Coastal Bioenvironment Vol.1 (2003) 11~20
中山間地域における合鴨稲作の現状と展望
一一唐津市校去木集落の事例をもとにして一一
麓誘市郎・権藤幸憲・小林恒夫
干847-0021 佐賀県唐津市松
r
<<iIllTl52-l 佐賀大学海浜台地生物 f~iJ}l研究センターThe Actual Condition and Prediction of Paddy Rice Cultivation Using Crossbred Ducks “Aigamo" in Semi同mountainousAreas
一-
A Case Study at EZARUGI in KARATSU-Yuuichirou FUMOTO and Yukinori GONDOH and Tuneo KOBAYASHICoastal Bioenvironment C巴nter, Saga Univercity,
152-1 Shonan-Cho, Karatsu, Saga 847-0021 Japan
要 約
1990年代前半、米を取り巻く状況が変化し、また環境保全や食の安全性が叫ばれる1:1:1で飛躍 1'1守に三在
住l に清及した合 '1鳴稲作は、やがて多くの経営的または技術的な問題に直面し、ここ数年、淘汰のlI~mJ を 迎えつつある。 lIII Li問地域においては経常規模が大きい専梁的な農家が合 'I'.(~稲作をやめていく一方で、
第二積兼業民家のような小規模で兼業的なj史家の意欲は高まりつつある。I!111i問地域は稲作にとって特 に不利な条件であるため、農業に強い経法性を要求する前者ーでは、稲作部門の位置付けがj髭めて低く、 さらに合l的稲作が手IIUのかかる民法であるため敬遠されやすいのである。一方、後者の民業経営の1:1:1心 は稲作部門であるうえ、 f農業
=
I
i
¥
U業j という経済的または精神的な余裕から、合'1'鳥稲作の環境保全性 や合'1'日米の安全性、さらには「アイガモとのふれあしリなどといった多くの非経済的魅力を感じやすく、 少しでも経営を有利に展開するために合1'1[,)米の産直販売にも力を注いでいるのである。このような現状 から抗測すると、今後のIIIUI開地域における合'I'[,ij稲作は、第2撞兼業農家のような小規模な兼業l'lj農家 を1::11心として、副次的あるいは趣味的に取り組まれていくこととなるだろう。 キーワード目合鴨稲作、 1111Li11¥i地域、上場合地、主業的農家、副業的農家Key¥九rard:paddy rice cultivation using crossbred dllCks“Aigamo" , Semi叩MountainollsArea,
UWABADAITI , Business farm hOllsehold, Side“bllsiness farm hOllsehold
Summary
The pllrpose of this paper is analyzing the characteristic of paddy rice cllltivation llsing crossbred ducks“Aigamo" in semi-mountainolls areas, In 1 990s' early paddy rice cultivation
using crossbred ducks spread to all over the country. But recently that agricllltural method has confronted to the many management and technical problems, The present time is selection
stage of the agricultural method using crossbred ducks. In semi-mollntainous areas fllll-time farmers that manage big scale Agricllltllral land are stopping paddy rice cultivation using cross -bred ducks. But Small part-time farmer、likesecondary farmers pay attention to this agricultural
method using crossbred ducks. In semi-mountainous areas paddy rice cultivation is low pro同
ductivity based on handicap in nature and form interior location at market system. So fllll-time farmers pllrslling scale of economy situated paddy rice cultivation secondary positions in their agricultural management and kept at a distance paddy rice cultivation using crossbred ducks for more working time. But part-time farmers concentrated ther、eenergy on paddy rice cllltiva
-tion using crossbred ducks for environmental preservation, security of foods, and non同
12 麓 誘 市 民11 . 権 勝 手 下 滋 - 小 林 恒 夫 ic fascination in this way. And there are wrestling with direct delivery service of“Aigamo-Rice" sales. To guess by these present condition, the leading members of the duck-rice crop will be small part-time farmers in semi-mountainous areas.
