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ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察(第2報) : 鹿児島県における家畜排せつ物からのエネルギー

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ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察

(第2報) : 鹿児島県における家畜排せつ物からの

エネルギー

著者

松村 博久, 玉利 ?一, 井手 英夫

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

24

ページ

81-90

別言語のタイトル

EXCREMENTS OF DOMESTIC ANIMALS FOR ENERGY

CONSERVATION TO LOCAL ENERGY (REPORT 2) : On

the Data for Investigation in Kagoshima

Prefecture

(2)

ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察

(第2報) : 鹿児島県における家畜排せつ物からの

エネルギー

著者

松村 博久, 玉利 ?一, 井手 英夫

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

24

ページ

81-90

別言語のタイトル

EXCREMENTS OF DOMESTIC ANIMALS FOR ENERGY

CONSERVATION TO LOCAL ENERGY (REPORT 2) : On

the Data for Investigation in Kagoshima

Prefecture

(3)

ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への

一考察(第2報)

(鹿児島県における家畜排せつ物からのエネルギー)

松村博久・玉利賢一・井手英夫

(受理昭和57年5月31日) EXCREMENTSOFDOMESrICANIMAISEORENERGYCONSERVArION

TOIDCALENERGY(REPORT2)

(OntheDatafbrInvestigationinKagoshimaPrefecture) HirohisaMATsuMuRA,MasakazuTAMARIandHideoIDE Therearemanylocalenergiesthattheyaresolarheating,geothermalenergy,windpower,ocean energy,biomass,andsoon,inaltemativeenergysources・ Inthepreviousreport,theexcrementsconductingandsolid-wastebumingfbrenergyconservation tolocalenergywerediscussed・ Inthispaperthelocalenergybymeansoftheexcrementsofdomesticanimalsfbrenergyconser‐ vationareconsideredonthebasisofthedatafbrinvestigationinKagoshimaPrefecturefromAprill, 1979throughMarch31,1980. 1 . 緒 言 昭和48年における第1次及び昭和54年における第 2次の2回にわたった石油ショックにより,世界のエ ネルギー事‘情は極めて厳しい状態になった.特にわが 国は,エネルギー輸入依存率が87パーセントと主要 先進国中で最も高い値をもっており,中でも石油が輸 入エネルギーの3分の2である66パーセントを占め て い る . そ し て わ が 国 に お け る 石 油 の 輸 入 依 存 率 は 99.8パーセントであるから,政府のエネルギー政策 は深刻な上に重大なものであった. 昭和54年8月の総合エネルギー調査会需給部会の 「長期エネルギー需給暫定見通し(中間報告)」による と,石油の輸入依存率は,昭和52年が74.5パーセン トであったのを昭和60年に62.9パーセント,昭和 65年に50.0パーセント,昭和70年に43.1パーセン ト と 減 少 し て い く こ と に な っ て い る . ま た エ ネ ル ギ ー 需要量に対する省エネルギー率は,昭和60年に12.1 パーセント,昭和65年に14.8パーセント,昭和70 年に17.1パーセントと増加していくことを報告して いる.しかしながら,全国の省エネルギーの推進と石 油代替エネルギーの導入が順調にいっていることと世 界的不景気によるエネルギー需要の低下していること から,この「需給暫定見通し」よりも良い結果に進行 してきている. この現状をふまえて,昭和57年4月に通産省資源 エネルギー庁は,総合エネルギー調査会需給部会へ提 出の「長期エネルギー需給見通し_,の改定内容を明ら かにした.それによると,昭和65年度と昭和75年度 を目標として作成されており,石油依存率は昭和65 年度に49.1パーセント,昭和75年度に38.0パーセ ントとなっており,省エネルギー率は昭和65年度に 15.5パーセント,昭和75年度に25.0パーセントと な っ て い る . こ れ ら の こ と は , 石 油 か ら 代 替 エ ネ ル ギーへの転換速度を「長期エネルギー需給暫定見通し (中間報告)_,より更に早めたことを意味している. 石 油 代 替 エ ネ ル ギ ー の 小 部 分 で あ る が , 補 完 的 役 割 を担うローカルエネルギー(地域エネルギー)は,全 国各都道府県で潜在賦存量などが調査され,フィジビ

(4)

