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講演の内容 1. マンションをめぐる状況 2. 豊島区マンション管理推進条例について 3. これからの課題 - 国の法整備 -

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(1)

豊島区マンション管理推進条例について

小林

秀樹

日本マンション学会長

千葉大学

教授

(2)

講演の内容

1.マンションをめぐる状況

2.豊島区マンション管理推進条例について

(3)

22.7 25 30 35 40 45 50 300 400 500 600 着工数(右目盛・万戸) ストック数(左目盛・万戸) 日本のマンションは580万戸(全住宅の1割) 万戸 累積数 新築数 2.4 5.7 4.55.4 8.4 12.3 7.1 4.9 7 9.9 10.2 11.111.8 12.4 10.211.3 11.2 10.8 10.7 12.3 14.8 16.4 18.6 17.3 11.7 13.6 1920 18.218.4 16.9 17.3 20.3 20.9 19.9 18.6 19.3 20.522.7 16.7 17 9.2 8.2 0 5 10 15 20 25 0 100 200 300 1 9 6 8 1 9 6 8 1 9 6 8 1 9 6 8 1 9 7 0 1 9 7 0 1 9 7 0 1 9 7 0 1 9 7 2 1 9 7 2 1 9 7 2 1 9 7 2 1 9 7 4 1 9 7 4 1 9 7 4 1 9 7 4 1 9 7 6 1 9 7 6 1 9 7 6 1 9 7 6 1 9 7 8 1 9 7 8 1 9 7 8 1 9 7 8 1 9 8 0 1 9 8 0 1 9 8 0 1 9 8 0 1 9 8 2 1 9 8 2 1 9 8 2 1 9 8 2 1 9 8 4 1 9 8 4 1 9 8 4 1 9 8 4 1 9 8 6 1 9 8 6 1 9 8 6 1 9 8 6 1 9 8 8 1 9 8 8 1 9 8 8 1 9 8 8 1 9 9 0 1 9 9 0 1 9 9 0 1 9 9 0 1 9 9 2 1 9 9 2 1 9 9 2 1 9 9 2 1 9 9 4 1 9 9 4 1 9 9 4 1 9 9 4 1 9 9 6 1 9 9 6 1 9 9 6 1 9 9 6 1 9 9 8 1 9 9 8 1 9 9 8 1 9 9 8 2 0 0 0 2 0 0 0 2 0 0 0 2 0 0 0 2 0 0 2 2 0 0 2 2 0 0 2 2 0 0 2 2 0 0 4 2 0 0 4 2 0 0 4 2 0 0 4 2 0 0 6 2 0 0 6 2 0 0 6 2 0 0 6 2 0 0 8 2 0 0 8 2 0 0 8 2 0 0 8 2 0 1 0 2 0 1 0 2 0 1 0 2 0 1 0

(4)

豊島区の状況

約3割が分譲マンション

一戸建住宅 (長屋建てを含む) 分譲マンション 20~50戸の小規模 マンションが多い 木造アパート 賃貸マンション 賃貸マンション:非木造共同住宅 マンションが多い

(5)

マンションは、 一戸一戸が個人の財産 しかし、建物や施設は、 共有の財産になっている

マンションの特徴は、二つの異なる性格をもつこと

専有部分

共用部分

皆が共同で所有・維持管理することには利点も多い 自由に売買できる 管理費・修繕積立金・役員の負担

(6)

共同で所有・維持管理する利点 ①1軒1軒では持てない豊かな空間や施設を利用することができる ②災害時にも心強い 震災があった日、集会室に集まり 一夜を明かす居住者 (提供:東北マンション管理組合 (提供:東北マンション管理組合 連合会) ③維持管理をまとめて委託できる。手間がかからず安心 ○理事や管理会社に任せきりに ○マンション管理に無関心になる ○理事のなり手不足になる ○災害時の対応に懸念がある 手間がかからないがゆえに、以下の問題も生じる

(7)

豊島区の管理の実態は?

