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IS・LM体系の再構築

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(1)Title. IS・LM体系の再構築. Author(s). 久保田, 義弘. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. B, 社会科学編, 37(1): 65-80. Issue Date. 1986-10. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4477. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . I S ・ LM 体系 の再構築. 久 保 田 目. 義. 弘. 次. はじめに 1 I S・ LM 体系の仮定とその修正 2 1 S・LM 体系の再構築. 3 短期均衡と比較静学分析. 4 長期均衡と財政赤字…長期均衡分析のために むすび. は じめに 本稿はI S・LM 体系の仮定を再吟味し, それを動学分析に耐えうるマクロ・モデルにすることを 目的としている. マクロ・モデルの再構築は多くの経済学者によって試みられている. 本稿以外の ア プローチの類例として, “合理的” 期待形成仮説を強調するものとサ ミュエルソンに端を発する l i i lのように世代間の相違を強調するものがある. 一般均衡理論に基づい over app ng generat de on mo てマクロ・モデルを再構築する本稿のア プローチと前述の他の二つのアプローチの比較は本稿の目 的 で はな い.. 第1節ではヒックスのI S・LM 体系が構築されて いる仮定 (前提) を明らかにし, それが勤学分 析に適するように, その仮定を修正する. 第2節ではI S・LM 体系の再構築が試みられる. 第3節 では再構築されたI S・LM 体系の短期均衡状態とその比較静学分析が提示される. 第4節では長期 均衡状態において財政赤字の大きさの増加が長期均衡状態にどの ように影響するかが説明される,. しかし, 本稿では短期均衡から長期均衡に到る動学径路における外生変数の変化の効果の分析は. 示さ れ て い な い.. 1 l s・1 ‐M 体系の仮定とその修正 I S・LM 体系 は数多くの仮定 (明示的および暗黙) に基づいて構築されている, それらの仮定を 列挙するとつ ぎのよう である,( i ) その体系では完全雇用以外の状態では市場価格 (物価水準) は 固定的である. 換言すると, 完全雇用状態においてのみそれは伸縮的である,( i i ) その体系では資 本ス トック水準は一定不変である.( i i i ) その体系で取り扱われている金融資産は貨幣及び国債 であ. る,( ー ) 中央政府は予算制約をうけずに財政支出を変更 できる.( v ) その体系 では企業の金融制約 V が暗黙にだに考慮されていない‐ これらの仮定のそれぞれの含意について簡単に説明しよう.( i )の 仮定のもと で, 不完全雇用状態にあって有効需要が変動じようとも, 貨幣賃金率及び物価水準が変. 化しないことを意味する, 故に, この仮定のもと で は, 極端なケイ ン ズ派の乗数効果が顕在する.. 65.

(3) . 久保田. 義. 弘. ー i )の仮定を設けることができるに適し 完全雇用状態では価格 (物価) 水準の変化のみが現われる,( ” ” た 期間 の長さはどれ程であろう か. その体系では, 資本ス トックの水準が一定不変になる程に 短い期間 (瞬間) が仮定されているのかもしれない. しかしながら, 定常均衡においてもその水準 が一定不変であると見徹されるので, その仮定はいつも (毎期) 同じことを繰り返す定常均衡状態 i i i )の仮定のも においても正当化さ れよう, だが, その仮定は成長経済にあっては正当化されない.( とで, それぞれのス トック量が外生的に与えられる と, 金融資産の需給均衡はLM 曲線によって示. S・LM 体系では, 金融資 される. 二資産モ デルではその曲線が資産市場の均衡を示す, しかし, I 産 の ス トッ ク 量 が ど の よ う な メ カ ニ ズ ム で 変 化 す る か につ いて 説 明 さ れ て い な い, 貨 幣 ス トッ ク 及. )の仮定のもとでは, 財政支出 (つまり i び国債ス トックは外生的に変化するものと して扱われる.( v 財政赤字) がどのように金融化されるかについて論 じられる必要はない. 政府が財政余剰不足のと きには, 均衡財政を維持するよう に財政支出を変えるかあるいは財政赤字を貨幣発行あるいは (お. )の仮定のもとでは, 企業が V よ び) 国債発行によって融資して財政支出を変えるかするであろう.( どのように投資資金を融資するかに関係なくモ デルが構築されることになる.. これらの仮定のもとでヒックスは財貨・サーヴィ ス市場及び貨幣市場の均衡を同時に達成するマ S・LM 体系) を構築した. 前者の市場の均衡は貯蓄 プラス政府の税収を投資 プ クロ体系 (つまりI ラス財政支出に均衡させることによって示される, この均等はフロー均衡 (あるいはフロー制約) S曲線 はフロー均衡が達 と して示され, 貨幣市場における均衡はス トック均衡として示される. I 成される実質所得と市場利子率 の関係を示 し, LM 曲線はストック均衡を達成する実質所得と市場. 利子率の関係 を示 している, 両曲線の交点はス トック・フロー均衡を達成する実質所得と市場利子 S曲線で示されるフロー均衡は期 首あるいは期末における均衡であ 率の組み合 わせで示される, I i l ろ う か. 経 済 主 体 はf rd ‐ ook ng で 行動 して い る と 考 え ら れ る の で, フ ロ ー 均 衡 は期 首 に お け る orwa. 均衡であろう, それが期首における均衡であるならば, その均衡は期間内での経済変数の変動に影 響されよう. この場合に, 期待及び期待形成に関する知識 が必要とされる. LM 曲線で示されるス トック均衡は期間の任意の時点で成 立する均衡である. 従っ て, この均衡は期首におけるフロー均 衡と矛盾しないように提示さ れなければならない.. I S・LM 体系の分析対象を拡張するために前述の仮定を修正 しより一般的な仮定にする必要 があ ろう. まず初めに価格形成に関する仮定の修正から始めることにしよう. その体系では物価水準の 内生変数に与える影響を示す ことはできるが, しかし, 価格水準が何故変化するかについて は説明 されない. その体系 を価格 (物価) 水準が内生的に決定される体系に拡張してみよう.. 1つのア プローチは生産費による価格 決定のア プローチである, 貨幣賃金率の上昇が生産費を押 し上 げることによる価格 (物価) 水準の上昇を考えてみよう. 貨幣賃金率の変化 が労働力サーヴィ るならば, 市場価格の変化は内生的要因によって生じるといえよ ・ スに対する超過需要に応 じて生 じ. う. ただ, 完全雇用状態以外で貨幣賃金率の変化が起こるかどうかは疑問として残されよう. この 問題は労働サー ヴィ スの異質性あるいは労働 の移動費用を考慮すると解決される. S・LM 体系は同質の労働 サーヴィ ス及 び摩擦がない経済を対象としている. 一 しか しながら, I. 部門経済において不完全雇用状態においてさ え価格 (物価) 水準が変動することを示してみよう, 一部門経済においてその変動が実際の産 出水準と潜在的産出水準の流離によっておこると仮定しよ * とそれ う. 実際の産出水準をy, 潜在的産出水準をY* , 実際の物価水準をP, 所望物価水準をP , ぞれする.・物価水準の変動は, (1 - 1). 66. ) P- P*ニ メ Y- Y*. α′>0.

