大学生の友人関係に関する社会的スキルと登校回避感情の関係に関する青年心理学的研究
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(2) はじめに. 今日、教育現場では不登校が大きな問題となって久しい。社会学的な観点から不登校 を検討した森田(1991)は、欠席も遅刻・早退も示さない出席生徒にみられる「学校に行. くのが嫌だ」という気持ちを“登校回避感情”とよんだ。そこで、本研究では、学校に 行きたくないという感情について検討することが、問題を直裁的にとらえるには適切と 考えられ、不登校に対する予防的対応を考える上でも有意義であると思われる。 大学においても不登校の学生は相当数に上っている。小柳(1999)は、.大学は人間関係. や生き方が青年から大人へと移行する時期であるが、友達と共有できる話題が少なかっ たり、自分らしい価値観や、臨機応変に対応する柔軟さや知恵が少なかったりと、登校 への障壁をうまく乗り越えることが困難となるというρしたがって対人関係や関心の幅 広さが大学での適応の重要な鍵となる(小柳,1999)。こうしたことから、不登校のきっ. かけや維持要因として、人間関係や情緒的混乱などの心理的問題が大学生活での適応に 関連していることが理解される。. そこで本研究は、大学生を対象にして社会的スキルを、他者とのコミュニケーション 能力と定義し、大学生の友人関係に関する社会的スキル水準が、大学生の大学への登校 回避感情に及ぼす影響について検討することを主たる目的とした。.
(3) 目次 はじめに. 目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 1. 問題と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 2. 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 6. 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 7. 考察・・・・・・・・・… 一・・・・・・・・・…. 14. 引用文献・・・・・・・・・・・・・・・… .・・.. 16. おわりに. 附録. 質問紙. 1.
(4) 問題と目的. 小学校・中学校で不登校が大きな問題となって久しい。井上・佐藤 (1988)は、不登校を「家庭の中にも学校の中にも、登校できないよ. うなはっきりした理由がないのに学校に行こうとしない状態」と定義 としたが、文部科学省(2006)によれば「不登校とは何らかの心理的、. 情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるい はしたくともできない状況にあること(ただし病気や経済的な理由に よる者を除く)」と定義されている。保坂(2002)によると、1951年 の長期欠席児童・生徒の調査開始以降「勉強ぎらい・学校ぎらい」と. いう言葉を使用していた文部科学省は、1967年から学校基本調査の 中の長期欠席児童・生徒の欠席理由の中に独立した分類項目として 「学校ぎらい」を採用した、とある。さらに、1983年「生徒指導研 究資料第12集(生徒指導資料第18集)」において、このr学校ぎらい」. が「登校拒否」とされた。その後、1989年に発足した文部科学省の 「学校不適応対策調査研究協力者会議」が「登校拒否はどの子にも起 こりうるものである」という考えを打ち出して以来、現在は「不登校」. という用語が定着しつつある(保坂,2002)。このように本来は異質. であるはずの怠学的不登校と神経症的な登校拒否が混同されるなど 不登校の形態も様々である。さらに、子どもを取り巻く社会的状況は 変化しており、それに応じて不登校の様態も変化すると考えられる。 したがって登校拒否を含む不登校全般に対して、明確な定義をくだす のは難しい。. 社会学的な観点から不登校を検討した森田(1991)は、欠席も遅刻・. 早退も示さない出席生徒にみられる「学校に行くのが嫌だ」という気 持ちを“登校回避感情”とよび、この学校に行きたくないという登校 回避感情を抱きながらも欠席せずに学校に通っている児童・生徒が相 当数存在することを報告している。また、渡辺・小石(2000)は、登. 校回避感情を有する生徒の特徴である自尊感情の低さや不安の高さ は、不登校の生徒に特有であるといわれているパーソナリティ特性と.
(5) 類似していると指摘しており、このようなことからも登校回避感情の 高い児童・生徒は不登校に陥り易いと考えることができるだろう。 そこで本研究では、登校しない、したくてもできないという不登校 を検討するのではなく、学校に行きたくないという感情について検討 することが問題を直裁的にとらえるには適切と考えられ、不登校に対 する予防的対応を考える上でも有意義であると思われる。. 大学における不登校について小柳(1999)は、大学生の抱える適応 の問題として、小学校の高学年から対人関係がうまくいかないと感じ 始めるが恥じて親しい他者に相談できなかったり、周囲が理解できな かったりしたために、この登校にまつわる問題の解決を持ち越して大 学に入学するに至るという、対人関係のあり方の影響を指摘している。. つまり小学校から大学に至る間、ほとんど友人関係もなく学業に専念 し、辛さに耐えて登校を続けるが、大学に入ると学業に優れているだ けでは容易に評価されず、このため学業という心の支えが崩れやすく、. 緊張による疲労とも相まって大学での不登校が始まるという。 大学においても不登校の学生は相当数に上っている。大学は人間関 係や生き方が青年から大人へと移行する時期であるが、友達と共有で きる話題が少なかったり、自分らしい価値観や、臨機応変に対応する 柔軟さや知恵が少なかったりと、登校への障壁をうまく乗り越えるこ とが困難となる。したがって対人関係や関心の幅広さが大学での適応 の重要な鍵となる(小柳,1999)。こうしたことから、不登校のきっ かけや維持要因として、人間関係や情緒的混乱などの心理的問題が大 学生活での適応に関連していることが理解される。. ではこのような大学生の心理的な問題の解決のためには、どのよう な取り組みが必要なのであろうか。他者と適切かつ効果的に人間関係 を構築していくための技能である社会的スキルが、十分に学習されて いない(松永・岩本,2008)ということを指摘するまでもなく、社会 的スキルの欠如に起因している可能性は高いといえる(橋本,2000)。. したがって、大学生の心理的な問題の解決にあたっては、社会的スキ ルの獲得がその一つの方策であると考えることができる。.