1
.背景と諜題 近年、米の泊費量の減少、ミニマムアクセス米 の受け入れ、「新食糧法」の施行など、わが国の fコメjを取り巻く状況は大きく変化し、それら に伴う米価の低迷がコメ生産農家の経営を圧迫し ている。このような中で、米価を維持していくた めには、米のブランド化や他との差別化を行うこ とが必須な条件となりつつある。 また、近年、世界規模での環境問題が深刻化す る中で、農業が環境汚染の一端を担ってきたこと がクローズアップされ、それまで経済効率のみを 重規してきた農業政策においても環境開題が意識 されるようになり、安全な食糧を求める消費者意 識の高揚とも相まって環境保全型農業が全開的な 拡がりを見せ始めている。 このような中、1990
年1
2
月、福岡県桂川町の 農家である古野降雄氏が農業関連雑誌『現代農業J に fアイガモ水稲開時作Jと題した連載を始めた。 「アイガモ水稲問時作j とは、田植後の水田に合 l鳴を放すことにより、アイガモがもたらす除草・ 害虫駆除・施肥・r:"
1
耕代かき・イネへのプラスの 刺激などをはじめとする様々な効果を利用したイ ネの有機栽培と、アイガモの肥育を同時に行う農 法である。これ以降、合i鴎稲作がしばしばマスコ ミにも取り上げられたこともあって、「アイガモ ブームj と呼ばれるほど、爆発的な勢いで全悶に 普及し、やがて取り組む農家が1万戸を超えると 推定されるまで、に至った。これは合1'鳴稲作がもっ 環境保全的特性や合鴨米の付加価簡が、上述のよ うな時代のニーズに合致したからに他ならないだ ろう。 さて、それから1
0
年余りが経過した現在、米 価の下落はいっそう深刻化し、また農薬に汚染さ れた輸入野菜の存在や食品の偽装表示が明らかに なったこともあり、安全な食料に対するニーズは さらに高まっている。しかし、このような「追い 風j とも取れる状況にあるにもかかわらず、合鴨 米の側格が下落傾向にあることや新規参入の減少 および離脱農家の増加など、合 'Il!~稲作が勢いを失 いつつあるように感じられるのは否めない。はた して、1990
年代のアイガモブームのもとで合鴨 稲作を導入し、取り組んできた農家は、現在どの ような状況におかれているのだろうか。 さて、本研究センターの調査対象地域である東 松浦半島は械めて中山陽地域的な地域である。中 山│埠地域は傾斜が多いことから基盤繋樹立が遅れ、 開場の狭小および不整備、機械化の困難牲など、 生産条件が悪く、一般的には条件不利地域とも呼 ばれる地域である。特に、水田は f棚田」の割合 が非常に高い稲作条件不利地域であることから、 稲作の規模は小さく、また農業経営におけるその 位置付けは低くなっている。このことは合鴨稲作 を行ううえにおいても当然何らかの影響を与えて いると考えらオ1るだろう。 そこで本稿では、佐賀県唐津市枝去木集落の 「枝去木の虫・あいがも稲作研究会j による合鴨 稲作の実践事例を対象として選定し、これを中山 間地域における事例であると位聞付けた。そして、 中L
l
i
開地域における合i鴎稲作の現状を把握し、そ の今後を展望することを課題として調査・研究を 行ったものである。2
.
調査地の概況 本稿においては唐津市枝去木集落を調査地とし て選定した。さて、本集落の位置する東松浦半島 は佐賀県の北西部に位還し、唐津市・呼子町・鎮 問問T.
玄海町・肥前町の5
市町村から形成され、 「上場台地j と呼ばれている。上場台地は海浜台 地の中に小高い山や告がいくつも形成された中111 開地域的な地形となっているため、県南部の佐賀 王子坦地域などと上回読すると水田の割合が極めて低 く、畑地と樹園地の割合が高い地域となっている。 また、作目的には商産(肥育牛)の割合が最も高 く、次いで野菜(イチゴなど)や果実(ハウスミ カンなど)、工芸作物(葉タバコ・茶など)の割 合が高い、農業の捷んな地域である。 そのような中で、枝去木集落は、唐津市中心街 の北西約10km、玄海I
I
I
T
との境界に位置する総戸1:1:1山lIIJ.l也域における合IJ'[J稲作の現状と展望 13 数
27
戸、うち農家17
戸の小さな集落である。標 高約90m
程度、緩やかな傾斜がついた山間部に 位置しているために水田の割合は低く、畑や樹│覇 地の割合が高くなっている。また、作目別に見る と葉タバコ、畜産、野菜、ミカンなどの部門を中 心とした農業が展開されており、まさしく 「上場 台地の縮図的集落であるJといえるだろう。3
,r
枝去木の皇・あいがも稲作研究会jの概要 (1 )研究会の結成と経過 「校去木のm
_
,あいがも稲作研究会」は、1996
年に枝去木集落内の農家10
戸が参加して結成さ れた。その前年度、集落│勾のある農家が試験的に 合11鳴稲作を始めたことがきっかけとなり、わずか1
年足らずで研究会の結成にこぎつけたことにな るが、合鴨米の付加価値や環境保全型農業に対す る意識・期待が高かったわけで、はなく、どちらか というと地域活性化運動的な色彩が強かったとい える。 さて、研究会の参加農家数は結成の翌年1997
年度にはさらにl
戸が加わり11
戸となったが、2000
年以降からは研究会を脱会する農家や合鴨 稲作を行わない農家が見られるようになってい る。また合111鳥稲作の実施面積も1999
年度の379
a
を頂点としてその後は急激な減少傾向にある (表l
参照)。尚、2002
年度の合111鳥稲作実施面積 は296a
であるが、これは同集落における総稲作 実施面積(合鴨稲作を実施していない農家も含む) の約35%
を占めている。 表1 研究会参加農家数および合鴨稲作実施麗積の推移 研究会に参加したj良家 (うち分11潟稲作を実施した農家)(
2
)
