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社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行う ための消費税法等の一部を改正する等の法律案要綱 一趣旨 ( 第 1 条関係 ) この法律は 世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であることに鑑み 社会保障制

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資料2

社会保障・税一体改革について

事務局資料

○ 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行う

ための消費税法等の一部を改正する等の法律案要綱・・・・1

○ 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行う

ための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の

安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方

税及び地方交付税の一部を改正する法律案の国会提出に伴う今

後の対応について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

○ 「簡素な給付措置」及び「給付付き税額控除等の再分配に関する

総合的な施策」の検討体制について・・・・・・・・・・・17

○ 「簡素な給付措置」の具体化にあたっての基本的な考え方・18

○ 消費税の円滑かつ適正な転嫁等のための検討本部の設置につい

て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

○ 税と社会保険料を徴収する体制の構築についての作業チーム「中

間報告」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21

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社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行う ための消費税法等の一部を改正する等の法律案要綱 一 趣旨(第1条関係) この法律は、世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築する ことにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であるこ とに鑑み、社会保障制度の改革とともに不断に行政改革を推進することに一段と 注力しつつ経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一 環として、社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを 目指す観点から消費税の使途の明確化及び税率の引上げを行うとともに、所得、 消費及び資産にわたる税体系全体の再分配機能を回復しつつ、世代間の早期の資 産移転を促進する観点から所得税の最高税率の引上げ及び相続税の基礎控除の引 下げ並びに相続時精算課税制度の拡充を行うため、消費税法、所得税法、相続税 法及び租税特別措置法の一部を改正するとともに、その他の税制の抜本的な改革 及び関連する諸施策に関する措置について定めることとする。 二 消費税法の一部改正(第2条関係) 1 消費税の税率を6.3%(現行4%)に引き上げることとする。(消費税法第29 条関係) (注)上記の改正は、平成26年4月1日(以下「施行日」という。)以後に行われ る資産の譲渡等及び保税地 域から引き取られる課税貨物について適用する 。 (附則第2条関係) 2 消費税の収入については、地方交付税法に定めるところによるほか、毎年度、 制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに尐子化に対処す るための施策に要する経費に充てることとする。(消費税法第1条関係) 3 その事業年度の基準期間がない資本金1,000万円未満の新設法人のうち、その 事業年度開始の日において他の者により当該新設法人の株式等の50%超を直接又 は間接に保有される場合で、かつ、当該他の者及びその特殊な関係にある法人の うちいずれかの者の課税売上高が5億円を超える場合には、当該新設法人の基準 期間がない事業年度については、事業者免税点制度を適用しないこととする。 (消費税法第12条の3関係) (注)上記の改正は、施行日以後に設立される新設法人について適用する。(附則

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第4条関係) 4 直前の課税期間の確定消費税額が48万円(1年分)以下であることにより中間 申告義務のない事業者が、中間申告書を提出する旨の届出書を提出した場合には、 中間申告書を提出できることとする制度を設けることとする。(消費税法第42条、 第44条関係) (注)上記の改正は、施行日以後に開始する課税期間について適用する。(附則第 13条関係) 5 平成 25 年 10 月1日前に締結した工事の請負契約等に基づき、施行日以後に 当該契約に係る課税資産の譲渡等が行われる場合には、当該課税資産の譲渡等 に係る消費税率は、現行税率(4%)とする等の経過措置を講ずることとする。 (附則第3条~第 14 条、第 17 条関係) 6 その他所要の規定の整備を行うこととする。 三 消費税法の一部改正(第3条関係) 1 消費税の税率を7.8%(現行4%、平成26年4月1日以降6.3%)に引き上げ ることとする。(消費税法第29条関係) (注)上記の改正は、平成27年10月1日(以下「一部施行日」という。)以後に行 われる資産の譲渡等及び保税地域から引き取られる課税貨物について適用する。 (附則第15条関係) 2 平成 25 年 10 月1日から平成 27 年4月1日の前日までの間に締結した工事の 請負契約等に基づき、一部施行日以後に当該契約に係る課税資産の譲渡等が行 われる場合には、当該課税資産の譲渡等に係る消費税率は、6.3%とする等の経 過措置を講ずることとする。(附則第 16 条、第 17 条関係) 3 その他所要の規定の整備を行うこととする。 四 所得税法の一部改正(第4条関係) 1 所得税の税率構造を次のとおり改めることとする。(所得税法第89条関係) 現 行 改正案 適用課税所得 税率 適用課税所得 税率 195万円以下の金額 5% 同 左 330万円 〃 10% 〃 695万円 〃 20% 〃

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900万円 〃 23% 〃 1,800万円 〃 33% 〃 1,800万円超の金額 40% 5,000万円以下の金額 40% ― 5,000万円超の金額 45% (注)上記の改正は、平成27年分以後の所得税について適用する。(附則第19条関 係) 2 上記1の改正に伴い、給与所得の源泉徴収税額表(月額表及び日額表)及び 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の見直しを行うこととする。(所得税法 別表第2~別表第4関係) (注)上記の改正は、平成27年1月1日以後に支払うべき給与等について適用す る。(附則第21条関係) 3 その他所要の経過措置を講ずることとする。 五 相続税法の一部改正(第5条関係) 1 遺産に係る基礎控除を次のとおり引き下げることとする。(相続税法第15条関 係) 現 行 改正案 定額控除 5,000万円 3,000万円 法 定 相 続 人 比例控除 1,000万円に法定相 続人数を乗じた金額 600万円に法定相続 人数を乗じた金額 2 死亡保険金に係る非課税限度を次のとおり引き下げることとする。(相続税法 第12条関係) 現 行 改正案 500万円に法定相続人 の数を乗じた金額 500万円に、法定相続人(未成年 者 、 障 害 者 又 は 相 続 開 始 直 前 に 被 相 続 人 と 生 計 を 一 に し て い た 者に限る。)の数を乗じた金額 3 相続税の税率構造を次のとおり改めることとする。(相続税法第16条関係) 現 行 改正案 税率 税率 1,000万円以下の金額 10% 同 左 3,000万円 〃 15% 〃

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5,000万円 〃 20% 〃 1億円 〃 30% 〃 3億円 〃 40% 2億円以下の金額 40% ― 3億円 〃 45% 3億円超の金額 50% 6億円 〃 50% ― 6億円超の金額 55% 4 未成年者控除に係る控除額を次のとおり引き上げることとする。(相続税法第 19条の3関係) 現 行 改正案 20歳までの1年につき6万円 20歳までの1年につき10万円 5 障害者控除に係る控除額を次のとおり引き上げることとする。(相続税法第19 条の4関係) 現 行 改正案 85歳までの1年につき6万円 (特別障害者については12万円) 85歳までの1年につき10万円 (特別障害者については20万円) (注)上記1から5までの改正は、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により 取得する財産に係る相続税について適用する。(附則第22条関係) 6 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造を次 のとおり改めることとする。(相続税法第21条の7関係) 現 行 改正案 税率 税率 200万円以下の金額 10% 同 左 300万円 〃 15% 〃 400万円 〃 20% 〃 600万円 〃 30% 〃 1,000万円 〃 40% 〃 ― 1,500万円以下の金額 45% 1,000万円超の金額 50% 3,000万円 〃 50% ― 3,000万円超の金額 55% 7 相続時精算課税制度の対象となる受贈者に係る贈与者の年齢要件を 60歳以上

