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カキ果実の生長, 品質に及ぼす温度の影響 II. 果実の肥大期における昼夜温処理-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

カキ果実の生長,品質に及ぼす温度の影響

Ⅱ 果実の肥大期における昼夜温処理

中粂 利明,橋本 忠幸,葦毒筆 正義

Ⅰ緒 前報(1)ではカキ‘富有’種の果実の肥大期における温度処理が果実の肥大をらびに品質に及ぼす影響をみた.その 結果,成熟した果実の形質は,夜温処理では250Cで,昼夜の恒温処理では200Cで最もすぐれ,両処理とも300Cで 最も劣った. 本実験では果実の肥大の旺盛を6月下旬∼8月上旬の間の昼夜温の組合せ処理が果実の肥大,可溶性タンニン物質 の含盈ならびに成熟果の品質に及ぼす影響を観察した. ⅠⅠ実験材料および方法 直径30cmの素焼鉢に壌土でもって植え.られた3年生の‘富有’種の着果樹を1970年6月22日から8月6日までの 45馴乱150,200,25OCのファイトトロンおよび30OCのコイトトロンを用いて,昼間(6arm”一′6p・m=)と夜間 (6p.m,.∼6am小)にそれぞれの昼一夜塩を組合せた処理を行なった.温度処理終了後は樹体を野外の自然条件のもとで 果実の成熟期まで管理した‖ 供試樹数は各区2樹宛として,1樹当りの着果数は葉菜比を20として,8発とした. 果実の肥大塵は各樹ともに生育中庸を4果を選び,横径を1週間おきに測定した.処理終了後の果実の肥大はその 中の2果について成熟期まで調査した 温度処理終了時(8月6日)に果実を採取して,重畳,果径および品質を調査した.可溶性固形物含盈は屈折糖度 計で,糖含盈はSomogyi法で,可溶性タンニン物質の含盈は北川(5)の方法によって調べた.14Cの果実の糖区分中 への転流は前報(1)と同様にして,8月2日に14CO2をとり込ませ,2日後に果実を採取して14C比を調べた. ⅠⅠⅠ実 験 結 果 1.果実の肥大 温度処理期間中における果実の横径の肥大虫は第1図のとおりである.すなわち,果実の肥大は,処理開始後4週 日頃から緩慢となった300−300C区以外では,すべて直線的に肥大した.温度処理終了時における果実の重盛および 容敬(肥大指数)は第1表のとおりで,250−250C区で最もすぐれ,ついで,250−200C区または150−300C区であ り,150−200C区,150−150C区,150−250C区および300−300C区でいちじるしく劣った.結局,果実の肥大は昼夜 とも250Cで最もすぐれ,昼夜の気温較差は必ずしも蛮要でなかった..果形指数をみると各昼温処理とも高い夜温で ほど縦径の肥大がすぐれて腰高果とをった. 2.果実の品質 温度処理終了時における果実の可溶性タンニン物質および糖含盈は第2表のとおりである.すをわち,果汁中の可 溶性タンニン物質の含盈は各昼温処理とも夜温が高くなるほどいちじるしく減少した.そこで,1日の昼夜の平均温 度との関係をみると第2図のとおりで,両者の間に高い負の相関関係(r’=−0・891)が認められた. 全糖含盈は200一200C区で最もすぐれ,ついで,250−200C区および250−150C区の順とをり,その中の非遮元糖(農 糖)の含量割合は昼温200Cおよび250Cの組合せ区で多くなった. 14Cの果実の糖区分への転流の様相を昼夜恒温区について調べた結果は第3表のとおりである.すをわち,8月上 旬におけるカキ果実の糖の組成は薦糠およびブドウ糖で構成されており,果糖は検出されをかったu14Cの大部分は 薦糖にとり込まれて,温度の相違の影響が明らかでなかったハ

(2)

0 0 1 2 ︵喜︶h望むE再叫p︶憲一h 6.20 267.21017 24 318“66.20 267.21017 24 318.6 ︵E∈︶岩石∈再州pだnJh 6.20 267.21017 24 318.66り20 267.21017 24 318.6 Date Date Fig.1.Fruitgrowthasa鮎ctedbydayandnighttemperatresatstageoffiuitenlargementofFuyuKaki Tablel… FruitgrowthasaHtctedbydayandnighttemperaturesatthcstageof−fhlitcnlargementof

Fuyu Kaki

Volume index Fruit diamcter

T謡芯;e weightofhuit

Tra

Longi.