研究会の活動 (1)において述べたように、本研究会が地域活 性化運動としての役割を担っていたことから、結 成後3年間はアイガモ放銅祭・収穫祭・感謝祭な どのイベントを開催していた。地元新聞に記事が 掲載されたこともあって、多いときには200
人近 し、人が訪れたようであるが、ここ数年は研究会メ ンバーの足並みがそろわないことから停滞気味と なっている。また、近隣の小学校から学生を招い ての田植え・ヒナの放飼・稲刈りなどの体験学習 の請負や、JA
唐津市の農業祭への出屈なども行っ て い る 。 こ の よ う な 一 連 の 活 動 が 評 価 さ れ 、1999
年度には佐賀県から地域振興活性化対策の 補助金が交付されることとなり、3
tのコメを貯 蔵可能な冷蔵庫を備えた直売所が建設された。産 売所では合鴨米や合i鴎肉のほかにも農家が生産し た野菜なども販売されていたが、土日限定の営業 であったことから売り上げが少なく赤字であるた め、ほとんど機能していない状況である。 また、アイガモのヒナの購入、解体委託、アイ ガモ肉の販売は基本的に研究会が一括して行って 2002"1三 10 (9) 296 いる。アイガモのヒナは、まとめて購入すること によって官同者カ ~500 円カ通ら 400 円に節減さオ1てい る。 (3)合鴨稲作の課題 ①合鴨米の価格:研究会結成時、全ての合鴨稲作 実施農家がJA
唐津市に合11鳴米の販売を委託してい た。初年度の生産者手取価格は玄米60kg
あたり 約25
,000
円で、同地区で生産された普通コシヒ カリのそれをはるかに上由っていたのだが、翌年 度からは側格の下:搭が始まり、両者の差は次第に 締まってきている。合111高稲作は慣行稲作に比べ手 間がかかるため、同様の経済性を実現するために は玄米 60kg あたり 25 , 000~30 , 000 円の生産者 手取額を実現することが望ましいとされており、 現在のJA
清津市の儒格については、全ての農家が 強い不満を感じている。そのため、JA
唐津市への 委託販売による価格下帯後、 3戸の農家では個人 的に産直販売を実施し価格の維持に努めている が、この場合はおおむね高い生産者手取り価格が 実現されている。14 後 誘 1 '11 f!I¥・権 j熊 本 74i- 小 林 恒 夫 表2 JA謹津市に販売を委託した合鴨米および普潤コシヒカリの販売価格および生産者手取り価格 品極 │ 分類
l
価絡I
96年度ITAI
97年度ITAI
98年度 ifJ~I
99年度iffi.I
00年度産 合11鳴米 )1仮売価格 1 27,209 1 23,904 1 1 1 コシヒカリ Ei
ヨ三産者手取り{耐各I
25,346I
21,569I
22,067I
20,756I
19,000 を 陣室盤皇 弐通米 ドヂキ明性i 生産者守主取り1nli格 註1: JA}宮津市への!羽き取り前査より作成。 設2 : JA)jlf~Wilj では校去木合 i陥稲作研究会以外の合鴨米も一部取り扱っており、データにはその 分も含まれる。 1113:生産若手手取りは販売額から販売手数料 2.5%や保管料、運送料などが差し引かれ、 if~ 終的に 段家に波される金額。 註4:iE迎コシヒカリの生産者手取りには稲作絞営安定対策費が加算されている。 註5 : 2000年度の伊11[;):)1との生産者手取りは.JA)it主'l11市の推測である。 ま1:6 : 2000年度産以降はすべての販売が終了していないため、販売綴がli{H定していない。 註ア:1998年度・ 1999年度の販売額は不明。 表3 産直販売による合鴨米の価格 j主家 販売契約内容 60kgfß~g1 高:号 品種 白米/玄米 数llt(kg)Jl長う己主笈(lIJ)i坂先イlllî1~ コシヒカリ 玄米 60 30,000 30,000 コシヒカリ 玄米 60 28,000 28,000 コシヒカリ 五三米 5 3,000 36,000 コシヒカリ 白米 5 3,000 36,000 2 コシヒカリ 白米 5 2,500 30,000 3 コシヒカリ 玄米 30 10,000 20,000 コシヒカリ 1~131ミ 30 12,000 24,000 市 出 家 へ のfI泣き i絞り誠査より作成。 ② ア イ ガ モ の 管 理 . 合 鴨 稲 作 は イ ネ と ア イ ガ モ の 複 合 経 営 の 形 態 を と る た め 、 農 家 は 慣 れ な い ア イ ガ モ の 管 理 に 苦 心 し て い る 。 特 に 、 ア イ ガ モ が 死 亡 し た り 逃 亡 し た り し て 間 収 率 が 極 め て 悪 い 率 、 水田から引き揚げたあとも 3~4 ヶ月間肥育しな け れ ば な ら な い こ と な ど が あ げ ら れ 、 こ れ ら が 経 常 に 深 刻 な 打 撃 を 与 え て い る 。 表4は 合11鳴 の 回 収 率 を 考 慮 し て 、 各 農 家 が 研 究 会 か ら 渡 さ れ る 合III!日 肉 の 生 産 者 手 取 額 を 示 し た も の で あ る 。 本 事 例 の 場 合 は 、 基 本 的 に 全 て の 合11鳴 肉 が 直 売 所 で l羽 あ たり 2 , 000 刊で販売され、それから合 IjI,~のヒナ代400
円 、 解 体 料600
円 、 直 売 所 の 販 売 手 数 料400
