平成 20 年度 委員会 行政視察報告
◆ 建設委員会(平成 20 年 10 月 21 日~10 月 24 日) ◆
1 参加委員 委員長 千 田 直 人 副委員長 安 倍 太 郎 委 員 大 森 秀 一 、 阿 部 久 一 、 堀 川 禎 則 伊 藤 啓 二 、 髙 橋 誠 志 ほか事務局職員随行1名 2 視察日時 平成20年10月21日(火)から 平成20年10月24日(金)まで 4日間 3 視察先及び視察内容 (1)愛媛県今治市 重要港湾今治港について (2)広島県呉市 住宅関連事業による定住支援について (3)広島県竹原市 竹原市の都市整備事業について (4)広島県福山市 防災公園の整備について ────────────────────────────────────────(1)愛媛県今治市
○ 視察目的 ●重要港湾今治港について(現地視察:コンテナターミナル) 今治港富田地区は平成 7 年に完成した港で、貨物のコンテナ化や船舶の大型化に対応 するため整備され、現在、韓国航路と台湾・香港航路の二つの国際コンテナ航路が就航 し、四国の国際貿易の拠点として、その役割を果たしている。 現在、仙台塩釜港において貨物量が飽和状態にある中、県内に次々に進出する企業の 輸送需要等が増大して行くことと予想されるが、我が石巻港においても港湾の利用促進 をはかり、物流による経済波及効果の創出や新たな企業進出の可能性について考察すべ く、現在物流の主力となっているコンテナを利用した輸送について視察する。 ○ 視察概要 今治港の入港船舶隻数は、平成 19 年においては 33,160 隻(前年比 87.3%)であり、 このうち外航(商船)は 251 隻(前年比 103.7%)、内航(商船・フェリー)は 28,893 隻(前 年度比 86.0%であった。また、平成 19 年の船舶乗降人員及び自動車航送台数は、船舶乗降人員は 547,467 人 (前年比 84.2%)、自動車航送台数は 383,357 台(同 91.7%)であり、入港船舶隻数、船 舶乗降人員とも減少傾向にある。 平成 19 年の海上出入貨物量の合計は、7,027 千トン(前年比 83.2%)であり、このう ち、外貿貨物は 284 千トン(前年比 96.6%)、内貿貨物(フェリー除く)は 752 千トン(前 年比 65.3%)、内貿貨物(フェリー)は 5,991 千トン(前年比 85.5%)であり、いずれも 減少傾向にある。 次に、コンテナ貨物についてであるが、定期コンテナ航路では、平成 20 年 10 月現 在、週 10 便の定期コンテナ航路が就航しており、内訳は外貿が韓国航路週 5 便、内貿 フィーダーが神戸航路週 2 便とひびき航路週 1 便であり、内貿が大分航路週 2 便とな っている。また、コンテナ個数では、平成 19 年の個数は実入りと空合わせて 20,749 TEU(前年比 91.7%)であり、このうち、外貿が 17,330TEU(前年比 97.8%)、内貿 は 3,419TEU(前年比 69.6%)の状況であり、取扱量も減少傾向にあるとの事であっ た。 港運業界や荷主からの要望では、港湾施設使用料の減額を要望され、平成 15 年 7 月 からガントリークレーンの使用料を 45%減額し、平成 17 年 7 月からジブクレーンとコ ンテナ用リフト使用料を 15%減額して対応している状況であり、さらにジブクレーン の更新の要望が出され、平成 20 年度から荷役機械整備事業に着手し、多目的ジブクレ ーンの整備を 557,800 千円の予算で平成 23 年度までに整備する予定であるとの事であ った。 国・県に対しての要望では、国に対して富田地区 防波堤の早期完成と防波堤上部が多目的に利用でき るよう安全柵の設置を合わせて、要望運動を展開し ている。 港湾関係の 19 年度の年間事業費については、約 15 億 3,600 万円であった。また、港湾振興費の中で、 要覧、パンフレットの発行、新聞や物流情報誌への 広告掲載、平成 10 年度から今治市民のまつり「おん まく」を、今治港周辺を主会場にして開催し、港湾 の活用を図っていた。 主な質疑の内容は次のとおり。 (問)ガントリークレーン購入における国・県の補助金は利用状況は。 (答)補助は無く市の起債のみで、クレーン本体は 9 億 2 千万円である。主な利用者 は、今治商運・日通と連携をとりながら使用しており、大荷主は住友化学であ る。また、近年、タンクコンテナを扱うことになった。 (問)平成 8 年 10 月に設置したガントリークレーンは当初から計画されていたか。 (答)昭和 59 年の港湾計画に入っていた。当初はジブクレーンで対応した。 (問)台風が多いと思うが船の静穏度対策は。