(4) . IS・LM体系の再構築. と示されると仮定しよう. ここ で所望物価水準は潜在的産出水準に対応して決められると想定しよ う, こ れ か ら. (1 - 1 ′). 7 r=b(Y/Y*ー1). b′>○. と いう 関 係 式 が 誘 導 さ れ る. こ こ で 7 )/P* である. また それらの霜離を物 価水準の r…(P-P* ,. 変動にではなく, インフ レ率の変動に対応させる定式化も可能である, それは, (1 一 2). * r-p; c(Yー Y ) 7. C′>0. と表 わ さ れる. こ こ で 汀 は実 際 の イ ン フ レ率, p は期 待イ ンフ レ率 であ る. (1 - 1) (1 - 1 ′) ,. あ る い は (1 - 2) が仮定されるならば 不完全雇用状態にあっても価格 (物価) 水準が変動する , , と 考 え ら れ る. 第 2 に資本ス トック水準に関する仮定を修正しよう. その仮定のもと では 短い期間ある いは定 ,. 常均衡状態のみの分析に限定される. I S・LM 体系を成長 (あるいは変動) 経済にも適用するため には, 資本ス トックの変動が何故生じるのかを 明らかにしておく必要がある. それを説明する1つ の方法はその変動を所望資本ス トック水準と実際の資本ス トック水準の霜離に対応させるものであ る. 所望資本ス トック水準を K*とし, 実際の資本ス トック水準を K とすると, それは , (1 - 3). 4K = ①(K*- K). ①′<0. と 示さ れ る. こ こ で K* は企業の利潤最大化行動の結果として得られる .. 労働力が外生的に成長している経済において資本ス トック水準の変動を説明 しよう. 生産 プロセ. ス はマ ク ロ の生 産 関 数 で あ る Y=F(に, L) で 示 さ れ, そ れ が K L に 関 して 一 次同 次 で あ れ ば , ,. Y/K=/(L/K ) が得られる, また, 4 (L/K) /仏/K)…4L/L-△に/K である, 労働力の自然成長率 をれとし, 資本ス トックの成長率をZと す る と, (1 - 4). れ-≠垂O. という関係が得られる. ここで両成長率が等しいとき, 経済は均衡成長状態にある. 前者の方がよ り大きいときには, 経済は資本不足の状態にあり, 後者の方がより大きいときには, 経済は労働不 足の状態にある. これらの場合には, 労働力の成長が外生的に与えられているので 資本ス トック , 水準が変動する. 第3の金融資産に関する仮定を修正してみよう. I S・LM 体系で明示的に取り上げられている資 産は貨幣のみである. その供給者は政府であり, その需要者は家計である. その需要は暗黙に素朴. な資産選択理論に基づいて説明されている. 資産選択が現在の貨幣保有と将来の貨幣保有の決定を. 意味するならば, その決定は流動性選好によって示されよう, 家計は流動性を貨幣や国債のみで選 好するだけでなく, その他の資産で保有することも できる, そのような資産として市場性のない資. 産を取り上げることもできようが, そのような資産は低い流動性しかもたないであろうから 本稿 , ではその資産を取り上げず, ここ では, 金融資産として貨幣, 国債および株式を取り上 げる, 家計 は総資産 (正味資産) をそれらに配分して資産選択を決定 する. その決定に影響する主たる要因は. それぞれの実質収益率, 期首の資産価値, 経常的な可処分所得, およびそれぞれの収益率に関する 不確実性などである.. 第4の政府の予算制約に関する仮定について考えてみ よう, 政府がその支出を拡大するときに , それを租税によって融資する場合には政府は均衡財政を維 持する. それを国債および (あるいは). 67.

(5) . 久保田. 義. 弘. 貨幣の発行によっ て融資するなら, それは財政赤字 を維持しながらその支出を拡大する. 財政赤字 1 と定 義さ れる こ こ で G は財 政 支出 T は政府 の純 税 収 入 で を D と す る と, そ れ は, の三 G-7 . , ,. あ る. D;0 のとき, 均衡財政が維持され, D>0 のとき, 財政赤字となり, D<0 のとき, 財政. 黒字となる, 財政赤字が国債およ び貨幣によって融資さ れ, 国債1単位当り1円の利子を支払うこ とを約束する確定利子債であるならば, 政府の予算制約式は, (1 - 5). G十 β/P- T=4肌/P+』β/γbp. と表わされる. ここでB/P は実質利子支払い, γbは国債の利子率であり, 4財 は貨幣ス トックの 変化分, 4B は国債ス トックの変化分である, 政府の家計への利子支払いは家計の移転収入と同様 に 考 え る こ と が で き る の で, そ の 支 払 い を 純 粋 税 収 入 に 含 め て 取 り 扱 う こ と が で き る. あ る い は,. その支払いは政府にとっ て財政支出と同じであるので, それを財政支出に含めて取り扱うこともで きる, しかし, 短期において, 利子支払いを純税収入あるいは財政支出と同様に取り 扱うことがで. きると しても, 長期において は, その支払いの変動は純税収入 あるいは財政支出の変動 を意味する であろう, このことは, 移移転支出あるいは財政支出が国民所得や実質収益率の関数となることを 意味しよう, 本稿では, 移転支出及 び財政支出を短期においても長期においても外生的に取り扱え ると仮定する. (1- 5) とは異なる政府の予算制約式を示してみよう. 政府債 (国債) を確定利. 子債とするのではなく, 利子率の変動 とともにクーポン値が変動する債券ならば, その予算制約式 は,. (1 - 5 ′). 1=』財/P十dB/P G十 γbB/P - 7. と表わされる. 実質利子率 (収益率) の変化が債券価値を変えるのではなく, クーポン値を変える 点 にお い て こ の 式 は (1 - 5) と相違している. 成長経済まで分析を拡張するなら ば, その予算 ,. 制約式 は資本1単位当りで示されていると便利である. (1- 5) から G/K十 β/PK- T/K=. 1 ′ 4M/PK十4B/筋 PK, (1 - 5 ) か ら G/K十 γbB/PK-7/に=△M/PK十dB/PK が そ れ ぞ れ 1 /K三 Z 得 ら れ る. こ こ で G/K三9の β/PK…b, 7 , M/K三 m と す る と, そ れ ら は, {1 - 6) (1 - 6 ′). +b-t= 帯 耐 冬 亭 ,. 挽 b-に 帯 侃十筈b. と そ れ ぞ れ変 形 さ れ る. あ る い は,. ( B /pKド 冊 - ★(筈十筈) )= 祭 - 費(冬十筈)及び△ /pK 4 ( M の関係を考慮すると, それらは, (1 - 7) (1 - 7 ′). ) )(”+≠ 9 十 b-t=4仇 十4b/γ。十(粥 十b ) 9 十 傷 む-t=△侃 +4b十(m 十 b)(#+≠. と そ れ ぞ れ 変 形 さ れ る. こ こ で 刀三4P/P, Zご4K/K で ある.. 2 1 )純 )純粋な貨幣融資,( (1 - 6) と (1-7) の相違について吟味してみよう. 政策として,(. 1 )の政策が採 粋な国債融資 が取り扱われるとき (1- 6) と (1-7) の相違を吟味してみよう,( ) b=0( 4 >0 で あ る,dB ) (1 - 7 4 4M>0 あ ) では で り, m 択 さ れ る と き, (1 - 6) では 4B=0( =0 のとき, 政府債 (国債) の名目ス トックは一定値 (例えば定常値 B=B*) にな る, そ れ に対. 68.

