• 検索結果がありません。

「Society 5.0」に向けた学校の変革を実現するカリキュラムマネジメントに関する基礎的研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "「Society 5.0」に向けた学校の変革を実現するカリキュラムマネジメントに関する基礎的研究"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

「Society 5.0」に向けた学校の変革を実現する

カリキュラムマネジメントに関する基礎的研究

安 藤 雅 之

Fundamental Study on Curriculum Management to Realize School Change Toward “Society 5.0” Masayuki ANDO 抄 録  「超スマート社会」と称される「Society5.0」は、AI 等の先端技術によって学びの質を加速度的 に充実、発展させる社会であり、学校にとっては新たな「『学び』の時代」1)の到来を意味する。 そのため学校は様々な教育資源等を活用しながら「教育の質保障」に向けたカリキュラムマネジメ ントシステムを確立し、子どもが新たな価値を見出し創造するという「発見・探究型の学び」を保 障する「意味空間」とならなければならない。 キーワード  意味空間 Study 学校の強み 融合カリキュラム PDCA サイクル * 常葉大学教育学部/教職大学院 研究論文 はじめに  急速に IoT(Internet of Things:もののイン ターネット)、ロボット、AI(Artificial Intelligence: 人工知能)、ビッグデータ等の先進技術が進展す る今日、これらを活用することで新たな価値を創 出し、多様なニーズ等にきめ細かく対応したモノ やサービスを提供することができる新たな時代- 「Society 5.0」が到来しているといわれている。  「Society 5.0」とは、2016 年 1 月 22 日に閣議 決定され、日本政府が策定した「第 5 期科学技術 基本計画」において、狩猟社会(Society 1.0)、 農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、 情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を 指す用語である。本計画「第 2 章 未来の産業創 造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組」の 目次には「(2) 世界に先駆けた『超スマート社会』 の実現(Society 5.0)」と明記され、今後我が国 が目指すべき未来社会の姿として明示されたので ある。  内閣府は「超スマート社会」としての「Society 5.0」について、「必要なもの・サービスを、必要 な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の さまざまなニーズにきめ細かに対応でき、あらゆ る人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、 地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き 活きと快適に暮らすことのできる社会」2)と定義 している。現代社会(Society 4.0)は必要な情 報を見つけて分析・共有することが困難な状況と なっている。また少子高齢化や地方の過疎化等の 社会的課題も山積している。これらを解決する方 法として、日本政府は、IoT や AI 等の最新テク ノロジーの活用によって課題を解決し、一人ひと りが快適に暮らせる社会の実現を新たに目指すこ とにしたのである。本計画は 2020 年までの 5 年 計画となっているが、明らかにそのビジョンは 2020 年より先の世界をも視野に入れた計画であ ると解釈できる表記が散見できる。   こ う し た 経 緯 を 踏 ま え 文 部 科 学 省 で は、 『Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇談 会』を設置した。「Society 5.0」という新たな社 会において、共通して求められる力は何なのか、 社会を牽引していくためにどのような人材が必要 か等についての議論がなされた。また文部科学省 の課長級の職員に加えて課長補佐・係長級も含め た相当数の若手職員が参加した「新たな時代を豊 かに生きる力の育成に関する省内タスクフォー ス」では、「Society 5.0」に向けて学校はどうあ るべきか、教育はどうあるべきか等、我が国の教 常葉大学大学院 初等教育高度実践研究科

(2)

