MEMO [RS
OF
SHONAN INSTITUTE
OF
TECHNOLOGY VoL 34
,
No.
1.
2〔XH)[
環 境 問 題]
プ
ラ
ズ
マを利
用
し た
環 境
汚
染 物 質
の
防 除
木
F
幸
一
*・
森 棟 隆
昭
* *Environmental
Protection
withPlasma
Discharge
Processes
Kouichi
KiNosHITA
andTakaaki
MoRiMurs
’
EWe
have
experimentally evaluated the application of a plasmadischarge
systems to reduce the concentrations of envi−
ronmental pollutants such as
NQ ,
,
SO.,
dust
particles and CFCs in the gaseous material.
This
paper considersCFCs
de・
composition by arc plasma、
NO . removal by NH3 and H2 radicals from mixing plasma,
NO
. removalby
N2
coronadis−
charge and NO、,
smoke rernovalby
coronadischarge
reactor.
In addition,
the prototype reactors which reduce pollutionconcentrations are proposed
in
this study.
We found thatユ)CFC
l2
decomposition
rate of above99
%is
obtained usingthe arc plasma
jet
system・
2
〕aNO
. removal rate of nearly1009
・6
is
observed at a coronainput
power of 1kW
by
NH3
erH2 radical
inle
〔tion.
3
)aNO エremoval rate of about 109もis
obtained by the N2 coronadischarge
process at a power of30
watts.
4>soot and NQ, removal rate of 7〔}
−
90% are observed in a corona coupled reactor system at aninput
power
of several watts.
1
.
は じ め に プラ ズマ などの放電現象 を積極 的に応用 し て,
大気や 排 ガス 中の気 体 状の環境 汚染 物質を防 除 するこ と が本 格 的に試み られたの はこ こ 十 数 年で あり,
そ れまで の プラ ズマ は,
い わゆ る雷や オー
ロ ラ な どの 自 然現象と し て と ら え られて き た。
現 在プラ ズマ 放 電はその 高 温 特 性,
活 性 化 特 性な どか ら、
環 境 防 除に適 用 す る 重 要 な 基 礎プロセ ス の一
つ とし て位置づ け ら れ て お り、
気体 中の 窒 素 酸 化 物、
硫 黄 酸 化 物,
微 粒 子,
臭いの除 去や有 機 溶 媒,
フ ロ ン の分 解お よ びダ イ オ キ シ ン の分 解に い た る まで,
高 温プラ ズマ や パ ル スコ ロ ナ 放 電が用い られるな ど,
プラズマ を 用い た環 境 汚 染 物 質の 防 除 例は多岐に及ぶ n こ こで は,
湘 南 Il科 大 学 に おいて これ ま で 研 究 が 進 め られてい るプ ラ ズマ プロ セスを 利 用し た環 境 汚 染 物 質の 防 除に関 する 連 の 研 究の うち,
高 温プ ラズマ シ ス テ ム に よるフ ロ ン の分解,
プラ ズ マ 中で 生 成 し た ラ ジ カル の 注入 によ る 排ガ ス中の窒 素 酸 化 物の防 除.
窒 素コ ロ ナ放 電プロセ ス に よ る 窒 素 酸 化 物の 除 去,
コ ロ ナ放 電シス テ * 大 学 院工学 研 究 科 博 十 後 期 課 程機 械工学 専攻 * * 機 械工学 科 教 授 平 成 11年 10 月14 日受 付 ム に よ る排 ガス 中の窒 素 酸 化 物,
排 気 微 粒 子の除 去につ い て その研 究 概 要 を述べ る。
2
.
熱 プ ラズマ によ るフロン の分 解 特 性 2.
1 ま えがき オ ゾ ン層 破 壊は世界的 深刻な 問 題 の1
つ で あ り,
南極lt
空の オ ゾン ホー
ル は毎 年拡 大し て い る との報告が あ る。
これ を 食い止め るに は現 存 するフロ ン類の処 理 以 外に方 法は ない。
これ まで さ ま ざ ま なフ ロ ン分 解 技 術の 実 験・
検討 】」が な さ れ て お り、
ま た 現 在 稼 動 し てい る もの も あ る が,
コス ト面に問 題 を 抱え てい る。
そこ で本 実 験で は,
少 量の フ ロ ン分 解に着目し.
直流アー
ク放 電プ ラズマ を 用い た フ ロ ン分 解 特性を検 討 するもの で ある,
2 .
