Web調査
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(社)JC総研 基礎研究部 主任研究員藤本 恭展
(ふじもと やすひろ) 2011 年 2010 年 2009 年 0 5 10 15 20 25(%) 買い置きの 生鮮野菜はない 調理はしたが 生鮮野菜は 使わなかった 1 日調理を しなかった 13.6 6.7 12.5 6.9 16.1 20.7 20.5 11.1 14.5震災の教訓が生かされたか ? 生鮮野菜の買い置きの増加
━━野菜・果物の消費行動に関する調査結果から
1.震災前と震災後の食材の買い置き状況の変化
『JC総研レポート』2011年夏号(vol.18)において、「買いだめに拍車をかける食材の 買い置きの減少」について報告した。米をはじめとする食材の買い置きが年々減少して おり、これが買いだめを助長した可能性があると推測したのである。 それでは、その後家庭での買い置き状況はどうなったか。今回実施した「野菜・果物 の消費行動調査」のなかで、生鮮野菜の買い置き状況を質問しており、昨年(震災以前) と比較しながら分析した結果を以下に述べる。また、野菜の摂食状況の変化についても コメントする。2.調理をしなかった、生鮮野菜を使わなかった、買い置きはない、のすべてが減少
図1は回答日または回答日の前日にどんな生鮮野菜を調理に使用し、その時にどんな生 鮮野菜の買い置きがあったかを聞いた設問のうち、「1日調理をしなかった」「調理はした が生鮮野菜は使わなかった」「買い置きの生鮮野菜はない」の回答割合を抜き出してグラ フにしたものである。これによると、2009年から2010年調査にかけて増加したおのおの の項目が、2011年にはすべて減少している。特に、「買い置きの生鮮野菜はない」につい ては、2010年の16.1%から14.5%へと1.6ポイント減少した。この結果から、東日本大震 災の前と後で、若干ではあるが買い置きをする人が増えていると推測される。震災後は 量販店など多くの店舗で防災グッズや非常食のコーナーが増え、これらを購入する人も 増加しているように見えるが、日常使用する生鮮野菜においても、買い置きを増やしてお こうという意識が働いているものと思われる。ただし、2009年(6.9%)と比較すると、 買い置きがないという人は7.6ポイント多いのであり、不景気を背景とした節約による買 い置き減らしは継続しているともいえる。 【図1】1日の調理状況・買い置きの生鮮野菜の割合など(2009 年→ 2011 年推移)2011 年 2010 年 2009 年 0 5 10 15 20 25(%) 買い置きの 生鮮野菜はない 調理はしたが 生鮮野菜は 使わなかった 1 日調理を しなかった 13.6 6.7 12.5 6.9 16.1 20.7 20.5 11.1 14.5 それでは、どのような野菜の買い置きが増えたのか、品目別に見てみよう。 表1は、買い置きのある生鮮野菜のトップ10を年次別に掲載している。トップは玉ネ ギで74.4%、次いでジャガイモの65.8%である。この2品目は、不動の1、2位で変化は ない。3位がニンジンで、2009年の4位から1つ順位を上げている。これら3つの品目 は、いずれも子どもの好きなカレーやシチューの主な材料であり、保存性が良いことでも 共通している。以下、キャベツ(55.8%)、キュウリ(54.7%)、ショウガ(44.7%)、トマト (43.3%)と続いている。これらトップ10の2010年との増減を見ると、キャベツ(−0.1ポ イント)以外はすべての品目で増加している。 ところで、2010年は猛暑による記録的な野菜高騰という特殊要因があった。これによ り、買い置きの野菜も減少したと考えられる。しかし、2011年も東日本大震災および原 発事故により、夏野菜の主産地である東北地方の出荷減や、7月の新潟・福島を襲った 豪雨により産地は大打撃を受け、やはり生鮮野菜は高騰している。キャベツの減少など は高値も一因と推測される。このことから考えると、2010年からの割合の増加は、やはり震 災を契機としての買い置きの増加ではないか。実際に統計を見ると、2011年7月の生鮮 野菜に対する支出金額は、前年同月に対し3.6%増加、平均単価が0.8%増加している注)。 それでも購入数量は2.8%増加している。 