(TIanS・×Longi・)

T/LTatio

OC 15−15 20 25 30 m88940159 Cも45。5 g 48.4(59ハ5) 485(59.6) 52.8(64‖9) 76‘9(941・5) 6775 6672 1▲l12 ■hJ799 990L l122 4364 6680 3334 6213 3444 ︻nJ555 QJ610 8126 7887 7489 3661 6666 20−15 20 25 30 037一hJ 233▲−▲ 2222 8613 9011 3444▲ ウJ一.J71 ■hJ772 EJ5⊂﹂︰こJ カ .4“ 0709 9917 3340 3915 7786 25−15 20 25 30 nO659 9907 11りーl 0543 7786 3333 6352 ︵J239 55■hJ4 lイ ー一︶ヽl■′ 9q二′0 7515 7786 ′−.ヽ︵./■ヽ′・−.ヽ 4−6EJ9 3162 6665 30−15 20 25 30 PeriodoftIeatment:.June22toAugust6・ Harvesttime:August6.

Figuresinparenthesesindicatepercentbasedonfiuitweightof250−250C

(3)

Table2..Fruitqualityasa鮎ctedbydayandnighttemperaturesatthestageoffiuitenlargementof

Fuyu Kaki

Soluble Reducing Non−reduc・ Total

tannln SugaT SugaI SugaI

substance content contcnt COntent

TempeIatuIe WateI Sle

Day−Night content content

% 4.225 4り3.50 3小9′7。5 2…975 7297 %.83816653 0 α 0 0 886nO %.38533043 3 3 ウJ 2 111l* 8 0U 8 6 %〇.L 97. 2 8 9 9

%H”椚M

OU 8 8 9 OC l5−15 20 25 30 3 2 6 4 −♭ 7 8 ワー 3 3 2 2 3い725 4.. 500 4.12う 3.163 ︻hJ 2 ︻hJ 4 2 1 7 9 ウー 8 5 8 ■L−1 1 0 0 8 0 9 0 8 5 6 5 6 5 2 2 2 2 2 2 5 2 9 ︻J 9 6 1 2 2 2 2 8 8 2 6 8 1 〇一7 3 7 8 9 3 0 3 う 7,∴ 8.〇. nO 8 8 9 20−15 20 25 30 4り375 4.375 4..2∫75 3‖77.5 6 7 0 0 5 3 5 5 9 8 7 5 1 1 1 1 2..419 2.538 2..525 222,5 6 9 9 5 7 2 2 .1 2 2 2 2 .4 8 8 6 0 0 0 9 0 9 4 2 ︻J 5 0 6 7 nO OU nO 8 8 8 0U 25−15 20 25 30 0.980 3.375 1,000 3。425 l013 3638 1い113 3一.338 nO 5 5 5 8 2 2 2 3 4 4 2 2 2 2 2 6 6 6 2 nO 9 9 4 4 6 0 0 8 8 9 9 2 8 7 2 q〟 q”▲ソ 9 9 8 9 9 8 9 8 8 30−15 20 25 30

Periodoftreatment:June22toAugust6

Harvesttime:August6 *:mloLO.05NKMnO4requriedtotitarationofsoluble、tanninsubstancepFrmljuice γ=−0.891 Pく0.00l ︵−長一〇ul、占滅Z窒.〇S応召3u。U u壱亡霊むlづl。S 20 25 30

Daily mean temperature(℃) 15

(4)

