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ロシア情勢(2015年5月及び6月モスクワ事務所)

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– 1 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 更新日:2015/7/24 JOGMEC モスクワ事務所 木原 栄治/荒井 智裕 公開可

ロシア情勢(2015 年 5 月及び 6 月モスクワ事務所)

1.当地動向: (1)ロシア情勢(対外、ウクライナ) ①停戦完全履行はなお厳しい状況 ・ 5 月、ウクライナ政府軍と親露派武装勢力間の動きは比較的小康状態が続いていた。しかし、6 月 3 日ウクライナ政府軍は、同国東部ドネツクの近郊マリインカで、親露派武装勢力による大規模な攻撃 を受けたと発表。兵士を含む数十人の死傷者があったと発表。一方、親露派武装勢力は、政府軍か らの攻撃に防衛的な措置を取っているものと反発した。 ・ 米国は本件について、すぐさま反応。国務省のハーフ副報道官は定例会見で、ロシアと親露派の合 同軍が停戦ラインのウクライナ側で攻撃を行っていると指摘し、親露派側の停戦合意違反であるとの 見方を示し、当然受け入れられないものと強く批判した。また、直接的な責任はロシアにあるとし、親 露派側が支配地域を拡大すれば制裁強化もありうると示唆した。一方、停戦合意が履行されれば一 部は解除されるとも述べ、ロシアの自制を改めて促した。 ・6 月 9 日、国連人道問題調整室(OCHA)は、東 部で紛争が続くウクライナで、人道支援が必要な 住民が約 500 万人に上ると述べ、国際社会に一 層の支援を呼び掛けた。6 月までに少なくとも推 定6454人が死亡、負傷者は1万6146人に上り、 国内避難民は 130 万人以上に達しているとした。 ・2 月のベラルーシー・ミンスクでの停戦合意完全 履行は、まだまだ道のりは厳しい状況である。 <停戦合意会合記念写真、上写真出典:クレムリン HP:http://news.kremlin.ru/news/47664 >

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– 2 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ②米国のケリー国務長官訪露 ・ 5 月12 日、米国のケリー国務長官がロシア南部のソチ市を訪問し、ラブロフ外相、プーチン大統領と 相次いで会談。会談では、ウクライナ問題について長時間議論され、2 月の停戦合意が平和への最 善かつ主たる道筋であるとし、和平合意をできる限り早期かつ完全に履行する努力を行うことで一致 した。 ・専門家によると、①ケリー国務長官が 訪露し、プーチン大統領と会談をした 事実、②クリミア併合についてはふれ ずに 2 月の停戦合意履行努力で一致 したこと、③米国側が、停戦合意を破 っているのは親露派武装勢力やロシア だけでなく、ウクライナもそうであること を認めたこと等は大きな見解の変更で あり、事態打開に向けた大きな進捗で あったとしている。 <上写真出典:クレムリン HP:http://kremlin.ru/events/president/news/49458 > ③ウクライナ財政支援 ・ ウクライナが抱える対外債務は、5 月 1 日時点で 429 億 USD となり、年内に返済期限を迎えるのは 110 億 USD。これに対し、同国の外貨準備高は 4 月 1 日時点 100 億 USD の危機的水準で、8 月 にもデフォルトの危機がささやかれている。国際通貨基金(IMF)は 3 月に今後4 年間で 400 億USD の支援策(経済改革を条件に IMF が 175 億 USD、米欧等融資 75 億 USD、債務圧縮(元本削減、 返済繰り延べ)150 億 USD)をまとめた。更に IMF は危機回避に向け、7 月に 17 億 USD の緊急融 資を行う考えを6月9日に表明した。ウクライナ国債の動向については、民間債権者団の89億USD 及びロシアの 30億USDの満期が年末となっている。ウクライナがモラトリアム(債務返済の一時猶予) に踏み切れば、市場から事実上のデフォルトと見なされる。

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– 3 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 返済できないと判断した場合でも同国への融資を実行することが可能だと述べた。なお、ウクライナ のヤレシコ財務相は 6 月 10 日、債務支払いのモラトリアムを求める可能性があると明らかにしている。 ウクライナは 230 億 USD に上る債務の再編について海外の国債保有者と交渉しているが、元本減 免が必要かどうかで意見が一致せず、交渉は難航している。 ・ 6 月19 日、ウクライナのヤレシコ財務相は難航する債務交渉をめぐり新たな提案(表面利率と元本の 削減のほか、償還期限の延長などが盛り込まれており、ウクライナ経済の一段の悪化を想定するシ ナリオに基づいているものの、経済が好転すれば債権者が回収できる資金が増える仕組みになっ ている)を提示し、債権団がこれを受け入れなければ債務返済を停止するとした。協議は継続とし、7 月第 1 週に、米国ワシントン D.C.にて実施予定。 ④経済制裁 ・ 専門家は、当初欧米による対露制裁緩和の観測も出してが出されていたが、6 月に起こった再度の ウクライナ東部における戦闘もあり、当面、制裁緩和は困難な状況となっている。 ・ 6 月 17 日、欧州連合(EU)は大使級会合で、ウクライナ停戦合意の履行を求めるため、ロシアに課し ている経済制裁を来年 1 月末までの 6 カ月間延長することで合意し、6 月 22 日 EU 外相理事会で 正式に決定した。 ・ 6月10日、バイデン米副大統領は訪米中のウクライナのヤツェニュク首相と会談し、同国への介入を ロシアが続ければ米国は先進 7 カ国(G7)の各国と協調して重大な追加制裁を課す準備があると述 べた。その一方で、バイデン氏はウクライナの経済支援のため、同国政府が腐敗防止などの政治改 革に引き続き取り組む必要があると指摘した。 ・プーチン大統領は 6 月24 日、政府との会議を開催し、 ウクライナ情勢をめぐる欧米などの制裁に対抗し、米国 やEUなどからの生鮮食料品の輸入を禁ずる措置を、同 日から 1 年間延長することを決定し、大統領令に署名し た。 <上写真出典:クレムリン HP:http://kremlin.ru/events/president/news/49757/photos >