円 が そ れ ぞ れ 差 し 引 か れ 、 各 農 家 に 配 分 さ れ て い る。合 11鳴の問収率カ ~40% を下回っている農家は、 こ の 段 踏 で 赤 字 に な っ て お り 、 そ れ ら の 農 家 は 手 出 し で 損 失 を 補 填 し な け れ ば な ら な い 。 さ ら に 、 表4 合鴨部門の収支 L必...r^家'4 1iY.餓 剖l又 @]l以来 J 壬ffi:.j口3 羽数 ~~J 数 主 A 60 40 67% 3長 B 27 40 1'18弘 的 l良 D 30 10 33拍 為 三 G 25 13 52% 同 サ H 80 40 50% 業 130 65 50% 自 甘 J 35 6 17% ftf2 K 100 70 70% p 秀品マ三・ N 40 33 83% 合計 527 317 60% 討 ,1 出家へのI.liJき取り認査より作成。 註 2 : 2002年度のデータである。 販売額 ヒナ!日i入費用 角平体l''t}羽 販売手数料 生手産耳元者利1 80,000 24,000 24,000 16,000 16,000 80,000 10,800 24,000 16,000 29,200 20,000 12,000 6,000 4,000 -2,000 26,000 10,000 7,800 5,200 3,000 80,000 32,000 24,000 16,000 8,000 130,000 52,000 39,000 26,000 13,000 12,000 14,000 3,600 2.400 -8,000 140,000 40,000 42,000 28,000 30,000 66,000 16,000 19,800 13,200 17,000 634,000 210,800 190,200 126,800 106,200 註3:生産者手lfx¥fJlとは、 i夜売所での合的肉の販売がすべて完了した後、研究会から各民家に波され る金額である。 設4:生産者子lfxffiiは、販売綴からとナの購入質問・fM:{本政府・販売手数料を差しつ│し、て鉱山したo ~~ì: 5 : ~t:産者手取額には、合 I隙のエサにかかった ~!UfJは加算されていない。I jl 11 1 111]地械における合II!!;)稲作の現状と股禁 15 合'jl.患のエサを購入している農家で、は、さらにエサ 代が差し引かれることになるため、合鴨部門から 得られる利誌は極めて少ないことが容易に推測で きるだろう。 ③合1'鳴稲作と他部門の農繁期の重複:特に葉タバ コ農家とイチゴ農家の場合が深刻であり、合鴨稲 作をやめた農家
2
戸はイチゴ農家と葉タバコ農家 である。集落内の葉タバコ農家とイチゴ農家は 1996年時点で5戸だが、現在、合i鴨稲作を実施 している農家は1戸のみである 表5
研究会参加農家数と合鴨稲作実施震家数の推移 年度 研究会に参加した農家 主業的役家i
'うち合鴨稲作さと実j泡した農家 研究会に参加した農家 長IJf程的良家i
'うち合鴨稲作を51ミ擁した農家 註1 出家へのIIHき1[;(り調査をもとに作成した。 設2 研究会の結成は1996年からである。 ①合鴨米の頭売姿勢による比較 JAJ唐i
苦雪津市市'
i
にこ}販仮売委託された合i鴨i
陪鳴米の日医4
佃価│Iji格!惰脅が下落 f傾頃向にある~十札F するには産直販売が最も望ましい方法でで、あるとい える。 しかし、主業的農家ではJA
唐津市の価格に不満 を感じつつも、一様に f合鴨米の販売にまで手を かけるつもりはなしリと巨│答し、合I鴨米の産産販 売を実施または計画している農家は見られなかっ た。むしろ、合鴨稲作を地域活性化の手段として のみ位置づけ、利益を得ることを全く期待してい ないという農家もおり、合鴨米の販売意欲は極め てイ民いといえる。 一方、副業的農家では、JA
唐津市に販売委託し た合鴨米の価格下落に伴って、個人的に産直販売 を実施している農家が3戸あった。そのうちの2 は販売の中心を産醸販売に転換しており、いず れも満足し、く価格を実現している。残る1
戸は、 いまだJA
への販売委託が中心であるとともに、産4.
合鴨稲作の現状 (1 )合鴨稲作への取リ組み状況の相違 農業規模が大きい農家と小さい農家とでは合鴨 稲作に対する取り組み方に違いが見られる。表5
は、枝去木集落の合鴨稲作実施農家(過去に実施 経験のある農家も含む)を就業状況や農産物の販 売額などを基にして主業的農家(註1) (農産物 の販売額が多く、専業的な農家)と副業的農家 (註2) (農産物の販売が少なく、兼業的な農家) に分類し、それぞれの研究会参加農家数と合鴨稲 作実施農家数の推移を示したものである。主業的 農家の合1'鴇稲作実施農家数が減少傾向にあるのに 対し、副業的農家のそれは1996年の研究会結成 時から安定していることが分かるだろう。そこで、 両者の合1'鳴稲作に対する意識や取組状況につい て、以下の①②③で、簡単な比較を行った。 2002 5 4 5 5 直販売の価格も決して満足できるものではない が、経営主には fすべてを産直販売に転換したいj という強い意思があり、積極的にPR
活動や営業 などの販売努力を行っている。また、これらの農 家の他にも、JA
唐津市による価格が回復するので はないかと考えて、合1'鳴稲作を続けている農家も おり、価格に対する関心や販売意欲は極めて高い といえる。 このようにJA
唐津市による合鴨米の価格が下落 する中で、主業的農家では一様に価格に対する関 心が低下しているのに対し、副業的農家では今な お価格に対する関心が高く、活路を求めて産薩販 売に取り紹むなど、同者の合鴨米の販売意欲には 明らかな違いがあることが分かるだろう。 ②合鴨稲作への取り組み理由による比較 一般的に合鴨稲作を始める理由としては、「合 ' 11,号米の付加住i
l
Il誌によって米を高く販売したいとい う期待(以下、@と表記する)Jや、「農薬や化学16 麓 誘 jlj
m
l
.
