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アルミニウム及びアルミニウム合金の機械的艶出しについて(第 1 報) 利用統計を見る

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(1)

アルミニウム及びアルミニウム合金の

機械的艶出しについて(第1報)

織岡貞次郎

木下直治

On the Mechanical Polishing of Aluminum

and Aluminum Alloys (I)

TeijiroORIOKA NaoharuKINOSHITA

*理化学研究所 The Scientific Research Institute

Synopsis

 In order to establish the method to obtain the mirror surface of aluminum and aluminum alloy8 in the mechanical pol三shing process, they were machined with P VA grinding wheels and ab頂3ive belts in the constant!oad grinding operations.  Inthe gr三nding process of pure aluminum with PVA whee1亀it is pτeferred to use silicon carbide grains to alumina grains, in regard to the stock removal, the grinding ratio and also the 3urfaceオoughness. Inthe grinding operations of aluminum wilh abrasive belts, it is necessary to use abra8ive belt3 wth strong bonds in the wet grinding process.  The affinity of aluminum with abrasive grains(especially with alumina grains)is noticeable in these grinding opcrations

1緒

言   アルミニウム及びアルミニウム合金を機械的に艶出し  する方法を確立するための予備実験としてPVA砥石及  びアブレシブベルトを用い次の実験を行つた。  1)PVA砥石によりアルミニウム(2S)ならびにヂユ   ラルミンを定荷重研削方式により加工し、研削条件(   砥粒材質、砥粒粒度、接触荷重、研削速度)と研削量   比研削量、砥石減量、研削比、仕上面の表面粗さとの   関係を見出し、その原因について若干の考察を試み   た。  2)アブレシブベルト1こよりアルミニウム(99.8%およ   び63S−F)を定荷重研削方式により加工し、研削時   間に伴う切れ刃数の変化、研削量および仕上面の表面   粗さの変化の状況を調べた。

   2 PVA砥石による研削実験結果

2・1 実験方法 2・1・1 実験条件  1)工作物を重錘による定荷重で砥石の円筒面に接触さ   せ乾式において研削する。  2)砥石寸法 径6吋、巾2吋

 3)砥粒材質 CおよびA

 4)砥粒粒度 #80、#120、#220、#320

 5)砥石硬度M4

 6)工作物寸法 10mm×10mm×厚さ5mm

 7)接触荷重 1kg、1・5kg、2kg、3kg    研削圧力 1kg/cm2 N 1.5kg/cm2、2kg/cm2         3kg/cm2  8)砥石軸回転数    無段変速装置を用い600∼4㎜r・似nに変化させ得る    が、実験したのは        835、 1670、2500、 3340r.p.m    研削速度400、800、1200、1600m/min  9)研削時間 20sec 2・1・2 測定方法  1)研削量は天秤により試験片の重量減少を測定した。  2)比研削量即ち単位走行距離(1m)、 単位荷重(1   kg)当りの研削量は計算により求めた。  3)砥石減量はあらかじめ恒温乾燥器を用い、60°Cに 68

(2)

アルミニウム及びアルミニウム合金の機械的艶出しにっいて(第1報) おいて脱水処理を行つた砥石の重量から算出した砥石 の見掛けの密度と、研削による砥石直径の減量とから 計算した。 4)研削比即ち切屑容積と砥石減量容積との比は、研削 量と試験片密度から算出した切屑容積と、砥石の直径 減量から算出した砥石減量容積とより計算した。 5)仕上面の表面粗さは大越式表面粗さ検査機(縦倍率 1000倍、横倍率50倍)を用い研削方向に直角に測定し

Hmaxを求めた。

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#80のPVA砥石によりアルミニウム(2S)並びにヂ

aラルミソを研削したときの研削量の変化はFig 3およ びFig4に示される。接触荷重したがつて研削圧力が大 になると研削量は大になる。カーブは直線もしくは下向 きに凸であり寸法効果を認めることができる。

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Fig 6 Effect of the contact load     (grinding pressure)  (4)       grinding speed   1,600 m/min       running distance  533 m

