Likert
尺度の中間選択肢が社会政策に対する意見
に与える影響:
ランダム割り当てデザインによる高福祉・高負担への賛否の分析
小川 和孝(日本学術振興会/慶應義塾大学) [要約] 本論文では Likert 尺度を用いた質問において,回答の選択肢数が社会政策に対する意見 に与える影響を検証する.4 値と 5 値の回答選択肢をランダムに割り当てた質問紙調査を 用いることで,「どちらともいえない」が含まれることによる回答の分布を比較する.従 属変数には医療・介護政策において,「税金を増やしてでも政策を拡充すべきかどうか」 という質問への賛否を用いる.分析の結果,5 件法調査では高福祉・高負担の政策により 肯定的な意見が増加することが確認された.また,社会経済的・人口学的属性にかかわら ず回答傾向の差異が生じるわけではなく若年者,学歴が高校・短期高等教育の人々,収入 の低い人々,未婚者,子どもがいない人々は 5 件法調査では賛成しやすい傾向にある.こ れらの分析の結果について,「社会的望ましさによるバイアス」(social desirability bias)と して解釈できる可能性を議論した. [キーワード] Likert 尺度,ランダム割り当てデザイン,社会政策への意見,社会的望ましさによるバ イアス [審査記録] 受稿 2018 年 6 月 16 日/掲載決定 2019 年 10 月 1 日1
問題の所在
本論文は Likert 尺度を用いた質問において,回答の選択肢数が社会政策に対する意見に 与える影響を検証する.社会現象を実証的に捉える際に,学歴や収入のようにある程度は 客観的に捉えられるものとは異なり,性格特性や社会意識のように主観的な評価を伴う場 合には,質問紙調査によって数量化を行うことにはしばしば困難が伴う. 社会科学では,Likert 尺度がこれらの測定には頻繁に用いられる.Likert(1932)が提 案したこの手法は,質問に対する合意―非合意や満足―不満足の方向性と強度を測るもの である.たとえば性別役割分業においては,伝統的な価値観により賛成かそれとも反対か というように尋ねられる.Likert 尺度は対象の変数を一次元的かつ方向付けられたものと して把握し,分析の際には順序変数と見なされることが多い. Likert 尺度を用いる際に,回答の選択肢を奇数・偶数のどちらにすべきかが問題となる.たとえば 5 値の選択肢の場合,「賛成/どちらかといえば賛成/どちらともいえない/ど ちらかといえば反対/反対」のように,中間の選択肢を中立的な意見として設定すること が一般的である1).もし中間に「どちらともいえない」が含まれない場合,回答者は無回
答(回答拒否)を選ばない限り,賛成・反対のどちらかの方向を選ぶように強制される. そして既存研究では中間の選択肢があることによって賛成・反対の回答比率の分布がしば しば変化することが知られている(Garland 1991; Nadler et al. 2015).
本論文では社会政策への人々の意見に関してこの問題を検討する.もし選択肢数によっ て賛成・反対意見の比率が大きく変化しなければ,その政策に対する世論は安定的で,よ り正統性を持つと見なせるかもしれない.また特定の社会的属性の人々がより意見を影響 されやすければ,政策への動員可能性や階級的利害についての理解を深められるだろう. 以下では 4 件法・5 件法を対象者にランダムに割り当てたデータによって,こうした検証 を行う.
2
先行研究の検討
2. 1
Likert尺度の選択肢数
Likert 尺度の選択肢数に関する研究は,心理学,政治学,マーケティング研究の分野に 集中している.Liez(2010)によると,5 値または 7 値のデザインがもっとも多い.また Cox(1980)は,回答の信頼性・内的一貫性という観点からは,5,7,9 値のいずれかが望ま しいとする.しかし社会学では,4 値または 5 値のデザインが多い.たとえば代表的な社 会調査である「日本版総合社会調査」(JGSS)や「社会階層と社会移動調査」(SSM)では, 7 値以上の Likert 尺度による質問項目はほとんどない2).これは社会学では尺度の信頼性 や内的一貫性の問題への関心が上述の分野ほど高くないからかもしれない. Nadler et al.(2015)は信頼性の他に,回答の歪みについて注意を促しており,次の 3 つ の可能性を挙げている.第 1 に,黙従(acquiescence)バイアスであり,否定よりも肯定 の回答が選ばれやすいことを意味する.第 2 に中心傾向(central tendency)バイアスであり, 極端な肯定・否定の回答が選ばれにくいというものである.第 3 に社会的望ましさ(social desirability)によるバイアスであり,回答者が自らをより社会的に好ましく見せようとす るために生じるものである. Garland(1991)はマーケティング分野における調査から,5 件法では社会的望ましさに よるバイアスが生じると主張する.この研究ではサンプルの半数に 4 値,もう半数には 5 値の回答選択肢を割り当てている.そして食品の成分表示の重要性について尋ねたところ, 5 件法ではより肯定的な回答が多くなった.もし 5 件法の中間選択肢が真に中立的な立場 を表していれば,賛成・反対の相対的な割合は 4 件法とくらべて変化しないと考えられる3). しかし社会調査において人々は,自らが持つ社会的に望ましくない選好を表明することを ためらうことがある4)(Groves et al. 2009: 168).そして食品の成分表示に対して否定的な 意見を持つ人々が 5 件法の調査では,「どちらともいえない」という選択肢が可能であっ たために,4 件法の調査とは異なる結果になったというのである. くわえて日本社会という文脈においても,Likert 尺度の中間選択肢は問題となりうる. というのも,国際比較調査によれば日本人は中間の回答を選びやすい(Harzing 2006).仮 に何らかのバイアスがある場合に,中間の回答を選ぶ人々が多ければ,全体としてその影 響は無視できないものとなる.2. 2