625 95 118 364 48 82 第24号(1982) 58,160 5,510 16,000 29,180 7,470 7,370 520 2,620 3,020 1,210 表1 昭和54年市町村別家畜飼養戸数及び飼養頭羽数(その1) 単位:戸,頭,羽 8349243190

21

915,900 3,400 12,600 875,500 24,400 乳 用 牛 肉 用 牛 鶏 市 町 村 肉 用 種

薮1−羽一薮

卵 用 種 頭 ら 戸 8 3 9 9 2 3 0 83414320 1141151090 44148172210 2608195740 8624386880 市 部 郡 部 鹿 児 島 市 川 内 市 鹿 屋 市 枕 崎 市 串 木 野 市 阿 久 根 市 名 瀬 市 出 水 市 大 口 市 指 宿 市 加 世 田 市 国 分 市 西 之 表 市 垂 水 市 鹿 児 島 郡 吉 田 町 桜 島 町 三 島 村 十 島 村 4,090 16,340 1,908,000 6,482,000 182 497 4,517,000 13.430.000 3705 8671 1,5203,230 1,3574,270 3,18318,490 3 0 0 9 6 0 4001.510 570 1,090 2,520 380 20 200 480 850 540 110 290 2,180 9785113575488755856416543344

1132322122

5,420 4,140 33,800 15,450 3,000 9,160 6,150 15,030 72,760 8,870 5,110 4,240 3,010 9,600 1411168708010208453296226648

9022515

9 1 250,000 38,300 231,500 346,200 47,900 63,400 9,500 677,600 76,200 21,000 74,100 10,300 3,700 58,300 詔邪喝mnm−w一過皿別一一一鴫肥一 891,000 457,000 306,000 247,000 173.000 47 30 38 136 404 104 1,136 778 2,450 − 200,000 1,100,000 14,000 165.000 2,350 6,160 3.500 160 451 930 688 2,300 1,300 2,850 1.720 234,000 780,000 50.000 10 343 80 80 598 317 49 74 158 2,050 660 230 460 700 945 33 1,480 1,020 460 95581

137

32 43,000 28,000 14,500 100 400 720.000 720,000 − 揖 宿 郡 喜 入 町 山 川 町 頴 娃 町 開 聞 町 06572

5111

859 160 80 510 100 1,913 207 621 644 441 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 22 350.000 1.155.000 0 103,000 153,000 55,000 125,000 196,000 500,000 23.000 14935

411

905.000 15,000 230,000 300,000 360.000 川 辺 郡 笠 沙 町 大 浦 町 坊 津 町 知 覧 町 川 辺 町 571,460 1,186 18 69 153 401 545 6,650 100 260 920 2,480 2,890 715 49,920 290 1,510 1,190 13,240 33,690 1,137 120 236 135 93 553 1,375,900 500 18,700 17,400 924,400 414,900 48 1.136.000 u|踊副 70 670 720 25 41 318 331 一似7’㈹−8878週幻4|銘7瓢一喝96’ 1,009,000 127.000 日 置 郡 市 来 町 東 市 来 町 伊 集 院 町 松 山 町 郡 山 町 日 吉 町 吹 上 町 金 峰 町 70 9 19 1,760 120 280 530 50 400 300 80 835943789526050387 613635122 9 2 8,040 210 870 1,230 910 1,420 700 1,150 1,550 053773519

42386533

511

18,150 210 600 330 1,590 4,110 1,050 7,040 3,220 763062505 672011463

726322

9 1 136,600 25,100 8,100 6,500 30,800 3,200 2,000 39,500 21,400 6,100 6,600 6,400 67,500 2,000 10,000 8,200 700 500 100 0000800260 0572560112 821115 804 12 薩 摩 郡

更蕊謡

善幾悪

霊豊野

聖答院薯

出 水 郡 野 田 町 39 5 卯帥卯一帥、一釦一別

741

5.04617.150 1

9123611

176798509 520 250 1,180 2,100 320 1,880 130 540 100 0 30 33,730 5,380 2.106 108,100 1.788.000 74741322790 22693614331 6442677 1 1 00000000000 37835345764 6732096111 9999999 1114222 590 63,700 140,000 956,000 5,000 303,000 150,000 138,000 96,000 26 8 68 1 1.081 6.490 1,140 156 555.300 410 170 78 38 145 1,168,000 62