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– 4 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ⑤安倍首相の訪宇及び G7 サミット ・6 月5 日~6 日の日程で安倍首相は、ドイツ・エルマウで開催 される G7 サミットに先駆けてウクライナを訪問し、ポロシェンコ 大統領と会談。会談では安倍首相は全ての当事者間による停 戦合意履行を求め、ウクライナが改革の歩みを進める限り、幅 広い分野での支援継続を行うとした。 <上写真出典:日本外務省 HP:http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/ua/page4_001242.html > ・ 6 月7 日~8 日、安倍首相はドイツ・エルマウで開催された G7 サミットに出席。貿易・外交・気候変動 等について議論が交わされた。特に安倍首相は、国際社会秩序を支え、グローバルな視点から対 応できるのは G7 であり、この責務は大きく、連携が益々重要である旨を言及。また、ウクライナ問題 では、前日のウクライナ・ポロシェンコ大統領との会談結果を説明しつつ、毅然とした対応をしつつも 地域問題を巡りロシアとの対話を継続することが重要であるとした。G7 次期議長国は日本である。こ のサミットの間、安倍首相は議長国であるドイツのメルケル首相等と会談。安倍首相は北方領土問題 の解決に向けプーチン大統領との対話に理解を求め、メルケル首相は安倍首相自身がコンタクトを 取り、領土問題の解決に努力することに賛同として会談実現に協力する意向を示した。 <上 2 写真出典:日本外務省 HP:左写真:http://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page24_000447.html、右写 真:http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/de/page2_000086.html >

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– 5 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 (2)ロシア情勢(対外、ウクライナ情勢以外) ①対独戦勝 70 年記念式典 ・ 5 月 9 日、第二次世界大戦での対独戦勝 70 周年を祝うロシアの記念式典が赤の広場で開かれた。 昨年からのウクライナ危機で欧米と対立する状況を受け、米国のオバマ米大統領や日本の安倍首相、 欧州主要国首脳らは軒並み欠席した。外国首脳の出席は、中国の習近平国家主席や旧ソ連諸国首 脳ら友好関係にある 20 カ国にとどまった。国連からは、潘基文事務総長が出席した。 ・ この式典に際して、モスクワの銀座通りであるトヴェルスカヤ通り周辺を封鎖して、平日の深夜に 2 回、 直前の日中 2 回と念入りな練習が行われたが、渋滞がひどいモスクワがさらにひどくなり、事故等も 多発したとのこと。当日は、何事にも大雑把な普段の当地人からは想像できない緻密な編隊飛行や 新規武器の行進等一層の愛国心の鼓舞がなされたものと思料。 ・ 注目を集めていた、北朝鮮の金正恩第 1 書記は出席を見送った。背景に関してさまざまな観測が出 る中、関係者の間では儀典・警護問題で合意できなかったという見方が有力になっている。ロシアと 北朝鮮の間では昨今、閣僚級の往来が活発化していた。4 月だけでも、北朝鮮の副首相、国防相、 原油工業相が相次いで訪露していた。 <上記写真出典すべて:クレムリン HP:http://kremlin.ru/events/president/news >

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– 6 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ②記念式典出席者との会談 ・ プーチン大統領は、記念式典に出席したキューバのカストロ議長を皮切りに各国代表と相次いで会 談し、親交を深めた。 ・ なお、欧米諸国首脳と足並みをそろえて記念式典出席を見送ったドイツのメルケル首相は、翌 5 月 10 日に訪露し、クレムリンの無名戦士の墓に詣でた。その後、プーチン大統領との個別会談を約 3 カ月ぶりに行った。両者は親欧米のウクライナ政府と親露派武装勢力の対立が続くウクライナ東部情 勢について、2 月に発効した停戦合意をもとに和平の実現を目指すことで一致した。 <上写真出典:クレムリン 70 周年記念 HP:http://may9.ru/media >

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– 7 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ③露中首脳会談 ・ 5 月 8 日、プーチン大統領は、訪露中の中国の習近平国家主席と個別に会談。会談では、欧州と中 国を陸路で結ぶ経済圏(シルクロード経済ベルト)構想を推進するため、露中が中央アジアのインフ ラ整備で協調することや、米国によるミサイル防衛システムの配備拡大に反対することで一致。特に、 エネルギー関連では、Gazprom と中国石油天然気総公司(CNPC)の「シベリアの力」ガス P/L 西ル ートの建設を進めることで一致した。両首脳間で共同声明として、①包括的パートナーシップと戦略 的対話の深化、②ユーラシア経済連合とシルクロード経済ベルトの結合構造における協力の 2 件の 合意文書に署名した。会談後、両首脳出席の下で、合計 32 項目、約 250 億ドルもの経済協定を締 結。欧米から経済制裁を受けているロシアを中国がインフラやエネルギー、金融などあらゆる面でサ ポートする内容。 ・ こうした緊密な露中首脳の動きについて、専門家は両国の同盟が失効してからすでに 35 年がたち、 ロシアと中国の関係は決して蜜月ではなく、国民感情レベルでも特別な仲間意識はない。むしろ中 国国内には国際社会から問題視されているロシアと中国が組むのはリスキーではないかという世論 さえあるほどで露中が掲げる戦略的パートナーシップとは、あくまでも互いの利益が合致する分野で 手を組むという、冷徹で実利的な関係であると指摘している。 なお、中国専門家の話では、習国家 主席は、尊敬する人物としてプーチン大統領を挙げており、愛読書もプーチン大統領関係書籍との ことで、個人的な関係は良好の模様。 <写真出典:クレムリン HP:http://kremlin.ru/events/president/news/49430 >

