応用地質株式会社
事業開発室
寺田 悠祐
OYOグループが提供する
今日お話しすること
1. 熊本地震を振り返って
2. 今後、企業に求められる備え
3. OYOグループのソリューション
① 詳細津波シミュレーション
② 降灰シミュレーション
③ 地震後の建物安全性確認システム
④ 災害時交通管理支援システム
4. おわりに
事業継続ソリューション
事業継続ソリューション
応用地質株式会社① 詳細津波シミュレーション
株式会社イー・アール・エス③ 地震後の建物安全性確認システム
② 降灰シミュレーション
④ 災害時交通管理支援システム
熊本地震を
振り返って
① 2回の震度7
熊本地震を振り返って
倒壊した建物の例*1②
”地震が少ない”と
言われた地域での発生
③ 火山との連動の懸念
出典:*1 OYORMS撮影 *2 地震調査研究推進本部事務局 九州の歴史地震の震央*2 1968 1914 1997 1997 1922 679 1975 1700 2005 1898 1889 1619 1831 1596 M7.0 M6.5 M6.0 凡例 7 6弱,6強 5弱,5強 凡例2016/10/8 01:46
爆発的噴火
(噴煙高さ約
11,000m)
農作物等に被害
熊本県、大分県、愛媛県、
香川県で降灰を観測
未明の阿蘇山噴火
出典:*1,2 気象庁 福岡管区気象台「阿蘇山の火山活動解説資料」 (2016/10/8 20:00発表) 阿蘇山 中岳第一火口周辺の変色域*1 阿蘇市役所での降灰の様子 (2016/10/8 03:09)*2 2016/10/8 09:36(晴)熊本地震における企業の被災状況
(33社)
(社) (1社につき複数あり) 熊本地震の「影響あり」を公表した上場企業 133社 一部・軽微 42社 営業・操業の停止 73社 その他 5社 見通し立たず 13社 62 31 27 22 15 7 7 6 2 16 0 20 40 60 80 建物損壊 製品・在庫品損傷等 生産ライン・設備被害 什器・備品損傷等 確認中 ライフライン 供給滞り 停電・電力不足 インフラ、液状化 その他0 10 20 30 40 50 電気 都市ガス 水道
熊本地震でのライフラインの停止状況
ライフラインが復旧しても、企業活動が再開できるとは限らない。
出典:九州電力「平成28年熊本地震対応について」 西部ガス「熊本地震関連プレスリリース」 脚注:戸数には、倒壊家屋や再開依頼がないものを含まない。 (万戸) 5/ 1 停 止 戸 数 水道:5/21現在 241戸停止 20 30 10 20 4/ 16 都市ガス:4/30 全復旧 電気:4/20 全復旧今後、企業に
自然災害がつきつけてきた課題
年
災害名(通称)
新たにつきつけられた課題
1964
新潟地震
地盤の液状化
1990~ 雲仙普賢岳噴火
火砕流の発生
1995
阪神淡路大震災
直下型地震による大きな加速度
地震後の火災の発生
2011
東日本大震災
大津波の発生
サプライチェーンの寸断
大規模な帰宅難民の発生
2014
御嶽山噴火
噴火警戒レベル1(平常)での噴火
2016
熊本地震
2回の震度7
…
20XX?
南海トラフ地震
首都直下地震
〇〇火山噴火
?
あらゆる事態の想定(「想定外」は、許されない)
建物に留まることの判断
大都市域における帰宅難民の発生
交通の脆弱性
日本では、どこでも、災害が起こりうることを前提とした
営みが必要である。
近年、課題とされている事項
人命保護は当然として、経済被害の最小化も、自然災
害に対する重要な備えである。
企業も、自然災害に対する備えが、評価される時代に
なっており、
自然災害を受けたとしても、企業の活動停止を最小限
に食い止める方策
「事業継続計画=
BCP
」が必要とされている。
今後、企業に求められる備え
事業継続ソリューションは、事業継続計画の一部をなす具体策
事業継続計画と事業継続ソリューション
想定復旧ライン 0 0 通常操業レベル(操業レベル:100) ▼ 事業中断期間 • 顧客の他社への流出 • マーケットシェアの低下 • 企業価値の低下 目標復旧ライン 時間軸 災害発生 機 能 レ ベ ル?
