Linux での Oracle Real Application
Clusters の記憶領域オプション
オラクル・ホワイト・ペーパー
RAC 向け記憶領域オプション
はじめに ... 3
記憶領域オプション ... 3
Automatic Storage Management(ASM) ... 4
ASMとOracleの併用... 5
データベースとASM間での移行方法 ... 6
Oracle Cluster File System... 6
OCFSとOracleの併用 ... 7
メリット... 7
デメリット... 7
RAWデバイス ... 7
RAWデバイスとOracleの併用 ... 8
メリット... 9
デメリット... 9
制限... 9
Network Attached Storage(NAS) ... 9
NASとOracleの併用 ... 10
RAC 向け記憶領域オプション
はじめに
Oracle Real Application Clusters(RAC)は、Oracle データベースの実装の 1 つです。 RAC では、異なるクラスタ・ノードに配置された複数のインスタンスが同じデー タベースにアクセスします。同時アクセスには、データベース・ファイルを共有 記憶領域に配置する必要があります。また RAC では、共有記憶領域への同時アク セスを可能にするクラスタ管理用ソフトウェアが必要です。Linux システムでは、 Oracle Cluster Ready Services(CRS)がクラスタ管理機能を実行します。
このホワイト・ペーパーでは、Linux システムでの Oracle RAC で可能な共有記憶 領域オプションについて、データベース管理者(DBA)やサポート担当者への情 報を提供します。ただし、データ格納用のハードウェアおよびソフトウェアのイ ンストールと構成に関する情報は含まれていません。詳細な構成情報は、『Oracle
Real Application Clusters インストールおよび構成ガイド』を参照してください。
記憶領域オプション
Oracle Real Application Clusters 10g に対して、Linux では次の記憶領域オプション がサポートされています。
• Automatic Storage Management(ASM) • Oracle Cluster File System(OCFS) • RAW デバイス
• Network Attached Storage(NAS)
次のファイルの格納には、これら記憶領域オプションの 1 つの選択が必要です。 • データベース・ファイル(制御ファイル、データ・ファイルおよび REDO
ログ・ファイルを含む)
• サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE) • Oracle Cluster Registry(OCR)ファイル • CRS 投票ディスク
注意: NAS 記憶領域オプションを選択すると、RAC と CRS のソフトウェア・ファ イル(Oracle ホーム・ディレクトリと CRS ホーム・ディレクトリ)も共有ファイ ル・システムに格納できます。
Oracle Cluster Registry(OCR)には、次のような RAC および Cluster Ready Services (CRS)用のクラスタとデータベースの構成情報が格納されています。
• クラスタ・データベース・インスタンスからノードへのマッピング • CRS アプリケーション・リソース・プロファイル
クラスタ・ソフトウェアでは、投票ディスクによりクラスタ内のノードのステー タスを確認します。
次の図は、2 ノード・クラスタのアーキテクチャを示しています。
Automatic Storage Management(ASM)
データベース記憶域管理は、Oracle Database 10g で導入された Automatic Storage Management(ASM)機能により大きく簡素化されました。DBA は、ASM 機能に よって、データベースのそれぞれのデータベース・ファイルを構成する作業を最 小限にできます。ASM は、データベース記憶域にのみ使用されます。ASM は、 Oracle データベース・カーネルに組み込まれた、ファイル・システムとボリュー ム・マネージャ機能を提供します。ASM を使用すると、データベース記憶域とし てブロック・デバイスまたはキャラクタ・デバイスを使用できます。ブロック・ デバイスの使用には、ASM Library Driver(ASMLib)のインストールおよび構成 も可能です。このライブラリ・ドライバによって、記憶域管理に ASM を使用する データベースの I/O パフォーマンスを強化できます。Linux でのデータベース記憶 域への ASM のインストールには、ASM ライブラリ・ドライバおよび関連するユー ティリティの使用、またそれらによる ASM ディスク・グループを含むデバイスの 構成をお薦めします。
ASM によって、次のタイプのデータベース・ファイルが格納できます。 • データベース・ファイル • 制御ファイル • オンライン REDO ログ • アーカイブ REDO ログ • フラッシュバック・ログ • Recovery Manager(RMAN)のバックアップ・セット・ピース • RMAN のイメージ・コピー・バックアップ ASM は通常のファイル・システムではありません。たとえば次に示す Oracle ソフ トウェア・ファイルや RAC のその他のコンポーネントの格納に ASM は使用でき ません。 • トレース・ファイル • ログ・ファイル • 監査ファイル
