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29 Ⅵ-1-(1)(2)環境保全型農業

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Ⅵ 環境保全型農業と土壌管理

1 有機質肥料の利用技術 (1) 水田での利用技術 ア 有機質肥料の種類と特性 (ア) 有機質肥料の施用効果 有機質肥料は、肥料取締法では植物油かす類、魚肥類、骨粉類、肉かす粉末等の動 植物質の普通肥料をいう。土壌中での分解が穏やかに長時間持続するために、作物に よる吸収利用率が高く、環境に対する負荷が少ないとされている。その反面、必要以 上の施用は地下水の硝酸態窒素汚染等の環境負荷に直結する可能性もあるので、作物 の吸収特性にあった合理的な施肥を行う必要がある。有機質肥料の効果は、三要素だ けでなく微量要素も含み、濃度障害を生じにくく、土壌の理化学性、生物性の改善に 効果があるなど優れた性質がある。 (イ) 有機質肥料の成分と留意点 有機質肥料は種類が多く、成分含有量は種類によって異なる。有機質肥料のうち、 植物質肥料は主に各種の油かす類で、窒素が多く含まれ、少量のリン酸とカリも含ま れるが、窒素の肥効は速効性から緩効性まで幅が広い。動物質肥料は主に魚、家畜に 由来する原料で作られる。魚かす類は窒素とリン酸を含み、窒素の肥効は速効性であ る。骨粉類はリン酸含量が高く、その肥効は緩効性である。また、一般的に有機質肥 料はカリ含有率が低いため、カリ要求性の高い作物を栽培する場合には、家畜ふん堆 肥や椰子殻灰などカリ含有率の高い有機質肥料の併用が必要となる。 注 意 骨粉類については、BSEの関係から、牛の脊柱等が混入していない物として 農林水産省の確認を受けて製造されたものであること。 (ウ) 主な有機質肥料の特性 a 植物質肥料 [なたね油かす] なたね種子を炒って蒸熱圧搾するか、またはさらに溶剤で油脂を浸出した残りか すで、入手しやすい。公定規格によれば、含有すべき主成分は、窒素4.5%以上、リ ン酸2%以上、カリ1%以上である。肥効は有機質肥料としては早く効く。 [大豆油かす] 大豆から油を搾った残りかす、あるいは、さらに溶剤で油脂を浸出した残りカス で、肥料成分に富んでいる。なたね油かすに比べて窒素とカリが多く、公定規格に よれば窒素6%以上、リン酸1%以上、カリ1%以上である。肥効はやや遅効性で ある。 [米ぬか油かす] 米ぬかから油を搾った残りかすであり、含有すべき主成分は、窒素2%以上、リ ン酸4%以上、カリ1%以上である。肥効はやや遅効性である。 b 動物質肥料 [魚かす] 生魚を煮沸して油を搾った残りかすで、含有すべき主成分は、窒素4%以上、リ ン酸3%以上、窒素とリン酸の合計値が12%以上とされている。肥効は速効性であ る。

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イ 水田に施用された有機質資材及び肥料の窒素無機化特性 一般的に有機質肥料は肥効が長く続くために、窒素の後効きによって米の品質・食味 を低下させる要因となるので、施用する肥料の成分と施肥量には充分留意する必要があ る。 また、米ぬかや油かす類の植物性有機物を湛水直前に施用すると異常還元やガスの発 生を招きやすく、移植後の活着や初期生育が劣る。そのため、栽培前年秋にわらと共に すき込むか、春に施用する場合は耕耘から湛水、代かきまでの時間を出来るだけ長くす る。 栽培前年秋に施用した各資材、肥料の肥効の目安(窒素無機化率)は、以下の3つのタ イプに区分できる (図 Ⅵ-1-(1)-1参照)。 ①初期型 培養前の窒素無機化率が高く、湛水後の増加が小さいため、初期生育が良好で肥培管理 がしやすいタイプ。大豆油かす、なたね油かす、魚かす、脱脂米ぬかなど ②中間型 培養前の窒素無機化率は低いが湛水後の増加が大きいため、生育中盤での無機化量が多 、 、 。 、 、 く 多用すると千粒重の低下 未熟粒の増加を招きやすいタイプ 蒸製皮粉 乾燥菌体 生米ぬか、発酵鶏ふん、豚ぷん堆肥など ③持続型 培養期間に関わらず窒素無機化率が低く、地力窒素発現量の底上げにつながる、土づく り肥料タイプ。牛ふん堆肥 図 Ⅵ-1-(1)-1 蒸製骨粉、大豆油かす、なたね油かす、魚かす、蒸製皮粉では水稲一作期間中に窒素無 機化率が概ね50%に達するが、他の肥料及び資材では3~30%と低い。そのため、二作目 以降、土壌中に残存する肥料の残効を考慮しなければならない。また、市販のボカシ肥料 はいずれも無機態窒素量が多いため、基肥を春施用する場合や穂肥としての利用に向いて いると考えられる (表Ⅵ-1-(1)-1)。 各肥料の無機態窒素含有率及び無機化特性から推定されるコシヒカリの基肥施肥基準は 以下のとおりとなるが、圃場の地力差、肥料のロット、メーカーにより肥効が異なること が予想されるため、実際の施用に当たっては80%程度の安全率を見込んだ方が良い。 図 各タイプ(平均値)の無機化パターン 0 10 20 30 40 50 60 0 200 400 600 800 1000 1200 有効積算温度(15℃以上の積算温度) 窒 素 無 機 化 率   % 初期型 中間型 持続型

