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相生市鉄砲山海岸の植生とシバナ群落

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Academic year: 2021

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(1)修 士 論 文. 相生市鉄砲山海岸の 植生とシバナ群落. 兵庫教育大学 大学院修士課程 教科領域教育専攻 自然系コース. 学籍番号:M91626J 山本 一・潔.

(2) 目次. 1. はじめに……・…………・・………・1. 11. 調査植物及び調査地の概要・・・・・… 2 1 調査植物(シバナ). 2 調査地の概況. 川. 調査方法 1 シバナを取り巻く環境調査・・teee・ee… 4 A、植生 B、海抜、冠水時間、冠水回数. C、土壌分析 D、水質分析 2 シバナの生育特性・…一一・tt・・… tt… 6 A、実験室での実験観察 1)、結実率 2)、発芽実験 B、調査地での実験観察 1)、生活史の観察 2)、発芽実験 3)、移植実験 4)、定着観察. IV. 結果 1 シバナを取り巻く環境・・… ee・・・・… 10. A、植生 B、海抜、冠水時間、冠水回数. C、土壌分析 D、水質分析.

(3) 2 シバナ生育特性・ee・・・・・・・・・… ee… 13. A、実験室での実験観察 1)、結実率 2)、発芽実験 B、調査地での実験観察 1)、生活史の観察 2)、発芽実験 3)、移植実験 4)、定着観察. V 考察 1 シバナを取り巻く環境・・・・… ee・・ee・17 A、鉄砲山海岸の植生 B、海抜、土壌環境 2 シバナの生育特性ee・・・・・・・・・・・・・… 21. Vl. まとめ………・…・……・… 25. vll. おわりに………・e’”o’ee”27. V川. 鵠雪渓辛・・・・・・・・… 。・・・・・・・・・… 28. IX. 引用文献ee・・… e・・ee・ee・・… 2g. X. 付図及び付表. Xl. 資料及び写真.

(4) 1、はじめに 相生市鉄砲山海岸にはシバナ群落があり、その植生のもつ自然性と 稀少性から市の天然記念物に指定されている。. このシバナは、塩沼地にのみはえる多年草で、波がたたない内湾の. 遠浅地や河口の二二地において、大部分が満潮時に海水や汽水(海 水と淡水がまじった水)にひたるような場所に生えている。以前は、 日本のほとんどすべての河口や内湾がこの塩沼地となっていたため、 その分布域は広く全国的に分布していた(、)。しかし、海岸が改修さ れたり埋め立てられたりして、塩沼地が減少している(2)。これにと. もなってシバナも減少し、絶滅の危険のある植物に指定されるなど、 全国調査の必要性、保護が訴えられている(3)。. 兵庫県内においても、シバナは大塩、白浜、赤穂の塩田の低地や 海水を引く水路に群生していた(4)が、開発等により絶滅し、現在 は相生’市佐方川河口とこの鉄砲山海岸のみとなっている(5)。また、. 近畿地方においても、和歌山県の那智勝浦と兵庫県のここのみとな っている(6)。そこで、絶滅の危険性のある植物シバナの保護を考 える必要がでてきている。. シバナ群落を保護するためには、その環境つまり塩沼地の環境に ついて知る必要がある。塩沼地の環境については、多くの要因群の あいだに複雑な相互関係が認められている(7)が、海水の浸水、土壌. の含塩山および土壌の滞水性の3つがおもな要因として考えられて いる(8)。. シバナについての研究は、オーストラリアの塩沼地植物の研究のな かに、シバナ属(Triglochin s tria ta L)の報告(7)があるだけであ. る。シバナの日本での研究は、分類学的に、北川(g)、原(・・)の研究. があるが、生理、生態的研究では塩沼地の植生、環境調査(11、12)に. 1.

(5) 少しでてくるのみでほとんどなされていない状態である。. これらの研究は保護を目的としていないため、保護を考えるには不 十分である。本研究は、この相生市鉄砲山海岸のシバナ群落の保護 を考える基礎研究として行なったものである。. II、調査植物及び調査地の概要 1、調査植物一シバナ( Triglo ch in maritimum L♪. 一般の陸上植物は海水をかぶるとしおれて枯れてしまう。しかし、. 熱帯で生育するマングローブや、砂漠、岩塩地帯、あるいは海岸地 方にみられる植物は高濃度の塩分環境に適応して生育している。こ のような植物を塩生植物(13)とよんでいる。シバナはこの数少ない 塩生植物の一つである。. 世界的に見ると、北半球の温帯に広く分布している。日本産シバ ナには2種類あるとして、オオシバナ(g)(マルミノシバナ(10)) ‘Tr iglo ch in maritim u rn L♪と西日本に多いシバナ‘T. riglo ch in asia ticum LOve etLδve)を別種として分ける説もあ. るが、ここでは統一してシバナとし、西日本に分布するのをシバナ の南方系とする説(・4)にしたがう。. 日本では河口や干潟の縁の塩分を含む湿地(塩沼地)に多く群生 し、満潮時には、海水、汽水に浸かる多年草である。大陸では内陸 の塩性の湖の岸にもはえるそうである。. 地下茎は斜め上に伸び、太いひげ根を出し、古い葉の繊維で包ま. れている。単子葉植物で、葉は地下茎から根生し、厚く、長さ15cm ∼40cmになる。花は初夏から秋にかけて花茎をだし、その先に総状 花序をつけ、めしべが先に熟し、その後、おしべより白色球形の花 粉を出す、風媒花である。種子は薄くやわらかい種皮の中に、黒い 胚が見える(14,・5,・6)(資料1)。. 2.

(6) 2、調査地の概要 本調査地は、兵庫県の南西部に位置する相生市にあり、瀬戸内海. より約5kmいりくんだ内湾にある、南北約300mの市街地にある 小さな海岸である(図1)。満潮時には、岸の遊歩道まで汽水がくる. が、干潮時には、岸から約30m干潟ができる。その干潟にはゴカ イ、アシハラカニ等が生息しており、それを食べにサギ、シギなど 鳥類も来る.北東部から市街地をぬけて芋谷川が相生湾にそそぎ・ この地がちょうど汽水域にあたる。. 気候は年平均気温14.5度、暖かさの指数117.4℃、年降水量 1244.4mm(1991年)(・7)であり、典型的な瀬戸内海式気候に、ま. た植相的には照葉樹林域にあたる。海岸は流紋岩の固い岩盤からな り、その上に芋谷川から運ばれた土砂と内湾の静かな波の堆積によ って塩沼地ができあがった。そこにシバナ、ウラギク、ハマサジ、. ハママツナ、フクド、ホソバノハマアカザ等塩生植物がはえ、ヨシ もしげっている。また山側にはアラカシ、アベマキ、アカマツ、イ ヌビワ、ムベ等の植物があり、比較的豊:かな自然植生が残っている。. この地は40年程前までは対岸とあいまって、大きな干潟ができ、 アサリ細り、魚取り、水泳等で子供達の遊び場だったそうである。. 今は対岸が埋め立てられ工場等に利用されている。また北の港(那 波港)、および対岸には、モーターボートの停泊場ができ、休祭日. にはレジャー用のボートの出入りが多い。西側には公園、図書館が あり、遊歩道が海岸線にそってつくられ、上から植物をながめるこ ともできる散歩コースになっている。子供達はカニをとって遊ぶな ど市民にとっての憩いの場にもなっている。. 昭和58年に、シバナ群落が相生市の天然記念物に指定され、年3 回(5.月、8月、10月)海岸に侵入する雑草を刈り取るなど海岸植物 の保護にあたっている。. 3.

(7) 川、調査方法 1、シバナを取り巻く環境調査 A、植生調査 植生調査の範囲を遊歩道から眼精の海岸草原植生と決め、調査を おこなった。まず、遊歩道にそって海岸線の北側から幅5mごとに、 番号を書いたクイを打ち、60区画に分けた〔これ以降No、で表す〕 (図2)。. そして、平成4年6月19、28日に、植物社会学的手法(・8、・g)により. 植生調査を実施した。つまり、方形区に出現する植物のリストを作 成し、それぞれの種について被度、再度を記録した。さらに、全植 被衣(%)と高さ(cm)を記録し、さらに調査地の傾斜角度、傾斜方位. も測定した。次ぎに、素表、群落組成表、総合常在度表つくり、群 落を決定した。. 次ぎに、平成4年9月10、11日に現地調査を行ない、群落の 区分種を参考にしながら群落の境界を確認し、植生図を作成した。. B,海抜、冠水時間、冠水回数. 平成4年6月27日に、5mごとの植生調査用のクイから海に向か って、1mごとに水ぎわまで水準測量して、それぞれの地点の仮の 高さを求めた。そして、姫路港の潮位記録から相生湾の潮位を推定. し、特に11時の潮位を基準にして、それぞれの地点の仮の高さを 潮位に換算した。その潮位から東京湾平均海面(T.P)に換算して、そ れぞれの海抜を求めた(20)。. また、1991年度(1991.4.1∼1992.3。31)の姫路港の潮位記録から. 同様の方法によって、相生湾の潮位を推定し、海抜毎に1年間の汽水 の冠水時間を計算し、同時にその海抜の冠水回数も推定した。. C,土壌分析 4.