育政策としてとるべき施策についての議論が行わ れた。この両者の議論結果は『Society 5.0 に向 けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~』 (以下、報告書)として平成 30 年 6 月 5 日に公表 されることになる。  そこで、本稿では「Society 5.0」という新た な時代において豊かに生き、活躍する人材を育て るために、これからの学校像について次期学習指 導要領で強調されるカリキュラムマネジメントの 観点から学校変革の方向を導出し、今後のカリ キュラム編成の方法についての基礎的な考え方を 明らかにすることを目的とする。 1.「Society 5.0」に向けて育成すべき資質・能力  「第 5 期科学技術基本計画」では、我が国及び 世界が将来にわたり持続的に発展していくため に、①持続的な成長と地域社会の自律的な発展、 ②国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高 い生活の実現、③地球規模課題への対応と世界の 発展への貢献、④知の資産の持続的創出、を目指 すべき姿として定めた3)。これらは今後一層予測 困難な社会状況が予想される中、人々が日々を豊 かに生きることができるようにするために、どう すればよいのかという課題への対応の視点ととら えてよいだろう。変化に対して受け身で対処した り、経済性や効率性、最適性だけを追求したりす るのではなく、人々が互いに目指すべき社会像を 議論し、共有し、実現していく社会が到来したと いえよう4)  そこで「Society 5.0」では、一層「人間の強み」 を発揮し、AI 等を使いこなしていく資質・能力 育成の必要性を報告書では提示している。「人間 の強み」とは「現実世界を理解し、その状況に応 じた意味付けができること」5)である。AI には 現実世界を理解することはできない。また社会は 様々な人やモノ、情報が複雑に関係し合っており、 調整したり想定外の事態に対処したり、自らの行 動の仕方を考えたりすることは、人間しかできな い。接客や介護のような他者との対話の中で行わ れる仕事は、AI やロボットによってある程度代 替されるかもしれないが、人間が担うことでそれ とは異なる付加価値が生まれる。そのために今後 は「新しい価値やサービスを生み出す事業の創出 や、新しい事業モデルを構築できる人材、データ 解析やプログラミング等の基本的知識を持ちつつ ビッグデータや AI 等の基盤技術を新しい課題の 発見・解決に活用できる人材」の強化を図ること が重要となる6)。報告書では「Society 5.0 を牽 引するための鍵は、技術革新や価値創造の源とな る飛躍知を発見・創造する人材と、それらの成果 と社会課題をつなげ、プラットフォームをはじめ とした新たなビジネスを創造する人材」7)として おり、これはまさに「問題・課題発見力を備え、 創造力のある人材」が求められていると整理でき る。  人間が人間らしく豊かに生きていくために必要 な力は、特殊な資質・能力ではない。むしろ、ど のような時代の変化を迎えようとも、知識・技能、 思考力・判断力・表現力を基盤とした学びに向か う能力や人間性であろう。そこで報告書では「共 通して求められる力」として、①文章や情報を正 確に読み解き、対話する力、②科学的に思考・吟 味し活用する力、③価値を見つけ生み出す感性と 力、好奇心・探求力が必要であると整理した。具 体的には、「文章や情報を正確に読み解き対話す る力」、「科学的に思考・吟味し活用する力」、「価 値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力」 を提示し、これからの学校における「学びの在り 方の変革」を求めたのである8)  「文章や情報を正確に読み解き、対話する力」は、 知識・技能としての学力の基礎に加え、文章や情 報を正確に理解し、論理的思考を行うための読解 力や、他者と協働して思考・判断・表現を深める 対話力等の社会的スキルであり、これが人間の強 みを発揮するための基盤となる。  また、これからの社会では人間とコンピュータ 等の機械が複雑かつ高度に関係し合う社会となる ため、「科学的に思考・吟味し活用する力」が不 可欠となる。コンピュータ等の機械を理解し、使 いこなすためのリテラシーや、科学的・分析的に クリティカルに思考する力や全体をシステムとし てデザインする力がこれまで以上に必要な力とな る。  さらに、現実世界を意味あるものとして理解し、 それを基に新たな価値を生み出していくことは、 AI には代替できない人間ならではの営みである。 自然体験やホンモノに触れる実体験を通じて醸成 される豊かな感性や、多くのアイデアを生み出す 思考の流暢性、感性や知性に基づく独創性と対話 を通じて更に世界を広げる創造力、苦心してモノ

(3)

