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ゼラチン多孔質足場材料構造因子と生体親和性に関する研究

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Academic year: 2021

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ゼラチン多孔質足場材料構造因子と生体親和性に関

する研究

著者

畠山 高徳

52

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

歯博第891号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130045

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論 文 内 容 要 旨

【目的】人体において自己修復が不可能な骨欠損の修復を行う際,主に自家骨移植が用いられる。し かしながら自家骨移植は移植量に制限があることから,量的制限のない人工骨補填材の開発が進めら れている。当研究室で開発されたリン酸オクタカルシウム(以下OCP)は,骨再生の促進に寄与する ことがこれまでの研究で明らかになっている。さらにOCP単独での骨欠損への埋入を行った場合より もOCPに天然高分子であるゼラチンと複合化にする事により,骨再生がより促進されることが当研究 室の研究より明らかになっている。一方で,ゼラチン多孔体単体においてもゼラチン原料の抽出方法 や気孔構造により新生骨の形成が調節されることが報告されている。本研究では,ゼラチン多孔体の 気孔構造を制御することで,OCP/ゼラチン複合体による新生骨形成に促進できるとの仮説を立てた。 本研究では,ゼラチン多孔体の作製条件の1つであるゼラチン濃度により多孔構造の制御を試み,多孔 構造とin vivoでの新生骨形成挙動の関係を明らかとすることを目的とした。 【方法】1%,3%,5%,7%ゼラチン溶液をプログラムフリーザーにて予備凍結を行ったのち,凍 結乾燥機にて凍結乾燥した。凍結乾燥後,1㎜厚のディスク上に成形し,熱架橋を行った。材料の評価 について,気孔構造を走査型電子顕微鏡にて観察し,連通性については試料に滴下したトリパンブルー 溶液の浸透性により評価した。動物実験では2週齢雄性Wistarラットに作製した臨界径骨欠損に各濃度 のゼラチンディスクを埋入し,8週後に回収した組織における組織骨欠損部での新生骨量を計測した。 【結果】材料学的評価において,ゼラチン濃度1%,3%では概ね直径100 μm前後の気孔径を配した 均一な多孔質構造を形成したのに対し,5%および7%においては300 μm以上の気孔径も形成された不 均一な構造であった。また,全てのゼラチンディスクで気孔の連通性が確認された。Tris-HCl溶液に5 日間浸漬した結果では各条件の分解率に有意差は認められなかった。動物実験においては,マイクロ -CTを用いて定量した石灰化組織の体積は,5%および7%ゼラチン埋入群のほうが1%および3%埋入群 氏 名(本籍)   : 畠はたけ 山やま 高たか 徳のり(宮城県) 学 位 の 種 類  : 博 士  ( 歯 学 ) 学 位 記 番 号  : 歯 博 第 8 9 1 号 学位授与年月日  : 令和 2 年 3 月 25 日 学位授与の要件  : 学位規則第4条第1項該当 研 究 科 ・ 専 攻  : 東北大学大学院歯学研究科(博士課程)歯科学専攻 学 位 論 文 題 目  : ゼラチン多孔質足場材料構造因子と生体親和性に関する研究 論 文 審 査 委 員  : (主査)教授 笹 野 泰 之 教授 鈴 木   治   教授 佐々木 啓 一

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- 43 - よりも有意に大きい値を示した。また組織標本のH-E染色の結果から,ゼラチンディスク埋入群におい てゼラチン濃度が高い材料ほど新生骨形成量が多く,生体吸収性が低い傾向が示された。 【結言】 ゼラチン水溶液の凍結乾燥によるゼラチン多孔体作製において,凍結速度を制御した場合, ゼラチン濃度により多孔体の気孔径分布が変化した。高濃度のゼラチン溶液より作製した300μm以上 の気孔径を有するゼラチン多孔体においては,新生骨の形成がより促進されることが明らかとなった。 このことから,ゼラチン濃度によりゼラチン多孔体の気孔径を制御することで,OCP/ゼラチン複合体 の骨再生能を向上できる可能性と期待される。

審 査 結 果 要 旨

人体において自己修復が不可能な骨欠損の修復を行う際,主に自家骨移植が用いられる。しかしな がら自家骨移植は移植量に制限があることから,量的制限のない人工骨補填材の開発が進められてい る。リン酸オクタカルシウム(以下OCP)は,骨再生の促進に寄与することがこれまでの研究で明ら かになっている。さらにOCP単独での骨欠損への埋入を行った場合よりもOCPに天然高分子であるゼ ラチンと複合化にする事により,骨再生がより促進されることが明らかになっている。一方で,ゼラ チン多孔体単体においてもゼラチン原料の抽出方法や気孔構造により新生骨の形成が調節されること が報告されている。本研究では,ゼラチン多孔体の気孔構造を制御することで,OCP/ゼラチン複合体 による新生骨形成に促進できるとの仮説を立てた。本研究では,ゼラチン多孔体の作製条件の1つであ るゼラチン濃度により多孔構造の制御を試み,多孔構造とin vivoでの新生骨形成挙動の関係を明らか とすることを目的としている。 1%,3%,5%,7%ゼラチン溶液をプログラムフリーザーにて予備凍結を行ったのち,凍結乾燥機 にて凍結乾燥した。凍結乾燥後,1㎜厚のディスク上に成形し,熱架橋を行った。材料の評価について, 気孔構造を走査型電子顕微鏡にて観察し,連通性については試料に滴下したトリパンブルー溶液の浸 透性により評価した。動物実験では2週齢雄性Wistarラットに作製した臨界径骨欠損に各濃度のゼラチ ンディスクを埋入し,8週後に回収した組織における組織骨欠損部での新生骨量を計測した。 材料学的評価において,ゼラチン濃度1%,3%では概ね直径100 μm前後の気孔径を配した均一な多 孔質構造を形成したのに対し,5%および7%においては300 μm以上の気孔径も形成された不均一な構 造であった。また,全てのゼラチンディスクで気孔の連通性が確認された。Tris-HCl溶液に5日間浸漬 した結果では各条件の分解率に有意差は認められなかった。動物実験においては,マイクロ-CTを用い て定量した石灰化組織の体積は,5%および7%ゼラチン埋入群のほうが1%および3%埋入群よりも有 意に大きい値を示した。また組織標本のH-E染色の結果から,ゼラチンディスク埋入群においてゼラチ ン濃度が高い材料ほど新生骨形成量が多く,生体吸収性が低い傾向が示された。 ゼラチン水溶液の凍結乾燥によるゼラチン多孔体作製において,凍結速度を制御した場合,ゼラチ ン濃度により多孔体の気孔径分布が変化した。高濃度のゼラチン溶液より作製した300μm以上の気孔 径を有するゼラチン多孔体においては,新生骨の形成がより促進されることが明らかとなった。この ことから,ゼラチン濃度によりゼラチン多孔体の気孔径を制御することで,OCP/ゼラチン複合体の骨 再生能を向上できる可能性が示された。本研究は骨再生医歯学および臨医学歯学の分野に大きく貢献 することが期待され, 博士(歯学)の学位論文として相応しいと判断する。

参照

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