(6) . IS・LM体系の再構築 し貨 幣 の 名 目 ス ト ッ ク 量 は 逓 増 し て いく. 4b=0 と す る と, 翌/PK( dB/B-4P/P-』K/K);0 が. 意味されるので, 政府債 (国債) の名目ス トック量はイ ンフレ率と資本ス トックの成長率の和に等 しい率で変化する, このとき, ポートフォリオ(ス トック)均衡を維持するように国債の名目ス トッ. ク量が変化するのに対し, dB=0 なる政策のもと では, ポー トフォ リオ (ス トック) 均衡は維持 されないであろう. 同様のことは (2) の政策が採択される場合にも言える. 従って, 資本1単位当りで表わされる政府の予算制約式において, (1-8) (1 - 8 ′). * 4B; (B=B*) あ る い は 4M=0 (M; M ). 4M/M=4P/P+4K/K) 4B/B=4P/P十4に/K) あるいは 4伽=0( 4b=0(. の い ず れ の 政 策 が reasonab l e で あ ろ う か, イ ン フ レを 伴 う 成 長 経 済 を 分 析 す る な ら ば, (1 - 8 ′). の 方 が適 切 で あ る, と い う の は, (1 - 8) に お い て BごB*,あ る い は M = 財*と な る と き 名 目資 ,. 本ス トックはある率で成長しているの でス トック均衡が成長経済では維持されなくなる. 故に,(1 -8) のような定式化は成長経済の政策としては不適切 である. この経済では (1-8 ′) の政策 の 方 が より 良 い で あ ろ う,. もう1つ比較されるべき点がある. (1- 6) のような定式化 ではイ ンフレ税および成長税が明 )〃 のインフ レ税および(伽+b 示的に取り扱われない. (1-7) では (m十b )ごの成長税が明示的. に考慮される. 第5の企業金融に関する仮定について考 えてみよう, I S・LM 体系では資本ス トック水準が一定. と仮定されているので, 投資がどのように融資されるかについて言及される必要がなかっ た, もし 資本ス トック水準が変動する経済の分析を試みるな ら ば, それがどのように融資されるかについて. 考察する必要がある, 企業がその支出を融資する方法としてつ ぎの3つを挙げることができる. 内 部留保からの融資, 企業債発行による融資, 及び新規株発行による融資が考えられる. それを内部. 留保 (留保利益) からすることと新規株発行による場合とは異なるのであろうか. 企業 (法人企業) が法人利益 (配当 プラス留保利益) を配当するか留保するかはその 配当政策に依存する. その配当 率 (つまり配当政策) が所与であるならば, その利益にしめる留保利益の比率は所与として与えら. れる. それが留保利益を保有するのは予備的動機に基づく貨幣需要に対応していると考えられる, その利益は将来において投資支出に向けられるものとして保有される. 故に, 留保利益は株式の完 全に予約された先買い発行として見倣される, 従って, 法人企業の留保利益からの融資は新規株発. 行による融資に匹敵される. さらに, それは企業債の発行によって融資できるが, 法人税がない限 り, 融資の方法によってその資本費用 は影響されないことを示したモジリアーニ=ミラー 〔4〕 の 基本定理を考慮すると, 新規株発行による融資と企業債発行によるそれとを区別する必要がなかろ う, 本稿では法人企業が投資を新規株発行によって融資すると仮定して企業融資を取り扱う.. 2 1s鯵LM 体系の再構築. 我々 は政府の予算制約式及 び企業金融の制約式が加えられた体系においてフロー量 (あるいはス トッ ク 量) の 変 化 の ス ト ッ ク 量 (あ る い は フ ロ ー 量) へ の 効 果 を 明 ら か に す る, 我 々 はス ト ッ ク ・. S・LM 体系ではI S曲線がフロー均衡を示 フローの整合性 が維持される体系の再構築を試みる. I. し, LM 曲線がス トック均衡を示し, 両曲線が交わる点でス トック・フロー均衡が実現される. し かしながら, その体系では資産のス トック量がいかなるメカニズムを経て変化するかについての説 69.

(7) . 久保田. 義. 弘. 明 が与 え ら れ て い な い, こ のメ カ ニ ズ ム を 明 ら か に す る こ と に よ っ て ス ト ッ ク 量 と フ ロ ー 量 の 関 係. がより明確にされよう, そのことを明らかにするためには家計, 企業及び政府の行動を詳細にみる 必要があろうが, 本稿では家計行動を主に分析してその関係を明らかにしたい, 家計は資産に対す. る需要を決定する. それは将来財の購入を契約によっ て現在時点 (現在期) において決定するので はなく, 将来の不確実性を考慮して流動性を示す資産でその購買力を保有する, 家計は現在時点に おいて消費されない所得を貯蓄する. その貯蓄は流動性の高い金融資産に対する需要としてあらわ れる. 家計は, まず初めに, 所得を消費と貯蓄に分け, つ ぎに, 貯蓄形態を決定する, 初めの決定. で資産全体に対する需要が決定され, つ ぎの決定 で各資産項目に対する需要が決定される, 他方, 資産の供給は企業金融及び政府の財政赤字によって与えられる, その赤字は貨幣及び国債によって 融資されるので, それは資産供給の増加を意味する. 閉鎖経済において資産の供給とその需要の関係は国民所得勘定から求められる. その勘定から,. (2 - 1). s…ヱ+ D. が得られる, ここで, S は貯蓄, ヱは投資, D は財政赤字である. この式の左辺は資産に対する需 要を示し, その右辺はその供給を示している. 貯蓄の総量は家計行動から決定されるが, 投資量は 企業によって決定され, 財政赤字は政府行動によっ て決定される. 法人企業がその投資を新規株発 行によって副 ミ資するとき, 実物資本の増加分 (つまり投資) は株式価値によって表わされる, 株式 -単位が実物資本一単位に対応しているならば, 実物資本の増加分は新株発行に等しくなる, 投資 がトーピンのqに依存して決定されるならば, それは資本の期待収益 (つまりその限界生産力) お よびその収益率に依存する. 経済全体の投資を1とすると, (2-2). ( 1=1 q ;K ” だ 蛋 >o. という関係が得られる, 財政赤字は財政支出及び純税収の差と表わされ, その支出が外生的に決定 され, その税収が実質所得に依存するとき, その赤字は. (2 - 3). D= G。- T(Y). と 示 さ れ よう, こ こ で G oは外生的に与えられる財政支出である,. 資産需要は各資産の実質収益率, 経常的な実質可処分所得, 期首の実質資産価値に依存する. こ のことを考慮すると, 家計の貯蓄 (フローの資産需要) は,. (2 - 4). ) S=S(γm, γb , γ , Y;Wo. と 表 わ さ れ る. こ こ で, S は経常的な貯蓄, γm は貨幣の実質収益率, γb は政府債 (国債)の実質 収益率, た は株式の実質収益率, Y は経常的な実質所得, W oは期首の実質資産価値, をそれぞれ 示 して い る. (2-1) から (2-4) の関係式から. (2 ー 5). ) )十D(Y;GO )=ヱ(q;K。 s(γm, γb , γぬ Y;wo. という関係が得られる. この式は金融資産の需給均衡を示すと同時に財貨・サー ヴィ ス市場の均衡 をも示している. これを満足するよ 、うに家計の貯蓄量は決定される,. 次に, 家計は貯蓄を各金副 ー資産に配分する, この決定はポー トフォリオ決定である. 流動的資産 間のポー トフォ リオ決定を示す. その資産として貨幣 (基礎貨幣) , 政府債 (国債) 及 び株式があ 70.