2
実 験 装 置およ び 実 験 方 法 1) フ ロ ン 分 解装置Figure
l
にフ ロ ン分 解 装 置 概 略 を示 す。
プラズマ リア ク ター
は,
20 角の 立方 体 型 (SUS304 )で,
リア ク ター
側面に はプラ ズマ ジェ ッ ト の可視用窓 を 取り付けて お り,
また こ の 可視用窓の代わりに光フ ァ イバー
を 取 り付 け る ことで 分光分析実 験 も 行え る、
,
プ ラ ズマ ジ ェ ネレー
ター
部は陽 極に水 冷 式 銅 ノ ズ ル (ノ ズ ル径 φ3
),
陰 極に は ト リ ウム人りタ ン グステ ン (φ3)を用い,
作 動 流体で ある Ar ガス を プ ラ ズマ トー
チ部 内へ 流人(14Umin)した後.
両 極 1湘 南工科大 学紀要 第 34巻 第 1号 Catalyst
Pump
→atomosphrere
「
Plas
皿aGenerator
Plasma
Reactor
TemperatureBy
−
prOducts
treatment
vesselExit
Plasma
jet
Sa皿pllngH
bag\
\
GC
(
TCD
,・ECD
)
hrgongas
回
Cooli
xater outL
Cooling
腎ater
in
Detector
tube
D
Cpower
supPly
Fig.
1.
Experimenta1
apparatusfor
CFCs
decomposition by DC are plasmaの接 触法によ りプ ラズマ を 発 生 させ る
。
電 源に は直 流 電 源(60
V,
60
A
)を使 用し た最大 出 力1kW
程 度の フ ロ ン分 解 装 置で ある。 フロ ン は,
プラ ズマ 中で分解され,
そ の 後 リア ク ター
後 方の 排 気 出口部 よ り 触 媒 層 を 経て 外 部へ 排 出 され る。
な おこ の 触 媒 層には,
有 機 塩 素 系 物 質 が 発 生 し たと き処 理 が 可 能 なチタニ ウム系 触 媒 と活性炭 を 充 填し て い る。 フロ ン濃 度分析 時に は,
リア ク ター
排気 出 口部 後 方に サ ンプリ ン グバ ッ クを 設け,
ガス収 集 し ガス ク ロ マ トグラ フお よびガス検知 管に よ りガ ス分 析 を 行 う。
分 解 す るフ ロ ン は,
冷 媒 等 使 用 頻 度の高 い フロ ン12
(CFC12,
CCI2F
りを用い る。
な おフ ロ ン濃度は Ar に対し て 1000ppm (O.
065 g!min )と し た。
また本 研 究で は,
ハ ロゲン化合物であ るフ ロ ンを分 解 するこ とか ら,
分 解 後に再 びフ ロ ンへ 再 結 合 するこ と や 有 害な副 生 成物が生 成 さ れること など を 考 え,
副 生 成物 処理法とし て,
石灰水を 入 れ た排ガス処理器 (フッ 素 樹 脂製 )を リア ク ター
後 方 に 設 置 しt 副 生 成物 抑 制 技術 の 検 討 を行っ た。
2
) フ ロ ン供 給 方 法 まず 基 礎 実験と し てフ ロ ン分解 時の プラズ マ の 操作性 とフ ロ ン分解 率と の関 係を検 討 するため に フロ ン の供 給 方法に つ い て検 討 を行っ た。
Figure
2
にプラ ズマ トー
チ 部 概 略 図 を示 す。
こ こでの フ ロ ン の 供 給 方 法は2
種 類で あ り,
作 動 流 体であ るAr
とフ ロ ン 12を 混合し,
プラ ズマ トー
チ部 内へ 流入 しプ ラズマ化と同 時に高 温の プラズマ 中に おい て フロ ン を 分 解 する方 法 (混 合 プラズマ 分 解 法)と,
ノズ ル 出口 にス テ ンレ ス 細 管 (φ2
)を 4本 設 置 し,
フ ロ ンをプ ラ ズマ ジ ェ ッ ト中へ 直 接 注入 し て分 解 す る方法 (プ ラ ズマ ジェ ッ ト直接 注 入 分解法)である。 な おノズル 出口 とリ ア クター
後 方の排気 出口部 との距離が100
程度のス ペー
ス がある た め に リア ク ター
内壁の ふ く射の影 響を 受 けて プ ラ ズマ温 度が降 下 す る と考 え,
陽 極 銅 ノズル 出口 か ら 15 後 方の 位 置にス テ ン レ ス管 を91
気 出口部 方 向 へ 設 置 し た実 験 も行っ てい る。
2.
3
実 験 結果と考 察1) フ ロ ン分 解 率の 定 義 本 実 験で は
,
ガス ク ロ マ トグラ ム に よ り得 られたフ ロ ン分 解 前 後の 濃 度 値 を そ れ ぞ れ (CFC
)o,
(CF
℃)1 と し て 下 記 の式に よ りフ ロ ン分解率Dh
を求め る。
(CFC
)o−
(CFC
)lDr ;
×100
(%) (CFC
)。 (2.
1
)2
) フロ ン分解 時の プラズマ 特 性Figure 3にプラズマ ジェ ッ ト発光写真 例 を示す
。
Ar プ ラズマ ジェ ッ トは,
ノズル 出口よ り青 白 く発 光し.