 Fig3のアルミニウム(2S)の研削に於てC#80砥

石による研削量がA#80砥石によるそれより著しく大き いことは注目すべきである。他の工作物材質に対する同 様な実験結果、即ちヂュラルミン(Fig 4)7−3黄銅 (Fig5)、炭素工具鋼3種(Fig6)、18−8不銃鋼 (Fig 7)と比較するとき、接触荷重による研削量の変 化の傾向は大差ないが、砥粒材質による研削量の変化の 程度が、即ちC砥石とA砥石によ「る研削量の差が、アル ミニウム研削の場合特に大きいことに気付く。これはア ルミニウムとA砥粒との親和力が強くて研削に際し砥石 の方がかなり減耗することに起因するものと推定され

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Fig 8 Specific stock removal of aluminum       grihding speed  1.600 m/min       running distance   533 m る。事実、アルミニウム研削の場合の砥石減量は後述の ごとくA砥石の方がC砥石よりも多い。又後節のアブレ シブベルトによる加工実験からもこの推定がうなずけ る。  2.2.3 比研削量  上記の通り、接触荷重したがつて研削圧力が大きくな ると研削量は増加するが、研削量の値は接触荷重に比例 する値よ6も更に大きくなる傾向にある。この寸法効果 を明らかにするために、単位走行距離(1m)単位荷重

(4)

アルミニウム及びアルミニウム合金の機械的艶出しについて(第1報)

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 研削速度を変えてC#80およびA#80のPVA砥石に

よりアルミニウム(2S)並びにヂユラルミンを研削し たときの研削量の変化はFigloおよびFig11に示される。  研削速度が増せば同一の研削時間に対する研削量が大 体研削速度に比例して増加するのが常識的であるが、 Fig10のA#80砥石によるアルミニウム(2S)の研削 に際しては研削量は殆んど研削速度と無関係である。実 験誤差を考慮に入れても研削量が研削速度に比例して増 加するとは言えない。その原因は研削速度が大きくなる

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G・i・di・3 Sp・ed(M/mi。) Fig 12 Effect of the grinding speed       (3) grinding wheel A#80 p V A grinding pressure  2 kg/cm2 grinding time   ・20 sec

(5)

と研削熱が大となり研削温度が上昇するためA砥粒とア ルミニウムとの親和力が増大するためと考えるべきでは なかろうか。砥粒と工作物との親和力が大きくなるため 工作物が研削されるよりむしろ砥石の方が減耗して行く ために研削速度の影響が速度に比例という形で出て来な いのだと考えられる。  因に、工作物の材質が異る場合には研削速度の影響は Fig12に示すごとく研削する砥粒の数が研削速度に比例 して増加することのほかに研削熱による温度上昇に伴い 工作物の強度が低下するために、研削量は研削速度に比 例する以上に増加する場合もある。 2.3 砥石減量  2・3’1 接触荷重(研削圧力)の影響  接触荷重したがつて研削圧力が大きくなると1ケの砥 粒にかXる垂直荷重が大となるのでその砥粒の研削する 量も大となり、したがつて大きな研削抵抗のために砥粒 の脱落する量も一般に大きくなる筈である。A#80砥石 による研削の際の荷重1kg、走行距離1m当りの砥石減 量即ち比砥石減量をプロツトしたFigl3を見れば7−3 黄銅および18−8不誘鋼に対する実験結果はこの推定を COnTa・t Loa〆  (k3) (…}「γina!i凋3  アレess“γe  (kS/二 ) Fig 13 Specific wheel abras;on (1)       grinding speed  1.6001n/min      running distance  533 m 72 裏付けるものであるが、アルミニウム(2S)に対する 比砥石減量はこの傾向と全く正反対である。Fig13が単 位荷重当りに換算したものであることに注意するとき、 この事実はアルミニウムを研削する場合はA砥粒とアル

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(6)

アルミニゥム及びアルミニウム合金の機械的艶出しにっいて(第1報) ミニウムとの親和力が大であるために削り屑を作るに必 要な研削抵抗よりもむしろこの親和力に起因して砥粒が 脱落するという前述の推定を裏付けるものと言えよう。  Fig 14に示したC#80PVA砥石1こよるアルミニウム (2S)の研削実験結果に於ては接触荷重の増加に伴い 比砥石減量が増加しているが、これは砥粒材質によりア ルミニウムとの親和力が異ることの一つの証左であろ う。