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表 Ⅵ-1-(1)-1 有機質肥料の無機化特性 窒素含有率 無機化率 現物施用量 有機質の種類 (現物N%) % kg/10a 大豆油かす 7.2 70 30~50 なたね油かす 5.3 60 50~70 米ぬか 2.4 35 240~280 米ぬか油かす 2.8 40 180~240 魚かす 7.0 50 50~70 蒸製骨粉 4.0 60 80~100 発酵鶏糞 2.4 50 180~200 ボカシ肥料 約4.0 60 80~100 平坦地(粘質土壌) 化学肥料で窒素成分2~3kg/10a相当 表 Ⅵ-1-(1)-2 水田での利用を前提とした場合の有機質肥料の無機化特性(無機化%) 無機化 期間 培養前 2週 3週 4週 6週 10週 タイプ 資材名称 積算温度 0 210 315 420 630 1050 大豆かす 61.5 64.4 60.6 71.7 68.9 69.9 蒸製肉骨粉 26.8 24.7 25.5 26.7 24.9 31.1 ①速効 オルガリッチ 26.4 29.0 25.8 35.1 31.2 31.7 タイプ なたね油かす 38.7 50.4 47.0 56.8 48.5 49.6 魚かす 35.5 42.0 40.3 47.2 45.8 45.6 米ぬか油かす 23.6 31.7 27.4 35.9 30.4 35.2 ネカシ有機(三井東圧) 8.1 14.9 13.4 17.4 14.7 17.9 みのりエキス(片倉チッカリン) 8.7 19.5 18.4 21.9 22.4 25.5 ②中間 蒸製皮粉 17.9 33.4 39.3 50.2 53.6 62.0 タイプ 乾燥菌体 2.7 8.3 5.1 7.1 8.8 11.4 天然ボカシ肥料(富士見) 1.4 4.5 2.5 3.1 4.6 6.8 米ぬか 4.2 22.7 20.8 24.7 24.3 27.9 発酵鶏糞 2.4 11.3 10.6 13.7 11.1 16.8 ③持続 牛ふん堆肥 0.5 6.1 3.4 5.2 4.8 6.1 タイプ 豚ぷん堆肥 -0.2 0.9 -2.2 0.0 0.2 2.8 ※豚ぷん堆肥で-表示があるのは、無機態窒素の吸収(窒素飢餓)があるためで、堆肥製 造時の副資材が分解しにくい未熟なものが混入されていたものと考えられる。 、 。( ) 一般には 牛糞堆肥より分解は早いものが多い 牛ふんも乳用牛と肉牛では大きく違う :培養前の窒素無機化率が高く(既に分解され無機化している 、湛水後の増加 ①初期タイプ ) が小さいため、初期生育が良好で後半の窒素発現が少ないことから一般肥料と 同様に使いやすい。 :培養前の窒素無機化率は低いが湛水後の増加が大きいタイプで、生育中盤で無 ②中間タイプ 機化量が多く、多用するすると生育のコントロールが難しい。 ③持続タイプ:培養期間にかかわらず無機化率が低く、土壌へ蓄積され、地力窒素発現量の底 上げとなる。基本的に土づくり肥料的なタイプである。 ウ 有機物の基肥施用量の考え方 水田に施用された有機物の一部は水稲一作期間中に分解されず、連用によって土壌に 肥料成分が残存し、過剰生育等の不安定な生育を招く危険性があるので、二作目以降の 窒素無機化量を考慮して基肥施用量を加減する必要がある。