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(現行65歳以上)に引き下げることとする。(相続税法第21条の9関係) (注)上記6及び7の改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に 係る贈与税について適用する。(附則第22条関係) 六 租税特別措置法の一部改正(第6条関係) 1 20 歳以上の者が直系尊属から贈与により取得した相続時精算課税制度の対象 とならない財産に係る贈与税の税率構造を次のとおり緩和することとする。(租 税特別措置法第 70 条の2の3関係) 現 行 改正案 税率 税率 200万円以下の金額 10% 同 左 300万円 〃 15% 400万円以下の金額 15% 400万円 〃 20% 600万円 〃 20% 600万円 〃 30% 1,000万円 〃 30% 1,000万円 〃 40% 1,500万円 〃 40% ― 3,000万円 〃 45% 1,000万円超の金額 50% 4,500万円 〃 50% ― 4,500万円超の金額 55% 2 相続時精算課税制度の対象となる受贈者の範囲に、20 歳以上である孫(現行 20 歳以上の推定相続人のみ)を追加することとする。(租税特別措置法第 70 条 の2の4関係) (注)上記の改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税 について適用する。 七 税制に関する抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置(第7条関係) 二から六までの規定により講じられる措置のほか、政府は、所得税法等一部改 正法附則第104条第1項及び第3項に基づく平成24年2月17日に閣議において決定 された社会保障・税一体改革大綱に記載された消費課税、個人所得課税、法人課 税、資産課税その他の国と地方を通じた税制に関する抜本的な改革及び関連する 諸施策について、次に定める基本的方向性によりそれらの具体化に向けてそれぞ れ検討し、それぞれの結果に基づき速やかに必要な措置を講じなければならない。 1 消費課税については、消費税率の引上げを踏まえて、次に定めるとおり検討す

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ることとする。 ⑴ 番号制度の本格的な稼動及び定着を前提に、関連する社会保障制度の見直し 及び所得控除の抜本的な整理と併せて、総合合算制度、給付付き税額控除等の 低所得者に配慮した再分配に関する総合的な施策を導入する。 ⑵ ⑴の再分配に関する総合的な施策の実現までの間の暫定的及び臨時的な措置 として、社会保障の機能強化との関係も踏まえつつ、給付の開始時期、対象範 囲、基準となる所得の考え方、財源の問題、執行面での対応の可能性等につい て検討を行い、簡素な給付措置を実施する。 ⑶ 消費税の簡易課税制度の仕入れに係る概算的な控除率については、今後、更 なる実態調査を行い、その結果も踏まえた上で、その水準について必要な見直 しを行う。 ⑷ 消費税率が段階的に引き上げられることも踏まえ、消費税の円滑かつ適正な 転嫁に支障が生ずることのないよう、事業者の実態を十分に把握し、次に定め る取組を含め、より徹底した対策を講ずる。 ① 消費税の円滑かつ適正な転嫁に資するため、事業者等が消費税の転嫁及び 価格表示等に関して行う行為についての指針を策定し、その周知徹底を図 り、相談等を行うこと。 ② 中小事業者向けに相談の場を設置するとともに、講習会の開催等を行うこ と。 ③ 取引上の優越的な地位を利用して下請事業者等からの消費税の転嫁の要請 を一方的に拒否すること等の不公正な取引の 取締り及び監視の強化を行う こと。 ④ 競争を実質的に制限することにより対価を不当に引き上げる行為を抑止す るための独占禁止法の厳正な運用及び便乗値上げ防止のための調査、監督 及び指導を行うこと。 ⑤ 適正な転嫁等への取組を効果的に推進する観点から、関係行政機関の相互 の緊密な連携を確保し、総合的に対策を推進するための本部を内閣に設置 すること。 ⑸ 取引に際しての価格表示と消費税との関係については、外税、内税等に係る 様々な議論を勘案しつつ、事業者間取引、相対取引等におけるその表示の在り 方を含め、引き続き、実態を踏まえつつ、様々な角度から検討する。 ⑹ 医療機関等における高額の投資に係る消費税の負担に関し、新たに一定の基

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準に該当するものに対し区分して措置を講ずることを検討し、医療機関等の仕 入れに係る消費税については、診療報酬等の医療保険制度において手当をする こととし、医療機関等の消費税の負担について、厚生労働省において定期的に 検証を行う場を設けることとするとともに、医療に係る消費税の課税の在り方 については、引き続き検討する。 ⑺ 住宅の取得については、取引価額が高額であること等から、消費税率の引上 げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏ま え、一時の税負担の増加による影響を平準化し、及び緩和する観点から、住宅 の取得に係る必要な措置について財源も含め総合的に検討する。 ⑻ 消費税及び地方消費税の賦課徴収に関する地方公共団体の役割を拡大するた め、当面、現行の制度の下でも可能な納税に関する相談を伴う収受等の取組を 進めた上で、地方公共団体における体制の整備状況等を見極めつつ、消費税を 含む税制の抜本的な改革を行う時期を目途に、消費税及び地方消費税の申告を 地方公共団体に対して行うことを可能とする制度の導入等について、実務上の 問題点を十分に整理して、検討する。 ⑼ 酒税、たばこ税及び石油関係諸税については、個別間接税を含む価格に消費 税が課されることが国際的に共通する原則であることを踏まえ、国及び地方の 財政状況、課税対象となる品目をめぐる環境の変化、国民生活への影響等を勘 案しつつ、引き続き検討する。 ⑽ 酒税については、類似する酒類間の税負担の公平性の観点も踏まえ、消費税 率の引上げに併せて見直しを行う方向で検討する。 ⑾ 森林吸収源対策及び地方の地球温暖化対策に関する財源確保について検討す る。 ⑿ 燃料課税については、地球温暖化対策等の観点から当分の間税率が維持され ていること及び平成24年度以降において石油石炭税の税率の上乗せを行うこと としたことも踏まえ、引き続き検討する。 ⒀ 自動車取得税及び自動車重量税については、国及び地方を通じた関連税制の 在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつ つ、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から、見直しを行う。 ⒁ 印紙税については、建設工事の請負に関する契約書、不動産の譲渡に関する 契約書及び金銭又は有価証券の受取書について負担の軽減を検討する。 2 個人所得課税については、次に定めるとおり検討することとする。

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⑴ 金融所得課税については、平成26年1月から所得税及び個人住民税をあわせ て20%の税率が適用されることを踏まえ、その前提の下、平成24年度中に公社 債等に対する課税方式の変更及び損益通算の範囲の拡大を検討する。 ⑵ 扶養控除の在り方については、真に税負担の減殺に配慮が必要な者が対象と なっているかどうかとの観点及び課税ベースの拡大等の観点を踏まえるほか、 今後更に具体化される社会保障制度の改革の内容及び給付付き税額控除の導入 をめぐる議論も踏まえつつ、検討する。 ⑶ 年齢23歳以上70歳未満の扶養親族を対象とする扶養控除については、関連す る社会保障制度の内容も踏まえつつ、検討する。 ⑷ 配偶者控除については、当該控除をめぐる様々な議論、課税単位の議論及び 社会経済状況の変化等を踏まえつつ、引き続き検討する。 ⑸ 給与所得控除については、給与所得者の必要経費に比して過大となっていな いかどうか等の観点から、実態を踏まえつつ、今後、その在り方について検討 する。 ⑹ 年金課税の在り方については、年金の給付水準や負担の在り方など今後の年 金制度改革の方向性も踏まえつつ、見直しを行う。 ⑺ 個人住民税については、地域社会の費用を住民がその能力に応じて広く負担 を分かち合うという個人住民税の基本的性格(②において「地域社会の会費的 性格」という。)を踏まえ、次に定める基本的方向性により検討する。 ① 税率構造については、応益性の明確化、税源の偏在性の縮小及び税収の安 定性の向上の観点から、平成19年度に所得割の税率を比例税率とした経緯 を踏まえ、比例税率を維持することを基本とする。 ② 諸控除の見直しについては、地域社会の会費的性格をより明確化する観点 から、個人住民税における所得控除の種類及び金額が所得税における所得 控除の種類及び金額の範囲内であること並びに個人住民税における政策的 な税額控除が所得税と比較して極めて限定的であることを踏まえるととも に、所得税における諸控除の見直し及び低所得者への影響に留意する。 ③ 個人住民税の所得割における所得の発生時期と課税年度の関係の在り方に ついては、番号制度の導入の際に、納税義務者、特別徴収義務者及び地方 公共団体の事務負担を踏まえつつ、検討する。 3 法人課税については、平成27年度以降において、雇用及び国内投資の拡大の観 点から、実効税率の引下げの効果及び主要国との競争上の諸条件等を検証しつつ、

