科学的社会認識を形成する中学校社会科歴史的分野の授業開発
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(2) 4 実践内容分析. 範囲の理論のr近代化」を設定することによっ. 実践内容を単元終了後,生徒に記述させたワ. て改善した。個別理論や中範囲の理論の意義が. ークシートの解答内容から分析した。生徒の解. 明確でなかった点は,中範囲の理論の中に個別. 答内容からは,r産業革命」の社会認識が因果関. 理論が位置づけられていなかったことにある。. 係によって構造化されていたことが読み取れる。. この授業モデルr欧米の発展とアジアの植民地. そのため,理論批判学習を組み込んだ授業モデ. 化」において「産業革命」は,「近代化」の一つ. ルによって科学的社会認識が形成されたと考え. の側面であり,単元全体を説明する理論となっ. ざるを得ない。その一方で,次のことが授業モ. ていなかったのである。そこで,富永健一のr近. デルの問題として明らかになった。第一は,授. 代化」理論を授業の中心に組み込むことでr欧. 業モデルの開発段階において,それぞれの個別. 米の発展とアジアの植民地化」全体を説明する. 理論(イギリス市民革命,フランス革命など). 理論とした。第四の使用した事例・資料につい. や中範囲の理論(産業革命)の階層関係が明確. ては,r人権宣言」の原文など個別理論(イギリ. でなかった点である。これによって,授業内容. ス市民革命,フランス革命など)を説明する事. が羅列的になり,「欧米の発展とアジアの植民地. 例・資料を追加した。さらに,地図を5点,詩. 化」の構造化が行われなかった。第二は,授業. を1点,文献資料を10点使用する。これによ. モデル「欧米の発展とアジアの植民地化」の授. り,内容の吟味・検証の幅が広がると考える。. 業構成においてr産業革命」の比重が大きかっ. さらに,詩から読み取れる情報を他の資料で検. た点である。これにより,生徒の社会認識は「産. 証するなど,生徒による批判的分析段階を組み. 業革命」に関する内容に偏りを見せることとな. 込むことができた。. った。第三は,筆者の技術的な問題である。つ. 6 今後の課題. まり,発間の仕方,授業内容の提示などの授業. 本研究では,中学校社会科歴史的分野の授業. 展開に関する技術である。第四として,使用し. において,生徒に科学的社会認識を形成させる. た事例・資料があげられる。つまり,個別理論. ため,理論批判学習を組み込んだ授業開発を打. や中範囲の理論を十分に説明する事例・資料が. つだ。. なかった点である。また,用意した資料につい. 今後の課題としては,富永のr近代化」理論. て,客観的なデータが多く,逆に主観的記述の. を組み込んだ授業改善モデルの実践を行い,そ. ある文献資料(日記など)が少なかったことも. の有効性を検証することである。授業で取り扱. 問題点である。これらにより、生徒の批判的な. う事象や資料などの選択などの教材研究につい. 分析が授業の中で十分展開されなかったのであ. ては,筆者自身まだまだ蓄積不足の部分である。. る。. これらの点を改善しつつ,理論批判学習を組み・. 5改善モデル. 込んだ授業開発に今後も取り組んでいきたい。. 授業の実践によって明らかになった問題から,. 次の点について改善した。なお,第三の問題で ある筆者自身の技術的な問題は,今後の課題と して述べる。. 主任指導教員 米田 豊. 第’の個別理論や中範囲の理論の意義が明確. 指導教員 吉水裕他. でなかった点と,第二の授業モデル「欧米の発 展とアジアの植民地化」の授業構成において「産. 業革命」の比重が大きかった点については,中. 一553一.
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