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実務者の職業選択意識の検討

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Academic year: 2021

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実務者の職業選択意識の検討

は じ め に 研究テーマは何かという質問に, 今でもひるむ思いが ある. 新人時代に, 作業療法, 精神障害, リハビリテー ション, 家族, 社会参加」の語が, 脳裏にあった. 教師と なり, 専門職, 生活の質, 回復, 人間関係, 集団, 社会性, 自律性,自己同一性」などが追加された.このような雑駁 な状態は, 研究者への同一性が薄い反映であるが, 今回 の機会に, 現在進行中の専門職研究の一部を紹介させて 頂く. 先 行 研 究 職業選択意識の研究は, 職業人キャリア形成や専門職 化過程検討 の手始めであろう. 女性や関連職種の就業意識 は報告されるが,作業療法 士に関する報告は少ない. Rozierらは, 米国 OT 学生の 職業選択理由が, 多様で平 支持率が高い と報告した. 筆者らは,日本の学生も「他者への援助志向」や「将来性, 多様性」を支持するが, 学生教育や管理面」の支持が低 く, 平 支持率は米国学生の方が高い と報告した.今 回, 実務者の職業選択意識について, 同様の質問紙票に より調査した. 【方 法】 対象は, 2006年 3月末日で G 県作業療法士 会に会員登録のある実務者 : 367名である. 調査期間は 約 1カ月間, 調査方法は, 筆者らが作成の質問紙票で, 郵 送調査を実施する. 質問紙は, 1) 基本的属性 : 性別, 年 齢,婚姻関係,学歴,実践 野,前職の有無など.2)職業選 択意識 : Rozierらの 5件法 (1あてはまらない∼ 5あて はまる) で, 21項目 ; A 指導性, B対人志向, C 対人 流 (孤独), D 活動性, E 援助自律性, F 学生教育, G 自然科 学,H 安定雇用,I 高給,J至上職業,K 日勤労働,L 雇用機 会, M 社会的評価, N 社会貢献, O達成熟達, P管理職, Q 援助多様性,R 将来性,S独 性,T 職場多様性,U 身体知 識, に回答する. 倫理的配慮 : 研究協力依頼書に, 研究目 的, 匿名性, 個人情報の保護説明・誓約を行い, 無記名回 答形式, 対象者の回答受諾を研究協力の承諾とする旨を 明記して実施した. 【結 果】 質問紙票の回収率は57.1% (183/367) だった. 1) 主な基本的属性は, 女性 132名 ; 72.1%, 平 年齢は 29.3歳, 20代 67.0%, 経験年数が平 5.8年だった. 2)-1 記述統計による全体傾向 : 全体平 は 3.4であった. 以 下 ( ) 内は平 値.11項目 (11/21: 52.4%)で過半数の 支持を得た. ; Q援助多様性 86.3% (4.14), A 指導性の 83.5% (4.10), T 職場多様性 80.7% (4.09), B対人志向 80.2% (4.03), S 独 性 75.9% (4.01), U 身体知識 75.2% (3.96), D 身体活動 72.6% (3.94), E 援助自律性 72.5% (3.90), N 社会貢献 70.3% (3.77), K 日勤労働 69.0% (3.74),R 将来性 60.6% (3.67)中の 10項目が内発的条件 であった. 2)-2 記述統計による男女差 : 平 の過半数 (%)は男性の方が高かった. 女性の方が高いのは 4項 目 ; K 日勤労働, O達成熟達, Q援助多様性, S独 性 ; 19.05%に止まった. 3) 二項検定での全体傾向 : 20項目 に有意差が認められ (P<0.05), 19 項目で意識が高く, F 学生教育で意識が低かった. C 対人 流 (孤独) は, 唯一 有意差がなかった (P>0.05). 【 察】 1)実務者の基本的属性で : 女性が約 7割,20 59 Kitakanto Med J 2010;60:59∼60 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科心身障害作業療法学講座 平成21年12月14日 受付 論文別刷請求先 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科心身障害作業療法学講座 小林夏子

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代が過半数であるのは, 白書 ; 女性 72.7% : 男性 27.3% の傾向 と同様, 年間 7千人を超える大量養成の反映と える. 2) Holmstrom (1975) は, 学生の職業選択を, 利 他的目標と価値をもち, 高給や地位や管理的権威に顧慮 しない, Rozierは, 援助志向の他に, 高給・雇用安定性・ 日勤労働・社会的評価の高さなど外的因子が第一 とし た.今回は,Holmstromの指摘と筆者らの結果 とほぼ 一致したと える. 3) 男女の意識差 : 女性の意識は, K 日勤労働以外の 3変数は, Herzburg の内発的動機づけ要 因の熟達性と自律性 に該当する. また, 理府調査で 「できるだけ長く働くのが最も望ましい」と答えた女性 は, 専門家になる」43.0%, 管理職になる」38.4%と回 答 しており,積極的と えられる.反面,日勤労働は女性 労働者の一般特徴 と一致した. お わ り に 今回, 職種の若年化の現状が確認された. また, 職業選 択意識は, 女性実務者も含めて, 指導性, 対人志向, 援助 多様性, 職場多様性など積極的な内発的動機づけが有意 であった. 学生教育への意識の低さは懸念されるが, 専 門職意識との検討と併せ, 今後の課題である. 文 献 1. 井出 亘 : 仕事への動機づけ. 外島 裕・田中堅一郎 (編): 産業・組織・心理学.東京 : ナカニシヤ出版,2001: 10-19. 2. 武田圭太 : 有能感が推進するキャリア発達.外島 裕・田 中堅一郎 (編): 産業・組織・心理学.東京 : ナカニシヤ出 版, 2001: 215-238. 3. 厚生労働省 : 平成 7年版働く女性の実情. http://wwwhakusyo.mhiw.go.jp/wpdocs/hpwj199501/ b0048htm 4. 日本作業療法士協会 : 作業療法白書. 東京 : 日本作業療 法士協会, 2006: 17, 19, 25, 67, 68, 7. 5. 宮田正夫.看護職の専門職化過程における若干の 察,ソ シオロジスト 2002; 4: 141-160.

6. C.K. Rozier, G.E. Gilkson, B.I. Hamilton. Why Stu-dents Choose Their Own Profession as a Career.A.J.O.T 1992; 46; 7: 626-632. 7. 小林夏子.作業療法学生にみる職業選択志向性.群馬保 学紀要 1998; 19 : 9-12. 8. 小林夏子他. 作業療法学生の職業志向性調査. 作業療法 1990; 25: 261. 9. 小林夏子. 作業療法学生の職業志向特性. 作業療法 1992; 36: 348. 10. 山勝裕久他. 群馬大学医療技術短期大学部新入生に見る 職業選択志向性. 群大医短紀要 1995; 5: 121-126. 実務者の職業選択意識の検討 60

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