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(1)

編集・発行 社団法人 日本プロサッカーリーグ ホームページ http://www.j-league.or.jp

フェ ア プレ ー へ の 誓 い

J1リーグ戦第3節の浦和対甲府戦前、フェアプレーフラッグにサインする山田(右、浦和)と石原(左、甲府)  Jリーグでは今季より、J1リーグ戦、J2リーグ戦、Jリーグヤマザキナビスコカップの全試合において、フェアプレーを誓う証しとして、 対戦する両チームの選手全員がフェアプレーフラッグにサインをすることを決定した。これまではフェアプレーを推進するため、スタジア ム内のアナウンスやポスターなどで、主に観戦者の理解を深め、協力を求める活動を展開してきた。ピッチ上の主役である選手自身が誓い を立てることにより、フェアプレーの実践へのさらに強い決意を示す。選手たちが思う存分に持てる才能を発揮し、スタンドやテレビ画面 の前のファン・サポーターに興奮と感動を与える「熱狂のスタジアム」は、フェアプレーなくしては考えられない。

試合前に出場選手がフェアプレーフラッグにサイン

(2)

Jクラブ育成・下部組織指導者研修会(GKコース)

育成

 Jリーグは2月26日、JFAハウスにおいて 「2007Jリーグ ユース・ジュニアユース監 督会議」を実施した。これまで、トップチー ムの監督会議は行われてきたが、Jクラブの ユース・ジュニアユースの全監督が一堂に会 しての会議は初めてのことだ。  次代の日本サッカー界を担う選手を育てる 上で、育成年代から共通の理解、認識をもっ て指導を行うという観点から新シーズンに向 けて開催された。JFA(日本サッカー協会)の 小野剛技術委員会委員長、U-20日本代表の吉 田靖監督をはじめとする若年層の日本代表監 督らも出席。小野委員長は「Jクラブは地域 の核となり、地域で選手の育つ土壌をつくっ てほしい」と期待を述べ、Jリーグの山下則 之技術委員長も「今後もJFAと共同歩調を取 りながら進めたい」と協力関係を確認した。  また、今年4月から開催予定の「Jリーグ U-13」(13歳以下のリーグ戦)の実施、「Jユ ースサハラカップ2006 第14回Jリーグユース 選手権大会」などについての報告も行われた。  Jリーグは3月13∼16日、トヨタスポーツセンター(3月13∼14日、愛 知県豊田市)とレッズランド(3月15∼16日、埼玉県さいたま市)において、 Jクラブの育成・下部組織指導者を対象に研修会(GKコース)を実施した。 日本サッカー界でも長年の課題とされているGKの育成について、世界レ ベルの指導方法を体験することが目的。この研修会の講師を務めたのは、 オランダ人のフランス・フック氏。アヤックス(オランダ)、FCバルセロ ナ(スペイン)などの欧州の名門クラブ、オランダ代表でGKコーチを務め、 現在はポーランド代表のGKコーチとして指導を行う。講義、ディスカッ ション、実技指導などが行われ、参加したJクラブの現場指導者たちは、 世界トップレベルの指導法に触れた。

オランダの名指導者を迎え開催

2007Jリーグ ユース・ジュニアユース監督会議を開催

育成

Jリーグで初の試み

指導を行うフック氏(右)。オランダ代表の守護神ファンデルサルをはじめ多くの優秀な GKを育てた。アヤックス、FCバルセロナでは育成部門のGKコーチも務めた フック氏の説明を熱心に聞く参加者(トヨタスポーツセンター) Jリーグ鬼武チェアマンのあいさつで始まった会議 トップチームを対象に実施しているルール講習会で使用されるスタンダードビデオも用いられた。育成年 代の指導において、判定基準の共通理解をもつことも大切だ

Topics

Feb.21-Mar.20

トピックス(2月21日∼3月20日)

(3)