f者 : 終 ヨ ド ; ぷ ・ 小 林 恒 夫 肥料を使用しない環境保全型農業への憧れまたは 合鴨米の安全性の魅力(以下、⑪と表記する)J などから、合 III,~稲作の農法自体に魅力を感じてい る場合が多いようである。しかし、本事例におい ては、そのほかに「集落ぐるみの地域活性化運動 の一環(以下、O
と表記する)Jや、 f集落内の農 家が次々と研究会に参加する1::11でその流れに取り 残されまいという意識やっきあいから仕方なく (以下、@と表記する )Jなどの社会的理由から、 農法自体にはあまり興味がないにもかかわらず合 申告稲作始めた農家も多く、極めて特徴的である。 これは、研究会に地域活性化運動的な要素が含ま れており、結成の中心的メンバーらが集落内の農 家に広く誘いをかけたためだろう。このように本 事例における合鴨稲作を始めた現由は、一様では なかったが、やがてJA唐津市による合鴨米の価格F
落に伴い、その後の各農家における合鴨稲作の 取り組み理由は大きく変化してきている(図21 参照)。 主業的農家では、合I11鳥稲作を始めた理由として、2
戸の農家が@をあげているが、⑤やO
をあげる 農家の方が多かった。 JAによる合鴨米の制格が下 落した現在は、合I1則前作を続ける理由として@を あげる農家はなくなり、仕方なく合 Il\~稲作を続け る農家が急増しているのが分かるだろう。@と回 答した農家すべてが「斑売所の建設費用の払い込 みがまだ残っていることjをあげており、「本当 は合 II\!~稲作をやめたしリと答える農家も見られた。 中には、合III鳥稲作の農法に魅力を感じ、取り組み 理由が@から@へと変化している積極的な農家も l戸あるが、その他の農家では合I1鳴稲作に魅力を 感じておらず、取り粧l
み意欲が急激に低下してい る。議
参
加
l 主計者
継
絞
力 お 参 制 服 漏 出 ﹁ p q w m 一 一 泡 。 九 レ ャ T M M ス u u り u d y F J に蕊 値創 価力 尚 加 魅 K W リ こ 1 1 ﹀ 2 0 v H 判 米 白 黒 川 U A 口 山 M A n D 40% C仲間作り・村おこしの E31 0 仕方なく 80出 60弘 100見 密1
合鴨稲作への取り組み理由の変化 設1 民家への聞き取り調査より作成。 1li:2 :その他の1m答は省11併した。 註3:複 数i亘i答は案分化し、単一"H答の場合と平等化した。 一方、商業的農家ではもともと環境保全や食の 安全性に対する意識が高い農家が一部見られるも のの、@の割合も高く、主業的農家と同様にその 取り組み始めた理由は一様ではないことが分か る。しかし、現在では、すべての農家が続ける理 由として@または@をあげており、程度の差はあ れ合11鳴稲作に対して何らかの魅力を感じているこ とが分かるだろう。現在、 JA唐津市の合鴨米価格 が下落したにもかかわらず、@と田答する農家が いるのは、前述のように合鴨米の販売意欲が高い ことや産直販売によって高価格で販売できている ためであると思われる。また、無農薬栽培である ことに魅力を感じている農家が多いのが臼に付 く。とくに注目すべきは、もともと⑪であった農 家や、満足し、く合11鳴米の師格が実現できていない 農家で、も無農薬栽培に魅力を感じているという点、 である。そして、ほとんどの農家が合鴨米を保有 米に当てているか、または将来的に保有米にした いと問答しており、「満足し、く経済性の実現Jの 有無にかかわらず、無農薬栽培であるという非経 済的な魅力を感じている。 JA唐津市の合鴨米価格の低下によって、 3三業的 農家では取り組み意欲が著しく低下しており、仕 方なく続けている農家が多い。しかし、副業的農IjllJlflJj地域における合11駅前作の現状と展望 実施面積の推移を示したものである。主業的農家 は
1
9
9
6
一年度から2000
年度までは年々微増を続け てきたが、2000
年度以降、急激に実施面積が減 少し、ここ3年間で半分以下まで落ち込んでしま っている。これは2000
年度以降、年々実施農家 数が減少していることが主な原因であるといえる 17 家では、経済性だけではなく、無農薬栽培である ことを、すべての農家が魅力と感じており、積極 的に合鴨稲作を続けている傾向が見られた。 ③合鴨稲作実施麗積による比較 j玄1
2
は主業的農家と副業的農家ごとに合)
1
1
1
母稲作 ー一戸あたり而積 20.0 10.0 50.0 40.0 30.0 (a) (a) 400 350 300 250 200 メ》、 仁1H
150 而 t.T/.,
100 50 ハ U ハ U 2002区乙と当面11 業 I'I'J I~~~支合計 i面積 一ふ一両11 業 I'I'J I~~~支 1 戸あたり而絞 2001 2000 1999 1998 巳ご3 主楽的j民家合計j百ili'1 一金一主*的決家1戸あたり1m積 1997 1996 1995
。
合鴨稲作実施箇積の比較 ;~1: 1 :1
1
