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Elmore & Pohlmann Greenwood & Ramagli a b c a b c

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高松大学紀要,37.59∼72 1)

大学生活への満足度に関する教育心理学的研究

― 学生は大学に満足しているのか? ―

2) 牧 野 幸 志・森 裕紀子

A study on students' satisfaction with campus life

in educational psychology.

Are university students satisfied with campus life ?

Koshi Makino Yukiko Mori Abstract

The purpose of this study was to explore how much university students were satisfied with campus life from the viewpoint of educational psychology. A total of 126 undergraduate students of both a national university and a private university in Japan took part in this survey by completing a questionnaire. Most of the respondents have been university students for at least one year. The results are as follows:(1)40% of the students were not satisfied with campus life very much. (2)The main factors of satisfaction were listed as “class content”,“the value of being the university students” and “the university environments”. (3)The most impor-tant factor related to satisfaction was “class content”. (4)Most students requested that the university make classes easier. Finally, further directions for research in this area were

. discussed

: 大学生活への満足度, 大学生,

Key words satisfaction with campus life university students 教育心理学. educational psychology 問 題 現在,日本の大学教育は変革期を迎えている。従来,大学は遊ぶところであるという意 識が強い「大学のレジャーランド化」の問題が指摘されてきたが,最近では,より深刻な 「大学生の学力低下」,「大学生のやる気の低下」などの問題も発生してきた。厳しい受 験に合格してきた学生を受け入れる国立大学においても,教育の変革を余儀なくされてい る。さらに,少子化による子どもの減少の影響を受け,大学は,今,「冬の時代」を迎え ている。学生の全入時代を迎え,特に私立大学においては,学生確保のために授業制度の 本研究の一部は,平成13年度日本私立学校振興・共済事業団補助金「高等教育研究改革推進」の助成を 1) 受けた。 2)

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見直し,授業の改革,カリキュラムの改正などの教育改革が進められている。 元来,大学は高等教育の場であり,研究と教育のうち,研究機関としての機能が重要視 されてきた。しかしながら,高校生の半分近くが進学する現代においては,大学教育は大 衆化し,研究機関としてよりも,教育機関としての機能を期待されるようになってきてい る。特に,旧帝大に代表されるような一部の偏差値の高い大学を除けば,大学に入学して くる学生の多くは教育を受けるために入学しているのであり,大学側としても研究よりも 教育の重点化が望まれる。大学教育の見直しの中で,比較的広く行なわれているものに学 生による授業評価がある(Elmore & Pohlmann, 1978;Greenwood & Ramagli, 1980;井上, 1993)。学生による授業評価は,アメリカ合衆国などでは教員の勤務評定に使われること もあるが,最近では,授業の改善のために使われることが多い(牧野,2001 ,2001 ,a b 2001 ;松田・三宅・谷村・小嶋,1999;大槻,1993)。比較的多くの大学が学生によるc 授業評価を実施しているが,その結果を公開しているところは少ない。公開されている学 生による授業評価の結果をみてみると,担当する教員によりかなりのばらつきがみられる ものの,全体的には比較的高い評価が多い(牧野,2001 ,2001 ,2001 ;松田他,1999a b c ;三宅,1999;住田,1996)。大学が教育機関である以上,授業が非常に重要な意味を もっており,授業に対する満足度が学生の大学生活に対する満足度に影響を与えるであろ う。 大学での教育の見直しに重点が置かれる中,実際に大学で学んでいる学生の中には,教 育以外の点を評価して大学生活に満足を感じている学生もいる。例えば,進学した大学が 有名であるから就職に有利である,都市部の大学なので楽しい,部活・サークルが楽しい, バイトをするのが楽しい,資格がとれるなどの評価基準があげられる。勉学などの将来の 目標を持ち入学する学生がいる一方で,明確な目標を持たずになんとなく入学する学生が 存在しているのも事実である。本研究は,大学が大衆化した現代において,学生が大学生 活に対してどの程度満足しているのか,どのようなことに満足を感じるのかを探索するこ とを目的とする。具体的には,第1に,学生が大学生活にどのくらい満足しているか,ど のようなことに満足しているのかを把握する。第2に,大学生活に対する満足度に影響を 与える主な要因を検討する。最後に,大学生が大学に対してどのようなことを要望してい るかを探索する。