 CSC(Jリーグキャリアサポートセンター) とJリーグ選手協会が実施する春のクラブ訪 問が、3月2日のセレッソ大阪を皮切りに始ま った。選手のキャリアデザインを支援するた め、CSCの担当者が各クラブを訪問し、啓蒙 活動や関連事項の説明、報告を行う。 「プロフェッショナルとして生きる2007」と 題するビデオ放映では、他競技のトップアス リートが登場し、プロ意識について語ってい る。終了後のアンケートには「一流プロにな るためには、まだまだ努力が必要」などの感 想が述べられ、同じアスリートとして、大い に刺激を受けたようだ。  また、受講金額の8割の補助を受けること のできる「就学支援制度」についても質問が 寄せられ、関心の高さを示していた。  なお、春のクラブ訪問は3∼4月で、全31ク ラブを回る予定となっている。  4年後の2010年シーズンまでに公式試合の総入場者数を1100万(イ レブンミリオン)にしようというJリーグと全31クラブの共通の中 期目標が、2月23日に行われた「2007Jリーグプレスカンファレ ンス」で発表された(J.LEAGUE NEWS vol.134で既報)。

 総入場者数に具体的な数値目標を掲げることによって、より多 くの人々にスタジアムへ足を運んでいただき、「熱狂のスタジアム」 の実現、そしてJリーグ百年構想のさらなる充実を図る。これに 向け、Jリーグ事務局内に新たに「イレブンミリオンプロジェクト」 が発足する(4月1日付)。目標実現に向けて、Jリーグにかかわる すべての人々と一丸となって取り組む今後の施策に注目していた だきたい。

「イレブンミリオン」を掲げてシーズンイン

Jリーグ、Jクラブの活動が始まる

2007Jリーグプレスカンファレンスで「イレブンミリオン」について語る鬼武チェアマン

春のクラブ訪問がスタート

CSC

選手たちの真摯

(しんし)

な姿勢

真剣な表情でビデオを見つめる横浜FCの選手たち 春のクラブ訪問はC大阪からスタート。熱心に資料に目を通す  ゴールからゴールを結ぶ長さ100m、センターサークル の直径とほぼ同じ幅18mの巨大バナーが3月3日、日産スタ ジアムに出現した。Jリーグ開幕戦が行われたこの日、横 浜 F・マリノス対ヴァンフォーレ甲府戦のキックオフ前に、 主管クラブの横浜FMと日産スタジアムの協力を得て設置 され、「チーム・マイナス6%」の運動をアピールした。 この国民的な運動は、深刻となっている地球温暖化の解決 のため、京都議定書で日本が世界に約束した温室効果ガス 排出量6%の削減を実現しようというプロジェクト。Jリ ーグはこの運動に賛同し、開幕節における観戦者に対する チーム・マイナス6%への参加呼びかけのほか、「健全な 危機意識醸成のための映像」への選手出演、スタジアムで の映像放映などで協力している。

長さ100mの巨大バナー出現

環境

「チーム・マイナス6%」をアピール

過去に例を見ない巨大なバナー

熱狂の

スタジアム

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 社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は、2007年4月 1日より事務局組織を従来の6部制から3グループ制に変更する。  リーグ設立以降のノウハウの蓄積、日本サッカー協会や各J クラブとの協調、またクラブ数の増加などに伴い、事務局業務 の多様化、取り組むべき課題や人材、資源の投資対象の変化に 対応することを目的とする。 「リーグマネジメントグループ」では、準加盟制度のスタート、 今後のクラブ数増加に対応し、近年事務局の重要責務となって いるクラブ経営の安定化促進および、各方面からニーズの高ま る事例・ノウハウの蓄積と共有化を図る。 「リーグプロデュースグループ」では、近年、事業・広報が連動 するマーケティング、プロモーション領域が拡大し、また競技 面においても、今後さらにマーケティング分野との連動が求め られていることから、これらを融合させ、よりリーグの価値を 高めるための施策に戦略的に取り組んでいく。 「HRディベロップメントグループ」では、プレーヤーのみな らず、競技と経営双方の視点を持ち合わせた人材の育成、受け 皿づくりなど、次世代をにらんだ『サッカー界の人(資産)づく り』に総合的に取り組む。  また、今後4年間のJリーグ、全Jクラブの中期目標である「イ レブンミリオン」施策についても、プロジェクトチームを発足 してその実現を目指す。

