別紙標準様式(第7条関係)
会 議 録
会 議 の 名 称 平成 26 年度第1回枚方市文化財保護審議会 開 催 日 時 平成 26 年9月8日(月) 14 時 00 分から 15 時 30 分まで 開 催 場 所 輝きプラザ 3階 教育委員会室 出 席 者 保護審議会委員:土井委員、井上委員、奥田委員、柏木委員、田委員、 川畑委員、宮野委員 欠 席 者 高委員、高田委員 案 件 名 案件(1)会長・副会長の選任 (2)審議会の運営について 報告(1)平成 26 年度文化財関係事業 ①枚方市登録文化財の登録について、②啓発普及事業について ③特別史跡百済寺跡整備事業について (2)「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想」について 提 出 さ れ た 資 料 等 の 名 称 1.枚方市審議会等の会議の公開等に関する規程(抜粋) 2.枚方市情報公開条例(抜粋) 3.枚方市文化財保護審議会傍聴要領(案) 4.3件を初の枚方市登録文化財に登録(HP 印刷) 5.平成 26 年度文化財連続講座「南海道と東高野街道」(チラシ) 6.市民歴史講座「ひらかた歴史探検隊 枚方宿を歩こう」(チラシ) 7.東高野街道(HP 印刷) 8.特別史跡百済寺跡再整備基本計画 9.歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想 概要版(案) 決 定 事 項 案件(1)会長は土井委員に、副会長は井上委員に決定した。 (2)一部案件については、「個人情報に関する情報」または「意思形成 過程情報」として非公開と決定した。 報告(1)及び(2)について報告を受けた。 会議の公開、非公開の別 及 び 非 公 開 の 理 由 一部非公開。枚方市情報公開条例第6条第6号に規定する非公開情報が含ま れる事項について審議・調査を行うため。 会議録の公表、非公表 の別及び非公表の理由 公表 傍 聴 者 の 数 0人 所 管 部 署 ( 事 務 局 ) 教育委員会 社会教育部 文化財課審 議 内 容 案件1:会長、副会長の選任について 〈事務局〉 まず、「案件(1)会長、副会長の選任」について、本審議会には、条例施行規則の規 定により、委員の皆様方の互選により、会長、副会長を各1名置くこととなっている。 会長、副会長の選任について、ご推薦やご意見はないか。 田委員 事務局案はないか。 〈事務局〉 事務局案として、引き続き土井前会長にお願いしてはどうかと考えているが、いかがか。 (意見無し) 〈事務局〉 特に異論もないようなので、そのようにさせていただく。 (土井会長に議長を引き継ぎ) 土井会長 それでは、次第にもとづき進行させていただく。引き続き、案件1の副会長の選任につ いて、皆様いかがか。事務局からの提案はあるか。 〈事務局〉 副会長は井上委員にお願いしてはどうかと考えている。 土井会長 事務局から井上委員を副会長にとの提案があったが、いかがか。 (意見無し) 土井会長 特にご意見もないようなので、井上委員に副会長をお願いしたいと思う。井上委員、よ ろしくお願いする。 では、代表して一言ご挨拶申し上げる。 (土井会長 就任のあいさつ) 案件2:審議会の運営について 土井会長 次に、案件(2)審議会の運営について、事務局からの説明を求める。 〈事務局〉 本審議会は、地方自治法第138条の4第3項の規定に基づく、教育委員会の附属機関として 位置付けられているものなので、「枚方市審議会等の会議の公開等に関する規程」の適用 を受ける。 審議会の会議は、原則として公開するものであるが、本審議会で取り扱う、市指定文化 財及び登録文化財の指定及び登録、各種文化財調査、「歴史文化遺産の保存と活用のため の整備構想」策定や、特別史跡百済寺跡再整備事業、楠葉台場跡保存整備事業などの進行 中の事業については、規程で非公開事項として規定されるもののうち、「個人に関する情 報」または「意思形成過程情報」に該当すると考えられる。 会議録の作成については、審議の経過が分かるように、発言内容を明確にして記録する ものとされおり、その公表については、所管部署での閲覧、行政資料コーナーへの配架、 市ホームページへの掲載において閲覧に供するものとされている。 会議の非公開を決定した事項については、会議録及び会議の提出資料においても非公表