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表計算を用いて2年目以降の残存有機物からの窒素発現量を推定すると、有機物を継 続して施用している圃場での窒素発現量の予測が可能である。推定に使用した有機物の 窒素無機化率は、未発酵有機物である米ぬか、米ぬか油かすは初年目と2年目以降を変 えず、堆肥化されて分解されにくい窒素を多く含む畜ふん堆肥、発酵鶏ふんでは2年目 以降を低く設定する。その結果、有機物施用区の窒素発現量と対照区の発現量から算出 した有機物由来の窒素発現量と推定値には高い相関が得られる(表 Ⅵ-1-(1)-2、図 Ⅵ -1-(1)-3 。) 表 Ⅵ-1-(1)-3推定値計算に用いた窒素無機化率 Ra Rb 計算方法 米ぬか 0.28 0.28 1年目量=N×Ra 米ぬか油かす 0.35 0.35 (N-(N×Ra:1年目 )×Rb 豚ぷん堆肥 0.20 0.075 2年目量= ) 3年目量=(N-(1年目+2年目))×Rb 牛ふん堆肥 0.05 0.025 発酵鶏ふん 0.20 0.10 ※Ra=初年目の無機化率 Rb=2年目以降の無機化率 表 Ⅵ-1-(1)-2 例-1 残存有機物による窒素発現量の推定(計算例) N Ra Rb 初年目 2年目 3年目 4年目 米ぬか油かす 初年目 5.2 0.35 0.25 1.82 0.85 0.63 0.48 2年目 4.8 0.35 0.25 1.68 0.78 0.59 3年目 3.5 0.35 0.25 1.23 0.57 4年目 0.00 推定値 N mg/100g乾土 1.82 2.53 2.64 1.63 N:投入窒素量(kg/10a) 注)4年目は有機物投入前の推定値 Ra:初年度の窒素無機化率 Rb:2年目以降の窒素無機化率 表 Ⅵ-1-(1)-3 例-2: 施用堆肥の窒素量=Nの牛ふん堆肥(Ra:0.05、Rb:0.025)を施用した場合 施用N量 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 1年目 2.1Kg 0.105 0.05 0.049 0.047 0.046 2年目 2.1 0.105 0.05 0.049 0.047 3年目 2.1 0.105 0.05 0.049 4年目 2.1 0.105 0.05 5年目 2.1 0.105 合計無機化量 0.015 0.155 0.204 0.251 0.297 図 Ⅵ-1-(1)-2 有機物の無機化量(計算値) 図Ⅵ-1-(1)-3 残存有機由来窒素量 図 残存有機物由来の窒素発現量と 無機化特性から推定した推定値 (農総研,中之島 平成10年秋) y = 1.020 x R2 = 0.723 0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 実測値 mg/100g乾土 推 定 値   m g/ 10 0g 乾 土 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 Nmg/100g乾土 4年目施用前 3年目 2年目 初年目 施用有機物の無機化量(計算例) 初年目有機物 2年目有機物 3年目有機物

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エ 本田への有機質肥料の施用法 水稲有機栽培を行う場合には、初期生育の確保、特に良好な活着と初期分げつの確保 。 、 、 、 が重要となる 米ぬか 油かす類などの未発酵の植物性有機物 未熟堆肥等の春施用は 湛水、代かき後に土壌を異常還元させ、ワキの発生による根腐れなど、苗の活着、初期 生育を抑制する。また、窒素の後ぎきが心配されるため、これらの有機質肥料の基肥施 用は秋施用が基本である。動物性有機物、ボカシ肥料は春施用に向いていると考えられ るが、耕うんから湛水、代かきまでの時間をできるだけ確保する。 水稲の有機栽培における施肥例を以下に示す。 《施肥例》 試験圃場 A圃場 細粒灰色低地土(東和統) 5月11日移植 B圃場 細粒強グライ土(田川統) 5月2日移植 供試品種・栽培様式 コシヒカリ 稚苗機械移植 A圃場(有機物連用 米ぬか・米ぬか油かす3年目,豚ぷん堆肥・牛糞堆肥2年目) 秋施用(各有機物) 春施用(発酵鶏糞) 穂肥(発酵鶏糞) 項 目 施用量 N 施用量 N 施用量 N

区 名 (現物kg/a) (成分kg/a) (現物kg/a) (成分kg/a) (現物kg/a) (成分kg/a)

化学肥料 - - - 0.30 - 0.20 米ぬか 20.0 0.46 12.5 0.30 6.3 0.15 米ぬか油かす 20.0 0.58 12.5 0.30 6.3 0.15 豚ぷん堆肥 83.3 1.25 12.5 0.30 6.3 0.15 牛ふん堆肥 125.0 1.07 12.5 0.30 6.3 0.15 B圃場(有機物連用2年目) 秋施用(各有機物) 春施用(発酵鶏糞) 穂肥(発酵鶏糞) 項 目 施用量 N 施用量 N 施用量 N

区 名 (現物kg/a) (成分kg/a) (現物kg/a) (成分kg/a) (現物kg/a) (成分kg/a)

化学肥料 - - - 0.3 - 0.2 米ぬか 21.7 0.50 16.2 0.39 10.8 0.26 米ぬか油かす 21.7 0.62 16.2 0.39 10.8 0.26 豚ぷん堆肥 72.2 1.09 16.2 0.39 10.8 0.26 牛ふん堆肥 126.4 1.08 16.2 0.39 10.8 0.26 このように、有機栽培では一作期間に投入する投入窒素量が9~17kg/10aと非常に 多くなる。それは、前述のとおり有機物が一作期間に全て分解されないためであり、連用 する上で土壌中に残存する有機物からの窒素放出を考慮して施用量を減ずる必要がある。