古いマンションでは、 管理組合無しが 1割を越えている。 管理組合あり なし 1970年 より前 1970~ 1980年 全体 古いマンションでは、 長期修繕計画を 作成していないが 5割に達している。 長期修繕計画を作成済み なし 1970年 より前 1970~ 1980年 全体 今後予定

(8)

役員のなり手がいない 管理に無関心で非協力的 今後の管理に 不安を抱えて いるマンション いるマンション も多い

(9)

長期修繕計画を作成し、管理費と修繕積立金を毎月支払う

○1990年代以降は、長期修繕計画の作成と積立金が定着した ○しかし、豊島区の古いマンションでは5割が未作成

長期修繕計画を作成済のマンションにも課題が残る

マンションの適切な維持管理に向けて知恵が蓄積されてきた ○修繕積立金が不足しているマンションが多い 30年後を乗り越えるには、200円以上/㎡は必要。 ○駐車場使用料を管理費にあてていると将来が大変 200円以上/㎡に、機械式駐車場の更新は含まず ○将来、管理組合が機能不全になる心配がある 無関心や高齢化等により理事のなり手が不足する 雑居タイプやワンルーム等では管理組合が機能しない

(10)

建物修繕費用の推移

Repair cost after completion of the building

築30~35年で多額の修繕費用がかかる 200 200 200 200 250 250 250 250 300 300 300 300 350 350 350 350 費 用 ( 万 円 ) 0 0 0 0 50 50 50 50 100 100 100 100 150 150 150 150 200 200 200 200 5 5 5 5 10101010 15151515 20202020 25252525 30303030 35353535 40404040 45454545 50505050 55555555 戸 当 た り 費 用 経過年数 経過年数 経過年数

(11)

マンション建替えの仕組み

これまでの建替え成功例は、建物を大きくして、

余った床を分譲することで、建替え時の負担を低減する

販売住宅

従前住民 古いマンションや団地の所有者は、 土地持ち分を売って、 同じ価格分のマンションを取得する

(12)

±0

1千万円 2千万円 1千万円 地価 地価 地価 地価50万円万円万円万円/坪坪坪坪 地価 地価地価 地価100万円万円万円万円

建替えは難しくなっている

建替えは、高地価の立地 と 法定容積率/従前容積率が2倍以上 建 替 え 時 の 負 担 額 1 1 1 1倍倍倍倍 22倍22倍倍倍 3倍333 44倍44 平均値 現状容積に対する倍率 1千万円 余る 地価 地価地価 地価150万円万円万円万円 地価 地価地価 地価200万円万円万円万円 50㎡の例 負 担 額 ( 従 前 と 同 じ 住 宅 面 積 の 場 合 )

(13)

管理組合が機能しないと、建替えも大規模修繕もできない恐れ 賃貸アパートの例 壁が剥がれて危険なためネットをかけた 管理不全マンション 一戸建住宅の放置と同じ問題になる恐れ 賃貸アパートの例

(14)

管理不全を引き起こさないように条例で対応する

適切なマンション管理を条例で義務化することは、 ① 地域に悪影響を及ぼすことを事前に防止する。 豊島区マンション管理推進条例について ① 地域に悪影響を及ぼすことを事前に防止する。 ② 管理組合の合意形成を容易にする効果がある。 長期修繕計画の作成、名簿の作成、等 ③ 豊島区がマンションを支援することの表明である。 豊島区に報告、勧告や専門家派遣、罰則、等 ワンルームマンションも対象とすることも大きな意義がある

(15)

自治体におけるマンション関連条例の制定

○中央区 平成21年3月制定 賃貸マンションを含む 建築指導関係のみ義務規定。その他は努力規定 ○建築時の指導要綱をもっている自治体は多い → 新築マンションへの対応は行われてきた ○豊島区 平成24年12月制定 分譲マンションを対象 (投資型ワンルームを含む) 豊島区の特徴 : 管理について義務と罰則を定めている 管理者の選任、管理規約の制定と閲覧、議事録の作成と閲覧、長期修繕計 画の作成、名簿(所有者と居住者)の作成、郵便受け設置と連絡先の表示、 設備点検と清掃、自治会との協議、区の調査への協力 -以上の区への報告 対応策と罰則:指導と勧告、マンション名の公表

(16)

1.町会・自治会との関係

義務規定の中でも注目したいポイント 戸建もマンションも協力して、地域課題を解決していく必要がある 地域住民としては、町会への加入を義務づけて欲しいが... 小戸数マンションが多い → マンションの価値は地域が支える 地域住民としては、町会への加入を義務づけて欲しいが... 町会は任意加入であり強制できない → 町会との協議の義務 ○16条2 緊急連絡先表示板を設置するものとする。 ○26条 町会・自治会と加入等について協議するものとする。

(17)