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方 法 調査実施大学と被調査者 四国地方の国立A大学の1クラスと同じく四国地方の私立B大学の1クラス,計2クラ スにおいて質問紙調査を行なった。A大学は県庁所在地の中心部に位置し,5学部から構 成されている。一方,B大学は同じ県庁所在地の郊外に立地する単科大学である。対象と したクラスはいずれも主に1,2年生を対象とした選択科目であり,学生はいくつかの選 択科目の中から授業を選ぶことができる。A大学においてはすべての学部から受講生が集 まっており,B大学においても2つの学科から学生が集まっていた。2つのクラスで2年 生以上の受講生を被調査者とした。したがって,被調査者は,少なくとも1年は大学に在 籍している学生であった。被調査者は,大学生126名(A大学64名,B大学62名,男性94 名,女性32名,平均年齢20.53歳,年齢幅19∼23歳)であった。 質問紙の構成 大野(1984),角谷・無藤(2001)を参考にして,9項目の 大学生活に対する満足度 学生の大学生活に対する満足度を測定する項目(詳しくは後述)を作成した。また,最後 に,総合的な判断として,現在の大学への満足度をきいた(「総合的に判断して,現在, 大学にどの程度満足していますか?」)。大学への満足度に関する9項目と総合満足度1 項目に対して,「非常に不満である」∼「非常に満足している」の5段階で評定を求めた。 得点が高いほど大学に対しての満足度が高いことを示す。 大野(1984),角谷・無藤(2001)を参考にして,12項目の大学への要 大学への要望 望を測定する項目(詳しくは後述)を作成した。学生の大学への要望に対する12項目に対 して,「まったく希望しない」∼「強く希望する」の5段階で評定を求めた。得点が高い ほど該当する内容を要望していることを示す。その他,年齢,性別などの人口統計学的変 数への回答を求めた。 手続き 調査は,対象となったクラスで授業中の約15分を利用して,「大学生活に対する満足度 調査」という形式で実施した。調査時期は,いずれのクラスでも平成13年4月であった。 調査実施に際して,「他人の回答をみないこと」,「他人と話をしないこと」と強調し, 個人のプライバシーに配慮した。

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Figure 1. 大学に対する満足度 2% 28% 24% 40% 6% 非常に満足している やや満足している どちらでもない あまり満足していない 非常に不満である 結 果 大学生活に対する総合満足度 大学生活に対する満足度に対する被調査者の内訳についてFigure1に示した。その結果, 現在,大学に「非常に満足している」という学生は全体の2%にすぎなかった。以下, 「やや満足している」28%,「どちらでもない」24%,「あまり満足していない」40%, 「非常に不満である」6%であった。あまり満足していないという学生が40%を占めてい た。また,学校別にも集計を行なったが,比率はほぼ同様であった。 .大学に対する満足度 Figure 1

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大学生活に対する満足度の構造 大学生活への満足度に関する9項目の評定値に対 大学生活に対する満足度の因子分析 して因子分析を行った(Table1)。固有値1を基準とする因子分析(主成分法,バリ マックス回転)を行った結果,第1因子は“大学の授業内容に”,“大学の先生に”, “大学のカリキュラムに”の3項目に負荷が高かった。これらは,大学での授業,そして 授業で接する先生に対する満足度を示す項目であった。したがって,これらを「大学の授 業への満足度因子」(以下,授業因子と表記)とした。そして,「授業因子」を示す3項 目(α=.729)の平均を「授業満足度」得点として算出した(1∼5点,得点が高いほど, 大学の授業への満足度が高い)。 第2因子は“大学で取得できる免許・資格に対して”,“大学での学生と先生との関係 に”,“大学の教育機器(パソコン,教室など)に”など4項目に負荷が高かった。これ らは,大学で取得できる資格,それに関連する機器,そして大学生活での人間関係に関す るものであった。したがって,これらを「大学の付加価値への満足度因子」(以下,付加 価値因子と表記)と命名した。これら4項目(α=.542)の平均を「付加価値満足度」得 点として算出した(1∼5点,得点が高いほど,大学で得られる付加価値に満足であるこ とを示す)。 1 大学生活への満足度に関する項目の因子分析 Table 項 目 因子1 因子2 因子3 共通性 大学の授業への満足度 .843 .148 .159 .758 5.大学の授業内容に .839 .148 −.046 .728 6.大学の先生に .565 .223 .414 .540 4.大学のカリキュラムに 大学の付加価値への満足度 −.194 .742 .289 .672 9.大学で取得できる免許・資格に対して .292 .622 −.194 .510 8.大学での学生と先生との関係に .193 .591 .107 .398 2.大学の教育機器(パソコン,教室など)に .199 .553 .000 .345 7.大学での友人関係に 大学の物理環境への満足度 .147 −.137 .790 .665 1.大学の立地場所に .029 .230 .748 .614 3.大学の食堂に =126 N