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その在り方について検討することとする。 4 資産課税については、次に定めるとおり検討することとする。 ⑴ 事業承継税制について、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 に基づく認定の運用状況等を踏まえ、その活用を促進するための方策や課税の 一層の適正化を図る措置について検討を行い、五の規定の施行に併せて見直し を行う。 ⑵ 相続税について、老後における扶養の社会化が高齢者の資産の維持に寄与し ている面もあることも踏まえ、課税方式を始めとした様々な角度から引き続き その在り方を検討する。 5 地方税制については、次に定めるとおり検討することとする。 ⑴ 地方法人特別税及び地方法人特別譲与税について、税制の抜本的な改革にお いて偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置であることを 踏まえ、税制の抜本的な改革に併せて抜本的に見直しを行う。 ⑵ 税制の抜本的な改革による地方消費税の充実と併せて、地方法人課税の在り 方を見直すことにより税源の偏在性を是正する方策を講ずることとし、その際 には、国と地方の税制全体を通じて幅広く検討する。 6 番号制度については、税務における一層の適正かつ円滑な利用を確保する観点 から、番号法及び同法の整備法の公布後、納税者の利便の向上、個人番号及び法 人番号の告知、本人確認の実効性の確保並びに調書の拡充による必要な情報の収 集等に関する各種の施策について、納税者及び事業者の事務負担等にも配慮しつ つ、引き続き検討することとする。 7 国際的な取引に関する課税については、国際的な租税回避の防止、投資交流の 促進等の観点から必要に応じて見直すとともに、国際連帯税について国際的な取 組の進展状況を踏まえつつ、検討することとする。 8 歳入庁の創設による税と社会保険料を徴収する体制の構築について本格的な作 業を進めることとする。 八 その他(附則関係) 1 施行期日 この法律は、別段の定めがあるものを除き、平成 26 年4月1日から施行する こととする。(附則第1条関係)

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2 消費税率の引上げに当たっての検討(附則第 18 条関係) ⑴ 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実 施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向け て、平成 23 年度から平成 32 年度までの平均において名目の経済成長率で3% 程度かつ実質の経済成長率で2%程度を目指した望ましい経済成長の在り方に 早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。 ⑵ この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うと ともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、上記二及び三の消 費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転につい て、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、⑴の 措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含 め所要の措置を講ずる。

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社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消

費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等

を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一

部を改正する法律案の国会提出に伴う今後の対応について

平成 24 年 3 月 30 日

別紙の各事項については、与党と連携しつつ速やかに検討し、別紙の方

向により対応していく。

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検討課題に対する法案提出後の対応の方向性

以下の各事項については、法案提出後、与党と連携しつ

つ速やかに検討し、以下の方向により対応していく。

事項 今後の対応の方向 社会保障改革 ○ 社会保障改革については 、別添の工程表に沿って、消費税率( 国・地方)の引上げにより必要 な安定財源を確保しつつ、着実に実施する。 総合合算制度や給付付き税額控除等 の再分配に関する総合的な施策 ○ 所得の少ない家計ほど、食料 品向けを含めた消費支出の割合が 高いために、消費税負担率も高 くなるという、 消費税 (地方消費税を含む。 以下同じ。 ) の所得に対する逆進性も踏まえ、 総合合 算制度や給付付き税額控除等の再分配に関する総合的な施策について、 平成 27 年度以降の番号制 度の本格稼動・定着後速やかに実 施できるよう、関係5大臣におい て、簡素な給付措置との関係 も念頭に置きつつ、今後具体的に検討を進める。 上記施策の実現までの間の暫定的、 臨時的措置として行う簡素な給付措 置 ○ 消費税の所得に対する逆進性 も踏まえ、低所得者対策のための 暫定的、臨時的な措置として行 う「簡素な給付措置」については 、法案の審議入り前に、関係5大 臣において具体化にあたって の基本的な考え方を示す。その上 で、与野党の協議も踏まえて具体 案を決定し、消費税率(国・ 地方)の8%への引上げ時から給付付き税額控除等の導入までの間、毎年実施する。 住宅取得に係る措置 ○ 住宅の取得については、取引 価額が高額であること等から、消 費税率(国・地方)の引上げの 前後における駆け込み需要とその 反動等による影響が大きいことを 踏まえ、一時の税負担の増加 による影響を平準化及び緩和する 観点から、関係各省において、関 係団体からの意見も踏まえ、 税制改正要望等の検討作業を進めた上で、 大綱で示された方針に沿って、 平成 25 年度からの税制 改正等の過程で検討を行い、 消費税率 (国 ・ 地方) の8%への引上げ時及び 10%への引上げ時に それぞれ所要の措置を実施する。

(14)

転嫁対策・価格表示 ○ 内閣に早急に本部を設置し、 消費税率(国・地方)の8%への 引上げ時に先立って、必要な場 合には法的対応も含め、速やかに総合的な対策を講ずる。 円滑かつ適正な転嫁のための対策 については、公正取引委員会、中 小企業庁をはじめ関係省庁 が緊密に連携して消費税の円滑か つ適正な転嫁が行われるよう、ガ イドラインの周知徹底 、相談 対応等を行うとともに、取引上の 優越的な地位を利用して下請事業 者等からの転嫁要請を 一方的 に拒否すること等の不公正な取引の取締り・監視の強化を行う。 また、 「内税」 、「外税」 等の価格表示問題については、 事業者間で異なる意見があることも踏ま え、事業者等から広く意見を聴取するなどして丁寧に問題点の洗い出しを行う。 更に、中小事業者のために必要な財政上、税制上その他の支援措置を検討する。 使途の明確化 ○ 消費税収(国分)の使途 については、消費税法において、全額 社会保障4経費(制度として確 立された年金、医療及び介護の社 会保障給付並びに少子化に対処す るための施策に要する費用) に充てることを明確にし社会保障目的税化することとしたところ。 その上で、会計上も、毎年度の予 算及び決算において、消費税収( 国分)が社会保障4経費に 充てられることを明確かつ分かりやすい形で示す具体的な方法について検討を行う。 地方分についても、現行分の地方 消費税を除き、現行の基本的枠組 みを変更しないことを前提 として社会保障財源化を図る。 自動車取得税及び自動車重量税 ○ 自動車取得税及び自動車重量税については、 「廃止、 抜本的な見直しを強く求める」 等とした平 成 24 年度税制改正における与党の重点要望に沿って、 国 ・ 地方を通じた関連税制のあり方の見直 しを行い、安定的な財源を確保し た上で、地方財政にも配慮しつつ 、簡素化、負担の軽減、グリ ーン化の観点から、見直しを行う。 延滞税 ○ 延滞税の利率を含めた負担の 見直しについては、税の確実な収 納を勘案しつつ、低金利下にお ける利率のあり方、事業者の負担等を考慮し、平成 25 年度税制改正時に成案を得る。

