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池泥の固結防止に関する研究-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川大学農学部学術報告

池泥の国籍防止に閑サる研究

玉 置 鷹 彦,梅 田

裕,重 見

宏 12 池泥は乾燥すると固結する性質が著しいu このことは池泥を客土材料としてこ利用する場合,殊に畑や果樹園では客 入後土壌によくまぜるためにはこれを細かくくだくことが必要がある‖したがってこのため農作業上多くの時間と労 力を要し,またこの固結により池泥中の肥料分が土壌水に溶出し難くなることから,池泥の肥効がよく現われ難い原 因にもなっているい このような池泥がもっている客土材としての欠点を改善する目的でこの実験を行った・・なおこの 研究にあたり実験上種々協力を得た宇部興産株軍会社笹感謝する Ⅰ実 験 内 容 1..崩壊率測定装置 土壌の乾燥による固結程度を判定するに・は,緊硬度や破砕嘩摩を測定する方法もあるが,この研究では崩壊度を測 定する方法(1)に準じて,第1図の装置を考案したすなわち供試料の成形は内径5cm,高さ4cmのステ−ソレス製 円筒Aを長さ約10cmのステ−・/レス製成形柱Cをもつ底板Bへネジによってほめこみ,これに・よって行う”DはB 上の成形供試料を成形柱Cによりけん垂する鉄製支持棒で,支柱Eにそっでネジの開閉により上下に移動させること ができる

Fほステ−∵/レス製平板で水をいれたど−・カーの支持台であり,ジャツキG上にネジ止めして支えられて

い去.ジャッキGほ′、ソドル1回転で約2mm上下方向に移動する 2り 崩壊率の測定 第1図の円筒Aと成形柱Cを底板Bに・装着し,水を加 えて含水最を30%とした供試料を円筒Aにみたして供試 料を成形後800cでユ時間乾燥する.この乾燥温度なら びに時間は予備試験において最適と認められた条件であ るい供試料乾燥後円筒Aをとりはずす.この場合乾燥に よる供試料の収縮がおこるので,このため成形柱Cに装 着した底板Bが成形供試料の水中での崩壊落下を妨げ実 験に誤差を生じ易い..これを防止する目的で底板Bを直 径が1cm小さいすなわち直径4cmの底板B′にとりか え,これを成形柱Cに装着した後杵屋し,風袋重を除き 供試料全垂を求める.成形柱Cとこれらの底板B,B′は ネジ込み式になっている.底板B′上の成形供試料を成形 柱Cにより支持棒Dへネジで固定し,ジャッキGのハン ドルを回転し,支持台F上に静際して約200mlの水をみ たした300ml容のど・−カ−・を静かに・もち上げ底板B′の底 部より成形供試料を水中に浸潰し,供試料の上面が水中 に没す−る点でジャソキの操作を停止する.20分後ジャッ l←5(m→l l←5。‖−→l l←4。川−一朝 i 】 第1図 崩壊率測定装置 キGを・操作してど−カ岬をもとの位置に下げ,崩壊して ど・−か−の底部に沈積した供試料を集め,大部分の水を傾しゃ除去し残物を恒量を得るまで800cで乾燥し,秤量し て崩壊盈を求める.供試料全藍にたいする崩壊患の百分比を求めて崩壊率とする 3..供試土壌その他 供試土壌は1962年4月下記の地点より採取し,2mm飾で鯨別した風乾畑土を用いた 花崗岩土A;香川県木田郡三木町井上,畑表土 花崗岩土B;香川県木田郡三木町山乱香川大学段学部傾斜地農場覿肥料畑表土 安山岩土;高松市前田東叩高田,蕃山雑木林下の表土