目標復旧期間リスク管理の全体像
自 然 災 害 リ ス ク 地震 (津波) 火山 風水害 ・雪害・
・
・
リスク解析 リスク評価 (対応方針決定) リスク対策 低減 回避 移転 保有 ソフト対策 ハード対策 運用改善・ 教育訓練など 対策工事など 現状維持(何もしない) 保険 事業撤退 対 応 方 針 の 決 定 リ ス ク の 算 定 ( 発 生 確 率 ・ 被 害 規 模 )一連の流れを支援するソリューションをご紹介します。
グループの
ソリューション
OYOグループがご提案する
ソリューション①
詳細津波
シミュレーション
応用地質株式会社
詳細津波シミュレーション
地震 (津波) 火山 風水害 ・雪害・
・
・
リスク解析 リスク評価 (対応方針決定) リスク対策 低減 回避 移転 保有 ソフト対策 ハード対策 運用改善・ 教育訓練など 対策工事など 現状維持(何もしない) 保険 事業撤退 対 応 方 針 の 決 定 自 然 災 害 リ ス ク リ ス ク の 算 定 ( 発 生 確 率 ・ 被 害 規 模 )発 生 確 率 被害規模
ハザードマップと詳細シミュレーションの違い
ハザードマップ 例) 富士山火山防災マップ (合理的に推定される中で) 最も被害規模が大きいシナリオを 地図上に表示 地点が先に決まり、 その場所で、「生起しうるシナリオ」 「確率分布」を提示 確率分布(ハザードカーブ) 発 生 確 率 被害規模 詳細シミュレーション本シミュレーションの特徴
「現実に近い浸水想定の提示」
① 詳細なメッシュモデル(
2mメッシュ)で、
建物間の津波浸水状況を再現
(広域では困難な、詳細メッシュの作成)
② 防波堤などの破壊条件を設定し、
最大級に限らない津波浸水状況を再現
(ハザードマップでは、最も危険な条件を設定)
詳細津波シミュレーション
建物のモデル化
現地踏査
モデル化対象建物の選定
高い 低い モデル化2 mメッシュ
細分化メッシュについて
10 mメッシュ
建物が表現できず
適切な津波浸水検討
ができない
25 m 25 m 高い 低い細分化メッシュの効果
高い 低い 水 位建物間を津波が遡上
25 m浸水結果の比較
①敷地外郭の堤防が
地震動で破壊
(危険条件・県想定)
(浸水しない)
②敷地外郭の堤防が
津波で破壊
(中間条件)
③敷地外郭の堤防は
破壊しない
(安全条件)
3.6~4.0 3.2~3.6 2.8~3.2 2.4~2.8 2.0~2.4 1.6~2.0 1.2~1.6 0.8~1.2 0.4~0.8 浸水深(m)OYOグループがご提案する
ソリューション②
降灰
シミュレーション
降灰シミュレーション
地震 (津波) 火山 風水害 ・雪害・
・
・
リスク解析 リスク評価 (対応方針決定) リスク対策 低減 回避 移転 保有 ソフト対策 ハード対策 運用改善・ 教育訓練など 対策工事など 現状維持(何もしない) 保険 事業撤退 対 応 方 針 の 決 定 自 然 災 害 リ ス ク リ ス ク の 算 定 ( 発 生 確 率 ・ 被 害 規 模 )火山災害で起こること
火山災害は多種多様
なかでも、最も広範囲に影響を及ぼすのは、”降灰現象”
溶岩流 噴石 降灰 火砕流日本には、110の活火山(世界の7.1%)があり、 うち、47の火山で常時観測体制がとられている。 出典:左図 気象庁ホームページ 「活火山とは」、 *小笠原諸島を省略
火山の分布と降灰の実績
1cm 30cm 0cm 0.5cm 我が国の活火山の分布 凡例 2cm 4cm 8cm 16cm 4cm 2cm 常時観測火山 その他の活火山 1cm 0cm 0.5cm多量 降灰量階級 少量 やや多量 0.1 1 10 100 1000 10000
降灰の影響
0.1mm~10 mm程度でも、大きな影響が出る。 積灰量(mm) 交通 建物・ライフライン 健康 農林業 2000 数百年影響 100 森林壊滅被害 300 (降⾬時) 木造家屋全壊 10 森林 被害 0.5 稲作被害 20 健康被害 0.1 喘息患者の症状悪化(50%) 20 畑作 被害 10 停電発生 0.3 航空機 運⾏障害 5 (降⾬時) 道路通⾏不能 50 道路通⾏不能 出典:気象庁「降灰の影響及び対策」をもとに作成地点①:火口に近いが「積もりやすい範囲」外
地点②:火口から離れているが「積もりやすい範囲」
→
風の影響を定量的に考慮する必要
降灰のリスク比較
群馬県 ⻑野県 地点② 地点① 浅間山 前橋市 ⻑野市大規模噴火発生時、地点①と地点②
降灰のリスクはどちらが大きい?