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経済との関係 ○ 政府は、 円高 ・ デフレを当面の重要課題として対応している。 「新成長戦略」 で示したデフレの 終結に向けて、円高の影響も注視 しつつ、日本銀行と一体となって 速やかに安定的な物価上昇を 実現することを目指すとともに、2011 年度から 2020 年度までの平均で名目成長率3%程度、実 質成長率2%程度を政策努力の目標として取り組む。 こうした観点から、 「新成長戦略」 及び 「日 本再生の基本戦略」 を着実に推進するとともに、 今後、 年央の 「日本再生戦略」 の策定に向けて、 施策の具体化等をさらに進め、こ れらの施策に関する数値目標や達 成時期、工程等を明らかにし ていく。 歳入庁 ○ 政府では、副総理の下に設置 された官房副長官・政務官等から なる作業チームにおいて、歳入 庁の創設による税と社会保険料を 徴収する体制の構築について本格 的な作業に着手しており、4 月頃までにまずは中間報告を行う。 課税の適正化 ○ 課税の適正化を進める観点か ら、番号制度の着実な導入など取 引等に係る納税環境の整備を進 めるとともに、現行の外形標準課税も含め、課税のあり方について検討する。 地方法人特別税 ○ 地方法人特別税及び地方法人 特別譲与税については、地方消費 税率の引上げ時期を目途に、抜 本的に見直すとともに、地方法人 課税のあり方を見直すことにより 地域間の税源偏在の是正の方 策を講ずることとしており、今後 、地方団体の意見等も踏まえつつ 、国・地方の税制全体を通じ て幅広く検討を進める。

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復興に関する方針 ○ 先般、 東日本大震災復興特別区域法 (平成 23 年 12 月 14 日法律第 122 号) が成立し、 復興特別 区域制度や復興交付金などの新し い枠組みを創設した。福島の復興 に関しては、今国会に、福島 県の復興及び再生のための特別の 措置等を盛り込んだ福島復興再生 特別措置法案を提出した。ま た、 これまでに成立した平成 23 年度の累次の補正予算のみならず、 現在国会に提出している平成 24 年度予算案においても所要の経費を盛り込んだところであり、 被災地の速やかな復旧 ・ 復興に 向けて復興庁が全体の指令塔となって、これまで以上に加速化していく。 消費税の税率の引上げに当たって も、住宅を失った被災者の方々が 恒久的な住まいを確保する 際には、地域全体のまちづくりを 進める中で支援を行うなど、被災 者の方々の負担緩和へ の配慮 を行う。中長期的な視野をもって 復興に取組むため、福島県等にお ける原子力災害や農産 品等に 対する風評被害を含め、復旧・復 興の状況や被災地の要望も踏まえ 、今後とも、必要な税 制上そ の他の支援を実施する。

(17)

2012(平成24)年 2013(平成25)年 2014(平成26)年 2015(平成27)年 【子ども・子育て】 子ども・子育て新システムの創設 【医療・介護】 ① 医療サービス提供体制 (病院・病床機能の分化・強化、在宅医療の推進、 医師確保対策、チーム医療の推進) ② 地域包括ケア創設 (在宅サービス・居住系サービスの強化、介護予防・重度 化予防、医療と介護の連携の強化、認知症対応の推進) ③ 医療・介護保険制度 ○ 市町村国保低所得者保険料軽減、 財政基盤強化 等 ○ 介護保険料低所得者軽減、介護納付金の 総報酬割導入の検討 等 ○ 高額療養費の見直しと給付の重点化 ④ 高齢者医療制度等 ・高齢者医療制度の見直し ・高齢者医療の支援金の総報酬割の検討 ・70歳以上75歳未満の患者負担の見直し ・国保組合の国庫補助の見直し ⑤ 総合合算制度 ⑥ 難病対策 ⑦ その他 ・軽度者に対する給付の重点化 ・後発医薬品のさらなる使用促進 ・予防医療、チーム医療 等 【年金】 ① 新しい年金制度の創設 ② 基礎年金国庫負担1/2の恒久化 ③ 物価スライド特例分の解消 ④ 最低保障機能の強化等 (低所得者への加算、障害基礎年金等への加算、 受給資格期間の短縮、高所得者の年金給付の見直し) ⑤ 短時間労働者適用拡大 (医療保険も併せて実施) ⑥ 被用者年金一元化 ⑦ 第3号被保険者制度の見直し、マクロ経済 スライドの検討、在職老齢年金の見直し、 標準報酬上限の見直し ⑧ 支給開始年齢引上げの検討 ⑨ 業務運営の効率化 ⑩ 産休期間中の保険料負担免除など その他現行制度の改善 【就労促進、ディーセント・ワーク】 ① 高年齢者雇用対策、有期労働契約、 パートタイム労働対策、雇用保険制度 ② 総合的ビジョン・若年者雇用対策 【貧困・格差】 ① 生活困窮者対策・生活保護制度の見直し ② 生活保護基準の検証 【医療イノベーション】 【障害者施策】 ●新法提出 法案提出検討 診療報酬改定 介護報酬改定 新事業計画 (平成27年度~29年度) 新医療計画 (平成25年度~29年度) 法案提出予定 法案提出 改善に必要な財源と方策を検討 法案提出 法案提出 法案提出 法案提出予定 <引き続き検討> 一部法案提出 生活支援戦略(仮称)策定 (運用改善は速やかに実施) <法案提出も検討> 法案提出 平成24年度から26年度の3年間で解消し、平成24年度は10月実施 <法制化も視野に入れ検討> 税制抜本改革と同時実施 同時 改定 法案提出予定 非正規労働者のための 総合ビジョン策定 消費税引上げ後に消費税財源により国庫負担2分の1を恒久化 平成24年度は歳出予算と「年金交付国債」で2分の1を確保 平成25年度から消費税引上げまでの間の取扱いは引き続き検討 必要に応じ生活保護 基準の見直し 税制抜本改革と 同時実施 法案提出 <医療法・薬事法の改正も検討> 診療報酬改定 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 法案提出検討 恒久財源を得て早期に本格実施(子ども・子育て会議や国の 基本指針など可能なものから段階的に実施) 社会保障改革 工程表 社会保障改革 工程表 別添 一部法案提出 <引き続き検討> <引き続き検討> <将来的な課題として中長期的に検討(平成24年通常国会法案提出は行わない)> <引き続き検討> <引き続き検討> ●

(18)

与党

民主党税制調査会の下に

「簡素な給付措置及び給

付付き税額控除検討WT」

を設置

関係5大臣会合

副大臣・政務官レベルの検討チーム

長浜内閣官房副長官

事務局長

大串内閣府大臣政務官

(総務省)

五十嵐財務副大臣

辻厚生労働副大臣

峰崎内閣官房参与

(番号制度実務検討会事務局長)

「簡素な給付措置」及び「給付付き税額控除等

の再分配に関する総合的な施策」の検討体制について

副総理

簡素な給付措置

の検討

⇒法案審議入り

までに具体化に

あたっての基本

的な考え方を示

す。

政府税制調査会

専門家委員会等

社会保障審議会等

総合合算制度等、関連

する社会保障制度の検

給付付き税額控除に関す

る税制上の論点等の検討

(必要 に 応じ連携) (検討の進行管理等)

(19)

