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原発危機の経済学: 政府・国会事故調の調査報告を踏まえて

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(1)研究ノート. . 原発危機の経済学 ──政府・国会事故調の調査報告を踏まえて──. 齊  藤    誠 齊藤:今ご紹介にあずかりました齊藤です.今. 図1. 日は「原発危機の経済学」というテーマでお話 しします.去年の 3 月 11 日の東日本大震災で, 非常に不幸にして福島第一原発が深刻な過酷事. 今日の報告で伝えたいこと . 故に見舞われて,その後, われわれの社会は「そ.  . れをどう受け止めていいのか」 ,あるいは「そ れとどう向き合うべきなのか」という非常に難. . しい問題を抱えています.先ほどご紹介があり ましたように,去年の 10 月に『原発危機の経 済学』という本を日本評論社から出しました. 本は,通常3∼4カ月は製本に時間がかかりま. とてつもなく長期の問題であること. なぜ、「事故の前の状態」と「万が一の事故の後の状態」の食 い違いが生じてしまったのか? . . なぜ、廃炉まで時間がかかるのか? なぜ、使用済み燃料の処理に時間がかかるのか?. 将来に向かって、どのような合意を形成すればよいのか?. 個人として、市民として、どのように原発リスクに向き合えば よいのか?  . 熱く短く考えるのではなく、常温で長く考え続けることの重要性 原発問題のために、頭の中に小さな引出しを作ってみよう!. すので,3月に事故があって,6月の終わりの 時点ぐらいまでのことをまとめました.3カ月 余りで書いたものですので,あまり十分なこと. か分かってない場合もあると思います.せっか. が分からない中で書きましたが,今日はそれ以. くの機会ですので,できるだけコンパクトな形. 降も含めて,原発のことをお話ししたいと思い. で,原子力発電というのはどういう仕組みのも. ます.. ので,実際にどういう部分で本当に深刻なこと.  原発の問題というと, 「国会議事堂の前にデ. が起きたのかということをお話ししていきま. モに行くかどうか」の判断くらいに思われてし. す.. まうかもしれませんが,そうではなくて,皆さ.  まずこの問題というのは,後からお話しする. んが学生として,あるいは社会の中の市民とし. ように,5年,10 年で解決がつく問題ではな. て, 「原発のリスクに対してどう向き合うか」. いということです.事故が起きた福島第一原発. ということを,みんなそれぞれに考えていかな. の1号炉から4号炉の処理だけでも多分 50 年. くてはなりません.私のほうで少しでもその材. から,もしかすると 100 年ぐらいになる問題で. 料や題材になればいいということをお話しして. す.今いろいろと問題になっている,原子力発. いきます.若干ざくっとした話になる部分もあ. 電で使われた使用済みの核燃料の処理の問題に. りますが,経済学部の講演ですので,基本的に. なると,100 年をまた1けた超えて,1,000 年,. は私は経済学者として,原発危機の経済学的. もしかすると万年ぐらいの単位のものを考えな. 側面をお話ししていきます.ただ,かなり技術. くてはいけないぐらいの問題が控えています.. 的にも込み入った問題ですので,皆さんにとっ. ですので,非常に長期の問題です.一方,経済. て,もしかすると原発があれだけ大騒動になっ. 政策で対応するときのタイムプランは,こんな. ても, 「本当にあそこで何が起こっていたのか」 ,. 長いものを考えることはあまりないです.景気. 「何が本当に問題なのか」ということがなかな. 対策とか経済成長というのは,せいぜい数年か. 『エコノミア』第 63 巻第 2 号(2012 年 11 月),1-16 頁[Economia Vol. 63 No.2(November 2012),pp.1-16].

(2) . ら5年,10 年ぐらいまでの見通しです.もち. ように,できるだけ細く長くこの問題を考えて. ろん人口政策とかになるともう少し長くて,四. いくために,どのくらいの知的武装が必要なの. 半世紀ぐらいのことを考えることもあると思い. かということをお話しします.ですので,原発. ますが,そういうタイムスパンに比べると,原. 問題に関して,皆さんの頭の中に引き出しを,. 発の問題というのはすごく長い時間軸で考えな. これはそんなに大きな引き出しではないけれど. いといけない.つまり,社会がすごく長い時間. も, 引き出しをつくって, その中に問題をちょっ. の問題を,宿題として背負ってしまったという. と置くぐらいのスペースをどうやってつくって. ことです.. いけばいいのかということを最後にお話しした.  もう一つは,原発を今ゼロにするとか,原発. いと思っています.. を推進するとかという話がありますが,どっち.  ですので,今日お話しすることは,「電力を. の話にしても,ゼロにするといって明日ゼロに. 今後どうするか」とか,あるいは「原発の廃止. することはできませんから, どういう形にしろ,. に向かって,どういう手順を踏んでいくのか」. 原発のリスクに対して私たちはずっと向き合っ. という,ある種の政策論みたいなことではな. ていかないといけないわけです.事故が起きる. く,ほぼ原発を背負い込んでしまって,事故も. 前は 54 基の原子炉が動いていましたし,事故. 起きてしまった今の我々の社会の状況を踏まえ. が起きる前は 20 基ほどの新設,増設の計画が. て,その中で「一人一人がどう考えていけばい. あったわけです.日本は,世界の中でも原発の. いのか」ということです.皆さんのようにちゃ. 施設を造ってしまった国として,非常に原発の. んと知識があって,学問をして,今後社会に出. 依存度が高かった国なので,どうするにしても. ていく人たちに特に今日お伝えしたいのは,こ. 原発と向き合っていかなければなりません.そ. れからさまざまな社会の場でご活躍されると思. のときに,市民社会や経済社会が原発のリスク. いますが, こういう複雑な問題が起きたときに,. に向き合って,どういう状態が受け入れられる. どういうふうに接したらいいのかということで. 状態で,どういうことをもって原発が受け入れ. す.私も原発に関しては,もちろん技術専門家. られたと合意が形成されたのかを,考えてみた. ではないし,その前にもある程度原発の仕組み. いと思います.. を知っていましたけども,それよりも,事故に.  講演の最後には,冒頭申し上げましたけれど. 遭ってからいろいろと調べたことのほうがずっ. も,個人として,あるいは市民として,どのよ. と多いのです.ただ単に何となく不安だとかと. うに原発リスクに向き合えばいいかということ. いうよりも,やっぱり専門でないことでも,あ. をお話しします.余りにも重たい問題には,人. る程度知識としてどう取り込んでいけばいいの. 間は2つの反応をします.1つは, 「こんな重. かというようなことも,ちょっとお話しできた. たい問題だったら自分の意識の外に置いちゃ. らと思っています.. え」,要するに忘れてしまう.もう1つは,特.  話の半分ぐらいは,せっかくですから,原発. に若い人の反応ですが,こういう事故に遭った. の仕組みについてお話をします.福島第一原発. ら,それだけでショックを受けて悩んでしまっ. は原子炉が6つありました.1号炉から6号. て,何か押しつぶされてしまうような気持ちに. 炉で,数字が若いものがより古くに造られたも. なってしまうかもしれない.ただ,どっちもこ. のです.1号炉はちなみに 1971 年に造られて,. ういう問題を考える態度としては,よろしくな. 日本で 1971 年運転開始をしたのは,この福島. くて,何か熱しやすく冷めやすいような形で接. 第一と敦賀と美浜の原発で,日本の軽水炉の草. したり,あるいは熱く熱く考えたとしても,た. 分け的存在です.その後,ずっと 70 年代の半. かが1人でできることというのは知れていま. ばにかけて2, 3, 4, 5, 6と造られました.原. す.そうではなくて, 「常温で」と書いてある. 発というのはどの炉も同じような構造をしてい.