を作り上げる力、新しいものや変わっていくもの に対する好奇心や探求力、実践から学び自信につ なげていく力の育成は、まさに「Society 5.0」 の鍵となろう9) 2.「Society 5.0」と学校 (1)新たな学校像  AI 等が本格的に普及することは、当然、教育 や学びの在り方にも変革をもたらすことになる。 報告書ではこれからの学校は、①一斉一律の授業 のみならず、個人の進度や能力等に応じた学びの 場となること、②同一学年集団の学習に加えて、 異年齢・異学年集団での協働学習が拡大していく ことができる、③大学、研究機関、企業、NPO、 教育文化スポーツ施設、農山村の豊かな自然環境 などの地域の様々な教育資源や社会関係資本を活 用して、いつでも、どこでも学ぶことができる、 と想定している10)  さらに取り組むべき政策の方向性として(1) 公正に個別最適化された学びの実現、(2)基盤的 な学力や情報活用能力の習得、(3)大学等におけ る文理分断からの脱却、という3つの方向性が掲 げ、今後の学校教育の在り方を提言した11)  まず「公正に個別最適化された学びの実現」の ためには、①医療で用いるカルテのような個人個 人の学習の内容を蓄積していく「スタディ・ログ」 から見えてくる自分自身にあった学びとして「学 びのポートフォリオ」を活用する、②異年齢・異 学年の協働学習を実施していくためにパイロット 事業(試験事業)を行う、③ EdTech(エドテック: Education × Technology)と呼ばれる教育におけ る様々な新しいテクノロジーを活用した教育の質 の向上と学習環境の整備という施策を明示した 12)  「基盤的な学力や情報活用能力の習得」につい ては、①新学習指導要領の確実な習得、②小中高 を通じてデータ・サイエンスや統計教育による情 報活用能力の習得、さらに③基盤的な学力を確実 に定着させるための学校の指導体制の確立、教員 免許制度の改善、という教員側の課題にまで踏み 込んでいる13)  また「文理分断からの脱却」を、①文理両方を 学ぶ高大接続改革、②地域の良さを学びコミュニ ティを支える人材の育成の 2 点から提言する14) 高校段階ではデータ・サイエンスの基礎となる 確率・統計やプログラミング、理科と社会科の基 礎的分野を必履修とする新しい高等学校学習指導 要領を確実に習得させ、大学では、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics) やデザイン思考等を育成するための教育プログラ ムの見直しを求めている。すなわち高校、大学に おいては「融合カリキュラム」の整備をすすめ、 より地域課題の解決等の探究的な学びの実現等を 通じて、新たな時代を切り開く人材育成を目指す 必要性が強く押し出されたのである。このような 高等教育段階における「融合カリキュラム」が効 果を上げるようにするためには、初等教育段階か ら中等教育段階における教科教育等による基礎教 育の充実とともに、一貫性や段階性を考慮にいれ たカリキュラムをどのように編成していくかが大 きな課題となる。 (2)意味空間としての学校  本来、学校という場は、子どもたちの夢やファ ンタジックなイマジネーション ( 想像力)を限り なくふくらませていくことのできる空間である。 音楽、美術、体育、演劇といった自己表現的で、 ともに共感し合える活動は行われているものの、 学校の教育活動全体において、本当に夢やイマジ ネーションを膨らませることができているかとい う疑問が残る。また、近代化時代の教育パラダイ ムは、「学校は教師が教え、子どもが一斉に学ぶ」 場とされていた。そのため子どもの発達段階に応 じて、教えるべき教科内容が予め用意されており、 それを分かりやすく教えていくのが授業であると 考えられていたのである。そのため「問いかける」 のは教師であり、「答える」のは子どもという図 式が当たり前の姿となっていた。つまり、これま での学校では、子どもは自我を持つ個体であり、 教師がそれぞれの個体に働きかけて、その内に潜 む力を外から「引き出す」という見方が支配的で あった。この教育観におけるパラダイムは「子ど もの教育的管理」の発想の上に成り立っている。 また、他者の存在は無視し、子ども個人のみを対 象としてきたことによるものである。  本来の学びは他者とともに問題に取り組むこと によって、それまでの狭い世界を脱出して、より 広い世界を切り拓き、再構成していくことができ るようにすることが学校の使命となるべきであ る。そのために他者との関りや多様な経験を通し

(4)