Jリーグ事務局組織変更

 Jリーグは3月20日に開催した理事会で、実行委員・参与の選任を承認した。

実行委員・参与選任

 Jリーグは、「朝日新聞サッカースクール」 を後援する。同活動は、Jリーグ百年構想パー トナーの朝日新聞社が地域のスポーツ活動活性 化の一環として取り組んでいるもので、小学校 低学年の親子を対象とした「朝日ファミリーサ ッカースクール」、小学校中学年を対象とし、 技術を伝える「朝日ジュニアサッカースクール」 からなる。昨年は年間約80回開催され、2007年 は4月から08年2月まで全国各地で72回開催予定。 JリーグOB選手が参加するほか、Jクラブか らもコーチを派遣する。

「朝日新聞サッカースクール」

を後援

事 務 局 リーグ全体のグランドデザインを描き、 クラブ経営の安定化促進、事例・ノウ ハウの蓄積と共有化を図る (総会、理事会、実行委員会、経営諮問委員会、 ホームタウン、将来構想委員会、準加盟クラブ、 総務・財務) リーグマネジメント グループ リーグプロデュース グループ HRディベロップメント グループ イレブンミリオン プロジェクト マーケティング、大会運営、事業・広 報プロモーションを融合し束ねる 事業(放送権、スポンサーシップ、商品化・サプ ライヤー) 運営(大会運営、日程、主管試合、ACL・A3、 選手登録、マッチコミッショナー、レフェリー、 規律、医学・ドーピング、Jリーグデータセンター) 広報(リーグ広報、大会・イベント広報、理念告知) 人材や技術、競技などの育成・開発をリ ードし、次世代をにらんだサッカー界 の人・資産づくりに総合的に取り組む (マネジメント人材開発、技術・競技、Jリーグ・ アカデミー、普及、選手育成、一貫教育、キャリ アサポート、国際交流、アジアサッカーの牽引) 2010年までに達成を目指す入場者数 中期目標 「イレブンミリオン」推進プロジェクト 実行委員 クラブ名 柏レイソル 小野寺 重之 (株)日立柏レイソル 代表取締役社長 河西 晋二郎(かさい しんじろう) (株)日立製作所 執行役常務 人材担当、総務本部長 (4月1日より)(株)日立柏レイソル 代表取締役社長 ザスパ草津 本谷 祐一 (株)草津温泉フットボールクラブ 代表取締役専務 武尾 誠(たけお まこと) (株)草津温泉フットボールクラブ 代表取締役社長 参与 変更前 変更後 大畠 襄:前Jリーグドーピングコントロール委員会 委員長 1995年4月∼2004年3月(在任期間9年) 以後Jリーグドーピングコントロールコーディネーターとして2006年12月まで活躍  2007年シーズンが始まり、鬼武健二Jリー グチェアマンは3月3日の開幕戦でFC東京vsサ ンフレッチェ広島(味の素スタジアム)、翌4日 には、J1に復帰を果たした柏レイソルとジュ ビロ磐田の対戦(日立柏サッカー場)を視察した。 「ベテランがあらためて新鮮な気持ちでプレー する姿勢が見られた。若手選手も、個性を発揮 しようと果敢に挑戦している。『イレブンミリ オン』を掲げて1年目のシーズンだが、入場者 数もここまで昨年の平均を上回っている。もち ろん、1試合1試合に一喜一憂するのではなく、 年間を通してこれをいかに継続していくかが重 要」と話した。  また、3月14日には、(財)さわやか福祉財団 (堀田力理事長)に、寄付金として1000万円、 UFJニコス(株)の協力によるNICOS Jリーグ オフィシャルカードの利用金額の一部約1000 万円、合計約2000万円の寄付金を贈呈した。 同財団への寄付は毎年行っている。   4月からのJリーグ事務局組織変更については、 「1991年の事務局設立から15年が過ぎ、事務 局にも体力がついて、関連会社や各Jクラブも 自立してきた。過去からの積み上げを継承しな がら、今後各グループがコミュニケーションを 密にし、前へ前へと進むリーグ組織を構築して いきたい」と抱負を語った。 左はさわやか福祉財団の堀田理事長

チェ

ェア

アマン

マンの

の3

3月

Topics

Feb.21-Mar.20

トピックス(2月21日∼3月20日)

(5)

