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コンピュータによる自動制御

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Academic year: 2021

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工業科 「実習」 学習指導案 1 題材名 コンピュータによる自動制御 2 題材設定の理由 ○題材観 工業技術の発達によって、産業社会のあらゆる場所における人の手による労働が削減され、高効 率・低コストで高信頼性のものづくりが実現した。現代では、高度なネットワーク技術やセンシン グ技術が採用されたスマートファクトリーと呼ばれる次世代型の工場が出現するなど、産業の自動 化が急激に加速している。その一翼を担う技術としてコンピュータによる自動制御技術があり、こ の技術が産業社会の発展に果たしている役割は大きい。工業高校を卒業した生徒は、この自動制御 技術を取り入れた職場へ就職し、開発・運用・メンテナンス等に幅広く関わっていく。そのため、 制御の基礎的な知識と技術を習得し、その活用方法を理解することは意義深い。本題材では、産業 社会に貢献する画像認識技術を用いた制御システムの構築を通して、産業社会の課題を主体的に解 決しようとする態度を身に付けさせるとともに、制御に関する知識と技術を深め、自ら考えたシス テムをつくり出す創造的な能力を養うことをねらいとしている。 ○生徒観 生徒の進路希望は○%が就職希望であり、その内の○%が生産・製造に関する職業を希望してい る。実習に対する興味・関心は高く、「実習に意欲的に取り組んでいるか」の問いに○%の生徒が肯 定的な回答をしており、積極的に取り組んでいる。しかし、「今後取り組んでみたい実習内容は何か」 に○%以上が「ない」と答えており、「既習内容である USB-IO を使って新たに作ってみたいものは 何か」に○%が「ない」と回答している。さらに、「これまでに学んだ部品を自由に組み合わせて役 立つものを考案しなさい」という創造的な能力を問う質問に対して、実用的な製品を考えて回答し た生徒は○%だった。これらのことから、生徒は与えられた実習内容に対する積極性は高いが、実 用的なものを創造する能力に課題がある。また、○%の生徒が「コンピュータによる自動制御の知 識・技術の習得は卒業後に役に立つと思う」と回答していることから、制御の技術を学ぶ必要性を 感じている。しかし、コンピュータによる自動制御技術の一翼を担っている画像認識技術について は、「生産現場に利用されていることを知っているか」に○%が「知らない」と回答している。以上 のことから、新技術を取り入れた授業や、工業技術と産業社会の関連性に気付かせる取組を増やし、 創造的な能力を育む必要がある。 ○指導観 本実習では、産業社会への課題意識を高める内容と、制御技術の理解を深める内容で学習過程を 構成する。まず、製造現場の変遷に触れ、人間がどのような課題を技術によって解決してきたかに 気付かせる。ここでは、画像認識技術を使用した、実際の生産現場をモデル化した装置を提示する ことで、興味・関心を高めるとともに制御の技術と産業社会の関係を考えさせる。次に、一人一台 の生徒用装置で基礎的な課題に取り組ませる。ここでは、色や形、動作といった入力画像データの 処理方法や、出力命令と LED 点灯との関係といった要素技術を、プログラミングと機器の配線を通 して学ばせる。更に、学んだ知識と技術を組み合わせた制御システムを構築させる。ここでは、入 力と出力を複合的に活用する総合的な課題に取り組ませる。発展課題として、実際の生産現場の写 真や動画等から課題を捉えさせ、解決のためのシステム構築に取り組ませる。ここでは、ペアやグ ループで課題に取り組ませることで、自分の考えを深めたり、説明したりすることで知識・技術を 高めていく。最後にまとめとして、「医療や防犯、物流といった多岐にわたる分野において、学んだ 知識と技術をどのように生かせるか」というレポート課題に取り組ませる。以上の流れで、知識・ 技術の深化・定着を図りながら課題解決の視点を養い、創造的な能力を育てていく。