芸家への1mき取り調主主より作成。 計十2・研究会の結成は1996年度からである。 註3:1 戸あたりの而平氏 l土、合計オく回 iliîfllを合 IP'烏稲作をど 3短絡した);~~ま数でやl ったものである。 臨Z 図3 副 業 的 農 家 合鴨稲作実施面積の割合 e ,'ll:j災家への聞き取り1調査より作成。 註2:2002年度のデータである。 註 3: …般水凶 lこ l主主\~淡菜栽培や減}災楽殺絡の水間も含む。 主 業 的 農 家 70弘 60弘 50弘 40弘 30覧 20% 10% 。 覧 100桔 90覧 80% が、加えて l戸あたりの実施商積も減少してきて いることも分かる。主業的農家の合11'鳥稲作実施困 積は規模縮小の傾向にあるといえる。 一方、副業的農家は、2000
年度に1
度だけ実 施商積が減少しているが、その後の減少傾向は見 られない。実施面積が減少したのは、ある農家が 外敵の襲撃をうけやすい山奥の水田における合鴨 稲作を中j上したためであるが、同農家は水田の借 入によって合1
1
鳴水田を元の規模に戻す計画であ る。このことや残りの農家では合鴨稲作実施面積 が減少していないことを考慮すれば、副業的農家 の合1
1
鳴稲作実施面積は、今後、増加する可能性が 高いといえる。2002
年度の枝去木集落における合鴨稲作実施 総面積は296a
であるが、その75%
を占める223
a
が副業的農家によるものである。副業的農家の 合1
1
1
島稲作実施総面積は、1996
年以来、常に200
18 1ft!.誘r!i Hli ・ f1f¥ 膝 さ ; 与 志 ・ 小 林 恒 夫
a
を超えて推移しており、 1戸あたりの実施面積 で見ても 40~50a
の開で推移している。 主業的農家の合1
1
鳴稲作実施面積は100a
前後、l
戸あたりの実施面積は20
a
前後で推移しており、 し、ずれも開業的農家の半分程度に過ぎず、その規 模が小さいことが分かる。 さらに、稲作実施総面積に占める合1
1
1
!
e
y
稲作実施 面積の割合を示したものが表3
である。2002
年 度の副業(:J'']農家における合鴨稲作実施面積223a
は、同稲作実施総関積286a
の78%
を点めてお り、かなり高い割合で合1
1
鴇稲作を導入しているこ とを示している。同織のことを主業的農家でみる と、2002
年度の主業的農家の稲作実施総面積は251a
であり、副業的農家のそれ286a
と比較し でもあまり大差は無い。しかし、合鴨稲作実施面 積は73a
で、総稲作実施面積のうちの29%
を占 めているに過ぎず、副業的農家に比べると、その 割合がかなり依いことが分かる。 合1
1
1
則前作実施面積が安定している副業農家に対 し、主業的農家のそれが減少傾向にあることから、 その差はさらに拡大しつつある。今後、校去木集 落の合鴨稲作実施面積に占める副業的農家の割合 はさらにi
向くなる可能性が高いといえる。(
2
)
取り組み姿勢の棺違が生じた背襲 主業I
Y
,]農家と副業的農家の間には、合1
1
鳴稲作に 対しての取り組み方や意欲に明確な違いが存在し ていることが読み取れた。主業I:I'']農家はそのほと んどが合鴨稲作に対する意欲が極めて低下してお り、負担と感じつつあるといえる。今後、農家数 の減少や実施規模の縮小がいっそう進行すること が濃厚で、ある。一方、副業的農家は、そのほとん どが合1
1
鳴稲作に何らかの魅力を感じ、今後も合1
1
鳴 稲作を存続してし、くために、合I1鳴米の販売方法の 改善や、技術的な改良などに試行錯誤している姿 が見られた。このように合鴨稲作への取組状況に 明確な差が生じるのはなぜだろうか。 関4
は校去木集落における合1
1
鳴稲作実施農家の 部門別販売額、間5
はその部門別販売額の構成割 合をそれぞれ示したものである。枝去木集落は中 山間地域的な地形であるため、稲作条件不利地域 にあたり、各農家における稲作の規模は比較的小 さなものである。そのため、経営規模が大きい主 業的農家 A~G では、総販売額に占める稲作部門 の割合が極めて低くなっていることが分かるだろ う。主業的農家では、農業所得が農家所得の中心、 あるいはそのものであるため、農業部門でいかに 収益をあげられるかが、生活のカギを握っており、 農業には常に経済性を追求することが求められる のである。そのため、葉タバコ、イチゴ、南産な どのような、より収益性の高い部門が農業経営の 基幹となり、稲作部門の位置付けは低くなってし まうのである。また、経営の規模が大きいために、 多くの農家が慢性的な入手不足の状態にあるた め、稲作部門とそれ以外の基幹部門の農繁期が重 複すれば、限られた労力を少しでも多く慕幹部門 の方に投入しようとする意識が働くのは当然で、あ る。葉タバコ農家やイチゴ農家では、それらの農 繁期と稲作の時期が合致しているため、とくにそ の傾向が強く現れており、合鴨稲作は手間がかか るため、合IjlI.y
e
米の価格にかかわらず、無条件に敬 遠されてしまっている。また、それ以外の農家3 戸のうち、B
とG
では、JA