「簡素な給付措置」の具体化にあたっての基本的な考え方

平成24年4月17日

「簡素な給付措置」については、「対応の方向性」における「所

得の少ない家計ほど、食料品向けを含めた消費支出の割合が高

いために、消費税負担率も高くなるという、消費税(地方消費税を

含む。以下同じ。)の所得に対する逆進性」との指摘を踏まえ、検

討を行う。

今後、「大綱」に示された論点について、以下の基本的な視点に

沿って、与党とも十分連携しつつ、与野党の協議も踏まえて具体案

を決定し、再分配に関する総合的な施策の導入までの暫定的・臨

時的措置として、平成26年度から実施することとする。

1 給付額の水準・対象者の範囲

(1) 給付額の水準

簡素な給付措置の給付額の水準については、所得の少ない

家計ほど生活に必要不可欠な消費支出の割合が高いことによ

る低所得者への影響を勘案し、決定する。

(2) 対象者の範囲

簡素な給付措置の対象となる低所得者の範囲については、実

務上の対応可能性に配慮するとともに、社会保障各制度におけ

る低所得者の範囲との整合性に留意して決定する。

2 簡素な給付措置の具体化にあたって勘案すべき事項

(1) 暫定的・臨時的措置及び執行面での対応可能性

給付付き税額控除等再分配に関する総合的な施策の実現ま

での間の暫定的、臨時的措置であることを踏まえ、執行面での

対応可能性も念頭に、公平性にも配意し、事務・費用の両面で

できる限り簡素で効率的な枠組みとするとともに、給付付き税額

控除等との接続にも配慮する。

4/17 五大臣会合とりまとめ

(20)

(2) 財源

簡素な給付措置の実施にあたっては、1-(1)及び1-(2)

に沿った検討を進めつつ、同時に「社会保障の安定財源確保と

財政健全化の同時達成」という社会保障・税一体改革の趣旨や、

国・地方及び国の基礎的財政収支について、遅くとも 2015 年度

までにその赤字の対GDP比を 2010 年度の水準から半減し、遅

くとも 2020 年度までに黒字化することを目標とする等の財政運

営戦略と整合的なものとなるよう、財源を確保する。

3 社会保障諸施策との関係

本措置の具体的な設計にあたっては、生活保護や各種福祉

手当に係る物価スライド等の措置など、消費税率の引上げによ

る低所得者の負担の緩和に寄与すると考えられる諸施策との

関係にも留意する。

その際は、高齢者世帯、ひとり親世帯、若年非正規労働者世

帯、子育て世帯など、低所得者世帯の属性に応じ、税制及び社

会保障改革全体を通じた総合的な視点からの検討も併せて行

い、重複の調整など必要な措置を講じて幅広い国民が負担を

分かち合うという観点も踏まえて、全体として世代間・世代内の

公平が図られるような制度設計を行う。

(21)

消費税の円滑かつ適正な転嫁等のための検討本部の設置について

平成 24 年4月 24 日 閣 議 決 定

1.社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うため

の消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の

確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付

税法の一部を改正する法律案の国会提出に伴う今後の対応について

(平成 24 年 3 月 30 日閣議決定)に基づき、事業者等における転嫁対

策等に関する意見等の把握や課題の整理等を行い、消費税の円滑かつ

適正な転嫁等に資する総合的な対策の策定に向けた検討を行うため、

内閣に消費税の円滑かつ適正な転嫁等のための検討本部(以下「本部」

という。

)を設置する。

2.本部の構成員は、次のとおりとする。ただし、本部長は、必要に応

じ関係大臣等を構成員に追加することができる。なお、公正取引委員

会委員長の出席を求めるものとする。

長 副総理

副 本 部 長 総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、内閣官房長官

員 厚生労働大臣、農林水産大臣、国土交通大臣

3.本部長は、必要があると認めるときは、関係行政機関の職員又はそ

の他関係者に出席を求め、その意見を聴くことができる。

4.本部に幹事を置く。幹事は、関係行政機関の職員で本部長の指定し

た官職にある者とする。

5.本部の庶務は、総務省、財務省、経済産業省その他の関係行政機関

の協力を得て、内閣官房において処理する。

6.前各項に定めるもののほか、本部の運営に関する事項その他必要な

事項は、本部長が定める。

(22)

中間報告

平成 24 年 4 月 27 日

税と社会保険料を徴収する体制の構築についての作業チーム

(23)

<はじめに>

税と社会保険料を徴収する体制については、平成 24 年 2 月 17 日に閣議決 定された社会保障 税一体改革大綱において、「歳入庁の創設による、税と社 会保険料を徴収する体制の構築について直ちに本格的な作業に着手する」と された。これを受け、社会保障 税一体改革関係 5 大臣会合の下に本「税と 社会保険料を徴収する体制の構築についての作業チーム」が設けられ、2 月下 旬以降、検討作業を行ってきた(開催実績については【別紙 1】参照)。本中 間報告はこれまでの作業チームにおける議論を整理したものである。

1.税と社会保険料の徴収体制の現状

作業チームでは、税(国税、地方税)及び社会保険料(年金、医療保険、 介護保険、労働保険)の徴収の現状と課題についてヒアリングを行った。そ の結果に基づき、税と社会保険料の徴収体制の現状を整理すると【別紙 2ー1】 のとおりであり、そのポイントは以下のとおりである。 (1)各制度の執行機関 各制度の執行機関については、給付と負担が連動するか否かという税と 保険料の性格の違いや、課税主体 保険者の違いなどを背景に、制度ごと に異なっている。 国税及び労働保険は国の機関が執行しており、その職員は国家公務員で ある。 地方税、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険は地方自治体あるい はその広域連合等が執行しており、その職員は地方公務員である。そして、 地方自治体の中でも地方税と社会保険では担当部局が異なっている。 年金(及び協会管掌健康保険の適用 徴収)は、日本年金機構という公 法人が執行しており、その職員は非公務員である。 このほか、健康保険組合や協会けんぽといった執行機関も存在する。 (2)システム 各執行機関の保有するシステムについては、執行機関ごとに独立した個 別のシステムとなっており、地方自治体においても各地方自治体ごとに独 自に運営されている。

(24)

(3)収納率、納付義務者及び納付方法 収納率は、税及び厚生年金、医療保険、介護保険、労働保険については、 概ね 9 割を超えるかなり高い収納率となっている。他方、国民年金(保険 料は定額で低所得者からも原則徴収)は、66.8%と低い納付率にとどまっ ている。 また、これらの収納率の内訳をみると、納付方法によって収納率が異な っている。すなわち、源泉徴収や特別徴収など、事業者(源泉徴収義務者、 特別徴収義務者)を通じた納付方法による徴収については、100%近い収納 率となっている一方、個人からの直接納付については、口座振替と自主納 付では収納率に大きな差がある(【別紙2-1】参照)。 (4)適用事業所数 厚生年金、労働保険については、収納率はともに約 98%と高いものの、 収納率には表れない未適用の問題がある。執行機関が把握している未適用 事業所数は、厚生年金が約 11 万事業所、労働保険が約 10 万事業所となっ ている。 (5)個人の所得情報の把握 個人の所得情報の把握方法や把握対象についても各制度間で違いがみら れ、各執行機関が保有する情報量にも差がある。ただし、各執行機関の間 で、必要に応じて情報交換 情報共有が行われている。 収納率の低い国民年金の第 1 号被保険者は、個人事業主、無職、臨時 パート、その他家族従業者などが含まれるが、国税庁の推計では、国税庁 が確定申告等により所得情報を把握しているのはそのうち約 8 分の 1 程度 に過ぎない。これに対し、市町村はより多くの被保険者の所得情報を把握 しているものの、住民税の課税最低限以下の被保険者などの低所得者層の 中には、所得情報を把握していない者が存在する。なお、納付率の向上の ためには、免除対象者の所得を確認した上で適正に免除等を行う必要があ り、免除対象となる低所得者層等について所得情報のより正確な把握が有 効であることに留意する必要がある。【別紙 2-2】 厚生年金の被保険者については、給与所得者であることから、市町村が 全給与所得者の個人の所得情報を把握している。これに対し国税庁では年 間給与 500 万円超の給与所得者等についてのみ個人の所得情報を把握して いる。【別紙 2-3】