入 力 電 力 増 加によ り発 光 部は長 く大 き く な る。
(a)混 合プ ラズ マ 法の場 合、
低 濃 度で は変化が見ら れ ない が,
濃 度 増 加 に ともない プラ ズマ ジェ ッ ト後 縁 部が青 緑色に発光 する。 これ はフ ロ ン分 解 後に発生 し た塩 素,
フ ッ 素の ハ ロゲ ン と 陽 極銅ノズル との 反 応 Vに よ り 発 光 した もの と考 え ら れる。一
方,
(b
)プラズ マ ジェ ッ ト直 接 注 入 法の 場 合,
フ一 2
プラ ズマ を利 用 した 環 境 汚 染 物 質の防 除 (木 下幸
一 ・
森 棟 隆 昭)Ar gas er
(1)(Ar+
CFC12
)mb 【ing gas injectionI2
injection
pipeling
type copPer nozzleExhaust gas
Fig
.
2,
Plasrna torch (CFCs inj tion method ).
(
a)
MiXing
Plasma
Method
(
b
)
Direct
injection
Method
F
垉.
3. Photographs
of plasmajet
(16V,
58A
).
ロ ン分解 時に は青 緑色の 発 光 は確認で き なかっ た
。
また 混合 プラ ズマ 分 解法に比べ プラズマ ジ ェ ッ トの 長さ が短 く なっ てい るこ とからプラ ズマ直 接 注入分 解法の場 合,
再 結 合 終了位 置が変 化 し た もの と考え られる。
Figure
4に 入力 電力とプラズマ ジ ェ ッ ト後 縁 部に お け る温度との 関 係 を 示すn
温 度測定 点は,
ノズル よ りt
/d=
5
の 位 置と し て お り,
測 定に は W−
Re高 温 熱 電 対 を 使 用 し た。
な お,
この温度 値は リ ア クター
内 壁 面の ふく射の 影 響 を 考 慮 し た もの と なっ てい る。
こ の 結 果,
得られた 温 度は約 1200〜
4200K で あっ た、
,
ま たAr
プラ ズマ の温度 に比べ 混合プ ラズマ 法の場 合プラズマ 温度は上昇し,
逆 にプラ ズマ ジェ ッ ト直 接 注入法の場 合は低下 した。
プラ ズマ ジェ ッ ト後 縁 部Vd=5
の位 置に おい て温度 変化 を確 認 した こ とか ら プラ ズマ再 結 合 終 了 位 置が 変 化したこ と と対 応 する。 な お,
フ ロ ン 12を 分 解 す る際,
吸熱 反 応 〔1193.
68kJfmol
)を 生じ るが,
本 実 験に おい て は フ ロ ン流 量 が 少 ないた めプラズマ ジェ ッ ト温度へ の影響は少ない もの と考え ら れ る。3) フ ロ ン注入法の比較検 討
Figure 5 に混 合プラ ズマ 分解 法と ブ ラズマ ジェ ッ ト直 接 注 入 法の 分 解 率の 比 較 を示 す
。
いず れの フロ ン分 解 法 において も入 力 電 力 増 加に と も ない フ ロ ン分 解 率 も 上 昇 し てい る。
混合プラ ズマ 法の場 合.950W
以E
で の最高 フロ ン分 解 率 は85
% 以 上に達 し てい る。 し か しフロ ン分 解に よ り電極 消 耗が起こ り,
それに伴い プ ラズマ が 不安 定と な り連 続運 転が困 難と なっ た。 な お,
電極 消 耗の結 果,
塩化タ ン グ ス テ ン(WCI りや塩 化 銅 (CuCID と思わ れ る 粉 末 が 実 験 後 配 管 内で 確 認 さ れた。 .
’
方,
プラ ズマ ジェ ッ ト直 接注入法で は、
プラズ マの 発 生に は直接影響 3湘 南工科 大学紀 要 第
34
巻 第1
号 団一
Φ
門
邸 貫 o自 偲一
Ω噛
o 』 冒一
的 」 自 日 ←5000
40eo
3000
2000
1000
0馴
一
→ロ
ー
Ar only− 一
囲一
Mixing
llethod−
a−
Di・e・・i・jec
・i・n m・th・d
困/6
’ム ノ ノ 圜 , ’
.
’°
” ノゆ
’●
♂
ρ
, ”
◆
, ! △
/
〆
・
/
! !°
℃
”
◆
, !
’
ム ,
,
囲
.
”ム
●
ノノ』’
◆
.
”ら
・
・
’八r
gas
:
121
/minCFC12
: 1000ppmPlas
皿a vo1Iage ;Plas
皿a current :Meas皿reing point14
〜
20V60AQf
te皿perature1 /d
=
5800
900
1000
1100
1200
1nPUt
powerW
Fig.
4.