(3) . ます.どういうふうに位置していたかというと, まず,一番奥のところに原子炉建屋があって, そこに原子炉の格納容器や,さらにその中に圧 力容器があります.そのちょっと海寄りにター ビン建屋があり,通常の火力発電所と一緒で,. 図2. 一体全体、何が起きたのか? :地震による被害. :津波による被害. 原子炉建屋 配管への ダメージ. タービンを回して発電をします.さらに海側に,. ?. 海水取水ポンプと言って,後から説明しますけ. ?. れども,冷却をするために海水を取るポンプが. 海水取水 ポンプ建屋 ポ プ建屋. 非常用 発電機. 付いています.この仕組みはどこでも一緒です. 5号炉,6号炉というのはかなり大きいもので,. タービン建屋. 外部電源 坂下ダム. 後から造られたものですが,同じように取水ポ ンプがあって,タービン建屋があって,原子炉 建屋があります.  これは別に福島第一に限らず,沸騰水型原子. と,東京で言えば多摩川ぐらいの水量が流れて. 炉というタイプはこんな形をしています.ここ. いるぐらいのすごい量の水がここを駆け巡りま. に核燃料があって,核分裂をして,すごく莫大. す.恐ろしい水量です.蒸気を冷やして,排水. な熱を生み出して,そこの水を沸騰させます.. 口からは温かい海水が出てきますから,この辺. この水は通常の水よりも加圧しているので,沸. は生態系が変わってしまって,そのために漁業. 点が非常に高く,270 度以上の沸点です.ここ. 補償なども行われています.逆に排水口周辺が. で莫大なエネルギーをつくって,270 度以上に. 暖かくなって,魚がたくさん捕れるということ. なって,蒸気になり,タービン建屋に来ます.. もあるそうです.. ここでタービンを回して,これが発電の原動力.  そういう流れの中で実際地震があって,「何. になります.. が起こったか」ということですが,まず3月.  ここに復水器という場所があって,ここで蒸. 11 日の午後の2時 45 分に地震が発生しまし. 気を一挙に冷やして水に戻します.水といって. た.地震が起きて,何が起きたかというと,ま. も,温度は 100 度以上あります.冷やすために. ず,外部電源がやられてしまいました.ですの. 何をしているかというと,ここに水管がずっと. で,取水ポンプのモーターを動かす電源が外か. 巻き付いていて,その水管に取水ポンプでもっ. ら引っ張ってこられなくなりました.その背後. て海水を取り込みます.水は再び原子炉建屋に. には,変電所がやられてしまった.もう一つは,. 戻ってきて,また,ここで沸騰してということ. 近くに坂下ダムというダムがあって,その配水. になります.この水の巡りが沸騰水型の原発の. 管があるのですが,それも地震でやられてしま. 最も重要な冷却系で,第一次冷却系と言われま. いました.この時点で,この福島第一のプラン. す.. トは大量の淡水を引っ張ってくる機会を奪われ.  ここの第一次冷却系を動かすには何が必要か. てしまいました.. というと,まずポンプがありますが,ポンプを.  これは政府の事故調と国会の事故調ではだい. 動かす電力が必要です.通常は外部電源と言っ. ぶ意見が違っているのですが,国会の報告書で. て,外から電源を持ってきます.次に重要なの. は,地震によってタービン建屋,原子炉建屋に. が冷却水ですが,取水口から大量の海水を引き. 張り巡らせている配管もだいぶやられたという. 込んできて,ここで,その海水の低い温度で高. ことになっています.政府事故調は,配管は地. い蒸気を冷やします.どのぐらいの水量を突っ. 震では大丈夫だったということです.. 込んでいるかというと,1基当たり秒換算です.  次に津波で何が起きたか.地震で外部電力が.

(4) . 失われた後に,すぐに非常用のディーゼル発電. 図3. 機が動きました.ですので,約1時間後に津波 が来ていますが,その間は第一次冷却系が動い ていました.つまり外部電源がなくなって,非. 事実1:地震への備えが不十分だった! . 福島第一は、1960年代後半に設計され、1971年に運転 開始された しかし 政府による耐震基準は 1981年に 開始された。しかし、政府による耐震基準は、1981年に 初めて設けられた。. . 福島第一の強度は、2006年の最新の耐震・対津波基準 は はるかに及ばなかった。 は、はるかに及ばなかった。. 常用電源が動いて,それでポンプが動いていた わけですが,津波が来ました.津波が来て何が 起きたかというと,2つの大きな被害が出まし た.1つは,海水取水ポンプが徹底的なダメー ジを受けた.このダメージの度合いは,数日で 修復できるようなものではなかったそうです.. . . お金がかかりすぎたから・・・. 福島第一の周辺施設も、脆弱であった。  . 変電所 坂下ダムからの配管. もう一つは,非常用のディーゼル発電機が冠水 してしまいました.何で冠水したかというと, これが地下にあったからです.そうすると,第 一次冷却系というのは基本的に海の水で冷やし. 第一次冷却系を復旧させて,冷温停止に持って. て,その水の巡りをポンプで起動する電源が. いくことができました.ただ,福島第二原発も. あって初めて動くのですが, 電源もなくなって,. あと1日モーターの修理が遅れていたら,ほぼ. ポンプも壊れてしまったということで,ここの. 福島第一原発と同じような運命を歩んだだろう. 第一次冷却系というのは基本的に津波の到達し. と言われています.. た時点で修復不可能な状態になっていました..  この津波と地震によって,かなり根本的な被. これは巷で言われているように,電源さえ戻れ. 害が発生しました.なぜこんなことになったか. ばよかったのかということではなくて,電源が. というのは, 国会の事故調で詳しく出ています.. 戻っても,ここの海水取水ポンプがやられてし. やっぱり基本的に施設がオンボロだったという. まっていましたので,電源があってもどうしよ. のが答えです.実は日本の原子炉の建屋とか原. うもなかったのです.ですので,この時点で既. 子炉施設だけではなくて,日本のあらゆる建物. に第一次冷却系の復旧というのは見込みがな. について,建築基準で耐震基準ができたのは. かったわけです.そして,これは後から事故の. 1980 年代の前半なんです.民間住宅も,大学. 本質を考えるときに非常に重要なのですが,こ. の建物のようなものも,原子力の施設も 1980. のことは,福島第一の原子力発電所のプラント. 年代の前半に耐震基準ができて,原子炉の耐震. の中ではちゃんと認識されていたのですが,そ. 設計については 1981 年につくられました.こ. の認識と異なり,意思決定はだいぶおかしなこ. の耐震基準は今から思うと非常に緩い基準だっ. とをやっていました.. たのですが,81 年より以前に造られた建物や.  ここから南に 10 キロぐらい行ったところに. 原子炉というのは,こういう基準なしに造られ. 福島第二原発があるのですが,実は福島第二原. ていまして,実は電力会社が勝手に自分たちで. 発も結構危ない状況でした.外部電力は大丈夫. 安全基準を決めて,それを活かす形で設計をし. で,非常用電源も確保されていたので,電源面. てきたので,完全な自主管理で造られていたの. はよかったのですが,福島第二原発は海水取水. です.. ポンプがやられてしまうんです.4つの炉のう.  耐震基準のほうは,2006 年に大幅な改定を. ちの3つの炉でポンプが破損したのですが,破. します.つまり,1981 年から四半世紀たった. 損の状態が軽微だったので,3日以内にポンプ. 2006 年に大幅な耐震基準の改定が行われまし. 会社が行ってモーターを替えて,動いて,それ. た.この基準は,いろんな紆余曲折があったの. で電源とポンプが回復しました.それでやっと. ですが,今から見てもいろんな意味で非常に優.