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表 Ⅵ-1-(1)-4 収量及び収量構成要素と玄米窒素含有量(%) 図Ⅵ-1-(1)-4 収量はいずれも化学肥料区並に得られ、登熟歩合の向上が見られた。有機物施用区での精 玄米千粒重は化学肥料区よりも小さめであったが玄米窒素含有率は化学肥料区と同等であっ た(表Ⅵ-1-(1)-4 。有機物施用区の稲体窒素吸収量は最高分げつ期までは化学肥料区並で) あったが、最高分げつ期から幼穂形成期までの吸収量が化学肥料区を上回る傾向が見られた (図Ⅵ-1-(1)-4 。これは、中間型の無機化特性を示す発酵鶏ふんを基肥に用いたためであ) り、籾数は増加したものの精玄米千粒重が小さめになったものと推測された。 このことから、水稲の有機栽培における本田への有機質肥料の施用は、 ・植物性有機物の場合は栽培前年の秋施用を基本とし、春に施用する場合には動物性有機 物、ボカシ肥料などが望ましいが、耕うんから湛水、代かきまでの時間を出来るだけ長 くする。 ・中間型の無機化特性を示す有機質肥料は多量に施用しない。 ・土壌の窒素供給量(地力窒素)が増加した段階で生育が過剰にならないよう減肥する。 図 稲体窒素吸収量の推移(平成10年) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 化 学 肥 料 米 糠 米 糠 油 か す 豚 ぷ ん 堆 肥 牛 ふ ん 堆 肥 化 学 肥 料 米 糠 米 糠 油 か す 豚 ぷ ん 堆 肥 牛 ふ ん 堆 肥 N   m g/ 10 0g 乾 土 収穫期 穂揃い期 幼穂形成期 最高分げつ期 A圃場 B圃場 A圃場 収穫期 精玄米重 総籾数 登熟歩合 精玄米 玄米窒素 稈長 穂長 穂数 千粒重 含有率 (cm) (cm) (本/㎡) (kg/a) (千粒/㎡) (%) (g) (乾物%) 化学肥料 94.6 19.0 301 47.0 24.9 82.4 22.1 1.08 米糠 97.0 17.9 317 53.1 32.0 78.1 21.5 1.16 米糠油かす 97.6 18.4 301 49.8 27.5 84.2 21.7 1.09 豚ぷん堆肥 97.6 18.4 299 51.5 29.7 85.7 21.9 1.14 牛ふん堆肥 93.9 18.0 285 47.5 25.0 88.4 22.1 1.12 B圃場 収穫期 精玄米重 総籾数 登熟歩合 精玄米 玄米窒素 稈長 穂長 穂数 千粒重 含有率 (cm) (cm) (本/㎡) (kg/a) (千粒/㎡) (%) (g) (乾物%) 化学肥料 89.4 19.1 331 55.0 29.6 82.0 21.9 1.14 米糠 88.6 18.7 306 49.2 29.1 88.2 21.0 1.10 米糠油かす 87.7 18.5 291 54.2 32.3 83.8 21.1 1.15 豚ぷん堆肥 88.0 18.7 289 49.5 26.4 86.2 21.3 1.09 牛ふん堆肥 90.4 18.6 306 53.1 31.6 89.7 21.2 1.08

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(2) 園芸畑での利用技術 畜産堆肥や有機質肥料は、有用資源の有効利用ということで、今後活用される場面が多 くなると考えられる。しかし、有効養分組成が一定でないことがあることや組成バランス が化学肥料ほど明確でないことなどの問題も少なくはない。これらのことなどは、今後の 研究調査等に負う部分が大きいが、当面は、その養分組成、養分溶出・肥効特性を事前に 把握しながら、使用する必要がある。 ア 有機質肥料の利用 化学肥料のみに頼った施肥は、地力の減耗をきたす原因にもなるので、有機質肥料の 活用は重要である。化学肥料への依存が小さい施肥体系に移行し、地力の維持向上等を 図る必要がある。有機質肥料の利用は、土壌の理化学性や土壌微生物の活動条件を改善 するうえでも重要である。 また、近年、100%有機物由来の有機質肥料や化学肥料と有機質肥料を配合した肥料 が多く市販されている。成分が保証されており、作物の生育に適合した肥効を備えてい るので、特性を把握の上、積極的に活用する。 具体的な利用方法 有機質肥料や堆肥などを化学肥料代替として使う場合、5~10年連用すると投入有 機物の窒素含量と同様な窒素が毎年土壌から供給されることとなることから、必要量の 半量を施用する場合各種有機質資材をどれくらい施用すれば対応可能かを計算した表が 下表である。 窒素施用基準の半量を有機質で補給する場合の資材施用量 表 Ⅴ-1-(2)-1 資 材 (現物t/年) 作 物 名 わら堆 ふん尿堆肥 木質混合堆肥 バーク堆 汚泥コン kg 肥 牛ふん 豚ふん 鶏ふん 牛ふん 豚ふん 鶏ふん 肥 ポスト 必要N量 /10a N量4 7 14 18 6 9 9 5 15 大豆 2 0.3 0.1 - - 0.2 0.1 0.1 0.2 -バレイショ 11 1.4 0.8 0.4 0.3 0.9 0.6 0.6 1.1 0.4 トマト 30 3.8 2.1 1.1 0.8 2.5 1.7 1.7 3.0 1.0 ネギ 23 2.9 1.6 0.8 0.6 1.9 1.3 1.3 2.3 0.8 ホウレンソウ 15 1.9 1.1 0.5 0.4 1.3 0.8 0.8 1.5 0.5 インゲン 10 1.3 0.7 0.4 0.3 0.8 0.6 0.6 1.0 0.3 梨 25 3.1 1.8 0.9 0.7 2 .1 1.4 1.4 2.5 0.8 出典:有機廃棄物資源化大辞典:p8より5抜粋 注意:この表は、栽培期間中に必要な養分供給量の半量を有機質の連用で対応する場合の数 値であり、連用後土壌供給量が安定した状態での施用量である。 例えば、トマトは施肥量が30kg./10a必要とする場合、の半量=15kgを豚糞で施用する場 合は、豚糞堆肥はton当たり9kg窒素を含むことから15/9=1.66で1.7記載されている。 イ 減化学肥料栽培の考え方 減化学肥料栽培を進めるため、堆肥や有機質肥料を利用することとなるが、堆肥で化 学肥料の代替を行う場合、初期の窒素不足による生育不良となることが多いため、初期 生育確保に化学肥料や有機質入り肥料を使用して初期生育を確保し、その後有機質肥料