社会政策への意見に関する研究
Wilensky(1975)をはじめ,福祉国家研究では社会政策の公的支出規模が注目されてきた. GDP に対する社会支出の割合などを指標として,不平等と再分配の大きさ・パターンを 把握する試みである.また何が社会政策の支出規模に影響するのかという関心の下,人々 の政策選好の重要性も指摘されている.社会政策には政治エリートや利益団体のみならず, 世論の影響が無視できないためである. この分野で頻繁に用いられている国際社会調査プログラム(ISSP)を筆頭に,人々の政 策選好は Likert 尺度によって把握されることが多い.しかし,既存研究では上述した測定 尺度による影響には十分な注意が払われていない.これは日本を対象として社会政策に対 する人々の意見を分析した武川編(2006)などでも同様である. ところが,社会政策への意見の場合にも中間選択肢の影響を検討すべき理由がある.第 1 に,社会政策はその良し悪しを判断する際に一定の知識を要求する5).しかし人々は必ずしも確固とした意見を持っているとは限らない(Alvarez and Franklin 1994).また 人々は自らの無知をさらしたくない(face-saving)という欲求を持ちうる(Bagozzi and Mukherjee 2012).このように自らの意見に確信が弱い人々や無知をさらしたくない人々 が賛成・反対のどちらかに偏っている場合に,意見の保留が可能となる 5 件法調査では, どちらかの方向に回答を強制される 4 件法調査とは回答パターンが異なる可能性がある.
第 1 に,上述した社会的望ましさによるバイアスが働くかもしれない.社会政策は不平 等や社会的リスクの削減を目的の一つとしている.Andreß and Heien(2001)は福祉国家 における望ましい分配には,自己利害のみならず公正や平等の価値規範が人々の政策への 意見に影響すると述べる.もし人々がこうした社会政策の価値を内面化していれば,自己 利害の計算からは社会政策の拡充に否定的な考えを持つ人々が,5 件法ではそうした態度 を隠して曖昧にすることで,相対的に賛成の割合が増えるかもしれない. くわえて仮に 4 件法と 5 件法では賛否の比率が異なるとして,そこには社会的属性によ る違いは存在するのだろうか.たとえば Williams(2016)は,政府による経済的不平等の 削減に関して,女性は男性よりも賛成・反対のどちらの方向性においても極端な回答を好 みにくいと述べており,中立的な選択肢に反応しやすいかどうかは属性によって異なる 可能性がある.また Takegawa(2010)によると日本社会では,男性,中年層,高学歴者, 高収入者ほど高福祉かつ高負担の政策に賛成しやすい傾向がある.この研究のデータには 中立の選択肢は含まれていないが,もし含まれていた場合には賛意を示しやすい人々とそ うでない人々のどちらが意見を変えやすいのかも興味深い問いとなりうる.これらを踏ま えて以下では次の問いを検証する. RQ1.中間選択肢の有無によって,社会政策への人々の賛否の比率が異なるのだろうか. RQ2.もし中間選択肢の存在によって社会政策への賛否の比率が異なる場合,それは特定 の社会経済的・人口学的属性を持つ人々において特に見られるものなのだろうか.
3
分析の戦略
3.1
使用するデータと変数
分析には 2010 年に富山県内で実施された「教育と社会保障についての意識調査」を使用する.本調査は 2009 年 12 月時点で富山県内に居住する 20 ~ 79 歳の男女を対象として おり,県内の 4 市 2 町における選挙名簿に基づき,第 1 段階を市町,第 2 段階を投票区, 第 3 段階を個人とする三段抽出によって 5000 人がサンプリングされている.調査は郵送 法によって行われ,有効回答数は 2172(回答率 43.4%)であった. 本調査は様々な教育・社会保障政策に対する人々の意見を尋ねている.その 1 つに,「よ り税金を増やしてでもさらなる政策の拡充を望むかどうか」がある.この質問に対する回 答は,サンプルの半数には 4 値,残りの半数には 5 値の選択肢がランダムに割り付けられ ている.すなわち,中間選択肢の有無による回答傾向の差異を検証可能になっている. 分析では社会政策のうち医療・介護を対象とする.医療・介護は社会保障の中でも主要 な領域であり,高齢化の進む日本の中では公的支出の金額が特に増大している6).質問文 は,「病人や介護が必要な人に,十分な医療や介護が提供される環境の整備」に関して「あ なたは,さらに多くの税金が課せられることになったとしても,次の施策を積極的に進め る必要はあると思いますか.それとも,税金が増えるぐらいなら積極的に進めなくてもい いと思いますか」である.回答の選択肢は 4 件法では,「税金が増えてもいいから,積極 的に進めるべきだ」,「どちらかといえば,税金が増えてもいいから,積極的に進めるべき だ」,「どちらかといえば,税金が増えるぐらいなら積極的に進めなくともよい」,「税金が 増えるぐらいなら積極的に進めなくともよい」である7).5 件法ではさらに中間の選択肢 として,「どちらともいえない」が含まれている.以下ではそれぞれの回答について,「高 福祉・高負担の政策」に,「賛成/どちらかといえば賛成/どちらともいえない/どちら かといえば反対/反対」と記述する.
