1
環境コンサルタント 川島悟一 太陽熱利用率 を 向上 させた 製品 の
販売促進 による 市場拡大 の 可能性 について
太陽熱利用率 を 向上 させた 製品 の
販売促進 による 市場拡大 の 可能性 について
環境コンサルタント 川島悟一
資料7
川島 悟一
〔プロフィール〕
1976年生まれ、静岡県出身
東北大卒業。東北大大学院理学研究科博士前期課程終了
荏原製作所
(2001~2005年)廃棄物・エネルギー関連市場調査等 博報堂
(2006年~2007年)チーム・マイナス6%事務局ディレクター 内閣府
(2009年~2011年)環境コンサルタント
(2007~2009年、2011年~)としての主な実績
・環境NGOキャンペーン企画立案
・自動車メーカー主催教育プログラムの授業作成
・滋賀エコ・エコノミープロジェクト事務局ディレクター
・横浜市環境創造審議会地球温暖化対策検討部会委員
・長野県地球温暖化対策戦略再構築事業の政策調査・立案
〔現在〕
千葉県いすみ市を拠点に、持続可能な地域エネルギー基盤づくりに挑戦中
政策統括官(社会システム担当)付参事官(総括担当)
付参事官補佐(主に「新しい公共」を担当)
2
いきなり、結論。
太陽熱は、化石燃料より安くなる。
3
1.なぜ、太陽熱なのか?
4
1.太陽熱利用のエネルギー安全保障上の意義
化石燃料
〔エネルギー需要〕
〔一次エネルギー〕 〔二次エネルギー〕
民生)給湯 暖房 産業)乾燥等 民生)厨房 産業)ボイラ
自然エネ
民生)動力 照明 冷房 産業)機械
燃料
電力 動力
低温の熱 高温の熱
現在のエネルギーフローのイメージ
現在のエネルギーシステムは、
質の低いエネルギー需要に対し、質の高いエネルギー源を用いている。 5
1.太陽熱利用のエネルギー安全保障上の意義
化石燃料
〔エネルギー需要〕
〔一次エネルギー〕 〔二次エネルギー〕
民生)給湯 暖房 産業)乾燥 民生)厨房 産業)ボイラ
自然エネ
民生)動力 照明 冷房 産業)機械
燃料 電力
質の低いエネルギー需要に対し、質の低いエネルギー源を用いれば、
化石燃料の利用量を減らすことができ、エネルギー安全性を高める。
熱エネルギー
「熱は熱で」のエネルギーフローのイメージ
動力
低温の熱 高温の熱
6
2.太陽熱で熱需要を
どこまでカバーできるのか?
7
2.太陽熱で熱需要をどこまでカバーできるのか?
家庭の給湯需要を、どこまで太陽熱でカバーできるのか、NEDOの日射量 データから計算するシミュレーターを作成し、検証した。
日射量 NEDOのMETPVの1時間毎の水平面日射量データを活用。
気温 NEDOのMETPVの1時間毎の気温を活用。
給水温 全国25都市の年間水道水温データより、年間平均気温から推測す るモデルを開発し、採用。
集熱量 任意の角度に対し、1時間ごとの集熱量できるよう計算。
給湯需要 1時間ごとに給湯需要量を設定可。給湯温度は月ごとに設定可。
設備 強制循環式を前提。集熱器の性能と面積、貯湯タンクの容量と保温 性能と設定最高温度、その他システムの熱ロスを設定可。
太陽熱システムシミュレーターの概要
8
45都府県庁所在地における需要熱量と熱カバー率 (設備4m2・200L)
→35 ~ 55 %の熱カバー率。東京は、 44.4 %
全国平均では、 75.9 %
(都道府県別の戸建住宅数で加重平均)2.太陽熱で熱需要をどこまでカバーできるのか?
需要:
日量400L 年平均40℃
東京
甲府 静岡
青森 鹿児島
長野 金沢
広島
9
45都府県庁所在地における熱需要と太陽熱カバー率 (設備8m2・400L)
→東京は、76.9%。45都市中、35都市で70%を超える。
全国平均では、 76.6 %
(都道府県別の戸建住宅数で加重平均)2.太陽熱で熱需要をどこまでカバーできるのか?