(8) . 工S・LM体系の再構築. げられる. その決定を期間分析で考えてみよう. 任意の期間の期首においてそれぞれの資産量及び それぞれの資産価値が与えられると, 家計は期末の資産需要を決定できる. その需要はス トック需. 要である. 期末におけるス トック需要が決定されると同時に金融資産のフロー需要も決定される. d d d d d 期末における各資産需要を Md , B , 及 び E と す る, M は貨幣需要, B は政府債需 要, E は /P, Eo と す る, そ れ ぞ れ の フ ロ ー /P, Bo 株式需要である, 期首の資産の実質価値をそれぞれ Mo d d d /P, B -B P, 及 び E -Eo と し て 示 さ れ る. そ れ ぞ れ の 資 産 の ス ト ッ ク 需 需要は, M - MO 要量が決定されると, フロー需要量も決定される. 家計は期首においてス トック需要を決定する. 各資産に対するス トック需要は,. (2-6a) (2-6b) (2-6c). Md (γ. ;普 十 号 +』) ,Y , も γ。. (傷 も γ Bd ;筈 十 号 +』) 。 ,Y が( 傷. も. ち. Y ;弊+暑+&). と表わされる, これらの総和が総ス トック需要 である, この需要を Wd と す る と, (… …) (… …)+ Ed ・つ十 βd (…・ wd= Md. (2 ‐ 7). と い う 関 係 が 得 ら れ る. こ こ で (…) は (γm, γb ) を 示 して い る. 期 首 に お ける 総実 , γ , Y;Wo 質資産価値を W と す る と,. o. (2 - 8). d )= Wd- Wo /P)+(Ed-E。 (Md一 M P)+(B -B。. なる関係が得られる, この右辺はその期の貯蓄の実 質価値を示し, その左辺は貯蓄がいかなる資産 に配 分 さ れ る か を 示 して い る, S= Wd- Wo で あ る の で, ′. (2 - 9 a) (2 - 9 b). /ay ヲay十 aEd /aY+ aB・ as/aY=aMd d d d ) J= 伽, b, e as/a“ =aM /aγj十aB /a鶴 十aE /aれ (. と い う 関 係 が 得 ら れ る, 0≦as/aY≦1 で あ る の で, (2 -10) で あ る, ま た, で あ る の で, (2 -11). /aY≦1 /ay≦1, 0≦aEd /aY≦1, o≦aBd o≦aMd /ay≦1 であ る. (2 - 9 b) よ り as/aれ ≧o /ay十aBd /ay十 aEd 0≦a財α ,. aM. ) /aれ ≧0 ( ブ; 伽,ゎ,e /aれ 十 aEd aγJ+aBd. が 得 ら れ る. こ こ に お い て, i= 筋 の と き, (2 -12a). aM. /aγm<0 /aγm<o aEd aγm>o aBd. が仮定される. この仮定はヒックスの粗代替性に関する仮定である. 同様にして i=b 及 び j;e につ いて もそ の 仮 定 が お か れる と, (2- 2b) (2 -12C). く○ /aγbく /aγb<○ aβd aBd /aγb>○ aMd d d ○ . aEd /aゲの>○ aM /a ル <o aB /a た <. 71.

(9) . 久保田 義. 弘. という関係が得られる. 資産のフロー供給について調 べてみよう. 株式のフロ ー供給は投資量によって決定され, 貨幣及 び政府債のフロー供給は財政赤字の融資 及び公開市場操作によって決定される. 貨幣のフロー供給 は,. (2 -13a). 』財=αPD十 物. と表わさ れる. ここで α≦1 は財政赤字の融資にしめる貨幣副 ー資の割合を示し,γm は公開市場操 政府債のフロー供給は 量を示している 作によって調達される貨幣 . ,. (2 ー13b). dB;βPD十 %. と 表 わ さ れ る. こ こ で β≦1 は財政赤字の融資にしめる政府債融資の割合 を示し, γ bは公開市場. 操作によって調達される政府債の量である, (2 -13) に お い て. (2 -14). α十β =1. 及 び γm十 γb=0. で あ る.. 資産市場の均衡は. (2 115a) (2 一15b) (2 ー15c). /PニαD十 γ P }- Mo (γm,γb Md ,γの Y; wo /P /P=βD+ γも )-β。 Bdbm,γb ,γの Y; wo d K ) )=Eoニ”q; O E (γm,ゲb ,γ,Y; wo. と 表 わ さ れ る. こ れ ら の 均 衡 式 は フ ロ ー 均 衡 を 示 して い る. こ の 均 衡 が 達 成 さ れる た め に はス ト ッ. ク均衡が前提となる, S・LM 体系について説明しよう. それは, 物価水準の決定方程式, フロー及 びス 再構築されるI トック制約, 及 び資産市場の均衡によっ て表わされる. つまり, それは, (1-1) あるいは (1 - 1 ′) (2 - 5) (2 - 8) 及び (2 -15) で 示 さ れ る. (2 -1 5) が成立するとき, (2 - 5) , , 及 び (2 - 8) も 成 立 つ の で, そ れ は,. 0〕. ) ) あるいは 7 r;も(Y/Y*-1 P- P*=α(Y- Y* d M (… …)-ルも/P=αD十 γm/P /P=βD十 γ。/P (… …)-β。 Bd α ) E (… …)-E。=1(q;K。. ‐ と表わされる. この体系の未知数は, γmを外生的 (制度的) であるとすれば, γ b , 7の Y 及 び P あるいは冗である. 方程式の数と未知数の数 が一致するので, その体系に一意的な (短期) 均衡が 存在する と仮定しても著しく不自然で はなかろう.. 3. 短期均衡と比較静学分析. 期間分析によっ て短期均衡を示してみよう. 任意の期間において経済の短期均衡が示される. そ ) なる実質資産価値の組合せを保有している. それは生 の期首において家計は (M。 /P, Eo /P, B。 産要素の提供に対して税引き報酬を受け取り, 消費計画を立て, 期末に保有すべきそれぞれの資産 72.