• Oracle Cluster Registry(OCR) • CRS 投票ディスク • Oracle ソフトウェア・ファイル
ASM と Oracle データベースの併用
ASM ディスク・デバイスは、データベースの作成前に構成が必要です。ASM 用 のキャラクタ・デバイスまたはブロック・デバイスの構成方法は、『Oracle Real Application Clustersインストールおよび構成ガイド』を参照してください。 OUI または DBCA で ASM を記憶領域オプションとして選択すると、使用可能な ディスクとそのサイズがリストされます。OUI および DBCA は、ディスク検出文 字列で有効なディスクを識別します。Linux でのデフォルトのディスク検出文字列 は/dev/raw/*です。ディスク検出文字列は、必要に応じて変更できます。 注意: ASMLib を使用している場合は、カスタム・インストールの選択が必要です。 または、ソフトウェアのインストール後に DBCA の使用が必要になります。また、 ディスク検出文字列として ORCL:*の指定が必要です。 インストール中または DBCA を使用した ASM ディスク・グループの構成には、 次の手順に従います。 1. ディスク・グループ名を指定します。デフォルトのディスク・グループ 名は DATA です。 2. ディスク・グループに適用する冗長性レベルを指定します。冗長性レベ ルによって、ASM がディスク・グループの内容をミラー化する方法が指 定されます。次のレベルを適用できます。 • 高(3 方向ミラー化) • 通常(2 方向ミラー化)• 外部(ASM ミラー化なし。RAID 5 デバイスなどの外部ミラー化デバ イスの使用には、このオプションを使用します。) 3. 必要に応じて「ディスク検索パスの変更」をクリックして異なるディス ク検出パスを指定します。 4. ASM ディスク・グループとするディスクをリストから選択します。ディ スクを選択すると領域要件が自動的に計算され、必要な追加の領域要件 がリストされます。 5. ディスク・グループの作成には「次へ」をクリックします。 ASM インスタンスが作成されて、+ASM という名前が付けられます。
Oracle Cluster File System
Oracle Cluster File System(OCFS)は、特に RAC 向けに設計された共有ファイル・ システムです。OCFS により、Oracle データベース・ファイルの論理デバイスへの リンクが必要なくなります。 OCFS では、1 つのクラスタ内の最大 32 ノードから同時に共用ファイル・システ ムにアクセスできます。どのノードからも同じファイルおよびデータが参照され ます。RAW デバイスの場合と比較すると、OCFS では、ノード間で共有するデー タの管理が簡素化されます。 OCFS リリース 1.0.x では、データベース・ファイルと CRS ファイルのみを格納で きます。他のタイプのファイルの格納には使用できません。今後のリリースでは、 ソフトウェア・ファイルのサポートが提供される予定です。この機能が実現する と、Oracle ソフトウェアを共有ファイル・システムにインストールできます。 現在 OCFS は、Red Hat Enterprise Linux 2.1(x86 と Itanium)、Red Hat Enterprise Linux 3(x86、Itanium および x86_64)および MIRACLE LINUX V2.1/3.0 でサポートされ ています。いずれも、オラクル社提供以外のパッチおよび修正はありません。今 後 OCFS のリリースでは、RAC が認証されているすべての Linux ディストリビュー ションおよびプラットフォームをサポートする予定です。OCFS の可用性および ダウンロード可能なファイルについての最新情報は、次の Web サイトを参照して ください。
http://otn.oracle.co.jp/software/tech/linux/ocfs/index.html ダイレクト・ディスク I/O(O_DIRECT)を使用すると、OCFS でのサーバー・パ フォーマンスは RAW デバイスによるパフォーマンスと同等になります。Red Hat Enterprise Linux 2.1 では、ダイレクト I/O 機能が標準カーネルに組み込まれていな いため、Oracle がその機能を提供しています。他の Linux ディストリビューショ ンでは、Oracle はネイティブの O_DIRECT 機能を使用します。
OCFS は、GUI 管理ユーティリティの ocfstool を使用して管理できます。この ユーティリティは、OCFS ボリュームの一覧表示、フォーマット、構成、マウン トおよびディスマウントを行います。また、ボリューム・ヘッダー、ファイル・ リスティングおよび構成されたノードの一覧も表示できます。
OCFS と Oracle データベースの併用
OCFS の構成には、すべてのクラスタ・ノードで、同一のマウント・ポイント・ ディレクトリと Oracle ユーザーに対する適切な権限により OCFS ファイル・シ ステムをマウントしてください。
