• 検索結果がありません。

震災前から震災後を考える: 石巻を歩いて考えたこと 一橋大学大学院経済学研究科齊藤誠 1

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "震災前から震災後を考える: 石巻を歩いて考えたこと 一橋大学大学院経済学研究科齊藤誠 1"

Copied!
35
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

震災前から震災後を考える : 石巻を歩いて考えたこと

Author(s)

齊藤, 誠

Citation

Issue Date

2011-05-26

Type

Presentation

Text Version publisher

URL

http://hdl.handle.net/10086/19164

Right

(2)

震災前から震災後を考える:

震災前から震災後を考える

石巻を歩いて考えたこと

一橋大学大学院経済学研究科

齊藤

2011年5月26日一橋大学公開討論会

1

(3)

私たちが向き合わなければならないこと

私たちが向き合わなければならないこと

`

ダウンサイジングの著しい地域が被災したこと

`

日本経済自体がダウンサイジングに直面していること

`

ダウンサイジングのプロセスにあった地域における“復

`

ダウンサイジングのプロセスにあった地域における 復

興”とは?

`

震災はダウンサイジングのプロセスを加速させる側面がある

`

震災はダウンサイジングのプロセスを加速させる側面がある

ので、“復興”によってダウンサイジングを食い止めることは到

底できない

`

現在の身の丈にあった“復興” ダウンサイジングにおける創

造的な“復興”

(4)

やるべきこと

避けるべきこと

やるべきこと、避けるべきこと

`

復興に向けてやるべきこと

`

身の丈にあった復興、創造的なダウンサイジングに向けての

合意形成

`

復興において是が非でも避けるべきこと

`

合意形成を脇において巨額のマネーによってダウンサイジン

グを無理矢理に食い止めようとすること

グを無理矢理に食い止めようとすること

`

あらゆることについて、「震災前から」を「震災だから」にすり替

えてしまうこと

えてしまうこと

3

2011年5月26日一橋大学公開討論会

(5)

「これまで」から「これから」を考える視点

「これまで」から「これから」を考える視点

`

歴史的な視点:関東大震災後の経済政策の失敗

`

震災後の経済政策が、震災前の構造問題を引き受けた

`

採算が取れない事業に湯水のごとくの資金を投じて、焦げ付

いてしまった

``

地域に根差した視点

地域に根差した視点 ← 今日のプレゼンテーション

`

広域石巻の「これまで」から「これから」を考えてみる

(6)

石巻の街を歩き回って考えたこと(

2011年3月

13日から14日)

13日から14日)

2011年5月26日一橋大学公開討論会

5

(7)

旧石巻の浸水状況

旧石巻の浸水状況

(8)

『石巻の都市基盤復興に向けて』にみられる

復興の薔薇色のイメージ(その1)

復興の薔薇色のイメージ(その1)

2011年5月26日一橋大学公開討論会

7

(9)

『石巻の都市基盤復興に向けて』にみられる

復興の薔薇色のイメージ(その2)

(10)

『石巻の都市基盤復興に向けて』にみられる

都市計画のゾーニング

都市計画のゾーニング

2011年5月26日一橋大学公開討論会

9

(11)

建築基準法・特例法による建築制限(

2011年11

月まで延長)

(12)

建築規制が課された市街地における津波の爪痕

建築規制が課された市街地における津波の爪痕

2011年5月26日一橋大学公開討論会

11

(13)

津波被害をイメージした都市計画は本当に正し

いのか?:住宅地

いのか?:住宅地

`

【住宅地】 沿岸部には住めない ⇒ 土地が足りない ⇒

沿岸部土地の買い上げが必要 高台での造成が必要 ⇒

沿岸部土地の買い上げが必要、高台での造成が必要 ⇒

だから資金が必要!

`

石巻には、後背地がある!

`

仮設住宅の用地さえ、不足気味?

土地は 実はあま ている

`

土地は、実はあまっている

`

当該地域は地震前から経済的に停滞しており 人口密度も 土地

`

当該地域は地震前から経済的に停滞しており、人口密度も、土地

利用度も、低下している!

`

旧市街地の空洞化、商業地の郊外化

`

用途転用の余地がある

`

用途転用の余地がある

`

誰が移住に合意するのであろうか?