COnStanttemperatureSthroughoutdayandnight

Temperature

Day−Night SucIOSe Glucose

OC! cpm % cpm %凱 24一9. 6608 15−1.5 11.0∈‡×108 904 1.18×108 20−20 11‖1」7 25−25 9.65 30−30 12.57 87り4 1.61 86‖0 1.56 90,2 1.37 Dayof14CO2Supplied:August2小 Harvesttime:August4l 3.温度処理後の果実の肥大ならびに成熟果の形質 温度処理終了時の8月6日から成熟期の11月25日までの間における果実の肥大は第3図のとおりである.すをわち, 温度処理後の横径の肥大は200−150C区でいちじるしくすぐれ,ついで,200−200C区となり,昼温150Cの組合せ区 を除いた他の昼温の組合せ区では,概して,夜温の低い150Cですぐれ,高い300Cで劣る傾向がみられた.そこで, 温度処理期間中の1日の平均温度との関係をみると第4図のとおりで,両者の間には高い負の相関関係(Ⅰ=−0」8別) が認められた. Day temp.15℃ ︵jこ貴幸遥遠nLh 8.6209.1110.21611.625 8.6209.1110.21611.625 0 0

苛町境ほ岩柳眉”室招葛

0 40 ) 20 1 4 30 20 10 0 ︵∈∈ h3む∈d叫pだ己h 貞■.(汚69.1110.21611.■625 Date Fig.3.Enlargementofthefhitdiameterafter 8.6209.1110.21611.625 Date thetreatmentasa鮪ctedbydayandnight

temperaturesatthestageoffiuitenlargementofFuyuKaki

(5)

γ=血0.824 P<0.001 5 0 5 3 2 3 ︵弓点h忍由声霊p︸叫己=0盲賞品h再l占 0 15

20

25 30

Daily mean temperature(℃)

Fig・4… Relationbetweentheenlargementoffiuitdiameterkeptunder丘eldconditionfiomtheendof

treatmenttomaturltyanddailymeantemperatureofthetrcatedperiod

Table4.FruitqualityatthematurltyaSa鮎ctedbydayandnighttemperaturesduringthestageof

丘uitenlargementofFuyuKaki Color Soluble or solid 丘uit content Volume index (Longi.×TranS.)

Temperature Weig玩

Fruitdiameter

of I.ongi. TIanS・ fi.uit Day−Night ・8 %77・9”” 1 1 1 1 HりC.C ll OC 15−15 20 25 30 m10263451 C 8り 8 8 8 m42659320 C L 5 5 6 7 8 0 仁J ダ0 1 2 4 6 2 2 2 2 4 ■〇 4 5 9 7 5 8 3 6 9 2 5 5 1 3 2 8 7 2 6 6 6 7 7︰ l l l l 5 3 2 0J 2 1 1 1 1 0 、1 〇 3 8 6 4 9 5 5 5 4

5 9 4 0 8−J 7 4 8 8 8 8

5 8 8 7 5 ︵J l OO 6 6 6 5 8 7 2 4 1 0 8 4 3 3 2 2 20−15 20 25 30 9 qノー/ 9 6−よ ■よ ▲亀 5 ︻hJ 2 1 3 2 1 1 1 1 .ヰー■′ 6 7 L OJ 1 9 5 こJ 5 3 4 4 0 6 7 6 1J QJ 8 nO 8 7 ′882237朝 5 6 6−ュ 9 6 6 9 6 7 3 0U 2 2 2 1 25−l5 20 25 30 6 6 4 0 4 4 4 ■hJ ︻hJ EJ 2 1 L 2 り心 う 4 0J l▲ 3 1 6 5 こJ 4 QJ 0 6 7−L〇 1 4 ︻つ ∩” 8 0U 7 7 2 2 7 5 β 8 ﹂T 1 6 6−hJ 5 2 7 0 1 3 6 9 ⊂J 2 2 1 1 ■hJ O 5 0 1 2 2 3 0 3 Periodoftreatment:June22toAugust6・ Harvesttime:November25.