※両地点とも架空です
降灰シミュレーションとは?
上空の風火山灰が風で流され
広がる様子を再現
降灰量がばらつく要因
•
噴火
の規模
噴煙高さ、噴出物の粒径、噴出率•
気象
条件:風向風速
長期間(多数)の気象データにより
シミュレーションを実施
ハザードカーブ
の作成
ある規模の噴火が発生した場合に
任意の降灰量を超える確率を定量化する
降灰シミュレーションの結果
2015/6/15の気象データ 2016/1/1の気象データ 0.001% 0.01% 0.1% 1% 10% 100% 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 超 過 確 率 地点① 地点② 建 物 被 害 通 行 止 等 気象条件によって、降灰の状況は異なる。 0.001 0.01 0.1 1 10 100 0 2 4 6 8 10 12 粒径 (mm) 降 灰 量 (k g /m 2 ) 地 点 ② ⻑野県 群馬県 浅間山 地 点 ①OYOグループがご提案する
ソリューション③
地震後の
建物安全性確認
システム
株式会社イー・アール・エス
地震後の建物安全性確認システム
地震 (津波) 火山 風水害 ・雪害・
・
・
リスク解析 リスク評価 (対応方針決定) リスク対策 低減 回避 移転 保有 ソフト対策 ハード対策 運用改善・ 教育訓練など 対策工事など 現状維持(何もしない) 保険 事業撤退 対 応 方 針 の 決 定 自 然 災 害 リ ス ク リ ス ク の 算 定 ( 発 生 確 率 ・ 被 害 規 模 ) 建物を対象 建物を対象【解決する課題】 地震の後には、建物内に留まれるか、発災直後に何らかの判断が必要*となるが、 専門的な知識を持たない建物管理者や災害対応担当者が、被災した建物の安全性を 迅速に判断することは非常に困難
地震後の建物安全性確認システム
熊本地震後の宇土市役所 【特徴】 目視と計測とを組み合わせた、建物安全性の判定 確認ポイントと判断基準が明確で、1時間程度の調査で建物の被災度を判定 システムトラブルが少なく、低コストでシステム導入から長期運用までが可能 低層~中層規模の建物に適用可能 ⇒発災時に建物を応急的に自己点検できる仕組みが必要 建物安全性確認システム *東京都では、帰宅困難者対策の一環として、72時間(3日間)システムの構成
建物の変形量を記録し、被災 度を把握することができます。 (電源不要) 構造上確認すべ き箇所を抽出 し、建物独自の シートを作成 (バッテリー内蔵型) 応用地震計測株式会社製 罫書き装置 (1台) 地震計 (1台) 応急点検チェックシート*(1式) 罫 書 き 針 罫 書 き 板 罫書き針 支持柱 罫書き板 支持柱システムの導入(発災前)
資料調査 構造検討 現地調査 計測器 (罫書き装置,地震計) の設置 応急点検 チェックシート の作成 建物の安全性判断指標の作成 運用マニュアルの作成 介護老人保健施設 鉄骨造 2階建 静岡県島田市 2016年5月竣工 導⼊完了【導入例1】
事務所 鉄骨鉄筋コンクリート造 4階 埼玉県さいたま市 1995年5月竣工(築約20年)【導入例2】
システムの運用(発災後)
