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IRUCAA@TDC : Down-regulated Genes in Mouse Dental Papillae and Pulp

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

Down-regulated Genes in Mouse Dental Papillae and

Pulp

Author(s)

佐々木, 穂高

Journal

歯科学報, 111(1): 76-77

URL

http://hdl.handle.net/10130/2302

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 歯牙の発生は上皮と間葉の複雑な相互作用からなっており,様々な遺伝子やタンパクの発現の関与が知られ ているが,歯牙硬組織形成に関与する遺伝子はまだ報告されていない。Palmer ら(1987)は,マウス下顎第一 臼歯歯胚より採取した歯原性上皮と歯乳頭もしくは歯髄の複合体を前眼房内への移植した際,歯原性上皮の時 期に関わらず胎生16日や生後0日齢の歯乳頭を組み合わせた場合には歯根膜を有した歯牙が形成されたのに対 し,生後3日以降の歯髄を組み合わせた場合には象牙質様硬組織のみが形成されることを報告している。そこ で我々は,出生前後間で歯乳頭内の歯牙形成に関与する遺伝子が消失したと考え,ゲノムレベルでの遺伝子発 現の変化を検索することができる microarray を用いて減少あるいは消失する遺伝子の検索を行った。 2.研 究 方 法

材料は,胎生16日(E16),18日齢(E18),生後3日(P3)の ICR マウスより採取した下顎第一臼歯歯胚を dis-pase Ⅰによる酵素処理後,実体顕微鏡下にて剥離・採取した歯乳頭および歯髄を用いた。Trizol によって抽 出した200ng の total RNA よりビオチン標識 cRNA を合成し,GeneChipⓇ

Mouse Genome430 2.0array とハ イブリダイゼーションを行った。GenechipⓇ

Operating System で発現解析後,GeneSpringⓇ

software にて遺 伝子発現の比較検討を行った。さらに抽出された遺伝子を定量的リアルタイム RT-PCR(qRT-PCR)にて発現 差の確認,in situ Hybridization により局在性の確認を行った。

3.研究成績および考察

発現差を表す Fold 値が2以上あった遺伝子数を検索した結果,up-regulate した遺伝子は E16から P3にか けて経時的に減少していくのに対し,down-regulate した遺伝子は,出生前後間で最も多い数(3130個)を示し た。各遺伝子の性質や機能を表す用語である Gene Ontology を用いて石灰化関連,成長・発育関連,細胞死 関連に分類し,著しく down-regulate した遺伝子を抽出した結果,E16から E18で Adamts4,Aldh1a2,Lef1が 認められた。これらより Adamts4,Aldh1a2,Lef1を qRT-PCR にて定量した結果,Adamts4 は1/3,Aldh1a2 は1/13,Lef1は1/37の減少が認められた(p<0.05)。in situ Hybridization では,Adamts4,Aldh1a2,Lef1と もに E16では外エナメル上皮や歯乳頭細胞に発現が見られ,P3では歯髄細胞に発現は認められなかった。

Adamts4は,軟骨プロテオグリカンである aggrecan,versican,brevican を分解する酵素であり,versican

氏 名(本 籍) さ さ き ほ だか

佐 々 木

(神奈川県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 1652 号(甲第 948 号) 学 位 授 与 の 日 付 平成18年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 目 Down-regulated Genes in Mouse Dental Papillae and Pulp 掲 載 雑 誌 名 Journal of Dental Research 第89巻 7号 679∼683頁 2010年

論 文 審 査 委 員 (主査) 下野 正基教授 (副査) 井出 吉信教授 奥田 克爾教授 木崎 治俊教授 井上 孝教授 歯科学報 Vol.111,No.1(2011) 76 ― 76 ―

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が歯胚の発育とともに発現することから,Adamts4 による発現抑制が未分化能の維持に関与していたと考えら れた。Aldh1a2 は,レチノイン酸(RA)を生成するアルデヒド脱水素酵素であり,胎生初期の四肢や心臓の発 生に関与することが知られている。また,歯胚の器官培養における外因性の RA が,象牙質形成前の歯胚の石 灰化を抑制することから,Aldh1a2 の過剰発現により歯胚の成熟化が抑制されていることが示唆された。Lef1 は,毛嚢,乳腺や歯胚の発育に特異的な転写因子であり,Shh,Bmp,FgfやWntの遺伝子発現を調整すること が知られている。また歯牙発生の初期にLef1の発現が重要であることや歯原性間葉内のFgfの発現を直接制御 することから,出生前後間の減少が象牙芽細胞の形成の調整に関与することが示唆された。 4.結 論 Microarray は,歯胚の発生において膨大な数の遺伝子内から発現した遺伝子を特定するために有効な手段 であり,これによって抽出された Adamts4,Aldh1a2,Lef1は歯乳頭における分化や石灰化に関連することか ら歯牙硬組織形成能に関与することが示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 歯牙の発生において,上皮間葉相互作用に伴い数多くの遺伝子やタンパクが関与することは知られている。 また,鐘状期後期以降でマウスの出生前後間に相当する時期に歯乳頭における歯牙形成能が消失するとの報告 もある。本研究は,ゲノムレベルでの遺伝子発現を検索することが出来る microarray を用いて,歯乳頭内の 出生前後間において減少した遺伝子を検索したものである。E16,E18,P3,P10 のマウス下顎第一臼歯歯胚 より採取した歯乳頭を用いて,GeneChipⓇ

Mouse Genome430 2.0array により遺伝子の比較検討を行った。 これより,up-regulate した遺伝子した遺伝子が経時的に減少したのに対して,down-regulate した遺伝子で は出生前後間でもっとも多くの数を示したことから,これらの中に歯牙形成に関与する遺伝子が含まれている と考えられた。これらを Gene Ontology を用いてスクリーニングを行った結果,E16∼E18 で Adamts4,Aldh

1a2,E18∼P3 で Plxnc1 が検出された。また,qRT-PCR にて定量を行ったところ同様の発現傾向が確認され た。これらの遺伝子が出生前後間で著明に減少し,関連遺伝子・タンパクの発現傾向や機能が報告されている ことから,歯胚における分化や石灰化への関与が示唆された。 本審査会では,1)歯牙の発生とマイクロアレイの有用性,2)出生前後間を検索した理由,3)3つの遺 伝子を抽出した理由,4)未解明な遺伝子における検索などについて質問がなされたが,概ね適切な解答が得 られた。さらに今後の研究への展望や文章表現や用語の訂正について要望がなされたが,本審査委員会は提出 された論文の成果が歯学の発展に寄与するところ大であり,学位授与に値すると判定した。 歯科学報 Vol.111,No.1(2011) 77 ― 77 ―

参照

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