とし、意思形成過程情報である会議録については当該意思形成が終了したのちに公表する 取り扱いとしてはどうか。 会議の公開については、資料3の「枚方市文化財保護審議会傍聴要領(案)」に従って実 施することを考えている。 会議、会議録及び提出資料の公開・非公開は、審議会で諮ることとされているため、ご 審議いただきたい。 土井会長 ただ今、事務局から審議会の公開等に関する説明があったが、審議会そのものは公開と いう原則に立って行うということだ。ただ、個人情報等を含む、あるいは、事業に何らか の支障をきたすおそれがあると、この審議会で判断されたものに限っては非公開でいきた いということかと了解したが、それでよろしいか。この件について、何かご意見があった らお願いしたい。 井上副会長 昨年度までは、どのような扱いだったのか教えていただきたい。 〈事務局〉 本審議会については、平成6年度発足以来、市指定文化財に関する諮問に関する審議や、 調査、史跡整備に関する意見を伺うということで、個人情報を含むものや意思形成過程に 関する情報といった非公開情報が含まれる案件が多かったため、非公開を前提で運用して いたが、今回、「枚方市審議会等の会議の公開等に関する規程」に基づき、一定、整理さ せていただいた。 土井会長 私の個人的意見だが、公の宝・文化財についての審議では市民の皆さんにできるだけわ かっていただきたいということから、公表がいいと思っている。ただし、個人の損益等に 関わることについては、やはり非公開とするのが順当だと思っているが、皆さんの意見は どうか。 宮野委員 文化財の場合、どうしても土地とか不動産・動産に関わることが出てくる。そのあたり は、府の方でも個人情報とかという形で非公表としており、配慮は必要だと思う。 奥田委員 個人の利益になることで傍聴される可能性がある時は非公開にした方がいいと思う。そ れは、どこの行政機関でも行っていることかと思う。 川畑委員 私も非公開の部分があってもいいと思う。 田委員 建造物は外から見て、物がある限りは丸分かりの世界ではあるが、他の分野、書跡や工 芸品などは、売買できるような品物をもっていると、今、ネット社会なので、どこに何が あるかすぐにばれてしまう。これが怖いという感じはある。 土井会長 事務局案からご提案いただいた取り扱いでよろしいか。 田委員 傍聴ができるとなったらどうなるのか。 土井会長 その時は傍聴していただくことはなく、非公開として開催すると、そういうことでよろ しいか。 〈事務局〉 非公開とした案件は傍聴していただけないということで、公開とした案件では傍聴して
いただく。 柏木委員 個人蔵の寄託品については、相続にも関わってくるので、非公開が基本だが、どのよう に対処するのか。 井上副会長 基本的には事務局案に賛成だ。複数の案件が集まった場合、その都度、審議会で公開・ 非公開を決めるのか。おおよその方針があって当てはめるのか。 〈事務局〉 今回の場合、報告の(1)の①②が公開、それ以降は非公開となる。原則に従い、前半に公 開の案件、後半に非公開の案件とし、公開部分のみ傍聴していただく。 土井会長 前もって、公開・非公開については、会長・副会長に相談し、決定するということでよ ろしいか。 (異議なし) 土井会長 それでは、お諮 はか りする。 本審議会の会議は、「枚方市文化財保護審議会傍聴要領(案)」に従って公開とするが、 市指定文化財及び登録文化財の指定及び登録、各種文化財調査、「歴史文化遺産の保存と 活用のための整備構想」策定や、特別史跡百済寺跡再整備事業、楠葉台場跡保存整備事業 などの進行中の事業については、枚方市情報公開条例第6条の規定による非公開情報が含ま れるもの、すなわち、「個人に関する情報」または「意思形成過程情報」に該当するため 非公開とし、会議録は作成の上、それらの事項を除いて公表とすることに、異議はないか。 なお、「意思形成過程情報」については当該意思形成が終了したのちに公表するという ことでよいか。 また、審議会の提出資料等の取り扱いについても、会議の公開・非公開と同様の取り扱 いとしてよいか。 (異議なし) 土井会長 異議なしと認め、本件については、ただいま申し上げたとおりに決定する。 報告(1)平成26年度文化財関係事業について ① 枚方市登録文化財の登録 土井会長 それでは、報告に入る。傍聴を希望される方は、入室を。 (傍聴者なし) 「報告(1)平成26年度文化財関係事業について ① 枚方市登録文化財の登録 につ いて」事務局から説明をお願いする。 〈事務局〉 平成25年度に制定した枚方市登録文化財に関する要綱に基づき、前回の保護審議会で登 録することが妥当というご意見を頂戴した「宗左の辻の道標」「明治十八年洪水碑」「仁 明天皇外祖母贈正一位田口氏之墓」の3件の登録文化財候補について、本年4月1日付で 枚方市登録文化財に登録した。 市民への周知については、広報ひらかたに掲載するとともに、資料4のとおり市のホー