Relation
between
input
power and temperature of plasmajet
.
被 占
一
田 琴 コ[
・
, 。 旨8
Φ O100
80
60
40
20
0
800
900
1000
1100
1200
1nput
power
W
Fig
.
5.
Relation between iuput power anddecomposition
rate using tWo method ofCFCs
injeCtion.
プラ ズマ を 利 用 した環 境 汚 染 物 質の防 除 (木 ド幸
一 ・
森 棟 隆昭) 决 占100
8060
40 冨 」 = o = 冨 o 暑8
昌20
0750
850
950
1050
1nputpower
W
1150
1250
Fig
.
6.
CFC decomposition in〔rase of using reaction pipe.
を 及ぼ さない た め安 定 した プラズマ が得 ら れ
,
連 続 運 転 が可 能と な る。 こ の と き の最 高 分 解 率は入 力 電 力1.
2kW
で 97% であっ た。
以上の こ と か らプラズマの連 続 運 転 が 可 能で あ り,
電 極 消 耗の 影 響が少ない プラ ズマ ジ ェ ッ ト 直 接注人法 を 用い て フ ロ ン分 解 実 験 を進め る。
4) 反 応 管 設 置に よるフ ロ ン分 解 率の 向上 本 研 究で は.
プラズ マ ジェ ッ ト直 接 注入法が最 適なフ ロ ン注 人 方 法で あ ると し た こ と か ら次に リア ク ター
排 気 出 1.
1部に注 目した。
現 行の装 置で は ノズル 出口 か ら リア ク ター
排気出口 ま で約100mm
の スペー
ス が あ るためフ ロ ン分 解 時に は ふ く射の 影響に よ りプラズ マ温 度 が 低 ド するもの と 考え られた。
そこ で ステ ン レ ス製の 配 管 (内 径d−
8mm,
16rnm )2
種 類 を 用い て の フ ロ ン分 僻 の比 較・
検 討 を 行っ た。
Figure
6
に反 応 管 を 設 置 し た と きの 入 力 電力とフ ロ ン 分 解 率 と の 関係 を示す。
反 応 管 を設 置 するこ とで高い フ ロ ン分 解 率が得ら れ て お り、
特に反 応管内 径d−
8mm の と き,
低 電 力 時に お い て も90% 以 上の分解 率が得られ てい る。 また こ の ときの最 高 分 解 率は99% で あっ た.
内 径d=
16mm の と き,
電 力 増 加にと も ない低 ド傾 向 を 示 して い る が,
こ れ は陰極 タ ン グス テンを 通 常 よ り 長 く 取っ た こ とに よ りプラ ズ マが プラ ズマ トー
チ部 内におい て発 生 し た結 果,
プラズマ ジェ ッ ト温 度が低 下し分 解 率 も低 下 し たもの と考え ら れ る。 な お,
長 時 間の運転の 際 に は内 径d=8mm
の 反 応 管は、
内径が小さい た め高温流 中に お け る耐 熱 性に問 題が生 じた。
5> 副生 成物の処 理 こ れ ま での 結 果 3)よりフ ロ ン分 解 後に い くつ か の微 量 副生成 物が ガス ク ロ マ ト グ ラム に よ り確認 されて い るn そ こで本 研 究で は,
水にCa
(OM2
を入れた処理器 をiJ ア クター
排 気 出冂部と触 媒 層 との 間に 設 置した。
これま で アー
クプ ラ ズマ 法に お いて フ ロ ンを 分解 する際に添 加 剤 とし て Hz,
02
および水 蒸 気 を 用いて副生成 物を 処 理し て い る報 告が あるが,
プラ ズマ 生 成 時に水 蒸 気な ど を添加 する こ と で電極損 傷を 引き起こす 原 因 と なる ため,
電 極 よ り距 離 をおい て処理 を行うこ と と し た。
この 処 理 器 内 で は水にCa
(OH
)2 を 混 ぜ 合 わせ,
プラ ズマに よ り 分 解・
電離し 沽性化さ れフ ロ ン 12 と水,
生 成 されたHF ,
HC1 と Ca(OH )zの 反 応 を表 す次式に よ り無 害化 処理を 行っ た。
CC12F2
+2H20→CO2
+2HCI+2HF (2.
2
)2HC1
+2HF
+2Ca
(OH
)2→CaF2
+CaCl2+4H20 (2,
3)プラ ズマ に よ りフ ロ ンを 分 解し
,
分 解ガス を処理器に湘 南工科 大 学 紀 要 第
34
巻 第1
号、
Table 1.
Result of analysis by detection tUbe.
Inlet
ofVessel
Outlet
ofVessel
HF
75 ppm HC1 4ppmCarbon
Tetrachloride
O.
8 ppmChloroform
lppm
Tetrachloroethylene
5ppm
Trichoroethylene
lOppm
1−
1−
1trichloroethane ND Polyvinyl Chloride NI)NDO
.