RAC データベース・ファイル・ストレージ用 OCFS の使用には、OUI の記憶領域 オプション「File System」または DBCA の記憶領域オプション「Clustered File System」を選択し、次にデータベース・ファイルの格納先のディレクトリを指定 します。
CRS ファイル・ストレージ用 OCFS の使用には、Oracle CRS のインストール中に 発行される OCR と投票ディスクの位置を要求するプロンプトに対して OCFS ファ イル・システム上のファイル名を指定します。
OCFS のインストールと構成に関する詳細は、OSS Web サイトを参照してくださ い。
注意: Oracle9i Database Release 2 ではインストール中 OCFS や NAS などの共有 ファイル・システムでのデータベース作成に DBCA または OUI は使用できません。 共有ファイル・システムでのデータベースの作成には、ソフトウェアのインストー ル後に次のコマンドを使用して DBCA を実行します。
$ dbca -datafileDestination directry_path
メリット
記憶領域オプションとして OCFS を使用するメリットを次に示します。 • OCFS は、通常のファイル・システムと同様に使用でき、特に RAW デバ イスに比べてデータベース・ファイルの管理が簡単になります。 • 各クラスタに最大 255 デバイスという制限のある RAW デバイスとは異な り、OCFS ファイル・システムに格納できるファイル数の制限がありませ ん。デメリット
記憶領域オプションとして OCFS を使用するデメリットを次に示します。 • パフォーマンスが RAW デバイスより 5%まで低下します。平均的には 2% の低下となります。 • OCFS バージョン 1 では、通常のファイルはサポートされないため、Oracle ソフトウェアを OCFS ファイル・システムに配置できません。RAW デバイス
RAW デバイスは RAW パーティションとも呼ばれ、RAW キャラクタ・デバイス を通じてアクセスされるディスク・パーティションです。RAW デバイスは、Oracle が実際のディスクで読取りおよび書き込みを実行するためのファイルに似たイン タフェースを提供します。
1. 各 CRS およびデータベース・ファイルに適切なサイズのパーティション を、必要な数だけ作成します。 2. すべてのクラスタ・ノードで未使用の RAW デバイス・ファイルを識別し ます。 3. 識別した RAW デバイス・ファイルを、各クラスタ・ノード上の適切なパー ティション・デバイス・ファイルにバインドします。 4. クラスタ・ノードごとに、各 RAW デバイス・ファイルに適切な所有者、 グループおよび権限を設定します。 5. システムの再起動時に RAW デバイスがバインドされるように、システム を構成します。
前述の手順の詳細は、『Oracle Real Application Clusters インストールおよび構成
ガイド』を参照してください。 RAW デバイスの正しいバインドのために、次の手順を実行してください。 • 各ノードで RAW デバイス・ファイルの権限を確認して、Oracle ユーザー がファイルの読取りと書込みをします。 • すべてのノードで、RAW デバイスが適切なパーティション・デバイス・ ファイルにバインドされていることを検証します。 • 次のようなコマンドを入力して、デバイスがアクセス可能か判別します。 $ dd if=/dev/raw/rawl of=/tmp/rawl. txt bs=1024 count=1
RAW デバイスと Oracle データベースの併用
RAC データベース・ファイル・ストレージ用の RAW デバイスの使用には、次の 手順に従います。 1. 各データベース・ファイルに関連付けられた RAW デバイス・ファイル名 を識別する、次に示すエントリを含む RAW デバイス・マッピング・ファ イルを作成します。 system=/dev/raw/raw1 sysaux=/dev/raw/raw2 ...このファイルの作成方法の詳細は、『Oracle Real Application Clusters
Installation and Configuration Guide』を参照してください。
2. OUI または DBCA で、記憶領域オプションの「RAW Devices」を選択し て RAW デバイス・マッピング・ファイルへのパスを指定します。 注意: このファイルへのパスは、OUI の使用前に、DBCA_RAW_CONFIG 環境変数を使用でも指定できます。 CRS ファイルのストレージとして RAW デバイスを使用する場合、Oracle CRS の インストール中に発行される OCR の投票ディスクの位置を要求するプロンプト に対し、RAW デバイスのデバイス・ファイル名を指定します。
メリット
RAW デバイスの記憶領域オプションは優れたパフォーマンスを提供します。 RAW の読取りおよび書込みでは、オペレーティング・システムのバッファ・キャッ シュを使用しません。また、RAW の読取りおよび書込みは、ファイル・システム I/O の場合より大きなバッファを移動できます。デメリット