2.名簿の作成

義務規定の中でも注目したいポイント 区分所有者名簿は、作成しているマンションが一般的 しかし、災害時の安否確認などに必要なものは居住者名簿 そこで、名簿の作成と保管を義務づけることとした。 そこで、名簿の作成と保管を義務づけることとした。 取り扱い細則はマンションに委ねる。 金庫に保管しているとイザという時に役に立たない。 情報の一部は、理事等が共有することも重要である。 ○14条 区分所有者及び居住者等の名簿、及び名簿の取り 扱い細則を備え、適正に保管するものとする。

(18)

3.適切な維持管理の義務化

義務規定の中でも注目したいポイント ○12条 管理規約の作成、保管、閲覧 ○5条2 マンションの管理者等を選任するものとする。 ○13条 総会及び議事録の作成、保管、閲覧 ○15条 設計図書と修繕履歴の保管(但し、事情に配慮する) ○18条 設備の法定点検と清掃の実施 ○19条 長期修繕計画を作成するものとする

(19)

4.区への報告、罰則、支援

義務規定の中でも注目したいポイント 罰則(名前の公表)を定めるが、それは最後の手段 まず区に報告し、問題があれば指導する。区の支援も検討 (区の調査への協力) ○11条 マンションの管理状況を区に届け出なければならない ○6条 マンション代表者等は、区の行う調査等に協力する ○8条 管理業者は、区の行う調査及び支援業務に協力する ○27条 区長は、指導に応じるよう要請できる。 ○28条 区長は、勧告できる。従わないと名前の公表ができる。 (区への届け出、指導、勧告、罰則)

(20)

○義務化された内容は、 しっかり管理しているマンションでは、当たり前になっていること ○義務化された内容は、 やる気のある理事を応援して、合意しやすくする効果が大きい

本条例の趣旨は、管理不全を起こさないよう予防!

○罰則により一定の効果は発揮すると考えられる。 しかし、管理不全を起こしてしまったマンションには効果はない 管理不全を起こさないように予防する条例である。 管理不全を起こしたら、行政の代執行を可能にする法律が必要。

(21)

豊島区では、並行してマンション管理の支援を行う

○マンション管理セミナーの実施 ○マンションへの専門家派遣(マンション管理士等)を実施 専門家やマンション管理士に依頼してセミナーを実施 管理に課題があるマンションに対して、専門家を派遣する ○管理組合連絡会は、これからの課題 参考)区主導による連絡会の設置例-世田谷区(連絡先が住宅課) 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(平成12年12月公布)において、マ ンション管理を支援する地方公共団体の努力義務を掲げる。 第五条 国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化に資するため、管理組合又は マンションの区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ず るよう努めなければならない。 ○劣化診断調査や耐震改修への補助

(22)

耐震基準の差異による被災程度

(阪神淡路大震災時) 25 30 35 危 危危 危 険 険険 険 判 判判 判 旧旧耐震 旧耐震 新耐震マンション 1971年 建築基準改訂 1981年 建築基準改訂 0 5 10 15 20 1966 1966 1966 1966 1968 1968 1968 1968 1970 19701970 1970 1972 1972 1972 1972 1974 19741974 1974 1976 19761976 1976 1978 1978 1978 1978 1980 19801980 1980 1982 1982 1982 1982 1984 1984 1984 1984 1986 1986 1986 1986 1988 19881988 1988 1990 1990 1990 1990 建設年 建設年建設年 建設年 判 判判 判 定 定定 定 率 率率 率 (((( % %% % ))))

(23)

これからの課題

マンションに関する国の法整備

○建替え円滑化 ①2002年の区分所有法改正。 4/5以上の合意。老朽度等の客観的要件は不要になる。 ②2002年「マンション建替え円滑化法」の制定 ○管理の適正化 :2000年の管理適正化法の制定。 マンション管理の公共性。マンション管理士の創設。 ②2002年「マンション建替え円滑化法」の制定 2011年6月時点で、185マンションで建替えを実施済み。 3.マンション再生に関する法律(含む管理不全への対応) 2.マンションの解散制度(区分所有関係の解消)の創設

今後の課題

1.第三者管理をどう位置づけるか

(24)

1.