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– 8 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ④欧米首脳との頻繁な電話会談 ・ プーチン大統領は、米国のオバマ大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領等の欧 米首脳とウクライナ問題を中心にクレムリン HP で確認できるだけでも複数回の電話会談を行ってい る。 ・ 6 月 26 日のオバマ大統領との電話会談では、①ウクライナ問題打開に関する実務協議者の指名、 ②イスラム国に関する協議を行っている。 (3)ロシア情勢(国内) ①プーチン氏の長期政権 ・ プーチン氏が最初に大統領の座に就いた 2000 年 5 月から 15 年が経過した。ソチ五輪やクリミア併 合などの出来事に加え、モスクワ劇場占拠事件等の悲劇も起きた。一方で、プーチン政権による政 策により、ロシア市民の日常生活も徐々に変化してきている。2000 年 8 月、プーチン大統領は個人 所得税を均一 13%とする連邦法に署名し、翌年第 1 四半期には徴税額は約 7 割増加。その後 8 年 間でこの所得税収は 12 倍に拡大。また、住宅ローン制度が整備され、ローン利用者の増大で住宅 建設数も増加。導入面積は 2005 年の 4360 万㎡から 2014 年には 8180 万㎡に達した。危機的水 準にあった平均寿命(1999 年の 67 歳から 2002 年には 64 歳にまで低下)も国家プログラムの導入 で 2015 年 4 月には 71 歳まで上昇した。育児補助金制度により 2 人目、3 人目を出産する母親が増 加し、年金や給与も増加している。 ・ このように生活向上をロシア市民にもたらしたプーチン大統領は、政府の会議で、2012 年 5 月の就 任時に発表した 2018 年までの社会・経済の発展に関する一連の大統領令について、2012 年とは 大きく状況が変わっており、明快に説明できるならば設定目標を修正することが可能だとしつつも、 約束したことは全て遂行せねばならないと強調し、現状に甘んじることなく着実に実施してゆきたいと 決意を述べた。 ・ なお、国民の大統領支持率は 75%とまったく陰りがない。 ②ロシア中銀政策 ・ ロシア中銀は、5 月 13 日から 1 日当たり 1~2 億 USD 相当の外貨購入を行うと発表した。3 カ月ぶ

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– 9 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 りとなる外貨買い・RUB 売り介入の再開で、目的は以下の 3 つとしている。①1 月末以来上昇を続け、 油価の上昇等でさらに勢いづいた RUB 高の抑制、②外貨準備の補充(昨年の年初以来 1520 億 USD 相当減少)、③市場への流動性の供給。市中銀行にとって資金調達コストは高いままだが、ロ シア中銀は今回の介入により金利なしで RUB を供給したことになる。これは経済に好影響を及ぼす と銀行関係者は見ている。 ・ 6 月 16 日、ロシア中銀は主要政策金利を 1 ポイント引き下げ 11.5%にした。利下げは今年に入り 4 回目で今後も継続するが、インフレリスクがあるため急激な利下げは行わない意向。経済成長予測 に関しては、対露制裁が続くことを前提に油価の予想価格に基づき作成。  シナリオ① 来年 1BBL あたり 70USD まで上昇すれば成長率は 0.7%、再来年 75USD まで上がれば 2.4%、2018 年に 80USD まで行けば 1.7%という予測  シナリオ② 2016~18 年は 60USD の水準で推移し、来年は-1.2%、再来年は 0%、2018 年は 1.7%と いう予測 ・ ナビウリナ中銀総裁は、この予測を超える経済成長を実現するには構造改革が必要だとして、金融 政策だけでは限界があると指摘した。また、油価の下落と国際エネルギー市場再編という外的リスク に備え、外貨準備高の 5000 億 USD までの引き上げを先日決定したことにも言及した。 ③ロシア格付け ・ 5 月 16 日、米国 Moody`s 社は、今年及び来年のロシアの GDP 成長率をそれぞれ-5.5%、-3%と予 想していたが、今年-3%、来年 0%に上方修正した。同社によると、今年始めにロシアの金融市場は 安定化、経済停滞も以前の予想よりは顕著でも持続的でもなくなり、ロシア中銀の主要政策金利の引 き下げや世界的な原油価格の上昇が寄与しているとしているのこと。また、ロシアのインフレ率も今 年の 12%から来年は 8.5%と収束していく見込みとした。各種専門家は、今後、ロシア中銀が RUB の為替相場回復と経済成長のため、さらに主要政策金利を下げると予想している。 ・ 経済発展省が公表した最新の経済予測も同様に楽観的で、来年の GDP 成長率は 2.3%、2017~ 18 年は 2.3~2.4%で、インフレ率は今年が 11.9%、来年は 6.5~7.5%、2018 年には 5%まで下がり 為替相場は 1USD あたり 53RUB に落ち着くとされている。

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– 10 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ④サンクトペテルブルク国際経済フォーラム ・6 月 18 日~20 日の日程で、大統 領令で開催が決定されているサンク トペテルブルク国際経済フォーラム が開催された。昨年の同フォーラム 開催はウクライナ問題勃発から数カ 月後であったことから、各国に対し米 国政府がフォーラムへの参加を思い とどまるよう強く求めたため、参加者の人数やランクに通常よりも見劣りするものがあったが、今年は 2 月の停戦合意以降の緊張緩和を受けて、ハイレベルな参加者が目立った。 ・ 講演及び討論に出席者したプーチン大統領は特に新たな施策を打ち出すようなことはせず、既に 進行中の経済政策の路線やマクロ経済に関する説明を行い、ロシアは、世界の実業界代表者との経 済や科学的人道的協力との接点のために開いていることを強調。新たな策を打ち出すのではなく、 実業界に安心感を与えることを重視した。なお、参加者の話として、プーチン大統領は一時期の差し 迫った表情から一変し、余裕が感じられたとのこと。 ・ なお、今回初めて日露の独立したセッションが行われた。 <本項写真出典:クレムリン HP:http://kremlin.ru/events/president/news/49733 >

