論 説 報 文 1.緒 言 開発中および開発後の陸上鉱山から排出される坑廃水 には重金属やヒ素など様々な有害元素が含まれており, 閉山後も継続してその処理が必要となる。国外では米国 や欧州を中心に水路や湿地を活用した自然力型の坑廃水 処理技術(passive treatment)が展開されているが,国内 では薬剤添加の中和処理(active treatment)が主な処理 方法である 1,2。坑廃水中に含まれる有害元素の組成は鉱 山や周辺の地質条件によって大きく変化するが,多く含 まれる元素のうち鉄(Fe)やアルミニウム(Al)は比較 的低いpH 領域(<5)で水酸化物として沈殿するため比 較的容易に処理される。また,ヒ素や鉛は水酸化鉄や水 酸化アルミニウムへの吸着,共沈作用によって効率的に 除去される 3,4。一方,マンガン(Mn),亜鉛(Zn),カ ドミウム(Cd)は水酸化鉄に対する吸着能は低く,水 酸 化 物 と し て 確 実 に 沈 殿 除 去 す る た め に は 高 いpH (~12)になるようにアルカリ剤を添加する必要がある。 そのため,処理後の廃水は硫酸等により逆中和処理が必 要となり,発生する沈殿物量も多くなる。 現在国内において坑廃水処理が行われている約79 鉱 山のうち,約10 箇所で一律排水基準値以上(>10 mg dm–3) のMn が含まれる(Fig. 1)。Mn 濃度の高い坑廃水の特 徴として,亜鉛(Zn),カドミウム(Cd)が高い濃度で 共存する場合がある。その理由は坑廃水中のMn の起源 となる鉱物に由来すると考えられる。亜鉛の起源となる 閃亜鉛鉱(ZnS)は結晶構造中に比較的高い濃度で Mn, Cd を含んでおり,その分解に伴い同時に溶出すると考 えられる 5。そのため,坑廃水中のMn 濃度の変動と Zn, Cd の濃度との間に正の相関がみられる場合が多い 6。と くに東北地方では,閃亜鉛鉱や方鉛鉱(PbS),黄銅鉱 (CuFeS2)に富む黒鉱と呼ばれる鉱石が採掘され,Mn, Cd,Zn 濃度の高い坑廃水が発生している鉱山が多く存 在 す る。 ま た, 菱 マ ン ガ ン 鉱(MnCO3, rhodochrosite) 環境資源工学67 : 117–121 (2021)
マンガンオキシ水酸化物(γ-MnOOH)に対するカドミウム
表面錯体モデルの構築と酸性坑廃水中和モデルへの応用
淵田 茂司
1・田嶋 翔太
2・所 千晴
1*
Surface Complexation Modeling of Cd on Mn(III) Oxyhydroxide (γ-MnOOH)
for Neutralizing Model of Acid Mine Drainage
Shigeshi FUCHIDA
1, Shota TAJIMA
2and Chiharu TOKORO
1*
1Faculty of Science and Engineering, Waseda University, Shinjuku-ku, Tokyo 169-0072, Japan 2Graduate School of Creative Science and Engineering, Waseda University, Shinjuku-ku, Tokyo 169-8555, Japan
Abstract
Acid mine drainage (AMD) releasing from abandoned mines in Japan sometimes contains a high level of manga-nese (Mn) over the effluent standard (10 mg dm–3) with cadmium (Cd) and zinc. Cadmium is normally precipitate as
hydroxides at pH 9–10, while it can be removed at a lower pH range of approximately 8–9 by surface complexation with metal hydroxides such as ferrihydrite and gibbsite. In this study, we examined the removal performance of Cd by manganite (γ-MnOOH) which is trivalent Mn oxide by an adsorption experiment, and found the Cd concentration decreased over pH 9.0 below the effluent standard (0.03 mg dm–3), which the surface complex equilibrium constant was