(答)瀬戸内海なので大きな波は立たない。防波堤により静穏度を保っている。大き な波がある場合は島影に避難する。 ○ 所 感 今治港は、大正 10 年に重要港湾に指定され、大正 12 年から 9 か年かけ、国の直接 施工により拡大改修が行なわれ、現在の観光港に近いものになりました。 昭和 26 年 1 月には港湾法に基づく重要港湾に指定され、昭和 27 年 11 月に今治市が 管理することを認可され現在至っており、みなとまちとしての歴史を感じざるをえま せん。 昭和 61 年には、コンテナ時代に対応すべく、ジブクレーンを設置し、平成 8 年には 四国で最初のガントリークレーンを設置し、世界航路への接続のスピード化を図って います。外貿コンテナの取扱量は、四国において常に先頭にたっており、韓国・東南 アジア定期コンテナ航路を持っています。 現在の今治市では、平成 11 年のしまなみ街道の開通や平成 18 年の海砂利採取禁止 により、内貿貨物の取扱い量が減少しており、今後の対策が求められています。 物流ニーズの高度化と多様化に対応するため、海陸一貫複合輸送体系への対応と流 通コストの低減化に努力しています。そのため、港湾や幹線道路網の整備を積極的に 推進しており、今後さらに、高速道路網の整備と連携した港湾の物流機能の整備と拡 充に取り組むことにより、中国地方と四国の物流拠点となることを目指しています。 一方、仙台塩釜港においては、貨物量が飽和状態にある中、県内に進出する自動車 関連企業により、近い将来さらなる輸送需要の増大等が予想されますが、それに伴い、 石巻港においても、三陸縦貫自動車道の延伸が進む中、需要の増大が予想されます。 このような状況のなか、物流による経済波及効果の創出と企業進出の可能性に繋げ るべく、更なる港湾の利用促進をはかり、現在主力となっているコンテナを利用した 輸送形態を構築すべきであります。 本年 11 月より、日本製紙株式会社石巻工場では、定期コンテナ船による製品輸送を スタートしました。 石巻港にはコンテナ用の荷役設備が無いため、船に搭載したクレーンを使っての作 業となり、今後はコンテナ船導入を契機として、国・県に対してガントリークレーン の設置要望を強力に展開すべきと考えます。 また、同時に自動車関連の貨物を呼び込む施策も必要と考えます。 仙台塩釜港が手狭になる中、先を見通した早期の整備が肝要であり、国・県への要 望行動など、様々な面からの働きかけが必要と考えます。 さらに、他の港においては、市主催で勉強会等を開催し、頻繁にポートセールスを 行なっている自治体もあり、さらなるポートセールスの強化が必要であります。
(2)広島県呉市
○ 視察目的 ●住宅関連事業による定住支援について 全国的に少子高齢化が進む中、呉市では定住人口を増やし、元気なまちづくりを進 めていくため、平成 17 年度より定住対策に関する様々な事業を展開している。 それらの事業の概要と取り組み経過、課題及び今後の展開等について、本市の住宅 施策や定住施策等に生かすべく視察する。 ○ 視察概要 呉市は明治時代から軍港のまちとして栄え、昭和 16 年には戦艦大和を竣工させるな ど、海軍工廠を持ち栄華を誇っていた。戦後、平成 2 年には人口 28 万人の市であった が、年々人口は減少している一方、世帯数が増加している。 人口では、14 歳以下の年少人口は減少しているが、65 歳以上の老年人口は増加し、 全国及び広島県の平均と比較しても少子高齢化が進んでいる。 それに伴い、住宅、空き家が共に総数的に増加し、空き家率も全国及び県を上回っ ている現状である。 そこで、平成 17 年に若年・子育て世代や団塊世代の定住促進と市内に増加する空き 家、空き地の活用策に取り組むため定住対策室を設置し、平成 20 年より定住対策室に 代わり、定住サポートセンターを設置した。 さらには平成 17 年に全庁的に定住対策を進めるため、呉市定住対策検討委員会を設 置し、定住促進PRパンフレットの作成や首都圏において団塊世代の定住受入調査の 実施、定住モニターツアーの実施、瀬戸内くれ滞在型観光を実施した。 また、定住対策としてインターネットを活用し、定住支援窓口ホームページを開設、 さらに空き家、空き地の活用を図るため県宅地建物取引業協会と協力し、空き家バン クを開設して取り組んでいる。 