ムページで写真と説明を掲載している。 土井会長 この件について、委員からご意見・ご質問があればお願いしたい。 新しい委員もおられるので、前回、登録文化財にする時に懸案として出たことについて、 事務局から簡単に説明していただいたらどうか。 〈事務局〉 登録文化財制度については、文化財保護審議会の中で、数年前から議論を重ねてきた。 3年位前に、要綱案を作ったが、その中で登録する文化財の種別について、当初、無形文 化財が抜けていたこともあり、枚方市文化財保護条例と同じようにカテゴリーを合わすべ きでないか、また、指定の受け皿として指定候補の位置付けもあるとの意見をいただき、 整理しなおした。もうひとつは、国の登録文化財制度では、鋳物のプレートを交付し建物 にわかるように設置するが、そのようなものを作ってはどうかという意見をいただいた。 しかし、市では建造物に限らないため設置が難しく、今回登録したものでは、道路上の道 標と洪水碑、それから、仁明天皇外祖母の墓は史跡でありプレートの設置ができない。そ のうち、洪水碑と田口氏の墓は、説明板を設置しているが、更新する時に、市登録文化財 であると周知することは可能。しかし、宗左の辻は道路上にあるため、看板を設置するに も通行の妨げになることから説明板の設置は難しいというところもあり、課題となってい る。 土井会長 ただいま説明のあった内容について、委員の皆さんから質問、意見等はないか。 (意見なし) 土井会長 よろしいか。 報告(1)平成26年度文化財関係事業について ②啓発普及事業について 土井会長 それでは、引き続き「報告(1)平成26年度文化財関係事業について ②啓発普及事業 について」事務局から説明をお願いする。 〈事務局〉 資料5の文化財連続講座のチラシをご覧いただきたい。平成20年度から24年度まで国庫 補助金を得て実施してきた交野ヶ原をテーマにしたシンポジウムに代わり、昨年度から文 化財連続講座を実施している。公益財団法人枚方市文化財研究調査会と共催で、前年度に 実施した発掘調査の報告会と枚方の歴史に関連した講座を4回実施した。昨年度の参加者 数は、延べ323人だった。 今年度は南海道と東高野街道を統一テーマに開催しており、7月の第1回目では平成25 年度に実施した調査の報告会と「東高野街道以前の道」を上杉和央先生にご講演いただき、 参加者は91人だった。2回目は9月13日(土)に開催予定。 次に資料6の市民歴史講座「ひらかた歴史探検隊~枚方宿を歩こう~」のチラシをご覧 いただきたい。こちらは、これまで文化財課の講演会や講座に参加することの少ない子ど
もとその親世代を対象とし、枚方市の歴史や文化財に興味を持ってもらうことをねらいと して、平成24年度から開催している。募集は主に小学生と保護者を対象としている。 枚方宿を自由に歩きながら、資料2枚目の「枚方宿発見マップ」の点線枠に3枚目の写真 を貼っていって地図を完成させ、その中で発見したことを4枚目の「れきし発見メモ」に書 いてもらう。最後に、鍵屋資料館の大広間で、参加者全員で地図を完成させながら、発見 したことを発表し合い、共有化していく。 夏休み期間中の平日と休日の午前に行い、大人・幼児まで含めて今年は12組40名の参加 があった。 夏休み中なので、天候に恵まれると大変暑く、脱水に気をつけながら、職員を沿道に配 置し、説明も加えながら行っている。 これまで、高齢者がお客さんであるものが多く、若い人や子どもが参加することがあま りなく、年に2回だけこの講座をやっているが、もし他市の事例などがあれば是非教えて いただきたいと思う。議会などでも、子どもに対する周知をどうやっていくのか、しっか りするよう常に言われている。 次に東高野街道啓発普及事業についてご報告する。昨年の市政運営方針で、東高野街道 の整備があり、出屋敷地区において今も面影が残る東高野街道は、京街道が整備される以 前から山城と河内を結ぶ重要な陸路であったことから、当該地区の東高野街道を整備し、 歴史の道として広く周知していく予定だ。 