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農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力 ― 沖縄県B集落の住民と高齢者の支え合いの事例から ―

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(1)文化看護学会誌,11(1),22-31 2019. 原著論文. 農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力. ― 沖縄県 B 集落の住民と高齢者の支え合いの事例から ― Regional Potential Based on Traditional Cultures in Fishing and Agricultural Villages: The case of mutual support between residents and the elderly in B village in Okinawa. 安仁屋優子,佐久川政吉,下地幸子 Yuko Aniya, Masayoshi Sakugawa, Yukiko Shimoji キーワード:伝統文化,地域力,高齢者ケア,農漁村部,沖縄. Key words:Traditional cultures, regional potential, elderly care, a fishing and agricultural village, Okinawa. Abstract Purpose. The purpose of this study was to clarify regional potential based on traditional cultures of B, a fishing and agricultural village in Okinawa, and to gain hints for constructing a care system for mutual support in the neighborhood in the future. Methods. The authors conducted a qualitative and descriptive analysis of interviews with five participants who had. experiences in giving care in B and contents of participant- observation of traditional events. As a result, 87 key sentences, 15 sub-categories and following five categories as indicated in square brackets were extracted.. Results. Familiar relationships over many generations based on [strong relationships by territorial bonds] were continued in B. The community center had functions, roles for sending and collecting information, and became a place for. further exchanges in the elderly: alleviation of burdens for caring families, emergency counseling. Besides, socialworkers based in the center supported the elderly and took care of them. Thus, [elderly-care by highly trusted social workers and community center] was practiced.. Residents cared for each other and looked after the elderly in need. They especially helped the families of the elderly with dementia directly and indirectly. Therefore, the basis of informal support by [mutual aid as personal affairs between residents] was seen.. In addition,“Honen-sai”, a harvest festival treasured the traditional cultures that has a history over 120 years, nutured young generation’s feelings toward their community and had rich social resourses such as [traditional. events inherited by all residents] via [multi generational connections strengthen by the events].. 受付日:2019年3月 27日 公立大学法人 名桜大学人間健康学部看護学科 Meio University 安仁屋優子 Yuko Aniya 〒 905-8585 沖縄県名護市為又 1220−1 名桜大学 1220-1 Biimata, Nago City, Okinawa, 905-8585, JAPAN. E-mail: [email protected]. 22. 文化看護学会誌 11巻1号(2019).

(2) 農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力. Conclusion. Consequently, the result suggested that even the small village based on cultural basis like B may have the enough regional potential to help each other and survive.. 要 旨 本研究の目的は,沖縄県農漁村 B 集落の文化を基盤とした地域力を明らかにし,今後の近助ケアシ. ステムづくりへの示唆を得ることである。. B 集落の介護経験のある当事者5人のインタビュー内容,集落の伝統行事に参与観察した内容を質. 的記述的に分析した。その結果,87のキーセンテンス,15のサブカテゴリー,5のカテゴリーが抽出 された。. B 集落は多世代に渡る顔なじみの関係が維持されており,【地縁による強いつながり】が基層に. あった。公民館では高齢者の交流促進や介護家族の負担軽減の場,緊急時の相談場所となっており, 集落の情報収集・発信の役割機能を備えていた。また,公民館を活動拠点としている民生委員は B 集. 落の高齢者を支援しており,B 集落では【信頼の厚い公民館・民生委員による高齢者ケア】が実践さ. れていた。. B 集落の住民同士は,お互いを気にかけ支援の必要な高齢者を見守り,特に認知症高齢者と家族に. 直接的・間接的な支援を行い,【住民同士による我が事としての支え合い】によるインフォーマル・ サポートの基盤がみられた。 さらに,120年以上の歴史を有し大事にされている伝統文化“豊年祭”は,若者世代の地域への思 いを育み,【伝統行事で強化される多世代間のつながり】を介して【住民総出で継承する伝統行事】 という豊かな社会資源を有していた。以上の事から B 集落は,文化的基盤に基づいた,小さな集落で も支えあい生きていける地域力があることが示唆された。. Ⅰ.緒 言. 社会の維持を目的としており,かつてのムラやマチの 生活はひとつの小さな地域社会(共同体)の内部でま. 古在(2009)は「農業(実際には農林水産業)は,. かなわれ,住民に全体的な相互関係性を確認させ,社. 「生きものの culture」を通じて,芸術・学術・宗教・. 会集団の存立にとって不可欠なものであった」と述べ. 道徳に関わる文化的基盤を創り出してきた。その意味. ている。21世紀に入りグローバリゼーションと文明が. では農業は古来,文化を育む土壌となってきた」と述. 急速化する中,ローカリゼーションと文化を見直し,. べている。我々は農漁村部の B 集落において 2017年. 農漁村部のような一見文明から遅れているような地域. 度から「地域力」を活かした近助ケアシステム開発に. において,祭りなどの伝統文化を地域力として顕在化. 取り組んでいる。「地域力」とは,日常生活圏域(字・. し,それを糸口にすることで,住民との協働の地域づ. 区・集落レベル)における歴史,伝統文化,社会資. くりへの可能性が広がってくると考える。. 源,フォーマル及びインフォーマル・サポート基盤な. 一方で,高齢者の現状として,2025年には約 700万. どと捉える。その中で,農漁村部で特徴的なのは,伝. 人の認知症高齢者の増加が見込まれ,厚労省(2013). 統文化が継承されていることである。「伝統文化」と. は,認知症高齢者も含めすべての高齢者が住み慣れた. は,住民が暮らしを通じて地域の環境を認知・理解,. 地域での生活継続が可能となるための地域包括ケアシ. 評価し,様々な働きかけを行いながら築き上げ,世代. ステムの構築を目指している。各地域の実状に応じた. を超えて継承されてきた世界観や規範のことで,地域. 相互扶助を活かした地域包括ケアシステム構築が求め. ならではの知恵と技を含んでいる(農水省,2004)。. られているが,地域に根付いている伝統文化は,その. 伝統文化の中でも「祭り」は多くの地域で残ってい る。芦田(2001)は日本社会における祭りは,「地域. 機能と構造において親和性があり,応用可能性が高い と思われる。. Journal of Cultural Nursing Studies, 11(1), 2019. 23.