(5)

69,620 8,030 9,220 7,750 10,190 3,480 12,220 11,950 6,780 83 982409655

413313

1 表1.昭和54年市町村別家畜飼養戸数及び飼養頭羽数(その2)単位:戸,頭,羽 000000000 177794683 113444172 9 3 12.32656.230 乳 用 牛 肉 用 牛 鶏

'

;

i

市 町 村 卵 用 種 頭 も 戸 も 頭 頭 も 高 尾 野 町 東 町 長 島 町 8 624 119 241 16,250 4,250 7,850 355 821 490,100 100 1,400 220 20 279 334 406 2,750 1,800 1,350 伊 佐 郡 菱 刈 町 240 240 9,970 9,970 30,500 30,500 12 12 1,025 1,025 3,870 3,870 281 281 230 230 姶 良 郡 加 治 木 町 姶 良 町 蒲 生 町 溝 辺 町 横 川 町 栗 野 町 吉 松 町 牧 園 町 霧 島 町 隼 人 町 福 山 町 698,600 46,000 261,600 88,600 20,000 5,600 300 5,500 5,700 91,400 103,900 70,000 27 5 92 2,230 90 10 410 570 300 470 70 310 5,37017,040 97128.530 3,781 362 501 175 388 112 123 251 713 574 331 251 704,000 42,000 .14,000 ぴ 72,000 101,000 466 411 257 776 448 571 1,200 1,490 580 1,900 1,110 1.880 813557 749507 11 2,180 1,140 930 2,400 1,000 7.110 加一配皿Ⅳ5皿 16 337 590 373 408 733 850 1,900 1,100 2,400 2.630 60006 83721 2 4,770 1,970 2,580 3,880 570 70,000 20,000 8,000 377,000 4,182,000 265,000 72,000 192,000 295,000 48,000 57,000 209,000 3.044.000 6|弼加一肥昭一4m5一別随 曽 於 郡 大 隅 町 輝 北 町 財 部 町 末 吉 町 松 山 町 志 布 志 町 有 明 町 大 崎 町 肝 属 郡 串 良 町 東 串 良 町 内 之 浦 町 高 山 町 吾 平 町 大 根 占 町 根 占 町 田 代 町 佐 多 町 熊 毛 郡 中 種 子 町 南 種 子 町 上 屋 久 町 屋 久 町 松村・玉利・井手:ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察(第2報) 356 163 257 15 21 4,150 1,940 980 860 370 一 1.000 699166726 708907522

413223

1 1 3,072 944 218 317 598 110 369 255 361 1,767,400 83,100 271,700 91,900 996,500 16,900 67,000 32,300 208,000 1,9408,580 9163,960 1,3817,150 2,45011,680 8414,190 9383,520 1,6717,120 2,18910,030 104 46 36 8 14 2,280 1,310 660 120 190 6.99530.610 1

1522

501607499963361522 1 89,070 45,520 3,930 2,250 19,140 5,440 4,400 4,850 790 2,750 726.000 1.661.000 1.803 1,558 851 278 1,035 944 8,640 3,640 930 4,560 3.480 695,000 8,500 1,300 8,000 3.500 500,000 50,000 6,000 80,000 69.000 302 70 167 350 336 736 642 430 521 2,500 2,280 1,780 2.800 1,300 1,100 2,300 5.000 312,000 69,000 575,000 過一筋一 250 50 153 125 219 212 7 1,070 820 250 1,099 627 268 91 113 20 20 10.000 256 27.900 6,900 2,880 2,040 400 1,580 1.000 5065

482

1 15,000 3,400 4,100 5.400 − 1,000 − 大 島 郡 大 和 村 宇 検 村 瀬 戸 内 町 住 用 村 龍 郷 町 笠 利 町 喜 界 町 徳 之 島 町 天 城 町 伊 仙 町 和 泊 町 知 名 町 与 論 町 1.476 40 4.84812.560 1,11614,300 96.900 000000000000 712926475971 14234964112 9 9,,

5122

226410 355586 1 1 000000 45544 5113 600 8,300 13,600 1,600 400 21.000 5 82 28 59 110 − 4,000 − 皿“一組拓也“瓢詔873 1 1 133 4.000 6675386 1526114 511 116 512 895 1,119 935 655 332 950 1,050 1,500 2,100 3,070 1,900 770 5,600 8,300 7,200 3,500 12,900 10,100 3,800 1,000