2・3・2研削比

 研削比即ち切屑容積と砥石減量容積との比はその値が 大きいほど経済的なわけであるが、Fig l5に示すごとく アルミニウム(2S)は7−3黄銅に比し研削比が小で ある。つまり砥石が減耗する割合に工作物を研削できな いわけである。  又、アルミニウム研削の場合はC砥粒の研削比とA砥 粒の研削比との差が著しいが、7−3黄銅研削の場合は 砥粒材質の相異による研削比の差がそれ程著しくないこ ともグラフから明かである。 2・4 仕上面の表面粗さ  2.4.1 砥粒粒度の影響  砥粒の粒度番号が大きくなると、したがつて砥粒の粒 径が小さくなると仕上面の表面粗さが良くなることが予 想されるが、その実験結果はアルミニウム(2S)並び にヂユラルミンに対して夫々Fig 16およびFig17に示さ れる。  2・4・2 接触荷重(研削圧力)の影響  接触荷重したがつて研削圧力が大きくなれば一般に研

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Fig 19 Effect of the contact load     (grinding pressure)  (2)       grinding speed   1,600 m/min       running distance  533 m よるそれより良好である。これらのことは定性的には Fig13およびFigl4に示した砥粒材質による砥石減量の 差から説明できる。  2・4・3 研削速度の影響  研削速度による仕上面粗さの変化はアルミニウム(2 S)並びにヂユラルミンに対して夫々Fig20およびFig 21に示される。研削速度1,200m/minに於て表面粗さが 最も悪く研削速度1,600m/minに於て表面粗さは却つて 良くなつている。その原因はよくわからない。或いは表 面粗さをHmaxだけで表示しているための誤差かも知 れない。

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3.アブレシブベルトによる研削実験結果

3.1 実験方法 3.1.1 実験条件  1)工作物を重錘による定荷重でコソタクトホイール  上のアブレシブベルト表面に接触させ、乾式および  湿式(研削液:水)にて研削する。  2)コンタクトホイール

 a)材質 ゴム(硬度JIS55)

 b)寸法径8吋×巾4吋

 3)アブレシブベルト  a)接合研摩ベルト(光陽研磨材KK製)    1 Resicoat……特殊処理を施した膠ボンドタ       イプ。乾式用

   2 WET3S…全合成樹脂接着剤ボンド。湿式

(8)

アルミニウム及びアルミニウム合金の機械的艶出しについて(第1報)          用。 b)エンドレス研摩ベルト………膠ボソド    (JIS・R6254−1957のもの)(基材:袋織)

c)寸法…………100mm×1525mm

4)砥粒材質(研摩材によるベルトの種類)^ a)AA(溶融アルミナ1級、本実験に使用した研   摩iベルトの研摩材は人造研削材2A) b)CC(炭化ケイ素1級、本実験に使用した研摩i    ベルトの研摩材は人造研削材2C) 5)砥粒粒度主として#80、ほかに#60

6)工作物

a)材質 1

     2      3 純アルミ=ウム 99.8%アルミニウム 63S−F (CuO.10、 Si O.2∼0.6 Fe O35、 MgO45∼O 85、 Zn O.10 Cr O.10、 Tio.10、残りAl)

  b)寸法 10mm×10mm×長さ数十mm

 7)接触荷重 05kg、1kg    研削圧力 05k9/cm2 1k9/cm2  8)コンタクトホイール回転数        1,700r.pm.i 2.820r.pm.   研削速度 1,090m/min、1,800 m/min 31.2.測定方法  1)研削量は天秤により試験片の重量減少を測定する   か、叉はノギスにより試験片長さの減量を測定し   た。  2)仕上面の表面粗さは大越式表面粗さ検査機(縦倍   率310倍)を用い研削方向に直角に測定してHmax   を求めた。  3)アブレシプベルト表面における砥粒切れ刃数は・   試験片と等しい大きさのガラス板(10mm×10mm)   に軽油の煤を厚さ7μ程度につけ、接触荷重に等し   い荷重でベルト上に押付け、煤についた切れ刃のあ   とを引伸した写真を作り、その数を数えることによ   り求めた。  3・2 予備実験  純アルミニウムをCC#80 Re・sicoatベルト並びに AA#60エソドレスベルトにより乾式定荷重研削した ときの研削時間と1分間当り研削量の関係はFig 22に 示される。  アブレシブベルトの処女面は研削能力が大きいが、研 削を続けて行くと研削能力が落ちて来る。砥粒が著しく は脱落もしくは目潰れをしない工作物材質に対してもア ブレシブベルト加工における研削時間と研削量の関係に ついては同様な結果が得られているが、その原因は処女 面では砥粒切れ刃尖端の高低が不揃いであるために少数 の砥粒切れ刃が研削に与り、その結果1ケの砥粒にかx ’ハ   00

