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IRUCAA@TDC : インプラント治療の潮流(I) : 序章

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

インプラント治療の潮流(I) : 序章

Author(s)

矢島, 安朝; 関根, 秀志; 伊藤, 太一; 古谷, 義隆; 田

口, 達夫; 本間, 慎也; 佐々木, 穂高

Journal

歯科学報, 109(2): 171-173

URL

http://hdl.handle.net/10130/1870

Right

(2)

―――― カラーアトラス ――――

インプラント治療の潮流(Ⅰ)

− 序章 −

や じま やす とも

矢 島 安 朝

1)

せき ね ひで し

関 根 秀 志

2)

い とう た いち

伊 藤 太 一

1)

ふる や よし たか

古 谷 義 隆

1) た ぐち たつ お

田 口 達 夫

2)

ほん ま しん や

本 間 慎 也

1)

さ さ き ほ だか

佐 々 木 穂 高

1) 1) 東京歯科大学口腔インプラント学講座 2) 東京歯科大学口腔健康臨床科学講座口腔インプラント学分野

(3)

カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説

ブリッジの10年残存率は約90%,義歯の10年残存 率は約50%といわれている1) 。一方,インプラント の10年残存率は90.5∼96.5%と報告されており2) , インプラント治療は欠損補綴の一手段としての地位 を確立し,予知性の高い治療法であることが証明さ れている。したがって,現在のインプラント治療は, これまでのように長期成功率をどのように向上させ るかという段階から,次のステップに進み,より安 全に,より確実に,より早く,より簡単になど,患 者の多様な要求の実現に重心が移っている。現在の インプラント治療の流れは,以下の4項目が注目さ れている。 ・リスクファクターの明確化 ・トップダウントリートメントのための骨造成法 ・治癒期間の短縮化・患者負担の軽減 ・医療安全 しかし,これらの項目の中には,臨床だけが先に 走りすぎ,明確なエビデンスに乏しく,コンセンサ スが取れていない治療法が存在している。コンセン サスの取られている方法と未だ実験段階の治療法を 区別し,理解して用いることが今後さらに重要とな るであろう。今回のカラーアトラスから計6回にわ たり,「インプラント治療の潮流」についてそれぞ れの項目を解説する予定である。今回は,その序章 として各項目の概要を紹介したい。 1.リスクファクターの明確化(図1,2) インプラント治療失敗の原因は,感染(インプラ ント周囲炎,術後感染等)あるいは過重負担により 炎症性サイトカインが多量に出現し,破骨細胞の活 性化が進み骨とインプラントとの結合が消失してし まうことによる。インプラント治療前にリスクファ クターを明確にすることが可能となれば,治療の確 実性が増すとともに,現在,患者との間で生じてい る様々なトラブルも減少することになるであろう。 最近,リスクファクターを明確にする手段として多 くの臨床検査が用いられ始めている。特に,骨代謝 と歯周病細菌に関する検査が注目を集めている。 2.トップダウントリートメントのための骨造成法 (図3,4) 補綴学的にインプラントの理想的な位置を求め, 埋入部位に骨量の不足があれば,これを積極的に補 うことをトップダウントリートメントといい,現在 盛んにおこなわれている。しかし,骨造成後,どの タイミングでインプラントを埋入するのが最適なの か?骨造成後の新生骨の運命は?など明確な解答が 得られていないことが多い。 3.治癒期間の短縮化,患者負担の軽減 インプラント埋入手術後,骨とインプラントの結 合のための治癒期間として数か月間を必要とするこ とが一般的である。しかし,この期間は患者にとっ ては大きな苦痛となることも事実である。そこで, 治癒期間を短縮するために,即時荷重,早期荷重, 抜歯後即時埋入・即時荷重などが行われている。図 5は一次骨接触と二次骨接触の変化とインプラント の安定性を示した概念図である3) 。このポイントO をとらえることが,即時荷重や早期荷重適応症の判 断基準となるわけだが,現在までのところポイント Oを捕捉する方法は確立されていない。 4.医療安全 インプラント治療の医療事故は急激な勢いで増加 しているといわれている。中には神経麻痺や上顎洞 内インプラント迷入などの重篤な事故(図6)も多 く,早急な対策が望まれている。医療事故を防ぐた めには,緻密な術前治療計画が重要であり,そのた めには CT 画像は必須である。近年,シミュレーショ ンソフトとサージカルガイドを用いたインプラント 埋入手術(図7)が行われるようになり,事故防止対 策として大きな期待が寄せられている。 この「インプラント治療の潮流」カラーアトラス シリーズは,今後のインプラント治療の方向性を提 示するとともに,現在のインプラント治療の問題点 なども織り込み解説する予定である。期待していた だきたい。 文 献

1)Karoussis, I. K., Salvi, G. E., Heitz-Mayfield, L, J., Bräg-ger, U., Hämmerle, C, H. and Lang N, P.: Long-term im-plant prognosis in patients with and without a history of chronic periodontitis : a 10-year prospective cohort study of the ITI Dental Implant System. Clin Oral Implants Res. 14:329∼39,2003.

2)矢谷博文:補綴装置失敗のリスクファクターに関する文 献的レビュー,補綴誌,51:206∼221,2007.

3)矢島安朝,武田孝之:治癒期間の短縮化 ―即時荷重, 早期荷重について― The Journal of Dental Engineering 156:23∼26,2005.

(4)

1.リスクファクターの明確化 2.トップダウントリートメントのための骨造成法 3.治癒期間の短縮化・患者負担の軽減 4.医療安全

インプラント治療の潮流(Ⅰ)

− 序章 −

矢 島 安 朝

1)

,関 根 秀 志

2)

,伊 藤 太 一

1)

,古 谷 義 隆

1)

田 口 達 夫

2)

,本 間 慎 也

1)

,佐 々 木 穂 高

1) 1) 東京歯科大学口腔インプラント学講座 2) 東京歯科大学口腔健康臨床科学講座口腔インプラント学分野 タンパク質 図1 骨代謝マーカー検査項目 図2 唾液を用いた歯周病関連細菌検査 図3 骨造成法(インレーグラフト) 図4 骨造成法(オンレーグラフト) 図5 一次骨接触と二次骨接触の変化 ・一次骨接触:インプラント埋入後,既存骨にスクリューの 山部が食い込む物理的な接触のこと。初期固定力のこと。 ・二次骨接触:インプラントのスクリューの谷部に新生骨が 形成され,既存骨とインプラント表面とが連結されること。 ・点線:骨結合を阻害するマイクロモーションの閾値 ・ポイント0:一次骨接触と二次骨接触の交点 ・図の概説:ポイント0がインプラントに有害なマイクロ モーションの閾値よりも上方であれば即時荷重が可能(左 図)。しかしポイント0がこの閾値よりも下方であれば, 二次骨接触のグラフが閾値を越える(b)までは荷重を加え ることができない(右図)。 図6 医療事故症例 図7 シミュレーションソフトとサージカルガイド使用症例

参照

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