4.5.3 評価対象機器全体への展開 代表機器の評価結果を踏まえ、冷温停止状態の維持を前提とした 場合において、発生・進展が断続的運転を前提とした場合より厳し くなることが想定される経年劣化事象を抽出した。その結果、より 厳しくなることが想定される経年劣化事象が抽出された場合には、 冷温停止を踏まえた再評価を実施した。なお、保全対策に反映すべ き項目があるかもあわせて検討した。 注: 運 転を 断 続的 に行 う こと を 前提 とし た 評価 に おけ る高 経 年化 対 策 上着目すべき経年劣化事象以外の事象が、冷温停止状態が維持され ることを前提とした評価において着目すべき経年劣化事象となる場 合はそれらもあわせて抽出した。また、断続的運転を想定した場合
における高経年化対策上着目すべき経年劣化事象ではない事象につ いては、冷温停止を前提とした場合においても、高経年化対策上着 目すべき経年劣化事象ではない事象として良いかを確認した。なお、 プラント通常運転時に要求のある機能に対する経年劣化事象である が、冷温停止状態維持を前提とした場合に要求がなくなるものは対 象外とした。(資料4-6参照)
資料4-2 技術評価フロー プ ラ ン ト 全 系 統 ・ 構 造 物 ・ 機 器 評 価 対 象 外 ・ 燃 料 集 合 体 等 評 価 対 象 機 器 を カテゴリ化、 グ ル ー プ 化 構 造 ( 型 式 ) 、 使 用 環 境 、 材 質 等 の 条 件 グ ル ー プ 内 の 代 表 を 選 定 重 要 度 、 使 用 条 件、 運 転状態 等 耐 震 安 全 性 評 価 、 耐 津 波 安 全 性 評 価 ・ 経 年 劣 化 を 考 慮 し た 評 価 ・ 保 全 対 策 に 反 映 す べ き 項 目 の 抽 出 発 電 所 内 の 主 な 機 器 の 高 経 年 化 対 応 事 項 の 抽 出 Yes No No Yes 機 器 単 位 で 長 期 に わ た り 使 用 す る か ? 発 電 所 内 の そ の 他 機 器 の 高 経 年 化 対 応 事 項 の 抽 出 No 知 見 の 反 映 等 グ ル ー プ 内 全 機 器 へ の 展 開 ・ 経 年 劣 化 事 象 の 抽 出 ・ 経 年 劣 化 事 象 の 評 価 経 年 劣 化 事 象 の 評 価 ・ 技 術 評 価 ( 健 全 性 評 価 + 現 状 保 全( * 3 ) → 総 合 評 価 ) ・ 高 経 年 化 へ の 対 応( * 4 ) 高 経 年 化 対 策 上 着 目 す べ き 経 年 劣 化 事 象 の 抽 出 安 全 上 重 要( * 1 )ま た は 常 設 重 大 事 故 等 対 処 設 備 か ? 高 温 ・ 高 圧 の 環 境 下 ( * 2 )に あ る か ? Yes ク ラ ス 3 の 機 器 ・ 構 造 物 で あ る か ? Yes 評 価 対 象 外 冷 温 停 止 状 態 維 持 の 技 術 評 価 ( 資 料 4 - 4 参 照 ) * 6 資料4-3参照 主 要 設 備 ( 事 象 ) の 技 術 評 価 書 の 作 成 長 期 保 守 管 理 方 針 の 策 定 No * 1 : 重 要 度 ク ラ ス 1 、 2( * 5 ) * 2 : 重 要 度 ク ラ ス 3 の 内 、 最 高 使 用 温 度 が 95℃ を 超 え 、 ま た は 最 高 使 用 圧 力 が 1900kPa を 超 え る 環 境 ( 原 子 炉 格 納 容 器 外 に あ る も の に 限 る ) * 3 : 系 統 レ ベ ル の 機 能 確 認 を 含 む 。 * 4 : 高 経 年 化 対 応 と し て の 保 全 の あ り 方 を 論 じ 、 高 経 年 化 に 関 係 の な い 一 般 的 な 保 全 は 切 り 離 す 。 * 5 : 「 発 電 用 軽 水 型 原 子 炉 施 設 の 安 全 機 能 の 重 要 度 分 類 に 関 す る 審 査 指 針 」 ( 平 成 2 年 8 月 3 0 日 原 子 力 安 全 委 員 会 決 定 ) の 重 要 度 分 類 * 6 : 経 年 劣 化 の 発 生 ・ 進 展 が 否 定 で き ず 、 耐 震 安 全 性 ・ 耐 津 波 安 全 性 に 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 の あ る 事 象
資料4-3 経年劣化事象の抽出および技術評価フロー 経年劣化事象の評価 技 術 評 価 第一段階 経年劣化事象の抽出 第二段階 ・ 対 象 機 器 個 別 の 条 件 を 考 慮 し 、 想 定 される経 年 劣 化 を抽 出 劣化メカニズム スクリーニング 個別条件下での抽出 高 経 年 化 を考 慮 した場 合 の経 年 劣 化 事 象 の厳 しさ度 合 いについての評 価 健全性評価 ・点 検 内 容 (手 法 、範 囲 、頻 度 ) ・関 連 する機 能 試 験 内 容 ・補 修 ・取 替 現状保全 総 合 評 価 ・点 検 ・検 査 の充 実 、適 正 化 ・現 状 保 全 の継 続 ・技 術 開 発 課 題 の抽 出 等 高経年化への対応 ・最 新 の技 術 的 知 見 に基 づいた評 価 ・解 析 等 の定 量 的 評 価 ・ 経 年 劣 化 メ カ ニ ズ ム ま と め 表 ( 「 学 会 標 準 2008版 」附 属 書 A(規 定 ) お よ び 「 学 会 標 準 2 0 1 2 追 補 版 」 附 属 書 A ( 規 定 ) ) に よ り 、 高 経 年 化 対 策 上 着 目 すべき経 年 劣 化 事 象 と部 位 の組 み合 わせを抽 出 ・ まとめ表 作 成 ・改 定 時 期 以 降 の運 転 経 験 か ら 抽 出 さ れ た 経 年 劣 化 事 象 を反 映 ・傾 向 管 理 データによる評 価