枚方市を含めた北河内7市で毎年開催している「生涯学習広域講座おおさかふみんネッ ト北河内ブロック」、これは7市のうち輪番で4市の文化財等を歩いて廻る4回連続講座 だが、昨年枚方市の開催で10月6日に、京阪牧野駅から山田池公園まで穂谷川沿いに歩き、 途中、東高野街道を紹介した。 また、資料7のホームページを印刷したものをご覧いただきたい。本年4月から、市ホ ームページで東高野街道を紹介するページを掲載している。 枚方市域において東高野街道は、現代の幹線道路と重なっている部分が殆どで、わずか に出屋敷地区と、南の茄子作、本尊掛松付近の交野市境しかない。さらに、集落内を通過 するのは出屋敷だけなので、出屋敷地区の区間を景観舗装するとともに、説明板や案内板、 ベンチや四阿など備えたポケットパークの設置も検討すべく、庁内関係部署と連携しなが ら事業に着手したところだ。今年度は舗装等の設計を行い、来年度から整備工事に着手す る計画だ。 土井会長 大変手間のかかる、努力のいる事業をやっていただいているようだが、今の補足説明を 含め、ご質問、意見あるいは新しいアイディアをお聞かせいただきたいと思うが、いかが
か。 井上副会長 この(見本で回覧している)ファイルは、今年参加した人のものだが、最後はお返しに なるのか。 〈事務局〉 はい。参加者に持って帰っていただく。回覧しているそれは、職員の家族が参加してい て、見本として借りてきたものだ。 井上副会長 マップを参加者の皆さんで作成するという話だったが、それは鍵屋で展示するのか。 〈事務局〉 展示はしていない。最後の集合場所の鍵屋大広間で、皆で自分が作ったマップを持ち寄 って、大きなマップを作り共有化しているが、それを他の人に見ていただくということは ない。 井上副会長 事業が終わった後で、鍵屋に例えばスペースがあってそこに貼ってあれば、「僕の作っ たマップが貼ってある」ということで話題になって、違う動きも出てくるのかなと思った。 そういうものがあってもいいかなと。 〈事務局〉 自分が作ったマップは自分で持ってかえるが、大きな地図を皆で見ながら作っていくの で、それについては鍵屋で持っているはずだ。それを何かの形で見ていただくということ については、検討させていただく。 井上副会長 この見本は何年生が作ったものか。 〈事務局〉 小学3年生だ。 井上副会長 すごくいっぱい頑張って書いている。小学生だから難しいから分からないだろうと大人 は思いがちであるが、子どもは子どもで自分なりに感ずることがあると思うので、どうや って参加してもらう機会を作るのかということが大事だと思う。 土井会長 これは、世話するのが大変だと思う。限られた人数で、安全も確保して。なおかつ、目 的を達成するために一生懸命やらなあかんということで手間隙のかかる事業だと思う。 田委員 イベントではないが、子どもが小学生の時に守口市に住んでいたが、夏休みの宿題で自 分たちの町を発見するマップを頑張って作っていた。大銀杏だとか、地図を描いて。あの 頃は、デジカメはなかったが、自分で写真を撮ってやっていた。自分たちの町のことを何 か見つけようとするような宿題は今も学校であるのか。 〈事務局〉 小学校3年生のカリキュラム「わたしの町 みんなの町」わたしという単元がある。そ れに合わせる形で。 田委員 もっと拡大してはどうか。 〈事務局〉 ただ10組という定員があるので、あまり拡大はできない。そのへんもあって、小学校に 対して参加してくださいというのは近隣のところに止めている。勿論、広報にも載せてい るが。 土井会長 こういうのはボディブローのように10年後、20年後にジワーと効いてきて、例えば、学 生時代に枚方を離れた時に「俺の生まれた町は」と他の地域の人に話をできるという、な
かなか成果は目に見えないが非常に良い試みだと思う。 柏木委員 どのような広報をおこなっているのか。主催者からすると多く来すぎたら困るけれども、 少なければ残念感があると思うが、広報としてはどのような活動をしていて、今の定着具 合はどんな感じか。 〈事務局〉 連続講座については、会場の定員自体は机で3人掛けであれば百数十人だが、2人掛け で丁度良い位で百人ちょっとだ。テーマによって応募が多いか少ないかはあるが、うちで は広報ひらかたが月1回配布されるのと、あとホームページに載せるのが大きな手段であ る。その他に、開催するごとにアンケートを書いてもらっていて、その中に、今後このよ うな講座の案内を差し上げてもいいかというのをお聞きして、メールアドレスや住所を書 いていただいて了解を得てメールや葉書でお知らせする。