(6)

84 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 4 号 ( 1 9 8 2 ) リティ.スタディなどで地道に開発研究されている. その一端として,前報')では,鹿児島県下における し尿及びごみからの廃棄物エネルギー量を推定し,そ のエネルギーをローカルエネルギーとしての有効利用 についての考察を行なった.前報に引続いて本報では, 鹿児島県内の家畜飼養数の調査結果から,家畜の排せ つ物による廃棄物エネルギーの潜在賦存量を算定し, こ の 廃 棄 物 エ ネ ル ギ ー が ロ ー カ ル エ ネ ル ギ ー と し て の 利用方法についての考察をしている.鹿児島県は,家 畜の中でも豚と鶏の飼養数は全国で最上,位にランクさ れ,牛の飼養数も上位に位過している.しかし,他の 家畜の馬,羊などの飼養数は豚,鶏,牛の数量に比較 して極端に少なくなるので,ここでは豚,鶏,牛だけ を取上げて検討する. 2 . 調 査 結 果 鹿児島県における昭和54年の市町村別家畜飼義戸 数及び飼養頭羽数2)を表1に示す.また,図1は鹿 児島県下の牛飼養頭数分布,図2は豚飼養頭数分布, 服 児 島 県 l : 1 1 . . ‐ 1l8lIT l8lIT ‐ 1 3Z. H 31, 7,000∼10,000未満 ■ ■ ■ ① ■ 一 Z 図 1 牛 飼 養 頭 数 分 布 2.1。 1U 1U

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(7)

85

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3極化している.鶏は大崎町が比較的多く,知覧町, 出水市,末吉町,串良町,穎娃町,鹿児島市,高尾野 町の順番になっている.そして鹿屋市から大崎町,大 隅町,末吉町にいたる大隅南北ベルト地帯,穎娃町か ら知覧町,川辺町,鹿児島市,吉田町にいたる南薩南 北ベルト地帯,川内市から高尾野111丁,出水市にいたる 北薩南北ベルト地帯などと分布が3ベルト地帯化して いるのがわかる. 鶏の卵用種は寿命が約20ケ月であるのに対して, 肉用種(ブロイラー)は生産期間が70∼90日とされ 図3は鶏飼養羽数分布を示している.これらの図によ ると,牛,豚,鶏がともに多数飼養されている地域は, 大隅地方の鹿屋市から串良町,大崎町,輝北町,大隅 町,末吉町にいたる南北ラインの周辺であることがわ かる. 家畜飼養状況を個別にみてみると,牛は鹿屋市がか なり多く,末吉町,大崎町,串良町,大隅町の順序で いずれも大隅地方に偏在している.豚は大口市が圧倒 的に多くて,串良町,鹿屋市,川辺町,穎娃町と続い ており,北薩北部,大隅中部,南薩南部などと分布が XG 1 . ”ぬ

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松村・玉利・井手:ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察(第2報) $■■ ぬ、肌.,●ベ.. $■■ ぬ、肌.,●ベ.. 図 2 豚 飼 養 頭 数 分 布 0 1.1・ O I O 2 0 . O j u 劫 ::。; ::。;

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(8)

86 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 4 号 ( 1 9 8 2 ) て い る の で , 年 平 均 4 回 の 生 産 周 期 が あ る と す る . し たがって,表1の鶏の肉用種飼韮羽数は年間の値であ るから,常時飼養している羽数はその4分の1と仮定 する. 3 . 考 察 3.1家畜排せつ物のメタン発酵 メタン発酵とは,微生物であるメタン菌群により有 機物を分解し,消化メタンガスを発生することである. したがって,メタン発酵槽(消化槽)の中にふん尿を 毎日一定量を投入すると,それ相当量の消化メタンガ スの生産が行なわれる.発生する消化メタンガスの一 般組成3)については表2に表わしている. 家畜の排せつ物すなわちふん尿にはかなりの固形物 を含んでいるから,メタン発酵槽の中で嫌気性発酵す る場合,ふん尿は水により2∼4倍に稀釈する必要が ある.消化メタンガスの生産について,発酵梢の容積 を1日当りの投入物容量で除した値を滞留日数とする 1.1。 図 3 鶏 飼 誰 羽 数 分 布

