横須賀市男女共同参画プラン〔第3次〕 仮最終評価
1 仮最終評価の位置づけ 横須賀市男女共同参画プラン(第3次)においては、進行管理の一環として、計画 期間が終了する平成 25 年度以降の政策方針を決定する際の参考とするために、平成 24 年度に男女共同参画審議会にて仮最終評価を実施することを定めている。 また、仮最終評価を受けて、横須賀市として今後どのような方針で政策を展開して いくのかを男女共同参画推進委員会で話し合い、「評価を受けての見解」を公表する としている。 2 仮最終評価の方法 (1)仮最終評価では、第3次プランに掲げた施策目標 11 項目についての達成度評価 を行う。60 項目ある基本施策の達成度評価は、平成 25 年度に予定している最終 評価で実施することとする。 (2)次に掲げる表をもって達成度評価の基準とする。 (3)次期プラン策定に向けた課題や今後の取り組み方などについて、施策目標ごと に意見を付す。 達成度評価 評 価 の 基 準 A 現状値が目標値を上回ったもの。 B 現状値が目標値には届かなかったが、策定時の状況より前進したも の。または、策定時の状況は把握できていなかったが、現状値が目標 値の5割以上であったもの。 C 策定時の状況は把握できていなかったが、現状値が目標値の5割未満 であったもの。 D 現状値が策定時の状況より後退したもの。 ― 目標値の設定がないもの。3 評価結果 ○重点課題Ⅰ 政策・方針決定過程への女性の参画の促進 施策目標Ⅰ-1 一般行政職の女性管理職(課長職以上)の割合を増やす。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 2.0% 平成 18 年4月1日時点 6.0% 平成 24 年4月1日 7.8% 平成 23 年4月1日時点
A
施策目標Ⅰ-2 女性委員がいない審議会等をなくす。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 15 機関 平成 18 年度調査データ 0機関 平成 24 年度調査データ 18 機関 平成 23 年度調査データD
施策目標Ⅰ-3 町内会・自治会における会長・副会長の女性割合を増やす。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 会長 8.8% 副会長 17.2% 平成 17 年度調査データ H17 調査データ を上回る 平成 23 年度調査予定 会長 3.8% 副会長 17.7% 平成 23 年度調査D
○重点課題Ⅱ 仕事と生活のバランスと働き方の見直し 施策目標Ⅱ-1 固定的な性別分業慣行を肯定する人の割合を少なくする。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 男性 63.6% 女性 44.4% 平成 17 年度調査データ 男性 33.3%以下 女性 33.3%以下 平成 23 年度調査予定 男性 47.5% 女性 36.3% 平成 23 年度調査B
施策目標Ⅱ-2 市内事業所労働者の「育児・介護休業の取りやすさ」における「男 女差はない」という回答の割合を増やす。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 33.4% 平成 17 年度市職員調査 データ 66.6% 平成 23 年度調査予定 23.4% 平成 23 年度市職員調査 データD
施策目標Ⅱ-3 市内事業所の労働者一人平均年次有給休暇取得率を上げる。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 54% (年間 10.8 日 /20.0 日) 平成 17 年度市職員調査 データ 75% (年間 15.0 日 /20.0 日) 58.0% (年間 11.6 日 /20.0 日) 平成 22 年度市職員調査 データB
○重点課題Ⅲ 女性に対するあらゆる暴力の根絶と予防的取り組み 施策目標Ⅲ-1 夫婦・恋人等の親しい間柄での女性への暴力行為を暴力と認識する 人の割合を増やす。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 ― 100% 平成 23 年度調査予定 93.5% 平成 23 年度調査