(3) (2017)は,地域包括ケアシステムには自助,互. らかにし,認知症高齢者を含む地域の高齢者が住み慣. 助,共助から成り立つ地域包括ケアシステムの必要性. れた地域で暮らしを継続できる,近助ケアシステムづ. を指摘している。地域包括ケアシステムは,おおむね. くりへの示唆を得ることである。. 30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域 (具体的には中学校区)を単位として想定されているが,. Ⅱ.研究方法. 地域住民が顔なじみでお互いの生活を把握し,助け合 いのケアシステムが実現可能な範囲は,市町村単位の 地域では広いため,徒歩圏内の小集落単位の隣近所と 考える。したがって,小集落内の隣近所で形成される 密着度の高い互助を近助と捉えることが重要である。. 1.研究協力者 農漁村部 B 集落に住む介護経験の当事者である地域. 住民,公民館を拠点に地域活動を行っている地域住民 (区長,書記,民生委員,福祉推進委員,青年会メン. 他府県に比べ伝統文化が色濃く残っている沖縄にお. バー)8人である。. ける伝統文化の伝承・継承は,「老若男女を問わず,. 2.データ収集方法. 住民一人ひとりの自己形成や自己実現,他者との関係. B 集落の区長と書記に研究協力の依頼を行い,介護. 性の構築やコミュニケーション,アイデンティティ形. 経験の当事者である住民5人の紹介を受けた。研究協. 成と切り離して考えることはできない」(渡邊,2008). 力者には,口頭と文書で研究説明を行い,同意を得た。. といわれており,伝統文化は今でも地域住民のつなが. 1)参与観察として,集落の伝統文化の拠点(拝所な. りの中で息づいていると思われる。住民が守り抜いて. ど)や行事(豊年祭など),公民館でのミニデイ. いる伝統文化の理解なくして,地域力のアセスメント. サービスなどの活動に参加し,地域住民(区長,書. もケアシステムづくりも足踏みすると考える。今後,. 記,民生委員,福祉推進委員,青年会メンバー),. 地域力を近助ケアシステムに活用していくためには,. B 集落の特徴やこれまでの取り組み,高齢者の生活. 住民の暮らし,考え,価値観,行動の背景となってい る文化理解に努めていく必要がある。. 状況などの情報をフィールドノートに記録した。. 2)豊年祭においては,住民の祭りにおける役割機能. 文化に関連したアセスメントの知見として,糸数ら. を理解するため表舞台に加え,一般公開されない裏. (2015)は,住民は地域をよく知る地域のスペシャリ. 方や楽屋にも案内してもらい,地域住民の役割機能. ストであることを前提に,健康課題解決のためには, 伝統行事を活かした住民と専門職・行政との協働によ. の実際を参与観察し,データはフィールドノートに 記録した。. る取り組みの必要性を報告している。また,井出ら. 3)認知症高齢者の介護経験のある介護者から半構. (2009)は,自然に定着している社会的サポートネット. 造化インタビューを行った。インタビュー内容は. ワークの存在や地域文化を反映した交流の実態などを. 集落での生活と特徴について問いかけ,認知症の. 的確に判断する方法の構築の必要性を示唆している。. 人が集落で生活できるための取り組みや現状につ. 以上の背景を踏まえ,B 集落の地域力をアセスメン. いて語ってもらった(平均 58分)。面接内容は許可. フォーマルおよびインフォーマル・サポート基盤を把. なかった場合はフィールドノートにメモを取るこ. 握する必要性に加え,実際に認知症高齢者の介護経験. との許可を得た。インタビュー,フィールドワー. のある当事者から,B 集落において認知症となっても. クを含めたデータ収集期間は 2016年1月∼2018年. ト す る に は, 伝 統 文 化 を 中 心 に 歴 史 や 社 会 資 源,. を得て IC レコーダーで録音を行い,許可が得られ. 介護を継続できた現状と要因を聞くことが重要と考え. 10月であった。. る。神里(2004)によると,沖縄における小地域福祉. 3.データ分析方法. 活動の拠点として 95.4%が字公民館を拠点に自治会レ. 地域住民の公民館での活動参加から得られた情報,. ベルで行われており,地域の特徴に即した柔軟性のあ. 行事の参与観察データ,インタビューで得られたデー. るケアシステムの可能性がある。今回,公民館を拠点. タから逐語録を作成し,研究目的に照らし地域力とし. とした地域活動を行っている地域住民から B 集落の特. て表現していると思われる文章を原文として抜き出し. 徴や強みを共有することで,近助ケアシステムに活か. た。原文から一文一義になるようにキーセンテンスを. すことができると考える。. 作成し,キーセンテンスを抽象化しサブカテゴリーを. したがって,本研究の目的は,B 集落の地域力を明. 24. 文化看護学会誌 11巻1号(2019). 作成した。最後に,意味内容が類似するサブカテゴ.