8ppmNDNDM
)m
NDNDND
:Non
Detected
.
通 した後,
ガス ク ロ マ ト グ ラ フ によ り 分 析 した結 果,
副 生 成物の生 成は認め られ なかっ た。Table
1
に ガス検 知管 分 析 結 果 を示 す。
こ の結 果か ら も抑 制が可 能で あるこ と が確認できた。 2.
4 ま と め 直 流アー
ク放 電 プラズ マ を 用い て フ ロ ン分解 実験を 行っ た結果,
混合プラ ズマ 法は低電 力域に おい て も 高 分 解 率が得ら れ てい る が,
電 極 消 耗が生じ た。一
方,
プラ ズマ ジェ ッ ト直 接 注入法は,
電 極へ の 影 響は なく,
連 続 分 解 が 可 能 と な り最 高 分 解率97
% が え ら れ,
ま た プラ ズ マ ジ ェ ッ ト後 縁よ り リア クター
出口へ 向かっ て 反応管 を 設 置 す るこ と で99%の 分 解率が得られた こ と か ら,
プ ラ ズマ ガス温 度 もフ ロ ン分 解 率に影 響 を もたらす。
フ ロ ン分 解 後に は副生成 物が確 認さ れ たこ とか らフ ロ ン分 解ガス を 石 灰 水に通 すこと によ り 副 生 成 物の 抑 制 を 可 能と し た。
、
3 . プ
ラズマ 生成
ラジ
カ ル に よ る 窒 素 酸 化 物の除 去3.
1
ま え が き燃 焼装 置か ら排 出される窒素酸 化物(
NO
)によ る汚 染 は , 大 都 市 圏で の総 量 規 制に もか か わ らず 増 加 傾 向に あ る。 これ まで燃 焼装置か ら排出されるNO
.(NO ,
NOD
の 防 除を 目 的 と し て,
廃棄物 焼 却 炉や デ ィー
ゼ ル機 関に触 媒 脱 硝 法 4)や プラズマ法5),
S)およ びコ ロ ナ 放 電法mを適用 し て,
排ガス中の NO、
を 無 害な窒素,
酸 素に変 換 する こ と の 可能 性や除去機 構 を著者 らは考 察 して き た が,
現 在で は さ ら に高 効率t 省エ ネル ギー
的 な 方 法 を 開 発 するこ と が求め られてい る。
ア ン モニ ア (N 恥 を 用い NOx を還元 する触 媒脱硝 法で は
,
生 成 され たNH2 ,
NH ,
N,
H
ラジ カル がNO ,
NO2
と反 応 し てN2
や水 な どに変 換され る こ と によ りNO .
が除去 さ れ るメ カニ ズム を持っ て お り,
除去 率は触媒 表面に おけ るラジ カル 生 成 率に強 く依 存 す る。
こ の ラ ジカ ル生 成 率 を どの よ う な 方 法でい か に上 昇 させるかは 重 要 な 問 題で あ る。
本 研 究では 熱 プラ ズマ を 用いて
NH3
や 馬の ラ ジ カル を 高 効率で生 成する条 件 を求め る こ と,
お よびラジ カル を排ガスに注入 して NOx と反 応さ せ これ を 除 去 するこ と を 目 的 とし てい る。
ラ ジ カル 直 接 注 入 法につ い て は,
こ れ までZhou
ら8)が高 周 波 プラ ズマ に よ り 生成 し たNH
,ラ ジ カル をCH4
炎の 下 流に注 入 し た場 合のNOx
除 去 率 を 求 めて い るが,
プラズマ 入力の 影 響,
酸 素の 影 響,
リー
ク NH3 特性な ど不 明確で あ り,
反 応 式に よる説明も な され てい ない。一
方,H2
ラ ジ カル につ いて は,
全く研究さ れ てい ない 状 況に あ る。
これ よ り
,
本 実 験で はア ル ゴ ンAr
と 微 量のNH3
あ る い は H2 との混 合ガスをアー
ク放 電で プラズマ 化 し て,
そ の 高 温 場 におい て 解 離に よ りNH3,
H2
ラ ジカ ル を 効 率 的 に生 成 さ せ,
こ れ ら の ラ ジ カル を排ガス と反 応さ せ て,
排ガス 中の NOx を除去する場 合の 最適 条件を検 討する。
3.
