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自律移動型農薬散布ロボットの開発

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Academic year: 2021

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自律移動型農薬散布ロボットの開発

総合技術センター 計測・制御技術分野

北島 孝弘 (Takahiro Kitajima),桑原 明伸(Akinobu Kuwahara)

Abstract

This paper describes a developed autonomous pesticide spray robot working in a plastic greenhouse. Pesticide spray of agricultural work is hard and harmful for the workers. Therefore the pesticide spray work should be replaced a human with a robot. Then it will be safe for human and reduce labor cost of agriculture. The robot has only an obstacle detection sensor which is called a laser range finder (LRF). The robot can move between plant beds using the sensor data without a collision. The robot has been developed by working with a research group of prof. Yasuno in Tokushima University and Tokunoh Syubyoh Co., Ltd.

Keywords: Pesticide spray, Greenhouse horticulture, Autonomous mobile robot

1.はじめに 本稿では,徳島大学の安野教授研究グルー プおよび徳農種苗株式会社と共同で開発した 自律移動型農薬散布ロボットについて紹介す る。近年,農作物の収量や質の最大化を目的 に,ハウス内の温湿度・二酸化炭素濃度など が制御された施設園芸の導入が進んでいる。 しかし,気温・湿度が高いハウス内での農薬 散布は防護服やマスクを装着した作業者にと って大きな負担となっている。そこで,我々 は自律移動型の農薬散布ロボットを開発し, 農作業者の負担軽減と生産コストの低減を図 る。これまで,国内においても農薬散布ロボ ットは開発されているが,それらはロボット の走行経路に設置されたレール,地上電線か ら発生する磁界,経路沿いの壁を利用する手 法であり,施設に何らかの追加投資が必要と なる。そこで,本研究では導入コスト全体の 削減が可能となるように環境認識センサとし て,ロボットに赤外線レーザ測域センサ(LRF) を搭載し,そのセンサ情報をもとにロボット の自律移動を実現する。 2.ロボットの走行環境 図1に開発した農薬散布ロボット及びその 走行環境を示す。ハウス内の栽培ベッドは図 1に示されているとおり,施設の建設コスト 削減のため細いパイプで構成されており,ロ ボットはそのパイプを検知しながら栽培ベッ ド間の中央付近を走行する。このとき,栽培 図1 農薬散布ロボット及び走行環境 ベッドのパイプ,ハウスの構造物は鉄製であ り,GPS信号の受信は困難となる。また,ロ ボットが走行する床は整地した土地の上に薄 いビニルシートが張られているだけなので, 地表面は多数の凹凸が存在し,すべりやすく 走行制御なしでは直進することも困難である。 3.農薬散布ロボットの概要 図2に開発した農薬散布ロボットを示す。 ロボット後方には農薬タンク,静電噴霧スプ レー,ポンプ,前方には制御盤,LRFセンサ が搭載されている。ロボットは4輪であり,後 方に駆動用モータが2個,前輪としてフリーキ ャスタが2個設置されている。静電噴霧スプレ ーは霧状になった農薬に高電圧を印加してイ オン化することで葉の表面・裏面に効率よく 付着させることができ,農薬使用量の削減が 20

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図2 開発した農薬散布ロボット 図3 ロボット上部のLEDサイン 表1 農薬散布ロボットの仕様 可能となる。それにより,環境負荷低減とコ スト削減を実現する。農薬散布ロボットの仕 様を表1に示す。LRFセンサは北陽電機のUST- 10LXを使用しており,ロボット前方10 m,角 度分解能0.25度でセンサ接地面に対して水平 方向に広がる障害物を高分解能で検知できる。 LRFの設置高は地上から310 mmである。制御 盤上部にはロボットの状態を示すLEDサイン (図3),操作パネルとしてタッチパネル式 のノートPCが搭載されている。ロボットの駆 動用,制御用バッテリとして,リチウムイオ ン電池が搭載されており,タンクが空の状態, フル充電で約5時間の走行が可能である。 図4にノートPCを取り外した状態のロボッ ト制御盤内部の様子を示す。ノートPCが設置 されている裏側にロボット制御コントローラ としてナショナルインスツルメンツ社のI/Oデ バイスmyRIOが搭載されている。図5にロボ ットの制御システム構成を示す。myRIOは, 図4 ロボット制御盤内部 Controller by LabVIEW (PC) IO device (NI myRIO) Motor driver (V-CD 400L2) Motor driver (V-CD 400L2) LRF sensor (UST-10LX) Left motor (VHLD28L) Right motor (VHLD28R) Speed reference PWM PWM Sensing data 図5 ロボットの制御システム構成 LRFセンサの情報をもとにノートPCで計算さ れた車輪速度指令値をモータ駆動信号に変換 する。また,ロボットの動作状態を示すLED サインの点灯制御も行っている。LEDサイン はフルカラーLEDを採用しており,導光板に より面発光を実現している。今回開発したロ ボット後部に搭載されている農薬タンク,噴 霧スプレー,ポンプはユニットごと容易に取 り外しが可能であり,コントローラ側のロボ ット本体を独立させることができる。そのた め,後部に収穫用アームを取り付けると収穫 ロボットとして,コンテナを載せると収穫用 台車として利用でき,一台で複数の機能をも たせることが可能となる。 4.おわりに 本稿で紹介した農薬散布ロボットは現在も 開発中であり,ハウス全体を移動するための 経路計画走行や収穫用台車としての動作を今 後実現する予定である。 サイズ 540(W)×1220(L)×1500(H) mm 農薬タンク φ557×935 mm, 200 L LRFセンサ 分解能0.25度,検知範囲270度 駆動モータ 400W,ギア比 40:1 バッテリ リチウムイオン 24V, 36Ah ×2 NI myRIO Motor driver Circuit breaker Power & signal control board LED panel LRF sensor Control box Display Water pump Electrostatic spray Pesticide tank Drive motor 21

参照

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