(5) . れたもので,この基準というのは世界の耐震基. 図4. 準に照らし合わせても全然遜色ないものです. では,こういうふうに緩い基準で建てられて, 後から基準が上がっていったときに,建物の法. 事実2:津波への備えが不十分だった! . 無防備の海水取水ポンプ. . 津波をまったく想定していなかったGEの設計. 規というのはどうなっているかというと,さか のぼって適用しないのです.民間の建物でもそ うですが,1981 年に民間の建物の耐震基準も. . 地下に設置されていた非常用電源. 強度が上がったのですが,それ以前に建てられ た建物も新しい基準に上げるべきかというと, その義務はない.法律でさかのぼることができ ないのです.恐ろしいことに原発の建物もそう です.こういう建物のことを既存不適格といい ます.「既にあるのだけれども,今の法律に照 らしてみると適格性を欠いていますよ」とい.  もう一つは,津波への備えが全然できてな. う建物で,まさに福島第一原発というのは既存. かったということです.特に海水取水ポンプが. 不適格でした.1981 年の基準には,いろいろ. ほぼむき出し状態で設置されていて,そのため. な意味で少しずつ部分修正をしていって,ほぼ. に,津波が来て壊滅的な状態になってしまいま. クリアしていったのですが,2006 年の基準へ. した.今の技術を使うと,海水取水ポンプを,. のバックフィットは基本的にしていませんでし. ウォーターシールと言って,完全に防水状態に. た.これは国会の事故調にも詳しく書かれてい. して,ポンプが全部水に漬かったとしても起動. るのですが,「なぜしてなかったか」というと,. するような措置を取ることができるのですが,. 理由は非常に簡単で,お金がかかりすぎたから. そういう措置を取っていませんでした.さらに. です.事故調の報告書の中で出ている数字だけ. 海水取水ポンプを守るためのポンプ建屋が貧弱. でも,福島第一の全体の施設で 800 億円以上の. なものでした.. 補強費がかかると言われています.これは最初.  先ほど「非常用電源が地下にあった」と言い. の見積もりですから,それの2倍とか3倍の費. ましたが,これは建設当時の GE の設計です.. 用になっていくのが普通です.そういう意味で,. GE が津波の想定を全然していなかったので,. 福島第一原発は,少なくとも 2006 年の基準に. 地下に置いた非常用電源が冠水をしてしまうと. 照らしてみると,耐震性が欠如した建物だった. いうことを一切考えていませんでした.後から. と言えます.2006 年の耐震基準は,実は津波. 自分たちで非常用電源を上に上げることも考え. への対応もかなり言っています.2006 年以前. られたわけですが,結局それも「お金がかかる. の耐震基準では,津波への配慮は一切なかった. から」ということでしなかったのですね.従っ. ので,津波への対応もなされていませんでした.. て,施設自体が相当古い上に,津波への備えが. さらに,周辺施設も非常に脆弱で,先ほど言っ. 無防備だったわけです.. たように,変電所や坂下ダムからの配管に関し ても,必ずしも耐震性が優れていなかったとい うことです..

(6) . 図5. 図6. 事実3:応急対応しかできなかった ECCS (Emergency Core Cooling System). 事実4:ベントの使用を全く想定していなかった!. ECCSの水源は、最初は貯水槽 から から、それが尽きると、圧力抑 それが尽きると 圧力抑 制室プールから。 貯水槽 ECCS. ①. タービン建屋へ 日本の原発には、外 日本の原発には 外 部にフィルターが設 置されていない。. タービン建屋から ②. 格納容器. ECCSの水源として圧力抑 制室プールの水を使い続 けると、沸騰してしまう!. ドライ・ベント. 圧力容器 圧力抑制 室プ 室プール. 昔は細いベント 管 管しかなかった。 な. ウェト・ベント. 圧力抑制室 プ プール ル.  次に,結局事故後何が起こったかということ. 容器の下に圧力を下げるプールがあって,その. をお話します.第一次冷却系が回らなくなると,. 水を使います.しかし,この水は使い回しをし. 原子炉には「ECCS」(Emergency Core Cooling. ますので, 何回も何回も使い回しをしていると,. System の略)と呼ばれる応急的な冷却装置があ. この水の温度が上がってきてしまって,最後は. ります.ECCS というのは,貯水槽に水があら. 沸騰し始めます.そうすると,冷却機能がなく. かじめ蓄えられていて,それをシャワーのよう. なってしまいます. ここが沸騰し始めた時点で,. にかけて,第一次冷却系で冷やすことができな. ECCS は機能を失ってしまうのです.. くなったときに,代替的な冷却を行う装置です..  そうするとどういうことが起きるかという. 非常状態になると,原子炉とタービン建屋を結. と,圧力容器内で核燃料が十分水に浸っている. んでいた配管はいったん閉じてしまって,原子. 状態を維持しないといけないのが,どんどん水. 炉全体がタービン建屋から隔離された状態をつ. が蒸発をしてしまって,核燃料が露出してしま. くります.そういう「隔離時」の状態で ECCS. います.水が完全になくなってくるとどうなる. が働きます.ただ,この ECCS というのはずっ. かというと,蒸気がいっぱいたまってきて,圧. と機能するというものではありません.1号炉. 力がぐーんと上がってきます.そのときに,格. については,アイソレーションコンプレッサー. 納容器や圧力容器の中の圧力を抜く方法を「ベ. とか非常用復水器とかと言われている ECCS. ント」と言っています.. は6∼7時間しかもたないと言われています..  ベントの方法は2つあります.1つは圧力抑. そのほかの ECCS でも,せいぜいもって数日. 制室のプールを通った空気を排出する方法で. 冷却できるだけの能力です.つまり,ECCS と. す.この方法では, ある程度水でろ過するので,. いうのは,一次冷却系が回復するまでの時間を. 水の中に放射性物質がかなり溶解をしてしまっ. 稼ぐことのために使われるのですが,先ほど. て,外に出すときには放射能が少ないと言われ. 言ったように,一次冷却系が回復する見込みは. ています.ここから大気中に流していきます.. なかったのです.ECCS を回しても,それだけ. もう一つは「ドライベント」と言われているも. では何の問題の解決にもならないということで. ので,原子炉から直接ベントをします.. す..  欧米の原発の施設は,さらに排気口の途中に.  実際は時間が経つに従って,貯水槽に水がな. ある強力なフィルターを使って,このベントで. くなってしまいます.貯水槽の水がなくなると,. 出してきた蒸気の放射性物質を取り除きます.. どこから水を取ってくるかというと,この格納. このフィルターは,日本の原発のどこにも設置.