(9)

87 表 2 . 有 機 廃 棄 物 か ら の 消 化 メ タ ン ガ ス の 一 般 組 成 して用いられているが,公害規制が厳しくなっている 昨今は,ふん尿処理に頭を痛めている有様である.そ こで家畜の排せつ物は直ちに肥料化するのではなくて, いったん消化メタンガスの生産を行なう.そして,生 産工程より排出される消化液の上澄液により藻類を培 養して,バイオマス生産が適応できる.これは家畜の 飼料などになる.一方,沈でんした消化汚泥などの残 さは農場の肥料などとして土地に還元できる.以上の ような一貫した処理システムを取ることが効果的であ る. 家畜ふん尿からの消化メタンガス生産量は,発酵槽 内の固形物濃度,投入物の発酵槽内滞留日数,メタン 発酵液の最適pHの保持,発酵槽内温度などによっ て,大きく変化する.消化メタンガス生産量について, 従来の資料によると〆牛のふん尿1日1kg当り40∼ 160ノ,豚のふん尿1日1kg当り260∼640/,鶏のふん 尿1日1kg当り110∼360ノとなっている.このよう に生産される消化メタンガス量の幅は大きいことがわ かる.ここでは,その平均的な値として,表3の家畜 排せつ量と消化メタンガス生産量の関係4)を使用す る.これはふん排せつ物を水により4倍稀釈したもの で,有機物負荷は25kg/m3/日である.消化メタン ガスの発熱量は,4,750∼7,600kcal/m3と消化ガス組 成によって値に幅があるが,これも平均値の6,000 kcal/m3を使用することにする.参考のために純メタ ンの特性5)については表4に示す. 表3の値を用いて,表1の家畜飼養数から得られる 消化メタンガスによるエネルギー賦存量を市町村別に 計算したものが表5である.これらのエネルギー賦存 量を市町村別分布図で表わしたのが図4である.エネ 発 生 ガ ス 成 分 メ タ ン ( C H 4 ) 二酸化炭素(CO2) 窒 素 ( N 2 ) 水 素 ( H 2 ) 一酸化炭素(CO) 酸 素 ( 0 2 ) 硫 化 水 素 ( H 2 S ) 含有割合(%) 54∼70 24∼45 0.5∼3 0∼10 0.1 0.1 0.005∼0.01 と,滞留日数は10∼30日が普通である.有機物負荷 は2∼4kg/m3/日である.また,メタン発酵に適す るpHは6.5∼7.5であり,発酵温度は中温発酵で33 ∼38.C,高温発酵で50∼55.Cが適している. 特に嫌気性発酵において,バクテリアに供給される 有機物質がある量の炭素と窒素を含む時に,消化が最 も効果的に行なわれる.嫌気性バクテリアは窒素を消 化する約30倍の速さで炭素を消化するといわれてい るので,炭素と窒素の割合(C/N比)は30倍程度が 良いことになる.それに発酵液中の可溶性硫化物は, 硫黄分が約100ppmを有すると消化阻害を起こし, 200pPmになると消化メタンガスの生成が停止する ようになるので,一般にはs0pPm以下にしておく方 が効率的である3). 3.2家畜排せつ物の廃棄物エネルギー 家畜排せつ物から得られる廃棄物エネルギーは,家 畜のふん尿処理において生産される消化メタンガスに よるエネルギーである.通常は家畜のふん尿は肥料と 表 3 . 消 化 メ タ ン ガ ス の 発 生 量 表4.メタン(CH4)の特性について 100 400 300 0.554 消 化 メ タ ン ガ ス 生 産 量 綱峨側一別加加 畜 種 (M投入有機物)kg/日) (4/頭/日) 松村・玉利・井手:ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察(第2報) −161.4

牛豚鶏

−182.7 45.8 発 熱 量 (kcal/m3) 9,500 5.3∼14.0 537 臨 界 温 度 (・C) −82.1

(10)