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や鶏ふんなど肥効が早い資材を使うなど、施用する有機質肥料等の無機化特性を十分考 慮して進めることが重要である。そして、基本となる土壌からの窒素成分の供給は、長 年の堆肥施用で補うこととなるが、代表的な堆肥の中でも、牛ふん堆肥では無機化率は 低く(全窒素の内、当年度は5~10%程度 、豚ぷん堆肥で20%前後など、各堆肥など) の内、有効化する量は少ないことを理解し使用する。肥料的効果を狙った堆肥の利用で は、豚ぷんなど中間タイプの肥効特性を示す堆肥の利用が有利となる。 コラム 水稲の水管理を湛水管理とすると、施肥法は変わってくるの? 水稲の湛水管理は最近では、カドミウムの吸収抑制対策技術の一つとして実施されて いますが、従来から泥炭質土壌などの排水不良田や鉄含量の低い老朽化水田では、湛水 管理により硫化水素が発生して根腐れ等が生じるなど、秋落ち現象がおこることが問題 視されてきました。この結果、秋落ち水田では、根腐れ対策として無硫酸根肥料が多く 用いられてきました。一方、湛水管理での土壌還元によるカドミウムの不可給化には土 壌中のイオウが有効であり、塩安系の無硫酸根肥料のみの連年施用は問題を生じる可能 性が懸念されますが、現状では、カドミウムの吸収抑制効果が低下するという報告はあ りません。

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2 緩効性肥料の利用技術(肥効調節型肥料) 肥料は、作物の生育ステージごとの吸収量に見合う分だけ施用されるのが理想である。 また、生育期間の長い作物の場合、安定して肥効が持続することが望ましい。緩効性肥料は、 そうした機能を備えた肥料であり、IB、CDU、ホルム窒素、オキサミドなどの肥料があ る。近年は、より肥効をコントロールしやすい被覆肥料(コーティング肥料)の利用が拡大 している。 緩効性肥料や肥効調節型肥料の利用技術としては、局所施肥、基肥全量施肥、1回施肥2 回どり技術、育苗時全量施肥、秋施肥春栽培への利用、水耕栽培での利用等があげられる。 肥効調節型肥料を利用することにより、総施肥量は従来の化学肥料に比べ、20%程度低減で きるといわれている。 今後、品目ごとの養分吸収特性に合わせた肥効調節型肥料の利用が増加すると考えられる。 ア 緩効性窒素肥料 難溶性の窒素肥料で、徐々に無機化し、天然の有機質と同じような窒素の肥効発現を する化学肥料である。ホルム窒素、IB、CDUなどがある。 イ 被覆肥料 肥料粒の表面を、水の浸透が遅い被膜で被覆(コーティング)することにより、成分 の溶出をコントロールすることができる肥料である。被覆肥料は、普通化学肥料や一部 の有機質肥料に比べ、肥料成分の溶出が長期間にわたり、野菜栽培では、主として全量 基肥として利用している。最近では局所施用により、さらに施用量が低減できるといわ れている。被覆肥料の全層施用で、従来の化学肥料を基本とした総施肥量の20%以上は 軽減することができる。溶出期間や溶出タイプには、様々あり、効果的な利用には、作 物の吸収パターンや生育期間の長短、栽培時期により使い分ける必要がある。被覆肥料 と局所施肥の組み合わせは、従来の肥料・全面全層施用に比べ、総施肥量を相当減少さ せることが可能と思われる。 ウ 局所施肥法 従来の全面全層施肥を、播種(定植)溝など作物根域への局所施肥にすることにより、 野菜の肥料成分の利用率は顕著に向上することが知られている。このため、野菜の生産 性を維持しながらも、従来の施用量を節減することができ、土壌に残存する肥料分も少 なくなり、環境への負荷も軽減される。 エ 被覆肥料(肥効調節型肥料)の溶出特性と利用 被覆肥料は水溶性の粒状肥料を硫黄、ポリオレフィン樹脂、アルキッド樹脂などで表 面を被覆し、肥効発現の持続期間をコントロールできる肥料であり、コーティング肥料 とも呼ばれている。 被覆肥料の最大の特徴は、肥効の持続性と溶出コントロール性である。被覆肥料は肥 効が緩やかで、作物の根に接触しても周辺の土壌養液濃度を高めることがないため、定 植時における1作分の施肥や局所施肥が可能となり、追肥の省力化、肥料利用効率向上 と施肥量削減が同時に出来る可能性がある。また、地温などから肥効のシミュレーショ ンができるため、作物の養分吸収特性に応じた施肥を行うことが可能である。 しかし、被覆肥料の溶出は種類によって異なってくるため、それぞれの溶出特性を十 分に把握した上で作物の種類や栽培法に応じて選定する必要がある。 (ア) 溶出のメカニズム CDUやIBなどの化学合成緩効性窒素肥料が加水分解や微生物分解によって肥効が発現す