(14)

石巻市の人口減少

石巻市の人口減少

人口の推移

130,000 140,000 185,000 190,000 120,000 175,000 180,000 100,000 110,000 170,000 90,000 160,000 165,000 80,000 155,000 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 石巻市(左目盛) 全国(千人、右目盛り)

2011年5月26日一橋大学公開討論会

13

石巻市(左目盛) 全国(千人、右目盛り)

(15)

石巻市の高齢化

石巻市の高齢化

65歳以上人口比率

25.0% 30.0% 20.0% 10.0% 15.0% 5.0% 0.0% 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 石巻市 全国 石巻市 全国

(16)

津波被害をイメージした都市計画は本当に正し

いのか?:工業用地

いのか?:工業用地

`

【工業用地】 工場再建を最優先 ⇒ 施設内の瓦礫処

理や工場建設への資金援助

`

多額の再建費用に見合うだけの企業価値の増加は見込める

のであろうか

`

たとえ工場が再建されても、効率化・合理化を追求した新鋭

設備は かならずしも雇用創出にはつながらない

設備は、かならずしも雇用創出にはつながらない

2011年5月26日一橋大学公開討論会

15

(17)

壊滅的な津波被害を受けた日本製紙・石巻工場

(写真

朝日新聞撮影)

(18)

東北経済における

2000年代の経済停滞

東北経済における

2000年代の経済停滞

失業率の推移

6.0 7.0 4.0 5.0 2.0 3.0 0 0 1.0 0.0 東北 南関東 北関東 ・甲信

2011年5月26日一橋大学公開討論会

17

東北 南関東 北関東 甲信

(19)

石巻市の経済衰退(農業:恒常的、製造業:

1990年代初頭から)

1990年代初頭から)

石巻市の就業人口

25000 30000 20000 10000 15000 5000 0 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 農業 製造業 卸売・小売業・飲食店 サービス業 農業 製造業 卸売 小売業 飲食店 サ ビス業

(20)

石巻の製造業も(

1990年代半ばからの生産性の

顕著な低下)

顕著な低下)

石巻工業部門の付加価値額と労働分配率

40.0% 42.0% 140,000,000 145,000,000 150,000,000 38.0% 130,000,000 135,000,000 34.0% 36.0% 120,000,000 125,000,000 32.0% 105,000,000 110,000,000 115,000,000 30.0% 100,000,000 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 石巻の工業付加価値額(千円、2005年基準企業物価指数で実質化) 労働分配率

2011年5月26日一橋大学公開討論会

19

石巻の工業付加価値額(千円、2005年基準企業物価指数で実質化) 労働分配率

(21)

津波被害をイメージした都市計画は本当に正し

いのか?:漁港

いのか?:漁港

`

【漁港】壊滅的な漁港の整備は、すべての漁村において

必要なのであろうか?

`

世界有数の漁場の実態を見つめるべき時・・・

(22)

点在する小規模漁港と津波被害

点在する小規模漁港と津波被害

2011年5月26日一橋大学公開討論会

21

(23)

壊滅的な津波被害(女川町)

壊滅的な津波被害(女川町)

(24)

石巻の漁業就業者数は(

4000人を割っている)

石巻の漁業就業者数は(

4000人を割っている)

石巻の水産業就業人口

10,000 12,000 8,000 6,000 2,000 4,000 0 , 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

2011年5月26日一橋大学公開討論会

23

(25)

停滞する水揚げ量(

90年代初頭から低水準で推

移してきた

移してきた

…)

石巻水揚げ量(トン)

400,000 450,000 300,000 350,000 200,000 250,000 100,000 150,000 0 50,000 1982198319841985198619871988198919901991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009

(26)

津波ばかりに目が奪われていると

…:見えにく

い地震被害

い地震被害

`

一見すると軽微な建物被害

`

強い地震動であったが、地盤の卓越周期が建物の固有周期

に比べ非常に短く、共振による倒壊が起きにくかった

`

しかし、被災地にある建物の基礎や構造部分は大きな

負荷を受けていて 脆弱にな ている

負荷を受けていて、脆弱になっている。

`

周期が長めの余震によって大規模な建物倒壊の生じる可能

性がある

性がある

`

クライストチャーチの教訓

`

津波被災で倒壊を免れた建物に居住する危険性

`

津波被災で倒壊を免れた建物に居住する危険性

2011年5月26日一橋大学公開討論会

25

(27)

倒壊を免れた住宅も多い:高台と沿岸部のコン

トラスト

(28)

津波被害を受けた住居の

2階に住む人々

津波被害を受けた住居の

2階に住む人々

2011年5月26日一橋大学公開討論会

27

(29)

津波ばかりに目が奪われていると

…:深刻な地

盤沈下(1)

(30)

津波ばかりに目が奪われていると

…:深刻な地

盤沈下(2)

盤沈下(2)

`

脆弱な地盤に造成した“新しい”住宅地

`

日に

2度の冠水の可能性

`

「護岸をして住み続けるか」、「用途を転換するか」の難し

い選択

`

防波堤と排水施設の建造には、莫大な費用がかかる。

`

石巻の復興プランでは、「住宅ゾーン」から「水産加工ゾーン」

2011年5月26日一橋大学公開討論会

29

(31)

地盤沈下した住宅地の冠水

地盤沈下した住宅地の冠水

(32)

震災が突き付けたこととは?