(4) 農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力. リーを集めてカテゴリー化した。認知症高齢者の介護 者へのインタビューから得られたデータは,地域住民. 1)【地縁による強いつながり】. B 集落は人口約 800人の小さな集落である。小さな. の分析と同様のプロセスでカテゴリー化した。. 集落だからこそ,“祖父母から孫の代まで顔見知りだ. 4.倫理的配慮. から知らない人はいない”,“小さいシマ(集落)だか. 研究協力者に口頭と文書にて研究目的,調査手順な. ら,良くも悪くもお互いの生活は知っている”とある. どについて説明し,研究への同意を得た。研究協力者. ように,〈多世代に渡るなじみの関係の維持〉がある。. には個人の自由意思に基づいて決定されるものであ. また,“集落の絆や体制は,ほかの集落に比べて自慢. り,参加しない場合でも不利益は被らないことなどを. できるぐらい良い”との自負とともに,〈保持されて. 説明した。. いる集落の繋がり〉に誇りを持っていた。. プライバシー・秘密保持の権利の保障として,個人. 2) 【信頼の厚い公民館・民生委員による高齢者ケア】. 情報は,本研究以外の目的には使用しないことなどを. 公民館では,“ミニデイの企画・サポートは区長,. 説明し同意を得た。なお,所属する大学の研究倫理審. 書記,民生委員,福祉推進委員,ボランティアのメン. 査委員会の承認を得た。. バーが行って(いる)”おり,“B 集落の高齢者は元気 にミニデイに参加している”。ミニデイ以外にも B 集. Ⅲ.結 果 1.農漁村部 B 集落の概要 過疎化が進んでいる北部地域に位置し,水と土と緑. 落の“高齢者はミニデイ,ゲートボール,グランドゴ ルフ,区民運動会によく参加(している)”するなど, “B 集落に暮らしている高齢者は元気な方が多い”。外. 出の機会が減少する高齢者にとっては“ミニデイはお. の豊かな集落である。総人口約 800人,世帯数約 340. しゃべりサロンとして,おしゃべりするだけでも十分. 世 帯, 高 齢 者 数 約 260人, 高 齢 化 率 32.5%(2018年 ). だと思っている”など,〈公民館でのミニデイによる. である。集落内に福祉・保健・医療機関や小中学校は. 交流の促進〉と 同時に,同居家族にとっては〈ミニ. なく,個人商店3ヵ所,鮮魚店3ヵ所,酒造所2ヵ所. デイによる家族の負担軽減〉が図られていた。民生委. がある。. 員は,“認知症の人のために民生委員が家を回ってく. 集落内は農業基盤が整備された大規模な農地が広. れる”,認知症高齢者を支援する体制や,“民生委員が. がっている。集落の空間構造と形成思想として,沖縄. 地域に住む高齢者の看取りをしたことがある”など,. の伝統的な集落でみられる「風水思想」(集落内に. 必要であれば高齢者の最期を看取る〈民生委員による. 「気」が停滞することなく流れるように,集落は山を. 草の根活動〉を行なっていた。また,公民館は“何か. 背にして前面に内海が面する立地)と,祖先崇拝思想. あれば公民館には人が集まるから,公民館に来たら何. と関連する「腰当」(クサテ)(集落の守護神である御. とかなる”と地域住民からの信頼が厚く地域住民が集. 嶽〔ウタキ〕に抱かれるようにして立地)で形成され. まる場所となり,また“どこどこのおばあちゃんが体. ている(松井ら,2013)。B 集落の伝統文化のほとん. 調崩していると知ったら,地域に情報を回す”などと. どが御願(ウガン)行事であり,蛙払い(アブシバ. いった〈住民の情報が集まり発信する公民館〉として. レー),稲穂祭,その他御願行事が毎月のようにある。. 機能していた。. その中で最大が「豊年祭(ほうねんさい)」で,五穀. 3)【住民同士による我が事としての支え合い】. 豊穣,無病息災,航海安全,世界平和を祈願する。ま. B 集落は“集落の家屋は昔ながらの平屋で,建物や. た,集落内には伝統文化の拠点である御嶽や拝所など. 塀が低いため住んでいる人の生活が見やすい”構造と. の史跡・文化財が数多く残されている。. なっている。その見やすさもあり,住民は“家族が来. 2.B 集落の地域力. ない一人暮らしの高齢者のお家を覗いて元気か確認す. B 集落における地域力として,キーセンテンスが. る”ことを行っていた。また,“認知症の夫が自転車. 87,サブカテゴリーが 15,カテゴリーが5つ抽出さ. で出かけても,道で見かけた近所の人が電話で連絡を. れた。キーセンテンスは“ ”,サブカテゴリーは. くれる”などの連絡機能があり,〈我が事として安心. 〈 〉 ,カテゴリーは【 】で表し,結果を表1に示 す。また,以下にカテゴリーごとに B 集落における特. 徴を示す。. と安全を守る地域の目〉が存在していた。 兄弟・親戚は隣近所で生活していることが多く, “姉が一緒だったから認知症の親を家でみることが. Journal of Cultural Nursing Studies, 11(1), 2019. 25.