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るのに対し、被覆肥料は、肥料成分の溶出を被膜によって物理的に抑えているのが特徴 で、被覆膜の厚さや性質を変えることで溶出期間・速度を調節している。 被覆肥料での肥料溶出は、まず被覆膜内に水分(水蒸気)が侵入して内部の肥料を溶 、 。( ) かし 溶液となったものが外部にしみ出ることによって起こっている 図Ⅵ-2-(2)-1 肥効発現はCDUやIBなどの緩効性肥料が水分 pH 熟畑度 粒度など多くの環境条件に影、 、 、 響されるのに対し、被覆肥料では温度、湿度に影響される程度である。 被覆材 肥料 肥料溶液 肥料溶液 水(水蒸気) 吸水 溶解 溶出 図Ⅵ-2-(2)-1 コーティング肥料の溶出メカニズム(模式図) (イ) 被覆肥料の種類 被覆肥料には尿素、硫安、硝酸カルシウムなどを被覆した被覆窒素質肥料や、窒素、 リン酸、カリの3要素を含む被覆複合肥料、燐安を被覆したNPタイプ、NK化成を被覆し たNKタイプ、さらには被覆カリや微量要素を加えたものまで多種多様のものが市販され ている(表Ⅵ-2-1 。) 表 Ⅵ-2-1 被覆肥料の代表的な銘柄一覧 溶出期間は 30日から最長360日まであり 栽培期間の異なるあらゆる作物に適応がで、 、 きる。なお、被覆肥料の溶出期間は25℃、水中溶出法及び土中溶出法で、窒素の溶出が 80%に達する日数や月数で表されている(図Ⅵ-2-2 。) 被膜材 シリーズ名 種肥料 溶出期間 メーカー 備考 硫黄 SC尿素 尿素 60,80,110 三井東圧肥料 リニア SC化成 化成肥料 60,80,90,110 三井東圧肥料 リニア,NPK,NKタイプ ポリオレフィン LPコート 尿素 30,40,50,70,100,120,140,180,270 チッソ旭 リニア、紫外線崩壊性 LPコートS 尿素 40,60,80,100,120 チッソ旭 シグモイド、紫外線崩壊性 エココート 尿素 70100140 チッソ旭 リニア、環境分解 エムコートL 尿素 40,60,70,100,140 三菱化学 リニア エムコートS 尿素 60,80,100,120,140 三菱化学 シグモイド エムコートSH 尿素 80,90,100 三菱化学 シグモイド、環境崩壊 ユーコート 尿素 30,50,70,90,110 宇部興産 ユートップ 尿素 30,50,70,90,110 宇部興産 ロングショウカル硝酸カルシウム 40,70,100 チッソ旭 リニア、硝酸系 被覆燐安 燐安 40,70,100,140 チッソ旭 リニア 被覆塩加 塩化カリ 40100 宇部興産 リニア ロング 化成肥料 40,70,100,140,180,270,360 チッソ旭 リニア、硝酸系 スーパーロング 化成肥料 70,100,140,180 チッソ旭 シグモイド、硝酸系 NKロング 化成肥料 70,100,140,180 チッソ旭 リニア ロングトータル 化成肥料 40,70,100,140,180,270,360 チッソ旭 リニア、微量要素、硝酸系 マイクロロングトータル 化成肥料 40,70,100 チッソ旭 リニア、マイクロサイズ アルキド シグマコートU 尿素 2M,3M,4M(月数) 片倉チッカリン シグモイド セラコートU 尿素 S(40),M(70),L(100),LL(120) セントラル硝子シグモイド シグマコート 化成肥料 2M,3M,4M(月数) 片倉チッカリンシグモイド、硫加、塩加 コープコート 化成肥料 2.5M、4M(月数) コープケミカル シグモイド、硫加、塩加 ポリウレタン セラコートR 尿素 30,40,50,70,90,110 セントラル硝子シグモイド

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図Ⅵ-2-2 各種被覆肥料の溶出パターンの違い (ウ) 溶出のタイプ 被覆肥料の溶出パターンは、2つに分類でき、施肥直後から直線的に肥料成分の溶出 が始まる「リニア型」と施肥初期に溶出抑制期間(ラグ期)を経てから溶出が開始する 「シグモイド型」とがある。シグモイド型におけるラグ期は銘柄によって異なってくる。 また、溶出タイプや溶出期間が同じであっても銘柄によって溶出パターンは異なってく る(図Ⅵ-2-3 。) 図Ⅵ-2-3 リニア型とシグモイド型の溶出パターンの違い (エ) 温度依存性 温度依存性は銘柄によって大きく異なっており、使用する際には確認が必要である。 被覆肥料の溶出は被覆膜内に水分(水蒸気)侵入して始まるが、その侵入速度は温度が 高くなるほど早くなる。そのため、銘柄によって程度は異なるが、温度上昇とともに溶 出が早まり、溶出期間が短くなる。被覆肥料は25℃条件での溶出期間が表示されており、 実際の溶出期間は表示されている期間と比較して地温が25℃以下では長く、25℃以上で は短くなる。従って、地温を測定しておくことによって最適な被覆肥料銘柄を選定する ことが可能となる(図 Ⅵ-2-4 温度が溶出パターンに及ぼす影響 。)