て、子どもが「学ぶ楽しみ」「考える楽しみ」を 創出することができるようにする「意味空間とし ての学校」へのパラダイム転換が必要となると考 える。これまでの学校は、覚えさせるための「伝 達・受容型の学び」を中心にして、「与えられた 知識」をいかに授けるかを学校の主要な役割とと らえられてきていた(機能空間としての学校)。 しかし、これからの学校は「与えられた知識」の みを受容する学びから子どもを解放し、子ども一 人ひとりが新たな価値を見出し、世界を創造する という「発見・探究型の学び」へ転換させること が重要なのである。意味空間としての学校に転換 することこそ、子どもが他者と関わりながら新た な世界を創造することができるのであり、これか らの学校は、子どもが探究し続ける空間とならな くてはならない。  中央教育審議会教育課程企画特別部会の審議の まとめにおいて、既に学校は「一つの社会」、学 校は社会的意識や積極性を持った子供たちを育成 する場と明示された15)。子どもたちが、身近な 地域を含めた社会とのつながりの中で学び、自ら の人生や社会をよりよく変えていくことができる という実感を持つことは、貧困などの目の前にあ る生活上の困難を乗り越え、貧困が貧困を生むと いうような負の連鎖を断ち切り、未来に向けて進 む希望と力を与えることにつながると考える。こ れは ESD(Education for Sustamble Development: 持続可能な開発のための教育)ともつながる重要 な点である。このように考えると、子どもたちに、 新しい時代を切り拓いていくための必要な資質・ 能力を育むためには、学校が社会や世界と接点を 持ちつつ、多様な人々とつながりを保ちながら学 ぶことのできる、開かれた環境となることが不可 欠なのである。審議のまとめではさらに「未来の 社会に向けた準備段階の場」という表現がある。 学校は日々の豊かな生活を通して、未来の創造を 目指す「未来志向」の資質・能力を形成する場、 となることが求められている。  要するにこれまで学校における学びは、教師の 指導のもとに決められた目的や目標・内容・方法 (手だて)を「習う、教わる」という「受動的な 学び」(Learn) であった。しかしこれからの社会 では、革新的で創造的、自己決定的で自発的に活 躍できる人間が期待されており、多様な対象世界 を多元的・複眼的な視点から個人と社会のダイナ ミックな関係を前提にして見つめたり考えたりし て、粘り強く責任を持って様々な解決策や解決方 法を提案したり認識できたりする思慮深い思考と 行為が必要とされている。そのために学校では、 子どもの抱く「問い」を大切にし、子ども自らが 目的・目標を立て、方法を決め、未知・未解明な 内容を主体的に追究・研究するという「能動的な 学び」(Study) に傾斜をかけた学習指導が必要と なる。「Study」する子どもの育成は、真の確かさ や発展性を得ていく学びとなるはずである。 3.「Study」する子どもの育成  「Study」する子どもを育成するためには、知識・ 技能を活用する学習活動、課題探究型の学習、協 働的な学び等、未来志向の豊かな学びをデザイン できるカリキュラムの整備と教員の指導力が鍵と なる。それは「何を教えたか」ではなく、「何が できるようになったのか」を子どもたちが実感で きる学習活動を創り出す学校力と教師の指導力で ある。「答えがすでに決まっている学習を打破し て生き生きと答えを探すような学びをしてみた い」、「いろいろな人や専門家から教えてもらいた い」、「生涯にわたって学び続けたい、伸びていき たい」と、子どもに意欲や確かな将来展望と自信 を与えることができる学びをいかに提供できるか がこれからの学校・教師の課題となるからである。  国立青少年教育振興機構が行った『子供の頃の 体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究』 報告によると、様々な人とかかわりながら、何事 にも意欲的に取り組む姿勢をもち、多少の困難や 逆境があってもへこたれず前向きに生きていける 力を身につけた大人を育てていくことが大切であ るとし、子どもの頃の体験との関係から「意欲」、 「コミュニケーション力」、「自己肯定感」、「へこ たれない力」が社会を生き抜くために必要な資質・ 能力と位置づけた16)。そして子どもの頃、家族 の愛情・絆を基盤に遊びに熱中するなど様々な体 験をした人ほど自己肯定感が高く、へこたれない 大人になると分析している17)。へこたれない力 は「Study」する子どもを育成する根源的な力で あり、子どもたちが熱中し、 意欲的に取り組める 体験や学習活動を子どもたちの生活環境の中に創 り出していくことがこれからの学校や教師の使命 であるといえよう。  これからの社会で求められている人間像は、た

(5)