(7) . 図7. 事実5:海水注水を躊躇した!. その結果は:まずは メルトダウン その結果は:まずは、メルトダウン. ECCS. 移動海水 取水ポンプ. されていません.何で設置されていないかとい. が,それもすぐにしなかったのです.ベントも. うと,全くさっきと同じことで,お金がかかる. 海水注水も遅れた結果,起きてしまったのがメ. からです.高温の空気が来ますから,非常に頑. ルトダウンという状態です.まず,むき出し状. 健なフィルターをつくらなければならなくて,. 態になった燃料が溶けてグニャグニャになって. それにお金がかかってしまいます.. しまい,どんどん原子炉の底に溶融した燃料が.  沸騰水型の,特に GE 型の原子炉というのは,. たまってきてしまいます.. 運転開始当時は太いベント管がありませんでし.  次にメルトスルーというのが起きました.核. た.ベントをする事態を想定していなかったの. 燃料はすごく頑丈な鋼鉄の容器で守られている. です.当時は圧力抑制室に小さな管があって,. のですが,底が高温になって穴が開いてしまい,. これがかろうじてベント管の役割を果たしてい. そこから漏れた高温の核燃料がこの格納容器の. たのですが,基本的にはこれを使って外に出す. 底に行ってしまいます.さらに,そのプロセス. という発想はありませんでした.何か非常事態. の中で,水が反応して水素が発生して,その水. が起きて圧力が高まったら,その圧力を圧力抑. 素が圧力容器のふたの縁から漏れて,さらに格. 制室のプールに持っていって,そこで吸収させ. 納容器のいろんなすき間から漏れて,この建物. れば気圧を引き下げることができるだろうとい. の上層部にたまり,1号炉,3号炉で水素爆発. う設計の下に造っていました.スリーマイルの. を起こしました.. 原発事故の後にベント設備をつくるようになり.  この水素爆発も実はあまり予想されていな. ましたが,後付けでつくったものであり,操作. かったことでした.標準的な専門書に書いてあ. も入り組んでおり,ベントの措置が難しくなっ. る水素爆発というのは,格納容器か圧力容器内. たと言われています.. で起こるのですが,そこで起きたのではなく,.  それで何が起きたかというと,ベントの判断. これは幸いでしたけども,原子炉建屋の上のほ. がすごく遅れてしまったのです.ベントの判断. うで起きてしまいました.. が遅れて,ベントができなくなってしまいまし.  もっと深刻なことは,メルトスルーで落ちた. た.あまりにも高圧になり過ぎてしまって,バ. 核燃料が格納容器の底にたまって,その熱で格. ルブが開かなくなってしまったのです.さらに. 納容器の外にも核燃料や放射能で汚染された水. 一次冷却系で水が回らないので,非常用ポンプ. が漏れて,いろんなところで漏出をします.管. で海水を取水して,とにかく原子炉に水をかけ. からも相当漏れていたと言われていますし,地. るということをしなくてはいけなかったのです. 下からのいろんな配管からもどんどん漏れてい.

(8) . 図8. 水棺の断念. そして 格納容器の損傷 そして、格納容器の損傷. ⇒. 多難な道. 漏出. 漏出 漏出. るというのが今の状態です..  では今後どうすればよいかということです..  それで事故後どうしようとしたのかという. 溶けた核燃料というのはまだまだ熱を持ってい. と,もし圧力容器がどうにかこうにか維持され. ますので,十分水に漬かった状態で,4∼5年. ていたら,この中に6,7割ぐらい水をため,. は循環した水で冷やしていかないといけないと. それで中を冷やして,その水を循環させるとい. 言われています.今はシャワーで水をかけてい. う「水棺」と言われる方式を取るのですが,こ. る状態ですので,水棺が先ほど言ったようにで. の方式も去年の5月には断念してしまいまし. きない以上,多分格納容器をさらにすっぽり覆. た.6,7割の単位で水をためようにも,圧力. うようなコンテイナーを造って,それで水をた. 容器の底やいろんなところに穴が開いてしまっ. めて,水を循環させるという仕組みをつくらな. ていて,水をためることができない状態だった. いといけないのです.これは非常に大変なこと. からです.. で,完全に安全に冷やすことができる状態をつ.  結局,今,福島第一の1号炉と2号炉と3号. くらないと,核燃料を外に取り出して廃炉に踏. 炉がどうなっているかというと,水棺もできな. み出すことができないわけです.この状態自体. い状態で,今は淡水が入っていますが,上から. が事態の深刻さを表しています.「ここを収束. シャワーのように水をあてて冷やしています.. させるだけで多分 50 年とか 100 年かかるだろ. 核燃料がどこにあるかもよく分からない中で,. う」と言われているのは,基本的に問題が圧力. 水をかけている状態です.. 容器の中にとどまっていなくて,外に漏れ出し.  去年の 12 月に冷温停止したというのは,ど. ている状態が起きてしまったからです.. この温度を測ったかというと,圧力容器の底の.  こういうふうに見てくると,炉心溶融は仕方. 部分の温度を測って,100 度以下だったから大. ないにしても,なぜメルトスルーを防げなかっ. 丈夫だと総理大臣が安全宣言をしたのですが,. たのか,あるいは圧力容器の破損が生じる前で. 常識的に考えると,底部の温度が低かったとい. 事態を収束できなかったのか,と思います.も. うことは,底部にあった核燃料がほとんど下に. し圧力容器にメルトスルーが起きていなければ. 落ちてしまって,だから温度が低くなったのだ. 多分,もちろんそれでも大変なことですが,問. ろうということです.冷温停止のニュースが海. 題が圧力容器内にとどまってくれて,事後の問. 外に流れたときは,海外の記者はそう想像しま. 題処理というのがはるかに簡単になったと思い. すので,失笑を買ったということがどこか新聞. ます.今は放射能が外に漏れていますから,人. に書いてありました.. が近づいて作業できるような状態には全然なっ.