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第3因子は“大学の立地場所に”,“大学の食堂に”の2項目に負荷が高かった。これ らは,大学の物理的な環境に関する項目であったので,「大学の物理環境への満足度因 子」(以下,物理環境因子と表記)と命名した。これら2項目(α=.509)の平均を「物 理環境満足度」得点として算出した(1∼5点,得点が高いほど,大学の物理環境に満足 であることを示す)。 各満足度因子と総合満足度との因果関係 満足度に関する3つの因子と総合的な満足度との因果関係を検討するために,総合満足 度を目的変数とし,3つの満足度因子を説明変数とした重回帰分析を行なった。本研究で は,被調査者の男女比が等しくなかったため,男女別の分析は行なわず被調査者全体で重 回帰分析を行なった。その結果,決定係数は.472(p<.01)であり,高い値であった。 また,授業への満足度と大学の付加価値への満足度が高く寄与しており,総合満足度を正 の方向で有意に予測していた。重回帰分析の結果に基づき,パス解析を行なった。標準偏 回帰変数が5%水準で有意なパスを示したものがFigure2のパスダイアグラムである。特 に,授業と大学の付加価値への満足度が総合満足度に対して正のパスを示しており,授業 と付加価値に対して満足するほど,大学生活への総合的な満足感が高いことがわかる。 授 業 ** .383 ** .376 度 付 加 価 値 総合満足 * .177 物 理 環 境 2.満足度因子と総合満足度のパスダイアグラム Figure 注) 標準偏回帰係数が有意なパスを図示した。図中の数字は有意な 標準偏回帰係数を,実線矢印は正のパスを示す。 128, <.05, <.01 N= p p * **

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大学生活に対する満足度の学校差と男女差 大学生の大学生活に対する満足度が,所属する大学により 満足度因子に関する学校差 異なるかを検討するため,満足度の各因子得点と総合満足度に対して,学校によるt検定 を行なった(Table2)。その結果,総合満足度に関しては,学校差はみられなかった( .n .)。いずれの大学においても,総合満足度は2点台後半であり,比較的低い値であった。 s また,各因子得点には,学校差がみられた。「付加価値因子」においては,B大学の方が A大学よりも満足度が高かった(t(124)=2.49,p<.05)。一方,「物理環境因子」 については,A大学の方がB大学よりも満足度が高かった( (124)=4.06, <.01)。t p 満足度の因子得点に関して,大学間で差がみられた。各大 満足度項目に関する学校差 学の学生が具体的にどのようなことに満足を感じているかを検討するために,満足度項目 の各項目に対して,学校によるt検定を行なった(Table3)。その結果,大学の立地条 件と食堂の整備の2項目に関しては,A大学の方がB大学よりも満足度が高かった(それ 2 大学生活に対する満足度の学校差(因子別) Table 国立A大学 私立B大学 満足度因子 =64 =62 N N 授業 2.67 (0.67) 2.68 (0.72) 付加価値 3.01 (0.55) < 3.28 (0.68) 物理環境 3.11 (0.85) > 2.44 (0.99) 総合満足度 2.91 (0.97) 2.69 (0.95) 表内の数値は因子得点(総合満足度は,平均値),( )内は標準偏差を示す。 注)不等号は,平均値間のその方向に有意差があることを示す(t検定, <.05)。p 3 大学生活に対する満足度の学校差(項目別) Table 国立A大学 私立B大学 満足度項目 =64 =62 N N 立地条件 3.34 (1.18) > 2.44 (1.10) 食堂 2.88 (1.08) > 2.45 (1.21) 教育機器 2.80 (1.01) < 3.48 (1.05) 先生との関係 2.86 (0.87) < 3.19 (0.76) 表内の数値は平均値,( )内は標準偏差を示す。 注)不等号は,平均値間のその方向に有意差があることを示す(t検定, <.05)。p