(6) ところで青年期の友人関係について宮下(1995)は、第二次反抗期 は中学生から大学生の時期にかけて生じ、親への強い心理的反抗がみ られ、それと反比例するように青年の心は友人へと注がれる、と述べ ている。さらに、青年にとって自分を理解し、支えてくれる友人が必 要であると述べ、その意義を次のように挙げている。第一に自分の不 安や悩みをうちあけることにより、情緒的な安定感をえられること。・. 第二に自己を客観的にみつめることができるということ。第三に、人 間関係が学べるということである(宮下,1995)。. このように、青年期にとって友人関係はとても重要であることが考 えられるが、今日希薄な友人関係が指摘されている一(廣實,2002)。. また廣實(2002)は、表面的な交友関係を維持する青年が、このよう な問題を改善・解消するためには、適切な社会的スキルの向上も考慮 するべきとしている。また橋本(2000)は、対人方略と社会的スキル の関連について、対人方略の深化回避が社会的スキルに高い負の相関 を示したことから、対人関係を深化させないのは個人が主体低に望ん でいるわけではなく、社会的スキルの欠如によるものであると考察し ている。さらに、学校適応に関する予防的援助の方策のひとつとして、. 社会的スキルからのアプローチを検討した八越・新井(2007)は、社 会的スキルを仲間との相互交渉に必要なスキルと定義し、友人関係、. 社会的スキルそして学校適応の間には一義的な関係があることを明 らかにした。すなわち仲間との相互交渉に必要なスキルあれば、共感 性が高まり友人関係がうまくいく。そして、学校へ行きたいと思う気 持ちを促進することができるという。もし、友人関係のありようが児 童・生徒あるいは学生の学校への登校に影響があるとすれば、友人関 係と学校適応の関係を明らかにすることは意義深い(石本・久川・齊 藤・上長・則定・目潟・森口,2009)といえる。 相川(2000)は、社会的スキルとは、良好な人問関係を形成し、維 持していくための具体的な技術やコツの総称としており、社会的スキ ルの水準が高ければ、人間関係を円滑にすることができると考えられ る。さらに先に述べた小柳(1999)の見解からも、学校は集団生活の.
(7) 場であり、他者とコミュニケーションをとることがそこでの適応に重 要であることがいえる。これらのことから他者との関係、つまり人間 関係を円滑にすることができれば、学校適応感も増すとも考えられる。. そして同時に登校回避感情も軽減することができると考えられる。 そこで本研究では、社会的スキルを、他者とのコミュニケーション 能力と定義し、大学生の友人関係に関する社会的スキルの水準が、大. 学生の大学への登校感情に関連しているかどうかについて検討する ことを主たる目的とした。. 5.
(8) 方法. 研究協力者. 静岡県下のA大学の1,2年生179名(男子77名 女子102名) が本研究の調査協力者として参加した。調査協力者のうち回答に不備. のなかった176名(男子77名 女子99名)が分析対象者となった。 手続き及び材料 調査は、協力大学での授業クラス単位に集団場面で質問冊子が配布 され、各クラスにおいて共通した教示のもとに実施された。なお教示 は、研究者のひとりによってなされた。回答された質問紙冊子は回答 終了直後に研究者により回収された。. 質問紙はフェイスシート(年齢、学年、性別)および曽山・本間・. 谷口(2004)が開発した「友人関係に関する社会的スキル尺度(34 項目)」を、大学生用にふさわしい言葉遣いに一部修正したものと、. 渡辺・小石(2000)が開発した「登校回避感情尺度(26項目)」を大. 学生用にふさわしい言葉遣いに一部修正したものによって構成され た。なお、これら2種類の尺度に対する反応は、あてはまる(5点) ∼あてはまらない(1点)の5件法により求められた。.
(9) 結果. 1.友人関係に関する社会的スキル尺度の因子分析結果 大学生の社会的スキルの特徴を見るために、友人関係に関する社会. 的スキル尺度34項目に対して、有効回答者(179名)の反応に基づ き、因子分析(主因子法一バリマックス回転)が実施された。その結. 果、固有値が1.0以上であることと減衰状況から解釈可能な5因子が. 抽出された。このうち、第4、第5因子に関しては十分な内的整合性 を有していないと判断されたため、本研究では、第1∼第3因子まで が分析の対象となった。各々の因子に含まれる内容の項目を考慮して、 第1因子は「集団への参加技能」(α:.875)、第2因子は「向社会的 技能」(α:.857)、第3因子はr他者への配慮技能」(α:.849)と命名. された(表1参照)。また、各項目の共通性は、いずれも.101以上で あった。. 2.登校回避感情尺度の因子分析結果 大学生の登校回避感情の特徴を見るために、登校回避感情尺度(26 項目)に対して、有効回答者(179名)の反応に基づき、因子分析(主. 因子法一バリマックス回転)が実施された。その結果、3因子が抽出 された。各々の因子に含まれる項目の内容を考慮して第1因子は「友 人の拒否」(α=.853)、第2因子はr教師への反発」(α=.862)、第3. 因子はr学校への反発」(α=.789)と命名された(表2参照)。また、. 各項目の共通性は、いずれも.101以上であった。. 7.