Log K = –4.0. A neutralizing experiment of the AMD containing Mn (39 mg dm–3) and Cd (0.077 mg dm–3) from the X
mine showed the Cd was removed at pH 8–10, and a chemical equilibrium calculation revealed the surface complexa-tion on γ-MnOOH was the main removal mechanism. Our results therefore suggest the Mn oxidacomplexa-tion and surface com-plexation with the product is the controlling factor Cd removability during the neutralization of AMD containing Mn. Key words: Acid mine drainage, Manganite, Cadmium, Surface complexation model
キーワード: 酸性坑廃水,マンガナイト,カドミウム, 表面錯体モデル 1早稲田大学理工学術院 2早稲田大学大学院創造理工学研究科地球・環境資源理 工学専攻 2020 年 11 月 20 日受理 *e-mail: [email protected]
が起源となる場合,坑廃水のpH は比較的高く(~ 6) 炭酸イオン濃度も高くなるため,炭酸塩となりやすい Pb や Cu が選択的に除去されると考えられる 7。このよ うな理由から,Mn 濃度の高い鉱山では Zn や Cd の濃度 も高くなり,同時に処理が求められるケースが多い。と くにCd は水酸化物として除去できる pH 領域が他金属 元素と比べて高く(10 ~ 12),一律排水基準値も 0.03 mg dm–3と他の金属元素(Cu: 3 mg dm–3, Zn: 2 mg dm–3, Pb: 0.1 mg dm–3)と比べてかなり低く設定されており, 中和処理において他元素との共沈や水酸化物等への吸着 によって効率的に除去する手法を選択する必要がある。 Mn 酸化物に対する Zn,Cd の高い親和性は古くから 注目されており,実験室レベルでMn 酸化物に対する吸 着能や混合鉱物の生成に関する知見が集められてき た8,9。とくに自己触媒反応や微生物酸化によって生成す る4 価の Mn 酸化物(MnO2)はZn,Cd に対して高い 吸着能を示し,現場レベルでも除去剤として活用されて いる 10。しかし,非生物系におけるMn の酸化速度は非 常に小さいため実際の坑廃水の中和処理では4 価まで短 時 間 で 酸 化 が 進 む と は 考 え に く く 11, 大 部 分 は3 価 (MnOOH)あるいは 2 価 3 価の混合物(Mn3O4)として 沈殿すると考えられる。 坑廃水の中和処理における元素挙動を予測する手法と して,坑廃水の中和試験結果を再現する化学計算モデル が提案されている3。そのなかで,中和によって生成す る水酸化鉄や水酸化アルミニウムに対する表面錯体形成 反応(吸着現象のうち溶液中のイオンと固体表面の官能 基との錯体形成)を考慮することによって,ヒ素や鉛等 微量元素の除去機構が明らかとなっている 3。本研究で は坑廃水の中和処理におけるMn の沈殿とそれに対する Cd の除去特性について明らかにするために,主な 3 価 Mn 化合物である γ-MnOOH(manganite)に対する Cd の 表面錯体モデルを検討した。さらに,実際にMn および Cd 濃度の高い坑廃水の中和試験を実施し,モデル計算 結果との比較によりそれぞれの除去機構について考察 した。 2.実 験 方 法 2.1 γ-MnOOH の合成