(10) . IS・LM体系の再構築. 需要を決定する. その報酬をYDとするとき, 家計のその報酬は消費(C )と貯蓄 (S )に配分される. こ れ は,. (3 - 1). ) → (C,S. と示される, 次にそれは貯蓄形態の決定をおこなう. つまり, それは資産選択に関する決定をおこ なう. こ れ は,. /P,4Ed ) S → ( 4Md /P,dBα. (3 - 2). と示される. 家計は (3 -1) 及 び (3 - 2) の決定を整合させるように行動 する, (3 - 1) の 決定に影響する変数と (3 - 2) の決定に影響する変数が同一 であることが必要とされ, それはそ. れらの決定を同時に進行させる, (3 - 2) に お い て, 4Md= 肌α- 肌。/P,4BdごBd一 品/q 4Eq d d d d d ;Ed-Eo で あ る こ と を 考 慮 す る と, Md , B 及 び E の 決 定 は 同 時 に4M ,4β , 及 び4E の 決 定. を 意 味 す る, こ れ はス ト ッ ク 需 要 の 決 定 が フ ロ ー 需 要 の 決 定 と 同 時 に お こる こ と を 示 し て い る, こ. のようにして資産市場の均衡は達成される. これは (2 -15a) か ら (2 -15c) で 表 わ さ れ る. 実際の物価水準が (1-1) で決定されるならば, 再構されたI S・LM 体系の短期均衡状態は,. 〕 〔1′. )+ P* α′>O P=α(Y- Y* /P=αD十 γm/P Md (γm,γb ,γ, Y)- 財。 Y P=βD十 %/P )-β Bdをm,γb ,γの α E (γm,ゲb , 傷,Y)- & =ヱ@). と 表 わさ れ る. こ こ でγm は制度的に決定されていると仮定する, また 潜在的に産出可能な水準 ,. (Y* ) は外生的に決定される労働人口及 び期首の資本ス トック水準によって決定されるので, それ は短期的な外生変数として取り扱えよう, このことは実際の物価水準と産出水準は正の関係を保っ. て変化することを意味する. 故に,. (3 - 3). P=9(Y). ′ 9 >0. なる関係が成立っ. また, トービン ”〆’ は株式の実質収益率と投資収益 (尺) に依存 していて, 投資収益は期首の資本ス トック水準及 び実質所得水準に依存してる. 故に, トー ビン ”Q” は (3 - 4). ) ) q=q(た, R(Y, KO. と 表 わさ れ る, こ こ に お い て (3 - 5 a). (3-5b). aq/aγ …Q,<0. a 爽 た 器 ・ 誉 -物>o. という関係が成立っ, 株式の実質収益率の上昇は資本の実質価値を小さく するので, aq/a た <o である, 実質所得の上昇は資本収益を大きく し, さらに, 資本収益の増加はq値を大きくする. 故 に, aq/ay>oで あ る. ま た, さ ら に そ の 体 系 に お い て, YD…Y一 丁 と定義され 租税関数が , (3 - 6). 1= T(Y) 7. r >0. と表わされるとき, 体系 〔1′〕 は (3-3) が考慮されると, 73.

(11) . 久保田 義. 〔m. 弘. ) } )-M 9(Y)二αD十γ 9(Y Y-T(Y Y ) ( / D十 Y ) ± 〃( β (Y“-B, %9 B (γm,γb ,γの Y一T ) 〕 ) )-&;頁Q(γの R Ed (γ γわ,γの YーT(Y. Md(γm,γb ,γの ′ α 、. …. と 変 形 さ れ る. γm が制度的に決定されるなら ば, この体系の未知数は, Y, γb, γ である. 方程. 式の数と未知数の数とが一致する ので, 体系 〔江〕 は一意的均衡解をもっと仮定してもよいであろ. う. 体系 〔江〕 から, 2 Mヂ Mj i Bデ Bi. 2. ′ 1- r)+(屑。十γm)9 /92 αr 十 Mf( ′ 1‐ T′)+(Bo十 %)9 /92 β r 十BF(. z E -ヱ』 1一 丁′)-1』2 Ei , EF( 3. . 、. . . . . 0. 0. 0. 0. 9. . αγb αγe αY. . F o ハg縄. d と 示 さ れ る, こ こ でfJF…a /aγm, ノデ…a〆/aγb , ノニ 財, B, E, , J 三aノ /aγ, ノデ三aJツay である その体系の右辺 の係数行列をA とする. (2 -10), (2-11) 及び (2-12) が仮定され. . ると, 係数の行列式は正値になる. つまり, IAI>o となる, 次に, その体系において比較静学分 析を試みる, 政策変数は G, α,β, γm, γb 及び γ加である. 財政支出の変化の効果を調べてみよう. 政府が財政支出 を拡大するとき, 財政余剰がない限り, それは財政赤字を大きくする. 初期におい て 財 政 均 衡 状 態 に あ る と し よ う. G- T三D=0 である. 財政支出が拡大されると, D>0 となる. これは貨幣及 び政府債の発行によって融資されるとしよう. このとき, -7) (3-. /IAE>○ 〕 -β訂 ぬ) ヱ 三 デーE“ギー 」 Z ヨ デ ( -Bデ )+α -硲M乳Eデー ay/aG-. IBj i>0 と が得られる. (3 - 7) において (2-11) 及 び (2 -12) が 仮 定 さ れ る と, BデEデーEj なる, 政府がその赤字 を純粋に貨幣融資に頼る場合 ( α;1,β=0 の場合) でも純粋に政府債融資 を拡大する, 次に, その拡大 =1 財政支出の拡大は実質国民所得 の場合 ) 合 ( でも, の場 α=0,β. の資産の実質収 益率に与える効果について調 べてみよう, 財政赤字が貨幣及び政府債によって融資 される場合,貨幣ス トックの増加は政府債の実 質収益率を下げる効果を示すのに対し,政府債ス トッ クの増加はそ の収益率を上げる効果を示す. この両効果が作用するために, 一般には, 財政支出拡 大のその収益率に与える効果は不確定である. その効果は, (3-8). ′+ 馴1ーT ′ ) βr 鑓/ac= 南 区β 梱 1- “ -′◎ -(房- 卿 ( 十(Bo十 γ. ( 1- r)+(Mo十γm )〆/92 /92 (Eデーヱ ) ( 〕十β〔 αr 十羽デ 9′ , qq. 一 Mヂ(E誉( 1- r)-工。◎〕“. と表わされる. 純粋に貨幣融資の場合には, その効果は (3-8a). a・ /ac b. 〔〆(醐 → ′ )- 靭 --(Eダー 輔 ) (B韻 -T′ )+ 「 i-. 〕<○ (BO十 %)9792 74.