しかし、大きな成果を得るのは難しく、定住 モニターツアーには 28 名の参加があったが、申 込みまで至ることはできなかった。 高齢者向け優良賃貸住宅制度については、高 齢者に対応し、低兼な家賃で入居できる賃貸住 宅の供給促進を図り、高齢者の安全で安定した 住居を確保すべく、民間の土地住宅所有者等の 経営意欲を誘導するもので、平成 15 年度から実 施している。 実績として平成 20 年度までに 10 棟で 238 戸が完成し、入居する予定である。 当初は入居申込み件数が供給戸数を上回り抽選により入居者を決定していたが、平 成 20 年度においては、申込み件数が供給戸数を下回る状況であるため、次年度からは、申込みの状況や市の財政状況を考慮の上、新規の受付等の検討を行なう方針であると の事でした。 主な質疑の内容は次のとおり。 (問)山手方面の空き家率は高いのか。 (答)斜面のため道路が狭く階段もあり、子供が戻らず空き家率は高い。 (問)定住に対するアンケート調査を実施されたが内容について伺う。 (答)道路網の整備が良くない。就職情報が欲しい。住宅改築・新築に対する補助 金が欲しい。 (問)空き家率の調査で年々空き家が増加しているがその要因は何か、また、分析 はされているのか。また、空き家バンクに登録する際の査定方法は。 (答)核家族化により新しい家を立てるため旧家に戻らなくなり空き家が増えてい る。査定については、広島県宅建協会に依頼している。 ○ 所 感 呉市では積極的な定住支援について視察しましたが、当市においても市内全域の空 き家調査を実施し、実態把握とその原因を調査するとともに、持ち主の意向を確認し、 県宅地建物取引業協会や各種民間団体と協力して、市等のホームページにて空き家情 報を提供するなど、呉市のような定住促進を図る対策が必要であり、情報提供を充実 させるべきと考えます。 また、高齢者向け優良賃貸住宅については、中心市街地活性化の柱になる事業でも あり、市の財政状況を考慮し、民間の経営意欲を誘導しながら、積極的に取組むべき と考えます。
(3)広島県竹原市
○ 視察目的 ●竹原市の都市整備事業について 竹原市の町並みは特徴的であり、近世の日本の町づくりの変遷過程を町の中にとど めている。 竹原市では、これらの町並みを保存すべく、景観維持保存事業や建築基準法の制限 緩和を行っており、都市計画や街路整備においても景観を生かした整備を行っている。 他方、景観を維持することにより、それを生かした観光施策やまちづくり施策につ ながり、本市においても生かすべく視察する。 ○ 視察概要 竹原市は平安時代に、京都市下賀茂神社の荘園として発展し、江戸時代に、兵庫県 播州赤穂より製塩技術を導入し、製塩の町としてさらに発展、昭和 35 年の製塩業廃止 により、その跡地を活用して、まちづくりをしている。製塩業で富を得た方々により、様々な建築物の建立とともに文化が隆盛し、多数の 町人学者を輩出する一方、江戸時代中期から明治にかけての町家が保存され、昭和 40 年代の全国の研究者による調査や、マスコミの紹介により住民にその価値と保存への 意識の共有化をはかり、昭和 55 年に国土庁により伝統的文化都市環境保存地区の指定 を受け、昭和 57 年には町並み保存センターを開館し、保存に努めてきた経緯がある。 この間、町並み保存地区の建物は、町並みに ふさわしく修復し、平成 3 年度より町並み保存 地区内の路線及び周辺に続く路線を都市計画 決定し、歴史的地区環境整備街路事業を実施し、 平成 12 年に完成している。 現在は、ガイド会による町並み保存地区の 説明もあり観光客に大変歓迎されている。 主な質疑の内容は次のとおり。 (問)観光列車運行事業の内容について伺う。 (答)沿岸周辺 4 市で列車を改装して走らせ、1 日 2 往復運行している。JRの協力 により 5 年間限定で運行している。 (問)バンブー・ジョイ・ハイランド整備事業の内容について伺う。 (答)この事業は、平成 2 年~3 年市政 30 周年記念事業として実施し、面積約 36ha を自衛隊の協力により造成、総工費 56 億円、都市公園につき 2 分の 1 補助事 業で実施した。 (問)公共下水道整備率が 10%で、遅れていると思うが要因は何か。 (答)平成元年からの計画であったが、浄化センターの設置場所で混迷し、7 年ほど の遅れが生じた。 ○ 所 感 当市においては、特に町並み保存地区に該当する地区の認識はありませんが、今後、 街路整備事業や景観保存事業等の計画をひとつの事業として計画及び実施する際には、 住民の方々との共通認識の確立が必要であり、そのためには充分な時間が必要である ことを強く認識するとともに、行政の忍耐力のある説明の重要性を感じました。 竹原市には古いものを大事にするという気運があります。昭和 55 年に基準を作って 保存に取り組んできており、当市も取り組むべきものと思います。 また、市の PR 施策がしっかりしており、当市においても古いものを残していく方法 を皆で考えていくべきと考えます。