吸着実験に使用するγ-MnOOH は Bochatay and Persson (2000) 12を参考に作成した。まず0.6 M の硫酸マンガン 四水和物水溶液1000 mdm3をガラスビーカーに作成し, そこに30% 過酸化水素水 20.4 mdm3と0.2 M のアンモ ニア水300 mdm3を加えてホットプレート上で約95°C, 500 rpm の撹拌速度で 6 時間反応させた。その後,0.45 μm のフィルター(cellulose, ADVANTEC)で生成物を回収し, 40°C に設定した恒温器内で 48 時間乾燥させた。合成し た試料を粉末X 線回折(XRD, Ultima IV, Rigaku)で分 析し,生成物は全てγ-MnOOH であることを確認した。 2.2 合成 γ-MnOOH を用いた Cd 吸着実験 まず,硝酸カドミウムを純水に溶解し,Cd 濃度 20 mg dm–3の水溶液を100 mdm3作成した。そしてCd/Mn のモル比が0.05,0.125,0.25,0.5,1,2 となるように, 合成したγ-MnOOH を異なるガラスビーカー内で純水 100 mdm3と 混 合 し た(Cd の 初 期 濃 度 は 10 mg dm–3)。 本試験ではγ-MnOOH 水和時の pH 変化を最小限に抑え るために,Cd 水溶液に直接 γ-MnOOH 粉末は投入せず, 事前にpH を調整した 2 液混合とした。両水溶液のイオ ン強度は硝酸カリウムにより0.1 M に調整した。それぞ れの水溶液に1 M 水酸化カリウム水溶液を適量添加し pH を 9 に調整して室温(25°C)で 1 時間撹拌した後, 両水溶液を混合してさらに1 時間反応させた。その後, 0.45 μm のメンブレンフィルターで反応溶液を濾過回収 し,ICP 発光分光分析装置(ICPOES, iCAP6500, Thermo Fisher)で溶液中の Cd 濃度を測定した。また,初期 Cd/ Mn モル比 0.125 の条件については pH を 8.0–9.0 で変化 させ同様の吸着実験を行った。 2.3 坑廃水の中和試験 中和試験には鉱山X(青森県)の坑廃水を使用した。 試験前に採取した坑廃水を0.45 μm フィルターで濾過 し,ICP-OES お よ び イ オ ン ク ロ マ ト グ ラ フ ィ(IC, Fig. 1 Distribution of acid drainage sites containing high
マンガンオキシ水酸化物(γ-MnOOH)に対するカドミウム表面錯体モデルの構築と酸性坑廃水中和モデルへの応用
Metrohm, 881 Compact IC pro)で坑廃水中の各成分の初 期 濃 度 を 決 定 し た(Table 1)。坑廃水の pH は 4.5 で, Mn(39 mg dm–3),Zn(24 mg dm–3),Cd(0.077 mg dm–3) が高い濃度で含まれていた。試験では200 mdm3ビーカー に濾過した坑廃水試料100 mdm3を分取し,1 M の水酸 化ナトリウム溶液(NaOH)を滴定して pH を~ 11 まで 調整し室温(25°C)1 時間攪拌した。その後,0.45 μm のメンブレンフィルターで反応溶液を回収し,ICP-OES およびIC で各成分の濃度を測定した。 2.4 地球化学コードによる測定値の解析 本研究の各種実験で得られた値は地球化学コード PHREEQC(ver. 3, USGS)により解析した。中和試験結 果の解析は加藤他(2017) 3を参考に,化学平衡計算, 鉄酸化速度,表面錯体形成反応に加えてMn 酸化速度を 考慮した。通常,Mn 酸化は MnO2による自己触媒反応 で著しく促進されるが,本研究の中和試験ではMn が 4 価まで酸化されないとし,自己触媒反応を考慮しない以 下の速度式を使用した。ここで,[Mn(II)] および [Mn(III)] はそれぞれ2 価と 3 価 Mn の活量,[OH–] は水酸化物イ オンの活量(mol),PO2は酸素分圧(Pa),k1およびk2 は速度定数(fitting parameter)として表される。なお熱 力学データベースはminteq.v4.dat を使用した。なお計算 値は実験を実施した25°C のものである。
(
2)
1 2 O2 [Mn(III)] [Mn(II)] = = + [OH ] P [Mn(II)] t t d d k k d d − − − (1) 3.結果および考察 3.1 γ-MnOOH に対する Cd の吸着特性 Cd 濃度 10 mg dm–3における吸着特性をFig. 2 (a) に示 す。Mn/Cd モル比の上昇に伴い Cd が徐々に除去され, Cd/Mn モル比が 0.05 の場合には 3 mg dm–3まで減少した。 Fig. 2 (b) に初期 Cd/Mn モル比 0.125 の pH 8.0 ~ 9.0 に おける吸着特性を示す。pH 8.0 ~ 8.4 では溶液の Cd 濃 度はほとんど変化しないが,それ以上のpH では Cd 濃 度が徐々に減少し,pH 9.0 では pH 8.0 の 3/4 まで減少し た。この実験値に対するフィッティングからγ-MnOOH へのCd の表面錯体平衡定数(Log K)を算出した。γ- MnOOH の比表面積 13および表面錯体生成に寄与しうる サイト密度 14は文献値からそれぞれ87 m2 g–1,7.9 nm–2とした場合,吸着交換容量(E mol mol-Mn–1)15は0.10