(12) . IS・LM体系の再構築. となり, 純粋に政府債融資の場合には, その効果は,. ′ ′ ( 1-r )+(Moサ ータ /92-M 甑 ( 1- “ 銚/aG= ★ ”&- 如 蹴 F. (3 - 8 b). ) 〕>o -ヱ42. となる, 次に, 財政支出の拡大が株式の実質収益率に与える効果について調べる 財政赤字が貨幣 , 及び政府債によって融資される場合, その支出拡大の 株式の実質利益率に与える効果は一般には不. 確定である. その拡大は実質所得を大きくするの で, そのス トック需 要に与える効果は正 であるが , しかし, その拡大の株式ス トック需要に与える 効果と貨幣ス トック需要に与える効果が逆 である , そのために, その効果は不決定になる, その効果は (3-9). ′ ( M )-靭 - 靴 ” 脚 -“+ 高 炉鵬 酬1-T o. 鍍 /a. 〔E ( 1- T′)+(B。十γb )9′ /92 〕十α /92 十γ 9′ βT′+β〆(. 一βデ (EP ( 1‐ r)-工 …? 。◎〕 となる, 純粋に貨幣融資による場合,. ′ 2 鍍/aG‐ 高 @ 矧 1- “ +(B o十%)9/9-β 矧 1- “ -′ ◎ >0. (3-9a. が得られる, 純粋に政府債融資の場合に はその効果は不確定になる, それは,. 銚/aG‐ 南 馴 E 賂. (3- 9b). ′ 2 / 〕? ) 1- “ +(Mo”m 停 礎)-E 掴 ( 9 9. と示される, 不確定になる理由は, その拡大の株式及び貨幣ス トック需要に与える効果が反対の符 号 にな る た め で あ る,. 次に, 公開市場操作の内生変数に与 える効 果について調べる. 本稿では閉鎖経済を念頭において いるので, 買オ ペ 政策は中央銀行 が政府債を貨幣で購入することであり, 売オ ペ 政策はそれが政府 債 を 売 却 す る こ と で あ る. そ の 政 策 は 物 あ る い は γm の 水 準 を 変 え る こ と で あ る.・γb十 γm=0 で あ る の で,. d為 = -d撫 で あ る, 買 オ ペ 政 策 の 効 果 につ い て 調 べ る, こ の 政 策 は政 府 債 ス ト ッ ク. を減少させ, 貨幣ストックを増加させる, 前者の減少は政府債の実質収益率を下落させるので, 貨 幣及び株式ス トック需要を大きくする. 他方, 貨幣ス トックの増加は貨幣市場を超過供給に導くの で, 財貨・サー ヴィ スに対する需要を大きくする. また, その増加は株式の実質収益率を上昇させ るので, 投資を減退させ, 財貨・サーヴィ スに対する需要を減少させる. このことから, 買オペ政 策が実質所得を増加さ せるか減少させるかについて一般的には確定できない. しかし, 粗代替性及. び(2-11) が仮定されると, その政策は実質所得を大きくすると言える, その政策の効果は, (3- の. aY 励. 〕 デー 雌 州 謄 馴I q 1 Q -宿 『M瀦- 醐デ揺 B. 1) が仮定されると, と示される, (2 -1 d Z十M )≦(Eヂ十M〆+Bz )≦0 i十βデ ) (Mヂ十βデ (Bi )-Ef (Mi Eデ が得られる, これを考慮すると, (3- m ). 継/銚 ≦ せ ず(瀞 雌十閉 麟+〆)+B 飽デーB捌 のく0 75.

(13) . 久保田. 義. 弘. となる. これは買オ ペ政策が実質所得を大きくすることを意味する. その政策の実質収益率に与え る効果を調べる. 政府債の実質収 益率に与える効果は, その政策の直接的に政府債市場に与える効 果, 株式市場及 び財貨・サーヴィ ス市場を経由する間接的効果からなる. 政府債ス トックの減少は 直接的にその実質収益率を下落させるが, しかしながら, その下落は株式市場を超過需要に導く. これは株式の実質収益率を下落さ せるので, 一方 では政府債に対する需要を小さくし, 他方では, 財貨・サーヴィ ス市場の需要及 び生産 (供給) を小さく し,.政府債に対する需要を小さくする. 故 に, その政策は政府債の実 質収益率を上昇させる, それは, (3‐ 肋 ). ′ )9 /の ) (M 細 め十(Mo十Bo 1-T′ (E H QQJ(T′+( a? も 伽 ‐ 話 す〔 〕>0 ( 1- r)-た佐) -(Bデ十Mデ ) (Er. と示される. その政策の株式の実質収益率に与 える効 果を調べる. その政策は政府債ス トックを減 少させるので, その実質収益率を下落させ, 株式市場に超過需要をもたらすので, 株式の実質収益 率は上昇する傾向を示すが, しかし, 同時にそれは貨幣ス トックを増加させるので, 株式の実質収. 益率を下落させる傾向を示す. 故に, その政策が株式の実質収益率を上昇させるか下落させるかは 不確定である. (2-11) が仮定されると, その政策はその実質収益率を下落させる. その政策効 果は,. (3-鋤. ′+( ) 1-“(房十Mf (房 棚の 酬1-“- 卿 -馴T 一 ・ぬルー話す〔 〕>0 /92 ) )9′ +(M。十B。. と 示 さ れ る.. 政府は融資比率が決定でき る. その比率の変化の内生変数に与 える効 果を調べる. α十β=1 で が大きくなると, 政府債による融資は減少する. その比 あ ・るので, 財政赤字を貨幣で融資する比率. 率を変える政策効果は公開市場 操作と同 じであると推測される, 例え ば, αを大きくする政策は貨 幣ス トックを増加させ同時に政府債ス トックを減少させる, この政策 は 為 を小さく ・する買オ ペ 政. 策と同じ効果を示す, 財政赤字が正値で定数のときにその効果を求める. まずその実質所得に与え る効果は,. (3-1 1 ). Bデ 儒 )馨〕 aY励 - 苗 (-E 獅 + 瑚 デー 醐 ヂ+ 醐 デー(. と示される, 粗ず 替性が仮定されゞ (2 -11) を 使う と, (3 -11′). (瀞 瀞 Eデー /a (〆十 醐〔 ay α≧ 苗 そ. 1>0 〕 1. が得られる, 故に, 貨幣融資の比率が大きく なると, 実質所得が大きくなる, その実質収益率に与 える効果を調 べる, その政府債の実質収益率に与える効果は,. (3- 賑 ). ) )-′… -(Eヂーヱ ( 1 『′ (Bヂ 棚 の(EP 1 れ 伽 ‐ 苗〔 qq ) 〕<○ )9792 (Mデ十βの十(Mo十Bo 1- r) (T′+(. と示される, 粗代替性が仮定さ れると, その符号は負となる, このことは, 貨幣融資の比率を大き くすると, 政府債の実質収益率が下落することを意味している. 次に, その株式の実質収益率に与 え る 効 果 を 調 べ る. そ れ は,. (3- 肋 ) 76. ′+( 1 鍍 励 ‐ 首 脳〔T. ′なっ- )9 )+(Bo十Mo ) (〆 擢 ′. 1<0 ) ( 1- r)-I ) (EF (朋ヂ十βデ 2 Qq.