(25)

2.3 つの視点を踏まえた主な論点

作業チームにおける検討に当たっては、以下の 3 つの視点を踏まえること とされた。 ①国民年金保険料等の納付率向上につながるか【国民の年金に対する信頼回 復の視点】 ②社会保険行政・税務行政全般の効率性確保に資するか【行政効率化の視点】 ③今後導入が見込まれるマイナンバー制度、給付付き税額控除、新年金制度 等にとって相応しい体制か【新制度への対応の視点】 これら 3 つの視点を踏まえ、今後検討すべき主な論点を整理すると【別紙 3】 のとおりであり、論点は多岐にわたっている。このうち総論的な論点は以下 のとおりである。 ① 国民年金保険料等の納付率向上につながるか【国民の年金に対する信頼回 復の視点】  国民年金保険料等の納付率向上 国民年金保険料等の納付率向上のためには、①免除対象者には納付免除 を進めること、②免除対象者でない未納者には強制徴収も含め徴収を強化 することが必要と考えられる。これまでの工夫 努力に加えてどのような 対応が必要か、保険料を納付するインセンティブを高める方策も含め、多 角的に検討する必要がある。  厚生年金・労働保険の未適用事業所の把握 厚生年金 労働保険については、適用事業所における収納率は高いが、 未適用事業所が存在しており、その把握、適用促進が必要である。年金機 構は、これまで労働保険の適用事業所との情報の突合を図ってきたが、今 年度末からは法務省の法人登記簿情報を活用して未適用事業所の把握に努 めることとしており、さらにどのような対応が必要か、検討する必要があ る。  執行体制の見直し 以上の観点も踏まえ、国民年金保険料等の納付率向上や厚生年金 労働

(26)

保険の未適用事業所の把握、適用促進のために、執行体制をどのように見 直すか、その目指す機能や背景となる制度も踏まえつつ検討する必要があ る。 ② 社会保険行政・税務行政全般の効率性確保に資するか【行政効率化の視点】 組織を再編する場合には、人員削減等のコスト削減効果、国民の利便性の 向上といったプラスの効果が期待される一方、再編に伴い新たに発生するコ ストや種々の懸念も存在する。組織再編については、これらのプラスの効果、 マイナスの効果を総合的に検討する必要がある。 なお、税 社会保険の各制度のうち、どの制度までを組織再編の対象範囲 とするかについては精査が必要である。 また、国と地方自治体との間で業務の移管を行う場合には、まずは、地方 分権 地域主権との関係を踏まえ、国と地方の役割分担をどのように整理す るかについて慎重な検討が必要である。 ③ 今後導入が見込まれる新たな諸制度(マイナンバー制度、給付付き税額控 除、新年金制度等)にとってふさわしい体制か【新制度への対応の視点】 マイナンバー制度の導入により情報共有が更に進むことを踏まえ、これに ふさわしく、整合的な体制について検討する必要がある。 給付付き税額控除、新しい年金制度にとってふさわしく、整合的な執行体 制の検討に当たっては、別途の場で検討される各制度の制度設計を踏まえる 必要がある。

(27)

3.今後の検討に当たっての 5 原則

上記のように、検討すべき論点は多岐にわたるが、今後、税と社会保険料 の徴収体制について議論を深めていく上においては、国民の理解や信頼を得 られるような徴収体制の構築に向け、一定の方向性を持って議論していくこ とが重要である。このため、本作業チームにおける議論を踏まえ、今後の検 討の方向性を以下の「今後の検討に当たっての 5 原則」にまとめた。今後の 検討に当たっては、この 5 原則を一つの基準、指針として議論を深めていく こととする。 [原則1]機能・制度と組織の一体的検討 組織の再編を考える場合には、単に組織の分離 統合の在り方を考える のではなく、組織再編の目的 必要性を明確にした上で、組織の機能や組 織の背景にある制度と一体的に検討する。すなわち、再編後の組織はどの ような機能を果たすべきか、組織の背景にある制度はどうあるべきかにつ いて検討し、その機能 制度にふさわしい組織を検討する。 [原則2]納付率向上等に向けた取り組みの強化 社会保障と税の一体改革を進めている中にあって、国民年金保険料の納 付率向上等は大きな課題であり、国民の年金に対する信頼を回復する観点 からも全力を挙げて取り組まなければならない。このため、納付率向上等 に向けた対策を多角的に検討し、体制整備も含め、取り組みを強化する。 [原則3]行政の肥大化の回避 税と社会保険料の納付率向上等は重要な課題であるが、そのために行政 が肥大化することは回避しなければならない。今後の検討に当たっては、 行政改革の方向に沿って、公務員人件費やシステム関係経費等の行政コス トが増加しないよう最大限配慮する。 [原則4]国民の視点に立った検討 国民から信頼される執行体制となるよう、徴収率をはじめ現在の行政効 率を低下させることなく、さらに幅広い観点から国民の利便性向上を図る など、国民の視点に立った検討を行う。 [原則5]情報共有・連携の強化 税と社会保険料の徴収においては、所得情報をはじめとする情報の把握 が重要であり、今後マイナンバー制度を活用しつつ、各執行機関間の情報

(28)

の共有 連携をさらに強化する。また、給付付き税額控除や新年金制度の

導入を見据えると、今後情報収集が強化され、情報共有 連携の重要性が

(29)

4.徴収体制のイメージ

当作業チームでは、税と社会保険料の徴収体制について、今後具体的な検 討を進めるため、徴収体制のイメージとして以下の 3 つの類型を示すことと した。各類型の主な検討課題は【別紙 4】のとおりである。 なお、税 社会保険の各制度のうち、どの制度までを統合等の対象範囲と するかについては精査が必要であり、今後の検討課題である。 また、「主な検討課題」に示したように、今後検討すべき課題は多岐にわた っており、今回示した類型は作業チームとして特定の類型にすべきと結論付 けるものではなく、今後議論を深めていくための出発点となるものである。 [類型1]徴収業務統合型 税 保険料の徴収を一元化することで、徴収に関する各執行機関の情報 ノウハウを最大限活用する。 [類型2]全業務統合型 給付業務を含めた全業務を統合することにより、できる限りのコスト削 減を目指す。また、給付申請等の行政サービスのワンストップ化により国 民の利便性を向上させる。 [類型3]連携強化型 各執行機関間の連携を強化することで、既存の組織を再編することに伴 う新たなコストを発生させずに、税 保険料の徴収を効率化する。併せて 国民の利便性を向上させる。

<おわりに>

以上のように、今回の中間報告では、検討に当たっての 3 つの視点を踏ま えた主な論点を整理するとともに、今後の検討の方向性として、「検討に当た っての 5 原則」を取りまとめた。また、今後議論を深めていくための出発点 とする観点から、徴収体制のイメージとして 3 つの類型を主なねらいや検討 課題とともに示した。 今後は、海外における徴収体制について、その背景にある制度も含め比較 検討するとともに、各執行の現場や関係団体等からのヒアリングを行うこと も検討していきたい。そして、今回示した徴収体制のイメージ 3 類型につい て、「検討に当たっての 5 原則」に基づき、それぞれのメリット デメリット の検討を進め、国民の視点に立った徴収体制のあり方を検討していく予定で ある。