ただし、増加率に貢献しているジャガイモ・玉ネギ・ニンジンについては、ともに生鮮 野菜では高騰せず、価格の優等生であったことが大きな要因と思われ、デフレ進行によ る低価格志向はここにも影を落としている。このことは、表2の総務省家計調査から当研 究所が作成した「ばれいしょ」「にんじん」「たまねぎ」の支出金額や購入数量からも裏 付けられる。いずれも購入数量は大幅に伸び、支出金額は逆に減少している。すなわ ち、平均単価騰落率に表れているとおり、2011年7月のこれらの野菜の価格は前年同月 に対して大幅に下がっていたことが明らかである。 なお、2009年に7位だったピーマンは2010年には10位に、2011年には僅差ながら枠 外の11位になっており、代わりにレタス類が入っている。当研究所が今回調査した項目 【表1】買い置きのある生鮮野菜トップ 10(2009 年→ 2011 年推移) 今回(2011年) 2011年−2010年 前回(2010年) 前々回(2009年) 順位 品 目 (%) (ポイント)品 目 (%)品 目 (%) ① 玉ネギ 74.4 5.2 玉ネギ 69.2 玉ネギ 77.3 ② ジャガイモ 65.8 6.8 ジャガイモ 59.0 ジャガイモ 70.7 ③ ニンジン 59.5 3.3 ニンジン 56.2 キャベツ 65.6 ④ キャベツ 55.8 −0.1 キャベツ 55.9 ニンジン 65.6 ⑤ キュウリ 54.7 2.0 キュウリ 52.7 キュウリ 58.7 ⑥ ショウガ 44.7 2.6 ショウガ 42.1 ショウガ 49.1 ⑦ トマト 43.3 1.4 トマト 41.9 ピーマン 48.8 ⑧ 長ネギ類 40.6 1.0 キノコ類 40.0 トマト 48.5 ⑨ キノコ類 40.3 0.3 長ネギ類 39.6 長ネギ類 43.5 ⑩ レタス類 38.6 3.4 ピーマン 36.5 キノコ類 43.0 n=1,143 n=1,240 n=1,248 注)総務省家計調査(2 人以上の世帯) 注:品目の表記は統計資料のまま 資料:総務省家計調査をもとにJC総研作成 【表2】2011 年 7 月の各野菜の消費動向(前年同月比) 全体 購入世帯あたり 品 目 支出金額 購入数量 平均単価 支出金額 購入数量 増減率(%)増減率(%)騰落率(%)増減率(%)増減率(%) ばれいしょ − 5.8 11.3 − 15.2 − 8.8 8.0 にんじん − 4.2 17.5 − 18.6 − 8.1 12.4 たまねぎ − 11.4 3.7 − 14.7 − 8.0 7.7
(%) 0 10 20 30 40 50 2011年 2010年 2009年 60 代以上 50 代 40 代 30 代以下 単身男性 単身女性 主婦 全体 13.6 20.7 8.1 13.4 24.5 30.8 32.3 42.8 24.9 9.8 18.2 9.0 12.8 15.6 6.6 33.1 20.5 14.8 28.0 44.9 30.9 19.6 14.5 13.9 に「嫌いな野菜」を聞いたものがあるが、ピーマンは嫌いな順位の上位には入っていな い。ピーマンはそのまま生食することは少なく、レタスはサラダとして簡単に食べられ る。最近の傾向である「調理が面倒」という要素がピーマンの順位を下げていると推測 される。 表1をさらに属性別に分解すると、傾向の違いが鮮明になる。 表3が主婦・単身女性・単身男性ごとに買い置きのある生鮮野菜トップ10の年次別推 移を示したものである。これを見ると、野菜の買い置きに貢献しているのはほとんど主婦 であることが分かる。単身者は品目ごとに差はあるが、男女ともトップ10では買い置きが 減少した品目の方が多い。 また、品目も属性によって好みがあり、単身女性ではニンニクが、単身男性ではダイコ ン・ナスが、おのおの買い置きのある野菜の10位以内にランクインしている。ちなみに、 今回属性として加えた既婚男性では、単身男性同様、ダイコン・ナスがトップ10にラン クインしている(表4)。