B
施策目標Ⅲ-2 高校生におけるDVの認知度を高める。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 82% 平成 18 年度調査データ 100% 平成 23 年度調査予定 96% 平成 23 年度調査データB
施策目標Ⅲ-3 セクシュアル・ハラスメントまたはDV被害にあったとき、市に相 談窓口があることを知っている人の割合を増やす。 策定時の状況 目標値 現 状 達成度評価 ― 100% 平成 23 年度調査予定 38.4% 平成 23 年度調査 (DV のみ)C
○重点課題Ⅳ プランの進行管理による実効性の確保 施策目標Ⅳ-1 プラン中間年でプランの実効性を検証し、必要があれば施策方針・ 基本施策を見直す。 策定時の状況 目 標 現 状―
検証を行い、必要 に応じて見直しを 行う。 検証を行い、見直 しは次期プランで 行うこととした。 施策目標Ⅳ-2 男女平等モデル事業所としての取り組みを公開する。 策定時の状況 目 標 現 状―
取 り 組 み を 随 時 公開する。 H20~H22 実績 市ホームページにて 公開中4 仮最終評価にあたってのコメント
横須賀市男女共同参画審議会 横須賀市男女共同参画プラン〔第3次〕(以下、「プラン」という)がスタートして5 年が経過し、当初の予定通り仮最終評価を行った。施策目標11のうち、A評価が1、 B評価が4、C評価が1、D評価が3、評価の対象外が2で、全体的に目標の達成度は 低く、今後の課題が多く残った結果と言える。プラン策定時に状況把握ができていなか った項目やプランの進行管理にかかわる項目が入っていることなども影響していると 思われるので、次期プランの策定に向けて、施策目標の立て方や目標数値の設定方法な ども含めて、審議会として以下のとおり提言したい。 (1)施策目標について ①施策目標Ⅰ-1「一般行政職の女性管理職(課長職以上)の割合を増やす。」 目標は達成できている。しかし、神奈川県の合計の 10.7%を下回っており、また、 県内 19 市の中では、秦野市、三浦市、鎌倉市に次いで4番目に低い数値となってい るため、継続した取り組みが求められる。 ②施策目標Ⅰ-2「女性委員がいない審議会等をなくす。」 毎年8月に実施している調査の結果では、目標が達成できていないだけでなく、 女性委員がいない審議会等は策定時の状況よりも増えてしまっている。一方で、女 性委員の全体的な比率は、策定時の 24.5%(平成 18 年度)と比較して、現状が 26.9% (平成 23 年度)と徐々に上昇してはいるが、施策目標の実現に向けては、専門分野 での女性の人材発掘が課題となる。 ③施策目標Ⅰ-3「町内会・自治会における会長・副会長の女性割合を増やす。」 町内会・自治会アンケートの結果では、会長の女性比率は策定時の半分以下と大 きく低下している。副会長の女性比率は策定時をわずかながら上回った。連合町内 会を対象に実施した出前トークで出された意見によると、各家庭では、世帯主が町 内会に役員登録をするという例が多く、働きかけには検討を要する。 ④施策目標Ⅱ-1「固定的な性別分業慣行を肯定する人の割合を少なくする。」 市民意識調査の結果では、男女ともに肯定する人の割合は低下しているが、目標 値には届かなかった。他都市の例などを参考にしながら効果的な手段を検討し、引 き続き啓発を行う必要がある。 ⑤施策目標Ⅱ-2「市内事業所労働者の「育児・介護休業の取りやすさ」における 「男女差はない」という回答の割合を増やす。」 目標が達成できていないだけでなく、策定時の状況よりも減ってしまっている。 制度面では男女ともに取得しやすくなっており、むしろ男性のための改善点の方が 多いのにもかかわらず、市職員意識調査では「女性にかたよっている」と「やや女 性にかたよっている」の合計が7割を超えている。制度の整備と同時に、職場の雰 囲気等の改善を進める必要がある。