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ぞれ,t(124)=4.46,p<.01,t(124)=2.08,p<.05)。他方,教育機器と先生 との関係の2項目に関しては,B大学の方がA大学よりも満足度が高かった(それぞれ, (124)=3.74, <.01, (124)=2.29, <.05)。 t p t p 学生の大学生活に対する満足感が,男女により異なるかを 満足度因子に関する男女差 検討するため,満足度の各因子得点と総合満足度に対して,性別によるt検定を行なった (Table4)。その結果,総合満足度に関しては,男女差はみられなかった(n. s.)。また, 満足度の各因子得点においても,男女で差はみられなかった(n. s.)。 大学への要望の構造 大学への要望・希望に関する12項目の評定値に対して因子分 大学への要望の因子分析 析を行った(Table5)。固有値1を基準とする因子分析(主成分法,バリマックス回 転)を行った結果,第1因子は“大学で授業内容をもっとわかりやすくしてほしい”, “授業の説明をもっとわかりやすくしてほしい”などの4項目に負荷が高かった。これら は,大学の授業をよりわかりやすいものにしてほしい,授業内容をもっと簡単にしてほし いなどの授業をより容易にすることを求める項目であった。したがって,これらを「授業 内容の容易化因子」(以下,授業容易化因子と表記)とした。そして,「容易化因子」を 示す4項目(α=.796)の平均を「授業容易化要望」得点として算出した(1∼5点,得 点が高いほど,授業を容易にしてほしいという要望が強い)。 第2因子は“大学の授業をもっと減らしてほしい”(逆転項目),“大学の授業をもっ と増やしてほしい”,“すこし高度な(専門的な)内容を教えて欲しい”の3項目に負荷 が高かった。これらは,大学で受講できる授業を増やしてほしいこと,より高度な内容を 4 大学生活に対する満足度の男女差 Table 男性 女性 満足度因子 =92 =32 N N 授業 2.66 (0.73) 2.73 (0.58) 付加価値 3.11 (0.65) 3.23 (0.58) 物理環境 2.73 (0.92) 2.94 (1.12) 総合満足度 2.73 (1.00) 3.00 (0.84) 表内の数値は因子得点(総合満足度は,平均値),( )内は標準偏差を示す。

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知りたいという学生の要望を示していた。したがって,これらを「授業の増加と高度化因 子」(以下,授業増加高度化因子と表記)と命名した。これら3項目(α=.763)の平均 を「授業増加高度化要望」得点として算出した(1∼5点,得点が高いほど,大学での授 業を増やしてほしい,高度な内容を教えてほしいという要望が強いことを示す)。 第3因子は“大学の食堂をもっと充実させてほしい”,“大学のパソコンをもっと増や してほしい”など3項目に負荷が高かった。これらは,大学の物理的な環境の改善に関す る項目であったので,「大学の物理環境の改善因子」(以下,物理環境改善因子と表記) と命名した。これら3項目(α=.579)の平均を「物理環境改善要望」得点として算出し た(1∼5点,得点が高いほど,大学の物理的環境の改善を望んでいることを示す)。 5 大学への要望に関する項目の因子分析 Table 項 目 因子1 因子2 因子3 共通性 授業内容の容易化 .875 .020 .101 .758 8.大学で授業内容をもっとわかりやすくしてほしい .860 .109 .075 .728 11.授業の説明をもっとわかりやすくしてほしい .707 −.257 −.019 .540 12.試験をもっとやさしくしてほしい .643 −.441 .133 .626 7.大学の授業内容をもっとやさしくしてほしい 授業の増加と高度化 .208 .865 .045 .793 4.大学の授業をもっと減らしてほしい* −.055 .842 .017 .712 3.大学の授業をもっと増やしてほしい .029 .679 .288 .544 9.すこし高度な(専門的な)内容を教えて欲しい 大学の物理環境の改善 .158 .067 .741 .579 1.大学の食堂をもっと充実させてほしい −.078 .158 .705 .527 6.大学で取得できる免許・資格を増やしてほしい −.057 .002 .580 .340 2.大学のパソコンをもっと増やしてほしい 残余項目 .103 −.090 .464 .234 5.大学内に販売店(文房具などを売る所)がほしい .087 .084 .453 .220 10.実習を増やして欲しい 逆転項目 * =126 N