(5) できた”など介護する上で兄弟・親戚が隣近所にいる. がみられた。一方で,踊方・棒方不足を演舞内容の工. ことは重要な意味を持っていた。家族が認知症や介護. 夫で調整することや,神人(カミンチュ)の後継者が. が必要となった場合,住民は“認知症の家族に,友人. 不在になっても,祭り自体は柔軟に対応しながら継承. がお昼を運んでくれたり面倒見るなど協力してくれ. していた。つまり,住民は少子高齢化や時代の変遷な. た”り,“近所の人がヘルパーで,介護が大変な時は. ど〈変化に対応しながら豊年祭の継承〉をしていた。. 夜中でも電話したら駆けつけてくれた”など直接的ケ. B 集落の地域力をまとめると,祖父母の代から孫の. アが行われ,“認知症の夫が行方不明になった時も地. 代まで多世代に渡る顔なじみの関係が維持されてお. 域の人みんなで探してくれた”のような緊急事態にも. り,【地縁による強いつながり】が基層にあった。公. 〈住民による臨機応変な認知症ケア〉が発動され,〈介. 民館では高齢者の生活支援・介護予防や緊急時の相談. 護を我が事として相談・助言〉がみられた。. 場所となっており,集落の情報が集まり発信されるよ. 4)【伝統行事で強化される多世代間のつながり】. うな役割機能を備えていた。公民館を活動拠点として. B 集落には長年続いている豊年祭があり,“老人会. いる民生委員は,高齢者を見回り支援しており,【信. を中心にいろいろな活動や行事ごとをしている”,の. 頼の厚い公民館・民生委員による高齢者ケア】が実践. ように,同世代だけでなく〈伝統行事を介した世代間. されていた。また,兄弟・親戚が近所にいることも含. 交流〉があり,行事を通して先輩の苦労している背中. め,住民同士はお互いを気にかけ支援の必要な高齢者. を見てきた若者は,“高齢者になった先輩達が大変な. を見守り,特に認知症高齢者と家族に対しての直接. 思いをしているのがわかるから青年会を続けている”,. 的・間接的な支援を行い,【住民同士による我が事と. “私たち 20代の若者は,地域に貢献するために青年会. しての支え合い】によるインフォーマル・サポートの. をやっている”と〈若者世代の地域への思いと貢献〉. 基盤がみられた。さらに,120年以上の歴史を有し,. があった。. 最も大事にされている伝統文化“豊年祭”は若者世代. 5)【住民総出で継承する伝統行事】. の地域への思いを育み,【伝統行事で強化される多世. B 集落の“豊年祭には文化に関心のある専門家や住. 代間のつながり】を介して【住民総出で継承する伝統. 民などが見学にたくさん訪れる”ほど,由緒ある伝統. 行事】という豊かな社会資源を有していた。. 行事であるが,行事には地元の人に加え“集落の人々 は他からきた人にも歓迎の態度で接してくれる”など. Ⅳ.考 察. 〈外部者を受け入れる寛容な心〉がみられた。さらに, 豊年祭は特別であり,住民が“豊年祭の各自の役割は. 1.高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられ る. 決まっていてそのシステムは凄いと思う”と感じるほ. 地域力. ど,“豊年祭には各自の役割(踊方棒方,楽屋,化粧. 農漁村部 B 集落の伝統文化を基盤とした地域力の構. 着付け,放送,照明,進行,接待など)を強い責任を. 造を図1に示す。. もってやっている”。また,“豊年祭の3日間のため. 公民館では介護予防ミニデイサービスが行われて高. に,この日のために里帰りを(する)”し,“豊年祭は. 齢者が参加している。ミニデイの計画,サポートは区. 命がけでやっているくらい力をいれている”と語るよ. 長,書記,民生委員,福祉推進委員,ボランティアの. うに,仕事など他のことよりも〈豊年祭での全員参加. メンバーである。ミニデイは“ほかの集落の人たちも. の役割分担〉を最優先にしていた。また,豊年祭の後. いるのでいい交流になる”ことや, “おしゃべりするだ. 継者,若手育成などを見据えて,“豊年祭の後継者不. けでも十分と思っている”と, 〈ミニデイによる交流の. 足の課題もあるため,いずれ戻って来て豊年祭に参加. 促進〉の場となっている。公民館を場とするミニデイ. するよう自分の子には小学校の頃から棒術をさせた”. は単に介護予防や家族の介護負担軽減のためではなく,. など,豊年祭への意気込みは強かった。. 外出や人との交流機会が減少する高齢者にとって,集. さらに,B 集落の豊年祭は旧暦9月9日に行われる. が,“他の集落が都合上,旧暦ではなく週末に合わせ. 落の情報を収集しながら交流し,地域との繋がりを保 つためにも重要な役割を持っていることが推察される。. て開催することが多くなっているが,旧9月9日の開. 民生委員は地域を頻回に回り,ミニデイに参加しな. 催は絶対に変えない”と,集客を増やすための週末開. かった高齢者に声掛けを行うなど細かい観察と配慮を. 催よりも,受け継いできた歴史への責任感とこだわり. もって地域の高齢者と密に関わっていた。工藤(2005). 26. 文化看護学会誌 11巻1号(2019).