(30)

税と社会保険料を徴収する体制の構築についての作業チーム

開催実績

2月 24 日(金)

第1回 キックオフ

・ヒアリング・海外調査について

・作業チームの運営について

3月2日(金)

第2回 関係省庁ヒアリング①

・国税の徴収の現状と課題(財務省(国税庁))

3月 12 日(月)

第3回 関係省庁ヒアリング②

・社会保険料の徴収の現状と課題①(厚生労働省)

-年金保険

-健康保険

(協会管掌健康保険・組合管掌健康保険)

3月 23 日(金)

第4回 関係省庁ヒアリング③

・社会保険料の徴収の現状と課題②(厚生労働省)

-国民健康保険

-後期高齢者医療

-介護保険

3月 29 日(木)

第5回 関係省庁ヒアリング④

・地方税の徴収の現状と課題(総務省)

・社会保険料の徴収の現状と課題③(厚生労働省)

-労働保険

4月5日(木)

第6回 関係省庁ヒアリング⑤

・社会保障・税番号制度(内閣官房ほか)

・みんなの党試算(厚生労働省)

4月 12 日(木)

第7回 中間報告に向けた議論①

4月 18 日(水) 第8回 中間報告に向けた議論②

4月 20 日(金) 第9回 中間報告に向けた議論③

4月 24 日(火) 第10回 中間報告取りまとめ

【別紙1】

(31)

税・社会保険の執行体制の比較

税 年金 健康保険 後期高齢者医療 介護保険 労働保険 国税 地方税 国民年金 ( 第 1 号 被保険者) 厚生年金保険 協会管掌 組合管掌 国民健康保険 労災保険 雇用保険 ・ 納税 約 2 ,3 00 万人 (確定申告者) 約 5 ,9 00 万人 ( 個人 住民税 均等 割納 税者 ) 約 1 ,9 00 万人 約 3 ,4 00 万人 約 1 ,9 00 万人 約 1 ,5 00 万人 約 3 ,6 00 万人 約 1 ,4 00 万人 約 7 ,1 00 万人 約 5 ,2 00 万人 約 3 ,8 00 万人 (地方局 国税庁 1 国税局等 12 税務署 524 県 4 7 市区町村 1742 ※平成14年まで 市区町村で収納。 日本年金機構 1 ブロック本部 9 事務センター 47 年金事務所 312 ※ 日本年 金機構 は 非公務 員型の 公法人。 健康保険組合 14 58 市区町村 1723 後期高齢者 医療広 域連合 47 市区町村 1742 市区町村 1631 都道府県労働局 47 労働基準監督署 325 公共職業安定所 545 (市町村は 約 5 6,000 人 約 7 4,000 人 約 16,000 人 ※未把握 ※未把握 後期高齢者 広域連 合 約 1 ,3 00 人 ※市区町村 職員数 については未把握 ※未把握 約 2 2,000 人 適用 (調査) 部門 約 3 0,000 人 約 4 0,000 人 約 4,000 人(推計) 約 1 50 人 都道府県労働局等(約 500 人) 徴収部門 約 5 ,000 人 約 2 6,000 人 約 2,400 人(推計) (徴収業務 は市区 町村のみ) 都道府県労働局(約 200 人) 給付部門 - - 約 4,500 人(推計) 協会けんぽ 1 支部 4 7 約 2 ,0 00 人 約 3 50 人 都道府県労働局 ・ 労働 基準監督署 (約 2,200 人) 都道府県労働局 ・ 公 共職業 安定所 (約 3,200 人) 国税総合 管 理シス テム 県・市区町 村ごとに独 自に運営 社 会保険オン ライ ンシステム 健康保険組 合 ごとに独自 に 運営 市区町村ご とに 独自に運営 後期高齢者 医療広 域連合ごと (徴収 は市区町村 ごと) に独自に運営 市区町 村ご とに 独自に運営 労働保険適用徴収システム - - 健 康 保 険 業 務 シ ステム 労災 行政情報管 理システム ハ ローワ ークシ ステム 約 42 兆円 約 35 兆円 約 1 .7 兆円 約 23 兆円 約 7 .2 兆円 約 6 .1 兆円 約 3 .0 兆円 約 0 .9 兆円 約 3 .3 兆 円 約 0 .8 兆円 約 2 .3 兆円 99.4% 98.3% 66 .8 % 97 .8 % 96 .3 % 99 .9 % 88 .6 % うち 特別徴収 99.9% 普通徴収 87.9% 口座振替 95.1% 自主納付 63.9% 99.1% うち 特別徴収 100% 普通徴収 97.7% ・ 98. 3% (6 5 歳 以 上の者) ・ 1 00 % (4 0 ~ 6 4 歳被保険者) 97 .5 % 個人 源泉徴収義務者 法人 個人 特別徴収義務者 法人 個人 事業者 事業者 個人( 退職者 等のう ち継 続加入を 希 望し た者( 任意継 続被 保険者) のみ) 個人 特別徴収義務者 事業者 【 40~ 64 歳被保 険者】 医療保険者 ・窓口納 付 (金融 機関、 コンビニ等) ・口座振替 ・電子納付 ・源泉徴収 ・ 窓口納付 (金融機関、 コンビニ等) ・口座振替 ・電子納付 ・クレジットカード ・特別徴収 (源泉徴収) ・窓口納付(金融 機関、コンビニ) ・口座振替 ・電子納付 ・クレジットカー ド ・窓口納付(金融機関) ・口座振替 ・ 窓口納付 (金 融機関等) ・口座振替 ・窓口納付(金融機関等) ・口座振替 ・特別徴収(年金からの引落し) ・窓口納付(金融機関等) ・口座振替 ・電子納付 ※中小 零細企 業は 、労働 保険 事務 組 合を通じた納付も可能 【 40~ 64 歳被保 険者】 医療保険者 から一括納付 ・ 申 約 2 71 万法人 約 2 74 万法人 - 約 1 75 万事業所 約 1 62 万事業所 約 11 万事業所 - 約 294 万事業所 (未適用約 10 万) (未適用約 11 万) の所 得情報 ・事業者 よ り給与 所得情報入手。 ※年間給与 500 万 円超等の 給 与所得 者のみ。 ・日本年 金 機構よ り年金支 払 情報入 手。 ※支払額 60 万円超 の年金受給者のみ ・確定申告 ・事業者よ り給与所得 情報入手。 ※全給与所得者。 ・日本年金 機構より年 金支払情報入手。 ※全年金受給者 ・税務署よ り確定申告 の写しを入手。 ・住民税申告 ※住基情報も活用し、 より正確な 所得情報 を把握。 - ※定額 であるた め、個人の所得情 報の把握は不要。 ただし、所得基準 により免除する場 合には、本人の同 意を得て、市区町 村の担当部局が地 方税部 局より入 手。 ・事業者より給与所得情報入手。 ・ 市区町村の担当部局が同市区町村の地方税部局より情報 入手。 - ※事業 主が、 1年 間に当 該事 業所 の 労 働者 に支払 った 賃金総 額が 保険 料 の 算定 ベース とな るため 、個 人ご と の所得情報の把握は不要。 原則、平成 22 年度の数値を使用(国民年金の収納率は平成 20 年度最終納付率。国民健康保険(収納率を除く) 、介護保 険の数値は平成 21 年度) 。厚生年金 保険、健康 保険(協会管掌・組合管掌) 、労働 保険の収納率は過年度分を含む。 比較の便宜から、船員保険、国民健康保険組合を除いている。 国民健康保険・介護保険の執行機関については、一部広域連合等で運営している保険者があるため、市区町村数とは数値が異なる。 労働基準監督署では、主に、監督・安全衛生・労災給付、公共職業安定所では主に職業紹介・失業等給付の業務を行っている。 ( 一部の労働基準監督署又は公共職業安定所で行っている適用業務は、順次、都道府県労働局へ集約中。 ) 未定稿