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(10)

7ルミニウム及びアルミニウム合金の機械的艶出しに・ういて(第1報)

 AA#80およびCC#80のResicoatベルトを用いて

アルミニウム(63S−F)を研削したときの研削量、仕上 面の表面粗さ及びそのときのベルトの切れ刃数をFig25 およびFig26に示す。  それらの傾向はFig23およびFig24と大差ないが、 (1)A砥粒とC砥粒とで研削性能に大差がないこと。 (2)研削時間に伴う切れ刃数の増加の割合、一分間当り  研削量の減少の割合が998%アルミニウムほど著しく  はないこと、したがつて仕上面表面粗さの研削時間に  よる変化が殆んど認められないことに気付く。  これらの現象はPVA砥石による研削の場合と同様に 工作物の材質に応じて(僅かな不純物によつても)砥粒 と工作物との親和力が異ることを示すものであろう。  3.3.3 袋織エンドレスベルトによる研削  アルミニウム(63S−F)をAA#80袋織エンドレス ベルト(膠ボンド)で研削した結果をFig・27に示す。  このデータをFig25と比較すると、(1)研削量が半分程 度であること。(2)切れ刃数の増加の割合が著しいことに 気付く。その原因はこのベルトの接着剤の砥粒を保持す る力が小さいことから説明されると考えられる。  尚、切れ刃数が研削時間5分で急に減少することはベ ルトが坊主になつてしまつたことを意味する。

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Fig 29 G rinding of aluminum with     CC#80 WET 3 S belt      grinding pressure  O 5 kg/cm2      grinding speed  l,090 m/min 3・4 湿式研削

 耐水性のWET3Sベルト(砥粒はそれぞれAA#80

並びにCC#80)を用い研削液として水を注いで純アル ミニウムを研削した結果をFig28およびFig・29に示す。  研削圧力が05kg/cmz、研削速度が1,090 m/minで あるから、研削液の冷却作用並びに接着剤強度の影響を 無視すれば、Fig.23およびF ig・ 24の乾式研削に比し

(11)

研削量は約ラ4になる筈であるが、実験結果は略同程度の 研削量を示している。又、研削時間に伴う研削量の減少 の割合も乾式研削ほど著しくない。これは水による冷却 作用のため研削温度の上昇がおさえられ接着剤の砥粒保 持力がそれ程弱くならないためと考えられる。 3・5 要 約  アブレシブベルトによる研削に於ては、研削の進行に 伴い砥粒が脱落すること、それに伴いベルト表面の砥粒 切れ刃尖端の高さが揃つてくること並びに砥粒尖端が磨 滅することのために、研削時間と共に単位時間当り研削 量は減少し仕上面の表面粗さは良くなる。したがつて、 研削量でなく仕上面の表面粗さが問題になるときには若 干使用したあとのベルトを用いる方が良い。  純アルミニウムを研削するには耐水性のアブレシブベ ルトを用い注水冷却しながら研削することが研削量の点 から不可鉄である。

4.結論および今後の見通し

 アルミニウム合金の研削に対しては鉄系もしくは銅系 金属を研削する際の考え方をそのまま大過なく適用でき るが、純アルミニウムを研削する場合にはアルミニウム と砥粒との親和力が大きいためにかなり難しい問題が横 たわつている。  純アルミニウムを機械的に鏡面仕上するためにPVA 砥石を使用することはかなり有望で、C系統の砥粒を用 いボソドの強さを適当に選べば可能なのではなかろう か。但し、鏡面仕上の能率を考えるときには前加工面の 表面粗さを考慮する必要があろう。  アブレシブベルトにより純アルミニウムを研削するこ とは膠ボンドのベルトでは研削量の点から無理である が、ボソドが強くしかも耐水性のあるアプレシブベルト を湿式で用いればかなり有望であろう。研削量の大きい 点から言つて鏡面仕上工程の前加工面を仕上げるのにア プレシブベルトを効果的に使用できる可能性は十分ある ように考えられる。

5.謝

辞  この研究に対して補助金を頂いた財団法人軽金属奨学 会、アブレシプベルト加工に関し種々お世話になった光 陽研磨材K・K・遠藤幸雄氏並びにアルミニウム試料にっ き御配慮頂いた日軽アルミニウム工業K・K・大月健市氏 に厚く御礼申上げます。 78

参照

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