すべてがJリーグから

――まだ31歳、引退は早すぎるという声も。 城 すべてやり切った、というのが率直な印 象です。自分の中ではすべてがクリアになっ た。考えることがあり、選手としてではない、 違う自分の道を早く歩みたかったのです。 ――城さんにとって、Jリーグとはどのよう な存在だったのでしょう。 城 すべての基本でした。Jリーグでどれだ け活躍できるか、レベルを上げられるか。そ の延長線上に、日本代表や海外(での挑戦) があります。今の自分があるのも、Jリーグ のおかげです。すべてがJリーグからいろい ろな方向に広がっています。 ――最も学んだことは。 城 サッカーはチームワークが大切で、一人 ではできないもの。みんなの力が集まって成 り立つものだということを、あらためてJリ ーグから学びました。チームメートだけじゃ なく、ファン・サポーター、関係者の方など いろいろな人々の助けがあって、選手はピッ チ上で表現できるのです。 ――人生に与えた影響も大きいですね。 城 プロ選手生活の13年間で学んだものは、 人生のすべてといってもいい。財産ですね。 それを基にスタートラインに立った気持ちで、 学んだことを伝えていきたいと思います。 ――後輩たちにも、そう望みたいですね。 城 Jリーグやクラブと、選手のパイプ役に なるのがふさわしいのかな、と思います。選 手たちとも交流を図り、早い段階で一人の大 人として成長する手助けができれば、ピッチ 上でいい結果も出せるのでは。

学んだものを還元したい

――Jリーグ百年構想の理念は、欧州のクラ ブを手本にしています。スペインのクラブ在 籍時代に、印象に残ったことは。 城 子供からお年寄りまでサッカー中心の 国。日常会話も常に話題はサッカーです。ホ ームスタジアムに集い、一生懸命にクラブを 応援する姿勢には歴史を感じました。いたる ところに芝生のピッチがあり、年齢差も関係 なくボールをけっている光景はすばらしいで すよ。環境も違うので、日本がすぐにそうな るのは難しいでしょうが、いい方向には進ん でいると思います。 ――それを伝えるのが、城さんのような存在 の役割ですね。 城 微力かもしれませんが、育ててもらった Jリーグ、日本サッカー界に学んだものを還 元していきたい。次の世代に伝えるのが仕事 であり、恩返しだと思います。どうしたら地 域密着に近づくか、考えていきたいですね。 ――「Jリーグ百年構想メッセンジャー」と いう役割を、どのように理解していますか。 城 大役で驚いています。その名にふさわしい 活動をしなくてはいけないと思います。芝生 のグラウンドの普及や、地域でさまざまなス ポーツを行う環境づくりに役立てれば。まず は行動に移したい。Jリーグや地域の人々と 協力しながら、活動を広げていきたいですね。 ――芝生についての関心も増しましたか。 城 芝生の種類を調べたり、芝生を管理する 方の話も聞きました。ある小学校では子供た ちが小さな容器で芝生の苗を育て、それをめ くれた部分に植えるそうです。ただ芝生を敷 くだけでなく、育てることの大切さを感じ、 サッカー以外のことも勉強し、関心が生まれ る。また、生きる、育てることの大切さを学 べます。わたしやJリーグが目指す究極のと ころは、そういう部分なのかなと思います。

自分も楽しまないと

――恩返しということですが、どのような活 動が最も適しているのでしょう。 城 やはり子供たちと触れ合うことですね。 引退したのも、子供たちと触れ合いたいとい う気持ちがあったからです。子供たちと一緒 に体を動かして会話するということは、若い うちしかできない。自分の特徴を生かし、独 自のスタイルをつくりながら、触れ合い、話 したいですね。 ――それが引退後に考えていたことですね。 城 それが一番でした。サッカーへの興味を 高めたり、さまざまなものを学んでもらった り、人間としての成長のサポートができたら いいと思います。彼らが大人になってもそれ を忘れず、次の世代に伝えてくれることを信 じています。このように考えていたときに、 タイミングよくJリーグ百年構想メッセンジ ャーのお話をいただいたのです。 ――具体的なプランはありますか。 城 現役選手が気軽に子供たちと交流ができ るようになることが理想です。そのために仲 間に声をかけて、彼らが積極的にアクション を起こしてくれるようになればうれしい。そ ういうトライはしてみたいですね、非常に大 まかですけど。多くのJリーガーが賛同して くれれば、さらに裾野が広がると思います。 ――当面の活動は。 城 学校などで子供たちと触れ合い、体を使 ってサッカーの楽しさを伝えたい。全国を飛 び回り、全力で子供たちにぶつかっていきた い。子供の目線で、楽しみながら。自分も楽 しまないと、子供には伝わりません。