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– 11 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 (4)ロシア情勢(石油ガス産業) ①原油・石油製品輸出税 ・ 2015 年 6 月、原油輸出税は 19.8USD/BBL に引き上げ、東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田 等に対しては、引き続きゼロ課税となった。 ・ 6 月の石油製品輸出税は 69.3USD/t、ガソリンについては 122.7USD/t に設定された。 <参考:原油及び石油製品輸出税の推移> 輸出税 2012 年 平均 2013 年 平均 2014 年 平均 2015 年 6 月 2015 年 上半期 原油(USD/t) 404.3 392.2 366.1 144.4 130.1 原油(USD/BBL) 55.4 53.7 50.2 19.8 17.8 減税特典原油(USD/t) 199.2 190.1 174.9 0 2 月以降 非課税 減税特典原油(USD/BBL) 27.3 26.0 24.0 0 石油製品(USD/t) 266.8 258.8 242.0 69.3 62.4 内、ガソリン(USD/t) 363.8 353.0 330.0 122.7 91.7 ②原油生産・輸出統計(エネルギー省 HP 掲載データ) ・ 5 月、ロシアの原油、ガス・コンデンセート生産量は 4529 万 t(約 3.3 億 BBL)で前年同時期比 1.7% 増。 ・ 5 月、ロシアの原油輸出量は 2005 万 t(約 1.5 億 BBL)で前年同時期比、5%増。 ③天然ガス生産統計(エネルギー省発表データ Interfax6 月 2 日付報道) ・ 5月、ロシアの天然ガス生産量は482.8億㎥(約1.7TCF)。 ※輸出統計の正式な発表がないため、次号に記載したい。 ④ロシア・石油ガス産業見通し ・ 5 月 29 日、ノヴァック・エネルギー大臣は、2015 年のロシアの石油生産は 2014 年と同様の 5 億 2650 万 t(約 38.4 億 BBL)とする方針と述べた。他の生産国も生産量を増やすべきでないし、市場 は既に自律修正しているとした。

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– 12 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ・ 経済発展省が発表した最新のロシアの石油生産・輸出に関する見通しは以下のとおり。  石油生産量 2015 年:5 億 2650 万 t(約 38.4 億 BBL)、2016 年:5 億 2600 万 t(約 38.4 億 BBL)、2017 年:5 億 2400 万 t(約 38.3 億 BBL)、2018 年までに 5 億 2100 万 t(約 38 億 BBL)まで落ち 込む見込み。 ※エネルギー省のコメントとして、西シベリアでの石油生産量低下分は、東シベリアおよび Timan-Pechora 石油地域(ネネツ自治管区)での石油生産量増加を以ってしても補うことが できない。制裁を背景とした資機材・技術の輸入が制約されており、海洋事業及びその他の 複雑な事業を実施する専門技術者が不足、ロシアの石油生産にマイナスの影響を与えてい る。  石油輸出量 2015 年:2 億 3000 万 t(約 16.8 億 BBL)となる見通し。  石油製品輸出量 2015 年:1 億 6800 万 t(約 12.3 億 BBL)、2018 年までに 1 億 5300 万 t(約 11.2 億 BBL) に減少の可能性。 ・ 5 月のロシアの石油生産量は日産 1070 万 BBL(4529 万 t)でサウジアラビアを抜いて世界 1 位とな った。1~5 月の生産量は前年同期比 1.2%増の日量 1069.7 万 BBL(2 億 2036 万 t)となっている。 ・ 経済発展省の最新ガス関連見通しは以下。  ガス生産量 2015 年:6300 億㎥(約 22.2TCF)、2016 年:6330 億㎥(約 22.3TCF)、2017 年:6380 億 ㎥(約 22.5TCF)、2018 年:6520 億㎥(約 23TCF)。  ガス輸出量 ①基本シナリオによると、2015 年:1748 億㎥(約 6.1TCF)、2016 年:1775 億㎥(約 6.2TCF)、2017 年:1787 億㎥(約 6.3TCF)、2018 年:1814 億㎥(約 6.4TCF)。 ②最も楽観的なシナリオによると、2015 年:1772 億㎥(約6.3 億TCF)、2016 年:1802 億㎥ (約 6.4TCF)、2017 年:1801 億㎥(約 6.4TCF)、2018 年:1841 億㎥(約 6.5TCF)。 ※エネルギー省コメントとして、CIS諸国以外(欧州)へのP/Lによるガス輸出量は、中央アジ アやアゼルバイジャン産ガスの輸出を一部代替するかたちで供給するため、増える見込み。

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– 13 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2015 年のロシアからウクライナ向けのガス供給は、2014 年と同水準となる見込み。欧州がガ ス以外の石炭や再生可能エネルギーなどの代替燃料により、ロシア産ガスへの依存を低め ようとしており、ロシアからのガス P/L によるガス輸出が減るリスク要因となっている。 ⑤ウクライナへのガス供給 ・ ウクライナの Naftogaz と Gazprom は、4 月 2 日に 4 月~6 月の 3 か月間のガス供給について暫定 合意し、価格は 1000 ㎥あたり 247.18USD(100USD 割引)としていた。 ・6 月 24 日、プーチン大統領 は政府との会議で、原油価格 が大きな落ち込みを見せる中 で、ロシアは、ウクライナに対 しこれまで通りの割引価格で ガスを提供する事は出来ない とし、価格は、ポーランドなど の国々と同じレベルになるは ずだと指摘した。また、同大統 領は、政府はウクライナ向け の値引き量を計算して適切な 決定を採らねばならず、ウクライナから値下げの要請が入った場合は、交渉を行い、適切な決定を 採るよう政府関係者に指示した。 <上写真出典:クレムリン HP:http://kremlin.ru/events/president/news/49757 > ・ この指示を受けて、6 月 29 日にメドヴェージェフ首相は、ノヴァック・エネルギー大臣及び Gazprom ミレル社長と会議を実施。同首相は、ウクライナの Naftogaz は Gazprom に対し、第 3 四半期もガス の割引を延長するよう求めてきたが、ウクライナとの現在の関係におけるあらゆる困難にも関わらず、 我々はウクライナ経済の困難さの全てを評価し、合理的な範囲内で、ウクライナのパートナーの利益 に適うように行動しなければならないと述べた。しかし、ロシアはウクライナにこれまでと同規模 (1000㎥あたり100USD)の割引を行うことは出来ないとして、1000㎥あたり40USDの割引を行い、 最終価格が第 2 四半期の水準にとどまるようにするとした。