(10) 表1友人に関する社会的スキル尺度の因子分析結果 尺度項目. F I F1I F皿 F1V FV. 第1因子(集団への参加技能、 α=.875) 6.自分から仲間の入れない赤 1.遊んでいる友達の中に入れない北 7.友達に話かけられない土. .78. ・.09 .00. .19. .06. .73. ・.04 .07. .16. .O1. .68. ’.21 ,04. 118. .1O. 5.友達が楽しそうにしているのをじっと見ている* 4.休み時間に友達とおしゃべりしない. .66. ’.13 .11. .04. .04. .64. ’.16 .18. ・.13. .05. 3.友達と離れて一人でいる岳. .62. ’.01 .21. ・.05. .06. ・.57. .34 .10. ・.20. 一.09. .54. 一.18 .00. ・.03. ,18. 2.友達に気軽に話しかける 8.悩み事を友達に相談できない*. 第2因子(向社会性的技能、 α=857) 11.友達の悩みを聞く. ・.25. .79. ・.04. ・.05. ・.11. 10.友達が失敗したら励ましてあげる 31.友達の悩みや相談事をゆっくり聞いてあげる 9.困っている友達を助けてあげる 12、友達がよくしてくれた時はお礼を言う 15.自分に親切にしてくれる友達には親切にしてあげる 13.相手の気持ちを考えて話す. ・.16. .70. 一.OO. 一.02. ・.12. ・.16. .69. ・.23. .09. ・.16. ・.18. .61. ・.08. ・.13. ・.24. 一.13. .59. ・.19. .00. .02. ・.05. .58. ・.14. ・.05. ・.02. 一.01. .45. 一.32. .00. 一.03. 20.友達に乱暴な話し方をする十. .03. ・.14. .75. ・.15. ・.01. 221友達のじゃまをする* 19、友達をおどかしたり、いばったりする* 23.何でも友達のせいにする* 18.自分のしてほしいことをむりやり友達にやらせる*. .15. ・.04. .74. ・.08. .03. .00. ・.18. .69. ・.04. .10. .18. ・.27. .64. .09. .18. .61. .04. .03. .57. ・.24. .20. 第3因子(他者への配慮技能、 α=、849). .11. ・.15. 21.でしゃばりである★. ・.OO. .01. 第4因子(アサーション、 α=.718) 27.先生に気軽に話しかける. ・.03. .29. .13. 32.先生に話しかけられないホ 30、授業の中で発言できない北. .03. ・、09. ・lOO. .05. .08. .22. 26.質問されても自分の考えをうまく話せない*. .26. .14. .02. 第5因子(かたくなさ、 α=.646) 28.友達の失敗を許せない 33.自分の意見と違う友達の考えを認められない 24.間違いをしても素直に謝らない. .16 ・.09 .08 ’、24. 11’1口. .18 ..19. 2乗和 13.91 12.64 11169. 6,97 4.99. *逆転項目.
(11) 表2登校回避感情尺度の因子分析結果 尺度項目. F I FII F皿. 第1因子(友人の拒否α=.853) 14.友達と一緒にいると楽しい 13.伸のよいグループを持っていない 20.友達から相手にされなくてもかまわない 18.友達といるより1人でいる方が気が楽だ 12.親しい友人がいる. 16.友達と一緒になって勉強や遊びのグループを作るのは嫌だ 15.勉強以外のことを友達とよく話す 17.友達との付き合いがうっとうしいと思う時がある. 19.友達とできるだけ交わるようにしている. .80. .13. .00. 一.72. ・.18. .11. ・.64. .09. .03. ・.63. ,08. .10. .62. .05. ・.07. ・、61. .00. ・.00. ,60. ・100. .03. ・.51. .13. .04. .44. 109. ・.24. 第2因子(教師への反発α=.862) 121. 2.この学校に対して親しみを感じる 1.学校の先生に対して親しみを感じる 3.先生には安心して何でも相談できる 4一この学校の生徒であることを誇りに思う. .09 ・.00. .27. 第3因子(学校への反発 α=.789) 7.授業を受けているのは苦痛である 6一学校の授業の時間を無駄だと思うことがある 5.この学校に対して反発を感じる. .00. ・.05. ・.69. .10. ・.02. ・.60. .00. .24. .56. 9.学校さえなかったら、毎日楽しいだろうと思う. .18. .13. .55. 21.学校を休みたいという気持ちになる 23.学校は嫌なことばかりあると思う 26.私にとって学校はいごこちが悪い. .00. 一.37. ・.50. .26. ,35. .48. .29. .36. .42. 2乗和 15.73 13.7611.11. 9.