(9) . 図9. とりを紹介します.東電本社が 13 日の夜,つ まり 12 日に1号炉が爆発していますから,13. 原発の是非の前に問うべき事. 日の夜に検討されたやりとりなのですが,2号. . 古すぎた福島第一. 炉への海水注入を準備していた吉田所長に対し. . それにもかかわらず、貧弱な運転体制. て東電本社は, 「いきなり海水というのは,そ. . 事故直後のさまざまな判断ミス. . 経済学的な視点: . 事前に廃炉を決断すべきだ たかも 事前に廃炉を決断すべきだったかも・・・ . . 安全性を保つための費用 > 原発運転がもたらす便益. 事故当座に即座に廃炉を決断すべきだった! . 早期廃炉決定によって避けられた損失 > 廃炉決定先送りによって得られた便益. のまま材料が腐っちゃったりして,もったいな いので,なるべく粘って,真水を待つという選 択肢もあると理解していいでしょうか」と言っ ています.現場の吉田所長は,「今から真水と いうのはないんです.今みたいに冷却水の供給 量が圧倒的に多量必要なときに,真水にこだ わっているとえらい大変なんですよ.海水で行 かざるを得ないと考えている」 .これに対して. ていません.. 東電本社のほうは,「いかにももったいないと.  事故直後にどのような対応を考えなくてはい. いう感じがするんですけどもね」と苦笑いをし. けなかったかというと,経済学のバックワード. たと書いてあります.当時1号炉は爆発してし. インダクションのように,収束というのは何か. まっていますが,2号炉,3号炉の処理も,海. ということを考えて,そのための手段を選択し. 水をいきなり注水すると,海水に浸った施設は. なければなりませんでした.実際に福島第一の. 二度と使えなくなりますから,事ここに至って. 現場で行われたことは,とにかく応急的,適応. も,施設を継続的に使用するようなことを,少. 的に水を ECCS でかけていって,それで事態. なくとも東電本社のほうは考えていたために海. の収束をするということでした.しかし,一次. 水注水が遅れたと考えられます.. 冷却系が動かないのですから,ECCS でいくら.  さらに,事故に関しては,施設が古く,いろ. やっても仕方がなかったのです.一次冷却系が. んな最前線の耐震基準から照らして,耐震性や. 動かなかったら何をすべきかというと,比較的. 津波への備えも十分ではなかったことと,それ. 早い段階で,つまり,まだ圧力容器の中の気圧. に加えて,そうした古い施設にも拘らず,貧弱. が上がる前にベントを決断して,かつ淡水の確. な運転体制だったということが政府や国会の事. 保が難しかったのですから,海水の注水を早く. 故調の調査で分かってきました.私は国会の事. して,できるだけ事故の進行を食い止めてやれ. 故調の客員調査員をやったのですが,客員調査. ばよかったのです.しかしどちらも遅れてしま. 員の仕事というのは,直接現場へ行って,いろ. いました.ベントの遅れた理由はどちらの報告. んな人にインタビューして情報を集めるという. でも明らかにされていないのですが,行間を読. のではなくて,いろんな集めてきた材料をまと. む限りは,先ほど言ったように,排気口のフィ. めた,報告書についていろいろと意見を言うレ. ルターがつくられてなかったので,特にドライ. フェリーみたいな仕事です.報告書は7月の. ベントを躊躇したことが考えられます.つまり,. 頭に発表されましたが,6月の初めぐらいに報. 放射能を外に出すことを東電の中枢や政府規制. 告書が上がってきていました.福島第一が津波. 当局は非常に恐れたということです.それがベ. に遭った時点で,原子炉の運転体制がどうなっ. ントを遅らせたと言われています.. ていたかを,国会の事故調の報告書はかなり詳.  海水取水のほうは,これはいろいろと言われ. しく説明しています.原子炉等規制法による. ていますが,最近ビデオが公開されて,そのビ. と,原子炉主任技術者というのは,1つの原子. デオの中の東電の本社と福島第一の現場のやり. 炉に対して1人置かないといけなくて,この原.

(10) . 子炉主任技術者というのは,現場用語で炉主任. 図 10. と言って,言ってみれば,1つの原子炉に対し て,船艦の艦長みたいな仕事です.ですので, その炉に関しては,現場では炉主任が一番よく. 使用済み核燃料再処理に関する豆知識 . 知っていて,万が一の場合は駆け付けて,部下 と一緒に問題対処をするのです.福島第一の原 発のそれぞれの原子炉は癖がありますから,そ.  . .   . を預けてもいいような感じで,炉主任というも は6つ原子炉があったのに,炉主任は2人しか. . . ウラン238 ウラン235. 970kg 970k 30kg. 使用済み核燃料(1トン当たり) . れぞれの原子炉の癖を習熟した,原子炉に一生 のが本来は想定されていたのですが,福島第一. 使用前核燃料(1トン当たり). ①ウラン238 ②ウラン235 ③プルトニウム239 ④核分裂生成物 ⑤超ウラン物質. 950kg 10kg 10kg 28kg 2kg. 再処理とは、②と③を抽出して④と⑤をゴミとして分別する作 業. いなかったのです.1人の炉主任で1号炉から 4号炉まで管理していたそうです.ということ は,運転体制からして全然人手が足りない状態. した.これ,結構,原子炉工学で原発をずっと. で,1人の艦長が4隻の船艦を同時にコマンド. やっている人がそう語られたので,ちょっと. していたような状態です.ここで船艦がみんな. ショッキングな発言ですね.. 火災になってしまったような状況ですので,炉.  ここまで見てくると,福島第一原発というの. 主任が現場にはなかなか急行できなかったそう. は経済学的に見ても,すごく間違った意思決定. です.これには私もすごくびっくりしてしまい. をしていたと言えます.まず事前の意味では,. ました.本来だったら,古いものを動かすのな. 最新の耐震性や安全性を確保するための設備投. らば,よほど危ないから,人手だけでも,運転. 資費用が,その原発のもたらす便益を上回って. 体制だけでもちゃんと整えておこうと考えるの. いるのであれば,やっぱり早めに廃炉を決定し. が常識的な判断だと思いますが,逆に,古いも. ておいたほうがよかったわけです.. のなのに人を張り付けてなかったということで.  事故当座についても,ずっと運転をするつも. す.. りで東電本社は考えていましたが,本来だった.  実はこの報告書のその部分を担当されたの. ら早期廃炉の決定をして避けられた損失のほ. は,京都大学名誉教授の木村逸郎先生で,原子. うが,廃炉決定を先送りにして得られる便益よ. 炉工学の専門の先生です.木村先生がこういう. りもはるかに大きかったのに,早期の決定をし. 問題点を指摘されて,実は私もそこはすごく重. なかった.報告書を丹念に読んでいくと,経済. 要な指摘だと思い,非常に注目していました.. 学的に言うと今回の問題は,実は費用便益分析. 木村先生は,京都大学の原子炉の所長をやられ. の基本からかなり外れた意思決定を,事故の前. ていた柴田俊一先生のお弟子さんで,柴田先生. にも事故の後にもしてしまったということが,. というのは原子炉技術者の育成に人生をささげ. やっぱり大きな事故の原因ではないかと思いま. たような方なのですが,その直系のお弟子さん. す.東電本社は,自分たちの便益を過大に考え. です.事故調の懇親会があったときに木村先生. て,逆に潜在的に負っていた費用を過少に見積. とお話をして,「私も報告書のその部分は非常. もったために,古い原発でも無理してあと 20. に重要な指摘だと思います」と言ったら,木村. 年動かすつもりでいました. あの事故の当座の,. 先生が「柴田先生がもし存命でこの事故を知っ. 事ここに及んでも,なかなか廃炉の決定ができ. たら,こんなぶざまな運転体制でしか動かすつ. なかったのが事実です.その結果格納容器も破. もりがなかったんだったら,原発なんてもうや. 損してしまって,向こう 50 年,100 年の処理. めてしまえと言ったんじゃないか」と言われま. の時間を費やさなくてはならないほどの大惨事.