「子供たちと一緒に

体を動かして」

「Jリーグ百年構想メッセンジャー」に就任した城彰二氏に聞く

城 彰二(じょう しょうじ) 1975年6月17日生まれ 北海道室蘭市出身 〈所属チーム歴〉 加治木中−鹿児島実業高−ジェフユナイテッド市 原−横浜マリノス/横浜 F・マリノス−レアル バ リャドリード(スペイン)− 横浜 F・マリノス−ヴ ィッセル神戸−横浜FC 1998FIFAワールドカップ フランス出場 アトランタオリンピック1996出場 日本代表として国際Aマッチ36試合出場、7得点 横浜FCで活躍後、選手生活からの引退を発表した城彰二氏が、「Jリーグ百年構想」とい う理念の普及に従事する「Jリーグ百年構想メッセンジャー」に就任した。自分を育ててく れたJリーグ、日本サッカー界へ恩返しをしたいと、意欲をみなぎらせている。

Interview

インタビュー

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「入場者数

「入場者数

入場者数

入場者数」

入場者数

1

埼玉スタジアム2002を埋める浦和のサポーター。昨季の平均入場者は4万5573人。欧州の一流クラブと比較しても、見劣りしない数字である

入場者数の推移

 1993年にスタートしたJリーグ全体の入場 者数の推移が、7ページのグラフである。平 均入場者数では94年、総入場者数では95年に ピークを迎えた後、下降線をたどり、97年に 底を打つ。いったんマイナスに転じると、特 効薬はなかった。  98年には、日本代表のFIFAワールドカッ プ初出場の効果もあったためか、数字はよう やく持ち直した。だが、大きな転機は2001年 に訪れた。日本と韓国の共同開催となった 2002FIFAワールドカップの前年である。大 会で使用されるスタジアムが各地でオープン し、入場者数の急激な増加に結びついた。  04年には、J1リーグ戦史上2番目となる平 均入場者数(1万8965人)を記録。この年はア ルビレックス新潟がJ1に昇格し、それまで 首位の浦和レッズをしのぐ3万7689人の平均 入場者数を達成した。  1999年にはJ2リーグ戦が発足。クラブ数 も増え、総入場者数の上乗せにつながった。  過去14年間の入場者数を振り返ると、その 推移に影響を及ぼした可能性のあるいくつか の要因が浮かび上がってくる。  特筆したいのは、99年のJ2発足時に加わ ったクラブである。7ページの年度別平均入 場者数推移の表によると、新潟、F C東京、 大分トリニータが、現在のJ1で平均入場者 数の上位にランクされており、また川崎フロ ンターレやヴァンフォーレ甲府をはじめ、す べてのクラブが飛躍的な伸びを示している。  これらのクラブがJリーグ参入を目指した のは98年以前。前述のように、入場者数が最 も落ち込んだ時期とほぼ一致する。それだけ に、クラブの覚悟、意欲には並々ならぬもの があったろう。「後発の強み」とも言えるが、 過去の事例をしっかりと研究し、ノウハウを 蓄積することの大切さが導き出される。  ただし、多くのクラブ関係者は「これをや ったから入場者数が増えた、という決定打は ない」と口をそろえる。入場者が増えた場合 でも、果たしてどの試みの成果なのかは、明 確には分からない。いずれにしろ、トライな しには何も生まれてこない。