だ単に社会の変化に対応するだけでなく、新たな 価 値 を 創 り だ し て 生 き る 人 間 の 育 成 で あ り、 「Study」する子ども、換言すれば「探究するヒト」 をいかに育成するが重要なのである。 4.「Study」する子どもを育成するカリキュラム (1)基本的な考え方  次期学習指導要領の総則「第3章第1節 小学 校教育の基本と教育課程の役割」18)19)では、カ リキュラム編成に関して下記のように明示してい る。 1 各学校においては,教育基本法及び学校教 育法その他の法令並びにこの章以下に示すと ころに従い,児童の人間として調和のとれた 育成を目指し,児童の心身の発達の段階や特 性及び学校や地域の実態を十分考慮して,適 切な教育課程を編成するものとし,これらに 掲げる目標を達成するよう教育を行うものと する。 2 学校の教育活動を進めるに当たっては,各 学校において,第3の1に示す主体的・対話 的で深い学びの実現に向けた授業改善を通し て,創意工夫を生かした特色ある教育活動を 展開する中で,次の (1) から (3) までに掲げ る事項の実現を図り,児童に生きる力を育む ことを目指すものとする。  子どもに生きる力を育むためには、子どもの心 身の発達段階や特性及び学校や地域の実態を十分 に考慮した適切な教育課程の編成することが求め られ、さらに学校の教育活動においては、各学校 が創意工夫を活かした特色ある教育活動を展開す ることが明確に示されている。周知のとおり教育 課程を編成する上で基本となる要素は、①学校の 教育目標の設定、②指導内容の組織、③授業時数 の配当であるが、総則にある通り、編成主体であ る学校は、教育基本法や学校教育法の理念を踏ま え、地域、学校、子どもの実態をもとに、教育目 標や資質・能力増を設定し、その実現に向けたカ リキュラムを構想することが求められているので ある。さらに加えるならば、資質・能力の育成を 目指す次期学習指導要領では、「各学校が設定す る教育目標を実現するために、学習指導要領等に 基づき教育課程を編成し、それを実施・評価し改 善していく」カリキュラムマネジメントを確立す ることが一層求められている。  ここで留意すべきことは、「教育課程」と「カ リキュラム」いう用語である。そもそも「教育課 程」の前身は明治初期の学制発布にさかのぼる。 教育の近代化が急がれたという時代背景のもと、 「教科課程」という名で示された教科の内容系列 を意味した。一方「カリキュラム」とは、アメリ カに代表されるように自主編制的な学習内容を指 す。決められた内容はなく、各学校が自校の子ど もたちに何を教えるべきかを学校の責任で取捨・ 選択、編成するというボトムアップの発想による ものであった。近年盛んに「カリキュラム」とい う言葉が日本の教育現場で使われるようになった ことの背景には、学校に求められる今日的な要請 があるものと再認識する必要がある。 (2)「学校の強み」を活かした特色あるカリキュ ラム  学校では、これまでも生活科や総合的な学習の 時間を対象にカリキュラムづくりがされてきた。 それは、地域にある素材や学校をとりまく環境を 有効に活用したり、子どもの学びから生み出され た素朴な思いや願いを追究課題としたりしていた。 しかし、実践の多くが学年主導で行われることが 多く、学年が変わったり実践者が異動したりする と消失してしまうものも少なくない。そのため学 校全体の特色づくりに直結するカリキュラム開発、 すなわち学校課題に正対した学習を位置づけ、学 校全体に広げ、学年を越えた取組を展開するカリ キュラム開発が必要となる。それはいわゆる「学 校の強み」を活かすカリキュラムづくりである。  例えばA小学校の場合、生活科・総合的な学習 を中核として「思考力の育成」に取り組んでいる。 教科・ 領域の枠を越えて、多用な考えを引き出 したり、これまでの経験や学んだことを関係づけ、 再構成したりする教育活動をカリキュラムの中に 位置づけている。B小学校では、地域の偉人を教 材として単元開発を行い、生活科・総合的な学習 に留まらず、教科横断的に全教育活動で対象に深 くかかわっている。「人」を学ぶことによって、 地域に住む人々の思いを知り、ふるさとを見直す ことによって、ふるさとに自信をもち郷土愛を育 てる取組となっている。  「学校の強み」を活かした教育課程を編成する 際、上記の事例のとおり各学校では学校課題を「カ

(6)