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– 14 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ・6 月 30 日、ノヴァック・エネルギー大臣は、オー ストリアにて開催された露・EU・宇のエネルギー 三者協議にて、第 3 四半期のロシアからウクライ ナ向けガス価格を 1000 ㎥あたり 40USD 割引の 約247USDの価格を提案し、ウクライナ側は30% 以上の割引を主張。協議は平行線をたどり、合意 に至らなかった。7 月 1 日、Gazprom はウクライ ナ向けガス供給を停止した。 <上写真出典:ロシア政府 HP:http://government.ru/news/18665/ > (5)極東・サハリン ①東シベリア関連 ・ 5 月 21 日、エネルギー省・モロドッオヴ次官は、Rosneft は、2015 年初に同社に割り当てられた送 油量以外に、2015年の第1四半期から第3四半期中に、ESPO P/L経由で追加で220万t(約1600 万 BBL)の送油許可を得たとした。Transneft の 2015 年の送油量は、スケジュールよりも早い段階で、 予定の年間 3000 万 t(約 2.2BBL)に達する見込み。 ②サハリン関連  PSA 関連 ・ 6 月 10 日、ロシアの連邦資源利用分野監督局は、サハリン 1 事業およびサハリン 2 事業の 2 件 の PSA 事業に対して、政府からの命令に従い、抜き打ち検査を実施した。天然資源省はこの検 査についてライセンス要件と環境保全要件を満たしているかどうか調べることを目的としている。 同日、ドヴォルコヴィッチ副首相が主催する会議で、暫定的な検査結果についての内容で具体 的な決定はなされていない。専門家は、今回の検査について 3 月に ExxonMobil がロシア政府 を相手取りスットクホルム仲裁裁判所に訴訟を起こしたからとの見解を示している。また、サハリン 2 事業まで及んだ件については、サハリン 1 事業のガス開発の遅れの原因となっているからとし ている。  サハリン 1 事業関連

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– 15 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ・5 月 25 日、Rosneft のチャイボ鉱床の北縁部 における原油生産量が累計で 100 万 t(約 730 万 BBL)に達した。同鉱床で 2014 年 9 月に最 初の陸上からの坑井を完成して僅か 8 カ月で の達成である。現在、掘削総延長 10825m と 9923m の 2 坑の大偏距坑井で原油を生産して いる。当該 2 坑井での合計生産量は、日量 5000t(約3.7万BBL)に達している。チャイボ鉱 床北端で生産した原油は、ハバロフスク地方の デカストリ・ターミナルから石油タンカーで輸送 されており、既に 10 隻がアジア太平洋地域に 向けて出荷された。随伴ガスは、極東地域で販 売されている。サハリン 1 事業の短期目標とし ては、陸上の掘削現場で 5 坑井用の集油設備 を建設し、2017 年までにプラトー生産量である 年間 200 万 t(約 1460 万 BBL)を達成すること を次の目標としている。 <図出典:JOGMEC >  サハリン 2 事業関連 ・ 5 月 19 日、Gazprom は、2015 年のサハリン 2 事業でのガス生産量を前年と同じ 160~170 億 ㎥(約 0.6TCF)で維持する方針とした。 ・ サハリン 2 事業のオペレーターSakhalin Energy 社は以下を述べた。 ①北アジア諸国は、ロシア産LNGについては、中東およびオーストラリア産LNGへの過度の依 存を回避し、LNG 供給源を多様化するための手段のひとつと見做している。 ②日本企業は制裁を背景に、ロシア産 LNG の輸入を増やす計画を先延ばしする可能性がある。 このことが、ロシアの新規 LNG 事業において、完工リスクが高まっているかのような印象を与え ている。

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– 16 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ③中国は LNG よりも P/L によるガス供給の方を好む傾向がある。ロシア産 LNG がアジア市場で 占めるシェアは相対的に小さく、日本と韓国では約 10%で、中国ではさらに小さい。 ④北東アジア諸国は、自分たちが地理的にロシア産 LNG の市場に最も近く、販売先として格好 の市場であるということを認識している。そのため、日本の企業がロシア産 LNG の長期の購入を 増やすことに関心を持つ可能性が高い。 ⑤最も重要なのは、顧客側に LNG の購入の用意が出来たときに、ロシア側に販売する用意が 出来ていることである。 ・ 6 月 16 日、Gazprom のメドヴェージェフ副社長は、サハリン 2 事業の第 3 トレインに関わる最終 投資決定は 2016 年に先延ばしにしたと述べた。 ・ 6 月 18 日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、Gazprom と Shell はサハリン 2 事業の LNG 第 3 トレイン建設について覚書に署名。Gazprom がサハリン 3 から必要なガスを供給する ことも含まれている。 ③「シベリアの力」ガス P/L ・ 5 月 8 日、プーチン大統領及び対独戦勝 70 年記念式典出席のために訪露している中国の習近平 国家主席隣席の下で、Gazprom のミレル社長、および CNPC の王副総経理は、「シベリアの力」ガ ス P/L 西ルートによるガス供給に関わる基本合意書を締結した。当該合意書内容は将来、両社で結 ばれる予定の契約の一部あって主要かつ非常に重要な 12 を超える法的拘束力のある条項が含ま れている。具体的な合意事項は以下のとおり。  ガス供給量は年間 300 億㎥(約 1TCF)、期間 30 年。当該期間中にガス供給量を増やす方 針。  契約上の年間および日量での最低ガス供給量。供給されるガスの性状。  露中国境におけるガス P/L の横断地点に関する重要な要件。ロシア側の横断地点は Kanas 峠(Ukok 高原に隣接)となり、露中国境のガス P/L の越境地点については、両国で具体的な 座標を規定している。