この「既婚男性」の属性は、より消費実態に近い結果を求める 【表3】買い置きのある生鮮野菜トップ 10(属性別・2009 年→ 2011 年推移) 主婦 単身女性 単身男性 今回(2011年) 2011年−2010年 前回(2010年) 前々回(2009年) 順位 品目 (%) (ポイント)品目 (%)品目 (%) ① 玉ネギ 82.8 6.0 玉ネギ 76.8 玉ネギ 84.9 ② ジャガイモ 74.7 6.4 ジャガイモ 68.3 ジャガイモ 79.5 ③ ニンジン 70.0 4.4 ニンジン 65.6 ニンジン 76.1 ④ キャベツ 64.4 −0.7 キャベツ 65.1 キャベツ 73.3 ⑤ キュウリ 63.6 2.4 キュウリ 61.2 キュウリ 67.4 ⑥ ショウガ 52.0 2.7 ショウガ 49.3 ショウガ 57.1 ⑦ トマト 50.4 2.7 トマト 47.7 ピーマン 56.5 ⑧ 長ネギ類 47.1 1.3 キノコ類 46.4 トマト 55.1 ⑨ キノコ類 45.8 −0.6 長ネギ類 45.8 キノコ類 49.6 ⑩ レタス類 45.5 3.5 ピーマン 43.4 長ネギ類 49.4 n=839 n=845 n=903 今回(2011年) 2011年−2010年 前回(2010年) 前々回(2009年) 順位 品目 (%) (ポイント)品目 (%)品目 (%) ① 玉ネギ 59.9 −3.6 玉ネギ 63.5 玉ネギ 64.1 ② ジャガイモ 50.3 −0.2 ジャガイモ 50.5 ジャガイモ 57.6 ③ キュウリ 40.8 −2.5 ニンジン 44.2 キャベツ 51.1 ④ ニンジン 40.1 −4.1 キュウリ 43.3 ニンジン 45.7 ⑤ キャベツ 38.2 −1.2 キャベツ 39.4 キュウリ 39.1 ⑥ ショウガ 34.4 0.3 トマト 37.5 トマト 37.5 ⑦ キノコ類 33.1 2.8 ショウガ 34.1 ショウガ 36.4 ⑧ 長ネギ類 31.2 2.4 キノコ類 30.3 長ネギ類 33.7 ⑨ トマト 28.0 −9.5 長ネギ類 28.8 キノコ類 31.5 ⑩ ニンニク 26.8 −1.6 ニンニク 28.4 ピーマン 29.9 n=157 n=208 n=184 今回(2011年) 2011年−2010年 前回(2010年) 前々回(2009年) 順位 品目 (%) (ポイント)品目 (%)品目 (%) ① 玉ネギ 41.5 0.3 玉ネギ 41.2 玉ネギ 49.7 ② ジャガイモ 31.3 5.1 キャベツ 32.6 キャベツ 39.1 ③ キャベツ 25.9 −6.7 ニンジン 27.3 ジャガイモ 36.0 ④ ニンジン 20.4 −6.9 ジャガイモ 26.2 キュウリ 31.7 ⑤ トマト 19.0 −1.3 キュウリ 25.1 ニンジン 29.8 ⑥ キュウリ 18.4 −6.7 長ネギ類 23.5 ピーマン 27.3 ⑦ レタス類 17.7 −4.2 レタス類 21.9 ダイコン 25.5 ⑧ キノコ類 17.0 −4.9 キノコ類 21.9 トマト 23.6 ⑨ ダイコン 16.3 −2.4 トマト 20.3 長ネギ類 21.7 ⑩ ナス 15.0 −1.0 ニンニク 19.3 ナス 21.1 n=147 n=187 n=161
(%) 0 10 20 30 40 50 2011年 2010年 2009年 60 代以上 50 代 40 代 30 代以下 単身男性 単身女性 主婦 全体 13.6 20.7 8.1 13.4 24.5 30.8 32.3 42.8 24.9 9.8 18.2 9.0 12.8 15.6 6.6 33.1 20.5 14.8 28.0 44.9 30.9 19.6 14.5 13.9 ために追加したものだが、時系列での推移を見るために、年 次別推移を示したデータにおいては、すべて主婦・単身女 性・単身男性のベースに統一している。
3.調理をしない単身男性・若年層
買い置きの生鮮野菜がある人は前回(2010年)調査より も増加していることが分かった。ならば、買い置きをした野 菜を含め、ちゃんと調理しているのか。図1で「1日調理を しなかった」人の割合のトータルでの年次別推移を示した が、これを属性別・年代別に分解したのが図2である。これを見ると、全体では調理を しなかった割合が2010年の20.7%から2011年の20.5%へと0.2ポイント減少している。し かし、主婦では同13.4%から14.8%へと1.4ポイント増加、単身男性でも同42.8%から 44.9%へと2.1ポイント増加しており、これを単身女性(2.8ポイント減少)がカバーして いる構図になっている。年代別には30代以下が若干減少したものの、30.9%と約3分の1 が調理をしていない。