(11) . になってしまいました.. 図 11.  もう一つ,原子力発電での問題に,使用済み の核燃料の処理があります.皆さんのなかには, 「何でウランの燃料の中にプルトニウムが出て. 使用済み核燃料再処理の経済学 . 一体全体、採算が合うのであろうか?. . ゴミの量は減るのであろうか?. . どこに捨てるのであろうか?. くるんだ」とか,「なぜそれを処理しなくては いけないのか」と不思議に思う方もおられるか もしれません.ウラン燃料は通常ウラン 238 が 1トン当たりで 970 キログラムあって,ウラン 235 が 30 キログラムぐらいです.3%ぐらい のウラン 235 が核分裂をする物質で,残りのウ ラン 238 は核分裂しません.ですので,直接の エネルギー源になるのはウラン 235 だけです. 実際の天然ウランというのは,ウラン 235 の含 有率が 0.7%で,それから3%ぐらいに引き上. になって,最後,プルトニウム 239 になって,. げていくために,ウラン濃縮をします.. これが核分裂を起こしてエネルギーを出してい.  今,イランとか北朝鮮でウラン濃縮の話が出. るのです.ウラン燃料を使った軽水炉発電でも,. ていますけど,あのウラン濃縮というのはこの. 実はプルトニウムの核分裂をやっていて,それ. レベルの濃縮ではなくて,ウラン 235 の比率を,. はエネルギー源にすると大体3割ぐらいです.. 90%以上に濃縮します.だから,そこまで行く.  使用済み燃料のうち何を再処理するかという. と,勝手に核分裂をするのですが,原子力発電. と,②と③は核分裂物質なので,これを抽出し. のための濃縮は,これに比べるとわずかです.. て,ウラン 238 と混ぜて,新たなMOX燃料と.  これを燃やすとどうなるかというと,まず,. いう燃料をつくります.そして,残った④核分. ウラン 235 の 30 キログラムのうちの 20 キログ. 裂生成物と⑤超ウラン物質を取り出して,これ. ラムぐらいしか核分裂しないのです.ですので,. をガラス固化して処分します.使用済み燃料再. 10 キログラムぐらいウラン 235 は残ってしまっ. 処理の経済性ですが,基本的に1トンの中でプ. て,今度,ウラン 235 が核分裂をしているとき. ルトニウムが1%,ウラン 235 が1%.わずか. に中性子が出て,ウラン 238 に飛び移って,ウ. しか含まれていないものを抽出していくため. ラン 239 になります.このウラン 239 がベーター. に,すごいコストがかかっているのです.ウラ. 変換をして,プルトニウム 239 というものにな. ン 235 やプルトニウム 239 をこの方向で取って. ります.大体 20 キログラムぐらいがプルトニ. いくよりは,ほかの方法で取っていったほうが. ウム 239 になると言われています.プルトニウ. つくりやすいということがあります.. ム 239 というのは核分裂をします.そのうちの.  また,ごみの量が減るのかということなので. 半分ぐらい(10 キログラム) が核分裂をして,. すが,確かに1回目は,②と③の部分は減るの. 最後,核分裂生成物質となって,ウラン 235 の. ですが,ここまでです.要するに1トンの使用. 燃え残りの核分裂生成物質と合わせて,大体. 済み核燃料のうちの④と⑤の部分の数 10 キロ,. 28 キログラムです.ウラン 238 はプルトニウ. これを正確に取るのではなくて,40 ∼ 50 キロ. ム 239 になった後に,さらに原子番号の大きな. グラムぐらい出てしまうらしいのですが,全体. 超ウラン物質に2キロぐらいなっていくであろ. の4∼5%ぐらいの重さに1回目は圧縮でき. うと言われています.. て,それだけを保存すればよいのです.しかし,.  ここで注意してほしいのは,実はウラン燃料. 今度この燃料をもう一度使ったときには再処理. を燃やしたときも,ウラン 238 からウラン 239. できないと言われています.ですので,再処理.

(12) . 図 12. 地層処分の定義 . 身勝手な定義 . . 「放射性廃棄物を地下数百メートル以深の安定な地層中に建設され る処分施設に、再び地表に取り出す意図なしに、永久に収容し、人 間による管理から外した状態におくことをいう。」. 経済学的な視点:   . 完全に非可逆的な施設投資 施設管理について永遠のコミットメント その心は、良い技術が到来するまで、暫定的に保管する。 . 図 13. 時間を通じた一貫性の保たれた合意形成 . 経済学的な視点: . 事故前の状態はどうだっただろうか?. . 事故直後の状態はどうだっただろうか?. . 事前と事後でどのような食い違い生じたのだろうか?. . 再稼働をめぐってどのような合意形成がなされただろうか?. 日本学術会議「高レベル放射性廃棄物の処分について」. を永遠に繰り返すことはできないので,2回目. 理的な決定になるわけです.私は著書『原発危. にはやっぱりごみをどこかに捨てないといけな. 機の経済学』の中で, 取りあえず地上に 100 年,. くなります.. 200 年置くつもりぐらいの暫定的な保管をし.  どこに捨てるのかということですが,それも. て,その間に技術の展開を待つべきで,地層処. よく分かりません.今は地層処分ということを. 分ではなくて,地上保管みたいなことをしたら. していて,地中に深く施設を造って,そこに. どうかと述べました.そうしたらいろんなとこ. 保管します.原子力学会が説明している地層処. ろからたたかれてしまって,「いや,私はそれ. 分の定義は, 「放射性廃棄物を,地下数百メー. を何か思い付きで言っているんじゃなくて,経. トル以深の安定な地層中に建設される処分施設. 済学的な根拠から言っているんだ」と反論した. に,再び地上に取り戻す意思なしに永久に収容. のです.そうしたら,すごくびっくりしたので. し,人間による管理から外した状態のことをい. すが,この9月に日本学術会議が出した「高レ. う」です.経済学をやっている人間が,この文. ベル放射性廃棄物の処分について」という報告. 章に出会うと,とんでもなくびっくりします.. 書の中で, まさに地上での暫定的保管を前提に,. 自分たちですごい施設を造っておきながら,そ. しばらく技術の展開を見込んで,その間の安全. の管理は一切しませんよということです.本来. 性を保っていくということが述べられていまし. どうするべきかというと,普通こういうものを. た.基本的に一挙に地層処分することを否定し. 造れば,一回造ると組戻しができない非可逆な. たことになります.これは物理学者や工学者の. 設備を永遠に管理していくわけですから,施設. 人たちが書かれたもので,別に経済学を用いた. 管理について永遠のコミットメントをしないと. わけではないと思いますが,技術的な可能性の. いけないわけです.そういう事実を無視して,. 中で考えていたことと,私のように技術音痴で. 何か自分たちの範囲から,外して捨ててしまう. 経済学的な発想から考えたことのソリューショ. というのが地層処分ですが,これは人間の行為. ンが,合理性や効率性を重視していくと,非常. としてあり得ないことです.. によく似たものになったということです..  これも経済学的に見ていくと,完全に非可逆.  ただ,この問題も,今私が数字を出したよう. な施設投資で,施設の管理について永遠のコ. に,10 年,20 年で決着する問題ではなくて,. ミットメントが必要なものだとすると,通常は. 本当に温度が冷めるまでに 50 年ぐらい,それ. 意思決定を引き延ばして,より良い技術が出て. からさらに数百年かけて徐々に放射性の度合い. きた時点まで暫定的な保管をするというのが合. が低下するのを待って,本当に解決するのは千.