(8) 快晴が続く平成4年8,月17日の干潮時(15時)に、それぞれの 植物が優占的にはえている場所を選び、100ml容(内径50mm、高さ 51mm)の三蹟円筒をもちいて、表層(O ・一 5cm)の土壌をとり、以下 の方法で分析した。. 水分率. 採取した土壌の重量(湿潤土重量)を測定後、105℃、. 24時間乾操後、乾土重量を測定し、差し引いて、土壌中 の水分量を求めた。そして、その値を湿潤土重量で割り、 水分率(%)を求めた(2・)。. 粒径組成 採取した土壌を1週間自然乾燥後、国際土壌学会法によ. り、レキ(〉粒径2mm)、粗砂(2.O∼0.2mm)、細砂 (0.2 ・一〇.02mm)、シルト(0.02∼O.002mm)、粘土 (<0.002mm)の含量を求めた(22)。. 強熱減量 粒径組成と同様の方法により、細土(レキを除いた土壌) を1.000g取り、2時間強熱(700℃)後,重量を測定した。. そして同様の土壌を105℃、24時間乾燥させて、水分率を 求めた。そしてはじめの1.000gから、水分を除いた値を 求め、その値から強熱後の重量をひいた値を有機物量と し、その有機物量を水分を除いた値で割り、強熱減量(%). を求めた(2・)。つまり、強熱減量は土壌中の有機物量の 割合を表すと考えた。. pH(H20) 細土の土壌を4.00gとり、純水を10m1加え、よくかくは. んし、1時間以上放置後、ガラス電極pH計(HORIBA− M8L)にて測定した(21)。. pH(KCI) 細土の土壌を4.00gとり、1NのKClを10ml加え、よくか くはんし、1時間以上放置後、同様の方法で測定した(2・)。. 塩分濃度 細土の土壌を4.00gとり、純水を10ml加え、よくかくは. んし、1時間以上放置後、Naイオン電極法(HORIBA一コ 5.

(9) ンノ、o外塩分計C−121)にて測定した(2・)(尚、コンパクト. 塩分計は測定前に検定済)。. D,水質分析 相生市鉄砲山海岸の汽水域での水質検査を、満潮時を選び、四 季を通じておこなった。現地で海水をフィルムケースにとり、兵 庫教育大学化学教室にて、以下の項目について検査した。. 塩分濃度 Naイオン電極法(HORIBA一コンパ外塩分計C−121)にて 測定した。. 電気伝導度 HORIBA DS−7にて測定した。 pH. ガラス電極pH計(HORIBA−M8L)にて測定した(23)。. 2、シバナの生育特性 A、実験室での実験観察 (1)、結実率. 平成4年11月23日に鉄砲山海岸で、ほぼ標準的な大きさのよく 成熟したと思われるシバナの穂を5個採取した。そして、穂の長 さを測定後、3等分して穂の先から上、中、下と分け、それぞれ の種子数を数えた。そして、種子内に太く、黒い胚が見える種子 を結実した種子として数えた。 (2)、発芽実験. (A)取り蒔き. 平成4年11月29日に鉄砲山海岸で、よく成熟していると思われ るシバナの穂を5個採種した(封筒にいれ室温で1日保存)。そ. して、シャーレーに寒天培地(1%)を約30ml入れて発芽床を つくった。そして、平成4年11,月30日に、5個の穂についている. すべての種子を培地上に蒔き、温度25℃、蛍光灯の連続照射条 6.

(10) 件の恒温室にいれた。そして、最初に発芽した日(4日目)に、 発芽数をシャーレーの外より数えた。次ぎに、ほぼ発芽し終っ たと思われる日(14日目)に、発芽しているシバナを取り出し ながら全発芽数を数えた。そして完全に発芽し終っていると思 われる日(34日目)に残りの発芽数を取り出しながら数えた。 (B)海水の影響. 平成4年11月23日に鉄砲山海岸で、 (a)岸に打ち上げられて いたシバナの種子を採種した(10日間封筒に入れ、室温で保存)。. また、 (b)海水に浮いていたシバナの種子を海水ごと採種し. た(10日間そのままの状態で、室温保存)。また、シャーレー に寒天培地(1%)を約30m 1入れて発芽床をつくった。そして、. 平成4年12月4日に(a)の種子を50粒、2組を培地上に播種し た。また、 (b)の種子のうち、底に沈んでいた種子を50粒、2 組と、浮いていた種子を50粒、1組を培地上に播種した。そして、. 温度250C、蛍光灯の連続照射条件の恒温室にいれた。そして、 最初に発芽した日(3日目)以降、完全に発芽し終った日(24日 目)まで発芽数を数えた。. (C)明暗条件での発芽 平成4年11,月25日に鉄砲山海岸で、よく成熟していると思われ. るシバナの穂を採種した(封筒にいれ室温で保存)。そして、. シャーレーに寒天培地(1%)を約30ml入れて発芽床をつくっ た。そして、平成5年1月18日に、穂から胚が見える種子を50粒 選び、培地上に蒔き、暗条件用はすばやく銀紙で2重に包んだ(明. 条件は2組、暗条件は各3組つくった)。そして、温度25。C、蛍. 光灯の連続照射条件の恒温室にいれ、明条件は蛍光灯下で発芽 率を調べた。また、暗条件(1)は明条件下で最初に発芽した日 (4日目)に発芽数を数えたのち、すぐ銀紙で元のように包み、 7.

(11) 8日目まで毎日発芽数を数えた。それ以後明条件にして12日目ま. で発芽数を調べた。また、暗条件(2)は8日目にはじめて発芽 数を数え、それ以後明条件にして12日目まで発芽数を数えた。 (D)温度と塩分濃度の影響 平成4年11,月25日に鉄砲山海岸で、よく成熟していると思われ. るシバナの穂を採種した(封筒にいれ室温で保存)。また、比. 較実験用にウラギクの種子も同様に採種した。そして、寒天培 地(1%)を基本培地にして、食塩を入れ、塩分濃度0%、0.5%、 1.0%、1.5%、2.0%、3.0%の6条件の培地をつくり、シャーレ. ーに約30ml入れ、それぞれの発芽床をつくった。平成5年1月6 日に、穂から胚が見える種子を50粒選び各3組つくり、それぞれ. の培地に蒔いた。そして、温度条件を5度、15度、25度、35度 の4条件下で、蛍光灯の連続照射条件の恒温室にいれ、毎日発芽 数を数え、発芽率を求めた(24)。. B、調査地での実験観察 (1)、生活史の観察 年間を通して、1週間に1度ぐらいの割合で鉄砲山海岸のシバナ を観察して、シバナの生活史を調べた。. (2)、発芽実験. 平成3年12月14日に鉄砲山海岸で採種した(室温で保存)。そ して、現在まわりにシバナがなく、種子が流れついている可能性 の少ない場所で、シバナが生えている土壌に似ている所を選んだ. (No,9地点)。海抜によって発芽率の違いを調べるため、遊歩. 道から50cmごとに10cm×10cmの正方形わくを海岸に向けて9 三つくった(図2)。そして、平成4年4.月30日に種子を各200粒 ずつ蒔き、波に流されないようにチリ紙を置き、うすく周りの土 8.

(12) 砂をかぶせた。その後の発芽状態を調べた。. (3)、移植実験. 平成4年4.月29日にNo,28地区のシバナ群落から株分けして、. 10cm×10cmの株を11個つくった。そして、 No,10地区の遊歩道. から海岸に向けて50cm毎に11区画つくり(図2)、そこにシバナ の株を植え、定着させて、シバナの様子を観察した。. (4)、定着観察. シバナ群落があり、その地域で一番発芽しているところを探し. た(図2)。調査地点1はNo,9地区で、岩盤上のわずかな泥、有 機物のなかに発芽していた。調査地点2はNo,17地区で、岩盤上. のわずかな泥、有機物のなかに発芽していた。調査地点3は No,24地区で、礫とわずかな泥、有機物のなかに発芽していた。. 調査地点4はNo,30地区で、礫とわずかな泥、有機物のなかに発. 芽していた。そして、それぞれの調査地点に50cm×50cmのコー ドラートをつくり、発芽位置を記録し、発芽したシバナがその後 の定着と成長等を調べた。. 9.

(13) lV、結果 1、シバナを取り巻く環境 A、植生 90地点の鉄砲山海岸の植生調査結果(植物標本は兵庫教育大理科 教室に保存)をまとめると、シオクグ、ハマサジを上級単位に持ち、 シバナを標徴発に持つシバナ群落(典型下位群落、フクド下位群落)、. ウラギクを標徴種に持つウラギク群落(典型下位群落、ドロイ下位 群落)、ヨシを標着込に持つヨシ群落(典型下位群落、フクド下位 群落)、ホソバノハマアカザ、ハママツナを標徴種に持つホソバノ ハマアカザーハママツナ群落(典型下位群落、フクド下位群落)、 ハマゼリ、ホウキギクを標徴種に持つハマゼリ群落と区分できた。. それ以外にホソムギを標徴種に持つホソムギ群落、ハマエンドウを 標徴種に持つハマエンドウ群落、ハマヒルガオを標徴種に持つハマ ヒルガオ群落に区分できた(表1、2)。. また、相生湾に近い南側から芋谷川河口、那波港へと奥に入るにつ れて、ホソバノハマアカザーハママツナ群落→ヨシ群落→シバナ群 落→ウラギク群落と移り変わっていた(図3)。. 次ぎに海岸断面をとってみると、北側(12地区)のA−Bにおい ては、地形が低くなだらかであり、遊歩道から海にいくにしたがっ て、ドロイ→ハマサジ→フクド→シオクグ→シバナと植物が移り変. っていた。中央(34地区)のC−Dにおいては、地形は急に低くな っており、遊歩道から海にいくにしたがって、シオクグ→シバナと. 植物が移り変っていた。南側(52地区)のE−Fにおいて、地形は 他より高く、前浜、後幕ができており、遊歩道から海にいくにした がって、ホソムギ→ハマサジ・ホソバノハマアカザ→ハママツナ→フ クド・シオクグと植物が移り変っていた(図4)。つまり、植物が地 10.