(6)

250−300C区および300−300C区でいちじるしく小声かった.可溶性固形物含量は処理温度の低い区でほど高い傾向が みられた.そこで,成熟果の果重および句■溶性固形物含盈と温度処理期間中の1日め率均温度との関係をみると第5, 6図のとおりで,両者の間には,それぞれ高い負の相関関係(r=−0・918),(r=−0・903)が認められた 0 ム

△ 8

0 0

γ=−0.918 P<0.001 0 0 0 5 2 2 ︵如こ⋮nJ−ち︸竜笛き

15

20

25

30

Daily mean temperature(℃)

Fig。5.RelationbetweenweightoffiuitatthematurltyanddailymeantemperatuIeOftreatedperiod・ γ=一−0.903

0 P<0・001

︵箪〓盲至喜p〓OSむtqn︻◇S 15

15

20

25

30

Daily mean temperature(℃)

Fig…6.RelationbetweensolublesolidcontentoffiuitjuiceatthematurItyanddaily

(7)

果実の着色は各区ともに十分な朱色の発現がみられてほとんど差がをかった. 結局,6月下旬∼8月上旬の間の昼夜の温度条件がその期間中の果実の肥大ばかりでをく,その後の果実の肥大を らびに成熟果の形質にまで後作用を及ぼすことが認められた. ⅠⅤ 考 察 温度処理終了時の果実の大きさ(第1図,第1表)は,250−250C区,250−200C区で大きく,昼夜の気温較差ある いは昼温>夜温であることは必ずしも重要でなかったい それらの区の昼夜温を平均すると200C∼250(】の範囲にあ り,それよりも高温でも,また低温でも果実の肥大が劣ったことから,カキ果実の肥大期における果実肥大の好適温 度は200C∼250Cの間にあると考えられ,ブドウ(¢,7・8・9)ぉよび温州ミカン(8・11)の果実肥大の好適温度と一徹する. つぎに,昼夜の平均温度が同じて,昼温>夜温と昼温<夜温との場合の果実の形質をみると第5表のとおりで,果 実の重畳は20◇Cと150C,250Cと150C,250Cと20◇Cおよび300Cと250Cの組合せでは昼温>夜塩ですぐれ,小 林ら(8,9)のブドウ,温州ミカンの結果と一・致した−しかし,300Cと150Cの組合せでは昼温<夜温ですぐれた.こ の昼温<夜温で果実の肥大がすぐれる傾向は昼温150Cの組合せにおいてみられ,夜温が高いほど果実の肥大がすぐ れ,とくに,150−300C区でいちじるしかった. Table5。CompaTisonsofgrowthandqualityofthefiuitbetweenthetwo

kinds of temperature combinations of the same daily mean

temperature

Temperature MTeight Soluble Soluble

of■ solid tannln

Day−Night fiuit contcnt content

Total SugaI COntent OC g % 20−15 63n7 8−8 ユ5−20 4臥5 1l.8 ml % 2.72 3..725 3.72 4.350 25⊥15 73.3 10い4 15−25 52.8 9.8 2.76 4.375 2.86 3..975 25−20 79,3 10い8 20−25 66.8 10い2 2…29 4いS75 2り62 4…125 30−15 634 8‖4 1い86 3.375 15−30 8016 7.6 2,.24 2ハ975 1.96 3.425 2.19 3.163 30−20 61.8 臥6 20−30 61.9 7…6 1.96 3。375 2nl5 2。975 30−25 66り5 9い0 25−30 65.0 9‖6 甘ガキを秋冷の早い地域で栽培すると果実の脱渋が困難になったり,たとえ脱渋しても着色や甘味が劣る($・り0,用 といわれているが,この点についての実験的成絞はをい. 温度処理終了時の果汁申の可簡性タこ/こン物質の含盈と昼夜の平均温度との間の相関関係(第3図)は(r=−0り891) とをり,処理温度が高いほど,その不溶化を促進して脱渋を容易にするようである. 可■溶性タンニン物質の含意に及ぼす同じ平均温度における昼温>夜温と昼温<夜温との影響(第5表)を此軟する と,可溶性タンニン物質の舎監は,いずれも昼温く夜温の場合よりも昼温>夜温の場合で減少しており,可溶性タン ニン物質の不溶化,または,脱渋に対して夜温よりも昼温がより効果的に作用すると考えられる. 本実験における果実の可溶性固形物含量および全糖含盈に及ぼす昼夜温の影響は,果実がまだ幼果であるためにそ れらの舎監が少ないので,成熟期における昼夜温処理(2)ほど顕著でなかった.経じて,果実の肥大のすぐれた区でわ