(12) 3.友人関係に関する社会的スキルと登校回避感情の関係 上述の分析結果に基づき、友人関係に関する社会的スキル尺度の3 つの下位尺度ごとに、それぞれの平均値とS.D.に基づいて、各スキル 高得点群(H群、平均得点十1/2S.D.以上)とスキル得点低群(L群、 平均値一1/2S.D.未満)、および中間群(M群、H群にもL群とも属さ. ない)の3群に分類された。各群の人数及び、平均得点、標準偏差を 表3に示した。また社会的スキル各下位尺度別の性と水準別の登校回. 避感情得点平均と標準偏差は表4のとおりであった。そこで表4に基 づき登校回避感情尺度の各下位尺度得点を従属変数、性と友人関係に. 関する社会的スキル尺度の各下位尺度得点水準を独立変数とする2 (性)×3(社会的スキルの各下位尺度得点水準)の2要因分散分析 を行った。. 登校回避感情尺度の「友人の拒否」得点を従属変数とし、性と集団. への参加技能水準を独立変数とする2要因分散分析を行ったところ、 集団への参加技能水準に主効果がみられ(Fc2,170):151.56,ρく.01)、下位. 検定(Tukey法,以下も同様)の結果、L群>M群>H群(不等号は 2%水準で有意差があることを示す。以下同様)という関係で有意差 が認められた。次に、「友人の拒否」得点を従属変数とし、性と向社 会的技能水準を独立変数とする分散分析を行ったところ、向社会的技 能水準に主効果がみられ(ハ2,170)=49.94,ρく.05)、下位分析の結果、L. 群〉M群・H群という関係で有意差が認められた。性の主効果も有意 (ハ2,170)=26.71,ρく.05)であり、女性より男性の方が有意に回避的であ. ることがわかった。なお「友人の拒否」得点を従属変数とし、性と他 者への配慮技能水準を独立変数とする分散分析を行ったところ、有意 な主効果、交互作用はみられなかった。. 登校回避感情尺度の「教師への反発」においても同様の分散分析が なされたが、有意な主効果、交互作用はみとめられなかった。. 登校回避感情尺度の「学校への反発」得点を従属変数とし、性と集. 団への参加技能水準を独立変数とする分散分析を行った結果によれ ば、集団への参加技能の水準に有意な主効果がみられ(ハ2,170)=27.52, 10.
(13) ρく.05)、下位検定の結果、L群>M群>H群という関係で有意差が 認められた。性に主効果がみられ(ハ2.I70)=73,41,ρく.05)、女性より男. 性の方が有意に高かった。次に、「学校への反発」得点を従属変数と し、性と向社会的技能水準を独立変数とする分散分析を行ったところ、 性に主効果がみられ(ハ1,170)=20,24,ρく.05)、女性より男性の方が有意. に高かった。なお「学校への反発」得点を従属変数とし、性と他者へ の配慮技能水準を独立変数とする分散分析を行ったところ、有意な主 効果、交互作用はみられなかった。. 11.
(14) 表3各スキルにおける水準群1性別の平均社会的スキル得点とS.D.. 集団への参加技能水準. ↑生別 N mean. S.D.. 男292210 女2522.08. 2.16. L. M 男2828.64. 女3528.71 男2034.50 女3934,13 L 男292257 女2123.24 M 男2828.11 女35−28,56 H 男2032.79 女3932.74 L 男2015.90 女3516.31 M 男3822.03 女3022.30 H 男1927.58 女3427.24 ■一1. 向社会的技能水準. 他者への配慮技能. 12. 3,53 1.49 1.80 1.53 1.67. 2.50 4.01. 0−98 1.08 1.47一. 1.17. 3.24 2.40 1.35 1.55 2.16 1.99.
(15) 表4社会的スキル下位尺度別の性と群の登校回避感情得点平均及びSD 学校への反発 友人の拒否 教師への反発 群. L. 集団への参加技能M. L. 向社会的技能 M. mean. S,D. mean S.D.. 男2924,214.47 13.64 女2522,886.56 12.68 男2819,114.56 12.29 女3518,295.26 男2016.15 7.20 12,50 女3914.00 3.03 12.92 14.00 男3022,706.17. 3.48 20,93 6,28. 13.33. 3.77 16,67 4.22. 13.07. 3.45 19,11 4,88. 12.82. 3.52 17,69 4.93. 10.63. 3.99 20,53 6,22. 守生 N mean S.D.. 13.21. 女21201577,62 男2818.715160. 女3917,545.69 H 男1918,686.19 女3916,464.90 L 男2022,956.79 女3518,897.09 他者への配慮技能M 男3820,035.47 女3018,905.20 H 男1917,896.20 女3415,594.93. 13. 4.22 18,52 5.46 3.97 19,29 4,83 4.04 17,34 4.33. 4.63 18.45. 5,91. 3.26 16.85. 4.58. 3.88 19,70 6,20. 12.69. 4.14 17,62 4,86. 14.25. 3.74 21,10 6,00. 13,00. 3.03 17,26 4−22. 12.53. 3.61 19,84 4,78. 13.20. 4.25 18,13 5.04. 11.95. 4.54 17,89 6,86. 12.47. 4.15 17,03 5.01.