(6) 農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力. 表1 B 集落の地域力 キーセンテンス(87). サブカテゴリー(15). カテゴリー (5). “集落全体がオープンで顔見知りのため,子育てがやりやすい”. 〈多世代に渡るなじみ の関係の維持〉. “不登校の子が外を歩いていたら,みんなが声掛け,報告してくれる” “小さいシマ(集落)だから,良くも悪くもお互いの生活は知っている” “施設に入っても地元を忘れないように,メンバーで介護施設巡りをしている” “交流がないわけでもないし,少ないわけでもない” “台風後は隣同士と協力をして片づけをする” “集落の絆や体制は,ほかの集落に比べて自慢できるぐらい良い” “豊年祭の担当を割り当て,集落の繋がりを途絶えないように工夫している”. 〈保持されている集落 の繋がり〉. ︻地縁による強いつながり︼. “祖父母から孫の代まで顔見知りだから(集落で)知らない人はいない”. “認知症になっても集落の飲み会や同窓会の交流会の誘いはあった”. “B 集落の高齢者は元気にミニデイ(サービス:公民館で2回 / 月開催)に参加している”. “B 集落に暮らしている高齢者は元気な方が多い”. “高齢者はミニデイ,ゲートボール,グラウンドゴルフ,区民運動会によく参加している” “高齢者は外に出たがらないから,公民館でのミニデイは良いきっかけになっている”. 〈公民館でのミニデイ による交流の促進〉. “(公民館での)ミニデイに来てもらえるよう,おやつを手作りしている” “デイケアとミニデイを並行するのは,他の集落の人たちもいるのでいい交流になる” “ミニデイをおしゃべりサロンとして,おしゃべりするだけでも十分だと思っている” “おばあちゃんがミニデイに行ってる間は,自分(介護者)の用事ができ気晴らしにもなる” “認知症の家族はミニデイに参加できていろいろ刺激になっている”. 〈ミニデイによる家族 の負担軽減〉. “この集落では民生委員が家庭をよく回っている” “集落で認知症の人のために民生委員が家を回ってくれる”. 〈民生委員による 草の根活動〉. “民生委員が集落の年寄りと関わってる” “民生委員がミニデイに来なかった人に声掛けを行う” “民生委員が集落に住む高齢者の看取りをしたことがある” “何かあれば公民館には人が集まるから,公民館に来たら何とかなる” “どこどこのおばあちゃんが体調崩していると知ったら,集落に情報を回す” “何かあるときに声掛けしたら,みんな集まって来る”. ︻信頼の厚い公民館・民生委員による高齢者ケア︼. “ミニデイの企画・サポートは区長,書記,民生委員,福祉推進委員,ボランティアのメンバー が行っている”. 〈住民の情報が集まり 発信する公民館〉. “戸も開けっ放しで家の前を通る人達が(認知症の母の)顔をみて合図をしていた” “集落の家屋は昔ながらの平屋で,建物や塀が低いため住んでいる人の生活が見やすい” “家族が来ない一人暮らしの高齢者のお家をのぞいて元気か確認する” 〈我が事として安心・ 安全を守る地域の目〉. “一人暮らしの高齢者も集落みんなで見ているのは集落力でしょうね” “認知症の夫が自転車で出かけても,道で見かけた近所の人が電話で連絡をくれる” “おばあちゃん1人で散歩に行ってるけど大丈夫ね?って,頻繁に声をかけてくれる” “兄弟,家族が同じ集落で近くに住んでるのは非常に重要である” “親戚や兄弟で集落に暮らしているので,みんなが繋がっている感がある”. 〈身近で頼りになる 家族による支え〉. “姉が一緒だったから認知症の親を家でみることができた” “家族が急変した時には,同じ集落に義弟がいたのですぐに呼んで助けてもらった” “認知症の家族に,友人がお昼を運んでくれたり面倒見るなど協力してくれた” “町まで買い物に行くときは近くの高齢者からお願いされたら一緒に乗せていく” “徘徊しても私の親だとわかるので,隣近所が協力してくれた” “近所の人がヘルパーで,介護が大変な時は夜中でも電話したら駆けつけてくれた” “家を出て帰ってこれなくなっても,近所の人が車で連れてきてくれる”. 〈住民による臨機応変 な認知症ケア〉. “認知症の家族を介護しているとき,近所の友達に見守りや孫の世話をして協力し合っていた”. ︻住民同士による我が事としての支え合い︼. “一人暮らしは気になるけど,家族が頻繁に通っている家は見て見ないふりしながら気にかけ ている”. “認知症の夫が行方不明になった時も集落の人みんなで探してくれた” “認知症の人から絶対仕事は取ってはいけないって,介護の経験をみんなに伝えている” “認知症の家族を介護してる人たちが,公民館に来た時に介護のアドバイスをしている” “近所の人が介護で大変な時は,愚痴を聞いてあげたりしていた”. 〈介護を我が事として 相談・助言〉. Journal of Cultural Nursing Studies, 11(1), 2019. 27.