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大学への要望の学校差と男女差 学生の大学への要望が,所属する大学により異なるかを検討 要望因子に関する学校差 するため,大学への要望の各因子得点に対して,学校によるt検定を行なった(Table6)。 その結果,いずれの要望因子においても学校差はみられなかった(n. s.)。いずれの大学 においても,大学の授業をわかりやすく,やさしくしてほしいという授業容易化の要望の 得点は,3.7点以上であり,非常に高い値であった。 大学への要望の因子得点に関して,大学間で差はみられな 要望項目に関する学校差 かった(n. s.)。しかしながら,実際には両大学では物理的環境が異なる。そこで,各大 学の学生が実際にはどのようなことを要望しているのかをより詳細に検討するため,要望 の各項目に対して,学校によるt検定を行なった(Table7)。その結果,パソコンの増 加と授業の増加の2項目に関しては,A大学の方がB大学よりも要望が強かった(それぞ れ,t(122)=3.44,p<.01,t(122)=2.08,p<.05)。他方,販売店を作ってほ しい(増加してほしい)という項目に関しては,B大学の方がA大学よりも要望が強かっ た(t(121)=5.02,p<.01)。 6 大学への要望の学校差(因子別) Table 国立A大学 私立B大学 要望因子 =64 =62 N N 授業容易化 3.70 (0.79) 3.78 (0.67) 授業増加・高度化 3.33 (0.84) 3.02 (1.03) 物理環境改善 2.62 (0.60) 2.47 (0.57) 表内の数値は因子得点,( )内は標準偏差を示す。 7 大学への要望の学校差(項目別) Table 国立A大学 私立B大学 要望項目 =64 =62 N N パソコン増加 3.53 (1.01) > 2.92 (0.98) 授業増加 3.25 (1.21) > 2.73 (1.33) 販売店(増加) 3.02 (1.05) < 3.97 (1.05) 表内の数値は平均値,( )内は標準偏差を示す。 注)不等号は,平均値間のその方向に有意差があることを示す(t検定, <.05)。p

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学生の大学への要望が,男女により異なるかを検討するため, 要望因子に関する男女差 大学への要望の各因子得点に対して,性別によるt検定を行なった(Table8)。その結 果,要望の各因子得点において,男女で差はみられなかった(n. s.)。 考 察 本研究は,学生が大学生活にどのくらい満足しているか,どのようなことに満足してい るのかを把握することを第1の目的とした。また,大学生活に対する満足度に影響を与え る主な要因,学校差,男女差を検討することを第2の目的とした。さらに,学生が大学に 対してどのようなことを要望しているかを探索することが第3の目的であった。 まず,学生に大学生活に対する現在の満足度を総合的に判断してもらった結果,40%の 学生が「あまり満足していない」と回答した。この結果は,調査を行なった2つの大学の いずれでもほぼ同様の結果であり,多くの学生が大学生活に対して満足していないことを 示している。この理由の詳細については満足度の構造,大学への要望に関する考察の部分 で述べるが,半分近くの学生が大学生活にあまり満足していないという結果は,今後の大 学の行政,大学経営において早急に改善すべき大きな問題としてとらえるべきである。次 に,大学生がどのようなことに満足を感じているか,あるいは不満を感じているかを検討 した結果,3つの要因が見いだされた。それらは,大学の授業や授業で接する先生などの 「大学の授業に対する満足度」,大学生活で得られる友人関係や資格などの「付加価値に 対する満足度」,大学の立地,食堂の整備などの「大学の物理環境の満足度」であった。 これらの中で,授業に対する満足度は2点代後半(5段階評定)であり,非常に低い。教 育に重点をおき始めた現代の大学の目標から考えると,授業への満足度が比較的高くなる と予想されたが,結果はそれに反するものであった。 8 大学への要望の男女差 Table 男性 女性 要望因子 =92 =32 N N 授業容易化 3.75 (0.78) 3.70 (0.58) 授業増加・高度化 3.17 (0.98) 3.23 (0.87) 物理環境改善 2.54 (0.60) 2.57 (0.53) 表内の数値は因子得点,( )内は標準偏差を示す。