唐津市の合鴨米の価格 が下落し、合I1鳴稲作の経済性が低くなったことか ら、より経済性の高い施設野菜(トマト)部門を 導入、または導入を計画しており、合鴨稲作への 取り組み意欲は極めて低くなっている。 さて、本稿では産直販売による合1
1
1
,!ey7{ミの価格が、 かなり高し、水準にあることを示し、その場合、慣 行稲作に勝る経済性が実現できることも指摘し た。しかし、主業的農家では、合1
1
1
,%米の付加価値 による収益の増加が、農業収首全体からみると目 に見えないようなわずかなものであることや、も ともと稲作部門に対する意識や位置づ、けが低いこ となどから、わさ、、わざ合III!日米の産直販売にまで手 間をかけるほど意欲はないのである。 一方、副業的農家 H~N は、いわゆる第 2 稽兼 業農家である。これらの農家では、経営主が恒常 的勤務に就いており、農業に投下できる労働力や 1 1寺聞が限られていることから、農業経営の規模は 極めて小さくなっている。また、部門数も 1~2 部門と少なく、ほとんどが稲作部門の単一経営、 あるいは、それに他の1部門を加えた複合経営と なっている。そのため、総販売額に占める稲作部 門の割合は高く、農業経営におけるその位置付け も高い。つまり、副業的農家の農業経営の中心は 稲作部門であり、販売額も少ないことから、合I1鳴 米の付加価値による収益の増加は無視できない魅I Il!LlIllJ.l:也城における合11鳴稲作の現状と反梨 19 力的なものであるといえる。そのため、 H.1 . K の
3
戸の農家では合1
'
鳴米を有利に販売し、少しで も多くの収誌を上げるために、積極的に産夜販売 に現り組んでいるのである。 また、部業的農家における農家所得の中心は、 経営主の恒常的勤務による炭外所得であるため、 主業的農家の場合と比べると、農業収益が家計に 与える影響は非常に小さく、農業lこ常に経済'
I
t
l
:
を 追求しなければならないという必要性に迫られる ことも少ないといえる。このように、「農業が融 業であるj という経済的もしくは精神的な余裕を 〈万円) 3.000│
匝
関ミカン 2.000~ 尽露地野菜 rnjj包設野菜 1.500臨-
k
:
U
;
rn タ1¥コ 1.000 500 A B C D F G H I J K N A~G 1三雲量的農家 H~N 創 業 的 農 家 図4合鴨稲作実施農家の部門別販売額 ,;11 ・ Jl!z~~ への fJfI きI1同調j!f:より作成。 ,it2・2001年皮のデータである . il:3:~見 {:EI土合鴨稲 (1二を災施してし、ない Jl!g;主も含めた。5
.
中山間地域における合鴨稲作の展望 かつて、アイガモブームと呼ばれるほど飛躍的 に普及した合鴨稲作は、やがて淘汰の時期を迎え、 ここ数年、合 'IJ,!~稲作をやめる農家も自に付くよう になってきた。合鴨稲作は慣行稲作に比べ、より 多くの労働投下を必要とするため、同等の経済性 を獲得するためには、より高L叫文誌を確保しなけ ればならない。しかし、米価の低迷が進み、市場 における合鴨米の価格も下落{出荷が見られ、従来 通りのJA
委託型の販売戦略のもとでは高し、収益を 得ることが悶難になりつつある。このように、合 鴨稲作を取り巻く状況も厳しくなる中で、中山間 地域では、主業的農家(農業経営の規模が大きい もって合鴨稲作にr[l(り組むことができる環境にあ るため、満足L、く経済性が実現されているか否か にかかわらず、無農薬有機栽培であることや、合 鴨米の食l球や安全性などといった非経済的な魅力 や楽しさを感じ、合1'鴇稲作を続けているのだろう。 校去水集落の主業的農家と開業的農家の開に見 られた合11鳴稲作に対する明確な取り組み姿勢の相 違は、両者の農業経営における稲作部門の位置付 けの違いと、農業への取り組み姿勢の違い、ある いは農家経営における農業所得の位置付けの遣い により生じたものであるといえるだろう。 ou可 諒 図ミカン 60., 40." 20九 ・・,,]1:"・: .. -、 ・ ..a ••• 説一 ::ー;: ・・・. . "シ匁玖H〆ヨ “ 日. : Z該 〆部"... 11-.-.・ .・ ... A B C D F G H I J K N 図露地野菜 臼施設野菜 図タ1¥コ A~G 主 業 約 農 家 H~N 冨IJ業 約 農 家 酪5合鴨稲作実施農家の部門別 販売額割合 . lU:J史家への問iきIjj(り調子fより作成0 ,¥1:2 : 2001 i[二度のデータである。 認:3:現在!土合 'l!f}Ti\HH:WJiもしていないWk~まも含めた。 農家)と副業的農家(農業経営の規模が小さい農 家)の悶に、明確な合 IIJ,!~稲作に対する取り級み姿 勢の相違が生じ、前者ではやめたり、規模を縮小 したりする農家が多い傾向にある。 主業的農家では、慢性的な労働力不足の傾向が 強く、またその経営的特質から農業にも優れた経 済性を追及することが求められるため、限られた 労力をより収益性が高い部門に集中的に投下し、 より多くの収益をあげなければならないのであ る。ことに、稲作条件不利地域である中山i