2 実 験 装 置 と測 定の方 法1
) アー
ク放 電 プラ ズマ による ラ ジ カ ル発 生装 置Figure
7に 示すアー
クプラ ズ マ 発 生装 置は外筒 管と し て直径 200mm の ステ ン レ ス管 を 用い,
側 面の 観 察 用 窓 ガ ラスよ りプ ラ ズマ ジェ ッ トの可 視が可 能 な 構 造 で あ る。
内 側の陽 極は水 冷 銅ノズル (ノズル径 3 )で あり,
陰 極は タ ングス テ ン (3
φ)とし て いる。
外 筒 と陽 極はテ フ ロ ンによ り絶 縁されてお り,
電 源に は直 流 電 源 (35
V,
100 A) を 用い る。
発 生 した プラズマ 光は 観察窓に 取付けた光 フ ァイバ を通って モノクロ メー
タ に 入射し た後 分光され,
ペ ン レコ 上にスペ ク トル が描か れ る。
プラ ズマ作 動ガスとし て用い るAr
(12
1
/min )は,
その一
部 がバ イパス 流路 中のア ン モニ ア水の容器 を 通 過し て NH3 を 含み , その後 再び Ar と混 合 して 陽 極 銅 ノズル に 流 入 す る。
陽 極 内で はAr
と 微 量のNH3
を 含 む 混 合 ガス がプラ ズマ 化さ れ,
高温 と なっ てNH3
ラ ジ カル が生 成さ れる。 同様に水 素の場 合は,
水 素 発 生機に おい て生成し た微量の水 素を 愈 と 混合し,
銅 ノズル に流入 さ せ てプ ラズマ 化さ せ るこ と で H2ラ ジ カル が発生する。
2
) 生 成 ラジカ ル の混 合に よる脱 硝 特 性 と 実 験 条 件燃 焼 模 擬 排 ガス とし て(
N2
+NO
),
(Air
+CO2
+NO
)ガスを 使用 する。 こ の模 擬ガス を プラズ マ 反応室に流入 させ る と,
NO
はNH
』やNH
,
N
,
H
な どの ラ ジ カル と反 応 し て除6 一
プ ラズ マ を 利 用した環 境 汚染物 質の防除 (木 下 幸
一 ・
森 棟 隆昭)Treated ga3 (闢,州 Ol Spectr 。 皿eterHz generator
TV ロonitor Coohng 冐aterTe 皿P
.
驚 鱚嚇 ← A叶 H2 ← △r+NH3 蝦 竃OH』
Torch Si tube 量1a 鋤し
無甜宏c輔
1
Ar Pu皿P・
鰤 Feede鞭
幽 瞭 四〇x,
02 H20,
NH3 CO he七e Cooling 冒ater ∈D
Plotter Pre8sure Pouer SUPPly
Atロ03phere 聊
Fig.
7.
Radical
generatorby
arc plasma andde−NO
. system (
NH3
and H, radicals ).
去さ れ る
。
プ ラズマ ジェ ッ ト近 傍の ラジ カル の 存 在 する 範 囲に ガス を注 入 する こ と や,
ラ ジ カル の存 在 する時 間 内に反 応 を終了 さ せ る 必要が あ る。
ガス とラ ジカル の混 合位置 を変え る た め に,
ノズル 出口と ジェ ッ ト後流の排 気 管 との距離を2
段 階に変え てい る。
(N2
+NO )ガス にAr プラズマ を作 用 する とNO
が還 元 さ れて除去され る 特 性 5),
6]を 既に著者ら は確認し てい るが,
本 実 験で は プ ラズマ ガス にNH3
やH2
を添加する こ とで 低入力エ ネル ギー
部 分におい て,
さ ら にNO
除 去 特 性が 上昇 す る 可 能 性 を 求め る。
な お,
ガス 中に酸 素 を 含 む 場 合,
N ,
NH
ラ ジ カル と酸素の反応に よ るNO .の 生 成が考 え られ,
こ の 生成 量 を 低 く 押さえ る方 法の検 討が必要で ある。反応 後の排ガス 中の NO 、の濃度 測 定に は化 学 発 光 式 濃 度 計 を 用い た
。
模 擬 排ガスの流量は30Vmin
, ガス温 度は 室温であ り,
Ar
を 含めたガス 中の NOx 初 期 濃 度は 約 300〜730ppm ,
アン モニ アモ ル 比 (NH ,nNO)は 0.
5〜
1で3
段 階に変え,
水 素モル 比(H
,!NO )は約2.
5
とし た。
NO
.除去率 Rn % につ い て は,
NOi。,
NO
,x をプラ ズ マ放 電 印 加の 前後の 出口 NOx 濃 度とし て,
式(3.
1
)で定 義す る。 Rn=
(NOln− NO
。x)!NOin
×100 (% ) (3.