揖 宿 郡 喜 入 町 山 川 町 頴 娃 町 開 聞 町 88 108.01 8.94 35.48 46.38 17.21 表5.市町村別排せつ物エネルギー賦存量 単位:108kcal/年 254.74 24.13 70.08 127.81 32.72 226.15 1.42 13.88 188.20 22.65 406.2 167.77 29.94 123.65 3.98 10.18 市 町 村 計 2251.4 6093.8 162.3 118.8 485.1 166.1 51.3 97.4 28.8 291.6 426.6 104.3 80.3 80.1 80.0 78.7 市町村 伊 佐 郡 菱 刈 町 姶 良 郡 加治木町 姶 良 町 蒲 生 町 溝 辺 町 横 川 町 栗 野 町 吉 松 町 牧 園 町 霧 島 町 隼 人 町 福 山 町 372141469216

計00刷訂両羽妃踊闘仙虹妬湖的

市 部 郡 部 鹿児島市 川 内 市 鹿 屋 市 枕 崎 市 串木野市 阿 久 根 市 名 瀬 市 出 水 市 大 口 市 指 宿 市 加 世 田 市 国 分 市 西 之 表 市 垂 水 市 49.93 70.43 276.07 17.61 20.10 34.82 37.19 92.11 53.09 31.67 20.89 66.09 22.60 23.74 18.13 148.04 67.67 13.14 40.12 26.94 65.83 318.69 38.85 22.38 18.57 13.18 42.05 50875581835532 62970486732670 ●●●●●●●●●●●●●● 80008218526004

836812811241

1 124.96 9.55 4.99 4.07 10.51 4.38 31.14 20.89 8.63 11.30 16.99 2.50 173.17 11.19 52.49 17.45 7.52 6.11 0.06 4.55 2.12 18.49 20.47 32.52 253.21 16.95 19.71 7.62 30.35 14.59 32.19 15.11 31.14 15.37 35.61 34.56 曽 於 郡 大 隅 町 輝 北 町 財 部 町 末 吉 町 松 山 町 志 布 志 町 有 明 町 大 崎 町 肝 属 郡 串 良 町 東串良町 内之浦町 高 山 町 吾 平 町 大根占町 根 占 町 田 代 町 佐 多 町 1641.6 47853424038163374659139625371328882240 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 4503453290979339132

03434155299182121

331

03434155299182121

4503453290979339132 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 47853424038163374659139625371328882240

331

52121

525211192612

6977156615240545380 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 9537970789315517691

576129467665410320

779.73 114.98 56.90 100.13 159.91 60.84 48.36 103.81 134.82 432.17 130.74 56.50 12.22 61.50 48.22 32.85 29.96 23.39 36.79 鹿児島郡 吉 田 町 桜 島 町 三 島 村 十 島 村 27.99 6.48 4.47 2.01 44.15 78.6 179.7 154.6 161.8 416.4 81.9 118.0 172.9 356.4 9.72 3.02 6.04 9.20 41.18 2.86 0.02 0.08 55.4 7.9 6.1 9.3 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 4 号 ( 1 9 8 2 ) 147.74 23.56 71.18 18.62 34.38 5.57 63.5 233.9 46.5 62.3 588.9 34.5 119.4 362.4 72.6 1048.3 596928889 ●●●●●●●●● 272067458 972576554

41

川 辺 町 笠 沙 町 大 浦 町 坊 津 町 知 覧 町 川 辺 澗 丁 106.57 1.31 4.34 12.09 41.39 47.44 218.65 1.27 6.61 5.21 57.99 147.56 328.66 0.10 3.68 3.43 232.98 88.44 653.9 2.7 14.6 20.7 332.4 283.4 日 置 郡 市 来 町 東市来町 伊集院町 松 元 町 郡 山 町 日 吉 町 吹 上 町 金 峰 町 薩 摩 郡 樋 脇 町 入 来 町 東 郷 町 宮 之 城 町 鶴 田 町 薩 摩 町 祁答院町 里 村 上 甑 村 下 甑 村 鹿 島 村 123.25 4.34 15.11 23.13 12.61 18.66 14.45 19.05 21.42 235.73 22.47 24.44 18.13 61.63 28.38 38.50 35.08 1.97 2.50 2.10 0.53 79.50 0.92 2.63 1.45 6.96 18.00 4.60 30.84 14.10 30.88 2.28 1.10 5.17 9.20 1.40 8.23 0.57 2.37 0.44 0.13 84.22 287.0 熊 毛 郡 中種子町 南種子町 上 屋 久 町 屋 久 町 104.4 30.22 62.63 68.59 36.27 16.16 11.30 4.86 4.94 6.70 8.86 8.82 6.82 10.10 32.57 5.38 10.2 24.4 33.4 28.4 43.5 29.1 82.5 40.9 376.5 51.9 25.8 13.9 12.8 2.97 0.72 0.81 1.07 12.61 8.94 1,75 6.92 大 島 郡 大 和 村 宇 検 村 瀬戸内町 住 用 村 竜 郷 町 笠 利 町 喜 界 町 徳 之 島 町 天 城 町 伊 仙 町 和 泊 町 知 名 町 与 論 町 19.68 247.9 337478819472 529844775391 ●●●●●●●●●●●● 071142397040 1112421 165.56 2492866439500 1863031646508 ●●●●●●●●●●●●● 0120041110220 0332305329371 ●●●●●●●●●●●●● 1164226980778