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– 17 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 <写真出典:Gazprom HP:http://www.gazprom.com/press/news/2015/may/ > ・ 5 月27 日、CNPC は「シベリアの力」ガス P/L の中国区間に関して、準備が終了して請負企業との契 約が完了次第着工する方針を述べた。ルートは、黒竜江省、吉林省、内モンゴル、遼寧省、河北省、 北は、天津、山東省、南は江蘇省、上海となる。 ・6 月 29 日、「シベリアの力」ガス P/L 東ルートの露中 国境部分(中国・黒河)起工式が、モスクワと現地をテ レビ中継で結んで開催された。式典には、メドヴェー ジェフ首相が参加し、ロシアと中国の協力関係は戦略 的なものだ、エネルギー分野にとどまらず、幅広い分 野での連携を期待していると発言し、両国の緊密ぶり をアピールした。 <写真出典:ロシア政府 HP:http://www.gazprom.com/press/news/2015/may/ > (6)新規 LNG/P/L ①ヤマル LNG ・ 4 月末に、ヤマル LNG 事業の状況について、Total のチェヴァルディレ最高財務責任者は、事業の

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– 18 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 株主は 2015 年末までにプロジェクトファイナンスを受けることを見込んでおり、中国の銀行が 135 億 USD 相当の融資を大筋合意し、欧州とアジアの輸出信用機関等とも話し合いが進み、書面で関心 があることを確認しているとした。なお、ヤマル LNG事業は、国民福祉基金から2回目の資金提供を 受け取るための交渉を継続。本ヤマル LNG 事業費(約 270 億 USD)のうち、株主は 2015 年4 月現 在で、国民福祉基金からの支援である 750 億 RUB(約 15 億 USD)を含む 100 億 USD 投資を実施 中である。

・ 5 月 22 日、ヤマル LNG 事業筆頭株主である NOVATEK は、対外経済銀行(VEB)より 30 億 USD の融資保証を獲得した。これにより、ヤマル LNG 事業プロジェクトのための融資獲得交渉の妥結が 可能となる。既に手当て済の国民福祉基金からの 1500 億RUB(約30 億USD)を考慮に入れると、 ロシア政府は当該プロジェクトの実現に必要な借入金に関連するリスクの約半分を引き受けることに なる。 ②Turkish Stream ・ 5 月 7 日、Gazprom ミレル社長とトルコのイルディズ・エネルギー大臣は会談し、2016 年 12 月に Turkish Stream の操業開始に合意した。最終合意には時間がかかっており、6 月13 日、アゼルバイ ジャン共和国バクーで開催のヨーロッパ競技大会のために同国を訪問中のプーチン大統領とトルコ のエルドアン大統領との会談が行われたが、Turkish Streamの最終合意とならなかった模様。また、 Gazprom ミレル社長とトルコのイルディズ・エネルギー大臣との会談が、6 月 17 日に開催予定だっ たが中止となった。未だにロシアとトルコ間 は最終合意に至っていない。 ・一方、6 月19 日、プーチン大統領とギリシ ャ の チ プ ラ ス 首 相 は 会 談 し 、 Turkish Stream 計画を推進する立場で一致した。 また、ギリシャも Turkish Stream に参画す ることで基本合意し、政府間の覚書に署名 した。 <図出典:Gazprom HP:http://www.gazprom.com/about/production/projects/pipelines/turk-stream/ >

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– 19 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 (7)ロシア石油ガス会社

Gazprom

・ 5 月 20 日、Gazprom は記者会見で以下を述べた。  【埋蔵量】2014 年末時点で Gazprom の探鉱済み天然ガス埋蔵量(ロシア基準準拠。 A+B+C1)は 36.07 兆㎥(約 1273TCF)。これは、ロシアの天然ガス埋蔵量の 72%、世界の 天然ガス埋蔵量の 17%に相当。  【生産量】2014 年のガス生産量は 4439 億㎥(約 15.7TCF)。2015 年は 4500 億㎥(約 15.9TCF)となる見込み。  【ガス P/L】2014 年は、Bovanenkovo-Ukhta ガス幹線システムの第 2 ラインとして総延長 696.48km が建設された。Southern Corridor ガス P/L 事業のフェーズ 1(西ルート、 Pisarevka -Anapa 区間)では総延長 472km を建設し、ガス輸送が可能となっている。「シ ベリアの力」ガス P/L では、チャヤンダ鉱床から Lensk に至る区間のうち約 15km の敷設が 終わっている。 ・ 6 月 9 日、欧州連合(EU)の競争政策当局である欧州委員会は、競争法違反の疑いがあるとして Gazprom に送付した異議告知書への回答期限を 6 週間延長し、回答期限は 9 月半ばまでとなった。 Gazprom はこの間、告知書の内容を検討した上で一部について反証したり、和解案を提示したりで きる。 ・ 6 月 9 日、Gazprom のメドヴェージェフ副社長は、ウクライナ経由の西欧へのガス輸送を 2019 年に 打ち切る方針を改めて表明した上で、それ以降の調達ルートを早急に決定するよう欧州側に要請し た。また、2019 年以降、顧客は新たに合意した受け渡し地点でガスを受け取ることになる、と述べ た。