枚方市以外の方でもご案内する ことで一定の固定客というか、そういう方はおられる。テーマによって人数の多い少ない はあるが、何パーセントということは言えないが、傾向として古代史とかは結構関心が高 いということはある。去年民俗関係の体験をやった時には、人数はかなり少なかったけれ ども、逆に古い釘に椿油を塗る錆び止めを実際にやってもらうには、逆に人数が少ないほ うが良かったということもあり、人数だけで捉えたくないというのはある。 土井会長 他によろしいか。 (意見なし) 報告(1)平成 26 年度文化財関係事業について ③特別史跡百済寺跡再整備事業について 土井会長 それでは、次に「報告(1)平成26年度文化財関係事業について ③特別史跡百済寺跡 再整備事業について」に移るが、この案件以降は、非公開となる。 それでは、事務局から説明をお願いする。 〈事務局〉
お手元の資料「特別史跡百済寺跡再整備基本計画」をご覧いただきたい。 特別史跡百済寺跡の再整備については、5名の学識経験者による再整備検討委員協議会 を組織し、平成17年度から事前の発掘調査に着手した。平成23年度に基本構想を策定し、 このたび平成26年3月付で基本計画がまとまったものである。内容の概略についてご説明 する。 まず、第1章・第2章で再整備事業の目的、計画対象範囲、第3章では史跡等の概要と 現状、第4章については、これまでの昭和7年、昭和40年、それから今回平成17年度以降 の基礎的な発掘調査の成果。それから、今回の調査で明らかになった再整備に伴う問題点 を、第5章で再整備へ向けての課題ということで、保存上の課題・整備上の課題、活用上 の課題の3つに分けて解説している。 ここは昭和40年に発掘調査があって、41年から42年にかけて整備が行われた。そこから 更に40年以上を経た今回の再整備事業だが、第5章であげている課題の中でいくつか説明
させていただく。 まず、樹木だが、公園なので木が植えられているが、樹木の根が地下の遺構を破壊して いる状況が明らかになっている。それと当該地は、地面が真っ平ではなくて傾斜があり、 雨が降るとどんどん土を持っていってしまって、被りの土がなくなってきており、遺構の 保存上問題がある。そういう物理的な課題とともに活用上の課題もあり、百済寺単独では なく周囲の歴史遺産とどのようにネットワークを結んでどのように地域の皆さんにきてい ただくかという、そういう課題の解決に向けて第6章で再整備の基本方針を定めている。 58ページだが、第6章は再整備の理念ということで、下段の四角書きで4つの理念を挙 げている。その理念に沿い、59ページの再整備の基本方針を進める。寺域の保全について は、遺構を保存するということ、それから、先ほど申し上げた樹木成長の悪影響の排除、 それから、表土流出対策という3つによって寺域を将来に向けて保存していこうというも のだ。 次に(2)に古代寺院景観がイメージできる整備についてだが、現状、史跡公園という ことで、樹木が地下もそうだが、枝もいっぱい張っていて、古代寺院の跡であるというの が、なかなかわからない状態である。これについては、寺院の跡であるということがわか るような整備をしていこうということである。ほかにもいくつか古代日韓交流史の情報拠 点であるとか、出土遺物をどうやって保存していくかということも課題となっている。 第7章についてだが、全体の計画及び個別計画ということで、62ページでゾーニングを 行っている。色分けをしているが、まず1つ目のアプローチゾーンについて、これは、府道 枚方茨木線から百済寺までの間の三角形の黄色い部分だが、ここは現状は民家が建ってお り、今すぐここを買収して何かするということができない。それで長期的にはここを百済 寺のアプローチゾーンとして、ガイダンス施設であったり、駐車場であったり、利便施設 を持ってくるということで、ここは今回の整備では計画の中にいれるが、実質今は触らな い状態になる。 2番目のエントランスゾーンというのは、ちょうど伽藍の南側であるが、寺院は南側を 向いて建っているので、ここは正面にあたる。現在は、東側から百済寺へ出入りするよう になっていて、本来の南門から入っていくことは、できない状態になっている。今回、で きれば、南からのアプローチを考えていたのだが、南門の基壇を復元すると道路上にはみ 出たりするのがわかってきて、このゾーンはエントランスゾーンとしているが築地塀を立 体復元したいと思っている。 3番目の歴史体験学習ゾーンはいわゆる中心伽藍のところであり、南側から見ると中門 があって、そこから左右対称で東西の塔を囲って回廊が金堂につながっていくという範囲 である。このゾーンについては、建物は復元しないが基壇は立体復元して、基壇の外装ま で復元しようと考えている。