(7) サブカテゴリー(15). カテゴリー (5). は民生委員の支援の姿勢として,「住民の意思を尊重 し確実に支援するためのアンテナをはり,出過ぎずか つ支援が遅れないようなバランス感覚が重要である」. ︻住民総出で継承する伝統行事︼. “豊年祭には集落の外に出て行った人たちも帰ってくる” “私たち 20代の若者は,集落に貢献するために青年会をやってる” 〈若者世代の地域への “集落行事では先輩(高齢者)と話す機会になるから,参加することはよいことである” 思いと貢献〉 “離れていても今でも先輩方から豊年祭の寄付がある” “先輩達が大変な思いをしているのがわかるから青年会を続けている” “老人会を中心にいろいろな活動や行事ごとをしている” “先輩に誘われて行事に参加し,高齢者とみんなで新年会や三線で遊んでいる” “集落の餅つき大会は高齢者,子供たちはとても楽しんでいた” “若い人が少なくなっているけど,集落の行事にはたくさんの人が参加する” 〈伝統行事を介した 世代間交流〉 “若い人達は声掛けしたら文句言わずに集落の行事に協力してくれる” “豊年祭に関わる人はすべて地元の人が無償(ボランティア)でやってくれている” “豊年祭に出演している孫の記録を残すため高齢の祖母が写真を撮っている” “杖を使用している高齢者も援助を受けながら豊年祭に参加している” “ (今住んでいる)地元の行事には参加はしないが,B 集落はわざわざ招待してくれるから嬉しい” “集落の人と結婚するなら,豊年祭には必ず参加してもらいたい” 〈外部者を受け入れる “集落の人々は他から来た人にも歓迎の態度で接してくれる” 寛容な心〉 “小さい頃から父の出身地である B 集落の豊年祭には来ていた” “豊年祭には文化に関心のある専門家や住民などが見学にたくさん訪れる” “豊年祭の各自の役割は決まっていてそのシステムは凄いと思う” “豊年祭には各自の役割(踊方棒方,楽屋,化粧着付け,放送,照明,進行,接待など)を強 い責任をもってやっている” “豊年祭では舞台に出る人,裏方に回る人,生まれもった役割みたいのがある” “地元の古老が有志で御願に参加する” 〈豊年祭での全員参加 “豊年祭の来賓の接待は古老が行っている” の役割分担〉 “豊年祭の3日間のために,里帰りをする人がいる” “豊年祭に参加するため仕事は休みを取って参加している” “豊年祭は命がけでやっているくらい力をいれている” “生まれ育ちは違うが親の出身地なので愛着があり豊年祭や集落の行事に参加している” “B 集落の豊年祭は 127年の歴史がある” “豊年祭の舞台音響もプロではなく住民が行い,経済的な負担を軽減している” “数年前は豊年祭の拝みに参加する神人(カミンチュ)が3名ほどいたが現在は不在である” “後継者のために地域活動や伝統行事などは後方で支えながら,若い子が自立してやっていけ るようにしている” “B 集落独自の三線工工四(楽譜)を作成している” “年1回だが豊年祭の衣装にはお金をかけてとても大切にしている” 〈変化に対応しながら 豊年祭の継承〉 “豊年祭の後継者不足の課題解決のため,いずれ戻って来て豊年祭に参加できるよう我が子に は小学校生で棒術をさせた” “子どもは少なくなってきているが,伝統行事は何とか続けられている” “豊年祭正日(中心)は演舞準備のため,小学校も子どもの早退を認めている” “他の集落が旧暦ではなく週末に合わせて開催することが多くなっているが,B 集落は旧9月 9日は絶対に変えない” “豊年祭の予算は区民から一人ずつ頂き,残りは寄付で賄っている”. ︻伝統行事で強化される多世代間のつながり︼. キーセンテンス(87). いる〈民生委員による草の根活動〉は,B 集落におけ. る最期までの暮らしを支えていると思われる。. ミニデイと民生委員の活動の拠点は公民館である。. と述べている。民生委員は地域を歩いて回り,公民館. 住民からは“何かあれば公民館には人が集まるから,. での活動を通して情報収集し常に地域へのアンテナを. 公民館に来たら何とかなる”と公民館への期待と信頼. 張り,認知症高齢者への関わり,地域での高齢者の看. は厚い。また,公民館に集まった高齢者の健康情報. 取りまでも行っていた。認知症になっても B 集落での. は,集落内に発信され気になる高齢者を見守る・支援. 暮らしを支え,地域で最期を迎えたいことを尊重して. 28. 文化看護学会誌 11巻1号(2019). に役立っている。樋口ら(2016)は「公民館は地域の.