Rosneft

・ 5 月 28 日、Rosneft セーチン社長はベネズエラを訪問し、マドゥーロ大統領及び PDVSA デルビノ

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– 20 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 総裁と会談。Rosneft が石油ガス分野に 140 億 USD の投資を行うことで合意した模様。 <写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/news_in_press/28052015.html > ・ Rosneft は、6 月 18 日~20 日の日程で行われたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムの枠組 みで、BP との東シベリアにおける探鉱開発協定(タース・ユリャフ油田の権益の 20%を 7 億5 千万ド USD で取得)等を筆頭に 58 におよぶ協定を締結。同社は、対露経済制裁の中であるが、新たな歩 みを進める起点となったとした。 <写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/pressrelease/19062015.html > (8)日露関係 ①日本・ロシアフォーラム ・ 5月21日、東京にて第3 回日本・ロシアフォーラムが開催された。日本側は森元首相、ロシア側はナ ルィシキン下院議長が参加し、日露間のビジネス・投資・スポーツ等の分野で議論がなされた。会議 冒頭、安倍首相の挨拶が紹介され、日本・ロシアフォーラムの重要性を高く評価し、これから行われ る両国の関係者の率直な議論には、深い意義がある。日本・ロシアフォーラムが両国の相互関係を 深める新たな一歩となることを、心から願うとした。また、岸田外務大臣の挨拶も紹介され、プーチン 大統領の日本訪問を調整すべく、準備を進め、ロシアを訪問することを計画している、近い将来、こ

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– 21 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 のために必要な、すべての条件が整うことを願うとした。 ②日露首脳会談に向けた動き ・ 6 月 24 日、安倍首相とプーチン大統領は電話会談を実施。会談では、相互に都合の良い時期にプ ーチン大統領が日本を訪問すること、継続的に接触を続けることに合意した。 ・ 6月30日、ロシア大統領府のペスコフ報道官は会見で、安倍首相とプーチン大統領の会談が、双方 に意欲があれば、G20 トルコ・サミットで実現する可能性があるとした。また、双方に意欲があれば、 合意は得られるだろうし、そのとき合意を阻むものは何もないとした。 ③日露ラウンドテーブル <写真出典:筆者撮影 > ・ 6月18日~20日の日程で開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムの初日に、今回はじ めとなる日露ラウンドテーブルが実施された。日本側から石黒経済産業審議官、佐々木国土交通審 議官、 目黒三井物産ロ シ ア 社長等が 参加。ロ シ ア 側か ら は 、 Galushka 極東発展大臣、 Voskresensky 経済発展省次官、Repik 実業ロシア会長等が参加。日ロの経済関係、とくに極東シベ リアへの日本企業の投資を話し合うセッションとなった。参加者によれば、双方の話がかみ合ってき ており、ロシアは国を豊かにするチャンスが到来しているのを感じ、日本及び日本企業がロシアが豊 かになることを助けることができることが認識され、有意義なものであったとのこと。

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– 22 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2.その他: プリマコフ氏死去 ・6 月 26 日エフゲニー・プリマコフ氏は 85 歳で死去した。ロシア有数の中東・ア ラブ問題専門家で、80 年代末にソ連最 高会議連邦会議議長、91~96 年にロシ ア対外情報庁の初代長官。その後、外相、 首相を歴任し、ソビエト崩壊後の欧米寄り の外交姿勢をロシアの国益を重視し米国 をけん制する姿勢へと転換させたとされ ている。ロシアでは清廉潔白な人物とし て尊敬されており、首相を退いた後は、 ロシア商工会議所会頭の職にあった。 ・プリマコフ氏死去の報を受けたプーチ ン大統領はすぐさま葬儀を国葬とするこ とを決定し、ノヴォデヴィチ修道院にて葬 儀が執り行われた。ロシア商工会議所が あるワールドトレードセンター(JOGMEC 事務所も入居)にはプリマコフ氏を偲ぶ 献花台が設けられた。 <上記写真出典:筆者撮影 >

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– 23 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 <参考> ・ 6 月 18 日~20 日の日程で開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムでは、Energy Club Summit 「A NEW BALANCE IN THE OIL MARKET AND ITS IMPLICATIONS」と題して、現下の エネルギー情勢について議論が交わされた。参考として Rosneftセーチン社長のプレゼン概要を記 す。 <写真出典:Rosneft HP:http://www.rosneft.com/news/today/190620152.html >  Rosneft セーチン社長プレゼン概要 ・ 昨年後半に油価下落が始まったが、誰もそれを予想できなかった。世界経済に大きな影響 を与えたがそのリスクは事前に考慮されていなかった。米国でタイトオイルの生産が増加 していたが、多くの者が状況をコントロールできると考えていた。昨年9 月に油価が下が り始めた頃ですら、過剰生産の原因については、季節要因、一時的なものと言われ、速や かに需給が一致すると言われていた。現実には、2014 年の生産量は 220 万バレル/日増加し たが、需要は90 万バレル/日しか増加しなかった。 ・ この状況にOPEC が対応せず油価が$45 まで下落し、$20 を下回るとも言われた。現在も 需給は一致しておらず、5 月の段階で、300 万バレル/日の需給の乖離がある。このような中、 湾岸諸国には増産の動きもある。 ・ 現在、石油は需給が一致せず、将来も不透明な状況である。油価急落により、資源分野の 競争が激化し、販売市場の再構築が起きている。市場確保のためダンピングを行う者すら いるが、今後は、先見の明がある者が勝ち残るだろう。

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– 24 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ・ 価格操作、財政出動等による市場への介入は長期的発展を阻害する。将来の需要を担保す るための投資が適切に評価され、それを回収できる安定的な価格こそが必要である。この ような価格が支持されなければ、生産者も消費者も被害をこうむる。 ・ 油価下落により、石油生産者から消費者に年間$1.5 兆の所得移転が起きているが、これに より世界経済が発展しているという顕著な効果は見当たらない。逆に、世界経済は減速し ている。エネルギー供給側から他の産業に大規模な所得移転が起きているが、それが製造 業の発展を促さないのであれば、移転された所得はどこに蓄積されたのかという疑問が出 てくる。しかし、これを解明するためには、財政的、経済学的な長期の分析が必要になる。 ・ 米国は、容易な資金調達のシステム、価格ヘッジのシステム、成熟したロジスティックス 等が整っており、これらが高コストのシェールの生産を後押しする要素になった。