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13 第15巻第1号(1963) 洪積土;香川県木田郡三木町井上,松林下の表土 以上の供試土壌のASK法による淘汰分析結果を弟1表にしめす巾 また旭泥(T−Nl..10%)ほ1959年6 月25日香川県木由郡三木町山田にある国 下地より採取し,風乾後2mm館七締別 した細土を用い,パーライ′トは最も粒径 の小さいⅠ型を使用した Ⅱ 実験結果および考察 崩壊率に閲し池泥加用土の結果を第2 表に∵ベントナイト力日用土の結果を第3表 に,パーライトカロ用土の結果を第4表 に,/く−・ライト ,池泥加用土の場合を第 5表にしめす この実験では800cで乾燥した成形試 料の水分を定良していないので,4種の 土壌相互間の試験結果を比較することほ 困難であるが,以下各表にしめした各土 壌の崩壊率について考察するなお各表 の崩壊率はそれぞれ5回測定を行った結 果の算術平均値である‖ 第2表より池 泥無加用の標準区/でほ洪積土の崩壊率が 36.80%で最も低く,花崗岩土Bが62・38 %でこれにづぎ,花崗岩土Aと安山岩土 はともに89%台で成形土壌の大部分が20 分間水中に浸潰することで崩壊してしま う.これらの土壌に.その重畳の1,3, 5%相当の池泥を加えた場合花崗岩土A は池泥1%加用で崩壊率が盟.43%と著 しく低下し,他派3%,5%加用の場合 は殆んど崩壊をしめさない∴また安山岩 土,洪債土でほ池泥3%加用でその崩壊 率は同様に低下する.しかし花崗岩土B ほ池泥5%加用で崩壊率が無加用の場合 の約刃…2%である.これほ第1表にしめ すようにこの土壌の土性が徴砂に富み粘 土との合是が37,60%と4点の試供土壌 中最も多くこの種の土粒と有機物に・とむ 池泥粒子とが乾燥により結合する状態 が,水中での崩壊性に密接な関係がある ことによるものと考えられる‖ 以上より これら4種の土壌は池泥の添加義が増加 第1表 供試土壌の淘汰分析結果 (原士ヒ100分中) 第2表 地泥加用土の崩壊率 第3表 ベントナイト力口用土の崩壊率 第4表 パ−・ライ川口用土の崩壊率 *印は′く−ライトグリ−ソ使用 第5表 地泥,パーライト加用土の崩壊率 するにしたがって,乾燥忙よる固結カが増大し,その崩壊率は減少することが認められる 第3表より供試土壌にその蚤盈の5,10,15%相当のベントナイトを加えた場合花崗岩土Aほベントナイt5ノ%和 用で崩壊率が13.32%と標準区隠比較して著しく低下し,10,15%加用ではそれぞれ0.76%,′Ou33%と殆んど崩壊し