(14) . 工S・LM体系の再構築. と示される, 粗代替性及 び (2 -11) より, そ の 符 号 は負 で あ る. こ の こ と は, 貨 幣融 資 の 比 率 が 大きくなると, 株式の実質収益率が下落することを意味している.. 次に, 租税効果を調べる, ここでは租税として所得税のみが取り扱われる, 賃金及び利潤 (利子 所得を含む) に課される税率は同一であると想定される. 租税関数を. (3 一 6 ′). T=七 0Y. O<. <. (r′; “. と特定化する. ここで Z oは一定不変である. 増税の効果について調べる. その効果は一般には不 確定である. 増税は可処分所得を小さくするので, 資産に対する需要を小さくすると同時 に財政赤. 字も小さくする, このことは貨幣及び政府債の供給をも減少させる. 増税は株式市場を超過供給 に 導くと考えられるが, しかし, 法人企業の投資決定は課税後のその収益率に依存すると考えられる ので, 増税が必ず しも株式市場を超過供給に導くとは言えない. このことを考慮してここでは実質 所得の変化の株式需要に与える効果がないと想定する. Eず=o と仮定する, (3 -・2). )- (鰭 I H 矧 Mデーα ) Eデー靭1 )+〆( aY燃,- 南 〔塀 蝋Bデーβ Z一β) 〕 ) (βJ ー M (Eデーヱ』.. と示される, この符号は不確定である, しかし, 増税が資産市場を超過供給に導くときに, それは 実質所得を小さくする, 次に, 増税の実質収益率に与える効果を調べる. この効果も一般に不確定 である, 増税の政府債の実質収益率に与 える効果は,. (. 跳. 酬. ) 〕娩 十(房-I )-〆(MFI) q 〔雌(房-β 1 燃 ー 声1 Q ) )-(財デーα )+(Mo十γ 〆/92 ( 1-T′ ( (BF-β) 〔 αr十Mヂ )+(B,十 %)97物川 1-T′ ( βT′+BF(. I-α<0 が仮定されようとも その符号は不確定である i-β<0 かつ MJ と 示 さ れ る, こ こ で βJ . ,. また, 増税の株式の実質収益率に与える効果も不確定である, その効果は,. ′ r ) ー 1 ) a ・ 2b (3- γ e 僻 首 題 都 路 ダニ 繋駕舞踏都度茅( 〕Eデ 1 )9792 ) 十γm. i-β l-α )<0 が仮定されようとも, その符号は不確定で と示される. ここで (Mf )<0 および (Bj 益率に与える効果が不確定になるのは S曲線を下にシフ トさせると ある. 増税の実質収 , それがI 同時にLM 曲線を上にシフトさせるためである.. S・LM 体系の比較静学分析と定性的には同じ結果に至ること 以上の分析より我々 は伝統的なI. を 知 っ た. こ の こ と か ら つ ぎの こ と が推 測 さ れ よう. ス ト ッ ク と フ ロ ー の 区別 を 明確 に し て 構 築 さ れ るI S・LM 体系と伝統的な体系の短期の政策効果は定性的には殆ど同じである.. 4. 長期均衡と財政赤字…長期均衡分析のために. 本節で は長期的均衡状態の性質を示し,財政支出あるいは租税の変化の効果を連続分析にて示す. 長期均衡状態では, 実際のイ ンフル率と期待インフレ率が等しく, 資本の収益率と株式の収益率 が 等 し い. こ の と き トー ビ ン “q” は1 で あ る, 両イ ン フ レ率 が等 し い と き,. 77.

(15) . 久保田. (4 - 1). 義. 弘. γ履 = - ガ ニ ーβ. が成立っ, そのための充分条件は期待が合理的に形成されることである. ここでは暗黙に合理的期 待形成が想定される, その条件は両イ ンフ レ率が一致するための充分条件であって決して必要条件. で な い こ と に 注 意 し て お き た い. トー ビ ン ”q” が1 の と き, 所 望 資 本 ス ト ッ ク と 実 際の 資本 ス ト ッ. クは一致し, 資本ス トックは人口の成長率で成長する. 一次同次の新古典派タイ プの生産関数を想定すると, (4 - 2). ′ Y/に; ” 乙/尺) ヂ >o /〃<o. という関係が得られる. 労働・資本比率が決定されると, 資本-単位当りの産出 (資本の平均生産 性) が決定される, 労働人口は外生的に成長しているので, それは外生的に決定されると考えられ るが, 資本ス トックの大きさは企業の投資行動によって決定される. 長期均衡状態において投資行 動に影響する要因は資本の収益率, すなわち株式の実質収益率である, 株式の実質収益率が与えら れると, 労働・資本比率が決定され, 次に産出量が決定される. 資産のス トック需要関係において, 所与の実質収益率のもとで, 可処分所得とス トック需要が比. 例的であると仮定しよう. つまり,. )= Md (Y- r) 〆(γm,ゲゎ ,γの 入 と 仮 定 す る, こ こ で 入三1/K と す れ ば, (γm γb , た,Y/K- r/K)=. /K三. ) で あ る. 故 に, 資 本 - 単 位 当 り で 表 わ さ れ た 資産 ス トッ ク 需 要 は, が 得 ら れる, こ こ で ブニ(m,b,e . 〆 (γm,ゲリ ,γの 9一 “,. と表わされる. 他方, 資産のス トック供給は (1- 7) あ る い は (1 - 7 ′) の政府の予算制約式 よ り 導 出 さ れ る, こ こ で は (1 - 7) を想定してその供給を導出する. 長期均衡状態において {4 - 3). α(M/PK)=△m =0 か つ d(B/PK)=△b=0. であ る. こ れ を (1 - 7) に代入すると, (4 - 4). )(打+ご ) ? 九十ゎ & 十bー云=(. が得られる. 資本-単位当りの財政赤字 ( α三D/× ) は, ) )= 侃(〃+ご)十b(〃+ご )+β(& 十b-Z αd十βα;α(9 +b-Z と示される. 長期均衡状態では公開市場操作の余地がないと仮定しよう. この仮定のもとで長期均 衡状態における資産市場の均衡は,. (4 - 5 a) (4 ‐ 5 b). (4 ‐ 5 c) 78. )/@+カーの = 筋* )=α(鱗 -云 (γm,γb md ,γの g-t )/{偽十 ”-β)=b* )=β{物 -t が(γm,γb ,γの g-Z ) ‐の 9‐t (γの “ )=ご 〆 (γm,γゎ ,7.