(8) 農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力. 隣近所. <我が事として安全・安心を守る地域の目>. 家族・親. 友人. <住民による臨機応変な認知症ケア>. <身近で頼りになる家族の支え>. 【住民同士による我が事としての支え合い】 直接的・間接的な支援. 家族 主介護者. 福祉推進委. 子供たち. 認知症の人. 青年会. ボランティ 老人クラブ. 【信頼の厚い公民館・民生委員による高齢者ケア】 民生委員. 区長・書. 公民館 緊急・相談場所. 情報収集・発信 生活支援・介護予防. 【地縁による強いつながり】 【住民総出で継承する伝統行事】. 【伝統行事で強化される多世代間のつながり】. 伝統行事の豊年祭. 図 1 農漁村部 B 集落の伝統文化を基盤とした地域力の構造 拠点施設であるため,その地域の特性や課題が表れる. 多く,塀なども低いため外から住んでいる人の生活が. 場である。地域の状況に即した創造的で魅力的な公民. 容易にうかがい知れ,一人暮らし高齢者などの安否を. 館活動が展開できれば,地域活性や課題解決にも大き. 確認していた。また,認知症高齢者が自転車で出かけ. く寄与できる」と述べている。公民館は集落の拠点と. た場合,見かけた住民が家族に連絡するという見守り. いう役割をもち,タイムリーに情報収集・確認・発信. ネットワークが機能していた。一人暮らし高齢者の安. の機能を備え地域の課題解決の一助となっている。鈴. 全確認や行方不明者の早期発見・保護を目的に,地域. 木ら(2002)は, 「公民館は集落の行事や住民の活動. での見守り体制を整備することが勧められている(厚. を一部だけ支えるのではなく,住民が主体的に携わる. 労省,2017)。B 集落では小地域ならではの強みが基. ことにより,地域社会形成をも促す有用な機能を持. 盤となり〈我が事として安心・安全を守る地域の目〉. つ」と述べている。特に沖縄では,戦前は農村の各集. が形成されていることで高齢者の安全確保に繋がって. 落にムラヤー(村屋)があり,戦後はそれが字公民館. いると考えられる。. と継承され,祭祀や福祉などの活動拠点になってきた. また,認知症高齢者を介護する家族の代わりに昼ご. 歴史があり(神里,2004),住民主体の公民館を拠点. 飯を運び,介護が大変となった時には夜間でも駆けつ. したケアシステム形成にも期待が持てる。. けてくれる近所の人の支援があった。さらに,認知症. 民生委員と公民館による地域に密着した役割機能. 高齢者の見守りや介護で大変な時は孫を世話し, 〈住. は,B 集落の地域資源である。小さな集落だからこそ,. 民による臨機応変な認知症ケア〉が日常生活の中に浸. 〈多世代に渡るなじみの関係の維持〉があり,地域住. 透していることや,〈身近で頼りになる家族の支え〉. 民が自負する〈途絶えることのない地縁〉が強みとし. は,認知症高齢者が住み慣れた集落で暮らし続けられ. て存在していた。また地域の家屋は昔ながらの平屋が. るための地域力と考える。. Journal of Cultural Nursing Studies, 11(1), 2019. 29.

(9) 2.豊年祭が培ってきた地域力 . 年祭という集落が誇る伝統文化によって培われた強. B 集落には 120年以上も続く豊年祭が毎年同じ旧暦. みであり,小地域であろうと文化的基盤をもつ人と. の日に取り行われている。小さい集落ながらも沖縄. の繋がりが強固であれば大きな地域力となり,農漁. 県北部一と評されており,楽屋から放送・照明・進. 村部独自の地域ケアシステムの可能性が見出せると. 行・化粧着付け・小道具・大道具の制作・舞台装置・. 考える。. 接待と住民総出でステージなど盛り上げ,来賓を接 待する(仲尾次誌,1989)。近年では少子高齢化や若 者離れによる後継者不足が深刻な問題となっている。 しかし,B 集落では〈伝統行事を介した世代間交流〉 があり,〈若者世代の地域への思いと貢献〉がみられ. Ⅴ.結 論 1.B 集落は,【地縁による強いつながり】が基層に あり,【信頼の厚い公民館・民生委員による高齢者. た。山田ら(2018)は「祭りが参加者コミュニティ. ケア】が実践されていた。また,住民同士はお互い. の形成,参加者の世代を超えた継続性の担保という. を気にかけ【住民同士による我が事としての支え合. 参加者同士のつながりが創出される可能性を孕んで. い】があった。インフォーマル・サポートが日常の. いる」と述べている。集落最大の行事である豊年祭. 中に織り込まれており,高齢者が住み慣れた集落で. によって,若者世代から高齢者まで一つの共同体意. 暮らし続けられるための地域力と考える。. 識が生まれ,若者世代の先輩(高齢者)を敬う思い. 2.“豊年祭”は若者世代の地域への思いを育み,【伝. が,地域に貢献することへの意味付けとなり,多世. 統行事で強化される多世代間のつながり】を介して. 代間の強い繋がりは豊年祭によって強化されている. 【住民総出で継承する伝統行事】という豊かな社会. ことが推察される。 “豊年祭は命がけでやっているくらい力をいれてい る”など,豊年祭の役割遂行のために里帰りし,仕事. 資源を有していた。B 集落における豊年祭は地域力. の基盤であると示唆され,独自性の高い地域包括ケ アシステムの可能性があると考える。. は休みを取って参加している。役割は多種多様で, “豊年祭では舞台に出る人,裏方に回る人,生まれ もった役割みたいのがある”のように,裏方では音響. 本研究の限界と今後の課題. など,各々が役割を秩序立ててスムーズに進行してい. 少子高齢化が進み,対策や課題が注目される中,小. た。山田ら(2018)は祭りについて,「集団儀礼であ. 