3.2
分析方法
第 1 に独立変数を含めずに,高福祉・高負担に対する賛否の比率を比較する.ただし 4 件法・5 件法では回答の選択肢数が異なるため,それぞれの賛否の比率を比較するだけで は,中間選択肢の存在によって人々が回答する賛否の傾向に影響があるかどうかは明らか ではない.奇数・偶数値の Likert 尺度の比較方法について単一の合意は見当たらないもの の,本論文では Dawes(2008)による方法を参照する.まず潜在的に 1 次元の連続変数(政 策選好)が存在し,4 件法・5 件法はそれらを異なった形で離散的に測定していると見なす. そして各回答は図 1 のように分布しているという 2 種の仮定を置く. どちらの仮定においても 5 件法では「賛成= 5」~「反対= 1」まで 1 点刻みの値を取 るとする.第 1 の仮定では,4 件法の回答は 5 件法のそれぞれの回答の間に位置するとみ なす.すなわち,「賛成= 4.5」,「どちらかといえば賛成= 3.5」,「どちらかといえば反対 = 2.5」,「反対= 1.5」という値を割り振る.第 2 の仮定では賛成・反対の両端の意見の位 置は 5 件法と変わらない,すなわち中間選択肢の存在に影響されないと想定する.よっ て「賛成= 5」,「どちらかといえば賛成= 3.666」,「どちらかといえば反対= 2.333」,「反 対= 1」という値を割り振る.どちらの仮定においても各回答間の距離は等しいと見なし ており,また各回答の比率が均等に分布していれば,平均値は 3 を取ることになる.なお Dawes(2008)の採用している方法には,第 2 の仮定がより近い. 分析では t 検定と Mann-Whitney の U 検定(MWU 検定)による結果を示す.4 件法・5 件法によって賛否の傾向が異なるかという問いに対しては,パラメトリック検定である t 検 定が適している.ただし,t 検定はそれぞれの群が正規分布に従うという仮定を置く必要が ある.よってノンパラメトリック検定であり,変数の順位付けのみを対象とする MWU 検 定の結果も提示する8).ただし,t 検定・MWU 検定はともに 2 群の等分散性を仮定する.第 2 の分析として,社会経済的・人口学的変数を含めた多変量解析を行う.順序ロジッ トモデルによって高福祉・高負担への賛否を従属変数とし,予測比率を計算する.そし て各独立変数のグループごとに,上記の 2 つの仮定の下で平均値を計算して t 検定を行い, 特定の人々において 4 件法・5 件法では賛否の傾向が異なるかどうかを検証する.
4
分析結果
4. 1
4件法と5件法による賛否の傾向の違い
まず 1 つ目の問いである,中間選択肢の存在が回答傾向に与える影響の分析を行う.表 1 は医療・介護政策における公的支出への意見の分布である. 表の左側には 4 件法・5 件法調査の回答分布を示した.4 件法では賛成・どちらかとい えば賛成が,それぞれ 23.1% と 53.5% であり,高福祉・高負担に肯定的な意見が多い.5 件法では同様の割合がそれぞれ 17.8% と 49.0% であり,やはり高福祉・高負担への賛成 が多数派であるものの,「どちらともいえない」が 21.1% あり,その分だけ肯定の比率も 減少している.また,どちらかといえば反対・反対の割合は 4 件法で 16.7%,4.8% であり, 5 件法では 7.4%,2.8% と,どちらかといえば反対が大きく減っている.そして無回答の 割合は両者でほぼ等しい(1.9% と 1.8%).よって 4 件法ではどちらかの方向に意見を強 制されることを嫌って回答を拒否した人々が増えることはないと言える. 表 1 の右側には上述した 2 つの仮定の下における検定結果を示した.5 件法のそれぞれ の選択肢の間に 4 件法の意見が位置するとみなす仮定(1)については 0.1% 水準で MWU 検定・t 検定ともに有意である.平均値は 4 件法では 3.466,5 件法では 3.731 であり,効 果量(Cohenʼs d)は 0.308 であった.また両端の意見は不変とみなす仮定(2)においても, MWU 検定は 0.1% 水準,t 検定は 1% 水準で有意である.平均値は 4 件法では 3.621,5 件 法では 3.731 であり,効果量は 0.111 であった. 仮定(1)と(2)では 4 件法の選択肢に割り当てた値が異なっており,そのため MWU 検定を行う際の順位も異なる(仮定(2)では 4 件法のそれぞれの両端の意見が 5 件法と 同順位となる).そのため MWU 検定の統計量も異なる値となる.また仮定(2)では賛成・ .1/05%++%%$4%* .2/0%%&4-5 ,)# 1.5 2.5 ") !' 3.5 ") !' 4.5 ") !' 1 2") !' 3 ")! (# 4 ") !' 5 1 2.333") !' 3.666 ") !' 5 5% 図1 4件法と5件法における意見の分布に関する2つの仮定どちらかといえば賛成の回答に割り振る値が仮定(1)よりも大きくなり,賛成側に分布 が偏っている意見では平均値が大きく出る.しかしこれらの仮定によらず,4 件法・5 件 法おける意見の分布は有意に異なっており,5 件法では賛成への傾向がより強い.