(13) . 年,万年という単位ですから,少なくとも数百. からの自分が完全に引き裂かれてしまっている. 年はちゃんと管理下に置かなくてはいけないよ. のです.本来,原発リスクが受け入れられてい. うな類いのものです.. る状態では,そのような,万が一のことが起き.  こういうふうに見てくると,事故が起きたと. たときに自己の分断が起きないようになってい. きにわれわれの社会がどういうことになってい. ないといけなくて,理想的には,あらゆること. たかというと,事故が起きる前にわれわれが. が起きても,どんな立場にいる人たちも,それ. 持っていた原発へのイメージや向き合い方と,. 自体を起こり得るべき1つの可能性として受け. 事故直後の原発のイメージが完全に引き裂かれ. 入れて,それに対して冷静に対応できるような. たような状態です.典型的なのは地元です.原. 状態,事前にもそういうことを思っていたし,. 発施設があったところで,原発施設の運営に責. 事後にも,「そういうことが起きたのだから,. 任のある電力会社とか政府は, 「いや,これは. こうやって対応しよう」という状態です.. 想定外のことで,われわれはこういうことにな.  もちろん人間の力には限界がありますから,. るとは思っていなかった.われわれの人智の及. すべてのことに合理的に対応することはできな. ばないところだ」ということを言って,もちろ. いかもしれません.もし対応できなくて大きな. ん地元の人たちは怒りますよね. 「あなた方は. 失敗が起きてしまったとしても,そういうこと. 安全だと言っていたのに,これはどういうこと. もあり得るのだなということを,どこか頭に入. だ.絶対安全だと言っていたじゃないか」 と言っ. れておくのです.私は「納得できる失敗」と言っ. て,すごく大変な対立が起きました.. ているのですが,失敗を繰り返しても,納得で.  実は今の発言,2つのまったく正反対な発言. きるような形で合意を形成しておかないと駄目. には共通点があります.時間を通じて見ると,. なのです.. 事故が起きる前と事故が起きた後で,自分自身.  これは今後,どんな形であれ原発施設が何十. が分断されていて,事故が起きる前の自分の意. 年と日本の社会にありますから,やっぱりそう. 思決定と事故が起きてからの自分の意思決定が. いう合意の形成をしなくてはいけないのです. 整合性を保っていないのです.例えば電力会社. が,ただ残念ながら,この夏の再稼働を巡って. のほうは,事故が起きる前は,こんな状態を見. の合意形成というのはかなり不幸なものです.. 込んで十分準備をしておらず,自分たちの想定. 地元の自治体は絶対安全の言質を政府に取り付. 以外のことは起きないと思って対応していて,. けて,自治体は「政府が絶対安全だと言ってい. 実際に事故が起きてしまったら, 「いや,想定. るのだから,今から動かします」と住民にも説. 外だった」というのは,それまで想定外のこと. 明します.住民のほうも, 「それだったら動か. が起きないと言っていたことと,想定外のこと. そう」となります.結果,その見返りは何かと. が起きてしまったことの間で,矛盾が生じてし. いうと,交付金や,あるいは公共事業を引っ張っ. まっています.一方,住民のほうは,万が一の. てくるというようなことで合意形成が図られる. リスクというのはあるわけで,自分のいろんな. のです.結局福島第一の事故が起こる以前の状. 意思決定の積み重ねの中で,自分で原発施設の. 態にまた戻ってしまったということです.. 近くにいることを決めたわけですから,そこに.  もちろん私は,基本的には安全な原発に対し. いたこと自体に対して,まったく自分で責任が. ては再稼働していくべきだと思っていますが,. ないわけではないのに,事故が起きてしまった. こういう形のなし崩し的な合意形成をやってし. 後では,全部電力会社や政府の責任だという動. まうと,福井などでもっと軽微な事故があった. きになっています.もちろん心情的には十分よ. ときに, 大変なことになると思います.本来だっ. く分かりますが.こういう状態というのは,要. たら仕切り直しができる機会が今あったのに,. するに事故が起きる前の自分と,事故が起きて. 前の状態に戻ってしまって,それで何か事故が.

(14) . 図 14. う形で処分していくのか,あるいは学術会議の 報告書のように,きっちり地上保存の暫定的な. 市民として原発リスクに向き合う . . 原発についても、それぞれの立場から「これからの自分」が 「これまでの自分」を裏切らないような立ち位置を作 てみよ 「これまでの自分」を裏切らないような立ち位置を作ってみよ う。 経済学的な視点:    . . 明確でないことも含めて、あらゆる可能性を鑑みてみよう。 長い視点に立とう。 知識は面倒がらずに吸収しよう。 「熱しやすく冷めやすく」ではなく 「常温で細く長く考え続けて」みよ 「熱しやすく冷めやすく」ではなく、「常温で細く長く考え続けて」みよ う。. 実は、自分のみの周りにあるリスクに対する向き合い方すべ てに通じる話です!. 方法を考えていくとか,そういうこともちゃん と合意をしていかないといけないと思います.  そういうことを全然考えないで,原発の依存 率をどうするのか, やっぱり原発はゼロなのか, いや,やっぱり推進なのかという議論だけを進 めていってもらちが開きません.決して思考停 止状態にならないで,分からないこともたくさ んあるのだけれども,あらゆる可能性を判断し て,自分なりに考えていくということと,特に 今回の問題はそうですが,今日明日で解決でき る問題ではないので,思い切って長い視点で物. あったら,自分たちが本当はあのときに仕切り. を眺めてみることが必要です.それから,多分. 直しをしておけばよかったなんて思う部分の反. きょう皆さんがお聞き下さっている中でも,初. 発で,ますます強い反発が生まれてしまうとい. めて聞く話題や情報や知識があったと思うので. うようなことが起きてしまいます.すごく中途. すが,あれだけ原発の報道がずっと流されて,. 半端なことです.. 皆さんもテレビやラジオで聞いてきたと思いま.  話を最後に締めたいと思います.原発のこと. すが,それにも拘らず,何か落ちこぼれがあっ. を考えていくというのは非常に難しいのです. た,取りこぼしがあったとすると,やっぱりう. が,ただ先ほど言ったように,われわれの社会. まく知識を吸収してない可能性があります.そ. がすごい重荷を背負ってしまって,福島第一の. う考えると,もう少し面倒くさがらないで,う. 廃炉をどうしていくのかということも含める. まく知識を吸収していく術を一人一人が身に付. と,これはなかなか答えが出ませんが,ただ,. けていくことも重要です.さらに,こういう問. あそこをほっぽり出すわけにもいきませんか. 題は「熱しやすく冷めやすい」だと結局何もな. ら,すごく前向きな形で事業展開をしていかな. らなくて,ああいうデモのような活動をしてい. いといけないだろうと思います.. ても, 「毎週金曜日に行って,それを永遠にや.  それと使用済みの燃料ですが,福島第一原発. り続けるのか」,もしくは「永遠にやり続けた. の事故が起きる前までは,毎年 1,000 トン以上. として何があるのか」ということだと思うので. の使用済み燃料が生まれていました.今は使用. すが,そういうことを考えると,やっぱり一人. 済み燃料は,基本的にはそれぞれの原子力施設. 一人が常温状態と言うか,普段着で細く長く考. の建屋の上のほうに貯蔵プールがあって,そこ. えられるようなことをやっていくということが. に蓄えています.その貯蔵能力が大体,全ての. 非常に重要です.これが社会の成熟を支えてい. 原発施設で2万トンぐらいあります.福島第一. く.みんなが問題に関心を持って,それなりに. 原発が,事故が起きる前の状態でほぼ7割埋. 知識を蓄えて,一方で,特に今回の問題では解. まっています.ということは,1万 4,000 トン. 決をせっかちにしないということと,あと,常. は使われていて,あと 6,000 トンぐらいの余力. にみんなが「考え続けているんだぞ」という状. しかない.もしあの形でずっと日本の原発が動. 態をつくることで,その社会の意思決定をうま. かされていくと,5∼6年でいっぱいになって. くいい方向につくっていくということしかない. しまうような状態です.使用済み核燃料の問題. と思います.. もそんなに余裕があることではなくて,どうい.  こう考えてくると,実は原発リスクだけじゃ.

