• 検索結果がありません。

科学的社会認識を形成する中学校社会科歴史的分野の授業開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "科学的社会認識を形成する中学校社会科歴史的分野の授業開発"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)研究題目. 科学的社会認識を形成する中学校社会科歴史的分野の授業開発. 1研究の目的. 専 攻. 教育実践高度化専攻. コース. 授業実践リーダーコース. 学籍番号. M07273J. 氏 名. 石 井 寛 和.  デルを設計する(第3章)。.  現代社会は,パソコンやインターネット,携. (3)実習校において開発した授業モデルを実践. 帯電話の普及によって情報化社会となった。こ.  し,授業モデルの問題点を明らかにする(第. れにより生活を取り巻く情報が増大した。その.  4章)。. 結果,容易に必要な情報を獲得する環境ができ,. (4)授業モデルの実践結果分析において明らか. 生徒が無批判に情報を受容する態度の形成が進.  になった問題点を改善し,科学的社会認識を. んでいる。無批判に情報を受容することは,誤.  形成する中学校社会科歴史的分野の授業モ. 解や偏見を含んだ情報をもとに意志決定を行う.  デルを提示する(第5章)。. 可能性を孕んでいる。適切な意志決定には、必. 3授業モデル開発. 要で正しい情報をもとにしなければならない。.  授業モデルの開発にあたっては,原田智仁の. そのためには,情報を批判的に分析したうえで. 提起する理論批判学習を組み込んだ。この理論. 選択する態度の形成が必要なのである。. 批判学習とは,生徒の認識の主体性を保証する.  その一方で,学校教育における社会科歴史的. とともに科学的社会認識を形成する学習論であ. 分野では時間軸に沿った歴史教育が一般的であ. る。この基本的学習過程は,I間題提起,n仮. る。これでは社会認識は歴史認識に限定される。. 説の発見・創造,皿発見・創造した仮説の検証. 歴史学習では,社会諸科学の成果に基づいた科. 及び修正,lV修正した仮説の応用によるその発. 学的社会認識が必要なのである。. 展である。この時,発見・創造する理論とは,.  以上のことから,本研究の目的は,生徒に批. 中範囲の理論である。つまり,個別理論と普遍. 判的な視点から情報を分析させ,科学的社会認. 理論との記述的秩序の間にある便宜的理論であ. 識を形成する中学校社会科の授業を開発するこ. り,普遍理論の一側面を扱う理論である。この. とする。. 理論批判学習の学習過程を,事象の原因・目的,. 2研究の手順・方法. あるいは法則を間う「なぜ」という問いと組み. 本研究は以下の手順で研究を進める。. 合わせ授業構成をするのである。. (1)科学的社会認識を形成する授業構成理論と.  授業モデルとして,実習校での実践可能な単.  は何かという視点から戦後杜会科における. 元から「欧米の発展とアジアの植民地化」(全3.  授業構成理論を整理し,中学校社会科歴史的. 時間)を設定した。この授業モデルを開発する.  分野において科学的社会認識を形成する授. 上で,原田のr産業革命」を参考にした。そし.  業構成論を導きだす(第2章)。. て,この開発した授業モデルを実習校の第2学. (2)先行研究で導きだされた授業構成論をもと. 年の2クラスで実践した。.  に実習校で実践可能な単元を設定し,授業モ. 一552一.

