緒々の事象・経験に対する感想を文章化する感想文指導 : 小学校高学年を対象として
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(2) に,児童にとって感想文がどのようなものである. を考察した。感想文の中核をなす事実・経験に. かを知り,書くことそのものへの学びが保障され. 対する感じたこと・思ったことは,作文をする. にくくなっているのではないだろうか。加えて初. 上で言語化するまでの過程を含めた指導を行う. 等教育では,文字を習い,言葉を知り,文章に至. 必要があることが分かった。それは,事象に対す. る言葉や文の組み立てを学んでいく初期の学習. る発想や感想,考えを焦点化し,深める中で,読. 段階にある。そのため,作文とはどういったもの. み手を見据えて,意識した客観的な文章に作り上. かを理解する前に,作文嫌いを生み,児童が書く. げていく過程である。特に感想文は,主観的で内面. こと自体から遠ざかってしまう可能性も否めな. 的な活動を書くため,言語化しながら,客観的に. い。. 変化する過程を見つめることが重要であろう。. そこで本研究では,r識字」という面では,書く. この過程を重視した指導の1つに,プロセス・. ための基本的な文字習得が完成している高学年. ライティングがある。プロセス・ライティングと. に焦点化して,感想文の指導及び授業づくりを構. は, 「学習者が何を書いたのか,その作品の評価. 想する。. はどう値するかという観点から,どのように書い ていくか,どのようにしていい作品に仕上げてい. (2)研究の方法. くかということに重点を置いた指導. 第1章では作文指導の視点から,初等教育で感. Wi11iams(2009)」である。その過程をいくつかの. 想文がどのように取り上げられているのか把握. 段階に分けて,段階に応じた指導を明示している。. する。平成20年度版の国語科・学習指導要領に. その段階は以下のような5段階に分けられる。. おける「書くこと」の領域がどのように扱われて いるのか,指導の観点を分析する。同時に「文学科」. ①アイデアの生成(prewriting). という国語科と分けた授業時間を設け,作文指導. ②下書き(Dra允ing). を行っている成城学園初等学校の授業実践を取. ③見直し・訂正(Revising). り上げる。. ④構成(Editing). 第2章では,大きく感想文とはどういった内容. ⑤公表・評価(Pub11sh1ng). をもつ文章であるのかを考察していく。事実や経. このような段階を踏まえて,第5学年における国. 験を書くこと,また感想文の「感想」とは何かを検. 語科で単元指導案を作成した。. 討する。その方法として,一般にどのように定義さ れているのか鑑み,そこで生じるr感じる」r思う」. 4.今後の課題. 「考える」の3つの動詞の関係性を捉える。書く. 今後の課題として,思考スキルと授業をどの. ことの本質から,書く過程を重視した,プロセス・. ように組み合わせていくのか再度検討しなお. ライティングの指導方法を参照する。. す必要がある。その際,本研究で用いたプロセ. 第3章では,感想文の授業づくりを検討する。. ス・ライティングの有効性を十分検討した上で,. 公立小学校・高学年の普通学級を想定したプロセ. 各段階に応じた指導法を考えていきたい。. ス・ライティングを用いた学習指導案を作成する。. また,発達障害と個別の作文指導について,指. 終章では,まとめと課題について述べ,本研究. 導法を導くところを今後の課題としたい。. の結びとする。. 3.研究の過程. 形式に重きが置かれている作文指導から,書 くことの本質に省み,感想文指導に必要な事柄. 指導教員 前芝武史.
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