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精神障害をもちながら子育てをする利用者に対する訪問看護師の支援体制の構築

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Academic year: 2021

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精神障害をもちながら子育てをする利用者に対する訪問看護師の支援体制の構築 平成 31 年度 研究期間 平成 29 年度~平成 31 年度 研究代表者 堂下 陽子 共同研究者 高比良祥子 Ⅰ はじめに 本研究の目的は、①精神障害をもちながら子育てをする利用者に対する訪問看護師の交 流の場を設定すること、②複雑困難な事例への訪問看護の技術の共有と蓄積を図ること, ③精神障害をもつ親と同居する不登校傾向にある子どもに対する訪問看護師の支援内容と 連携の実態を明らかにすること、④3 年間の精神科訪問看護交流会の効果を明らかにし、 訪問看護師への支援体制を提言することである。 Ⅱ 研究内容・成果 1. 目的①「精神障害をもちながら子育てをする利用者に対する訪問看護師の交流の場を 設定すること」 3 年間で 12 回精神科訪問看護交流会を実施し、延べ 192 名の参加があった。6 回以上の 参加者は 9 名、3 回以上 5 回以下の参加者は 9 名であった。参加者の職種は訪問看護師、 病棟看護師、作業療法士、精神保健福祉士、保健師、養護教諭、大学院生、学部学生、大 学教員であり、所属は訪問看護ステーション、精神科病院、市役所、小中学校、大学、相 談支援センター、社会福祉協議会、保健所、放課後デイサービス、地域包括支援センター 等であった。12 回のテーマを表 1 に示す。 2. 目的②「複雑困難な事例への訪問看護の技術の共有と蓄積を図ること」 1)「子育て中の精神障害をもつ利用者への訪問看護を導入し継続するために必要な看護」 精神障害をもつ利用者は支援者の受け入れや子育てへの関わりに抵抗を示すことが多 く、病状の安定や生活の維持が困難であり、訪問看護師は子どもの成長に影響を及ぼす懸 念を感じていた。そのため訪問看護師は利用者の訪問看護の導入や継続のために特別な配 慮を行っていた。そこで、交流会で語られた看護内容から、子育て中の精神障害をもつ利 用者への訪問看護を導入し継続するために必要な看護を明らかにした(第 17 巻 長崎県 立大学看護栄養学部紀要、p23-30)。 2)「訪問看護師が捉えた精神障がいをもちながら子育てをする母親の成長」 訪問看護師が捉えた精神障がいをもちながら子育てをする母親の成長を明らかにする ことを目的とした。9 名の訪問看護師を対象に半構造化面接を行い、内容分析を行った。 訪問看護師は、母親の成長を【病気のある生活と母親役割のバランスの保持】【他者への

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相談と援助の要請】【子どもへの関わり方の向上】【子どもの生活習慣の確立】【子どもの円 滑な学校生活への支援】と捉えていることが明らかとなった(日本精神保健看護学会誌 29 (1)印刷中。) 3. 目的③「精神障害をもつ親と同居する不登校傾向にある子どもに対する訪問看護師の 支援内容と連携の実態を明らかにすること」 子育て中の精神障害をもつ利用者への訪問看護時に、不登校傾向にある子どもに対し訪 問看護師が感じる気がかりとケアを明らかにするために、交流会で語られた内容を抽出し た。その結果訪問看護師が感じる気がかりは【親の病状に巻き込まれ子どもの成長発達に好 ましくない生活環境や状況への気がかり】【子どもとの関わりをもつ上での困難】であり、 訪問看護師が行う子どもへのケアは【子どもとの信頼関係づくりへのケア】【不登校状態の アセスメント】【医療とつながるためのケア】【基本的生活習慣を整えるケア】【自立を促 すケア】【家族役割モデルとなるケア】【子どもの関係機関との連携協働】であった。 (日本看護研究学会第 45 回学術集会集、p141、第 9 回精神科訪問看護交流会で報告) 今後さらに対象となる事例を増やし、内容を深める必要がある。 4. 目的④「3 年間の精神科訪問看護交流会の効果を明らかにする」 交流会参加者へのアンケートでは、交流会への参加は「参考になった」(100%)であった。 参考になったことについての記述を分類した結果、【多様な支援内容を知ることができた】 【支援の振り返りになった】【セルフヘルプの場となった】【他機関・他職種の支援内容を理 解することができた】であった。今後の交流会に期待することとして、交流会の継続を求め る意見が多かった。また子育てケース以外の困難事例の検討、訪問看護利用者への行政の支 援、定期的に参加する参加者の増加を求めていた。 Ⅲ 訪問看護師への支援体制への提言 これまで 3 年間、12 回実施してきた精神科訪問看護交流会は、参加者や話題提供者にと って、自らの訪問看護実践を振り返り、多様な支援や他機関や職種の支援内容について知 ることができ、同じ立場の訪問看護師と共感しあえる場となっていた。訪問看護ステーシ ョンは、スタッフ数が 5 名以下のところがほとんどである。1 ステーションから 1 名出席 するのがやっとという状況で、緊急呼び出し用の携帯を持参しての参加者もいた。そのよ うな中、スタッフが 5 名以上のステーションでは定期的な参加者もいた。限られたスタッ フでの支援体制の中、交流会で多様な支援内容を知ることができることや、複雑困難な事 例を支援する上で直面する困難を共有できる、セルフヘルプの場があることが必要と考え られる。そのため、今後も参加者のニードを取り入れながら、交流会を継続していくこと が求められる。さらに、より深く事例を掘り下げ、専門的技術の向上を目指すために、単 発の話題提供ではなく、話題提供後の定期的なフォローを行っていくことも必要と考えら

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れた。さらに、現在ある程度参加者が固定しているため、年度初めに参加者を募り、話題 提供者が事例研究として学会発表までできるよう支援していくことも、訪問看護技術の蓄 積につながると考える。 表1 精神科訪問看護交流会テーマ一覧 回 数 開催月 テーマ 参加 人数(人) 1 2017 年 7 月 精神障害をもつ親に対する訪問看護師の育児支援内容 14 2 9 月 子育てへの介入を拒否する利用者への多機関と連携し た支援 8 3 11 月 精神障害のある親子の自立に向けた訪問看護 10 4 2018 年 2 月 孫を養育している精神障害のある高齢の利用者への訪 問看護 7 5 6 月 障害をもつ人の恋愛、結婚、子育て支援 結婚推進室「ぶ~け」の支援 17 6 8 月 障害をもつ子どもを養育している精神障害のある利用 者への訪問看護 19 7 11 月 精神障害のある親と同居する不登校傾向にある思春期 の子どもへの訪問看護 19 8 2019 年 2 月 精神障害のある親と同居する軽度障害のある不登校傾 向にある子どもへの訪問看護 20 9 6 月 精神障害のある親と同居する子どもへのケア (調査報告及び、学校現場での支援についての講演) 31 10 9 月 精神障害の親と同居する青年期にある利用者への訪問 看護 17 11 11 月 登園しぶりのある子どもを養育する精神障害をもつ親 への訪問看護 16 12 2020 年 2 月 ひきこもり傾向にある家族への心配を抱える利用者へ の訪問看護 14 合 計 192

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