(4)広島県福山市
○ 視察目的 ●防災公園の整備について(福山市緑町公園) 緑町公園は、福山市の特色を生かしつつ、安全な市民生活を確保する防災機能を備 えた防災公園として整備された。 災害時の広域避難地として指定し、屋内競技場での避難者の収容や、非常用水の利 用等が可能となっており、また、雨水貯水槽、防火スプリンクラー、流水路、備蓄倉 庫等の防災設備も整備している。 以上について、本市の防災公園整備に生かすべく視察する。 ○ 視察概要 緑町公園は、福山市の中心市街地の遊休地となっていた広島大学跡地に、市の花バ ラを中心にした既設の公園を一体化させ、安全な市民生活を確保する防災機能を備え た防災公園として整備された。防災公園としては、広島県内で最初に整備され、災害 時の広域避難地に指定し、国体時に建設した屋内競技場での避難者の収容や、非常用 水の利用等が可能となっている。 防災設備としては、雨水貯水槽 2 基、防災スプリンクラー19 基、放送施設 22 基を設 置し、周囲は幅 10m~15mの防火樹林帯で囲み、野外ステージの下を備蓄倉庫に活用 している。 災害時には避難住民が生活する多目的広場は、通常時には市民の憩の場として活用 され、また、屋外飛び込みプールの地下には浄水装置を設置し、常時蓄えている水を 災害時には飲料水として利用することができる。 総事業費は 350.2 億円で、平成元年より 12 年の計画で整備された。 今後の課題については、犬等の糞尿対策や増加する維持管理費の確保とのことであ った。 主な質疑は次のとおり。 (問)720mの水路について詳しく聞く、 災害時の役目や利用方法は。 (答)庭園の外周を周り流水池に流れる。 災害時は手等を洗い、物を洗浄などに使う。 (問)防火樹林帯を設置しているが、木の種類は 何か。 (答)燃えにくく肉厚の常緑樹で、クロガネモチ、 ヤマモモなどである。 ○ 所 感 現在、当市で計画されております防災公園の建設に対して、福山市の防災公園の内容を、そのまま取り入れる事については、条件や環境があまりにも異なり、難しいも のと考えるが、防災公園として最低限必要な設備は認識致しました。 以下、当市への提言としては、災害時に必要な飲料水を確保する為の浄水装置の設 置と備蓄倉庫については、優先して必要な設備と考えます。飲料水を確保する手段と して、北上川の水を浄化して利用することも検討の余地があると思います。 また、予定人員を早急に検討して示して欲しいと考えます。そのことにより施設の 規模が決まってくると思われます。 建設にあたっては、地下水のくみ上げ量や、残土の有効利用についても考慮すべき であると考えます。 福山市は市のシンボルであるバラを基調として公園を作り上げていました。当市に おいては北上川運河交流館にてツツジを使用していますが、運動公園の整備の際には、 石巻市のシンボル的なものを基調として整備することも良いことであると考えます。 アクセスについて、開北橋のみでは、いざ災害時には利用が集中し、心もとなく感 じます。別の橋の建設も計画すべきと考えます。 さらには、近隣の大学や高校に対しても災害協力を結び、積極的に活用すべきであ ると考えます。 防災公園の整備は、30 数億円の起債を減らすことができることからも、最良の手段 であると考えます。 整備期間は5年ということですが、災害はいつ襲ってくるか分かりません。 総合運動公園の防災公園としての整備については、一刻も早い建設着手と供用開始 を望みます。 4 視察に係る経費 8人 935,294 円(随行職員の旅費を含む) お問い合わせ 石巻市議会事務局 議事グループ 〒986-8501 宮城県石巻市日和が丘 1 丁目 1 番 1 号 Tel : 0225-95-5080(議会直通) Fax 0225-96-2274 Mail : [email protected]