• 検索結果がありません。

大水深基礎に作用するサクション力の効果

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "大水深基礎に作用するサクション力の効果"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)III‑590. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 大水深基礎に作用するサクション力の効果 (その1:基礎の浮上り時のサクションに関する模型実験) 独立行政法人土木研究所 独立行政法人土木研究所 独立行政法人土木研究所. 正会員 正会員 正会員. 大塚 福井 ○喜多. 雅裕 次郎 直之. キーワード 長大橋,大水深,基礎,サクション,動的応答 〒305-8516 茨城県つくば市大字南原 1 番地 6 独立行政法人土木研究所 TEL0298-79-6795 連絡先 ‑1179‑. 400. 100. 200. 630mm. 1.はじめに 現在検討中である新交通軸の一部を形成する超長大橋の建設を実現するためには,大水深下における基礎 の施工技術の合理化が不可欠であり,これを達成する1つの方法として基礎に作用するサクション力に着目 した。これまで行われてきた長大橋基礎の設計では,大規模地震時に基礎が浮上ることを想定しているが, その際,基礎底面に作用するサクション力は無視している。サクション力とは,瞬間的な基礎の浮上りが生 じた場合に,水の回り込みが遅れ,基礎底面下の水圧に変動が起こることに起因した浮上り抵抗力(水圧変 動量を底面積で積分したもの)である。大水深下の基礎ほど基礎底面下の水圧が高いため,浮上り時の水圧 変動量が大きくなり,作用するサクション力が大きくなることが予想される。この作用は,基礎の動的応答 に大きく影響すると思われ,また,この力を基礎の安定に有効に活用できる可能性がある。そこで,サクシ ョン力が基礎の動的応答に与える影響を検討するために模型実験を行った。 水平荷重 変位計 2.実験概要 (鉛直変位) 幅 500mm,奥行き 400mm,厚さ 100mm のフーチングを有する橋脚模型を水中 地盤上に設置し,脚頭部に水平荷重を載荷して基礎の浮上りによるサクションの 影響を調べた(図-1) 。 500mm フーチングは,鋼製の枠にコンクリートを充填したもので,底面には図-2 に 図-1 実験イメージ 示す 10 箇所に水圧計が埋め込まれている。脚部は,動水圧の影響を小さくするた めに細いパイプをトラス状に組んで剛性を高めた。供試体の気中重量は 960N で W2 W4 W1 W3 W5 W6 W7 ある。地盤には厚さ 23mm,硬度 40 のゴム板を用いた。水は,水道水を使用した。 W8 W9 W10 回転角や沈下量を算出するために脚頭部で2箇所鉛直変位を計測した。 実施した実験ケースのうち,本報に紹介するケースの内容を表-1に示す。 35 4@50 80 100 500 3.水深と水圧変動量の関係 図-2 水圧計設置位置 表-1 の 4 ケースについて,図-3 に計測点 W1~W4(図-2 参照)の水圧の時刻 表-1 試験ケース 歴を示す。同一角速度のグラフを比較すると,水深の異なる 2 本の曲線における ケース 水 深 角速度 10 0.1rad/s 250mm 負圧のピーク値の差は基礎端(浮上り側)からの距離に応じて減少し,着色した 11 0.2rad/s 16 0.1rad/s グラフではほとんど一致している。 500mm 17 0.2rad/s 着色したグラフに着目すると,載荷前の水圧の状態に関係なく負圧(大気圧を ゼロとする)のピーク値が一致している。つまり,水深が大きいほど水圧低下量が大きくなることを意味し ている。地盤が不透水性でありかつ基礎と地盤がある程度密着しているという条件下で,水深がわずかであ っても基礎の浮上り時に底面下には負圧が発生するものとすると,大水深下においても基礎の回転角速度が 同じであれば,基礎底面下のある領域では,底面下の水圧が大気圧を下回ることになる。 ここで,ある領域と述べたのは,基礎の浮上り端から特定の距離までの範囲では,水深に応じた水圧低下 量とならないことを示している(図-3 の無着色のグラフ)。この範囲は,基礎の回転角速度と水深により決 まるものと考えられる。図-4 により基礎の浮上り開始から時間 t が経過した時の基礎端部での流入水の水 深による影響を考える。水深がほとんどない場合の基礎端の圧力水頭を 0 とし、浮上り時の底面下の水圧分 布が図-4 の(a)であるとする。同図(b)の場合には水深 h に相当する圧力水頭を有しており、この水深差∆h(=h) に起因する圧力水頭の差は基礎の浮上り開始から速度 vp で基礎底面に伝播する。この伝播速度 vp は,オリフ ィスからの水の流出速度に相当するものと考えられ、流入水を非圧縮性完全流体と仮定してベルヌイの方程 式から次式のとおり導かれる。.