⑥施策目標Ⅱ-3「市内事業所の労働者一人平均年次有給休暇取得率を上げる。」 市職員の取得率は少しずつ上昇しているが、目標は達成できなかった。 ⑦施策目標Ⅲ-1「夫婦・恋人等の親しい間柄での女性への暴力行為を暴力と認識 する人の割合を増やす。」 市民意識調査の結果では、目標値の 100%には届かなかったが、「思う」と「まあ まあ思う」の合計は9割を超えている。「たとえ親しい間柄であっても、いかなる理 由があろうとも暴力はいけない」という認識は浸透してきており、さらに高い数値 を目指して啓発を続ける必要がある。 ⑧施策目標Ⅲ-2「高校生におけるDVの認知度を高める。」 高校生意識調査の結果では、「よく知っている」と「知っている」の合計は、目標 値の 100%に近いかなりの高率になっている。ただし、「よく知っている(具体的な 内容など大まかに知っている)」に限れば36.9%にとどまっており、実施方法を 検討しながら啓発を続ける必要がある。 ⑨施策目標Ⅲ-3「セクシュアル・ハラスメントまたはDV被害にあったとき、市 に相談窓口があることを知っている人の割合を増やす。」 目標値を大きく下回っている。横須賀市役所におけるDVの相談窓口はこども青 少年支援課の1か所であるため、被害者の安全に配慮しながら、相談窓口を周知す る方策が必要である。 ⑩施策目標Ⅳ-1「プラン中間年でプランの実効性を検証し、必要があれば施策方 針・基本施策を見直す。」 平成 22 年度に中間年評価を実施した。見直しは行わなかった。 ⑪施策目標Ⅳ-2「男女平等モデル事業所としての取り組みを公開する。」 毎年市役所のホームページ等で公開している。 (2)進行管理について 横須賀市のプランに基づくこれまでの取り組みは、平成 22 年度に実施した中間年 評価のとおり、60の基本施策の評価では、おおむね良好であり着実に進んでいる と言える。(A:4、B:53、C:2、評価対象外:1) 一方で、今回実施した仮最終評価において、4つの重点課題に係る11の施策目標 の達成度を測ったところ、あまり芳しい結果とは言えなかった。(A:1、B:4、 C:1、D:3、評価対象外:2) このことから、市の各部局において基本施策が着実に実施されているにもかかわら ず、市民、事業者等を含めた市全体の男女共同参画の推進について、十分に進捗を 実感できる結果とはなっていないことが明らかになった。 プランの進行管理についての問題点として、まず1つ目に、基本施策に年度を追っ てのスケジュールが設定されておらず、評価基準を作るのが困難であることがあげ られる。そのため、毎年実施する前年度実績に基づく達成度評価が主観的になりや
すく、基本施策によってはなかなか評価が決まらないという実態がある。 2つ目として、施策の性格上、施策目標の指標には意識調査の結果など定性的なも のが多く、達成されている、いないにかかわらず、実感を得にくいものとなってし まっている。 3つ目として、策定時に状況が把握できていなかった施策目標を含めて、目標値が 高すぎたため、実現が困難であった。最終的には 100%を目指すとしても、5年や6 年の計画期間では無理があると言える。目標値の設定にあたっては、しっかり現状 を把握したうえで、現実的な根拠をもとに積み上げた数値を検討する必要がある。 最後に、アンケート調査と節目の評価の時期を一致させていないことである。プラ ンでは6年間の計画期間中に、毎年の評価のほか中間年、仮最終及び最終と、節目 に3回の評価をあらかじめ設定している。しかし、施策目標の達成度を測るのに必 要な意識調査等の実施時期は、必ずしもこれらの時期と一致していないため、満足 に評価ができない事例もあった。 前述のとおり、「男女共同参画」は、これという決まった形がなく、明確な施策目 標を立てること自体が難しく、定性的な指標にならざるを得ないことがあるのも確 かである。しかし、この目標値が達成できたらこの施策が確実に進展していると、 納得できるように関連付けることを検討すべきである。また、目標値の設定につい ても、計画的に無理のない数値を検討する必要がある。 以上のような課題を踏まえて、次期プランの策定にあたっては進行管理に支障を来 たさないように、十分に留意をしていただきたい。