1)また
,
プラズ マ へ の電 気入力 条 件 を50〜90A ,14〜
18V と変え るこ と に よ り〔Ar+NHalや (Ar+H
∂ガ ス の 高 温に お け る滞留時間 を 変 化 させ た実 験 も 行う。
実 験で は Ar に 混 合し たNH3
や H2が なるべ く残らず使用 さ れ るこ と が 望 ましいが,
未 反応や再結 合す るNH,や4
も存 在 する と考 えられる の で,
未反 応NH3
につ い ては排 気 出口 で検 知管によ り測 定して NH3PNO で整 理 し た。
な お,
Ar
がア ン モニ ァ水の容 器 を通 過 する間に含ん だ水分 も,
排 気 出 口で検知 管に よ り測 定 した。
3
) プ ラ ズマ に よ る ラ ジ カル 生成の 平 衡 計 算ア
ー
クプラ ズマ に よ りAr とNH3 や H2 の混 合ガス を励 起 し て NH2,
NH ,
N ,
H
等の ラジカ ル を 生 成 するが,
プ ラズ マ の 高 温場に おいてラ ジカ ルがど れ だけ生 成 する 可能 性 が ある かを検 討する た めに,NH3
にH20
を含め た ガス の 温度上昇時の化学 平 衡 成 分 を計 算 した。 これよ り,
高 温 と な りNH
,が分 解して減 少 すると,H2
やN2
が増 加 しさ ら に 温度上昇に よ り,
NH2,
NH ,
N,
H が 生成 し増 加し て い く。
ま た,
水 素ラ ジカ ル の生成温度 特性 を求 め,
再 結 合 速度 を 計 算し た。
化 学 平衡計算プロ グラ ムと して はス タ ン フ ォー
ド大 学のSTANJAN
を 用い て い る。3.
3
実 験 結果と考 察1
)NH3
ラ ジ カル 法Ar
にNH3
を添 加 するこ とに より プ ラズ マ 光は や や明 るく発 光 部が長 く鋭 く なる が,
プラ ズマ の安定 性,
持 続 性は変化 しない。
NH3
を添 加 し た場 合の プラズマ 分 光ス ペ ク トル 中に はAr
の みの プラ ズ マで は見 ら れ なか っ た N,H ,
O
の スベ ク トル が観 察された。
これ よ りNH3
の添 加 によ りプラ ズマ ジェ ッ ト中に NH3 ラ ジ カ ル が存 在 する可 能性が推察され る。0
スペ ク トル が存在 する理由は実 験 で はNH3
ガス より も実 機 搭 載に容 易と考えられ る ア ン モ ニ ア水(NH40H )を 用い たた め に,
水の解離に伴っ て 生じ た もの と考 察 さ れ る。
Figure
8
に実験 結果例と して,
模 擬ガ ス (N2
+NO
)の流 量が30Ltmin,
混 入するア ン モ ニ ア モル 比NH3
/NO
が0〜
O.
4の場合の除 去 率Rn
と プラズ マ の 入力 電 圧の関 係 を 示 す。
ガス をプラ ズ マで生 成 し たNH3
ラ ジカ ル に混人する こ とに よ り,
低電圧領 域に おい て除 去 率が 上昇し てい る一 7
湘 南工科 大 学 紀 要 第34 巻 第 1号 口 100 05
0
2
田[
σコ 冫 O 已 O 」 ×OZ
14
Voltage
16(
volts)
1O
ζ
ヨ
Z
σ5
℃ 0鶯
o 日 ) 〔18
Fig
.
8.
NO、 removal rate and leaked NH3 usingNH3
radical method,
(N2+NO )gas.
こ と がわか る
。
ま た,
リー
ク NH ,は Fig,
8で は oで あ る が,
NH ,をさ らに注入し て モ ル 比 1 とした場合,
リー
クNH3
の モ ル比 は 最 大O.
35
と なっ た が,
除 去 率の上 昇はわ ずかで あっ た。
リー
クNH3
につ いて は,
定性 的に は混合 し た NH4NO が 多い ほど 末 反 応 NH,mNO
が多い結 果が得 られた。
従 来の 著 者 ら の 研 究 5}に よ れば
,
NH3 を 注入 しな くて も,
NO
はAr
プラ ズマ によ り解 離 されNb
02
に再 結 合 さ れるこ とでNO
は減少する こ と が確 認されてい る が,
NH3 ラジ カル が存 在 す る場 合に は,
以 下の素 反 応 式の よ うに,
NH2,
NH,
}H ,
N 等 と反 応してNO
は さ らに還 元 さ れ,
Fig.
8
の よ う にNH31NO ≡O.
12〜
O.
37
で は 脱硝効 果が 上昇する 結 果が得ら れ た もの と判 断される。NH2
+NO
→N2
+H20
NH
+NO
→N2
+OH
N
+NO
→N2
+0
4H+2NO → N2+2H20 (3.
2
) (3.
3
) (3.
4) (3.
5)Figure 9に (Air+
C
()2+ NO )ガス をNH3 ラジ カル と 混 合 し た場 合 を 示 すが,
脱 硝 と は逆 に NOx が増 加 し 入 力 電 圧 が 高いほ どこ の傾 向 が 顕著で あ る 結 果 が 得 ら れた。
これ は模 擬ガ ス 中に 酸素が含 ま れるこ とに よ り.