(14) 形(海抜)によって、帯状分布していた。. B、海抜、冠水時間、冠水回数 海抜が高くなるほど、冠水時間、冠水回数は著しく減少した。相生 湾の大潮の満潮位は約102cm(2・)で、冠水時聞140時/年、冠水回 数60回/年になり、これより高くなるとほとんど冠水しなくなる。. 相生湾の平均の満潮位は約67cm(2・)で、冠水時間1000時/年、冠. 水回数300回/年と多かった(図5、6)。また季節によって浸水時 間、浸水回数が変っていた。夏多くて、冬少なく、夏からの台風シ ーズンの8,月、9.月、10,月に多かった。最高海抜190cm以上まで 波がきていた(資料2、3)。. 塩生植物は海岸において海抜によって帯状分布していることがわ かった(図4)。そこで、植物が帯状分布している具体的海抜を求め ることにした。. 植生調査結果(表1>から海抜ごとに調査区をまとめた。そして、 各海抜において、植物ごとにBraun−Blanquetの被度(・g)を中央値. になおし、その中央値を加え、その植物のその海抜における占める. 面積の割合の和を求めた、そしてその海抜の調査区数で割って、そ の海抜における1調査区当りにその植物が占める割合、平均被度百分 率(表3、4)を算出した(25)。つまり、平均被度百分率が高いほど. その植物が多くの面積を占めていることになる。そこで、各植物ご とに海抜と平均二度百分率から(平均三度百分率を植物が一区画に 占めている面積として)、統計処理をして平均海抜と標準偏差を求. めた。ただし、海抜10cm間隔では点数にばらつきが大きいので、誤 差も大きくなるので20cm間隔で処理をした。次ぎにその植物がよく 占めている範囲を平均海抜±標準偏差の範囲として考えて求めた(図. 7、資料4)。その結果、シバナは42∼63cm、ヨシは62∼83cm、シ オクグは48∼97cm、ウラギクは66∼94cm、フクドは73∼107cm、 11.

(15) ハマサジは85∼134cm、ドロイは91∼117cm、ハママツナは103∼. 131cm、ホソバノハマアカザは107∼143cm、ハマゼリは118∼ 136cm、ホソムギは146∼184cmとなった。. C、土壌環境 植物の生育土壌を調べると、礫、粗砂が80%以上で多くて、微砂、. 粘土が少なかった(図8)。また、水分率は10∼30%と比較的多く、. 強熱減量は4∼11%と比較的少なかった。pH(H20)は、 pH (KCI)より変化が大きく、中性からアルカリ性を示していた。ま た、塩分濃度は0.03∼0.3%の範囲だった(表5)。. 植物のよく占めている平均海抜の低い方から高い方へ順に各植物 を並べてみると、海抜の高い陸側の植物ほど、その生育の土壌の水. 分率と塩分濃度は減少し、また逆に、pH(H20)値はだんだん高く なっていた。また、強熱減量(有機物量相当)、乾土の粘土率は一 定の傾向を示さなかったが、類似した変化を示した(図9>。. 次ぎに、各植物の生育土壌の土性を砂(粗砂、細砂)、微砂(シ ルト)、粘土の割合を三角図表を用いて表すと、ハママツナ、ホソ. バノハマアカザの生育土壌は砂土(Sand)、フクド、シオクグ、ウ ラギクの生育土壌は壌質砂土(Loamy Sand)、シバナ、ヨシ、ハ マサジ、ハマゼリの生育土壌は砂壌土(Sandy Loam)の3種類(26). に分けられた。また各植物生育土壌はハママツナの生育土壌を除い て、粘土、微砂(シルト)の量が同じぐらいであった(図10)。. D、水質環境 鉄砲山海岸の汽水域での、満潮時での水質検査をまとめると、塩 分濃度は、年平均1.4%であり、秋は1.7%、冬は1.9%と高く、春. は1.0%、夏は0.9%と低かった。電気伝導度では、年平均33.8mS. であり、秋は38.1mS、冬は42.8mSと高く、春は24.9mS、夏は 27.1mSと低かった。またpH:値は、年平均7.8と弱アルカリを示 12.

(16) した、そして、冬が7.9、春が8.4と少し高い弱アルカリを示し、夏 は7,4、秋は7.2とほぼ中性を示した。. 地域的には、南側(No,50地区付近)でそれぞれ値が高く、中央 (No,36地区付近)で低かった(表6)。. 2、シバナの生育特性. A、実験室での実験観察 (1)、結実率. シバナの穂の長さは、約10cm、穂あたりの種子数は平均473 個、そのうち結実数は平均395個、結実率は84%であった。また、 穂の中央付近が結実率が高かった(表7)。. (2)、発芽実験 (A)取り蒔き. シバナの穂全体の種子を取ってすぐ蒔き、発芽率を見ると、4日. 目から発芽を始め、14日目の発芽率は78%に達して、その後ほと んど発芽は見られず、34日目に発芽率は80%となった(表8)。. (B)海水の影響. 海岸に打ち上げられていた種子、海水に10日間浸かっていた種. 子、浮いていた種子も発芽率において、24日までに100%発芽し た。ただし浮いていた種子の発芽は遅れた(表9)。. (C)明暗条件. 播種後明条件ではよく発芽したが、暗条件ではほとんど発芽し なかった。測定時の時のみ光を入れても、まったく入れないのと 変わらず、暗条件を明条件に変えるとすぐ発芽した(表10)。 (D)温度と塩分濃度の影響. シバナの発芽がほぼ100%完了した10日目を基準に発芽率をま 13.

(17) とめた。温度は、シバナは25度(図11)、ウラギクは15度(図 12)で発芽率が高かった。また、シバナは温度が5度では、発芽 しなかった(図7、資料5、6)。. 塩分濃度では、両種類とも塩分が少ないほど発芽率はよかった。 特に、シバナは0.5%以上になると急に発芽が抑えられ、2.0%以 上になるとほとんど発芽しなかった(資料5,6)。また、最適条件. で発芽のようすを比べると、シバナは1週間以内に一斉に発芽し たが、 ウラギクは一定の割合で発芽した(図13)。. B 調査地での実験観察 (1)生活史の観察. シバナは晩秋の種子の成熟後、葉が枯れて茶色になり、根茎、種子. で越冬した。1992年2月中旬には、新芽がではじめ、3月上旬には約. 1cm伸び少し新芽が目立ちはじめた。またシバナの株がアシハラガ ニの巣穴に沿って切れていた。そして、4月上旬には葉は長さ約5c mに成長し、12地区のアオノリの下にはシバナが発芽していた。4月. 下旬には、シバナの葉の長さが約10cmに成長していた。またアオ ノリの下にシバナの発芽がよく見られ、シバナ、シオクグの株の間 にも少し見られた。5月4日にはシバナの株がよく切られ、流されて いた。海岸の前を通るモーターボートの数を数えたところ、37台(71. 00∼12:00、13:00∼17:00)であった。それによって起こる波の数. は1台あたり、平均13回であった。5月5日に同様にモーターボート の数を数えたところ、69台(7:00∼18=00)であった、それによる. 波の数は1心あたり平均15回であった。5月下旬にはシバナの葉の長. さが約20∼30cmに成長していた。8月中旬にはシバナの葉の長さ. が約30∼40cmになり、シュートの数も増えていた。9月上旬に12 地区のシバナの花が咲きはじめ、下旬にはシバナの花が全体に咲い. 14.

(18) ていた(最盛期)。その様子は、花茎が葉の根元から、約1週間かけ て成長し、葉の長さとほぼ同じ高さまで伸び、総状花序の花ができ た。そして、下の方から花が開きはじめたが、約1日で全体が開いた。. めしべの柱頭が先に熟し、約3日後から外側の3個のおしべが開き、 白色、球形の花粉を出した。約1週間開いた後、付属突起と共に落ち. た。そのころにはめしべは、ほとんど受精が完了しているように見 えた。つづいて内側の3個のおしべが約1週間開き、同様に落ち、穂 が完成した。穂は、初め緑色であるが約1ヶ月間で成熟して茶色にな った。11月22日の満潮時に、シバナの種子が海水に浮いていた。ま. た岸の落葉といっしょに多くの種子が打ち上げられていた。12月下 旬にはシバナは、ほとんど種子が脱落した穂が残り、葉も少し緑が. 残っていたが、枯れかかっていた。1993年1月上旬にはシバナの葉 は枯れていた。またカニの穴にそってシバナの株が波によってえぐ られていた。. (2)発芽実験. 1992年4,月30日に播種したものは、5月4日の調査では、波をかぶ. ったために、チリ紙、種子が見つけることができず、発芽を確認で. きなかった。5月9日、17日、28日と1ヶ月観察したが近くからも発 芽を確認できなかった。 (3)移植実験. 1992年4月29日シバナの株を移植(8.9.10.11地区の下には岩盤が. あるため深く植えれなかった。)した。その後、様子を見ると、波 打ち際の8地区の株が波で掘り起こされ、1カ月の間に5回も沖に流さ. れていた。そこで、そのつど元の場所にもどし波よけの石をおいた がそれでも流された。. 波打ち際から、沖にかけての地域、8、9、10、11地区の株は波に よって掘り起こされたり、礫で埋められたりなどした。また5月中旬 15.