(16) 考察. 本研究の分析結果より、社会的スキルの下位領域すべてが登校回避 感情に結びつく一わけではないが、いくつかの下位領域は登校回避感情. に結びっいていることがわかった。つまり社会的スキルの中には登校 回避感情に関連しているものがあるということである。. 社会的スキルの下位尺度ごとに見ると、集団への参加技能に関して いえば、その島群より低群の方が友人を拒否し、さらに学校への反発 も高いということが明らかになった。さらに、社会的スキルの因子の. 向社会的技能の島群1中群より低群の方が友人を拒否しているという ことが明らかになった。小柳(1999)は人間関係が大学生の大学での 適応に関連しているというが、上述の結果は小柳(1999)の見解を支 持するものといえる。. 一方、教師への反発という側面に関しては、社会的スキルのどの因. 子においても教師への反発得点に有意差は認められなかった。森田 (2000)は、不登校群の生徒は出席群の生徒に比べて教師とのコミュ. ニケーション回路の停滞している生徒が総じて多い傾向がうかがえ るとしているが、今回の結果はこの見解を支持するとはいえなかった。. つまり登校回避感情は、登校回避感情を抱いている学生はコミュニケ ーションスキルの有無は関係なく、不登校の学生にスキルの有無が関 係あるのならば、登校回避感情を不登校におちいる学生の感情とはい えないと考えられる。. その要因としては、今回の調査対象が大学生1,2年生であり、小・ 中・高校生に比べて大学の講義以外で教師と関わることが少ないのが 一因と考えられる。このことから、今後は小・中・高校生を対象とし. て同様の調査を実施することは不登校生徒への支援を考えるのに有 効であろう。. 社会的スキルの他者への配慮技能は、どの水準群間にも登校回避感 情得点の有意差は認められなかった。登校拒否の子どものなかには本 来の性格が明るく、リーダーシップもあり、友人によく配慮できるも 14.
(17) のもいる。たとえば、優等生の自切タイプとされる児童・生徒がそう. であろう。登校拒否の発現後に生育歴などを分析すると、彼らはrみ んなのお手本」として期待に応えることに努力し、彼らの内面には心. 理緊張と過分の自己統制による精神的疲労が積み重なっていると佐 藤(1996)は報告している。今回の結果からも、他者への配慮技能が あるからといって、登校回避感情が軽減されるということはいえなか った。佐藤(1996)にしたがうならば、他者への配慮技能は、むしろ、. その技能を豊かに有している方が登校拒否に陥りやすいと考えられ る。また、戸岡(2004)は友人関係において「気遣い」をする者は、 他人とうまく距離が取れないといったふれあい恐怖が高くなり、その 結果登校回避感情が高まると示している。今回の「他者への配慮」を 「気遣い」と考えるなら、1戸田(2004)の見解を支持できない結果と. なった。「他者への配慮技能」が、登校回避感情に影響を及ぼしてい ないという結果から、全ての社会的スキルの有無によって登校回避感 情が軽減するとはいえない。. 以上のことから、社会的スキルは全てが登校回避感情の軽減に効果 を有するわけではないということが示唆された。そしセ、登校回避感 情を抱いている学生と、登校拒否の学生が抱いている感情は必ずしも 一致するとはいえないということが示唆された。しかし本研究では、 中学生を対象とした尺度を大学生に使用しているため、今後大学生を 対象とした尺度の作成を視野に入れる必要があると思われる。さらに、. 児童・生徒にも同様の結果が得られるかどうかを検討することは、今. 後の登校拒否問題の解決策や支援策を考える上でも有意義と思われ る。. 15.
(18) 引用文献. 相川 充 (2000).セクション社会心理学20 人づきあいの技術一. 社会的スキルの心理学一 サイエンス杜 橋本 剛 (2000).大学生における対人ストレスイベントと社会的 スキル・対人方略の関連 教育心理学研究,48,94・102. 廣實裕子 (2002). 現代青年の交友関係に関する心理学的要因の展. 望 広島大学大学院教育学研究科紀要.第三部、教育人間科学関連 領域51,257・264 保坂 亨 (2002).展望 不登校をめぐる歴史・現状・課題 教育心 理学年報41,157−169.. 井上 肇・佐藤修策 (1988).登校拒否はなおる 山陽新聞社. 石本雄真・久川真帆・齊藤誠一・上長 然・則定百合子・目潟淳子・ 森口竜平 (2009).青年期女子の友人関係スタイルと心理的適応 および学校適応との関連 発達心理学研究,20,2,125−133.. 宮下一博 (1995).講座 生涯発達心理学一4 自己への問い直し 青年期 金子書房.. 文部科学省 (2006). 生徒指導上の諸問題の現状について(概要) http:〃www.mext.go.jp/b_menu/houd−ou/18/09/06091103.htm. 森田洋司 (1991). 「不登校」の現象の社会学 学文杜. 森田洋司 (2000)、 「不登校」の現象の社会学 第二版 学文杜. 松永真由美・岩本澄子 (2008).現代青年の友人関係に関する研究 久留米大学心理学研究7.77−86.. 小柳晴生 (1999)1シリーズr心理臨床セミナー」④ 学生相談のr経. 験知」一大学における臨床心理一 垣内出版株式会社 佐藤修策 (1996)、登校拒否ノート 北大路書房 曽山和彦・本間恵美子・谷口清 (2004).不登校中学生のセルフエス. ティーム、社会的スキルがストレス反応に及ぼす影響 特殊教育学 研究,42,1,22−33.. 16.
(19) 戸田雅子 (2004).青年期の登校回避感情について一対人関係及び. パーソナリティの視点から一 名古屋大学大学院教育発達科学研 究紀要,心理発達科学51,312−314. 渡辺葉一・小石寛文 (2000)1中学生の登校回避感情とその規定要因. 一ソーシャル・サポートとの関連を中心にして一 神戸大学発達科 学部研究紀要,8,1,1−12. 八越 忍・新井邦二郎 (2007).母親の養育態度が小学生の社会的ス. キル、共感性、学級適応に及ぼす影響 日本教育心理学会第49回 総会発表論文集,211.. 17.