東京
甲府
需要:
日量400L 年平均40℃
静岡
青森 鹿児島
長野
金沢 広島
10
設備規模と熱カバー率(全国8都市)
→集熱パネルとタンク容量を増せば、熱カバー率が高くなる。
400L 需要の場合、 10m2 ・ 500L を超えると熱カバー率は逓減。
2.太陽熱で熱需要をどこまでカバーできるのか?
11
3.太陽熱のコストは、
なぜ高いのか?
12
3.太陽熱のコストは、なぜ高いのか?
太陽熱だけで100%賄えないため、かならず補助熱源が必要。
つまり、太陽熱システムのための追加設備とその工事費は、
まるまる追加コストとなってしまう。
サーマルパリティ
太陽熱利用システムの
追加初期投資 燃料費の削減
13
4.太陽熱は、化石燃料よりも安くなるのか?
投資回収年数
追加イニシャルコスト
都市ガス LPガス
投資回収年数と追加イニシャルコスト
投資回収年数 = 追加イニシャルコスト 年間の削減燃料費
投資回収年数
削減熱量
都市ガス
LPガス
投資回収年数と削減熱量
14
4.太陽熱は、
化石燃料よりも安くなるのか?
15
4.太陽熱は、化石燃料よりも安くなるのか?
設備規模
追加イ ニシ ャルコ ス ト
設備規模と追加イニシャルコスト(イメージ)
追加設備費 40万円 53万円 62万円 70万円 76万円 81万円
追加工事費 20万円 21万円 22万円 23万円 24万円 25万円 合計 60万円 74万円 84万円 93万円 100万円 106万円
50万円
100万円
※この価格は、あくまでもイメージ。
16
4.太陽熱は、化石燃料よりも安くなるのか?
設備規模と熱カバー率(全国8都市)
【再掲】
17
4.太陽熱は、化石燃料よりも安くなるのか?
設備規模
投資回収年数
設備規模と投資回収年数(イメージ)
18
5.太陽熱の市場は
拡大できるのか?
19
5.太陽熱の市場は、拡大できるのか?
太陽熱利用 独自の太陽熱システムシミュレーターを利用。
設備:集熱パネル8m2、貯湯槽400L。需要:40℃(年平均)、400L/日 補助熱源 機器効率)ガス給湯器:効率95%、エコキュート:COP3.0
燃料の熱量と単価)LPガス:100MJ/kg、600円/kg。都市ガス:
45MJ/m3、190円/m3。電力:3.6MJ/kWh、26円/kWh。
機器・燃料 のシェア
ガス給湯とエコキュートの割合は、全国のガス給湯器とエコキュート の年間販売台数の割合。LPガスと都市ガスの割合は、都府県別 のLPガス普及率(LPガス連合会)より。
給湯器需要 新築戸建住宅数及び既設戸建住宅の更新需要の合計。
投資回収年 数
芝浦工業大の学生による投資回収年数ごとの設置意思のアンケー ト結果を参考に、次のように仮定。5年:35%、7.5年(5~10年):
45%、12.5年(10~15年):15%、17.5%(15~20年):5%
太陽熱システムの市場規模分析の概要
20
北海道と沖縄県を除く全国で、サーマルパリティが達成する追加イニシャ
ルコストと市場規模の関係について分析を行った。
500
年間販売台数(千台)
追加イニシャルコスト(千円)
500 1,000 1,500 2,000
1,000 1,500 2,000
太陽熱利用の潜在需要(補助熱源:ガス給湯器)
534 千円
5.太陽熱の市場は、拡大できるのか?
693千台
東京・都市ガスの場合、
10年で投資回収できる 追加イニシャルコスト
21
100
年間販売台数(千台)
追加イニシャルコスト(千円)
200 400 600 800
200 300 400
太陽熱利用の潜在需要(補助熱源:エコキュート)
71 千台
289 千円
5.太陽熱の市場は、拡大できるのか?
東京の場合、
10年で投資回収できる 追加イニシャルコスト
22
5.太陽熱の市場は、拡大できるのか?
市場規模 70 万台以上を目指すとすれば、
ガス給湯器への追加 約 53 万円 エコキュートへの追加 約 29 万円
の追加イニシャルコストが
市場拡大のための1つのターゲットとなる。
23
6.市場をどうつくっていくか?
24
6.市場をどうつくっていくか?
年間販売台数
設備価格
購入意思価格と製造価格のイメージ
購入意思価格 製造価格
現状 投資が必要 利益の出る市場規模