また、60代以上は15.6%から13.9%へと減少しているものの、40代・ 50代ともに調理をしなかった割合が増加している。いくら買い置きが増えても、調理をす る機会が減っては意味がない。いずれにしても、トータルで20.5%と約2割の人が「1日 調理をしなかった」と回答していることは、大きな問題といえよう。この設問では、回答 日当日または前日の1日をとって調理をしたかどうか聞いているものだが、20%強の回答 者すべてが、例えばたまたま月1回の外食日にあたっていた、とは考えにくい。外食や中 食を否定するものではないが、外食や中食ではどうしても野菜の摂取量が少なくなりがち である。特に最近の価格競争で安価になっているチェーンストアの牛丼や、レンジでチン するだけのスパゲティやピラフ、コンビニエンスストアの廉価な弁当などは、野菜不足に なりやすい代表といえるだろう。これらを摂食する場合でも、牛丼にはサラダや漬物、豚 汁などをセットに、あるいは家庭では冷凍食品を解凍する際にサラダや野菜の煮物な ど、簡単に調理して加えれば必要な栄養素をある程度補えるだろう。 【図2】1日調理をしなかった割合(属性別・年代別・2009 年→ 2011 年推移) 【表4】買い置きのある 生鮮野菜トップ 10 既婚男性 今回(2011年) 順位 品目 (%) ① 玉ネギ 65.1 ② ジャガイモ 59.9 ③ キャベツ 59.3 ④ ニンジン 56.2 ⑤ キュウリ 56.0 ⑥ トマト 47.9 ⑦ ダイコン 43.2 ⑧ 長ネギ類 42.8 ⑨ ナス 39.0 ⑩ ショウガ 38.0 n=516(%) (%) (%) 0 20 40 60 80 100 週に1日未満 / 食べない 週に1日 週に2∼3日 週に4∼5日 ほぼ毎日 単身男性 n=162(2011) 単身男性 n=222(2010) 単身男性 n=183(2009) 単身女性 n=163(2011) 単身女性 n=214(2010) 単身女性 n=189(2009) 主婦 n=855(2011) 主婦 n=866(2010) 主婦 n=914(2009) TOTAL n=1,180(2011) TOTAL n=1,302(2010) TOTAL n=1,286(2009) 0 20 40 60 80 100 まったく食べない/飲まない 週に1日未満 週に1日 週に2∼3日 週に4∼5日 ほぼ毎日 ほぼ毎食 70 代以上(n=27) 60 代(n=24) 50 代(n=25) 40 代(n=25) 30 代(n=24) 20 代以下(n=37) TOTAL(n=162) 0 5 10 15 20 25 30 2010年 2000年 75 歳以上 70∼74 歳 65∼69 歳 60∼64 歳 55∼59 歳 50∼54 歳 45∼49 歳 40∼44 歳 71.9 71.9 11.411.4 7.77.7 2.32.3 8.0 8.0 37.8 37.8 10.810.8 25.3 25.3 9.99.9 4.2 4.2 33.333.3 12.612.6 12.0 12.0 24.024.0 4.04.0 4.0 4.0 28.028.0 12.012.0 16.7 16.7 8.38.3 8.48.4 14.8 14.8 14.814.8 11.111.1 25.9 25.9 19.119.1 8.08.0 3.73.7 0.0 0.0 13.5 13.5 18.918.9 13.513.5 5.45.4 20.8 20.8 16.716.7 4.24.2 8.38.3 16.0 16.0 28.028.0 16.016.00.00.0 0.0 0.0 0.0 0.0 28.0 28.0 24.024.0 4.04.0 37.5 37.5 16.716.7 8.38.3 4.24.2 44.4 44.4 18.7 18.7 27.9 27.9 21.5 21.5 17.2 17.2 13.6 13.6 9.9 9.9 5.9 5.9 3.7 3.7 1.9 1.9 14.8 14.8 10.3 10.3 3.9 3.9 6.1 6.1 2.6 2.6 1.71.7 1.01.0 11.1 11.1 3.73.7 6.7 6.7 8.0 8.0 7.1 7.1 5.3 5.3 5.3 5.3 5.9 5.9 7.9 7.9 8.4 8.4 7.3 7.3 12.0 12.0 18.6 