mol mol-Mn–1となった。この値より,γ-MnOOH に対す
るCd の表面錯体平衡定数は –4.0 と求まる。この値は Fig. 2 (a) の Cd 濃度減少の傾向ともほぼ一致する(Fig. 2 (a) 破線)
≡MnOH0 + Cd2+ ≡ MnOCd+ + H+ Log K = –4.0 (2)
γ-MnOOH は pH 8 以上で最も安定な Mn 酸化物であるが, pH 7 以下では不均化反応により 4 価の Mn 酸化物(MnO2) へと変化する14。ただしこの反応速度は酸化剤となる物 質や微生物活性が無い反応系では非常に遅い。 MnOOH + 2H+ MnO 2 + Mn2+ + 2H2O (3) 主な4 価 Mn 酸化物である δ-MnO2(birnnesite)に対す るCd の表面錯体平衡定数は Log K = 2.9 と報告されて いる 16。これと比べると,γ-MnOOH の場合はかなり小 さいことがわかる。またγ-MnOOH は pH 8.6 ~ 9.0 と狭 いpH 領域で Cd の吸着反応が進むが,δ-MnO2の場合 pH 3 ~ 5 と比較的広い低 pH 領域で反応が進む 16。この Cd の吸着挙動の違いはそれぞれ鉱物の結晶構造の違い によって説明される。Mn 酸化物は [MnO6] 八面体とし て存在し,γ-MnOOH は八面体列と隣接する八面体列が 頂点共有したルチル型構造を持つ17。一方で,δ-MnO 2 は八面体シートが層構造を成しており,その層間にCd がインターカレーションすることで吸着量が増えると考 えられる 18。両鉱物表面では[MnO 6] 八面体と水和した Cd 八面体 [CdO6] が内圏錯体を形成することで吸着する ことがわかっているが,広域X 線吸収微細構造(EXAFS) 分析により,その機構が両鉱物でわずかに異なることが Fig. 2 Cd removed by γ-MnOOH adsorption as a function of
(a) initial amounts of Mn at pH 9 and (b) pH. Plots are experimental values, and dotted lines are the results of thermodynamic calculations.
Table 1 Chemical composition of acid mine drainage from X mine
pH Concentration (mg L–1)
Mn Fe Al Cu Zn Pb Cd SO42–
4.5 38.5 *BD 2.99 0.812 24.2 0.340 0.0767 454 *BD = below detection limit
明らかになっている。γ-MnOOH の場合,[MnO6] 八面体 の2 頂点が [CdO6] 八面体の 2 頂点と共有した二座配位 構造を形成する12。一方で,δ-MnO 2は三座配位構造を 形成し,一部はCd2Mn3O8のような表面沈殿が生成する ことで除去量が増えると考えられる19。このように,同 じMn 酸化物であっても,酸化状態と結晶構造が異なる ため,Cd の吸着特性に大きな違いが生じることになる。 今 回pH 9 で Cd 溶 液 と 反 応 さ せ た 後 の γ-MnOOH を XRD で測定したが,反応前のものと比べて格子定数の 変化(いずれもc = 5.3 Å)や他化合物に由来する新たな ピークは確認できなかった。したがって,本研究での実 験条件ではγ-MnOOH 表面において表面沈殿生成のよう なCd の三次元的な取り込みは無く,Cd 除去は表面錯 体反応が主なメカニズムであると言える。 3.2 X 鉱山坑廃水の中和における γ-MnOOH への Cd 吸着の影響評価 X 鉱山坑廃水の中和試験結果を Fig. 3 に示す。図中の プロットは実験値,実線および破線は計算値を示す。