4.2
社会経済的・人口学的な属性による賛否の傾向の違い
第 2 の検証として,特定の人々において 4 件法・5 件法では賛否の傾向が異なるかどう かを分析する.なお表 1 で見たように無回答の割合は小さく,以下ではこれを除外する. また先ほどの平均値の比較では 4 件法・5 件法の回答分布について 2 つの仮定を置いた ものの,以下では仮定(2)に依拠し,モデルからの予測値によって比較する.仮定(2) に焦点を絞るのは,第 1 に仮定(1)では両端の意見に関してより中心に近いウェイトを 置くことによって,5 件法の回答と平均値が変わらない場合でも,分散がより小さくなっ てしまうためである.第 2 に,仮定(2)は表 1 で見たように 4 件法・5 件法の平均値の 差が相対的に小さく,「5 件法ではより賛成に意見が分布しやすいのか」という問いに対 して,より頑健な検証手段となりうると考えられるためである.第 3 に,上述した Dawes (2008)も奇数・偶数の選択肢を比較する上で本論文の仮定(2)に近い変換を行っており, 比較可能性の高さを主張している. 表 2 は多変量解析に使用する独立変数の分布である.性別,年齢(20・30 代/ 40・50 代/ 60・70 代),学歴(中学/高校/短大・高専・専門/大学・大学院),就業状態(非 就業/正規雇用/正規雇用以外),調査前年の年間世帯収入(400 万円未満/ 400 万円以 上 700 万円未満,700 万円以上 1000 万円未満/ 1000 万円以上/不明・無回答)9),婚姻 状態(未婚/既婚/離別・死別),子どもの有無を含める.リストワイズ削除によってい ずれの変数にも欠損値のないサンプルを利用する.そのためサンプルサイズは表 1 よりも 小さい.4 件法・5 件法の質問紙はランダムに割り当てられたため,それぞれの変数の分 布は両調査で大きく異ならない. 表 3 は医療・介護政策への意見を従属変数とした順序ロジットモデルの結果である.係 数は正に大きいほど高福祉・高負担に賛成であることを意味する.表の 1 列目は 4 件法デー タにおける推定値である.20・30 代を基準として,年齢が上がるほど高福祉・高負担に 賛成しやすい.また高卒を基準として大学・大学院卒の人々は賛成しやすく(10% 水準), 子どもがいる人々は否定的な傾向が見られる(10% 水準).表の 2 列目は 5 件法データに おける推定結果である.男性よりも女性は高福祉・高負担に否定的な傾向が見られ(10% 水準),また高卒に対し中卒の人々はより否定的,専門・短大・高専の人々はより肯定的 となっている(10% 水準).世帯収入では 400 万円未満に対して不明・無回答の場合は高 福祉・高負担に賛意を示しにくい.そして既婚に対して未婚の人々はより肯定的である. 表1 医療・介護政策の高福祉・高負担への意見 A(4 件) B(5 件) B - A 仮定(1):5 件法の間に4 件法の意見が分布 仮定(2):両端の意見は不変 賛成 23.1 17.8 -5.3 MWU検定 z = -9.410 p < 0.001 MWU検定 z = -7.743 p < 0.001 どちらかといえば賛成 53.5 49.0 -4.5 どちらともいえない - 21.1 - どちらかといえば反対 16.7 7.4 -9.3 両側 t 検定 mean(A) = 3.466 mean(B) = 3.731 Cohen's d = 0.308 p < 0.001 両側 t 検定 mean(A) = 3.621 mean(B) = 3.731 Cohen's d = 0.111 p < 0.05 反対 4.8 2.8 -2.0 無回答 1.9 1.8 -0.1 N 1114 1083 注)検定において無回答は除外した.4 件法と 5 件法でそれぞれ係数が逆の方向で有意になっている変数はないものの,両者で は高福祉・高負担をより支持しやすい人々は異なっている.特に 4 件法では 5% 水準を基 準とした際に有意であるのは 20・30 代とくらべた際の 60・70 代のみであり,今回投入し た独立変数では賛否のパターンをあまり明確に説明できていないという留保がつく. 次に順序ロジットモデルの推定結果に基づき,表 4 にはそれぞれのセル中に「4 件法/ 5 件法」の形式で予測比率を示した10).モデルから得られた係数による予測値を提示する ことで,5 件法で中間の回答をしやすい人々をより解釈しやすくなる.具体的には男性よ りも女性,60・70 代,学歴中卒者,世帯収入が不明・無回答,既婚,子どもがいない人々 では「どちらともいえない」の比率が相対的に高い.これらは表 3 の 5 件法データにおけ る係数で負の符号を示したグループとおおむね一致する.