18.6 13.6 13.6 65.1 65.1 13.013.0 10.410.4 3.53.5 67.7 67.7 12.612.6 9.49.4 3.13.1 79.9 79.9 9.39.3 4.04.01.51.5 72.8 72.8 12.512.5 6.96.9 2.42.4 76.1 76.1 9.99.9 6.16.12.02.0 56.6 56.6 18.018.0 14.314.3 3.23.2 57.5 57.5 14.514.5 17.317.3 2.32.3 57.0 57.0 20.220.2 11.011.0 4.34.3 48.1 48.1 15.315.3 19.119.1 5.55.5 42.4 42.4 13.513.5 17.117.1 8.68.6 33.9 33.9 19.119.1 25.325.3 8.08.0
4.減少する野菜の摂食頻度
これまで野菜の買い置き、調理をしない割合などについて見てきたが、それでは実際 の摂食頻度はどうなっているか。図3が野菜の摂食頻度の2009年調査からの年次別推移 である。これを見ると、全体では2010年に1度減少した摂食頻度が2011年には増加に 転じている。ただし、増加傾向にあるのは主婦・単身女性である。よく食べていると評価 できるのは「ほぼ毎日」から「週に4〜5日」までと考えられ、単身男性では減少傾向に あるといえよう。 単身男性の摂食頻度は若年層ほど少なく、年代が高くなるにつれて増加するが、気に なるのは図4の60代、70代以上である。高齢層では「ほぼ毎食」や「ほぼ毎日」野菜を 食べる人の割合も多いが、「まったく食べない/飲まない」という人もおのおの4.2%、 3.7%存在する。40代・50代では0.0%の数字が、60代以上になると、数%とはいえ、現 れる。つまり、高齢になると野菜を食べなくなる人もいる、ということだ。前年調査と比 較すると、その割合は減少しているものの、問題はこの「食べない」層の実数が今後増 加する可能性が高いということだ。2010年に実施した国勢調査の抽出速報集計結果によ ると、65 〜 69歳の男性の未婚割合は5.9%で2000年と比較すると3.3ポイント増、70 〜 74歳では3.7%で同2.0ポイント増、75歳以上では1.9%で同0.8ポイント増となっている。 いずれも増加傾向にあり、さらに15歳以上ではすべての年代(5歳階級)で男性の未婚 割合が増加しているのである(図5・表5)。ということは、平均寿命が延びていること を考えると、今後、当然女性もではあるが、高齢の単身男性が増加することは明らかで あり、従来一番野菜を食べている層が、加齢によりただでさえ食が細ることと加えて、 まったく食べない人も増加する、ということである。当研究所の調査でも、単身者は調理 【図3】野菜の摂食頻度(属性別・2009 年→ 2011 年推移) 注:「ほぼ毎日」は「ほぼ毎食」と「ほぼ毎日」を合算している。また、「週に1日未満/食べない」は、「月に2~3日」「月に1 日程度」「年に数回」「まったく食べない」を合算したもの(%) (%) (%) 0 20 40 60 80 100 週に1日未満 / 食べない 週に1日 週に2∼3日 週に4∼5日 ほぼ毎日 単身男性 n=162(2011) 単身男性 n=222(2010) 単身男性 n=183(2009) 単身女性 n=163(2011) 単身女性 n=214(2010) 単身女性 n=189(2009) 主婦 n=855(2011) 主婦 n=866(2010) 主婦 n=914(2009) TOTAL n=1,180(2011) TOTAL n=1,302(2010) TOTAL n=1,286(2009) 0 20 40 60 80 100 まったく食べない/飲まない 週に1日未満 週に1日 週に2∼3日 週に4∼5日 ほぼ毎日 ほぼ毎食 70 代以上(n=27) 60 代(n=24) 50 代(n=25) 40 代(n=25) 30 代(n=24) 20 代以下(n=37) TOTAL(n=162) 0 5 10 15 20 25 30 2010年 2000年 75 歳以上 70∼74 歳 65∼69 歳 60∼64 歳 55∼59 歳 50∼54 歳 45∼49 歳 40∼44 歳 71.9 71.9 11.411.4 7.77.7 2.32.3 8.0 8.0 