震災が突き付けたこととは?

`

ダウンサイジングのプロセスにある地方都市の姿

`

ダウンサイジングに創造的に適応した都市計画

ある程度

流出

加速

`

ある程度の人口流出の加速は不可避

`

新住居の再建に見合うほどの就業機会は見込みにくい

`

土地造成ではなく 既存用地の効率的な活用

`

土地造成ではなく、既存用地の効率的な活用

`

所有権や利用件に関わる利害調整に向けたコンセンサスの形成

`

農地の用途転換の可能性

`

社会資本の集約

`

漁業拠点の集約化

`

工場立地は、あくまで企業の経営判断に委ねるべき

2011年5月26日一橋大学公開討論会

31

(33)

なぜ

住民や企業の流出が不可避的なのか?

なぜ、住民や企業の流出が不可避的なのか?

`

震災前の状況:

`

歴史的な地域にある住居や生産施設の償却が完了し、安いコスト

で居住や生産が可能であった

`

その結果 低めの生産性でも 住民は生活を守り 企業も採算を維

`

その結果、低めの生産性でも、住民は生活を守り、企業も採算を維

持できた

`

震災後の状況:

震災後

状況

`

新しい住居(特に、一戸建て)や生産施設の再建コストは、低い生

産性で賄うことができない

`

その結果、住民や企業が再建を断念する

`

経済政策では、とてもカバーすることができない・・・

財政事情が厳

政府が 住居や生産設備

ク価値

補填

`

財政事情が厳しい政府が、住居や生産設備のストック価値の補填

し、政策的に流出を食い止めることは難しい

`

こうした政策から便益は、非常に限られた経済主体にしか及ばない

`

こうした政策から便益は、非常に限られた経済主体にしか及ばない

(34)

たとえば・・・

漁業の創造的なダウンサイジ

ング

ング

``

仮設住居から

仮設住居から議論を始める

広域石巻の漁業従業者の代表者が

箇所の仮設住宅地域に住む

`

広域石巻の漁業従業者の代表者が一箇所の仮設住宅地域に住む

`

行政担当者や専門家、

NPOやNGOを交えながら、広域石巻の漁

業のあり方を議論する

``

漁業の「選択と集中」

漁業の「選択と集中」について徹底的な議論とコンセンサス

の形成

の形成

`

漁船、漁港、漁業加工施設を協働して利用する法人の設立

`

石巻港への集約

`

石巻港

の集約

`

漁業従業者が住む中・低層共同住宅の建築(沿岸部からある程度

離れる)

`

地方自治体や政府は、漁業従業者が合意したプラン

漁業従業者が合意したプランについ

て補助金や低利融資を実施する

2011年5月26日一橋大学公開討論会

33

て補助金や低利融資を実施する

(35)

政策のあり方

政策のあり方

``

パイの縮小を前提にすれば

パイの縮小を前提にすれば、地域内の利害調整を優先

し 新しい街づくりに対する住民の ンセンサスを形成す

し、新しい街づくりに対する住民のコンセンサスを形成す

ることこそ、重要。

`

「創造的なダウンサイジング」 「身の丈に合った復興」への地

`

「創造的なダウンサイジング」、「身の丈に合った復興」への地

道な合意形成

`

合意形成の経験を通じた新しい民主主義の可能性

`

財政支援によってパイの拡大がもたらされるというシナリ

オで大規模な政策を発動しても、ダウンサイジングの方

ダウンサイジングの方

向を変えることはできず

向を変えることはできず、巨額の財政負担と遊休資源・

用地が将来に残されるだけ

用地が将来に残されるだけ。

`

日本の民主主義と地方自治は、創造的なダウンサイジングに

向けて合意できるかどうかで、真価が問われている。

参照

関連したドキュメント

 トルコ石がいつの頃から人々の装飾品とし て利用され始めたのかはよく分かっていない が、考古資料をみると、古代中国では

ア詩が好きだから。イ表現のよさが 授業によってわかってくるから。ウ授

「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー

災害発生当日、被災者は、定時の午後 5 時から 2 時間程度の残業を命じられ、定時までの作業と同

 放射能に関する記事も多くあった。 「文部科学省は 20

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

Key words: Gender-Equality, Second Basic Plan for Gender-Equality ( 2005 ─ 09 ), Regional Disaster Prevention Plans, Disaster

関西学院大学社会学部は、1960 年にそれまでの文学部社会学科、社会事業学科が文学部 から独立して創設された。2009 年は創設 50