リキュラム開発」の視点で見直すことが大前提と なる。その際、教育活動を分断して考えるのでは なく、それぞれを大くくりで関連付けることがポ イントとなる。  各学校が学習指導要領等に基づき、子どもたち の姿や地域の実情等を踏まえ、設定した教育目標 を実現するために、「学校の強み」を活かした教 育課程を編成し、教育活動を実施後には評価を的 確に行い、問題点や課題を明らかにして改善し続 けていく「PDCAサイクル」をどのように位置 づけていくかが、今後の課題となる。 (3)「学校の強み」を活かしたカリキュラム開発 に向けてのアプローチ  「学校の強み」を活かす「PDCAサイクル」 によるカリキュラム開発のための基本的な視点と 手順は、表 1 のように整理できる。 【手順1】 学校・地域・子どもの現状を見直す。 【手順2】 学校の課題・目標を明確化・焦点化 をする。 【手順3】 学習内容の関連化・体系化を図る。 【手順4】 カリキュラムの評価・改善を図る。 【手順5】 マネジメントのための組織やシステ ムをつくる。 表1 カリキュラム開発のための基本的な手順  【手順1】から【手順5】までの基本的手順は、 「実態認識からの課題づくり」から「グランドデ ザインの作成」、グランドデザインに基づく「カ リキュラム表の作成」、そして「カリキュラム評 価の実施」という基本的な「PDCAサイクル」 である。しかし、重要なことは、こうした一連の プロセスが学校のシステムとしてしっかりと機能 し、常に向上的改善・変化につながる組織体制の 整備と教職員の協同的に取り組める力量の形成が できているかどうかである。すなわち「マネジメ ントのための組織やシステム」が各学校でどのよ うに組織され、機能するシステムを構築するかが 大きな鍵となる。  そこで、各学校ではさらにシステムとして「P DCAサイクル」が機能するように、まずは次の 三段階で学校におけるマネジメントシステムを整 えていく必要がある。 ①学校課題の把握と解決に向けた戦略構築へのア プローチ  第一段階として、各学校が自校の子どもの実態 や学校をとりまく環境等に関する「強み」と「弱 み」を明確化・共有化させることからスタートさ せる。そこから学校課題を明らかにするとともに 全職員が主体的にかかわりながら、「学校として の強み」を活かす方向性を明らかにし、グランド デザインとしてまとめあげていくことが重要であ る。グランドデザインは決してトップダウンで作 られるものではなく、学校や地域、子ども、保護 者、教員等の実態を踏まえて作り上げていくもの であり、ボトムアップ的に作られたグランドデザ インこそ、まさに「学校の強み」を明確にした共 有物となり、教育活動を展開する上での方向目標 であると共に指標となるはずである。  また「学校の強み」を活かすために、学校のど の教育活動(教科等)を核にするのかの決定が重 要である。地域とのつながりの強い学校であれば、 「総合的な学習の時間(低学年では生活科)」を基 軸に据え、一年間の流れと共に学校全体の系統性 等を具体的に位置づけることによって、学校の方 向づけがより明確になる。  しかしここで留意すべきことは、目指す子ども 像の共有化である。つまり目指す子ども像の実現 に向けて、学校の全体計画の中で段階的に、そし て全校が同じ時期に同じ目標(できればこの時期 に育成する資質・能力)を明確化させなければ、 最終的には学校の課題解決にはつながらないので ある。 ②学習内容の構造化と体系化へのアプローチ  第二段階として、学校全体計画に段階的に位置 づけた資質・能力の育成を基盤にして、まず各学 年で学習内容・活動を整理・統合して編成する。 その次に学校全体として統一性をもたせるよう に、つながりや関連性、さらには発展性という系 統的な視点から明確に整理していくことが必要と なる。そのため、「学校の強み」を活かすための 核となる教科等をどのように位置づけるかが、第 一段階で明確にしておかないと散漫なカリキュラ ムとなってしまう。単に学習内容だけのつながり でなく、子どもにどのような力をつけていきたい のか、そのためにどういう内容で、どのように活 動させ、取り組ませていくのかの構想が具体的に

(7)