(15) . なくて,われわれの日常生活を取り巻くさまざ. すべきかということを考えるのが一番の意思決. まなリスクというのが,こういう作業をしてお. 定だったのですが,この騒ぎが収まれば,この. かないと,特に現代のような高度技術社会では. 原子力発電所はまだ依然として使えるんじゃな. なかなか生きていけないと思います.今日はそ. いかというところをゴールにして対応をしてし. のことまでお話しできないのですが,実は皆さ. まったために,すごく重要な意思決定が遅れて. ん,例えば先端医療のリスクとどう向き合うか. しまいました.それよりは,一次冷却系がやら. とか,今すごく騒がれていますけど,南海や東. れているんだから,この原発はすぐには回復で. 海の地震リスクにどう向き合うのかとか,ある. きないということからさかのぼって考えたら,. いは環境関係のリスクもたくさんあります.そ. すぐ収束させるべきだったということです.. ういうようなものにどう向き合うかということ. 質問者:ありがとうございました.. も,こういうものがないとやっぱり駄目で,た. 司会:司会なのですが,一つだけ質問したいこ. だ一人一人がこういうような姿勢で,ちゃんと. とがあります.先ほど,経済学的な視点のとこ. 知識を身に付けている社会というのは,やっぱ. ろで, 「明確でないことも含めて,できるだけ. り無謀なことが為政者によって行われないよう. たくさんの可能性を考えておくべきだ」とおっ. な,歯止めになっていくのだと思います.. しゃいましたが,本来,地震で言われたように,.  そろそろ時間のようですので,以上で終わら. 想定外のリスクというのはやはりあると思いま. せていただきます.. すので,何かそういう想定外のリスクに対して,. 質疑応答 司会:齊藤先生,どうもありがとうございまし. どんなふうにして備えていけばいいのでしょう か? 齊藤:要するに,具体的な対処の方法がないこ. た.では少し時間がありますので,会場の方か. とがたくさんあるのです.しかし,例えば津波. ら質問を受け付けたいと思います.. が防波堤を越えてやってくる可能性というのは. 質問者: 事故が起こった直後の対応について. ゼロではないのだから,そしたら,万が一やっ. 「バックワードインダクション」という言葉が. て来たら,現存施設の中でどう対応しようとい. 出てきたのですけど,どのような意味で使われ. うことは,特に現場の人たちはやっぱり考えた. たのか教えてください.. ほうがいいです.さっき僕が言ったように,一. 齊藤: 多分3,4年生になったら,マクロとか. つ一つの炉を守っていく主任さんとかは,そう. 経済数学で勉強すると思うんですけど,バック. いうイメージをしておく必要があります.どの. ワードインダクションというのは,問題の終着. ようにハードが十分だったとしても,それを突. 点や結論から立ち戻ってきて,今どういう措置. き切っていく自然の力って,絶対起こり得ない. をするかを決めることです.例えば山に登ると. わけではないですので.そうすると,そういう. きに,頂上に着いた状態から考えて,今どこに. 状態も実はあるのだと,どこか念頭に置いて考. キャンプをするかということを考えるのです.. えておけば,多分私が東電の意思決定者だった. 今回の場合だと,事故対応をどうしていくかと. ら,そういうとこが少しでもよぎるのであれば,. いうことで,東電の,特に本社が考えていたの. あの状態のものはやっぱり動かすのは嫌だ,や. は,継続して原子力施設を使い続けるという着. めておこうかとか,あるいは動かすにしても,. 地点で物を考えていたのですが,しかし,津波. よっぽど対応できるような人間を備えた上で動. の直後には既に継続して使用できるような状態. かしておこうとか.それは,具体的にはどうい. にはなかったのです.. うことをどうすればいいかというのはなかなか.  じゃあ,どういうことを着地点にするかとい. ないけれども,ただ,対応が難しい部分が起き. うと,事故の影響を最小限にするためには何を. る可能性があり得るんだったら,そこにもやっ.

(16) . ぱり手当てをしておこうということです.. 近いものって,同じリスクがあって,それで一.  これは実は技術者とか技術の役割というより. 挙に壊れてしまう可能性があるので,番号を離. も,文系の経営者のほうの役割じゃないかと. して,あえてランダムな状態をつくっています.. 思っているのです.技術の人たちは技術で分か. 僕は同じ施設状態であったとしても,そういう. る範囲で具体的に対応しますから,それを超え. 知恵とか工夫とかで,リスクというのがある程. たところで,ファジーなところで何か対応して. 度対応できるんじゃないかと思っています.こ. おくというのは,いろいろなことで知恵はある. の辺のことというのは,お金をかけるとか,か. と思います.. けないとかということではなくて,現場の人た.  例えば私,今回びっくりしたのは,福島第一. ちの意識の持ちようですので,その辺はすごい. では1,2,3号炉を連続して動かしていたこと. ファジーなんですが,そのファジーな状態の中. です.つまり,隣り合う施設を動かしていて,. でどうやっていけばいいかということで,最適. そこで事故が起きてしまって,その現場全体が. な答えは絶対出てこないと思うのですが,まし. 混乱をしてしまったのですが, もし私だったら,. な状態というのをつくっておくことができると. 半分は動かさなくてはいけないのだとすれば,. 思います.. 1,3,5号炉を動かします.今度はそれを停止. 司会:では,時間になりました.齊藤先生の最. してから2,4, 6号炉を動かします.このよう. 後のメッセージにもありましたように,原発の. に間を開けてやって,動いてない部分を作るこ. 問題というものを常温で長く考えていくという. とで,何か緩衝機能や,動いてなかったものの. ことを本日の課題にしまして,今回の学術講演. 施設を活用するというようなことを考えてもい. 会を終わりたいと思います.齊藤先生,本当に. いと思います.. ありがとうございました.(拍手).  IT 会社の人が新規のパソコンを導入したと. (一橋大学大学院経済学研究科教授). きにどうするかというと,シリアル番号の連 続したものを同じ部屋に置かないんです.リ. [以上は横浜経済学会が横浜国立大学経済学部との. シャッフルして番号をバラバラにして,それで. 共催で平成 24 年 10 月 23 日に行った学術講演会の. 置くんです.なぜかというと,シリアル番号の. 記録である].

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