すなわち,5 件法データでは賛 意を示しにくい人々では,中間の回答の割合も大きい. また表 4 の右端には,図 1 に示した仮定(2)の下で,4 件法・5 件法における予測値か ら計算された平均値の差の検定を独立変数のグループごとに行った11).中卒を除いてす べてのグループにおいて,4 件法よりも 5 件法で平均値が大きくなっているものの,統計 的に有意ではない結果も見られる.男性は 5% 水準,女性は 10% 水準による有意差である. 年齢では 20・30 代と 40・50 代は有意であるものの,60・70 代は非有意である.学歴で は高校と専門・短大・高専で有意である.就業状態では正規雇用と正規雇用以外において 10% 水準で有意であり,非就業者では有意ではない.世帯収入は 400 万円未満でのみ有 意である.婚姻状態では未婚者でのみ有意であり,また子どもありでは 10% 水準,子ど 表2 多変量解析に使用する独立変数の 分布 A(4 件) B(5 件) 性別:男性 48.6 47.1 女性 51.5 52.9 年齢:20 ~ 39 歳 22.4 20.5 40 ~ 59 歳 35.4 37.4 60 ~ 79 歳 42.2 42.1 学歴:中学 10.9 11.8 高校 46.6 46.9 短大・高専・専門 20.2 21.1 大学・大学院 22.3 20.3 就業状態:非就業 32.6 33.4 正規雇用 36.8 35.0 正規雇用以外 30.6 31.6 世帯収入:400 万円未満 20.8 25.4 400 ~ 700 万円 31.4 26.7 700 ~ 1000 万円 17.8 18.3 1000 万円以上 13.5 13.4 不明・無回答 16.6 16.2 婚姻状態:既婚 75.5 77.3 未婚 15.4 14.2 離別・死別 9.2 8.5 子どもの有無:なし 21.7 19.9 あり 78.3 80.1 N 1003 969 表3 医療・介護政策への意見を従属変数とした順 序ロジットモデル A(4 件) B(5 件) Coef. S.E. Coef. S.E. 女性 .049 .136 - .236 † .135 年齢(20 ~ 39 歳) 40 ~ 59 歳 .347 † .181 .197 .185 60 ~ 79 歳 .514 * .211 - .081 .209 学歴(高校) 中学 - .020 .220 - .590 ** .203 専門・短大・高専 .127 .167 .298 † .163 大学・大学院 .322 † .169 .147 .172 就業状態(非就業) 正規雇用 - .063 .187 - .380 * .183 正規雇用以外 .036 .160 - .098 .159 世帯収入(400 万未満) 400 万~ 700 万 .154 .177 - .136 .173 700 万~ 1000 万 .244 .208 - .148 .194 1000 万以上 .133 .230 - .118 .223 不明・無回答 - .052 .216 - .442 * .206 婚姻状態(既婚) 未婚 - .265 .276 .730 * .305 離別・死別 - .151 .236 .323 .237 子どもあり - .411 † .230 .292 .256 しきい値 1 - 2.803 .356 - 3.661 .386 しきい値 2 - 1.109 .334 - 2.258 .348 しきい値 3 1.377 .335 - .819 .338 しきい値 4 1.504 .341 LL - 1116.161 - 1220.719 N 1003 969 † p<0.1 *p<0.05 **p<0.01 ***p<0.001
もなしでは 5% 水準で有意である. 賛否の傾向を見ると,先ほど見た「どちらともいえない」を選びやすいグループ,すな わち 60・70 代,中卒者,世帯収入が不明・無回答,既婚者では 4 件法・5 件法の平均値の 差が有意ではなく,むしろ若年者,専門・短大・高専卒者や,未婚者など中間選択肢をと りやすいグループでは 4 件法・5 件法の差がより明瞭である.また他にも高卒の人々,世 帯収入 400 万円未満の人々,子どもがいない人々も 5% 水準で 4 件法・5 件法の平均値の 差が有意である.おおむね以上のグループの人々は 4 件法では平均値が低い傾向にある. たとえば 4 件法では世帯収入 400 万円未満の人々は平均値が 3.58,1000 万円以上の人々は 3.65 であるものの,5 件法ではそれぞれ 3.77 および 3.78 となっている.これより,4 件法 では賛成しにくい人々ほど 5 件法では賛成の方向に引きつけられていることが示唆される.