(19) ごろから1、2地区の近くのホコガタアカザが大きくなり、7月中旬に. は1地区の株は完全に被われてしまった。2地区の株は完全ではない が表面を被われた。. 9月下旬には、3、4、5、6、7地区の株に花がついていた。1地区 の株はほとんど消えかかっていた。2地区の株も日陰になり生育がよ くなかった。11.月23日の調査では、1地区の株は見あたらなかった。 またそれぞれの穂の数を数えると、2、8、9、10、11地区の株一〇個、. 3地区の株一5個、4地区の株一10個、5地区の株一10個、6地区の株 一12個、7地区の株一2個であった。. (4)定着観察. 平成4年4月6日にそれぞれの地区をシバナの発芽を探して歩き、 その地域で一番発芽している場所を選んだ。. 4,月6日には、調査地域で308個あった発芽した幼植物がだんだん減. り、5月5日には75個(24.4%)、6月19日には7個(2.3%)、8月 14日には、2個(0.6%)にまで減った(表11)。. 4月6日の調査時には、海岸線全体にアオノリ、アオサが表面を被 っていたが、5月の調査には海藻が減って、海岸線が波に洗われてい. た。6月、8月の調査では、さらに海藻が減り、岩盤、礫がみえはじ めていた。. 16.

(20) V、考察 1、シバナを取り巻く(塩沼地)環境 A、鉄砲山海岸の植生 シオクグ、ハマサジが優占する植生は、塩沼地植生にあたる。日 本の塩沼地植生には、シオクグ群集、ハマサジ群集、シバナ群集、. フクド群集、ホソバノハマアカザーハママツナ群集等がよく知られ ている(27)。そこで、相生市鉄砲山海岸の植生がどの群集にあたる. かを考察してみたが、いろいろな塩沼地植物がせまい海岸に混生し ており、明確にどの群集に属すかを決定することができなかった。. そこで、鉄砲山海岸植生を主な群落ごとに、群落特徴をまとめてみ ると、. シバナ群落. 構成種(フクド、シオクグ、ハマサジ、ウラギク、ドロイ)が5種 類と少なく、海岸の中央から北側の波の穏やかな、塩分濃度があま り高くない、主として海抜42∼63cmと低位の塩沼地に生育していて、. 冠水時間3000∼1500時/年(図14)、冠水回数500∼360回/年(図 15)と汽水、波の影響が強い環境に生育していることがわかる。フ クドを区分種として、典型下位群落とフクド下位群落に分けれる。 シオクグとの共存性が高い。. シバナの生育土壌は、水分率が29.4%、塩分濃度が0.29%と高い. が、pH(H20)は7.2と中性を示した。強熱減量(有機物量と同 義)も9.1%、乾土の粘土率も3.6%、礫の割合も59%と他の植物の 生育している土豚と比べると多少高く、砂壌土に生育していた(表5、 図10)。. シバナの生育土壌条件をまとめると、水分率、塩分濃度が高く、. 有機物量、粘土率が比較的高い土壌で、粘土率も他の植物の生育土 17.

(21) 壌と比べ多少高いことから保水性があり、同時に礫も多くあるので 通気性もある土壌になる。また、シバナの生育土壌はヨシの生育土 壌とよく似ている(図9)。この海岸でも、シバナ群落とヨシ群落が 隣接しているし、シバナとヨシが混生し、2層群落になるとも報告さ れている(6)ので、今後も塩沼地の植物の先駆的役割をもつ(・2)シバ. ナの生態を調べながら、この海岸の植生がどう遷移していくか追跡 調査したい。. ヨシ群落. 構成種(フクド、シオクグ、ハマサジ、ホソバノハマアカザ、ハ ママツナ)が6種類と少なく、62∼83cmと平均高潮線(海抜約67cm). ぐらいに生育し、冠水時間1500∼600時/年(図14)、冠水回数 360∼200回/年(図15)と比較的汽水、波の影響が高い所に生育し ている。海岸の中央部の波の穏やかな塩分濃度も低い地域に生育し シバナ群落と隣接している。フクドを区分種として、典型下位群落 とフクド下位群落に分けれる。シオクグ、ハマサジとの共存性が高 い。. 生育土壌はシバナ群落とすべての点でよく似ていた(表5、図10)。 ウラギク群落. 構成種(ドロイ、シオクグ、ハマサジ、フクド、ホコガタアカザ、. シバナ、ホソバノハマアカザ)が7種類あり、シバナ群落の陸側に生. 育して、海抜66∼94cm、冠水時間1400∼200時/年(図14)、冠水 回数300∼100回/年(図15)と汽水、波の影響をうけている。ドロ イを区分種として、典型下位群落とドロイ下位群落に分けれる。. 生育土壌は二二砂土にあたり、他の植物の生育土壌の中間あたり (表5、図10)にあり、生育範囲が広いと予想できる。. ホソバノハマアカザーハママツナ群落. 海岸線の南側の外湾からの比較的波の大きい地域に、103∼143cm 18.

(22) と高い海抜に生育しているので、冠水時間100∼5時/年(図14)、. 冠水回数80∼2回/年(図15)とあまり汽水、波の影響をうけてい ないので、構成種が20種と多い。ハママツナは海側、ホソバナハマ アカザがより内陸部にあり、フクドを区分種として、典型下位群落 とフクド下位群落に分けれる。フクドの生育している地域の方がよ り内湾にあり、波が穏やかである。. 生育土壌は、粘土、微砂が少なく、砂が多い砂土であり、礫がす くない(表5、図10)。. ハマゼリ群落. 遊歩道近くのほとんど汽水が来ない高い海抜118∼136cmところに 生育し、冠水時間25∼6時/年(図14)、冠水回数10∼2回/年(図 15)とほとんど汽水、波の影響うけていないので構成種は28種もあ り、ホウキギクと小さな群落をつくっている。. 生育土壌は汽水をかぶらないので、塩分濃度、水分率も低く、弱 アルカリ性の砂壌土である(表5、図10)。. また、植生が南側から変化している(図3)には、奥に入るにつれ. て、より内湾に入るので、波が静かになり、同時により淡水と混ざ るので汽水の塩分濃度も低くなるために、このような植生の違いが できたと予想できる。. せまい海岸に多くの塩沼地植物が混生しているだけでも、この海 岸を保護する価値はある。また将来この植生がどう変化していくか、 塩沼地植生の遷移を知る意味でも興味ある海岸であるといえる。. B、海抜、土壌環境 鉄砲山海岸の植物の帯状分布の海抜の結果(図7)を他と比較する 19.

(23) と、日本ではこのような具体的な海抜で示したものはないので、こ の結果を英国 Scolt head Islandの調査(28)と比べると、共通な. 種ウラギク、ハマサジにおいて、平均高潮位を境界とした分布の様 子がよく類似していた。また、シバナは低位の塩沼地(小潮の平均 高潮位から平均高潮位までの塩沼地をいう。相生湾では海抜32cm∼ 67cmの範囲(20))に生育していることがいわれている(12)。今回の. 調査結果のシバナのよく占めている範囲は42∼63cmとなり低位の塩 沼地の範囲になっていた。これらのことから考えて、鉄砲山海岸の 植物の帯状分布の海抜の結果は、植物の帯状分布の海抜を表してい ると予想できる。. 次ぎに土壌環境について考えると、土壌中の水分率、塩分濃度(図 9)は、海水をかぶる時間が多いほど、値が大きくなると予想された。. またpH(H20)値は、数値が低いほど土壌塩類の濃度が高いことが 知られている(2g)ことから、土壌中の塩分に影響されていると考え. られた。実際にpH(H20)値は塩分濃度と逆の変化を示していた ことからもわかる。したがって、これら3つ要素〔水分率、塩分濃度、. pH(H20)値〕は海水のかぶる時間に影響されていたことになる。 つまり、植物の生育を決める要因の一つは海水をあびる時間(海抜). のことになる。次ぎに、強熱減量(有機物量)、粘土率(図9)は主 として、陸からの供給と波による他所からの移動堆積が考えられる. が、それ以外に生育植物の腐植物の堆積や根の作用にも影響をうけ ると考えられる。しかし、ここ最近は遊歩道ができ、山からの粘土、. 有機物の供給が充分でないと考えられるので、波による移動堆積の 影響をうけるものと思われる。したがって、波の大きさによって、. 土壌中の有機物量、粘土率が変化し、それによって塩沼地植物が影 響を受けているとも考えられる。. 次ぎに、砂、微砂(シルト)、粘土、の粒径組成(図10)につい 20.