RAW デバイスは作成、管理およびメンテナンスが困難です。経験豊かな管理者の みの使用をお薦めします。制限
Linux における作成可能な RAW デバイスは、最大 255 デバイス(/dev/raw/raw1 から/dev/raw/raw255 まで)に制限されます。Linux ディストリビューション によっては、128 以上の RAW デバイス・ファイル作成が必要です。
単一のドライブで作成可能なパーティションの数には制限があります。SCI ディ スクでは最大 15 パーティション、IDE ディスクでは 63 パーティションまで作成 できます(論理パーティションの場合)。
Network Attached Storage(NAS)
注意: Oracle ソフトウェア・ファイルに対して現在サポートされている共有記憶領 域オプションは NAS のみです。NAS ストレージを使用していない場合ではロー カル・ファイル・システムによる Oracle ソフトウェアの格納が必要です。 NAS デバイスでのファイル・システムによって、ソフトウェア・ファイル、CRS ファイル、データベース・ファイルなどを格納できます。具体例を示します。 • インストールのホーム・ディレクトリ • Oracle Cluster Registry(OCR) • CRS 投票ディスク • データ・ファイル、制御ファイル、REDO ログ・ファイル、サーバー・ パラメータ・ファイル(SPFILE)、パスワード・ファイルなどのデータ ベース・ファイル RAC の NFS ボリュームをエクスポートする場合は、クラスタ・ノードのボリュー ムへのマウントおよび書込みができる正しい権限を指定してください。すべての クラスタ・ノードで、NFS ファイル・システムも同じマウント・ポイントへのマ ウントが必要です。ノードの再起動時に NFS ファイル・システムが正しいオプショ ンでの自動的なマウントを保証するため、次のようなエントリを/etc/fstab ファイルに追加します。 filer:/vol/pafiler/install/rac/netapp1 nfs
rw, be, hard, intr, vers=3, tcp, rsize=32758, wsize=32768, noac RAC インストールには、次のマウント・ポイントをお薦めします。
• noac オプションは、データベース・クラスタ内のクライアントがスト レージ・サーバーにあるデータ・ファイルの整合性のあるイメージを維 持を保証します。このオプションは指定が必要です。 • fg オプションは、データベース・インスタンスの起動前に NFS ファイル・ システムが使用可能になることを保証します。 • tcp オプションは、TCP が使用されるようにデータの整合性をさらに確 実にします。 • hard オプションは、ネットワークに問題が発生した場合、またはクラス タのフェイルオーバー・イベントの発生時に、データの整合性を保証し ます。 • nointr オプションは、NFS クライアント・オペレーションに信号が割り 込まないようにします。たとえば、SHUTDOWN ABORT 実行中に割込み が発生して、データが破損する場合があります。 NAS による Oracle インストールの実装および管理は、ボリュームが通常 のファイルとして提示されるため、比較的単純です。詳細は購入元の NAS ベンダーの Web サイトを参照してください。
NAS と Oracle データベースの併用
Oracle RAC のインストール時に、CRS と Oracle ホーム・ディレクトリの位置とし て NAS ファイル・システムでのディレクトリを指定できます。1 つのノードにイ ンストールすると、インストールの完了時に選択したクラスタのすべてのノード で Oracle ソフトウェアが使用可能になります。
RAC データベース・ファイル・ストレージの NAS の使用には、OUI の記憶領域 オプション「File System」または DBCA の記憶領域オプション「Clustered File System」を選択し、次に、データベース・ファイルの格納先のディレクトリを指 定します。 CRS ファイル・ストレージ用の NAS の使用には、Oracle CRS のインストール中に 発行される OCR と投票ディスクの位置を要求するプロンプトに対する NAS ファ イル・システムでのファイル名を指定します。
制限
認定された NAS デバイスのみがサポートされています。認定済の NAS デバイス については、次の Web サイトを参照してください。 http://www.oralce.com/technology/products/oracle9i/RAC/tech_ linux_x86.html NAS ストレージへのアクセスには、ギガビット・イーサネットなどの専用の高パ フォーマンス・ネットワーク・インタフェースの使用をお薦めします。Linux での Oracle Real Application Clusters の記憶領域オプション 2005 年 1 月 著書: Umadevi Byrappa 寄稿者: Kevin Flood Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com
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