(20) おわりに. 本研究を遂行するにあたり、多くのご指導とご助言を賜りました、学校心理学コース の浅川潔司先生に厚く御礼申し上げます。. また、貴重なご意見とご助言を賜りました、常葉学園大学の伊東明子先生、宝塚市立 長尾中学校の爾雅則先生に心より感謝申し上げます。. さらに、本研究に被調査者としてご協力下さいました、常葉学園大学の学生諸代に、 改めてご協力を感謝致します。.
(21) 附録 質間紙.
(22) 調査のお願い 卒業研究として、学校適応感とソーシャルスキルの関連性についての調査を しています。. ご協力いただける方は質問にお答えください。. なお、この調査で得られた結果は、統計的に処理しますので、個人のデータ. が取り上げられたり公表されたりすることはありません。調査用紙にっきまし ても、データ保管から処分まで、厳重に保護されます。安心してご回答くださ い。. ご不明な点等がございましたら、下記の研究者までご連絡ください。 ご協力お願いします。. 研究者:常葉学園大学 教育学部. 初等教育課程 音楽専攻4年 鈴木真波 指導教員:山崎正先生. ※ 記入をお願いします. ・年 齢( 歳 ・学 年( 年. ・性別(男・女.
(23) I あなたは、以下の項目にどのくらい当てはまりますか。. 適当だと思われる数字にOをっけてください。. あ て は ま る. や や あ て は ま る. ど. ち. や や. あ. て は. も. あ て は. な. ま. な. ら. レ、. ら. で. し、. ま ら. な し、. ※記入例:私は勉強が好きだ・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 1.少なくとも人並みには、価値のある人間である・・5 4 3 2 1 2.いろいろな良い素質をもっている・・・・・… 5 4 3 2 1 3.敗北者だと思うことがよくある・・・・・・… 5 4 3 2 1 4.物事を人並みには、うまくやれる・… 一・… 5 4 3 2 ! 5.一. ゥ分には、自慢できるところがあまりない・… 5 4 3 2 1. 6.自分に対して肯定的である・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 7.だいたいにおいて、自分に満足している・・… 5 4 3 2 !. 8.もっと自分自身を尊敬できるようになりたい… 5 4 3 2 1 9.自分は全くだめな人間だと思うことがある・… 5 4 3 2 1 1O.何かにつけて、自分は役に立たない人間だと思う・5 4 3 2 1.
(24) ■ あなたは、以下の質問にどのくらいあてはまりますか。 適当だと思われる数字に○をつけてください。 あ て. や や. は. あ て は. で も. あ て は. ま. な. ま. な. る. レ、. ら. し、. ま 一る. ど. ち ら. や や. あ て は ま ら. な し、. 1.遊んでいる友達の中に入れない・・・・・・・・・・・・・・・… 5. 4 3 2 1. 2.友達に気軽に話しかける・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 3.友達と離れて一人でいる・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 4.休み時間に友達とおしゃべりしない・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 5.友達の遊びをじっと見ている・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 6.自分から友達の仲間に入れない・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 7.友達に話しかけられない・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 8.悩み事を友達に相談できない・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 9.困っている友達を助けてあげる・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 10.友達が失敗したら励ましてあげる・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 11.友達の悩みを聞く・・… 」・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 12.友達がよくしてくれたときはお礼を言う・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 13.相手の気持ちを考えて話す・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 14.引き受けたことは最後までやり通す・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 !. 15.自分に親切にしてくれる友達には親切にしてあげる・・・・・・… 5 4 3 2 1 16.友達のけんかをうまくやめさせる・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 17.友達の話をおもしろそうに聞く・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1.
(25) あ て. や や. ど ち. や や. は. あ て. ら. ま. で. あ て. る. は. も. は. ら. ま. な. ま. な. る. し、. ら. し、. あ て は ま. な し、. 18.自分のしてほしいことをむりやり友達にやらせる・・・・・・・… 5 4 3 2 1 19.友達をおどかしたり、いばったりする・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 20.友達に乱暴な話し方をする・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 21.でしゃぱりである・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 22.友達のじゃまをする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 23.何でも友達のせいにする・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 24.間違いをしても素直に謝らない・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 25.言いたいことは相手に伝える・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 26.質問されても自分の考えをうまく話せない・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 27.先生に気軽に話しかける・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 28.友達の失敗を許せない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 29.自分の気持ちと反対のことばかり話してしまう・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 30.授業の中では発言できない・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 31.友達の悩みや相談事をゆっくり聞いてあげる・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 32.先生に話しかけられない・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 33.自分の意見と違う友達の考えを認められない・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 34.友達と一緒に協力して行動する・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1.
(26) 皿 あなたは、以下の項目にどのくらい当てはまりますか。 適当だと思われる数字に○をつけてください。 あ て は. や や あ. ら. ま. て は. で も. あ て は. ま. な. ま. な. る. レ、. ら. レ、. る. ど. ち. や や. あ て は ま ら. な し、. 1.学校の先生に対して親しみを感じる・・・・・・・・・・・・・… 5. 4 3 2 1. 2.この学校に対して親しみを感じる・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 3.先生には安心して何でも相談できる・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 4.この学校の生徒であることを誇りに思う・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 5、この学校に対して反発を感じる・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 6.学校の授業は時間の無駄だと思うことがある・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 7.授業を受けているのは苦痛である・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 8.学校での勉強は、将来の生活や職業に役立つと思う・・・・・・… 5 4 3 2 1 9.学校さえなかったら、毎日が楽しいだろうと思う・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 10授業中でも、おもしろくなければ別の事をしていてもかまわな レ、と思う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 11.学校の規則はよく守るほうだ・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 12.親しい友人がいる・・・… ..’’’’’’.’’’’’’’’.5 4 3 2 1 13.仲のよい友人グループを持っていない・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 141友達と一緒にいると楽しい・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 15.勉強以外のことを友達とよく話す・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 16、友達と一緒になって勉強や遊びのグループを作るのは嫌だ・… 5 4 3 2 1.