図2 被覆肥料の溶出パターンの例

(エコロング:チッソ旭) 0 20 40 60 80 100 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 経過日数(日) 窒 素 溶 出 率 ( % ) 40日 70日 100 日 140日 180日 270日 360日 図 リニア型とシグモイド型の溶出パターンの違い (チッソ旭 被覆燐硝安加里:100日タイプ) 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 120 経過日数(日) 累 積 溶 出 率 ( % ) リニア シグモイド

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図Ⅵ-2-4 温度が溶出パターンに及ぼす影響 (オ) 成分による溶出の違い 被覆肥料の溶出期間は、窒素の溶出期間を表しており、被覆複合肥料では全ての成分 ごとの溶出が同一にならない場合がある。種肥料である複合肥料を構成する化合物が被 覆膜内で溶解する時の溶解度の違いが影響していると考えられており、たとえば、種肥 料に硝安と硫酸カリが存在すると窒素に比べてカリ、リン酸の溶出が遅く、溶出期間も 長くなる。 被覆複合肥料でも化合物の溶解度の差が小さい場合や、硝酸カルシウムや燐安のよう に単一の化合物を被覆したものは窒素と同じようにカリ、リン酸、カルシウムが溶出さ れる(図 Ⅵ-2-5被覆複合肥料の成分別溶出率の推移を参照 。) 図 Ⅵ-2-5 被覆複合肥料の成分別溶出率の推移 (カ) 活用上の留意点 a 表面施肥 表面施肥の場合、肥料が空気に触れているため、乾燥状態になることがある。この 場合、温度から予測した溶出より遅くなる。一度遅れると湿潤状態に戻しても回復す ることはなく、被覆肥料表面を湿潤状態に保つ必要がある。 b 被覆膜の損傷 被覆膜によって物理的に溶出をコントロールしているため、被覆膜が損傷すると溶 出が早まってしまう。そのため、機械施肥を行う場合は注意が必要である。 c 保管方法 湿度の高いところで開封したまま保管した場合などは、水分が肥料に侵入して溶出 図3 温度が溶出パターンに及ぼす影響 (エコロング100日タイプ:チッソ旭) 0 20 40 60 80 100 0 30 60 90 120 150 180 経過日数(日) 累 積 溶 出 率 20℃ 25℃ 30℃ 図 温度が溶出パターンに及ぼす影響 (コープコートFs200 4Mタイプ:コープケミカル) 0 20 40 60 80 100 0 21 42 63 84 105 経過日数(日) 累 積 溶 出 率 % ) 15℃ 25℃ 35℃ 図6 被覆複合肥料の成分別溶出率の推移 (エコロング100日タイプ:チッソ旭) 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 経過日数(日) 累 積 溶 出 率 ( % ) 窒素 リン酸 加里

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を開始する危険があり、施肥された時に本来の溶出コントロール性を失ってしまうの で注意が必要である。従って、できるだけ乾燥した条件で密封して保管する。 d 被覆膜の分解性 微生物や光によって分解される樹脂を使ったものも販売されているが、樹脂系の皮 膜材は分解が遅いのが一般的であり、長期間圃場に被覆材が残存することになる。し かし、被覆材自体は全く毒性などない。 (1) 水田での利用技術 ア 側条施肥 水稲の側条施肥は 代かき後の水田で移植苗と同時に株の側方3~5cm 深さ3~5cmの、 、 土中にすじ状に基肥を施肥する方法である。肥料としてはペースト肥料と粒状肥料がある。 基肥施肥と移植が同時にできるので省力的である また 生育初期に根圏の土壌窒素が高く。 、 維持されるので、初期生育の促進が図られ、早期の茎数確保が可能である。 肥料が土壌中に施されるので、田面水への溶出が少なく、養分を河川に流出させないため、 環境汚染防止に効果的な技術である。 イ 全量基肥施肥 水稲の全量基肥施肥は 速効性肥料と被覆肥料を配合して 基肥として本田に全量 全、 、 、 、 。 層施肥して 1回の施肥で生育期間の全肥料をまかなってしまおうという技術である 穂肥を省略できるので 労力を大幅に軽減することが可能となる また 窒素利用率が、 。 、 向上するため、環境への負荷が軽減される。 収量は慣行並 玄米タンパク含有率は並からやや低めで 整粒歩合は高まる傾向があるの、 、 で、高品質・良食味米生産が期待される。 ウ 育苗箱全量施肥 水稲の育苗箱全量施肥は、一定期間溶出が抑えられるという特性をもつシグモイドタイプ の被覆肥料を用いて 生育期間に必要な窒素の全量を育苗箱内に施用し 育苗終了後 移植、 、 、 苗と共に本田内に持ち込む施肥法である。 肥料が水稲根と接触していて肥料利用率が高まるため、施肥窒素量を慣行に比べて約3割 削減することができる。育苗期間中の追肥や本田での施肥作業を省略することができる。 慣行栽培に比べ最高茎数は少なめであるが 有効茎歩合が高く 秋優り的な生育経過をたど、 、 ることから 減肥しても慣行栽培とほぼ同等の収量 品質が得られる 従来の全量基肥施肥、 、 。 よりもさらに肥料利用率が高まる。 (2) 園芸での利用技術 県内の野菜生産においても 各種の品目で緩行性肥料や被覆肥料が使用されている 主、 。 に追肥の省略、肥効の持続、安定が使用目的と してあげられるが、ネギでは局所施肥 図Ⅵ-2-6 による減肥効果も実証されている 2~3月播種の秋冬ネギ栽培におい ( ) 。 て被覆尿素入り肥料を局所施用することにより 慣行施肥量に対し24~25%の減肥が可能、 である(表Ⅵ-2-1 。) 肥効調節型肥料の利用にあたっては 作物毎の時期別肥料吸収量と肥料毎の溶出特性を、 十分考慮する必要がある 水分量や温度によって 肥効が思うように現れなかったり 逆。 、 、 に効き過ぎる場合も考えられるので 全量を肥効調節型肥料で施用するよりも 速効性肥、 、 料との併用により 生育状況を観察しながら使用する方が 生産安定に結びつきやすいと、 、 考えられる。