5
考察と結論
5. 1
結果の要約
本論文では Likert 尺度による質問の選択肢数が,高福祉・高負担の社会政策に対する意 見にもたらす影響を検証してきた.分析では医療・介護政策に関して,4 件法と 5 件法を ランダムに割り当てたサンプルの比較を行った.主な分析結果は次の通りである. 第 1 に,5 件法では高福祉・高負担により肯定的に回答が分布している.これは中間選 択肢の存在によって,5 件法では 4 件法にくらべて賛成・反対いずれの比率も下がる傾向 にあるものの,特に「どちらかといえば反対」の落ち込みが大きかったことが影響してい 表4 順序ロジットモデルからの予測値による比較 賛成 どちらかと いえば賛成 どちらとも いえない どちらかと いえば反対 反対 仮定(2)による 平均値 男性 23.8 / 19.7 54.6 / 50.6 - / 20.4 16.7 / 6.8 4.9 / 2.5 3.63 / 3.78 * 女性 22.9 / 17.6 54.7 / 49.7 - / 22.1 17.3 / 7.8 5.1 / 2.9 3.61 / 3.71 † 20 ~ 39 歳 19.3 / 19.8 54.4 / 50.7 - / 20.3 20.1 / 6.8 6.2 / 2.5 3.49 / 3.79 ** 40 ~ 59 歳 24.0 / 20.3 54.7 / 51.1 - / 19.8 16.5 / 6.5 4.8 / 2.3 3.64 / 3.81 * 60 ~ 79 歳 24.9 / 16.4 54.7 / 49.0 - / 23.1 15.8 / 8.3 4.5 / 3.1 3.67 / 3.67 中学 22.6 / 11.0 54.9 / 44.2 - / 28.5 17.4 / 11.7 5.1 / 4.6 3.60 / 3.45 高校 22.1 / 18.0 54.8 / 50.5 - / 21.6 17.8 / 7.3 5.3 / 2.7 3.58 / 3.74 * 専門・短大・高専 22.9 / 22.2 54.6 / 51.6 - / 18.3 17.4 / 5.8 5.1 / 2.1 3.60 / 3.86 ** 大学・大学院 26.7 / 20.7 54.3 / 51.1 - / 19.5 14.8 / 6.4 4.2 / 2.3 3.71 / 3.82 非就業 23.6 / 18.5 54.8 / 49.7 - / 21.5 16.8 / 7.5 4.9 / 2.8 3.63 / 3.74 正規雇用 22.3 / 17.8 54.6 / 50.2 - / 21.8 17.8 / 7.5 5.3 / 2.7 3.59 / 3.73 † 正規雇用以外 24.3 / 19.6 54.6 / 50.5 - / 20.5 16.4 / 6.9 4.7 / 2.5 3.65 / 3.78 † 400 万未満 22.1 / 19.6 54.8 / 50.2 - / 20.6 17.9 / 7.0 5.3 / 2.6 3.58 / 3.77 * 400 万~ 700 万 24.3 / 18.4 54.6 / 50.2 - / 21.4 16.4 / 7.3 4.7 / 2.7 3.65 / 3.74 700 万~ 1000 万 25.9 / 18.8 54.5 / 50.6 - / 21.0 15.3 / 7.1 4.3 / 2.6 3.69 / 3.76 1000 万以上 24.2 / 19.3 54.8 / 50.9 - / 20.5 16.3 / 6.8 4.7 / 2.5 3.65 / 3.78 不明・無回答 19.7 / 16.4 54.6 / 48.7 - / 23.2 19.7 / 8.5 6.0 / 3.2 3.50 / 3.67 既婚 24.2 / 17.5 54.7 / 49.9 - / 22.1 16.4 / 7.7 4.7 / 2.8 3.64 / 3.72 未婚 20.8 / 24.0 54.5 / 51.4 - / 17.3 18.9 / 5.4 5.7 / 1.9 3.54 / 3.90 ** 離別・死別 20.9 / 19.2 54.6 / 49.9 - / 21.0 18.8 / 7.2 5.7 / 2.7 3.54 / 3.76 子どもなし 23.3 / 17.9 54.7 / 50.0 - / 21.8 17.0 / 7.5 5.0 / 2.8 3.62 / 3.82 * 子どもあり 23.6 / 21.2 54.3 / 50.5 - / 19.4 17.1 / 6.5 5.0 / 2.4 3.62 / 3.73 † 注)各独立変数の構成比率は表 2 と一致する. 賛否に関するセル中の数値は(4 件法/ 5 件法)の予測値(%)を示す. 平均値のセルは(4 件法/ 5 件法)の値と † p<0.1 *p<0.05 **p<0.01 ***p<0.001 を示す.る.そして 4 件法・5 件法の回答分布に関して 2 つの仮定を置いたところ,いずれにおい ても 5 件法では 4 件法よりも肯定的な回答傾向にあることが示された. 第 2 に,社会経済的・人口学的グループによって選択肢の違いによって影響のされやす さが異なっている.若年者,学歴が高校・短期高等教育の人々,収入の低い人々,未婚の人々, そして子どものいない人々は 5 件法ではより高福祉・高負担に賛意を示しやすい.これら のグループは 4 件法では賛成しにくいものの,5 件法では他のグループとの賛否の差が縮 まる傾向にある.