(27) や や. ど ち. や や. あ て. あ て. ら. で. あ て. は. ま る. は. も. は. ら. ま. な. ま. な. る. し、. ら. レ、. あ て は. ま. な し、. 17.友達とのっきあいがうっとうしいと思う時がある・・・・・・・… 5 4 3 2 1 18.友達といるより1人でいる方が気が楽だ・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 19.友達とできるだけ交わるようにしている・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 20.友達から相手にされなくてもかまわない・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 21.学校を休みたいという気持ちになる・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 22.学校に行きたくないと思うことがある・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 23、学校ではいやなことばかりあると思う・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1 24.授業が終わったらすぐに家に帰りたいと思う・… ’・・・・・… 5 4 3 2 1 25、学校にいるとき寂しいと思うことがある・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. 26.私にとって学校はいごこちが悪い・・・・・・・・・・・・・・… 5 4 3 2 1. ご協力ありがとうございました。質問は以上です。.
(28) 大学生の友人関係に関する社会的スキルと 登校回避感情の関係に関する青年心理学的研究 学校教育学専攻 学校心理学コース. M10034B 鈴木 真波 問題と目的. 子99名)が分析対象者となった。. 小学校・中学校で不登校が大きな問題となって久し. 材料. い。しかし、子どもを取り巻く社会的状況は変化して. 質問紙は曽山・本間・谷口(2004)が開発した「友. おり、それに応じて不登校の様態も変化すると考えら. 人関係に関する社会的スキル尺度(34項目)」、渡辺・. れ、登校拒否を含む不登校全般に対して、明確な定義. 小石(2000)により開発したr登校回避感情尺度(26. をくだすのは難しい。. 項目)」をそれぞれ大学生用にふさわしい言葉遣いに. 社会学的な観点から不登校を検討した森田(1991). 一部修正したものによって構成された。なお、これら. は、欠席も遅刻・早退も示さない出席生徒にみられる. 2種類の尺度に対する反応は、あてはまる(5点)∼. r学校に行くのが嫌だ」という気持ちを“登校回避感. あてはまらない(1点)の5件法により求められた。. 情”とよんでいる。. 結果. そこで本研究では、登校しない、したくてもできな. 友人関係に関する社会的スキル尺度の因子分析. いという不登校を検討するのではなく、学校に行きた. 友人関係に関する社会的スキル尺度34項目に対し. くないという感情について検討することが問題を直. て、因子分析(主因子法一バリマックス回転)が実施. 裁的にとらえるには適切と考えた。. された。その結果、5因子が抽出された。このうち、. 大学においても不登校の学生は相当数に上ってい. 十分な内的整合性を有した、第1∼第3因子までが分. る。小柳(1999)は、大学における不登校のきっかけ. 析の対象となった。各々の因子に含まれる内容の項目. や維持要因として、人間関係や情緒的混乱などの心理. を考慮して、第1因子は「集団への参加技能」、第2. 的問題が大学生活での適応に関連していることが理. 因子は「向社会的技能」、第3因子は「他者への配慮. 解されるという。このような大学生の心理的な問題の. 技能」と命名された。. 解決のためには、他者と適切かつ効果的に人間関係を. 登校回避感情尺度の因子分析. 構築していくための技能である社会的スキル(松永・. 登校回避感情尺度(26項目)に対して、因子分析(主. 岩本,2008)の獲得がその一つの方策であると考える. 因子法一バリマックス回転)が実施された。その結果、. ことができる。. 3因子が抽出された。各々の因子に含まれる項目の内. そこで、本研究では社会的スキルを、他者とのコミ. 容を考慮して第1因子はr友人の拒否」、第2因子は. ュニケーション能力と定義し、大学生の友人関係に関. r教師への反発」、第3因子は「学校への反発」と命. する社会的スキルの水準が、大学生の大学への登校感. 名された。. 情に及ぼす影響について検討することを主たる目的. 友人関係に関する社会的スキルと登校回避感情の関係. とした。. 上述の分析結果に基づき、友人関係に関する社会的. 方法. スキル尺度の3つの下位尺度ごとに、それぞれの平均. 研究協力者. 値とS.D.に基づいて、各スキル高得点群(H群、平均. 静岡県下のA大学の1,2年生179名(男子77名. 得点十1!2S.D.以上)とスキル得点低群(L群、平均値. 女子102名)が本研究の調査協力者として参加した。. 一1/2S.D.未満)、および中間群(M群、H群にもL群. 調査協力者のうち完全回答者の176名(男子77名 女. とも属さない)の3群に分類された。そこで、表1に.