観戦環境の改善

 2001年の入場者数増加は、2002FIFAワー ルドカップ用のスタジアムのオープンによる 影響が大きいとみられる。当時最新のスタジ アムが、ファン・サポーターの観戦環境を劇的 に改善した。例えば、スタンドが大きな屋根 におおわれ、雨の日でも快適な観戦が可能と なった。以前は雨ともなれば入場者数は減少 したが、それほど影響を受けなくなった。  最も顕著な例が新潟だ。当時はまだJ2の 所属だが、2000年に4,007人だった平均入場 者が01年には1万6659人に激増。実に4倍以上 の増加だ。鹿島アントラーズも1万7507人か ら2万2425人。浦和、コンサドーレ札幌もJ1 昇格の勢いと合わせ、1万人近く伸ばした。  もちろん、新設されたスタジアムをうまく 生かしたクラブの努力も忘れてはならない。 また、既存の施設でも、ホスピタリティーの 充実などソフト面の改善を図ることによって、 入場者数の増加は期待できるはずだ。魅力あ るチームをつくり、地域に密着した活動で人々 の心をとらえる努力も必要なのは、言うまで もないだろう。

地元意識を刺激する

 過去の事例の研究、観戦環境の改善に加え、 特定のカードが多数の入場者を安定して獲得 できるようになってきたことも、将来に向け ての明るい材料である。 「ダービーマッチ」と呼ばれる同じホーム タウンを持つチーム同士、ホームタウンが接 近しているチーム同士の試合は、地元意識を 刺激し、入場者の獲得につなげやすい。クラ ブもファン・サポーターも、最も地域密着を 体感する時間の一つだろう。  ダービーマッチが昨季の最多入場者数を記 録した例は、J1では、浦和とのさいたまダ ービーを戦った大宮アルディージャ、清水エ スパルスとジュビロ磐田がそれぞれホームで 開催した静岡ダービー2試合、そして大阪ダ ービーでガンバ大阪を迎えたセレッソ大阪で ある。J2ではモンテディオ山形がベガルタ 仙台との東北ダービーで最多入場者数を記録 した。  順位に関係なく、ダービーマッチに両クラブ のサポーターが熱くライバル意識を燃やす姿 が定着したのも14年間の成果の一つだろう。  また、アウェイで戦う浦和が、ホームチー ムの入場者数に深くかかわっている。昨年は 17チーム中、実に11チームが浦和戦でシーズ ン最多入場者数を記録した。魅力あふれるチ ームを生み出すことが「熱狂のスタジアム」 の創造につながり、入場者数増加を促すこと は間違いない。

プロスポーツの原点

 Jリーグは今季、「イレブンミリオン」 (1100万)の中期目標を発表した。4年後の 2010年シーズンまでに、J1、J2、Jリー グヤマザキナビスコカップなどの公式試合の 総入場者数を1100万人にするというものだ。 入場者数に定量的な目標を設定したJリーグ の取り組みとしては、初めてといってもいい。  すべてのプロスポーツの原点は、入場者の 獲得にある。多くの入場者を集めることで、 1993年に始まったJリーグは、すでに15年目のシーズンに入っている。生まれた子供が高校生になろうかという時期に当たり、さ まざまな経験を重ね、各方面でノウハウも蓄積されている。Jリーグの歩んできた道に多方面からスポットを当て、将来への指針 とするシリーズ。その第1回は、プロスポーツの原点ともいうべき「入場者数」だ。