311233421

509701093342 770240567879 ●●●●●●●●●●●● 030112810000

211

109.89 哩聞瓢拓配別銘狸、蛇一 ●●●●●●●●●● 8818786000

42

3729354 24497524320 ●●●●●●●●●●●92826505016 出 水 郡 野 田 町 高 尾 野 町 東 町 長 島 町 90.67 9.99 39.03 23.91 17.74

(11)

■ H9I ” ■■守 家畜排せつ物のメタン発酵において,発酵槽内の温 度制御のための加温操作や有機物の活発な反応を進め るメタン生成菌の培誰などの技術的問題がある.そし て,メタン発酵システムにおいては,消化メタンがス の生産を効率的に行ない,残液残さの十分な処理を考 えるとともに,それらの有効利用を検討することが必 庇 児 島 鼎

,

● 労Z

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lぅq × ●■ /Z " 松村・玉利。井手:ローカルエネルギーとしての廃棄物利用への一考察(第2報) 4 . 結 言

位:×108kcal/年

戸120未満

I悪詞20∼50未満

IZzZ150∼100未満

鴎:園100 200未満

懸圃200以上 0 b甲 江 田 l J h 。】 雪ざ一 Fひ M'

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ルギー賦存量の多い市町村は,串良町が堆も多く,鹿 屋市,大口市,末吉町,大崎町と続き,大隅地方に股 も多量に集中している. 昭和54年度の鹿児島県におけるエネルギー需要型 は,28.6×1012kcalであったから,家畜の排せつ物 からの消化メタンガスによるエネルギー総雅が0.83 ×1012kcal/年であるので,このエネルギーが占め る割合は約3.0パーセントである.比率としては小さ いようにみえるが,石油に換算すると約8.5×104 kl/年であるから,石油代替エネルギーとしては見逃 図4家畜排せつ物エネルギー賦存錘分布 131回 すことのできない言唾である.

(12)

90 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 4 号 ( 1 9 8 2 ) 要である.これらの課題は,石油代替エネルギーとし てだけではなく,環境公害の処理対策としても考慮さ れ,各方面から検討されている段階であろう. 従来から家畜排せつ物を単に堆肥化による農地還元 をしたり,し尿発酵の際の発生熱だけを応用したり, 鶏ふん焼却による排熱を利用したり,発生する消化メ タンガス以外の利用面もある.しかしながら,システ ムとしての活用がまだ十分になされていないので,今 後はローカルエネルギー・システムとして,地熱,太 陽熱,風力エネルギーなどとのハイブリッド・システ ムを推進することが重要である. ヘ ン ー ン ヘ ジ へ = 、 = 文 献 1)松村博久,他2名;ローカルエネルギーとしての 廃棄物利用への一考察(鹿児島県の昭和54年度 し尿及びごみ処理状況),鹿児島大学工学部研究 報告,第23号(1981)pp、55∼70. 2)鹿児島県統計年鑑,鹿児島県,昭和55年3月, pP、117∼119. 3)本間琢也,他3名;自然エネルギー(生物エネル ギー),共立出版,昭和55年5月,pp、185∼188. 4)メタンガス利用開発の現状一家畜排せつ物の利 用,農林水産技術情報協会,昭和54年. 5)日本化学会編,化学便覧,丸善,(1966). 6)廃棄物資源化・処理と有効利用技術の進歩,日本 機械学会関西支部第91回講習会教材,昭和56 年6月,Pp、108∼109.

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