(29) 基づき登校回避感情尺度の各下位尺度得点を従属変. 1土合的スキル下位尺. 数、性と友人関係に関する社会的スキル尺度の各下位 尺度得点水準を独立変数とする2(性)×3(社会的ス. N. m8an. S.D.. 24.21. 4.47. 舅 28 女 35. 男 20H 女 39. 男30L 女21. た。. 向社会的技能. 男28M 女39. H. とし、性と集団への参加技能水準を独立変数とする2 要因分散分析を行ったところ、集団への参加技能水準. の登 回 友人の拒否. 男 29L 女 25. 集団への参加技能M. キルの各下位尺度得点水準)の2要因分散分析を行っ. 登校回避感情尺度の「友人の拒否」得点を従属変数. 一1の性と. 男19 女39. 男 20L 女 35. 他者への配慮技能M. 男 38 女 30. 男 19H 女 34. に主効果がみられ(地.170)=151.56,〆.O1)、下位検定. 感 ’点’均及ぴS.D. 教師への反発 学校への反発. m08n. S.D.. 13.21. 3.48. 22.88. 6.50. 13.64. 4.22. 19.11. 4.56. 12.08. 3.97. 18.29. 一 moan. S.D.. 20.93. O.28. 18.52. 5.46. 19.29. 4.83. 17.34. 4.33 5.91. 5.26. 12.29. 4.04. 16.15. 7,20. 12.50. 4.63. 18.45. 14.OO. 3.03. 12.92. 3.26. 16.85. 22.70. 6.17. 14.OO. 3.88. 19.70. 6,20. 20.57. 7.62. 13.33. 3.η. 16.67. 4.22. 18.τ1. 5.60. 13.07. 3.45. 19.11. 4.88. 17.54. 5.69. 12.82. 3.52. 1フ.69. 4.93. 18.68. 6.19. 10.63. 3.99. 20.53. 6.22. 16.46. 4.90. 12.69. 4.14. 17.62. 4.86. 22.95. 6.79. 14.25. 3.丁4. 21.10. 6.OO. 18.89. 7.09. 13.OO. 3.03. 17.26. 20.03. 5.47. 12.53. 3.61. 19.84. 4.78. 18.90. 5.20. 13.20. 4.25. 18.13. 5.04. 17.89. 6.20. 11.95. 4.54. 17.89. 6.86. 15.59. 4.93. 12.47. 4.15. 17.03. 5.01. 4.58. 4.22. 一. (Tukey法、以下も同様)の結果、L群〉M群>H群. 考察. (不等号は2%水準で有意差があることを示す。以下. 本研究の分析結果より、社会的スキルの下位領域す. 同様)という閤係で有意差が認められた。次に、「友. べてが登校回避感情に結びつくわけではないが、いく. 人の拒否」得点を従属変数とし、性と向社会的技能水. つかの下位領域は登校回避感情に結びついているこ. 準を独立変数とする分散分析を行ったところ、向社会. とがわかった。. 的技能水準に主効果がみられ(ハ.m)=49.94,〆.05)、下. 社会的スキルの他者への配慮技能は、どの水準群間. 位分析の結果、L群〉M群・H群という関係で有意差. にも登校回避感情得点の有意差は認められなかった。. が認められた。性の主効果も有意(地.170)=26.71,〆.05). 登校拒否の発現後に生育歴などを分析すると、彼らは. であり、女性より男性の方が有意に回避的であること. 「みんなのお手本」として期待に応えることに努力し、. がわかった。なお「友人の拒否」得点を従属変数とし、. 彼らの内面には心理緊張と過分の自己統制による精. 性と他者への配慮技能水準を独立変数とする分散分. 神的疲労が積み重なっていると佐藤(1996)は報告し. 析を行ったところ、有意な主効果、交互作用はみられ. ている。今回の結果からも、他者への配慮技能がある. なかった。. からといって、登校回避感情が軽減されるということ. 登校回避感情尺度の「教師への反発」においても同. はいえなかった。佐藤(1996)にしたがうならば、他. 様の分散分析がなされたが、有意な主効果、交互作用. 者への配慮技能は、むしろ、その技能を豊かに有して. はみとめられなかった。登校回避感情尺度の『学校へ. いる方が登校拒否に陥りやすいと考えられる。. の反発」得点を従属変数とし、性と集団への参加技能. 以上のことから、社会的スキルは全てが登校回避感. 水準を独立変数とする分散分析を行った結果によれ. 情の軽減に効果を有するわけではないということが. ば、集団への参加技能の水準に有意な主効果がみられ. 示唆された。そして、登校回避感情を抱いている学生. (地.17o)=27.52,ρく.05)、下位検定の結果、L群>M群. と、登校拒否の学生が抱いている感情は一致するとは. 〉H群という関係で有意差が認められた。性に主効果. いえないということが示唆された。しかし本研究では、. がみられ(地、170〕=73.41,刀く、05)、女性より男性の方が. 中学生を対象とした尺度を大学生に使用しているた. 有意に高かった。次に、r学校への反発」得点を従属. め、今後大学生を対象とした尺度の作成を視野に入れ. 変数とし、性と向社会的技能水準を独立変数とする分. る必要があると思われる。さらに、児童・生徒にも同. 散分析を行ったところ、性に主効果がみられ. 様の結果が得られるかどうかを検討することは、今後. (珊一170)=20.24,〆.05)、女性より男性の方が有意に高. の登校拒否問題の解決策や支援策を考える上でも有. かった。なお「学校への反発」得点を従属変数とし、. 意義と思われる。. 性と他者への配慮技能水準を独立変数とする分散分. 主任指導教員 浅」l1潔司. 析を行ったところ、有意な主効果、交互作用はみられ. 指導教員 浅川潔司. なかった。.
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