・ 米国は石油の競争市場(competitive oil market)が発展する要素が整っている。このため、

米国市場の影響は世界中へ素早く伝播する。一方、米国の石油輸出禁止政策は市場を歪め ている。現在、シェールオイルはかなりの量が生産されており、シェールオイルが世界の 石油市場へ供給を決定する要素になった。油価が高い時はシェールオイルの生産が急増し、 下がると減産することにより、シェールが価格と量を決定するようになった。 ・ 現在の油価変動は、石油サービスを独占化する方向に誘導する可能性があるが、この点は 気を付けなければならない。効果は様々な要因に依存するため、調整や規制は避けるべき である。しかし、石油業界は50 年前とほとんど変わっていない。60%から 65%の石油が中 東で生産されている。 ・ 70 年代の石油ショック、80 年代と 90 年代の油価下落を経験し、エネルギー安全保障のた め、供給元の多角化が最も重要な課題となった。 ・ 中東及び北アフリカ諸国では資産の交換(assets exchange)が行われておらず、世界市場に 参加しているとは言えない。交流、投資開放、海外との相互関係は、リスクを下げ、安定 をもたらす要素である。これらを考慮すると、中東及び北アフリカ諸国が長期的な競争に 勝ち残り、世界の石油供給をこれらの国に依存できるのか疑わしい。 ・ 米国のシェールオイルについては、米国EIA の 2040 年までの見通しによると、米国の石油 生産は5 年間増加した後に安定化し、減退を始めると予想している。その前提として、油 価が2020 年までに$80 になり、2035 年までに$120 になることとされている。この油価

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– 25 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 にはインフレが考慮されていないため、年2%のインフレを考慮すると、$170 以上の油価 が求められる。このため、米国のシェールオイルは増大する世界の石油需要を支えること ができない。Exxon のティラソン CEO も米国のシェールは中期的には重要であるが、長期 的には重要ではないとしている。 ・ 世界の石油供給を長期的に安定化させるため、北極圏の開発は重要である。巨大プロジェ クトの進行速度を考慮すると、北極圏開発は今行わなければならない。北極圏で産出され る石油の大部分は、RN が Exxon、ENI、Statoil と共同で開発している油田から産出される ことになるだろう。 ・ 現在中東諸国の多くは、財政を均衡させるため、高い油価を必要としている。油価下落に より財政が赤字となり、福祉基金が目減りしている。 ・ 現在の油価は、OPEC 加盟国の財政だけでなく、世界経済の安定に貢献していない。この 状況を改善するために何をすべきか? ・ 油価下落を支持する者は、産油国がマーケットシェアを巡って争っていると指摘するが、 その指摘は証明されたわけではない。 ・ 過剰供給の状況にありながら、増産を宣言して実際に増産している国がある。また、それ らの国は、販売で損失を発生させてでも、他のサプライヤーからマーケットを奪おうとし ている。 ・ 好ましい状況ではないが、RN は昨年末に$50 から$60 の油価を前提にした対策を検討し た。その中で、短期的な影響は米国のシェールだけであることを述べた。米国のシェール の生産コストにはばらつきがあることから、$50 であってもシェールの生産が続き、今年 の半ばごろに安定化すると分析していたが、そのとおりのことが起きた。米国のシェール 産業は発展段階であるため、井戸閉鎖、土壌回復等について、環境面で厳しい制約が課さ れていない。発展の初期の段階で完全な対策を求めると、プロジェクトの経済性が損なわ れる。

・ 非OPEC 諸国の主要産油国は投資を重視し(investment oriented)、これらの国の生産は持

続的で若干成長もしている。もっとも効率が悪いプロジェクトは、カナダのシェールサン

ド、ブラジルの大水深と言われる。油価が$50 から$60 であってもロシアの生産は若干増

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– 26 – Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ・ 中長期的を予測するためには、資源基盤の分析が非常に重要であり、この分析を行うと次 のようなことが言える。  シェールオイルやタイトオイルが拡大する可能性は低い。世界中の石油の潜在 埋蔵量(potential reserves)の 10%以下しか回収できないし、シェールオイル では確認埋蔵量の1%しか回収できない。  埋蔵量の大半はオフショア関連であり、長期的には北極海の重要性が増す。  長期的には、イラン、ロシア、ベネズエラの役割が重要になる。  ロシアの生産コストは低いため、ロシアの生産は安定的である。油価が低下し た場合に輸出税が低下するというロシアの税制は、油価下落の影響を緩和する 役割を果たしている。  米国の生産は油価に柔軟に適応する。その柔軟性はイノベーションでより強化 される。  OPEC 諸国の財政赤字は、基金の減少等により許容されなくなる。 ・ 油価を$50 から$60 に維持する施策は制約があり、多くの合意が必要である。 ・ LNG について今回はあまり多くを語らないが、カタール及びオーストラリアのプロジェク トのその後の動向を注意深く観察することにより、LNG プラント建設は想像以上に費用が かかることが分かった。油価が長期間低迷した場合の影響を想像することは困難であるが、 アジアの急増する市場のためには不可欠なプロジェクトである。 ・ 油価を$50 から$60 に維持する施策の代替として、$80 以上を維持する計画を提案したい。 過去の需給バランスを分析した結果、全体の供給量を2%下回る程度に削減すればよいと予 想している。この計画の効果としては次のことが考えられる。  価格ショックを回避できる。  シェールオイルの生産者が油価の上昇を期待し、シェールオイルの生産が調整さ れる。  致命的なレベルでの投資損失を回避できる。 ・ この計画はより魅力的でより安定的であると考えている。市場は様々な情報に左右され、 その情報には高い信頼性と高い説明責任が求められる。残念ながら、そのような情報は少 ない。IEA、OPEC、EIA 等が定期的に発信している情報の価値は認めるが、統計データが

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