37.8 37.8 10.810.8 25.3 25.3 9.99.9 4.2 4.2 33.333.3 12.612.6 12.0 12.0 24.024.0 4.04.0 4.0 4.0 28.028.0 12.012.0 16.7 16.7 8.38.3 8.48.4 14.8 14.8 14.814.8 11.111.1 25.9 25.9 19.119.1 8.08.0 3.73.7 0.0 0.0 13.5 13.5 18.918.9 13.513.5 5.45.4 20.8 20.8 16.716.7 4.24.2 8.38.3 16.0 16.0 28.028.0 16.016.00.00.0 0.0 0.0 0.0 0.0 28.0 28.0 24.024.0 4.04.0 37.5 37.5 16.716.7 8.38.3 4.24.2 44.4 44.4 18.7 18.7 27.9 27.9 21.5 21.5 17.2 17.2 13.6 13.6 9.9 9.9 5.9 5.9 3.7 3.7 1.9 1.9 14.8 14.8 10.3 10.3 3.9 3.9 6.1 6.1 2.6 2.6 1.71.7 1.01.0 11.1 11.1 3.73.7 6.7 6.7 8.0 8.0 7.1 7.1 5.3 5.3 5.3 5.3 5.9 5.9 7.9 7.9 8.4 8.4 7.3 7.3 12.0 12.0 18.6 18.6 13.6 13.6 65.1 65.1 13.013.0 10.410.4 3.53.5 67.7 67.7 12.612.6 9.49.4 3.13.1 79.9 79.9 9.39.3 4.04.01.51.5 72.8 72.8 12.512.5 6.96.9 2.42.4 76.1 76.1 9.99.9 6.16.12.02.0 56.6 56.6 18.018.0 14.314.3 3.23.2 57.5 57.5 14.514.5 17.317.3 2.32.3 57.0 57.0 20.220.2 11.011.0 4.34.3 48.1 48.1 15.315.3 19.119.1 5.55.5 42.4 42.4 13.513.5 17.117.1 8.68.6 33.9 33.9 19.119.1 25.325.3 8.08.0 をするのが面倒というデータが明確に表れている。男女を問わず、1人で食べていれば 楽しくない、食が進まないのは当然である。ましてや単身男性は調理経験のない人が多 い。一般世帯の家族類型別割合の推移においても、2010年調査で初めて「単独世帯」 が31.2%と「夫婦と子どもからなる世帯」(28.7%)を上回り、最も多い家族類型になって いる(2010年国勢調査の抽出速報集計結果)。この類型がさらに増加すると予想される ことは、食生活の今後においても暗い影を落としているといえよう。 【図 4】野菜の摂食頻度(単身男性・年代別・2011 年) 【図5】未婚男性の年齢階級別割合(40 歳以上) 注:手作りの野菜ジュースを含む。市販のものは除く 注:割合は四捨五入しているため、差が単純計算と一致しない 資料:2010 年国勢調査の抽出速報集計結果から抜粋 【表5】配偶関係、年齢(5歳階級)、40 歳以上人口の割合(男性) 割合(%) 差(ポイント) 2000年 2010年 2010年−2000年 年齢 未婚 有配偶 死別・離別 未婚 有配偶 死別・離別 未婚 有配偶 死別・離別 40〜44歳 18.7 77.3 4.0 27.9 67.3 4.8 9.2 −10.0 0.8 45〜49歳 14.8 80.1 5.1 21.5 72.3 6.1 6.7 −7.7 1.0 50〜54歳 10.3 83.5 6.2 17.2 75.9 6.9 6.9 −7.6 0.7 55〜59歳 6.1 86.9 7.0 13.6 78.7 7.7 7.6 −8.3 0.7 60〜64歳 3.9 88.5 7.6 9.9 81.3 8.8 6.0 −7.1 1.2 65〜69歳 2.6 88.6 8.8 5.9 84.6 9.6 3.3 −4.1 0.8 70〜74歳 1.7 87.3 11.0 3.7 85.6 10.7 2.0 −1.7 −0.3 75歳以上 1.0 77.4 21.6 1.9 78.5 19.7 0.8 1.1 −1.9