(32)

国民年金第1号被保険者と国税庁・市町

村が把握する所得情報の関係

(注1)過去24か月の保険料が未納となっている者の数(平成 22 年度) 。 (注2) 国民年金第1号被保険者のうち、 国税庁が継続的に所得を把握しているのは、 確定申告をしている事業所得者約 260 万人 (推計、 平成 20 年度) で、 約 8 分の 1 程度。 (注 3)市町村 民税は賦課 方式を採用 し、各種所 得に係る申 告情報を国 税庁より取 得するとと もに、住民 税申告書等 の独自の情 報・調査に 基 づき個人 の所得を把 握。 (注4)国民年金保険料(現年度分)の収納事務は、機関委任事務の廃止に伴い、平成 14 年に国に移管されるまでの間は、市町村が実施。

市町村

○個人事業主等を含む個人住民税納税者数 約 5,900 万人分+非課税者 のうちの給与所得者等についての所得情報を把握。 市町村でも所 得情報を把握 していない者 日本年金機構:約 1,900 万人 (国民年金第 1 号被保険者) 個人事業主、無職、臨時・パー ト、その他家族従業者等 国税庁:約 2,300 万人 (所得税申告者数) 国民年金未納者 約 321 万人 国民年金未納者 約 3 21 万人(注1) 第1 号被 保 険者 のう ち国 税 庁が 把握 する 事 業所 得者 数約 2 60 万人(注 2) 未定稿

【別紙2-2】

(33)

厚生年金被保険者と国税庁・市町村が把

握する給与所得情報の関係

(注1) 総務省の行政評価 ・ 監視勧告 (平成 18 年) においては、 厚生年金の適用漏れのおそれがある者を約 270 万人と推計している。 こ れを現在の統計情報をあ てはめると約 100 万人となる。 (注2) 国税庁の年間給与 500 万円超等の源泉徴収されている給与所得者数は平成 22 事務年度 (平成 22 年 7 月から平成 23 年 6 月まで ) の計数であり、 確定申 告 をした年間給与 500 万以下の給与所得者数は平成 22 年分(平成 22 年1月から平成 22 年 12 月まで)の計数である。

市町村

○市町村は給与支払者より全給与所得者についての所得情報を把握。 (参考)全給与所得者うち、個人住民税納税者数は約 4,700 万人。 国税庁:約 2,700 万人 ○年間給与 500 万円超等の源泉徴収されている給与所得者約 2,000 万人分、 確定 申告をした年間給与 500 万円以下の給与所得者約 700 万人(推計)を把握。 未適用事業所被保険者 共済年金 日本年金機構:約 3,400 万人 (厚生年金適用事業所被保険者) 約5 0万 人 + 用事業所被保険者 11 万 万人)に加えて、把握 未定稿

【別紙2-3】

(34)

【別紙 3】

3つの視点を踏まえた主な論点

(1)国民年金保険料等の納付率向上につながるか【国民の年金に対する信頼

回復の視点】

 国民年金保険料等の納付率向上 国民年金保険料等の納付率向上のためには、①免除対象者には納付免除を進めること、 ②免除対象者でない未納者には強制徴収も含め徴収を強化することが必要と考えられ る。これまでの工夫∑努力に加えてどのような対応が必要か、保険料を納付するインセ ンティブを高める方策も含め、多角的に検討する必要がある。 〈免除対象者への対応〉 免除対象者への対応については、免除対象者は概ね把握できている一方で、これまで の取り組みでは納付免除等が十分進んでおらず、今後どのように納付免除等を進めるか が課題である。また、免除対象者の納付免除手続きを進めるためには本人からの申請が 必要(申請主義)であるが、申請主義の変更など制度的な対応が必要かどうかについて も検討が必要である。 〈免除対象者でない未納者への対応〉 被保険者の将来給付と結びついている保険料の徴収手続を、納付率向上のために強化 することについては、税と保険料の性質の違いを踏まえつつ、慎重な検討が必要である。 保険料の徴収手続を強化する場合、国税等の徴収ノウハウをどのように有効に活用する かといった執行面の論点に加え、保険料を保険税とするか、保険料にも優先徴収権を付 与するかといった制度面の論点についても検討する必要がある。  厚生年金・労働保険の未適用事業所の把握 厚生年金∑労働保険については、適用事業所における収納率は高いが、未適用事業所 が存在しており、その把握、適用促進が必要である。年金機構は、これまで労働保険の 適用事業所との情報の突合を図ってきたが、今年度末からは法務省の法人登記簿情報を 活用して未適用事業所の把握に努めることとしており、さらにどのような対応が必要か、 検討する必要がある。  執行体制の見直し 以上の観点も踏まえ、国民年金保険料等の納付率向上や厚生年金∑労働保険の未適用 事業所の把握、適用促進のために、執行体制をどのように見直すか、その目指す機能や 背景となる制度も踏まえつつ検討する必要がある。

(35)

〈過去の経緯を踏まえた執行体制の見直し〉 国民年金の収納事務(現年度分の保険料)は、平成 14 年 4 月に市町村から社会保険 庁(当時)に移管されたが、その際、国民年金保険料の納付率が大きく低下した。これ については、地域に根差したネットワークを活用できなくなったことによる影響もあっ たのではないかとの指摘がある。一方、国(社会保険庁)への移管は、平成 11 年の地 方分権一括法において、国が保険者として経営責任を負うことを明確化する等のために 行われたものであり、このような過去の経緯を踏まえ、納付率向上の観点からどのよう な執行体制が適当か検討する必要がある。 なお、平成 10 年に成立した中央省庁等改革基本法において、厚生年金、健康保険(政 府が保険者であるもの)、労働保険の徴収事務の一元化を図ることとされ、これまでも 法改正等により可能な取組みは実施されてきているが、更にどう考えるかも論点となる と考えられる。

(2)社会保険行政・税務行政全般の効率性確保に資するか【行政効率化の視

点】

組織を再編する場合には、人員削減等のコスト削減効果、国民の利便性の向上といっ たプラスの効果が期待される一方、再編に伴い新たに発生するコストや種々の懸念も存 在する。組織再編については、これらのプラスの効果、マイナスの効果を総合的に検討 する必要がある。 なお、税 社会保険の各制度のうち、どの制度までを組織再編の対象範囲とするかに ついては精査が必要である。 また、国と地方自治体との間で業務の移管を行う場合には、まずは、地方分権∑地域 主権との関係を踏まえ、国と地方の役割分担をどのように整理するかについて慎重な検 討が必要である。  組織再編による人員削減等の効果 〈公務員人件費削減との関係〉 組織再編を行う場合、行政改革の観点から人員削減等の効果が期待されるが、人員削 減等のコスト削減を図りつつ、行政効率を維持するにはどのような対応が考えられるか について検討が必要である。一方、国民年金の納付率向上のためには人員増が必要とな る場合も考えられるが、未納者の保険料が比較的少額と考えられることにも留意しつつ 検討する必要がある。 また、日本年金機構の職員は非公務員であり、組織再編に伴って公務員化するとした 場合には、公務員人件費削減との関係をどう整理するのかが論点となる。

参照

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