現地域 においては、稲作吉)1111]が経営の中心とはなり得ず、 その位龍付けや意欲は限りなく抵いものである。 そのため、手間がかかることに加え、昨今の合11鳴20 E立 誘 市 郎 ・ 椴 } 後 事 ; 芯 ・ 小 林 憤 夫 米の価格下落によっていっそう経済性が低くなり がちな合鴨稲作は敬遠されやすいのである。 一方、副業的農家の多くは、経営主が農業以外 の恒常的勤務に就いており、稲作部門を中心とし た少部門・小規模経営となるため、産直販売によ ってその収誌が増大する可能性を秘める合鴨米の 付加価値は魅力的なものである。また、 f農業口 副業Jという経済的あるいは精神的な余裕をもっ て農業に取り組めるため、 f無農薬有機栽培であ ることjや「合鴨とのふれあしリ、「合1I鳴米の安全 性Jなどといった合鴨稲作特有の非経済的な魅力 を感じやすく、満足し、く経済性が実現されている か否かにかかわらず、熱心に取り組んでいる農家 も多い。また、彼らにとって、合鴨稲作が休日や 勤務後の時間だけでも取り組めることも、大きな 利点となっている。 このような状況から、今後の中1111理地域におけ る合鴨稲作を展望すると、副業的農家、つまり第
2
種兼業農家に代表されるような農業経営の規模 が小さく副業的な農家を中心として取り組まれて いくことになるだろう。しかし、中山間t也I或カ1稲 作条件不利地域であることと、合1I鳴稲作が f手時 がかかるjという技術的な制約を抱えていること を考えれば、大規模に取り組むこと圏難であるた め、副次的あるいは趣味的なものとして位置付け られる可能性が高いだろう。また、合1I烏稲作は経 済性以外の魅力を持っていることから、充分な経 済性が実現されなくても楽しめる農法であり、と くに環境保全型農業や食の安全性に対する興味や 意識をもっている農家においてはさらに有利に展 開していくこととなるだろう。6
.
おわりに 本稿は、佐賀県唐津市枝去水集落の「枝去水の 里・あいがも稲作研究会jの事例をとおして、中 山田地域における合鴨稲作の現状を探ってきた。 研究の手法としては、農家への聞き取り調査を重 視し、できる限り現地に赴き、農家と直接会って 話を聞くことを心がけてきた。しかし、今回は合 鴨稲作の経済性については充分なデータを示すこ とができなかった。また、他の地域の事例に触れ ることもできなかった。これらの点へのアプロー チを今後の課題としたい。 (註1)2000年民業センサスの定義による主楽的段家{民業所 得が主(民家所得の50%以i二が従業所得)で、 65歳 未満の J~~ 業従来 60 臼以 i二の者がいる民家をいう l で あり、かつ}均援物の販売叙が100万円以上の民家。 (註2))災産物を販売している民家のうち、主業的農家以外の良家。 参考文献 1.,
'i野降雌 f合'I!(j'まんざい アイガモ7)<稲i言jll寺作の災l燦-J i民ILI漁村文化協会、 1992年。 2 117野隆雄 f1!¥U仮に拡がるーアイガモ水稲問符fi"j足)ILJ漁村 文化協会、 1997年。 3.11I根瑞l吐[}レポ 合鴨列ぬ一段業の愉快な巡・新しい滋-J ダイヤモンド社、 1994年。 4 荒EElii叩tアイガモ波法j~Nm万、 1993"j.:o 5.佼勝一美?アイガモ家族ーカモが育てるゆかし、な米づくりi ポプラ社、 1997年。 6. 入佐英紀・戸島信一・横川口ー ffゴ機長芝業から環境保全 ~í~IE~ 業への展開条件 九州における3つの有機民業実践事例か ら-Jn
箆業経済論集j第49巻tH2号、 1998年。 7. ;1:1上 ){A-・糸lE{主主人 fi制!日稲作の技術と経済例年にi対する一 考祭-IlI口県下におけるお例分析をふまえて J段林業 問題研究32お35巻第lE手、 1999年。 8 井 上jgー 「 合1'鳴 稲 作 の 経 済 性 と 作 付 規 模 の 規 定 要i五JJ rJll!林業問題研究i努¥38老会第1号、 2000年。 9.聞方主ifH'j' 問III哲也・火水茂「アイガモ12法の成立姿i山 1 =1本有機!良薬学?有機lIミ主主 211設紀の課題と可能性 コモンズ、 2001年。 10. 萩尾 IYIIヨ香 f 合 '1鳴民法に取り~Jlむ人々一佐賀県の事例を もとにーJ佐賀大学!見学部資源社会管耳11学 講 座 W3号館 フィーjレド"1三Wjtr13号、 2001"ド。II小林恨夫 f海浜台 I也会主 Ifrfll~-21土 g1i 地域民漁業の社会経済
機浩一;佐賀大学iJiJ浜f=i.li!J生物生産研究センタ一、 2000 12.小 材 恒 夫 「 佐 賀 平 均 と 上 場 台 地 の 段 業 展 開 上陽段階の 形成と脆sJsi'11:-J i {tEt'i大学後学者ii公報』第87'号、 2000 "i三。 13佼係裕・城下'(i'; 米の王様・I]:JI.LJ問地米』校設問、 1996 14. II1!政ジャーナリストの会 5新食軽量法とコメ流通)見f,j,統計 協会、 1995年。 15.食総制度研究会?よくわかる新食齢制度3地球社、 1996 . fjミ。 16.学根:.:M