(8)

も昼温>夜温の場合で高くなるようである. 果実の糖区分中への14Cのとり込みに及ぼす温度の影響(第3表)は明らかでなく,各区ともに14Cの大部分が簾 糖中にとり込まれ,前報(1)の結果と相違した 温度処理後の果実の肥大(第3図)は,8月6日に果実を採取したために残存来の葉菜比の増加を無視することは できないが,200−150C区,200−20◇C区では9月上旬までの野外の高温条件(第6表)にもかかわらず,成熟期まで 直線的な肥大を続けて,果実の生長の緩慢化(生長第Ⅱ期)が明らかでをかった.これに対して,昼温250Cおよび 300Cを組合せた場合ではそれがみられ,とくに,250−250C区,250−300C区,300−250C区およぴ300−300C区でい ちじるしく,その後の肥大も劣った..この結果から,カキ果実の生長の緩慢化(生長第Ⅱ期)は6月′}8月上旬の幼 来期における高温条件によってもたらされると考えられ,しかも,成熟期における果実の形質(第4表,第4,5, 6図)にまで後作用を及ぼすことが認められた.

Table6.AveragetempcraturesintheperiodoftendaysfiomAugustto

November

入Iean MムⅩimum h4inimum

OC OC 331 257 30…6 24−1 31.7 2,5.1 3l..8 23.2 29,5 22.3 25.5 20,5 24…2 1.5.1 22い8 1.5.3 20.9 9〃9 18、9 7.0 16.4 7い3 14フ 7..2 OC

Aug

1−10 29・2 11−・20 27り1 2ト31 28‖1 Sept。 ト10 27l3 ‖了20 25.5 2ト30 22。4 1−10 19い4 11−20 18.7 21−31 15巾3 1−10 12い6 11−20 12.2 2ト30 11,0 Octり Novい 結局,果実の肥大および品質の点から総合的にみて,6月下旬から8月上旬の間の温度条件は昼夜とも200C∼250 Cの範囲の温度が好適であり,それらの温度では果実の脱渋が300Cの場合よりもゃや遅れるが,8月∼9月上旬の 高温条件のもとで十分に完了すると考えられるい Ⅴ 摘 要 1.カキ‘富有’種の果実の肥大期(6月下旬∼8月上旬)の間に3年生の着果樹を用いて,環境制御温室におけ る昼夜温の組合せ処理が果実の生長ならびに品質に及ぼす影響を観察した.すをわち,150,200,250,および300C の環境制御温室に昼夜温それぞれ組合せた16区の温度処理を行をった.温度処理終了後は樹体を野外の自然条件の もとにおいた. 2.温度処理終了時における果実の容顧および重畳は250−250C区および250−200C区でいちじるしぐすぐれ, 150−200C区,15◇−150C区および300−300C区ではなはだしく劣った.このことは,200C∼250Cの温度が果実の肥 大を促し,150Cの低温,また吼300Cの高温は果実の肥大をいちじるしく抑制することを示している. 3.果汁の可溶性タンニン含盈は昼夜の平均温度が高くなるにつれていちじるしく減少し,両者の間に負の高い相 関関係(r=−0.891)がみられた. 4.温度処理終了後の果実の肥大および成熟果の重患,可溶性固形物食塩と温度処理期間中の昼夜の平均温度 (150C∼300C)との間に高い相関があり,それぞれ負の高い相関関係(T=−Ol824,−0・918,−0・903)がみられた.