(16) . IS・LM体系の再構築 と 表 わ さ れ る, そ の 状 態 に お い て (1 - 2) の方程式を使うと, g=9* の も と で, ガ=〃 が 得 ら. れる. この関係を考慮すると, 資産市場での均衡条件は, (4 - 5 迂) (4 - 5 け). (4 - 5 c′). * )=α@ -t (γm,γb md 。 )/@+p-β)=?〆 ,γの g -云 * が (γm,γb -云 )= ( )/@+p-β)=b* β 9 -t ,γの 彩 * * 〆 (γm,γb )=ご (γ,彩 ) ,ゲ,9 -云. とそれぞれ修正される, この体系の内生変数は, γm (すなわち p), を お よ び 傷 で あ る. こ の 体 系が一意的な均衡解をもっ と仮定しよう. その体系において 9の む お よ び α の 変 化 のそ れ ぞ れ の 内 生変数に与える効果を調べてみよう. その体系から. . 2 ) . β (= ; m 4雑 〆自 認) = 署 籍 言 ] 蟻 ( 〆 ‐戸 一 , 種. が得られる, ここにおいて左辺の係数行列の対角要素は正 で他の要素は負であるとする. また, 7 1 -γ履-β>0 であるとしよう. これらの仮定のもとで比較静学分析を試みる. その係数行列を パ ′ と す る と, IA f>0 となる, 政府が資本-単位当りの財政赤字を大きくすることを決意するとき, 資本一単位当りの政府支出のみ が変化されるならば, (4 - 6). aγm/a9 >o. aγ age>0. aγb/a物 ?. という結果が得られる, これより, 政府支出が大きくなると, 株式の実質収益率が上昇し, 資本蓄 積率が減少し, 資本が 「クラウ ディ ン グ・アウ ト」 されることがわかる. 政府が資本一単位当りの租税 (所得税) を大きくするときの効果について調べてみよう. その変. 化のそれぞれの実質収 益率に与える効果は不確定である. つまり, (4 一 7). う考? aγ そ. ≧“ 〆at?. う古? a た/こ. という結果が得られる. 最後に, 貨幣融資比率の変化の効果について調べてみよう. その比率が大 きくなることは, 初期状態が均衡であれ ば, 貨幣市場を超過供給に導き, 政府債市場を超過需要に 導く. その両者の超過圧力の株式市場に与える大きにようて, その変化の効果は違ってくる, 一般 には, その比率の増加は, 貨幣の実質収益率を引き下 げ, 他のそれぞれの実質収益率を引き上げる 傾向をも ている, 特に, 『 一 であると仮定するならば, 粗代替性が仮定される限り, 紳. 姫α>0 となる. このとき, 貨幣融資比率の増大は, 資本蓄積率を小さくし, 資本の 「クラウディ ンス・アウト」 を惹き起こす.. つ ぎに, それぞれの政策のイ ンフレ効果について多少考えてみよう, 財政支出の拡大は貨幣の実 し率 (すなわち長期均衡でのイ ンフ レ 質収益率を大きくするのであるから, その政策は期待イ ンフ、. 率) を小さくする. したがって, 長期均衡状態において, 資本-単位当りの財政支出を大きくする ことは, 資本蓄積率を小さく しイ ンフレ率を小さくする, 租税の効果は不確定である, 貨幣融資の 比率が大きくされると, 一般的傾向として貨幣の実質収益率が下落するので, 一般的傾向としてそ の政策はインフ レ率を大きくすると考えられる. もしそうであるならば, 貨幣融資比率増大の政策. 79.

(17) . 弘. 久保田 義. は資本蓄積率を小さく しインフ レ率を大きくする. 長期均衡においていかなる政策が選択されるか は現実の経済がいかなる状況にあるかを見極めてなされるべきである,. む. す. び. 本稿ではス トック・フローの観点から伝統的はI S・ LM 体系の再構 が試みられた. 三資産モ デ ルでそれが試みられた が, 短期均衡と比較静学分析に関する限り, 本稿のモデルと伝統的体系の定. 性的結果に相違がないことが明らかにされた, 伝統的な体系の政策効果に関する結果は短期分析に 関する限り有効であると言える,. 再構されたモデルを長期均衡分析にも適用するとき, 本稿ではイ ンフ レ率に関する合理的期待が 仮定され, 完全予知 (Pe f i tFo t) 下での長期均衡状態 (その径路) が示された, 長期均衡 r r ec e s gh 状態 (その径路) が存在し一意的であると仮定され, そこにおいて政策効果が吟味された. 我々は その均衡が安定的 (局所的及び大域的) にであるかどうかについて充分な情報を得ることができな かっ た. その均衡が不安定ならば, そこにおける政策は無意味となる. それが鞍点 (Sa lepo dd i t) n であるなら ば, 初期時点においてその点に向う径路にのっていなければならない, 初期においてそ. の点になければ, 経済は必ず均衡径路から雨離していく, 本稿では, 短期均衡と長期均衡が整合的に説明されるかどうかについて全く示さなかっ たが, そ れらを整合的に説明するためには連続分析を使うと容易にされるであろう. そのためには資産の蓄 積及びイ ンフ レに関する ”意味のある” 動学方程式を見付け出す必要がある. 三資産モデルにおい てそれらの方程式を見付け出すことも今後の課題 である.. 参考文献 ” ‘ ‘l “ i 1 1937 〔1〕 Hicks,J )PP ass cs .Keynesand c .R. ,5( , Mr .148一59 , ,,β 伽 mme緒如,VO 1 9 4 6 〔2〕 -----, 物”” の扇Cの 前Z C 1 d L d 2 d ) a r e n o n o n o n e , , , , ‘ ” z IS‐LM : An Exp l i 〆 l t f k砂解s 1980‐81 〔3〕 ー---- ,‘ ) pp ana on ‘ γ ガメ qfPo s 〃“ Ec ’ o zの’ 2にs .3 ( . , /o , vo 139‐54 ,. ‘ ‘ Mod i l i i l l fCap i l i i he Theory ofl to t t t an er a on F nance g nves ‐ ,and M. 日, Mi ,P. , The Cos , Corpo・a ,andt ”A E 尺 vo l 4 8 1 9 5 8 2 6 1 9 7 ( ) ment ‐ pp . . , ,,, , 1965 〔5〕 JamesTobin,”MoneyandEconomic Growth“,ECのzの刀8かた” vol )pp ,33( .671一84 . i l br i l 〔6〕 -----, GeneraIEqui 1969 )pp um Approacht o Monet ry Theoryぞノ a .財.C,β,vo .1( .15-29 , “ n r′ 〔7〕 一----,“Def i i i t tSpendi -のび わγβcのめ’mc ngand Crowd ng outi n Shor era c nd Longer Runs ,i β新℃′ ’ i i dge f i l d i t 8 ’ 2の n e ch , 日,1 , Green , eds , Cambr , MIT, 1979 , A, M, Levenson ,and E. Rotwe , , W. Hamov 2 1 7 3 6 - pp . , ’ ’ / 財 C β vo ‘MoneyandFinanceinthe Macroeconomic Gro・ 〔8〕 一----,‘ th )pp v ,14(1982 ,171‐204 , ,, ,,, l ” i ICons i t 〔9〕 Turnovsky, S. and E. Burmeister, Perfect Foresight t t a ona s ency c , Bxpec , and Macroeconomi Equ i l i br i l 1977 )pp um,“/ ,P,E.vo .85( .379-93 .. 〔4〕. (本 学 助 教 授 ・ 旭 川 分 校). 80.

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参照

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