4番目の憩いの広場(僧院・付属院地)だが、公園の利用者が朝夕、散歩であったり、 体操であったり、ご利用されているので、憩いの広場と名前のとおり、なるべく樹木の植 栽を残すようなゾーンを設けている。 5番目の百済王神社境内地ゾーンについては、神社の地面の下にはお寺の遺構が残って いるだろうと想定されているが、現在、百済王神社が機能しているので、現状のまま手付 かずの神社ゾーンということで、ゾーニングを行っている。 次に個別計画についてだが、69ページに樹木伐採計画図を載せている。寺院の遺構の上 に木が生えているのは、赤い丸で示しているところになる。68ページの写真だが、「基壇 が著しく攪乱された部分のみ抜根」と書いている。ここは西の塔のところであるが、楠の 根が張ってしまってどうしようもない。また、更に成長し続けているということだ。ただ 問題になるのが、ここは公園なので、木を切るということに関して反対する意見はかなり あった。実際、新聞報道もされたのだが、我々としては遺構に影響がある木は取り除く、 影響のないところは逆に植えていきたいという説明を、土地の所有者が百済王神社なのだ が、神社の役員さんたちと現地で、「この木はこうですよ」「この木はこうですよ」と1 本1本説明しながらご了解をいただいて、こういう計画に至っている。 基壇上に生えている木は、なかなか立派な木もあり、市民が選んだ枚方八景、枚方の代 表的な景色の中でも「百済寺の松風」というものに選ばれていて、松も枝ぶりの良い木が 基壇の上に立っている。講堂の上にもかなり立派な木があり、植えられた当初は細い木だ ったのだが、数十年経て、非常に見栄えの良いような感じの木になっているけれども、こ れが遺構を傷めているので取り除かせてほしいと。抜根まですると遺構を壊してしまうの で、伐採をして腐るのを待つ。手法については、また検討していく。 81ページの植栽計画図については、先ほどの伐採計画図とセットで説明させていただく。 保護育成する植栽帯は、緑の薄い網が掛かるところだが、遺構に影響がないところでは育 成していくということでご了承いただいている。 80ページに遺構表示計画平面図に出している太い線で囲んでいるところについては、基 壇の外装とも立体表示を検討する案としている。西の塔・東の塔をご覧いただきたい。東 の塔は太い線、西の塔は細い線であるが、これはどういうことかと言うと、東の塔につい ては盛土をして遺構保存して基壇を復元する。そして、西の塔については、当時の礎石の 残りがいいので、それをそのまま見ていただきたいということで、盛土をせずに基壇の外 装もしないという形で検討している。 77ページの断面図をご覧いただきたい。A案が東の塔の案で、現状のところからベース の地面も、基壇のところで残っているところも盛土をして、当時の基壇の高さを忠実に復 元する。B案というのは、本物の礎石を基壇の上面に見せるということで、ここはベース の地面を盛土すると低い状態でしか表現できないが、当時の礎石をそのまま見ていただく
ことができるということで、東西の塔の表現を変えている。後ろの方にイメージ図がある。 そこで、西の塔と東の塔の違いがわかっていただけるかと思う。そういった形で、東塔・ 西塔の立体表現を検討している。 それと一部、建造物の立体復元をしたい。勿論、門であったり、塔であったりという復 元はとてもお金がかかるので、実際、真正性というのは問題になるので、築地大垣を復元 したいと考えている。特に南側の正面で、地形から言って南東角、府道から見通しがきく ということで、南門から東へいって、南東角から北へ上がって東門のところまでを想定し ている。ただし、どの部分を復元するのかというのは予算の関係もあって、庁内協議で決 めていく。先ほどの63ページだが、イメージ図で築地塀が復元されている。全部で110mあ るが、これを全部復元するかどうか、どこまで認められるかが問題になってくる。 それと、工法の問題もあり、現代工法で復元するのと、版築で当時の工法で修復するの とでは値段がとんでもなく変わってくる。こちらとしては、一部だけでも版築でできれば と考えている。