(9)

引 用 文 献 (1)中条利明,片岡正治,山内 勧,聾澤正義:カ キ果実の生長,品質に及ぼす温度の影響(第1 報)果実の肥大期における温度処理,園学雑, 41,339−343(1972)い (2)中条利明,橋本忠幸:富有力キの朱色に関する 研究(第10報)果実の生長第ⅠⅠⅠ期の昼夜温が 果実の生長,品質に及ぼす影響,園芸学会昭和 46年秋季大会研究発表要旨,44−45(1971). (3)石原三−・:柿の栽培技術,12−13,東京,朝倉 沓店(1940). (4)木村光雄:柿編,1ト12,東京,養賢堂(1952). (5)北川博敏:カキの脱渋および貯蔵に関する研究 (第5報)温湯脱渋中に生ずるアセトアルデヒ ドと渋味消失との関係,園学雑,37,379−382 (1968). (6)KoBAYASHI,A‖,T…FuKUSHIMA,N.NII,and K.HARADA,:Studies on the thermalcon− ditionsofgrapesIV.E鮎ctofdayand night

temperaturesonyieldandqualityofDelaware

grapes,、わαr・.Ji砂∴弘c‖助γf..&∠い,36,373−379 (1967).

(7)+

,H.YuKINAGA,T.FtJKUSHIMA,N.

NII,and K小HARADA:E鮎cts ofday and

night temperaturesonthe berryset,grOWth

andqualityofDelawaregrapes,Mem.Res.b2St.

ヱもod&去.耳γ0わび乃≠肌,28,35−46(1967).

,N“NIT,K,HARADA,and K KA− DOWAKI,:Favorable day and night tem−

peraturecombinationfbrthefruitgrowthof

DelawaregrapeSand Satsuma orange,Jbur

流砂∴弘c肋rfい励よ\,37,199−204(1968).

+ ,and+,.

Efiectofdifference of temperature between

dayandnightontheberrygrowthofDelaware

grapes,Mem.Coll一AgrIi.Rb,OtOUni’v…,93,37−42 (1968). (8) (9) (10)小林 章:果樹の良品生産技術,238−241,東京, 誠文堂新光社(1968). (11)新居直祐,原田公平,門脇邦泰:温度が温州ミ カンの果実の肥大ならびに品質に及ぼす影響, 関学雑,39,309−317(1970)巾 (12)傍島幸次:柿,4,東京,朝倉書店(1959).

EFFECT OF TEMPERATURE ON THE GROWTH AND

QUALITY OF KAKI FRUIT

II・・OntheDay and NightTemperature Treatment Duringthe Stage of

FruitEnlargement

ToshiakiCHVTO)TadayukiHASHIMOTOandMasayoshiAsHIZAWA

Stlmmary

l・E飴ctsofdayandnighttemperaturecombinationonthegrowthandqualityofKaki

丘uits(cultivar,Fuyu)werestudiedwith3−year−01dbearingtreeskeptinthecontrolledenvir・On−

mentchamberduringthestageOffi}uitenlargement・Thatis,dayandnighttemperaturesof

150,200,250,and300CwerecombinedwithoneanotherfiomlateJunetoearlyAugustand

afterthetreatmentthetreeswereplacedundernaturalfieldcondition

2い Volumeandweightofafiuitattheendofthetreatmentwereverysuperiorinthecom−

binationsofdayandnighttemperaturessuchas25O−250Cand250−200C,andveryinfらriorin

thoseof’150−20OC,15O−150Cand300−300C… ThissuggeStSthatthetemperatureof20OC”250C

PrOmOteSthefiuitgrowthgreatly)Whilethetemperatureaslowas150Corashighas300Cretards

itmarkedly

3小 Thesoluble tannincontentofthe丘uitjuicedecreasedgreatlywithrisingdailymean

temperature(averageOfdayandnight)丘om150Cto300C,Showingthecorrelationco用cient of■ −0.891.

(10)

4r.Fruitdiameter,Weightofafiuitand thesolublesolidcontentofthe fiuitJulCe atthe

maturity(Nov・25)correlatedhigh1ywiththedailymeantemperatureofthetreatedperiod,

showingthecorrelationco凪cientsof.−0“824)−0・918)and−Ol903〉reSpeCtively

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