(a) にはNaOH 添加による pH 変化と比較的濃度の高かった (b)Al,(c)Zn,(d)Cu 濃度と pH 変化の関係を示す。 この結果より,Al は pH 5 付近で水酸化物 Al(OH)3とし て沈殿し,Zn および Cu は pH 5 付近から徐々に Al(OH)3 への表面錯体形成によって除去される。それより高い pH ではそれぞれ水酸化物として沈殿することが分かる。 (e)には Mn,(f)には Cd 濃度と pH 変化の関係を示す。 Mn の沈殿平衡計算では pH 8 ~ 10 で γ-MnOOH が生成 するとし,Mn 酸化速度式(1)の速度定数は 1 時間反 応 後 の 実 験 値 へ の フ ィ ッ テ ィ ン グ に よ り そ れ ぞ れ k1 = 7.9 × 10–6 s–1,k2 = 9.8 dm6 mol–2 Pa–1 s–1となった。速 度定数のうちk1にくらべてk2が十分に大きいことから, Mn(II) 酸化速度は pH および溶存酸素濃度による影響が かなり大きいことが分かる。Mn 濃度は pH 8 付近から 徐々に減少し,pH 9 以上で一律排水基準値(10 mg dm–3) を下回った。Cd は水酸化物(Cd(OH)2)として沈殿する 場合はpH 10 付近から濃度が減少し,pH 12 付近でも一 律排水基準値(0.03 mg dm–3)を下回らない計算結果と なった(Fig. 3 (f) 破線)。しかし,実験値の Cd 濃度は pH 8 付近から減少し,pH 9 以上で一律排水基準値を下 回っている。ここに上記の実験で得られた表面錯体モデ ルを適用させて計算したところ,実験値と計算値がほぼ 一致した(Fig. 3 (f) 実線)。わずかに一致しない部分は γ-MnOOH の他に 2 価 Mn との混合物である Mn3O4が生 成し,Cd の吸着質となっている可能性が考えられる。 また,この場合はほぼ全てのCd が γ-MnOOH への表面 錯体形成によって除去されるため,Cd(OH)2はほぼ生成 しないという計算結果になった。以上の結果から,X 鉱 山の坑廃水中和において生成するγ-MnOOH への表面錯 体形成がCd 除去の主反応であることがわかった。 前述の通り,Cd(OH)2を生成するpH 領域は他元素と 比べて高く(9 ~ 12),一律排水基準値も他元素と比べ て低い値が設定されているため,鉱山廃水処理において 難処理元素として扱われる。坑廃水中にFe や Al が多く
Fig. 3 Changes in (a) pH and residual concentrations of (b) Al, (c) Zn, (d) Cu, (e) Mn, and (f) Cd with (solid line) and without (dot line) surface complexation model (SCM) of γ-MnOOH. Plots are experimental values, and lines are the results of thermodynamic calculations.
マンガンオキシ水酸化物(γ-MnOOH)に対するカドミウム表面錯体モデルの構築と酸性坑廃水中和モデルへの応用 含まれている場合生成するFe(OH)3やAl(OH)3によって もCd が pH 8 ~ 9 程度で効率的に除去される 20。しかし X 鉱山のようにそれら以上に Mn が含まれる場合,Mn 酸化物によって効果的にCd が除去されることがわかっ た。 4.結 言 国内十数ヶ所の鉱山ではMn 濃度が高く,それととも にCd や Zn 濃度も高い場合がある。本研究では 3 価の Mn 酸化物である γ-MnOOH に対する Cd の表面錯体モ デルを構築し,X 鉱山坑廃水の中和モデルに適用させた。 その結果,pH の上昇に伴う Cd の濃度変化の実験値と 計算値がほぼ一致したことから,坑廃水中のCd 除去機 構としてγ-MnOOH による表面錯体形成反応が関与して いることが分かった。Mn を多く含む坑廃水中の Cd を 確実に除去するためにはMn を効率的に酸化させる必要 がある。本研究で検討した3 価の γ-MnOOH の吸着能は 然程高くはないため,より低いpH 領域で効果的に Cd を除去したい場合は4 価の MnO2を活用する方法がよい と考えられる。 謝 辞 本研究の一部は,日本鉱業振興会の試験研究助成を受 けたものであり,ここに謝意を表する。 References
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