ただ、版築でやると維持管理が大変で、十数年位で壁が落ちてきたりとか、 メンテナンス・維持管理費用が掛かってくる。その辺りのバランスの取り方をどうするか 検討中である。 今年度の予定だが、基本計画ができ、同時に基本設計も終わっている。今年度について は、いよいよ造成工事の実施設計になる。合わせて、築地大垣の建造物復元設計を行う。 これは、文化庁の審議会でOKをもらわなければいけない。年度末には、支障木の伐採に 入っていく、という段取りになっていて、来年度以降は本格的に造成工事を始めるという 予定である。 土井会長 数年前だったか、西塔の発掘調査の時、この審議会でも調査の最中、お邪魔した。改め て一級の遺跡であるということを実感したが、今の説明に対して、奥田先生、何か一言。 奥田委員 一番問題になっているのは植生の問題だと思う。これはどこでも問題になっていて、高 野山であっても、根本中堂のところの木を切ってしまったらいいということで、それで最 近揉めまくっている。木が倒れた時に建物に木があたると困ると、半分切ってどうとか、 結局ある程度間引いてあと半分を切るとか。 〈事務局〉 室生寺でそういうことがあった。 奥田委員 室生寺の五重の塔が破損した。それともう一つは、桜井市にある宮内庁が管轄している 大市墓という大きな古墳だが、その場合であったら、木を植えていたらそれが根起きした。 10年ほど前の台風の時に、5m位の大きな穴がぼこぼこ空いて、根がころっとひっくり返 って下の遺構を全部潰してしまった。そういうふうなことがある。 今回の場合、松の根が影響していると言えるけれども、大きくなった木の場合は、その 木が倒れた場合も想定することで、残すならなるべく低い木であまり風に影響しないよう な木。そういうことは、八景の話とは逆になるが、根が破壊することも倒れることも想定
しないといけない。 それから、水が流れるというので上の方に砂利を敷くというのもあるが、それともう一 つ、何か植生で、草でも植えたら水に流れが止まる。そんなこともあると思う。 それと西の塔のところだが、そのまま礎石を展示するということだが、いけるかなとい うのはある。明日香の場合はお金がないから、お金がついたら全部上からプラスチックを 被せていって、歩いたらボコボコいう。川原寺の場合は、ほとんど上からプラスチックを 被せていっている。そうしたら業者は値段を叩くもんだから、この礎石だったらこのレプ リカでいけるだろうという型があって、同じ形の模様の礎石がボコボコできる。だから、 こんなにきれいに並ぶのかと、これとこれは同じやでと、見に来た人がいう。 実際、露出展示した場合に破壊されるという不測はあるので、それをどう考えるのか。 人も登ってみたいと思うだろうけれど。 〈事務局〉 現状は露出展示している。逆に、高さというのは、当時の高さに礎石があり、周りは盛 土されているので、あまり高さがない。基壇の高さがあって、礎石はそのままというのは 確かに絵になり写真をとったりするけれども、子どもがドングリをトントンやってみたり、 管理で周りを草刈している鎌の刃がカンカン当たったり、そういうふうな状況があるので、 教育委員会としては、最初は全部覆ってしまって復元という形を考えていたが、検討委員 協議会の中でいろんなご意見、本当に賛否両論あって、半分半分というところで落ち着い たということだ。石だけ破壊するという訳ではないが、子どもがいろんな遊び方をして自 由に出入りできるので、そういうことは危惧されるところではあるが、本物を見せたいと いう意見も一方であって、そのちょうど中間ということである。 奥田委員 どちらかに決めることはできないと思う。それと、ここに寺の復元を目指してと書かれ ているが、法隆寺とかもそうだが、元々この寺には木が生えていないはずだ。だから、な るべく復元するというように考えてもらう方がいいと思っている。 〈事務局〉 中心伽藍の中については、高い木は1本もない状態にしたい。今はいくつか生えている が、公園なので周辺のところでの緑陰が必要になる。この辺を切り分けていきたい。 奥田委員 今ちょうど大和郡山城の天守台の石垣が崩れて張り出してきているので、修復するため に植えてあった木を全部切ってしまった。 〈事務局〉 それは問題にはならなかったのか。よそで城の桜の木を切って問題になったことがあっ た。 奥田委員 それで問題になっていることは確かだが、問題になってもある程度まで切ったら言わな くなる。とにかく今は天守台の上の木は全部切ってなくなってしまっている。だから、こ こも何やかんやと言われたとしても、寺をきちんと復元するということで、ある程度まで 苦情がくるのを耐え忍んでもらえたら、それでいけるんじゃないかと思うが。 宮野委員 樹木についての新聞報道は読んだが、地元の方の要望や個人の苦情はどうなっているの