(24) て考えると、微砂(シルト)、粘土は波によって運ばれ易いので、. 波の大きさの影響が強いと考えられた。この海岸では、微砂(シル ト)と粘土をいっしょに移動させるほどの波が大きいことがうかが えた。ハママツナの生育土壌の採取場所は、相生湾からの大きな波 があたっているために、粘土が流され、少なくなったと予想された。. 日本の他の塩沼地での調査結果がないので、オーストラリアの塩沼 地の調査結果と比較すると、オーストラリアの塩沼地では、微砂(シ ルト)が約1%、粘土が4∼8%であった(3・)。そのことから考えて、. 鉄砲山海岸の波はオーストラリアの塩沼地に比べ、大きいと予想さ れた。. 植物の根の良好な生育、伸長、拡張には、土壌中に空気と水が適 当量あることが必要である。つまり、植物にとって良好な通気性と. 保水性を兼ね備えている土壌が良いことになる。粘土が多ければ保 水性を高めやすいが、通気性が悪くなり根ぐされを起こす場合もあ る。また礫が多ければ通気性を高めやすいが、保水性が悪くなりし おれて枯れてしまう場合もある。ハママツナ、ホソバノハマアカザ. の生育土壌は砂土(sand)で、粘土が少なく保水性に問題がある が礫の量も少なくバランスがとれている。また、シバナ、ヨシ、ハ. マサジ、ハマゼリの生育土壌は砂壌土(Sandy Loam)で、粘土が 多く通気性に多少問題があるが、礫の量が多くバランスがとれてい る(図8、10)。このことは高橋らの研究(3・)とも一致している。. 2,シバナの生育特性 シバナが一つの株にいくつ穂をつけるか調査をしていないが、10. ×10cmあたり約10穂(移植実験より推定した)であるとすると、. 100cm2あたり約4000個(1m2あたりでは40万個)の発芽可能な種 21.

(25) 子ができたことになる。仮に鉄砲山海岸のシバナ群落が約30m2であ るとすると、発芽可能な種子が1年に1200万個できたことになる。 しかし、現実にはシバナはあまり増えておらず、定着までに多くの 条件が必要であると予想される。. ところで、その種子を取って実験室下,取り蒔きをすると、発芽 率と結実率とあまり差がないこと(表8)から、結実率と発芽率とは. ほぼ等しいと考えられた。つまり取り蒔きした時、結実した種子は ほぼ100%発芽したと予想できる。したがって、シバナの種子は休眠. がないと予想できる。つまり、条件さえ整えば、すぐ発芽すること になる。. シバナが発芽するのに光(表10)、25度ぐらいの比較的高い温度 (図11)、水分量、2%以下の塩分濃度(図11)の各条件が必要に なってくる。調査地でのシバナの発芽は、冬の気温が低いのと海水 の塩分濃度が高いことによって、冬の間発芽が抑えられ、そして春 になり、気温が上がり、同時に海水の塩分濃度も低くなる(表6)の. で、光と水分量を満足すれば短期間に発芽する(図13)と考えられ る。. また、シバナの種子は海水に10日以上浸かっていても、発芽能力 は落ちなかったこと(表9)から、シバナの種子が海水に浮いて運ば. れ(10日間汽水に浮いていた種子が多くあった)、分布を広げてい くことが考えられる。広島県厳島の塩沼地において、シバナが侵入 してきた要因について、2つの説が考えられている。1つは埋土種子. が掘り出され発芽したという説と、海流にのって運ばれたという説 である(32)。筆者はこの実験結果から後者を支持するものである。. 次ぎに、発芽の定着を考えると、波をかぶることによって、発芽間. もない弱い根の幼植物が洗い流されるために定着が悪いと予想でき. た。海藻などが潮汐の流速を弱め沈積を促進したり、粘土の表面を 22.

(26) オノリ、アオサの下に発芽をみるが、その海藻が減る5月から初夏に かけて(34)、発芽したシバナが激減していることから、海藻がシバ. ナの発芽から定着まで役立っていることが予想できる。また、シバ ナの種子が落ちる晩秋(11月末)には、ちょうど海藻が岸辺を一面 をおおっていた。そして、春にそのような海藻の下から、シバナの. 発芽を多く見ることから、海藻がシバナ等の種子が流されるのを防 ぐ働きをしているように予想できる。. 次ぎに、定着後のシバナの成長をみるために、移植後の生育を評価 すると、. ◎一穂の数が10以上で、株も大きくなっている(4、5、6地区) ○一穂の数も10未満で、株もあまり大きくなってない(3、7地区). △一穂ができなくて、株も小さくなっている(2、8、9、10、11地 区). X一株がなくなっている(1地区) となった。. 生育のよい4、5、6地区の海抜を調べると、60cm∼80cmにあたる (図16)。シバナのよく占めている海抜より少し低い海抜にあたっ. ている。移植前のシバナの生育地の海抜は、70cmであった。そのこ とより、このシバナの株は移植前の特性を持っているものと予想さ れるし、シバナが海抜の高い海水の影響が少ない所の方が生育がよ. いとも考えられる。8、9、10、11地区の株は、波、海水の影響が大 きかったので生育が悪かったと予想された。1、2地区においては、 シバナの生育には光が必要であるといわれている(35)ことより、他. の植物(ホコガタアカザ)との競争に負け、上を被われ、光が充分 あたらなかったため生育が悪かったと予想できた。. シバナの発芽、生育には、塩分は必要ない(36)ことがわかってい. る。ではなぜ、シバナは他の植物のように塩分のない陸上に生育で きないのか、と疑問が出る。今後調べていきたいテt・・一・一マの一つであ. 23.

(27) るが、シバナが塩分の少ない陸上に上がるほど、他の植物に取って も生育しやすい場所になり、競争が起こる。そして、背の低い植物 (シバナ)が不利になって負けていくためと予想される。また、シ. バナがシオクグ、ヨシと混生していると報告されているのは、シオ クグ、ヨシが上を完全に被い隠さないため、光があたり生育できる ためだと予想できる。. 今後、この移植した株がどう推移していくか継続調査をして行きた い。. 24.

(28) Vl、まとめ 相生市鉄砲山海岸の植生は、上級単位にシオクグ、ハマサジを持つ、. シバナ群落(典型下位群落、フクド下位群落)、ウラギク群落(典 型下位群落、ドロイ下位群落)、ヨシ群落(典型下位群落、フクド 下位群落)、ホソバノハマアカザーハママツナ群落(典型下位群落、. フクド下位群落)、ハマゼリ群落と上級単位をもたないホソムギ群 落、ハマエンドウ群落、ハマヒルガオ群落と区分できた。そして、. せまい海岸に多くの塩沼地植物が混生していることに特徴があるこ とがわかった。. 塩沼地植物は、帯状分布することがわかっている。そこでその海抜. を、平均被度百分率をつかって求めると、シバナは42∼63cm、ヨシ. は62∼83cm、シオクグは48∼97cm、ウラギクは66∼94cm、フク ドは73∼107cm、ハマサジは85∼134cm、ドロイは91∼117cm、ハ ママツナは103∼131cm、ホソバノハマアカザは107∼143cm、ハマ ゼリは118∼136cm、ホソムギは146∼184cmとなった。そこで他の 調査結果と比較すると、傾向が似ており、帯状分布の海抜を示すと 考えられた。. 塩沼地植生に影響をあたえるものは、植生調査、土壌分析の結果よ り、まず海水をかぶる時間(海抜)が大きいと予想された。海水の影 響により、土壌の性質(塩分濃度等)が変化し、それによって生える 植物も変わっていくと予想された。次ぎに影響をあたえるのが、植生 図、土壌分析の結果より、波の大きさだと予想された。波が多ければ、. 土壌中の粘土、有機物量が洗い流され減少し、土壌の性質が変化する からである。. シバナ群落は、海抜にすれば42∼63cm、冠水時間3000∼1500時間 /年、冠水回数500∼360回/年と低地の塩沼地によく生育している。 25.

(29) また、シバナの生育する土壌条件は、粘土が多少多いことによって保 水性が保たれ、逆に礫も多いことよって通気性も保たれている土壌、. また海水の影響によって、塩分濃度、水分率が高く、有機物量も多い 土壌であることがわかった。. 鉄砲山海岸のシバナは、9月初旬から花が咲き、11月初旬から種子 が成熟した。1つの穂に約470個の種子ができ、そのうち完全種子は 約400個で、結実率は84%であった。それが海上に落下し、海水によ って分布を広げていると予想できる。種子が発芽するためには、充分. な光と比較的高い温度(発芽最適気温25度)と充分な水分と2%以下 の塩分濃度が必要だとわかった。条件が整えば、一斉に(1週間以内). 発芽するとわかった。4月初旬に発芽したシバナの個体数は、130日 後の8月中旬には0.6%と激減したことより、せっかく発芽しても波 によって洗い流されるなど定着しにくいことがわかった。一方、現地 調査によって、アオノリ、アオサなどの海藻が、波の働きを弱め、シ バナの種子、幼植物が流されるのを防ぎ、発芽、定着に役立っている ように予想できる。. また定着しても、他の植物との光を取る競争に負けると、なくなる ことがわかった。生育には充分な光が必要である、しかし背が低く、. 競争に負けるので、他の植物が侵入しにくい環境で生育しているよ うに予想される。. 26.