5. 2
解釈の可能性・関連研究への示唆・課題
以上の結果はどのように解釈できるだろうか.Nadler et al.(2015)は Likert 尺度に伴う 回答の歪みに関して,黙従バイアス,中心傾向バイアス,社会的望ましさによるバイアス という 3 つの可能性を指摘した.このうち中心傾向バイアスは存在するかもしれない.5 件法では「どちらともいえない」の回答が 2 割強と,「どちらかといえば賛成」に次いで 多い回答であったためである.しかし,5 件法では高福祉・高負担に賛成の傾向が強くな るという事実は,中心傾向バイアスのみでは説明できない. 2 節では社会政策のように知識を要求する質問では,自らの意見に確信を持っていない人々 が中立的な回答を選んで態度を保留する可能性を述べた.もし否定的な意見を持つ人々によ りこうした傾向があるならば,分析のような結果となるだろう.これは 5 件法調査では黙従 バイアスが強まるというようにも解釈できる.特に多変量解析の予測値では,中卒の人々で は「どちらともいえない」の割合が大きくなっており,知識の欠如によって中間の回答が増 えている可能性がある.ただし,なぜ肯定的な意見を持つ人々よりも否定的な意見を持つ人々 ほど中間の選択肢に引きつけられやすいのかが説明できないという問題点が残る. もう 1 つの可能性は社会的望ましさによるバイアスである.一般的に社会政策における 高福祉・高負担は,不平等や社会的リスクの縮小を目的としている.Andreß and Heien(2001) は,自己利害のみならず公正や平等の価値規範が,望ましい分配のあり方に関する人々の 意見に影響するという.これに基づいて考えると,高福祉・高負担に否定的な意見を持 つ人々ほど中間の選択肢が示された際に,自らの利害に基づく意見を表明することを躊 躇し,「どちらともいえない」と回答する傾向があったのかもしれない.この解釈には高 福祉・高負担の政策の持つ社会的な望ましさを人々が認識しているという仮定が必要にな る.これは直接的な検証は難しいものの,本論文で見たように医療・介護政策においては 高福祉・高負担に賛成する人々が過半数となっている.くわえて Takegawa(2010)は複 数の社会調査において,高福祉・高負担の社会政策一般が多数派の人々に支持されている ことを示している.他にもデータが郵送調査であり,社会的望ましさバイアスによる解釈 は不適切であるという反論があるかもしれない.郵送調査では面接者の介在がないことで 匿名性がより高くなり,自らの選好をより表明しやすい可能性があるためである.ただし, Randall and Fernandes(1991)は面接者の介在しない調査においても社会的望ましさによ るバイアスが生じることを示している. さらには,特定の社会的属性を持つ人々がより意見を左右されやすかったことに関して も課題が残る.分析では若年者,学歴が高校・短期高等教育の人々,収入の低い人々,未 婚の人々,そして子どものいない人々は 4 件法では賛成の比率が相対的に低く,5 件法で は高福祉・高負担に賛意を示しやすくなるという結果であった.学歴や就業状態について は異なるものの,収入・家族変数に関しては相対的に経済的・社会的資源を欠いている人々 であるとも言える.また 4 件法調査を用いた Takegawa(2010)は,社会的資源を相対的
に欠く人々ほど,増税に対する忌避感から高福祉・高負担を支持しにくいとしている.上 記のグループでは増税というネガティヴな言葉が含まれる質問に対して,4 件法では反対 を選ぶとしても,5 件法であれば必ずしもそうではなく,かつ 4 件法では賛成の場合には 5 件法で増税というキーワードにはそれほど強くは反応しないために,分析のような結果 となったのかもしれない. 他に今後の研究への可能性を提示したい.分析結果を仮に社会的望ましさによるバイア スと解釈できるとして,選択肢の数はどうするべきだろうか.Garland(1991)はこうし たバイアスを除くためには,中間の選択肢は設けないことを勧めている.しかし既存研究 も指摘するように,偶数値の選択肢では真に中立的な意見を持つ人々が意見を表明する機 会が失われてしまう.また本論文で見たように,特定の社会経済的・人口学的グループに 属する人々が意見を影響されやすいならば,バイアス自体が興味の対象となりうる.とい うのも社会学的な文脈ではそれは単なる回答の歪みではなく,政策の動員可能性や階級的 利害についての理解に役立つかもしれないためである.可能であれば本データのように 2 つの選択肢をランダムに割り当てるデザインを増やし,回答の安定性・揺らぎについてさ らなる分析が行われるのが望ましい.表 3 の多変量解析で見たように,本論文で用いた独 立変数では高福祉・高負担の賛否のパターンを 4 件法においては明瞭に説明できていない ことから,同様のデザインの調査によって知見の頑健性を確認することも必要である. 他に残された課題としては,本論文の分析枠組みでは 4 件法・5 件法であれ一次元上に 回答が分布し,両者の回答が比較可能と見なしたことである.これには Likert 尺度のそも そもの仮定も含まれるが,妥当性を疑う視点もある.多変量解析においても回答の一次元 性を仮定した順序ロジットモデルではなく,Bagozzi and Mukherjee(2012)のように,「ど ちらともいえない」には中立的な意見を持つ人々と,「わからない」という判断の保留をし ている人々が混在しているとみなし,有限混合分布モデルを用いた分析もありうるだろう. 以上のように,本論文の分析方法や結果の解釈には未だ課題が残る.しかし,社会学お よび社会政策研究において十分に注意が払われてこなかった政策への態度の測定の問題に 対して,ユニークなデザインによる分析を行うことでいくつかの知見を新たにくわえるこ とができた.とりわけ,人々は社会政策に対して必ずしも安定的な意見を持っているとは 言えず,それゆえ今後さらにその複雑な意思決定のプロセスを探求する必要性を示したと いう点において,一定の貢献ができたと考えられる. [謝辞] 本研究は JSPS 科研費(JP20243038,JP16K17228,JP17J01483)の助成を受けたものである.