(2) 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 0.1. 0.2. -10. 時間 (sec). -20 -30. 0. 0.1. -10. 0.2. 0.3. 時間 (sec). -20 -30. ケース10 ケース16. W1(角速度0.1rad/s) 10. 10. 10. 0. 0. 0. -10. 0.3. 時間 (sec). -20 -30. W1(角速度0.2rad/s). 0. 0.1. -10. 0.2 時間 (sec). -20 -30. ケース11 ケース17. 時刻 t h. 基礎. 負圧の分布 (a)水深 小. 0.2. vp・t (b)水深 大. 0.3. 時間 (sec). -20 ケース10 ケース16. W4(角速度0.1rad/s). 10 0 0. 0.1. 0.2. -10. 0.3. 時間 (sec). -20. 0. 0.1. 0.2. -10 -20 -30. ケース11 ケース17. 0.3. 時間 (sec). ケース11 ケース17. W4(角速度0.2rad/s) -40. 基礎端からの距離 図-3 基礎底面の水圧. 時刻 t. 水深≈0. 0.1. -40. -40. 短. 0 -10. -30. ケース10 ケース16. W3(角速度0.1rad/s). W3(角速度0.2rad/s). -40. 0.3. 時間 (sec). -30. ケース11 ケース17. W2(角速度0.2rad/s). -40. 0.3. 水圧 (kPa). -40. 0.2. 0.2. -20. -40. 0.1. 0.1. -10. -40. 0. 0 0. -30. ケース10 ケース16. W2(角速度0.1rad/s). 長. 0.100 浮上り開始からの時間 (sec). 水圧 (kPa). 0.3. 0.100 (角速度0.1rad/s). 浮上り開始からの時間 (sec). 0. 10. 水圧 (kPa). 0. 水圧 (kPa). 10. 0 水圧 (kPa). 10. 0. 水圧 (kPa). 10. 水圧 (kPa). 水圧 (kPa). III‑590. W2. 0.050. W3. W4. 0.000. (角速度0.2rad/s). W2. 0.050. W3. W4. 計算式 (h=250mm) 計算式 (h=500mm) 実験値 (h=250mm) 実験値 (h=500mm). 0.000 0. 50 100 150 基礎端からの距離 (mm). 図-4 水深差の影響. 図-5. v p = 2 g∆h / (1 + K sc ). 200. 0. 50 100 150 基礎端からの距離 (mm). 200. 流入水到達時間. (1). 負圧 (kPa). 式(1)では流水断面の急縮による形状損失を考慮しており,g,Ksc はそれぞれ重力加速度,損失係数である。 この圧力水頭差の伝播速度 vp が負圧のピーク値に影響する範囲は,浮上り端から距離 vp・t までの領域と考え られる。したがって,水深 h の場合の水圧分布は図-4(b)に示すイメージのものとなる。図-5 は,管路の急 縮小の損失係数を参考に Ksc を 0.1 とした場合の浮上り開始からの時刻と vp の影響範囲との関係(計算値) および,各水圧計測点における浮上り開始から水圧ピーク時までの時間を示している。実験値が計算式を上 回っている場合には伝播速度 vp の影響を受けていることを意味しており,図-3 で示した負圧のピークが一 致しない領域(無着色のグラフ)と概ね対応する。 4.基礎底面に作用する負圧 25 図-3 では,いずれの計測点も角速度が大きい方が負圧のピークは大きな 20 値を示している。そこで,負圧のピーク値と底面の浮上り速度との関係を図 15 -6 に示した。ここにプロットしたデータは,表-1 以外のケースも含め,3 10 で述べた圧力水頭差の伝播速度 vp の影響を受けないものを対象としている。 y = 4.5747x0.3587 5 R2 = 0.3798 同図に累乗曲線による近似式を示したが,底面の浮上り速度と負圧のピーク 0 値との間に概ね近似曲線のような相関があるものと思われる。ただし,ピー 0 20 40 60 80 浮上り速度 (mm/s) ク値の絶対値は基礎底面と地盤との密着の程度に依存すると思われ,発生す 図-6 最大負圧と浮上り速度 る負圧の推定を行うにはさらに検討を進める必要がある。 5.まとめ a) 水深があると、基礎の浮上りにより基礎端部付近に発生する負圧を小さくするが、この影響を受けない 領域では,水深によらず同じ負圧が発生し、大きなサクション力が作用することが確認された。また, 水深の違いによる圧力水頭差の影響範囲について,ベルヌイの方程式を用いて実験結果を概ね説明する ことができた。ただし,模型規模が小さいことから流入水の摩擦損失を考慮しなかったが,実際の基礎 ではその影響が大きく現れる可能性がある。 b) 基礎底面に発生する負圧は,底面の浮上り速度と相関性があることが確認された。 なお,引き続き本報(その2)1)においてサクション力が作用する基礎の動的応答に関する検討を行う。 参考文献 1) 大塚雅裕,福井次郎,喜多直之:大水深基礎に作用するサクション力の効果(その 2:地震時にサクショ ン力が作用する基礎の応答特性),土木学会第 57 回年次学術講演会講演概要集,2002.9. ‑1180‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

図-1 には、解析対象とした橋脚-基礎-地盤系の概要図を示 している。橋脚は、張出を有する円形断面の RC 橋脚、基礎形式 は、全長 37m、直径 812.8mm、板厚 12.7mm(杭頭から 8.81m

業務に欠かせないWord、Excel、PowerPointの基礎と応用の操作研修です。

資料 2 社会人基礎力演習Ⅱシラバス(出典:京都光華女子大学) 科目名

 「学士力・人間力基礎」で育成すべき力を支えているのが、アカデミックスキルと呼ばれる

教科書「30 時間でマスター Office 2000」は、かな漢字変換環境について、IME2000 と 106 キーボード の環境に準じて書かれている。対して基礎実習で利用する PC

の期待が高まるなか,「社会人基礎力に関す る研究会」の座長を務めた諏訪は,大学教育

基礎 ・基本は単に知識や技能の次元にとどまるものではない。それは 「 人 間形成の基礎 ・基本 」 といえるものであ り,生 きる力の土台 となるものであ る

① 基礎造形教育法によって制作された作品を 記録・保存・集積する. ②