(30) Vll、おわりに シバナ群落の保護のため、鉄砲山海岸の塩沼地の環境、シバナの(発. 芽率等)生育特性を調べてきたが、実験室において、シバナを育て ることはさほど難しくないと思われる。しかし、野外でシバナ群落 を保護するとなると難しくなる。. シバナが自然に発芽し、定着し、生育する環境として考えられるの. は、波静かな汽水域に、適当な粘土、礫を含む土壌をもつ塩沼地し かなくなってくる。しかし、人為的そのような環境をつくることは 不可能である。したがって、今の塩沼地の環境の保全を考えるしか ないと思われる。もし開発せざるを得ないときは、汽水域を海抜2m まで保護していけば、塩沼地植生は残ると予想できる。 この海岸の前をモーターボートが通ると、速さによっても違うが、. 平均13回以上の波が海岸に襲ってくる。それが5,月の連休には50台. 以上にもなった。それによって、シバナ群落等の土砂が洗われ、株 が切れるのを筆者は観察している。塩沼地植物にとっても、シバナ の定着にとっても、波の影響は大きい。モーターボートの通行を中 止するのは不可能であるが、走るスピードを遅くして、少しでも波 の静かな環境を守ってほしいものである。. また、塩沼地植生は今後も遷移していくものと予想される。土壌分. 二等からみると、シバナはヨシと同じような環境に生育している。 将来この2つの種は、1つの群落をつくるものと予想される。そこで、. シバナを保護するために、ヨシの中に定着させるのもよいかもしれ ない。ヨシの株によって、波の影響も少なくなるし、表面を完全に 被いつくさないだろうし、土壌条件もよく似ているからである。. 今後も、この調査をより発展させ、シバナ群落が将来どう変化する かを含め、鉄砲山海岸の塩沼地植生の遷移を追い続けたい。 27.

(31) Vl11、謝辞 やっと一つの論文が完成した。、多くの先生の御指導、御助言があ ればこそと、心の底からわきあがる感謝の気持ちでいっぱいです。. いつも、高い見識から、多くの適切な御指導、御助言をいただき、. 先生の後ろ姿からも研究に対する厳しさ等多くの事を学ばせていただ きました、山田卓三教授に心からの感謝の意を表します。. 植物の同定、生態学の考え二等学問に対する心構えを教えていただ きました山口教授、培養を中心に、具体的に御指導をいただきました 渥美助教授、そして植物一般について県フラワーセンター講師岸本さ ん謡いろいろお世話になりました。ありがとうございました。. 学外でも、いろいろと御指導、御助言をいただきました小野神戸大 学名誉教授、土壌分析につきましては神戸大学の高橋先生、植物社会 学調査方法等につきましては賢明短大の杉田先生、神戸大学の武田先 生、角野先生、塩沼地植生につきましては岡山大学の榎本先生、植物 の同定等分類に関しては兵庫植物誌研究会の藤本先生をはじめ諸先輩、. と多くの諸先生方にいろいろお世話になりました。 ありがとうござ いました。. また、ゼミ等でいろいろ御助言をいただいた山田研究室の学友の仲 間、その他、違った見地からいろいろアドバイスしていただいき、励 ましあった多くの同窓の仲間の皆様にも心よりお礼を申しあげます。. 最後になりましたが、このような2年間を与えてくださいました、兵. 庫県教育委員会の方々、相生市教育委員会の皆様、相生市立双葉中学 校の校長をはじめ、爪先生方に深くお礼をもうしあげます。. これから職場にもどっても、ライフワークとしてこの研究に取り組 みたいと考えています。. 本当に諸先生恥いろいろありがとうございました。 28.

(32) lX、引用文献 1) 奥田春季(1960):“日本野外植物図譜”、2巻、p46、誠文堂新光社、東京 2) 宮脇昭(1977):“日本の植生”、p73∼75、学習研究社、東京 3) 日本自然保護協会(1989):“わが国における保護上重要な植物種の現状”、. 日本自然保護協会 4) 藤本義昭(1976):“新兵庫の自然”、p161、神戸新聞センター、神戸 5) 藤本義昭(1983):“兵庫大百科辞典(上)”、P1207、神戸新聞社センター、. 6) 宮脇 昭(1988):“日本植生誌 近畿”、p216∼217、至文堂、東京 7) Clarkeエ」)&Hannon.N.J(1968):The Mangreve Swamp and Salt Marsh Communities of the Sydney District, J.Ecol .,57,p213 一一 234. 8) 石塚和雄(1977):“群落の分布と環:境”p263∼271、朝倉書店 9) KITAGAWA,M(1959) : Notulae fractae ob Asiae Orientalis (11) .. J. Jap. Bot.34. 34. 1”v7. 10)二二(1960):シバナについて、植研雑、35、p190∼192 11)伊藤浩司(1963):北海道東部塩湿地植物群落の研究、 北大植物園研究報告 NO.1,p1 一一 102. 12)田中 学(1941):含塩沼地植物群落の研究、生態学研究、7、p2◎3∼219. 13)増田芳雄(1988):“植物生理学”、P154∼156、培風館、東京 14)山下貴司(1982):“日本の野生植:物 草本1”、P9、平凡社、東京. 15)大滝末男、石戸 忠(1980):“日本水生植物図鑑”、p250∼251 北二三、東京 16)牧野富太郎(1983):“原色牧野植物大図鑑”、p617、北隆館、東京 17)相生市民生部生活文化課(1991):“相生市の環:境”、6、P26∼30、相生 18)中西哲、大場達之、武田義明、服部保(1983):“日本の植生図鑑:(1)”. p167∼186、保育社、’大阪 19) Braun−Blanquet,J.(1964):Pfianzensoziologie,3 Aufi.Springer一一verlag,Wien. 20)日本気象協会神戸支部(1991):“気象暦”、p45∼88、神戸 21)京都大学農芸化学教室(1957):“農芸化学実験書(1)”、P 258 一 262.産業図護. 29.

(33) 22)土壌標準分析、測定委員会(1986):“土壌標準分析、測定法”、p70 一 71、. 博友社、東京 23)日本分析化学北海道支部(1966):“水の分析”、p162 ・一 169、化学同人、京都. 24)沼田 真(1978):“草地調査法ハンドブック”、p81∼116、. 東京大学出版会、東京 25)沼田 真(1969):“図説植物生態学”、P26∼27、朝倉書店、東京 26)山根一郎、松井健、入沢周作、岡崎正則、細野衛(1978):“日本の土壌” p168一・171、朝倉書店、東京. 27)宮脇昭、奥田重俊(1988):“日本植物群落図説”、p536∼551、至文堂、東京 28) Ranwell,D.S.(1972):”Ecology of Salt Marshes and Sand Dunes”,p63一一76,. Chapman and Hall,. 29)橋本 武、中村和弘(1971):施肥による土壌酸性化ならびに中和に関する. 研究、土肥誌、42、p453∼158 30) Clarke,L.D&Hannon,N.J(1967):The Mangrove Swamp and Salt Marsh Communities of the Sydney District, J.Ecol .,55.753 一“ 771. 31)高橋竹彦、小野一・(1993):相生湾内のシバナ(Triglochin maritimum L)群落の. 土壌、神戸大学農学部研究報告、20、p247∼253 32)中野美代子、中野武登、鈴木兵二、堀川芳雄(1975):厳島(宮島)多々良湾の 塩沼地植生、厳島の自然、p177 ・一 198 33) Ginsburg,R.N. and Lowenstam,HA(1958):The lnfluence of Matme Bettom. Communities on the Depositional Environment of Sediments, J.Geol..66,p310 一一 318. 34)千原光雄(1975):“学研中高生図鑑:12 海藻”、p182∼185、. 学習研究社、東京 35) Clarke,L.D&Hannon,N,J(1969):The Mangrove Swamp and Salt Marsh ()ommunities ef the Sydney District, J.Eco1 .,58,p351 t一 369. 36) Clarke,L.D&Hannon,N.J(1970):Tke Mangrove Swamp afid Salt Marsh Communities of the Sydney District, J.Ecol .,59,p535 t一一 553. 30.

(34) Xs. 付図及び付表.

(35) 一’すへ 一> 、・. 1. ‘ 顧. !. 覧. 、 ’ ◎■ } ’・ ’ rk一・ 唱へ,’・’ノ !’噌. \ノ... げ. 〆 兵庫県. し. 、. 与. 1相生市... く一)’N. ドぱゆし. //一三_. 、.説・・巳亀“’. 訓ρ副「“vtw“. ’j. 曳\. 副評“一■’■■■’tt. 副“副副賢. \. 評“副伊評“ tL−1““1““t“1一一. 征∼》凱割購獲Q聾華霧鯵蓑麹山. 巡縫灘謬馨鞭 鑛難. 鉄砲山海岸.. 蕨鑛難1蟻癬羅懸. にず. 灘蒙殺.,備玄’一. 難纏 懸磯. 轟鱗 雛磯蟹懇懇1 鐵 ・・. 響、・葡. ロしロ oご噛継 Eし 噛曾. .晦畢. 罰一一・,.. 塾鎌. 藩灘鍵攣、 鯉 h憂隷. 響野、島1一鮪 11tlesk,kS.・,/ki,:f.gl,11,i)itS. 蚕 ・林 ’鱒. 熱. 鳶鷹 騨. 翻 t.,j. 弓 @ 藍34). ∴・”.層’. 1. 譲一一望・懸i¶:輝輝. L”. 噛. へ・駈,.ノ董. 1・・と)N’f・、言詫ハ軍趣懲,セ 隠鯛・譜.一1、⊇1:輕’1桑. ∼ 1滅. w. L.. :“.. 難 {)‘wab割嘉慧獲騨撰潔…鞘. St }1,. r/ex’一,”Z,,”. 舜i藁ご’層. コ ド ロ. 鰯. N. 壁 嶽. 暴. 鱗繕( 一塁鷺穂、よ,) 灘ヒ姿 町 。 o.5 1.o s.s 2.okth. 4. 図1鉄砲山海岸(相生市)の地図.