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コラム 堆肥を使った減化学肥料栽培のポイントは? 環境保全型農業への関心の高まりから減化学肥料栽培や有機栽培などが各地で行われる ようになりました。家畜ふん堆肥を活用して化学肥料の使用料を削減するためには、 ①畜種の違いによる製品堆肥の特性 ②各堆肥の無機化特性(分解して作物が吸収できる養分となること) ③施用する堆肥の成分量 等の把握、理解が必要となります。 家畜ふん堆肥は、リン酸、カリが多く、また効果も一般の化学肥料と同じような特性を 示すことから、そのまま化学肥料代替として利用可能と考えられます。 しかし、生育に最も影響がでる窒素については、堆肥の種類により大きく違うことから 注意が必要で、無機化する成分量も肥効もリン酸、カリに比べ多くありません。 具体的には、現物堆肥の全窒素量は、 ①牛ふん堆肥=1~0.5%、 ②豚ふん堆肥=2~3% ③鶏ふん堆肥=3~4% 程度と低いのですが、堆肥施用は現物で1~2トン/10a程度施用することが多く、投入窒 素量は10kg~30kgにもなります。 しかし、これが全て有効化(植物に吸収されるように分解すること)することはなく、 1年間で有効化してくる割合は、 ①牛ふん堆肥=5%程度 ②豚ふん堆肥=25%程度 ③鶏ふん堆肥=40%程度 なので、実際には現物1トンを施用しても窒素成分としての化学肥料代替には不足するこ ととなります。 このため、化学肥料削減を進める場合、堆肥に頼って栽培を進めると、生育初期の窒素 不足が問題となることから、初期の窒素分は速効的な化学肥料を併用したり、分解特性や 成分量が保証されている市販の有機質肥料を利用することで補い、その後の追肥に分解が 速く窒素含量も高い鶏ふん堆肥等を使用するなどの工夫が必要です。 堆肥からの窒素に頼った施用を行うと、堆肥の施用量が非常に多くなり、結果としてカ リ過剰など濃度障害の発生が懸念されるので注意が必要です。 図 堆肥の窒素の無機化特性の概要 -10 0 10 20 30 40 50 0 10 20 30 40 50 60 70 培養期間(日) 窒 素 無 機 化 率 (% ) 鶏ふん 豚ぷん 牛ふん

表 Ⅵ-1-(1)-1 有機質肥料の無機化特性 窒素含有率 無機化率 現物施用量 有機質の種類 (現物N%) % kg/10a 大豆油かす 7.2 70 30~50 なたね油かす 5.3 60 50~70 米ぬか 2.4 35 240~280 米ぬか油かす 2.8 40 180~240 魚かす 7.0 50 50~70 蒸製骨粉 4.0 60 80~100 発酵鶏糞 2.4 50 180~200 ボカシ肥料 約4.0 60 80~100 平坦地(粘質土壌) 化学肥料で窒素成分2~3kg/10a相当 表 Ⅵ-
表 Ⅵ-1-(1)-4 収量及び収量構成要素と玄米窒素含有量(%) 図Ⅵ-1-(1)-4 収量はいずれも化学肥料区並に得られ、登熟歩合の向上が見られた。有機物施用区での精 玄米千粒重は化学肥料区よりも小さめであったが玄米窒素含有率は化学肥料区と同等であっ た(表Ⅵ-1-(1)-4 。有機物施用区の稲体窒素吸収量は最高分げつ期までは化学肥料区並で) あったが、最高分げつ期から幼穂形成期までの吸収量が化学肥料区を上回る傾向が見られた (図Ⅵ-1-(1)-4 。これは、中間型の無機化特性を示す発酵鶏ふんを基肥に用

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