第三者管理者方式をどう位置づけるか

賛成意見: 標準管理規約に位置づけ、資格制度を創設する ②すでに実態として存在し要望もある。 (例:都心の小戸数マンション) ③ヨーロッパでは、一般的である。(例:フランスが典型) ①高齢化や賃貸化とともに、役員のなり手不足が問題になる。 ④投資型やリゾートマンション等では、理事会方式は機能しない。 ④投資型やリゾートマンション等では、理事会方式は機能しない。 慎重意見: 現状のままでよい ①必要に応じて実施可能で、国土交通省が指針を示す必要はない。 ②理事会方式を基本として、区分所有者の参加意識を高めたい。 ③第三者管理者は、特殊なマンションで求められるものである。 過剰規制は第三者管理者方式をむしろやりにくくする。 第三者に任せればよいという誤ったメッセージを発する懸念

(25)

第三者管理者方式の今後

1.今後、必要性が高まることは確かである 標準タイプを設定することは難しい。 複数の管理タイプを示して、参考情報として提示することが妥当。 資格制度・保険制度の創設は、経験を蓄積した後で本格検討。 3.管理不全マンション対策に応用することが今後の課題 2.一般ファミリー向けマンションは、従来の理事会方式が 適切であり、区分所有者の参加意識を高めることが重要 一般マンションにとっては、第三者管理は例外的なことを確認 管理不全マンション、または管理不全予備軍のマンションでは、 第三者管理者方式が必須になる。

(26)

2.マンションの解散制度(区分所有関係の解消)の創設

背景)東日本大震災で、区分所有関係を解消する動きが顕在化 (マンションを解体し、敷地を売却すること) ○建替え制度はあるが、解消制度がないため、原則は全員合意 ○そこで、多数決で区分所有関係の解消ができる制度が必要 被災マンションに対するマンション学会提言を参照 昨年9月に法制審議会に諮問され、早期の法改正を目指す 1.被災マンションに限定。大規模一部滅失の場合に適用する 2.4/5の特別多数決で、建物の解体と敷地の売却ができる

(27)

3.マンション再生に関する法律について

(未着手)

①マンション建替えは、法律や補助制度が整備されてきた。 ②マンション解消は検討が始まった。今後は老朽マンションへ ③マンション再生については、未着手である。 今後、マンション再生法の検討に取り組む必要がある。 今後、マンション再生法の検討に取り組む必要がある。 韓国の大規模改修

(28)

再生法のテーマ1

マンション改修の円滑化

修繕

新築時の性能に戻す、または近づける

普通決議で可 : 区分所有者数及び議決件の過半数

建替えが困難

修繕・改修して長持ちさせることが必要

改修

新築時の性能を越える、または変更する

特別多数決議が必要 : 同上の 3/4以上 注)専有部分の変更を伴う増築等は、全員同意が必要 福祉施設や太陽光発電を導入したい、 耐震性や断熱性を高めたい.. 写真のリモデリングなど

(29)

改修に関して検討が必要な課題

○「修繕」と「改修」の境界はどこ? 例:共用部分にスロープや手摺を設置 普通決議で可能な「改修」を明確にする 光LAN(インターネット)を導入 ○「改修」の決議要件緩和 費用負担が軽度(例:価格の20%以 下)の改修は、普通決議で可能に? 例:ある団地で、集会室を建替えて、 高齢者と子育福祉施設を導入する計画 賛成6割。3/4に達せず否決!

(30)

管理不全を起こしたマンションは、豊島区の条例でも対応できない

対処するためには、行政による代執行が必要になる

空き家条例と同じく、行政が代わりに修繕・清掃・取り壊しを 行う制度。費用は所有者に請求する。

再生法のテーマ2

管理不全マンションへの対応

行う制度。費用は所有者に請求する。 所有者が支払えない場合は、マンションを売却して回収でき ることを法律に定める必要がある。 中古価格が、修繕費用を上まわる場合は再生を選択、 下回るならば、解消・取り壊しが選択される。 その判断基準を含めて、今後、慎重に検討することが必要。

(31)

最後に、マンションの良さを再確認したい

1.管理組合が機能している多数のマンションは問題がない 2.戸建てに比べてメリットが多い。都市住宅として確立している ○個人では持てない豊かな共用施設を利用できる ○維持管理に手間がかからない。 ○便利な場所に住むことができる ○集って住むことの安心感がある。 この良さを発揮するために、維持管理を円滑に行うことが必要になる ○集って住むことの安心感がある。 東北マンション管理組合連合会提供 浦安住宅管理組合連合会提供

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