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3 題材(本時)の目標 ○ 画像認識技術が製造現場で活用されていることに関心をもち、主体的に授業に取り組む。 【関心・意欲・態度】 ○ 身に付けた要素的な知識と技術を組み合わせて課題を解決する制御システムを構築できる。 【知識・理解】【技能】【思考・判断・表現】 ○ 産業社会の課題を捉え、画像認識技術を生かした解決方法を記述できる。 【思考・判断・表現】 4 本時の仮説 コンピュータによる自動制御の学習において、先端技術である画像認識技術を用いた制御システム の構築に取り組めば、制御技術に関する知識と技術を習得し、産業社会における課題解決への意識が 高まるため、創造的な能力が育つであろう。 5 準備 提:提示用装置 生:生徒用装置 ス:授業用スライド プ:学習プリント 取:取扱説明書 報:実習報告書 6 本時過程 学習内容・活動 教 師 の 支 援 指導上の留意点 教 材 時間 配当 学習 形態 評 価 導 入 【準備】 コンピュータを起動し、使用す るファイルを確認する。 ○教材フォルダを生徒 PC の デスクトップに送信する。 10 1.前時までを振り返り、本時 の見通しをもつ。 (1)製造現場の写真を見て気付 いたことを学習プリントに 記述する。 ・製造現場の技術 ・製造現場の課題 (2)提示用装置を見て、仕組や 用途について意見交流し、学 習プリントに記述する。 ・カメラによる画像取得 ・周辺機器の制御 ・形状検出による分別 ・装置の構成(検出部、比較・ 調節・判断処理部、出力部) (3)本時のめあてを確認する。 画像認識技術を用いて、役立 つ制御システムを構築しよう (4)制御システムの構成要素と 機能を学習プリントに記述 する。 ・フィードバック制御シス テムの構成要素 ・各部と機能の対応関係 ○USB-IO による制御実習を 振り返る。 ○迅速、正確、安全、高効率 なものづくりのために、ロ ボットが活躍しているこ とを伝える。 ○ものづくりにロボット等 の制御技術が果たす役割 を考えさせる。 ○提示用装置の仕組や用途 を考えさせ、制御の一連の 流れに注目させる。 (発問) 「なぜ判別できるのか」 「入力、処理・判断、出力に 該当する部分はどこか」 「この技術はどんなことに 役立つか」 ○「役立つ」という視点を強 く意識させる。 ○制御システムの理解に必 要な知識・技術を要素ごと に解説する。 ス プ 提 プ 提 ス プ 15 10 5 5 一斉 個 ペア 個 一斉 一斉 ・製造現場の技 術 や 課 題 を 捉 え る こ と が で きる。 ・制御システム の 構 成 要 素 を 把握している。