できることが重要である。  しかし留意したい点は、すべての学習内容を関 連させたりする必要はなく、必要なもの、重要な ものをどのように厳選するかである。教科等横断 的なカリキュラム編成が求められてはいるが、教 育効果をあげるための方法であることを忘れては いけない。 ③マネジメントと組織づくりへのアプローチ  第三段階として、作成したカリキュラムをどの ように評価し、改善に生かしていくか、これは必 要かつ重要な取組である。しかし多くの学校では 反省や意見は整理するが、その年度内で改善策を 打ち立てても、それは次年度送りの事案になる ケースが多々見受けられる。重要なことは、見直 したことは、その先に予定されている教育活動へ 早速反映させ、計画を見直して修正したプランで 取り組むことができるかどうかである。年度当初 に立てた計画はあくまでも計画であり、変更や改 善は大いにすべきである。決して固定化されたも のではない。一学期に不十分だった点があれば、 そのことを二学期で受け止め、予定されていた学 習内容を見直したり、設定されていた時間数の配 分を変えたりしてもよいはずである。こうしたこ とが当たり前に行える学校にしていかなければ、 急速に進展している社会において対応することは 到底かなわないのではないだろうか。  そこで、各学校における校務分掌を見直し、評 価委員会を設定するとともに、評価委員会が学校 全体の活性の渦を起こす基軸となるような役割や 権限を持つようにすることが一案である。また校 内研修の運営の仕方も考慮し、授業研究を通して、 カリキュラムを見直したりカリキュラム改善を図 る場としたりするなど、協働性が発揮される組織 運営を工夫する必要がある。 (4)「Study」する子どもを育成する授業  「Society 5.0」に対応し、社会を生き抜いてい く子どもを育成するには、単にカリキュラムを整 備しただけでは不十分である。重要なのは授業の 質である。つまりこれからの授業では、子ども一 人ひとりが問題的状況を明確に自覚・意識し、解 決に向けての目的や見通しを持ち、他者と協力し 合いながら合意形成を図り、よりよい社会を創り 上げていこうとする強靭な人間的能力〈①問題を 発見する力(驚きや感動、疑問を生き生きと話し、 工夫する力)、②状況・事実を説明する力(情報 を集めて読み取り、加工し、自分の言葉で語る力)、 ③適切に表現する力(相手の表情を見ながら、笑 顔できちんと話せる力)、④協同して問題を解決 する力(異なる意見を生かし、粘り強く問題を解 決していくことができる力)、⑤展望を持ち創造 する力(現在・過去・未来という意識の軸で物事 を考えられる力)〉を身につけることができるよ うにすることが求められているのであり、こうし た力は授業の中で鍛え、伸ばされるのである。  「持続可能性」「社会参画」を見据えたとき、こ れからは単元レベルでの授業の目的と1時間の授 業の目的を明確にし、知識・技能の習得と活用を 図り、「理解」を促進させるための研究活動(パ フォーマンス課題等)を位置付けた授業を構成す ることが必要となる。授業が単なる「問題の解決」 ではなく「問題の再構成」を図ることができるよ うに、授業をどのように構想・構成できるかが教 師に求められているからである。また、授業でど のように子どもの視点を転換させることができる か、どのようにしたら子どもに新たな視点をたて させることができるか、さらにどのように多元的・ 複眼的な見方・考え方を身に付けさせ、子どもが 協働し、挑戦する学びを実現していく授業が構成 できるのか、という検討すべき観点も一層浮上し てきている。 おわりに  教育とは未来に向かってなされる営みである。 知識や技能というのは学習プロセスから切り離さ れるのではなく、子どもが活動する状況の中で、 状況に依存して構築されていくものである。学校 という共同体の中で社会的な相互作用(協働)を 通じて知識や技能が洗練され、未来に生きる資質・ 能力として身に付けられるようにするための授業 づくり、そしてカリキュラムづくりが必要なので ある。  既に紹介した通り報告書では「Society 5.0」 における想定される学校像は、AI等の技術発達 と背景として、「一斉一律の授業スタイルの限界 から抜け出し、読解力等の基盤的学力を習得させ つつ、個人の進度や能力、関心に応じた学びの場 となることが可能となる」20)と、これまで以上 に学校の使命と役割が強調され、学校において多

(8)

様な学びが関連し合い、先端技術により更なる学 びの発展に大いなる期待が寄せられている。  「超スマート社会」と称される「Society 5.0」 とは、まさに新たな「『学び』の時代」21)が到来 することであるという理解の下、学校現場ではよ り学びの質を高める新たな学校づくりに早急に踏 み出さなければならない。 <註及び引用文献> 1 ) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース『Society 5.0 に向け た人材育成 ~社会が変わる、学びが変わる ~』,http://www.mext.go.jp/component/a_ menu/other/detail/__icsFiles/afieldfi le/2018/06/06/1405844_002.pdf,2018 年 6 月 5 日,p.8.(2018 年 10 月 22 日閲覧) 2 ) 内閣府『科学技術基本計画』,http://www8. cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5honbun.pdf, 2016.p.10.(2018 年 9 月 18 日閲覧) 3 ) 内閣府,同上書 , pp-5-6. 4 ) Society5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,前掲書 1),(2018 年 9 月 18 日閲覧) 5 ) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.6.(2018 年 9 月 18 日閲覧) 6 ) 内 閣 府、 前 掲 書 2),p.13.(2018 年 9 月 18 日閲覧) 7 ) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 す る 省 内 タ ス ク フ ォ ー ス, 前 掲 書 1),p.6. (2018 年 9 月 18 日閲覧) 8 ) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.7.(2018 年 9 月 18 日閲覧) 9 ) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.7.(2018 年 9 月 18 日閲覧) 10) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.8.(2018 年 10 月 22 日閲覧) 11) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.15.(2018 年 10 月 22 日閲覧) 12) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,pp.18-19. (2018 年 10 月 22 日閲覧) 13) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,pp.19-20. (2018 年 10 月 22 日閲覧) 14) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.20.(2018 年 10 月 22 日閲覧) 15) 中央教育審議会教育課程部会教育課程企画特 別部会『次期学習指導要領に向けたこれまでの 審 議 の ま と め( 素 案 )』,www.mext.go.jp/b_ menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__ icsFiles/afieldfile/2016/08/03/1375316_ 3_1_1.pdf#search=%27%E3%80%8C%E6%AC%A1%E6% 9C%9F%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%8C%87%E5%B0%8E% E8%A6%81%E9%A0%98%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81% 91%E3%81%9F%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3% 81%A7%E3%81%AE%E5%AF%A9%E8%AD%B0%E3%81%AE% E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%EF%BC%88%E7%B4% A0%E6%A1%88%EF%BC, p.3.(2018 年 9 月 5 日閲 覧) 16) 本調査は全国の 20 代~ 60 代の男女(各年代 で男女各 500 人)を対象にウェブアンケート調 査(①社会を生き抜く資質・能力②子供の頃の 体験や人間関係③現在の価値観・人生観や生活 状況)を平成 28 年 10 月 4 日(火)~ 10 月 6 日(木)3 日間行い、5000 人から回答を得た。 その結果、「子供の頃、家族の愛情・絆を基盤に、 遊びに熱中するなど様々な体験をした人ほど、 自己肯定感が高く、へこたれない大人になる」、 と国立青少年教育振興機構は分析する。(国立 青少年教育振興機構『子供の頃の体験がはぐく む力とその成果に関する調査研究報告書』, h t t p : / / w w w . n i y e . g o . j p / k a n r i / u p l o a d / editor/117/File/00_report.pdf,2018 年 3