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香川大学農学部学術報告 14 ないくらい固結するなおこの標準区の数億ほ各供試土壌とも第1表標準区の数値を再録したもので,これほ第4, 5表の標準区の場合も同様である..花崗岩土Bの場合はベントナイト5%加用の場合崩壊率は54..57%と標準区濫比 較してやや低下するが,ベントナイトを10%以上加用するとその低下が著しくなるまた安山岩土ほベントナイト5 %加用の場合の崩壊率の低下ほ37.79%と標準区のそれの半ば以下忙・なり,ベントナイ川口用盈が10%,15%になる とその崩壊率は著しく低下する。.しかしこの傾向ほ花崗岩土Aの場合ほどは著しくない.洪積土の場合も数値ほ異な るが,ベントナイト加用により安山岩士の場合と似かよった崩壊率の低下をしめしている・ しかしこれから第3表の崩壊率の変化を第2表にかかげた池泥の場合のそれらに比較すると,池泥は添加急がベン トナイトに此較してかなり少ないが乾燥による供試土壌の固結化に極めて著しい影響をおよばして小ることが知られ る。.第4表より供試土壁にその重義の1,3,5%相当の/く−うイトを加えた場合1%加用土壊の崩壊率の増大ほ各 供試土壌とも明らかでないが,3%加用の場合ほ安山岩土を除く他の3点の供試土壌ではいずれも標準区のそれより 大きく,5%加用の場合は花崗岩土A93..50%,花崗岩土B軋92%,安土岩土92.47%,洪積土95.00%と更に・この傾 向が著しくなることが認められる.第5表より供試土壌粧その蛮晶の2%相当のパ−ライトと池泥1,3,5%をそ れぞれ加え.た場合の崩壊率は花崗岩土Aは池泥1%加用で55.59%と標準区のそれよりかなり低下し,池泥3%およ び5%加用区は崩壊率が0をしめした花崗岩土B,安山岩土,洪積土についてこも池泥3%,5%加用区はいずれも 標準区より崩壊率が著しく低下するまたこれを第2表に.しめした同島の池泥のみ.を加用した場合の崩壊率と比較す るならば,池泥1%加用の場合花崗岩士Aを除き他の供試士ほいずれもパー・ラ イナの併用によって崩壊率の低下する ことが緩和されており,これほ安山岩士の場合にほ池泥添加量が3%あるいほ5%の場合に・も認められるしかし池 泥添加盈が増加する場合にはいずれの土壌もパ−ライト添加盈が2%程度では池泥の乾燥による固結カを著しく緩和 することほ困難である‖ Ⅲ 摘 要 池泥の間結化を防止する目的で2種の花崗岩土(花崗岩土AおよびB),安山岩土,洪積土計4点の土壌を用い, これに.ベントナイト池泥,/く−・ライトを加用して800c,1時間乾燥後の崩壊率を測定しつぎの結果を得た・ (1)供試土壁に池泥を1,3,5%添加する場合池泥の加用急が増加するに・したがって土壌ほ乾燥に・より崩壊率が 減少サーる. 但)供試土壌にべソトナイトを5,10,15%添加する場合も池泥と同様の傾向をしめすしかしその加用量からベ ントナイトの加用が崩壊率を低下する作用に.比較して池泥のそれは著しく大きい‖ (8)供試土壌にパーライトを1,3,5%添加する場合/く−・ライトの加用急が増加するに・したがって土壌の崩壊率 ほ増大する. 佐)供試土嚢ほ池泥加用により崩壊率の低下を招くがこれは池泥の加用盈が1%程度の少ない盈の場合に・ほ少塵の パ−・ライトを併用することに・よりその低下の程度を緩和させ得る可能性が認められる. 引 用 文 献 (1)中村総七郎:土の物理力学的試験法,63,東京,土木 雑誌社(1956)い

Studies on preventation of reservOir sediments hardening

Takahiko TAMAXI,Yutaka UMEDA and Hir・Od】iSHIG鼠MI

Sllmmary Reservoir・Sediments are hardened by drIyneSS When they ar・e dr・eSSed to crop field or orchard soil。In the pr・eSent Study to prevent this defect of reservoir sediments,SOilcollapse coefficient was determined after reservoir sediments,bentonite and“Pearlite”(soilconditioner) had been added to soiland then dr・ied at80Oc,One ho11r‖ The following results w占re obtained・

(1)Soilcollapse coefficients decrease when reservoir sediments are added byl,3,5%to

(4)

第15巻第1号(1963) 15

every gr・anite,andesite and diluvial$Oil.

(2)Soilcollapse coefficients of bentonite added soildecr’eaSe Simiar.1y,but the decr−eaSing degreeofthese soilcollapsecoefficientsaresmaller than those ofreservoir.sedimentsaddedsoil

(3)Soilcollap$e COefficients of“Pearlite”added sbilincreaselargely and thistendencyshows that the mor・e“Pearlite‖is added thelar・ger・SOilcollapse coefficients are

推)Itis recognized that“Pear・1ite”$eemS tO have a proper・ty tO preVent the solidification of the soiladded with reservoir sediments and then dr王ed

(ReceivedJune20,1963)

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