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リポート

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入場料、放送権料、マーチャンダイジングな どの収入が増え、スポンサーバリューも上が る。クラブの増収は、魅力あるチームをつく るための原資となり、ファン・サポーターに 還元される。サポーターが「背番号12」と呼 ばれるのは、精神的な後押しだけでなく、経 済的なバックアップによってともにクラブを 支え、育てる仲間であるからに他ならない。  イレブンミリオンの達成に向けて、Jリー グは今後さまざまな施策を実施していく。一 つのクラブだけが突出していても、リーグの 健全な成長、発展は望めない。どうしたら、 新たなファンを開拓し、スタンドでの満足度 を高めることができるのか。31クラブが意見 を交わし、ノウハウを共有すべきテーマである。  もちろん、クラブにも「個」があり、それ ぞれ目標があるはずだ。多数の入場者を獲得 できるクラブが、上位で安定した成績を残す 傾向にあるにせよ、必ずしも規模が勝敗を決 めるわけではない点が、サッカーのおもしろ さであり、ロマンでもある。 3,235,750 3,235,750 17,976 5,173,817 5,173,817 19,598 6,159,691 6,159,691 16,922 3,204,807 3,204,807 13,353 2,755,698 2,755,698 10,131 3,666,496 3,666,496 11,982 3,625,222 2,798,005 11,658 827,217 4,596 3,996,373 2,655,553 11,065 1,340,820 6,095 5,477,137 3,971,415 16,548 1,505,722 5,703 5,734,607 3,928,215 16,368 1,806,392 6,842 6,248,414 4,164,229 17,351 2,084,185 7,895 6,455,867 4,551,695 18,965 1,904,172 7,213 7,717,573 5,742,233 18,765 1,975,340 7,482 7,596,056 3,235,750 5,173,817 6,159,691 3,204,807 2,755,698 3,666,496 2,798,005 2,655,553 3,971,415 3,928,215 4,164,229 4,551,695 5,742,233 5,597,408 5,597,408 18,292 17,976 19,598 13,353 10,131 11,982 11,658 16,548 16,368 17,351 18,965 18,765 18,292 1,998,648 827,217 1,340,820 1,505,722 1,806,392 2,084,185 1,904,172 1,975,340 1,998,648 6,406 4,596 6,095 5,703 6,842 7,895 7,213 7,482 6,406 10 J1チーム数 J1 J2 J2チーム数 総入場者数(J1+J2) 総入場者数 平均入場者数 総入場者数 平均入場者数 J2総入場者数 J1総入場者数 J2平均入場者数 J1平均入場者数 12 14 16 17 18 16 16 16 16 16 16 18 18 10 11 12 12 12 12 12 13 1993年度 1994年度 1995年度 1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 15,433 45,573 10,234 13,393 24,096 14,340 23,663 12,213 38,709 14,302 18,002 14,924 9,781 16,259 13,026 11,180 13,780 20,350 18,292 18,641 39,357 9,980 9,535 27,101 13,658 25,713 6,931 40,114 12,752 17,296 13,288 7,857 15,966 17,648 12,527 10,786 22,080 17,846 17,585 36,660 6,108 10,012 25,438 9,148 24,818 6,370 37,689 13,568 17,126 15,712 7,807 12,517 14,323 14,800 8,743 21,889 16,684 21,204 28,855 5,058 9,709 24,932 7,258 24,957 5,796 30,339 16,284 17,267 16,768 10,850 10,222 13,854 9,000 7,417 21,373 15,619 21,590 26,296 5,226 7,897 22,173 5,247 24,108 4,914 21,478 14,963 16,564 16,323 10,352 12,762 7,952 10,941 6,491 12,349 13,757 22,425 26,720 3,864 7,818 22,313 3,784 20,595 3,130 16,659 15,973 16,650 16,974 3,808 11,723 11,857 9,916 13,822 6,638 13,037 17,507 16,923 3,477 6,338 11,807 7,439 16,644 1,850 4,007 12,422 12,534 14,114 7,253 9,794 13,548 8,865 13,612 4,818 10,164 17,049 21,276 2,674 5,774 3,498 5,396 20,095 1,469 4,211 12,883 12,273 14,688 8,859 7,996 10,216 9,377 11,467 3,886 9,616 15,345 22,706 5,365 19,165 12,298 12,867 13,993 8,015 8,723 9,864 8,339 10,035 12,226 16,985 20,504 5,693 9,211 9,888 10,448 14,750 7,881 8,443 9,153 6,533 8,653 10,679 15,386 24,329 12,008 14,589 12,962 13,792 21,699 9,404 8,004 8,229 8,469 9,737 13,217 19,141 19,560 15,418 18,326 19,747 17,313 21,463 13,310 12,097 11,689 16,806 16,812 18,475 22,262 19,801 19,726 14,497 21,842 22,367 17,191 19,219 14,016 11,459 20,273 16,781 18,462 19,858 21,571 16,644 17,383 鹿島 浦和 大宮 千葉 F東京 川崎F 横浜FM 甲府 新潟 清水 磐田 名古屋 京都 G大阪 C大阪 広島 福岡 大分 …J1所属時の入場者数 …J2所属時の入場者数 18チーム平均 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 2004年度 2005年度 2006年度 0 1,000,000 2,000,000 5,000 0 10,000 15,000 20,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000 7,000,000 8,000,000 (人) (人) (年度)