(2) 4 実践内容分析. 範囲の理論のr近代化」を設定することによっ.  実践内容を単元終了後,生徒に記述させたワ. て改善した。個別理論や中範囲の理論の意義が. ークシートの解答内容から分析した。生徒の解. 明確でなかった点は,中範囲の理論の中に個別. 答内容からは,r産業革命」の社会認識が因果関. 理論が位置づけられていなかったことにある。. 係によって構造化されていたことが読み取れる。. この授業モデルr欧米の発展とアジアの植民地. そのため,理論批判学習を組み込んだ授業モデ. 化」において「産業革命」は,「近代化」の一つ. ルによって科学的社会認識が形成されたと考え. の側面であり,単元全体を説明する理論となっ. ざるを得ない。その一方で,次のことが授業モ. ていなかったのである。そこで,富永健一のr近. デルの問題として明らかになった。第一は,授. 代化」理論を授業の中心に組み込むことでr欧. 業モデルの開発段階において,それぞれの個別. 米の発展とアジアの植民地化」全体を説明する. 理論(イギリス市民革命,フランス革命など). 理論とした。第四の使用した事例・資料につい. や中範囲の理論(産業革命)の階層関係が明確. ては,r人権宣言」の原文など個別理論(イギリ. でなかった点である。これによって,授業内容. ス市民革命,フランス革命など)を説明する事. が羅列的になり,「欧米の発展とアジアの植民地. 例・資料を追加した。さらに,地図を5点,詩. 化」の構造化が行われなかった。第二は,授業. を1点,文献資料を10点使用する。これによ. モデル「欧米の発展とアジアの植民地化」の授. り,内容の吟味・検証の幅が広がると考える。. 業構成においてr産業革命」の比重が大きかっ. さらに,詩から読み取れる情報を他の資料で検. た点である。これにより,生徒の社会認識は「産. 証するなど,生徒による批判的分析段階を組み. 業革命」に関する内容に偏りを見せることとな. 込むことができた。. った。第三は,筆者の技術的な問題である。つ. 6 今後の課題. まり,発間の仕方,授業内容の提示などの授業.  本研究では,中学校社会科歴史的分野の授業. 展開に関する技術である。第四として,使用し. において,生徒に科学的社会認識を形成させる. た事例・資料があげられる。つまり,個別理論. ため,理論批判学習を組み込んだ授業開発を打. や中範囲の理論を十分に説明する事例・資料が. つだ。. なかった点である。また,用意した資料につい.  今後の課題としては,富永のr近代化」理論. て,客観的なデータが多く,逆に主観的記述の. を組み込んだ授業改善モデルの実践を行い,そ. ある文献資料(日記など)が少なかったことも. の有効性を検証することである。授業で取り扱. 問題点である。これらにより、生徒の批判的な. う事象や資料などの選択などの教材研究につい. 分析が授業の中で十分展開されなかったのであ. ては,筆者自身まだまだ蓄積不足の部分である。. る。. これらの点を改善しつつ,理論批判学習を組み・. 5改善モデル. 込んだ授業開発に今後も取り組んでいきたい。.  授業の実践によって明らかになった問題から,. 次の点について改善した。なお,第三の問題で ある筆者自身の技術的な問題は,今後の課題と して述べる。. 主任指導教員 米田 豊.  第’の個別理論や中範囲の理論の意義が明確. 指導教員   吉水裕他. でなかった点と,第二の授業モデル「欧米の発 展とアジアの植民地化」の授業構成において「産. 業革命」の比重が大きかった点については,中. 一553一.

(3)

参照

関連したドキュメント

自ら将来の課題を探究し,その課題に対して 幅広い視野から柔軟かつ総合的に判断を下す 能力 (課題探究能力)

また,文献 [7] ではGDPの70%を占めるサービス業に おけるIT化を重点的に支援することについて提言して

「1 建設分野の課題と BIM/CIM」では、建設分野を取り巻く課題や BIM/CIM を行う理由等 の社会的背景や社会的要求を学習する。「2

在学中に学生ITベンチャー経営者として、様々な技術を事業化。同大卒業後、社会的

市民社会セクターの可能性 110年ぶりの大改革の成果と課題 岡本仁宏法学部教授共編著 関西学院大学出版会

﹁地方議会における請願権﹂と題するこの分野では非常に数の少ない貴重な論文を執筆された吉田善明教授の御教示

 工学の目的は社会における課題の解決で す。現代社会の課題は複雑化し、柔軟、再構

年間約5万人の子ども達が訪れる埋立処分場 見学会を、温暖化問題などについて総合的に