審査の段 階においては匿名の査読者の先生方 2 名に有意義なコメントをいただいたことに記して感謝申し上げる. [注] 1) もともと Likert(1932)は中立の選択肢を含めた 3 値または 5 値の尺度を提案した. 2) 例外の 1 つを挙げると,階層帰属意識がある.これを捉える上では,対象者が主観的に属していると 感じる社会階層を 10 段階で尋ねることがある. 3) なおこのように推測する際には,4 件法と 5 件法が測定している潜在的な変数が一次現状に分布して おり,かつ 4 件法における賛否の転換点が 5 件法におけるそれと一致しているという仮定が必要にな る.これはやや強い可能性があるものの,先行研究においても同様の仮定が見られる(Garland 1991; Dawes 2008). 4) Groves et al.(2009)は社会的望ましさによるバイアスが発生しやすいトピックとして,投票や違法薬 物の使用に対する意見を挙げている. 5) 矢野・濱中・小川(2016)は事前に知識・情報の提示を行うことで,教育政策の公的支出への意見の
分布が変化することを示している. 6) 紙幅の関係から検討はしないものの,本調査は他に労働市場,年金,教育の領域に関して高福祉・高 負担が望ましいかどうかを尋ねており,これらにおいても本論文の分析結果と同様に 4 件法よりも 5 件法で支持が増すことを確認している. 7) 一般的に公的なサービスを拡充する上では,税や社会保険料によるコストの増加を避けられない (Takegawa 2010).この質問はそうしたトレードオフを明示している. 8) Likert 尺度に対してパラメトリック検定とノンパラメトリック検定のどちらを用いるべきかには議論 が一致していないものの,de Winter and Dodou(2010)は t 検定と MWU 検定がおおむね同等の検定 力を持つことを示している.
9) 世帯収入は不明あるいは無回答である割合が比較的大きかったため,これを欠損値ではなく,独立の カテゴリーとして設けた.
10) 順序ロジットモデルをはじめとした非線形モデルにおいて,予測値による従属変数の比較は広く行わ れている(Long and Freese 2014).観測値ではなく予測値を用いることで,順序ロジットモデルによっ て確認された有意な独立変数間の回答パターンの差をより確認しやすくなる.より正確には観測値と モデルから得られた予測値の両者を併記するべきであるが,紙幅の関係からここでは予測値のみを掲 載する. 11) なお結果は省略したものの,図 1 に示した仮定(1)の下で検定を行うと,中卒を除き,すべての独 立変数のグループにおいて 5% 水準以上で有意な差となった. [文献]
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Article
Does the Mid-point of Likert Scale Have an Impact
on the Opinion on Social Policy?
An Analysis of High-benefit/High-cost Policy Using a Random Assignment Design
Katsunori Ogawa (Japan Society for the Promotion of Science/Keio University/新所 属:Tohoku University)Abstract
This study examines whether the neutral midpoint of a Likert scale has an impact on the opinion on social policy. The data randomly assign four-point and five-point scale answers to respondents and thus enable an analysis of systematic difference. The dependent variable is an opinion on medical/ nursing care. Respondents are asked whether they favor more generous benefits at the cost of increased tax. Results confirm that people are more likely to approve high-benefit and high-cost policy when a midpoint is included. This effect is not universal for all individuals but significant particularly for individuals with high school/two-year college degree, with low income, not being married, and without child. The author discusses the findings as a possible example of social desirability bias.
Keywords
Likert-scale, random assignment design, opinion on social policy, social desirability bias Review History
Received June 16, 2018/Accepted October 1, 2019
小川 和孝(おがわ かつのり).日本学術振興会 特別研究員 PD(慶應義塾大学).〒 108-8345 東京都港区三田 2-15-45. [email protected].研究関心:教育社会学,社会階層論.新所属:東北大学大学院文学研究科.新メールアドレス: [email protected].