か。 〈事務局〉 地元と言っても公園なので、不特定多数の方のご意見を伺うということはしていない。 まずは、土地所有者である百済王神社の役員の方にご説明して、宮司さんも含め神社の中 で諮っていただいてということと、近隣のコミュニティの会長には説明させてもらってい る。新聞報道でインタビューを受けた方は、公園の利用者なので、どこにお住みの方がコ メントをされたのかわからないが、こちらの方としては支障木だけを切らせてくださいと、 神社と地域の自治会・コミュニティのところに説明させてもらったということだ。 宮野委員 植栽・植生については、7~8年前に、遠江国分寺に行った時に、磐田市の担当者から 話を聞いた。後で調べたのだが、あそこも百済寺と同じ昭和26年度末に指定されている。 一番困っているのは木の根で、史跡の場合は造園的手法・庭園的手法ということで、低い 木を植えて囲んで、一望で伽藍配置の雰囲気がわかる手法で整備がスタートしたが、その 木がどんどんどんどん大きくなり、また後に生えた木もあり、まともに基壇のところに根 がいくということで、非常に困っている。地元の話は、聞かなかったが、整備から数十年 たった時点でそういう問題がでてきているということだ。あともう一つ、木が倒れるとい う話があったが、十年以上前か、名勝箕面山で木の枝が枯れて落ち、人が怪我をしたとい うこともあった。植栽管理も必要となってくる。往時の様相、樹木も植えられていたかも 知れないが、史跡整備としては調査成果から本来の姿を追求して復元することが大事なと ころではないかと思っている。 土井会長 他にご意見はあるか。 (意見なし) 報告(2)「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想」について 土井会長 「歴史遺産の保存と活用のための整備構想」について、説明をお願いする。 〈事務局〉 「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想 概要版案」をご覧いただきたい。 本構想は、枚方市における歴史文化遺産の今後の保存と活用についての基本的な考え方 と施策展開の方向性を明らかにしようとするもので、文化財課が事務局となって、教育長 を委員長とする枚方市歴史文化遺産整備構想策定委員会で策定作業を進めており、本審議 会には進捗状況をその都度報告している。 構想案を先日郵送させていただいたが、これまでの委員会でも、分量が多い、内容が難 しいとのご指摘もいただいており、このような「概要版」案も作成している。 また、教育委員会内で検討し、本編の第2章・第4章を中心に指摘があり、修正中であ る。具体的には、これまで長年に亙り収集している民具等について、収集資料としてはボ リュームがあるが、活用というところで記述が少ない、民俗文化財の保存と展示も含めた
活用について記述すべしとのことで、第2章現状と課題のところで若干の文章を加筆する とともに1節・4節の構成を改めているところである。その後、それに対応する第4章2 節を修正し、更に概要版にも反映させる。第2章のところで方向性を変えるのではなく、 若干、加筆し、整理する。 今後の予定だが、策定委員会で確認後、パブリックコメントの手続きに入る予定として いる。昨年度の審議会でもパブリックコメントをするとご説明したが、足踏みしながらち ょっとずつ進んでいるという状況である。 土井会長 「歴史遺産の保存と活用のための整備構想」についてご意見があればお願いしたい。 (意見無し) 土井会長 我々は文化財の保存というところで仕事をしてきた訳だが、20~30年前から活用という ことが文化庁をはじめとして盛んに言われるようになってきた。 我々は、市の指定文化財の諮問に答えるということがメインだったが、これからはどう いうふうに活用していくかということについても、審議会の持っている責任もだんだん大 きくなっていくように思うので、今まだ整理途中ではあるが、今後も引き続きご意見があ れば、教育委員会へ積極的に意見を出していただけたらありがたいと思う。 以上で、本日の案件はすべて終了した。 これで、平成26年度第1回枚方市文化財保護審議会を終了する。