集落における文化的側面から見た地域力に注目し今後. るという点には集団としての一体性や連帯性を醸成す. の近助ケアシステムの方向性を見出せたことは意義が. る装置ともなるという意味をみることができ,それと. ある。しかし,インタビュー対象者が限定されたこ. 同時に祭りで行われる一連のプログラムは,集団とし. と,様々な伝統文化が存在する中で豊年祭だけでは言. ての世界の見方,人間としてのあり方などが表象され. い切れないことや,社会資源などの要素は多様である. る構造をもち,それぞれの文化を次世代に継承するシ. ことから,農漁村部に普遍性のある地域力を基にした. ステムとしての役割も担ってきたということができ. ケアシステムとして論じるには限界がある。. る」と述べている。B 集落では,豊年祭の役割に対す. 今後は B 集落の多様な側面からのデータも積み重. る強い責任と一体感・連帯性は完全にシステム化され. ね,地域力と近助ケアシステムとの融合の可能性を検. ており,誰が何をするのか,誰のお世話をするのかの. 討し,ケアシステムづくりを進めていく必要がある。. 役割分担が明確化されており,伝統行事継承へのこだ わりと柔軟性,住民が持つ強い役割意識は【住民総出 で継承する伝統行事】となっていた。 山田ら(2018)は,「祭りは集団的な実践であり,. 謝 辞 本研究に対するご理解とご協力をいただいた B 集落. あつまり・つながりを生み出す場としての祭りが,. の研究協力者や住民の方々,関係者に感謝いたしま. 日常における様々な活動や事業の基盤となる社会関. す。なお,本研究は,文部科学省科学研究費基盤C. 係の維持と拡大に寄与する可能性は十分にある」と 述べている。小地域ならではの社会資源,近所同士 の互助に加え,住民同士の強い結束や役割意識は豊. 30. 文化看護学会誌 11巻1号(2019). (17K12479)の助成を受けて行ったものである。.

(10) 農漁村部における伝統文化を基盤とした地域力. 引用文献 井出成美,佐藤紀子,山田洋子ほか(2009).社会的サポー トネットワークの構築につながる高齢者のエンパワメン ト指標の開発.文化看護学会誌,1(1).pp3-11. 糸数仁美,大湾明美,佐久川政吉ほか(2015).小離島の高 齢者が捉える地域の健康課題とその解決方法 : 実践レベ ルでの住民の視点を活用した地域アセスメントのため に.沖縄県立看護大学紀要,(16).pp77-85. 沖縄地域科学研究所編(1990).沖縄の県民像 ─ ウチナン チュとは何か.沖縄文庫. 沖縄タイムス社(1991).おきなわの祭り.沖縄タイムス社. 神里博武(2004).沖縄における小地域の福祉力形成の課題, 地域総研紀要,2(1).pp70. 工藤禎子(2005).転入高齢者に対する民生委員の関わりの 実際と支援のあり方.北海道医療大学看護福祉学部紀 要,12,pp53-60. 厚生労働省(2015).地域包括ケアシステム.2018年 12月 25 日閲覧. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_ kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/. 厚生労働省(2017).認知症施策推進総合戦略 新オレンジプ ラン 2018年 10月 28日閲覧 https://www.mhlw.go.jp/file/06Seisakujouhou12300000Rouk. enkyoku/kaitei_orangplangaiyou.pdf. 古在豊樹(2009) .「農」と「市民」を基盤とした文化・芸 術.文化看護学会誌,1(1).pp52. 鈴木麻衣子,藍澤宏,梅田美鈴(2002).行事にみる地域社 会の担い手育成の場に関する研究.日本建築学会計画系 論文集,67巻 560号,pp185-192.. 哲夫:監修 田城孝雄・内田要:編者(2017).まちづく りとしての地域包括ケアシステム 持続可能な地域共生 社会を目指して.pp ⅵ.東京大学出版会.. 内閣府(2018).平成 30年版高齢社会白書 2018年 12月 25日 閲覧 https://www 8 .cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018 /html/ gaiyou/s1_1.html 仲尾次誌編集員会(1989).仲尾次誌.pp109-117.仲尾次誌 編集委員会. 農林水産省(2004).伝統文化が息づく地域社会の維持・伝 承 2018年 10月 26日閲覧. http://www.maff.go.jp/j/nousin/soutyo/binosato_gaidorain/ pdf/068p089s4.pdf. 樋口貞幸,宮城潤,鳥越一枝ほか(2016).公民館の未来を 拓く 地域の創造拠点になるために「公民館を活用した 芸術文化発信事業」調査報告書.NPO 法人地域サポー トわかさ. 松井幸一,高橋誠一(2013).名護市仲尾次集落における集 落の形成思想と空間構造.関西大学東西学術研究所紀 要,(46),pp151-172. 山田孝子,小西賢吾(2018).祭りから読み解く世界.pp62. 120. 128. 140.英明企画. 渡邊洋子(2008).沖縄における「伝統芸能」と生涯学習・ 社会教育.京都大学生涯教学・図書館情報学研究,7. pp63-81.. Journal of Cultural Nursing Studies, 11(1), 2019. 31.

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参照

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