【Jリーグ全体入場者数推移】

【年度別平均入場者数推移】

2006年

J1

所属クラブ  10,478 14,453 5,085 3,017 3,736 8,328 5,705 5,119 5,365 6,910 3,477 4,139 7,465 6,406 11,133 15,934 5,949 3,334 3,959 12,492 14,716 5,938 5,746 14,913 4,366 7,855 8,861 9,466 16,198 6,420 3,773 10,513 15,059 4,219 4,691 15,735 3,610 8,968 10,766 21,708 4,370 3,085 10,873 17,563 3,743 4,731 11,195 3,172 9,121 19,140 21,862 3,755 2,739 11,314 15,128 3,477 4,551 10,467 3,890 9,632 22,228 14,011 4,391 1,559 12,477 19,396 3,007 4,112 13,872 3,479 9,853 12,910 8,885 3,468 2,021 10,037 7,609 4,968 7,512 3,714 6,792 10,986 7,470 2,980 10,122 9,379 7,388 7,691 3,385 7,425 11,953 9,932 13,338 10,158 7,686 10,613 8,664 10,933 7,841 6,567 8,501 13,033 17,653 10,483 13,723 16,102 20,834 16,111 17,682 24,926 17,836 21,381 25,235 25,235 札幌 仙台 山形 水戸 草津 柏 東京V 横浜FC 湘南 神戸 徳島 愛媛 鳥栖 …J1所属時の入場者数 …J2所属時の入場者数 13チーム平均 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 2004年度 2005年度 2006年度

2006年

J2

所属クラブ  16,922 11,065

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リーグ戦、ヤマザキナビスコカップ

が開幕、アジアの大会も始まる

 2007ゼロックス スーパーカップ(2月24日) で幕を開けた2007年のJリーグシーズンは3 月3日、J1リーグ戦、J2リーグ戦がともに 開幕。約9カ月間に及ぶ長い戦いの火ぶたを 切った。また7日には浦和レッズ、川崎フロ ンターレの2チームが出場するAFCチャンピ オンズリーグの予選リーグがスタートし、ア ジアの王座を目指す戦いもキックオフ。さら に、21日には2007Jリーグヤマザキナビスコ カップの予選リーグも始まり、Jリーグを中 心にサッカーシーンは早くも熱を帯びている。  キックオフ前の多彩なアトラクションで開 幕ムードを盛り上げたリーグ戦は、J1、J2 とも3月18日に第3節を終えた。J1で好発進 を見せたのは、昨季7位の名古屋グランパス エイト。3連勝、無失点のすばらしい滑り出 しだ。「超攻撃」のスローガンを掲げ、王座 奪還を目指すガンバ大阪も同様に3連勝、無 失点の安定した戦いぶり。昨季優勝の浦和、 同2位の川崎Fも手堅く勝点を積み重ね、J2 から昇格の横浜FC、柏レイソル、ヴィッセル 神戸も第3節までに勝利を手にした。  J2では、大型補強でJ1復帰への並々なら ぬ意欲を示した東京ヴェルディ1969が好 調な出足。ベガルタ仙台、コンサドーレ札幌 がこれを追う。AFCチャンピオンズリーグは 浦和、川崎Fとも3月21日までに2試合を終え、 1勝1分けと順調なスタートを切った。  開幕早々、Jリーグはすべての試合が熱気 に包まれ、緊迫感と興奮に満ちたプレーを繰 り広げている。「熱狂のスタジアム」にぜひ 足を運び、サッカーの醍醐味と感動に触れて いただきたい。 リーグ戦

J1

チャンピオンズリーグ

AFC

リーグ戦

J2

名古屋は第3節、新潟を2−0と破り、11年ぶりとなる開幕からの3連勝。この時点でG大阪を得失 点差で抑え、首位に立った。左は名古屋の本田、右は新潟のシルビーニョ 浦和はホームで行われた第1戦に3−0の勝利を収め、アジア王 座に向けて好スタート。小野(右)もミドルシュートでチームの 3点目を決めた。川崎Fもアウェイのインドネシアで快勝した 2連勝と好調の仙台、東京Vが第3節で対決し、2−2の引き分け。 東京Vのフッキ(右)は3試合連続得点と攻撃をリード 3月3日はキックオフ前のさまざまなアトラクションが、開幕戦の雰囲気を盛り上げた。味の素スタジ アム(左)と京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(右)

On The Pitch

オン・ザ・ピッチ

参照

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