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COPD 診療の現状と課題

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Academic year: 2021

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「COPD 診療の現状と課題」 名古屋大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学分野 長谷川 好規 WHO による 2020 年における世界の死亡予想は、第 3 位が COPD, 第 4 位が肺炎、 第5位肺癌、そして第 7 位結核となり、呼吸器疾患が急増するとされています。その 中で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、これまで肺気腫および慢性気管支炎と呼ばれ ていた病気を 1 つにまとめた病名です。現在、40 歳以上の日本人の約 530 万人が罹 患し、70 歳以上の高齢者では約 212 万人が罹患していると考えられており、今後ま すます増加する疾患です。この病気は、有毒な粒子やガスの吸入によって肺に炎症が おこり、肺内の空気の流れが制限され、しだいに進行してゆく病気です。この疾患の 原因として最も重要なものは、喫煙です。そのほか、大気汚染などの環境要因と、遺 伝などの患者さんの内因要因も知られています。特に喫煙は COPD の最大の危険因 子で、90%近くの COPD 患者さんは喫煙者です。また、喫煙者における COPD 発 症率は年齢とともに上昇し、高齢者喫煙者では 50%近くに COPD が発症します。ま た、禁煙しても障害された肺と肺機能は回復することがなく、治癒することはありま せん。COPD を疑う代表的な自覚症状は、喫煙経験がある人で、咳、痰が多く、階段 を上るとすぐに息切れがすることです。早期に COPD を診断するためには、呼吸機 能検査(肺機能検査)が最も重要で基本的な検査です。これまで COPD は治癒しな い治療薬のない病気と考えられていました。しかし、現在は予防可能で治療可能な病 気と認識されるようになりました。最大の予防は、禁煙です。壊れてしまった肺を元 どおりに治癒させることは出来ませんが、症状を取るためのお薬(気管支を拡張させ る薬)が多く開発されており、患者さんへの恩恵が期待できるようになりました。本 講演では、COPD の病気そのものを多くの県民の皆様に知っていただき、その予防、 治療の現状についてご理解いただけると幸いです。

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