設置状況 ①計測による被災度判定(例) 罫書き範囲 測定震度 小 (1/200未満)* 中 (1/200~100)* 大 (1/100以上)* 震度5弱以下 緑 ⻩ 赤 震度5強~6強 ⻩ ⻩ 赤 震度7 赤 赤 赤 *変形角(構造検討により設定した物件ごとに異なる閾値) (罫書き装置と地震計の測定値による判定) 明らかに 危険である ①計測による 被災度判定 ①だけでは 判断できない 建物外へ退避 建物内に待機* 安全 危険 NO YES 安全 危険 保留 地震発生 ②被害の目視点検による被災度判定 (チェックシートによる判定) ②被害の目視点検による 被災度判定OYOグループがご提案する
ソリューション④
災害時の
交通管理支援
システム
株式会社ケー・シー・エス
災害時の交通管理支援システム
地震 (津波) 火山 風水害 ・雪害・
・
・
リスク解析 リスク評価 (対応方針決定) リスク対策 低減 回避 移転 保有 ソフト対策 ハード対策 運用改善・ 教育訓練など 対策工事など 現状維持(何もしない) 保険 事業撤退 対 応 方 針 の 決 定 自 然 災 害 リ ス ク リ ス ク の 算 定 ( 発 生 確 率 ・ 被 害 規 模 ) 地域・交通を対象 地域・交通を対象システム紹介①
スマートフォンの加速度センサーを活用した
「道路の路面損傷の簡易把握システム」
システム紹介②
スマートフォンを活用した
簡易バスロケシステムによる
「被災者への公共交通運行情報の
提供システム」
災害時の交通管理支援システム
管理ソフト (PROTANASTM) • スマートフォンアプリ「セーフティeye」の加速度計測機能を活用し、 上下加速度・位置情報・映像を取得し、そのデータをGIS情報に 紐づけ「見える化」するシステム 【特徴】 スマートフォンアプリの利用により、 特別な機器の設置なしに、簡単・迅速な計測 GPS情報と併せて、損傷箇所前後の映像を記録しサー バーに保存するため、損傷箇所の位置と状況を把握 段差感知 スマートフォンアプリ (セーフティeyeTM) 位置情報、映像 路面損傷箇 所を地図上 に表示
道路の路面損傷の簡易把握システム
道路の路面損傷の簡易把握システム 【解決する課題】 地震により、通行可能な道路でも、段差等の路面損傷箇所が多く発生 ⇒路面損傷箇所を把握し、「段差あり」等の注意喚起の情報提供と、補修計画の立案 が必要 車のダッシュ ボードに固定 するだけ クラウドスマートフォンを活用し、簡易にリアルタイム のバス運行情報を利用者に提供するシステム
被災者への公共交通運行情報の提供システム
【解決する課題】 大規模災害時には、仮設住宅と生活利便施設等を結ぶバス路線の整備が行われ、短 期間に路線・ダイヤなどが変更(利用者への十分な周知が困難) ⇒被災者の生活移動支援のため、運行状況の変化に即応した情報提供が必要 公共交通運行情報の提供システム ”SUBTOUR-Z”(サブツアーゼット) バス運転士(車載機) バスロケシステム 利用者 運行状況 生成処理 【運行中】 【運行前】 バス位置情報提供 WEBサービス DB <システムの構成> 【特徴】 カンタン スマートフォンの活用で、専用機材が不要 手間なし 自動路線判別機能が運行/回送/路線変更を行い 運転士は簡単な操作だけ 低コスト マスタデータ(ダイヤ情報)の修正は、管理者側で 実施でき、低コスト GPS位置 情報 バス情報 スマートフォン スマートフォン パソコン タブレット スマートフォン運行ルートと バス停 バスの現在地 選択したバス停の 遅れを加味した 発車予定時刻 現状の遅れ時間