(36) ’. 那波港へ 遊歩道. ヒ. .六十. 1/地鰭号 ピ漂r, 一.. ・目.! h t一. 脚 ‘ ・ . ・. 発芽実験区. 轡ぐ懸:. ウ穆鞠実駆. ’1:‘”. セい. P’. ㍉\’. @. !’ 申火公園. ラ ,47 ・∵. 、日’ヅG. ,i.],.,,1,i[lii・i.IIIIiiii・lf. 電.鼻 幽. ,. 認1∴. 回. 5,. 1’. 嚇1. 回. {ン. _t誘1 ll、1. h・乳・. ・ノtゼ. !.. 。{蓋. P 1…” ,!. ,uノ 噛・1へ ㌦:∵匙 樋這. ②団. N. 斗. 陣h @. ll’一怯yノ. 1ガ㌧ノ1ノ. へ. ゴ」, 券ソ..・i””’ .・. ・㌧、l. マゾげび. ドミ. き量の勉シ1050)霊 ;輔盟の縮R. @. 一@. (1/350). 36塾‘ 鴎12 4 6 062 81O斜 Li.hLa.S−L,一L−LA.1・一.im,”L−L‘一S一,.A. 令1も・こ. 凡 巨]t》凹. o. ◎. 地点番号. 例 発芽の定着コードラーート. ウラギクの土壌採取地. ② シバナ. e. ㊦. ② シオクグ ・ ② ハマゼリ ・. @. ㊥ ハマサジ ・、. θ ヨシ . 相生湾へ. ‘. 図2. ⑦ フクド. ・. ㊧. ホソバノハマアカザ”. ㊦. ハママツナ ’.. 鉄砲山海岸調査地点図. 巨].

(37) 遊歩道). T. 那波港へ ∼. 、、=. y・・ls, /4,・,Jrx , X}N’. 舳期’. 》噸 ♪.、. / 駄. ,. 個、 j 一㌶:....・1∴一β冠. \. 見. D.・. t一一一... ヤ4. , 噂・ ’、\ β. 「. 、、. 、. .. 、. 『 、 ・ } 噛 モ. コ .噸..コ. ・ロ二 l. o. 誓ll. \9. 、・・一』・”/ !. D \..−. 一!T. ’・. ㌧ .門’ ㌧一. ’. 」‘. .・’ /. 〆’ ” ! / 〆. …’1.. 』♂〆 覧■,8・. .. 層. ,. !. ’. 川μ”. 卿. 、L.、. \. ㈲. 1閥. 」. ,. ア. コ. ヨ. ’/、グ’ /. 讐z. ∼〆. / 欝. よ. ド. ノ. e. コ. ,=!/.・. .;. o 亭,. 3凪, ’.( /. “. 1, :”.. 、 !. ’ ,. ・’・クン〃.. /ケノノ.. −〆 σ に 〆!ノ.』.’;:’. 雇. ,二. ./’!’/. ¥y ;’ ,. 轟. 1い. ii. ・・● ・. 8. ’拶11占 !. ell. 図書館. θ. ’・イ. .〆.ノ〆/.・昌.. 4い. 1聖師 ノ 艮メ’ Jll・一i C ,早・㌧’. 描. 轟. x・. Ji ’. t. !ぐ1. 辰. 一:lr.r:’”i. ,,71X’ ’. t. F・ ・.. y i 」, 〉・’・ :ll 1;「. D. Dノ・. :’t t−. 哩q義. 1’ .一i−1 p”r]一. 1;∴lv.. 口1へ 2. :t. N. 一r 1. ,. ぴ (\・,. P4..・. し〃. .,. 遊歩道. /. 1・. @!i i 1 1) ,// ”. ℃. .;’J幽. 1調劃. t. i・1’ !・・一J i. ノ. /ら. 「脚. ・1ツ. 〆辱. 鰍才. v. 樋. ..イ. 9 rt. 「. ’ili’1/. ロ. . 璽. へ. ’卜.’》\hl. 一1. /. (1/1050). 36 24 ●. ,. 搬轡. 騨 .L ■. J. i. ■ L/. 6. 6. 海岸の縮尺 (1/350). 0 2. ■. J. 一. m. 飛 亨辱Ip. 卿 r. 凡. 例. ’. Et/一’Z .・≦. i. 相生湾へ t. 図3. (相生市). 一 團. シバナ群落 一典型下粒斜落. 固 国. ウラギク群落 一典型下位群落. 囮. ヨシ欝蕗 一典型下位群落. 四 圖. F. 鉄砲山海岸. t. .腹・・ノ 國. ぜ. ・. l. 18 12. t」一HLaA−n“nLmLLLHLL−L−L−!−L一;. : : t. 、瓢ア1=. 遊 歩 道. 陸上の縮尺. 謌黷k. ‘’・. ニ. 躍¥〆:パミ’.s. )J= 巳へ. .. 翻 日 岡 日 田. 植生図. シバナ群落一フクド下位欝落. ウラギク群落一ドロイ下位群落. ヨシ群落一フケド下位斜落 ホソバノハママカザーーハママッナ群落 …典型下位群落. ホソバノハマアカザーハママツナ群落一フクド下位群藩 ハマゼリ群落 ホソムギ群奄 ハマエンドウ群落 ハマユウガオ群落. .e. 飢. .薪. 1?z,iiiissssi. ・脳1亀 ! ’,一一∴記一 ・. riB. Aセ. 5. ’..∴’:.\..、 セ♪博も、; ご’;. 中央公園. t). ..

(38) 1植物種と被度(ブロンーブロンケの6段階による。) 植物種と一度(ブロンーブロンケの6段階による). 植物種と被度(フ●ロンープロンケの6段階による). ド・イ. イ盤_____. A?サジiL_璽____. 2NK?,サジIL フクド. フクドiL__囲騒_一__ ウラギター』_____一_. シオクグiL一目圏____ 言. 鑛…. li : lli 8. 抜 80 6e (c m) 4B 2e. A. 5. 1 l. 夢. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 遊歩道からの距離(m)一一一一一う B. 図4. lL_麗㎞盤麗眠_. ハマサジiLnfW乱一羅一_ フ・ド. 奄k一一一一」羅L l. i. 1ea 160. i. }. i. i. i. i. 一 一 }一 l. 海140 120. l. l. l. l. ?. I. l. [ ?. l. [. 1 [. 柵。. 抜se. (ctn> ea. 1 1. 60. 49 2a g. ハママツナ. 奄vtas_一 lLwtwtts..一. 地形断面1. 海10a. 1. アカザ. i. 抜 ee. 塞 l 書. ホソバノハマ. シオ・グIL_一璽L一寸醗L、. 120. 海1ee. o. シオクグi. 地形断面. 地形断面 140 120. g. lL一一一一一. 滑1. 灘. シパナ 3 6. 5 ウラギク. lL一丁L_. ホ・ムギ. (cM) 40. 2e 0. 1. 2. 3. 4. 5. C一一一 va歩道からの距離(m)一→D. o. o. E. 地形断面と植物の関係. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 遊歩道カムらの距離(m)_____一→,F.

(39) 7000 0000 冠5000 壽・… 認、。。。. cif. 2000 1000. 0 O 10 20 30 40 50 60 70. 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200. 海抜(cm). 図5相生湾における海抜と 冠水時間(時/年)の関係 1991年度(1991.3∼1992.4)の1年間の相生湾の海抜毎の冠水時間を表す。. 600 500 冠400. 沓 薔300 Ct200. 100. 0. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 ISO 160 170 180 190 200. 海抜(cm). 図6相生湾における海抜と. 冠水回数(回/年)の関係. 1991年度(1991.3∼1992.4)の1年間の相生湾の海抜毎の冠水回数を表す。.

(40) 200. 198. 198 128 官}18 還}i§. 鍵1§ ig・. i8 之 ノ. ナ. 2. フ. オ. フ. ク. ク. ギ. ド. グ. ク. ヨ. シ. シ. ノ、. マ サ ジ. ド. ハ. ロ. マ. イ. マ ツ. ナ. ホ ァ美. 数. ノ、. マ. ホ ソ. ゼ. ム. リ. ギ. :liN;. 植物名. 図7植物がよく占めている海抜 植物を各海抜ごとに、ブロンーブロンケによる被度を中央値になおし、 計算して平均十度百分率を求めた。そして、植物ご一とに平均十度を度 数にして統計処理をして、平均被度、標準偏差を求めた。そして、そ の植物が良く占めている範囲を平均海抜±標準偏差として図示した。.