(9)

月 ,p.3(2018 年 9 月 10 日閲覧)) 17) 国 立 青 少 年 教 育 振 興 機 構、 同 上 書 ,p.11. (2018 年 9 月 10 日閲覧) 18) 文部科学省『小学校学習指導要領(平成 29 年 告 示 ) 解 説  総 則 編 』www.mext.go.jp/ component/a_menu/education/micro_detail/__ icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1387017_1_2. pdf#search=%27%E6%96%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92% E6%8C%87%E5%B0%8E%E8%A6%81%E9%A0%98+%E7%B7 %8F%E5%89%87%27,p.17. (2018 年 8 月 10 日 閲 覧) 19) 文部科学省,同上書,p.22.(2018 年 8 月 10 日閲覧) 20) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,前掲書 1),p.8. (2018 年 10 月 22 日閲覧) 21) Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇 談会・新たな時代を豊かに生きる力の育成に関 する省内タスクフォース,同上書,p.8.(2018 年 10 月 22 日閲覧) <参考文献> 〇一般財団法人教育調査研究所『研究紀要第 96 号 小・中学校における「カリキュラム・マネ ジメント」の現状と今後の課題』、モリモト印 刷 , 2016. ○妹尾昌俊『変わる学校、変わらない学校』,ぎょ うせい,2006. ○国立教育政策研究所編『国研ライブラリー 資 質・能力(理論編)』,東洋館出版社,2016. ○加藤幸次『カリキュラム・マネジメントの考え 方・進め方』,黎明書房,2017. 〇株式会社ぎょうせい編『新教育課程ライブラリ  Vol.5 学校ぐるみで取り組むカリキュラム・マ ネジメント』, ぎょうせい ,2016. 〇高橋 勝『学校のパラダイム転換』,川島書店, 1997. 〇田村知子編著『実践・カリキュラムマネジメン ト』, ぎょうせい ,2011. ○田村知子・村川雅弘・吉富芳正・西岡加名恵『カ リキュラムマネジメント・ハンドブック』,ぎょ うせい,2016. ○田村 学『カリキュラム・マネジメント入門』, 東洋館出版社,2017. 〇独立行政法人教職員支援機構編著『主体的・対 話的で深い学びを拓く―アクティブ・ラーニン グの視点から授業を改善し授業力を高める』, 学事出版 ,2018. 〇中原淳編著『アクティブ・ラーナーを育てる高 校』, 学事出版,2016. ○松尾知明『未来を拓く資質・能力と新しい教育 課程―求められる学びのカリキュラム・マネジ メント』,学事出版,2016. 〇山崎保寿『「社会に開かれた教育課程」のカリ キュラム・マネジメント』, 学事出版 ,2018.

参照

関連したドキュメント

研究会活動の考え方

 戦後考古学は反省的に考えることがなく、ある枠組みを重視している。旧石 器・縄紋・弥生・古墳という枠組みが確立するのは

を軌道にのせることができた。最後の2年間 では,本学が他大学に比して遅々としていた

従って、こ こでは「嬉 しい」と「 楽しい」の 間にも差が あると考え られる。こ のような差 は語を区別 するために 決しておざ

る、関与していることに伴う、または関与することとなる重大なリスクがある、と合理的に 判断される者を特定したリストを指します 51 。Entity

学校に行けない子どもたちの学習をどう保障す

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