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学習内容・活動 教 師 の 支 援 指導上の留意点 教 材 時間 配当 学習 形態 評 価 展 開 1 【準備】 カメラを除く生徒用装置と、コ ンピュータの動作環境を設定 する。 ○PC、IF、出力ボードの接続 を指示し、設定方法を取扱 説明書で説明する。 生 取 5 2.制御の基礎的な知識と技術 を身に付ける。 (1)取扱説明書をもとに、マウ ス操作で出力ボードを制御 し、出力データと動作結果と の関係を学習プリントに記 述する。 ・LED(8bit) ・ブザー ・サーボモータ (2)処理の流れをフローチャー トで把握し、例題のプログラ ム(C#言語のコード記述)を 実行し、発展的な課題に取り 組む。 ・連続的な動作 ・関数と動作の関係 ・プログラムの改良 ・考えたプログラムの発表 (3)カメラを接続し、マウス操 作で画像認識を体験する。 ・認識対象物の種類と精度 ・画像データの取扱い (4) 画像認識の処理をコード 記述で実行し、命令とデータ の関係を把握する。 ・画像認識コンソールの実行 ・関数と動作の関係 ○出力データと動作結果と の関係を考察させる。 ○取扱説明書を参照させ、目 的とする動作を実現する ためには配線変更が必要 であることを伝える。 ○ 早 く 終 わ っ た 生 徒 は LED(7seg)や LED(RGB)の 制御に取り組ませる。 ○プログラムの命令文と動 作結果との関係を確認さ せる。 ○例題(LED の連続点灯プロ グラム)をもとに、「もっ と目立つ点灯パターンに 変更しよう」と問いかけ、 独自のプログラムを作成 させる。 ○考えたプログラムと動作 を発表させる。 ○カメラ画像の取得は制御 システムにおける入力ブ ロックに相当することを 伝える。 ○前処理、円・顔の検出、差 分検出、色の検出を確認さ せ、他の機能については取 扱説明書を参照し実行さ せる。 ○入力種類の多様さや認識 精度の限界に気付かせる。 ○画像認識結果のデータ処 理方法を伝える。 ○カメラ画像取得のプログ ラムは無限ループ内で動 作していることを伝える。 生 ス プ 取 〃 〃 〃 25 20 20 5 一斉 個 個 一斉 個 個 ペア ・正しく配線で き、例題を改良 し 独 自 の プ ロ グ ラ ム を 作 成 できる。 ・画像と数値の 関 係 を 把 握 で きる。

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学習内容・活動 教 師 の 支 援 指導上の留意点 教 材 時間 配当 学習 形態 評 価 展 開 2 3.産業社会の課題を捉え、制 御の技術を生かした解決方法 を考えて表現する。 (1)入出力を組み合わせた例題 のプログラム(C#言語のコー ド記述)を実行し、発展的な 課題に取り組む。 ・条件分岐 ・認識対象物の選択と実装 ・出力対象物の選択と配線 ・開発したシステムの発表 (2)製造現場における目視検査 ラインの自動化方法をペア で検討し、制御システムを構 築する。 ・課題の発見 ・解決方法の考案 ・システムの構築 ・システムの検討 ・工夫した点の発表 ・他ペアのシステムとの比較 ○例題(顔を画面の右半分に 検出したら、LED 右半分を 点灯させる)を基に、「検 出対象を変更し、出力の動 作パターンを改良しよう」 と問いかけ、独自のプログ ラムを作成させる。 ○発展的な課題をスライド に表示する。 例)「防犯システム」 ○解決方法は一つではない ことを伝える。 ○目視検査ラインのスライ ドから課題を捉えさせ、ペ アで解決に取り組ませる。 ○ペアで検討した内容や、考 案した処理プロセスを学 習プリントに記述させる。 ○課題と解決方法、使用した 機能を発表させる。 生 ス プ 取 生 ス プ 取 25 20 個 ペア ペア 一斉 ・正しく配線で き、例題を改良 し て 独 自 の プ ロ グ ラ ム を 作 成できる。 ・解決を実現す る シ ス テ ム を 構想し、構築で きる。 【片付け】 生徒用装置を返却する。 5 ま と め 4.システム構築の活動を振り 返る。 ・提示用装置を再度観察 ・提示用装置の技術を解明 ・画像認識技術応用の実際と 技術的限界 5.レポート課題に取り組む。 ・画像認識技術の可能性 ・実習報告書の記入 社会的な課題を取り上げ、画 像認識技術を用いた解決方法 を考案し、記述しなさい (レポートは次回までに提出) ○提示用装置を観察させ、学 んだ技術がどのように利 用されているかを発言さ せる。 ○知識や技術の組み合わせ で新たなものを創造でき ることを伝える。 ○工業以外にも医用・防犯・ 物流等に利用されている ことをスライドで見せる。 ス 提 ス 報 10 5 一斉 一斉 ・課題を捉え、技 術 的 な 解 決 方 法 を 提 案 で き ている。 【片付け】 PC をシャットダウンする。 5

参照

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