(41) 1009e. 臼粘土. 909e. 國微砂. 809e. 團細砂. 7090. 圏粗砂. 60qo. ■レキ. 509e 4090 309e 2090 10% 09e 叱 ノヘ. ナ. 罫 芽 享 多 ク. ギ. グ ク. ド. ノ、. ノ、. マ. マ. サ ジ. マ ツ. ザ卵. ノ、. i)’. ゼ. ナ. マ リ. 図8植物が生育している場所の土壌(0∼5cm)の粒径組成 植物を左から、植物がよく占めている平均海抜の低い順に並べた。.

(42) 3C 水25 分20 率15. (%) 10. 5 B. g4e 募・3・ 濃。 2c. 度 (g.) O 10. e eo 9 OO. p s sg. ら. 8 HBO lH20) 7 5e ぴ. b. 7 eo. 無}i. 翫 (90). @:. 篁1. 繕 薪 (%) g. 叱 ノヘ. ナ. ヨ シ シ オ. ク グ. ウ. フ. ノ、. ラ. ク. ギ. ド. マ サ. ク. ジ. ハ ホ マ ソハ マ. ハ. マバマザ ツノア リ. ナ 詩 書9 植物の土壌の理化学性 ザ. 植物を左から、植:物がよく生育する平均海抜の低い順から並べた。.

(43) 50 AO 凶. 轄’ 凶’y.パ 》耳 . ゼtt ...’過 ’ゴ ≒F ソ 冗. 、篤購簸く鍵.. 犯纐鱗護聡1。. 癬1羅il綴撫甑. 囎灘糊撒撚甑. 難“り糠1灘}融 欝懲欝i購総 懸鍵灘. 9げδ’. .’. 桐A. J 一一一. ’φ膨’ .ゼ・P蒔.. ith. 、 ”‘. ”疫 , ρ φψ 馴 ZS,ectltl,:: 6 ‘レ. 10. の. な.←脚、∴蕩2甥w聯. しS. ’ レ 9. 臼’ 隅‘置,.. .博轟. ロ 嬉》.風、 圏. 掃嘱→∼. げげの. 炉 璽. 隔 ■. 6 層 “ ’.ぼ斗’‘・’3. .,り 4 ・鴇酪碑鱒. ’」P(V}“}’ L冠・. げ. ・写.. .潔「 ,.隠. jsk,. ん㌔鴨 ’. 100. リ. O晃. 、 ’tザ. セ. 鴇購購鱗羅. 鷲、. .Lビ .㌔.. m潔. 亀’. ビ躍A 晶晶噺《. り 殉b. 、‘、. 晒鼻の 40 ’闘b● v,ソ∴. ・.のg b :■冶 璽 、b り 噌,. 華4・ド.菖∴∴㌢.なな訟’謁ボ.. Or蔦、. 、臥㌔猶’.ポ.∵」・㌦∵・.’∫∵. 、」、.. 蒐’ず 屍」. 覧、 ‘脚劃. 羅藤織鷲鎌1欝灘. ロの のり. 魅. 臨 岬 6ヒ 」 ㎏覧 補. 〉嚇. 7厩、 覧,, .鴨り’即1♂『牲露 ず. .司n .、. ㌧. ㍉や‘鵠. ㌃ v「P ’呼k r ’dv 冠 鱒。 v 頓●’』ド ←b ,・魯 y陰 ’冨. ’げ畠腎 署bb. 噂砂 馳. 、聖 ,. ・、㍑宅.∴1霞窯、描冨,貿鵬 』門 り ・イ ピ. 1.‘製 匡廟. . ・鴨 、 rじ 『圏b隔 の■響. げ一,勾却 ゆ妙セb. の隠。. ¢もセ. くべ必:・.∵る:・. ”四 司 鴫・ 騨. ♪’.:、「二賜b’一’ 亀t.L.、・.b’t 鱒. ee. sw. ● ●. 、晩, 曳 顎駒. ”辱。 戸・ 『ザ唖融 .卜鞠P b噂. ,∵‘∴婚.≒‘,・喜∵’. 」’⇔」 喚b齢4 ’t画 !」、. 覧 、哩 ・. 一;. ド S ’,’●. 昇」. .嘱.. 繋撚搬・蝿. ??. 払 コ. 炉贈顧、L慶;昌. SL. 逃 司’(k亀. P馬‘、、・ ‘パし ・覧b. 7、 .ゾJw唖・.∴∵∴詮 ,」」 L爾も ,㌧費 セ 薦、壕〉>.蹴.識、竃∴. 亘、. 70. ’. 50. oo. <一一砂(%) 図10 国際法による三角図表を用いた土壌の土性分類 凡. 例. 植物の採取土壌の番号. 土性分類 1. シバナ. 6. ハマサジ. LS一壌質砂土(loamy sand). 2. ヨシ. 7. ハママツナ. SL一砂壌土(sandy loam). 3. シオクグ. 8. ホソバノ. 4. ウラギク. 5. フクド. S一砂土(sand). ハマアカザ 9. ハマゼリ.

(44) 100. 一一 「一一5度:. 90 80. 一〇一一15度. A 70. 一一25度. sle; 60. 憐50 糠40 課30 20 10 0. 一→一一35度 、、剛「口. N. N. N. N. o.ogo o.sgo 1.oqo 1.sgo 2.o% 3.o% 塩分濃度(%). 図11シバナの発芽におよぼす温度と 塩分濃度の影響 寒天培地(1%)に、種子を50粒を3組蒔き、10日目の平均発芽率で示 した。.

(45) 100. 一一. 「一一5度. gg. 一[k−15度. 謡1. 瀦. NN. 一t’一’’”()一一25度. N氏. 一く.35度 一,.,.). N. 、ロ曳. ii:O. r一一”AN. e. NN NN. N[X. NN. NN. N. e.o% o.sgo 1.oqe 1.s% 2.o% 3.o% 塩分濃度. 図12ウラギクの発芽におよぼす温度と 塩分濃度の影響 芒那地(1%)に鍾子を3・粒を2組蒔き・1・日目の平均発芽率で示.

(46) 100 gg. t. 一一. 一 一一. ’. d一一■圏■、一i一,’. 露 命5・. /. 駕. t. /. シパナ. /. 一. ig /. 1幽. 一一一. Eラギ:ク. o 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20. 日数(日}. 図13シバナとウラギクの 最適発芽条件下での発芽率の変化 シバナの発芽条件(温度25。C、塩分濃度0%)において、種子を50粒蒔き、 3組の平均発芽率で示した。. ウラギクの発芽条件(温度15℃、塩分濃度0%)において、種子を30粒蒔き、 2組の平均発芽率で示した。.

(47) 説明 最大海抜. 200. 平均海抜+擦準偏差. 198. 17800. 壱’ 壱韓照. 198. 1銘. 霧難懇. ス均海門一コ口偏差. 1茸8. 198. ’,. 灘. ナ小海抜. 翼曹臣響. 曾}18. ”“劉“出. 110 慈 100. 襲臨7. 灘旧離慧. 灘. i籔㈱. }18馨. 難難襲. 90 鍵器. 三三. 難蝋=葺麟. 謝ε. 竈昭. i馬. 灘. 98. 灘… @ 雛. 器. 蝉撰. iO8,. }窒8蕎. 窒8 ;8. i8. 0 叱 ノ. ナ. 王難享1参ど ク ギ ド サ イ グ ク. ジ. ハ マ マ ツ. ナ. ホ ハ. ホ. 薇リ. ム. ァ美喜. ソ. 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 O. 冠水時間塒/年). ギ. マ. 図14植物のよく占めている海抜と冠水時間(時/年)の関係 植物のよく.占めている海抜は、平均被度百分率より求めた(資料4)。. 冠水時間は、1991年度(1991.4∼1992.3)の相生湾の海抜毎に求めた(資料2、3)。.

(48) 艦 平均海抜+標準偏差. }18. 118. 難. 128. 鑛 覇墜甦. 灘 藪藁.. 獲. 灘購. 蠣 難器. 難. 繋. 罵“噂硲襲 概罎. ナ小海抜. 難. .9識鰯層. 灘鑛. 9}塁8. ス均海抜一標準偏差. ネ. 雛羅. .9 幽. 灘藻 @ 雛1 鱗華. 蜩蝟カ艘郡獄藍 罐窪霧翻鍔. 苫鞭. 180 170 160 150 140. 130警 120露. }認宕. 18邑 gs. 耀難i 購罰. 箋. 200 190. X難. 28. 縣. gs. 18. 60. 警1そ鐘尋lll…冠謂回賑望年)100 O マ. 図15植物のよく占めている海抜と冠水回数(回/年)の関係 植物のよく占めている海抜は、平均被度百分率より求めた(資料4)・・ 冠水回数は、1991年度(1991.4∼1992.3)の相生湾の海抜毎に求めた(資料2・3)。.

(49) 120 110 100. 1X. ソ∵イアカザで. 90 80 宕70. 3町鑓. 慈6。. 7−L A 8 9−k A o. 鍵50. レ五一海岸線(蘭ち闘. 11. 30 20 1e. A. o. o. O.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 35 4.0 4.5. 遊歩道からの距離(m). 図16シバナの移植実験評価 凡例 シバナの生育評価. ◎ 生育がよい ○ 生育が普通 △ 生育が悪い. x 消滅. 50 5.5 6.0.

参照

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