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Cognitive behavioral therapy for depression in Parkinson’s disease patients : a pilot study 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 新明 一星 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医科学 ) 学 位 記 番 号 医工博甲 第321号 学 位 授 与 年 月 日 平成27年3月18日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 人間環境医工学専攻(生体環境学コース)

学 位 論 文 題 名 Cognitive Behavioral Therapy for Depression in Parkinson’s disease Patients: A Pilot Study.

(パーキンソン病患者のうつに対する認知行動療法:パイロット スタディ) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 久保田 健夫 委 員 准教授 新藤 和雅 委 員 客員教授 中込 和幸

学位論文内容の要旨

(目的) パーキンソン病(Parkinson disease; PD)は運動障害だけではなく、うつや不安といった精神症状 を伴いやすいと言われている。中でも、うつは運動症状治療やリハビリテーションの妨げとなり、 QOL の低下と予後の悪化につながる可能性が高い(Global Parkinson's Disease Survey Steering Committee, 2001)。ところが、PD のうつに特化した精神療法のエビデンスは、世界的に見ても 認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy: CBT)の有効性を示した 2 つの研究(Dobkin, 2011, Treoung, 2014)が報告されているのみで、我が国では皆無である。我が国の PD 患者に適した CBT プログラムを開発し、その実施可能性と効果を検証することは、うつによる苦悩を軽減す

るだけでなく、不定愁訴への医療費の軽減、更にはPD そのものの治療遵守の向上に寄与するも

のと考えた。 (方法)

UK Parkinson’s Disease Society Brian Bank Clinical Diagnostic Criteria を用いて、神経内科専門医に

よりPD と診断された者で、HAM-D でうつ症状が軽度(8 点)以上の者を対象として CBT を実 施した。平成26 年度までに開発された全6セッションの CBT プログラム(PDCBT)について、 対照群を置かないオープントライアルにてその実施可能性と有効性を検証した。PDCBT プログ ラムは、患者の負担感を軽減することを目指し、文章を極力減らし、イラストを多様した内容で 構成され、取り組みやすさを重視して作成された。本パイロットスタディでは、①脱落率、およ び有害事象、②PDCBT の有効性を検証することを目的とした。PDCBT の有効性は、主要評価項 目をうつ(Hamilton rating scale for depression: HAM-D、Hospital Anxiety and depression scale: HADS うつ)、副次評価項目を不安(HADS 不安、Over all severity and impermanent scale: OASIS、HADS)、 QOL (Mos 36 item short form health survey: SF-36)とした。PDCBT の実施前、実施後に評価を 行った。

(2)

(結果)

15 名のうつを伴う PD 患者が PD-CBT プログラムに参加し、14 名が完遂した。1名は PDCBT

への負担感が強いことを理由に中断を申し出た。有害事象、脱落は本14 例において発生しなか

った。また、実施前後において、HAM-D (p<.001, Cohen’s d = 1.39)、HADS (うつ, p = .05, d =. 59)、SF-36 (活力: p = .02, d =. 69, 日常役割機能: p = .003, d = .73, 心の健康: p = .01, d =. 79) において有意な改善が確認された。 (考察) 本研究において、我が国のPD 患者に対する PDCBT の実施可能性とその有効性が確認された。 脱落率は先に発表された2つのRCT と同等であるが、不安に関しては有意な改善が認められず、 不安対処スキルの定着には少なくとも2セッションの追加を要するものと予想された。PDCBT 開始時に負担感を示す患者が3人おり、そのうち2人は家族の支援がCBT の完遂に有効であっ たことから、今後は家族を含めた介入も視野に入れることが望まれた。Dobkin は家族介入を含 めた10 セッションからなる CBT 実施群と臨床モニタリング群を比較して、うつの改善 (cohen’s d = 1.57)を報告している(Dobkin, 2011)。これらの点を含め、現 PDCBT にセッション数の追加、 および内容の改善を行うことでより高い効果を見込めるものと思われた。しかしながら、本研究 は、少数例、かつ対照群を置かないパイロット試験であり、フォローアップ評価を含んでいない ためにPDCBT の持続効果を検証できない点や、採択基準や評価方法に不明確さがあることなど が限界として挙げられる。PDCBT の効果を実証するには、無作為化割り付け試験 (RCT: randomized controlled trail)における検証が必要である。

(結論) 本研究において、PDCBT の実施可能性、および有効性が示唆された。PDCBT の有効性を実証 するには、PDCBT を無作為化割り付け試験に耐えうるプログラムに改訂し、RCT による効果検 証を実施する必要がある。

論文審査結果の要旨

パーキンソン病患者の 40%程度がうつ症状を伴うとされてきたが、神経症状にマスクされ、うつ 症状を正確に把握することは容易ではなかった。一方、近年、患者の QOL を高めるためにはうつ症 状に対する対処は重要である認識されるようになってきた。 そこで、パーキンソン病患者のうつ症状に対する認知行動療法の有効性について調べた。対象は、 国立精神・神経医療研究センター病院神経内科に通院しているパーキンソン病患者のうち、薬物療 法が長期わたり安定しており、うつ症状が軽度以上(うつ評価尺度 HAMD で8点以上)の者であった。 患者は平成 25 年8月に3名がリクルートできたのに対し、その後、集まらず、結局翌年になってよ うやく集まった合計 15 例であった。方法は、臨床心理士が実施する 60 分の認知行動療法(6 回実 施)とした。 その結果、HAMD の点数が半分以下と改善した患者は 7 例いた。一方悪化が認められた患者も 2 名 いた。その他の尺度(HADS うつ、HADS 不安、OASIS)の平均得点は認知行動療法によって改善する 傾向を認めた。 以上より、本研究の意義は、対象数の少ないパイロットスタディーであるが、「認知行動療法がパ ーキンソン病患者のうつ症状の改善に貢献することが示唆されたこと」と考えられた。 学位論文及び研究の争点,問題点,疑問点,新しい視点 [争点]パーキンソン病患者間で運動機能や精神症状の重症度がさまざまであり、うつ症状に対する 認知行動療法はこのうちどのようなパーキンソン病患者に有効と考えられるかが争点となった。 [問題点]今回の研究は、認知行動療法を行わない対照患者を設定しておらず、その有効性について

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客観的に評価することができなかったことが問題点として指摘された。 [疑問点]今後、大規模な患者を対象に研究を展開していく際、今回のパイロットスタディーで得ら れたどの知見を活用して、これを実施するかが疑問点として指摘された。 [新しい視点]従来、神経症状が主な治療対象と考えられてきたパーキンソン病患者において、近年、 合併が少なくないと認識され始めた精神症状の治療の重要性に着目した点が本研究の新しい視点と 考えられた。 [データの信頼性] うつ病の改善評価は4種の指標に基づいておりデータの信頼性は問題ないと考 えられた。 学位論文の改善点 提出された論文に対し改善が必要との指摘がなされた。具体的には、専門誌投稿の際に査読者から 指摘された点(グラフの解釈誤りの是正等)、今回の審査委員が指摘した点をふまえて、原稿の論文 を修正し、再提出することが求められた。

参照

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