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次に,満足度を構成する3つの要因と総合的な満足度との因果関係を検討した。その結 果,総合的な満足度に影響を与える要因は,授業への満足度と大学生活での付加価値(人 間関係,資格など)であった。授業が充実しているほど,付加価値が高いほど,大学生活 に対する満足度が高いことが明らかとなった。他方,大学の物理環境は,総合的な満足度 に対しての影響力が小さかった。つまり,大学生は,授業の充実と人間関係,資格取得な どの付加価値により,大学生活に対して満足を感じているといえよう。 さらに,所属する大学(国立A大学と私立B大学)により満足感が異なるかを検討した。 その結果,総合的な満足度に差はみられなかった。細かくみてみると,大学生活の付加価 値については,B大学の学生の方がA大学よりも満足度が高かった。これは,情報教育に 力を入れているB大学ではパソコンなどの教育機器が整備されていること,また,1年次 から少人数のゼミを行なっていることなどを反映していると考えられる。一方,大学の物 理的環境については,A大学の学生の方がB大学よりも満足度が高かった。これは,A大 学が町の中心部に位置すること,食堂が整備されていることを反映している。大学生活に 対する満足度に関して,男女差はみられなかった。 大学生活に対する満足度の低さを受けて,学生が大学に対してどのようなことを要望し ているかを検討した。その結果,大学への要望に,主に3つの要因が見いだされた。それ らは,授業をよりやさしくしてほしい,わかりやすくしてほしいという「授業内容の容易 化」,大学の授業を増やしてほしい,高度な内容を期待するなどの「授業の増加と高度 化」,資格の充実,食堂の整備など「物理環境の改善」であった。これらの要望は,すで に述べた大学生活に対する満足度の要因の中で満足度が低かった要因を反映していた。そ れぞれ「授業内容の容易化」は,授業に対する満足度が低いことを,「物理環境の改善」 は,大学の物理環境への不満を反映していた。特に,現在の大学生は,授業がよりわかり やすくなること,容易になることを望んでいる。 次に,所属する大学(国立A大学と私立B大学)により大学への要望が異なるかを検討 した。その結果,3つの要望に差はみられなかった。しかしながら,詳細にみてみると, パソコンの増加希望,授業増加希望に関して,A大学の学生の方がB大学よりも要望が強 かった。これは,国立であるA大学においては,学生数に対して十分なパソコンがまだ整 備されていないことを反映している。また,実際に開講される授業数が明らかにA大学の 方が多いことから考えると,A大学の学生の方がより多くの授業を求めていることがわか る。逆に,販売店の設置・増加に関しては,B大学の学生の方がA大学よりも要望が強

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かった。これは,B大学においては,学生用の販売店が設置されていないことを受けてい る。大学への要望に関して,男女差はみられなかった。 最後に,本研究の今後の課題として,以下の点があげられる。まず,調査対象大学の拡 大である。本研究では,地方都市の中規模の国立大学,私立大学を対象とした。ところが, 実際には,多くの大学,特に,私立大学は,関東圏,関西圏,あるいは中部地域などの都 市部に立地している。こうした場合,都市部での娯楽性,利便性が大学生活と密接にかか わり,学生の満足感に影響を与えるだろう。また,大学の中には,複数の学部を抱える大 規模な学校も存在する。人数が多いことが学生の満足感に必ずしも良い影響を与えるとは 限らないが,大学の規模と満足感との関連を知ることが必要である。したがって,今後, 多様な大学を対象として,調査を行なう必要がある。次に,大学への満足度に関する縦断 的研究の必要性があげられる。今回の調査では2年生以上を対象としてその時点での満足 度を検討した。しかしながら,学生の大学生活への満足度は,学年の経過とともに変化し ていくことが十分に考えられる。不本意に入学したが,生活していくうちに楽しくなって きたり,逆に,入学直後には比較的満足していたが,年を追うごとに不満を感じてくるこ ともあるだろう。入学者を縦断的に追跡調査することにより,大学への満足度がどのよう に変化していくか,その原因は何かを調べていく必要がある。 引用文献

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高 松 大 学 紀 要

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平成14年2月25日 印刷 平成14年2月28日 発行 高 松 大 学 編集発行 高 松 短 期 大 学 〒761 0194- 高松市春日町960番地 (087)841−3255 TEL (087)841−3064 FAX

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