N,
NH ラジ カル と酸 素の反応,
酸 素ラ ジ カル と窒 素の 反 応に よ り NO 、が生 成 された もの と考え ら れ る。
また,
電 圧の 上昇 に より ガス 中に100〜500ppm
のCO
が測 定されたe 以 上 よ り,
ディー
ゼル排ガスの よ う に ガス 中に酸素が含まれ る場合は , NH:sラジカ ル注入法の 適 用は困 難で ある が,
酸 素 がほと ん ど 含 まれない ガ ソ リン機関 排ガスへ の適用 の 可 能 性は十 分 あ る と 考 察 さ れ る。
2
)H2
ラ ジカル 法Figure
10
に実 験 結 果例と し て,
模擬ガ ス〔N2
+NO
)の流 量が30〃min,
混入する水 素モ ル比 H21NO がO〜
2.
5
の 場 合 の 除去 *・
Rn
と プラ ズマ の入 力電圧の関係 を示 す 。 プラ ズマ で生 成 した馬 ラ ジ カル と ガス を 混合 するこ と に よ り,
低電 圧領 域に おい て除 去 率が ヒ昇 し て い るこ と がわ か る。
な お,
リー
クは測 定し てい ない。
模 擬ガス をプラ ズマ ジ ェ ッ トの 後 流 部(lld
=2
)に流入 さ せ た場 合の ほ う が ラ ジカル との混合が良 好で,
除 去率もや や高い 結 果が得 られて い る。
いずれに し て もH2 を 混合す るこ と に よ り,
プラズマ 単 独より も脱 硝 効 果が上昇 す る 結 果が得 ら れて お り,
これ は 式 (3.
5
)の 反 応 が 生じた た め と考 え られ る。
Figure
11に (Air
+NO
}ガス を排 気管の位 置 Vd=
1に おい てH2
ラ ジ カル と混合し た結 果 を 示 す。 低 電 圧 部で は 1) の M {3 の 場合と同 様に NO、
が増 加 する が,
入力 電 圧が 高く な る と脱硝が は じ ま り,
電 圧 18V の 条 件で は 50% 近い除 去 率が得られて い る、 これより,
排ガ ス中に酸 素 が 含 ま れる場 合に は,NH3
よ り もH2
ラジ カル を適 用 し電 圧 を 17V 以 上とす るこ とで,
NOx は減 少 す るこ と がわ一 8 一
プラ ズマ を 利 用 した 環 境 汚染 物 質の防 除 (木ド幸
・・
森棟隆昭 ) O50
ま ロ に o 琶 」 肩 冫 oEoh oo dxOZ
1
0
14
16
18Vbltage
(
volts)
Fig.9.
NO エ
removal rate andleaked
NH3
usingNH3
radical method,
〔Air
+CO2
+NO
)gas.
100
05
髯 」 罵 > O 日 O 」 ×OZ
0
14
Fig。
lo.
16
18
20
Voltage
(
volts)
NO
エ removal charaCteristicsby
H2
radical,
(N2
+NO
)gas.
OZ
\ONZ
.
OZ
丶 =Z
℃ o 》 冩 o 』 9湘 南工科 大 学 紀 要 第
34
巻 第1
号100
50
承 ⊆0
50
00
一
司
o
輕
一
鐔
o
∈
o 」 xOZ一150
十 Ar 十 200c/min [476ppm]一
壷一
330c/min [785ppm] 十 輪 c /min 匸1047ppm] 十 5500/min 【1308ppm】一
●−
66cc/m [1569ppm]■
く:》■
覃
77.
5cc/min [1842pprn]一
ロト9Sec〆m 匸2091ppm
】 Ar plesme 90A,
14酎 18VAr
:12L
!rnin (A酬 O):30L/mh esrne りec り り =Exhouet
pip●po醐 1〆d= 1 NO:2219pprn13
t4
15
16
17
Voltage
(
volts
)
18
19
Fig
.
11.
NO κ removal chara 〔ieristicsby
H2
radical,
(Air
+NO
)gas.
かっ た。
N 瑞
の場 合,
解 離によ り生 じ るN
ラ ジ カル と酸 素 との 反 応 に よっ てNOx
が 生 成 す る が,
H2
の 場 合こ れ が ない こ と が 理 由 と 考 え ら れ る。
3.
4 ま と めAr
プ ラズマ によ りNH3
やH2
を 解離してNH3
やH2
ラ ジ カ ル を 生 成 させ,
これに燃 焼 模 擬 排ガ ス (N2+NO),
(Air+
CO2
+NO )を 混 合 し て,
排ガ ス中の NOx の 減 少する 可能 性を検 討し た結 果,
プラ ズマ だ け で はNOx
除去率の 低かっ た低 電 圧 部分 に おいて も,
NH3 やH2 ラジ カル を混 入 す るこ とに よっ て除 去 率 を上 昇 す るこ と が 可 能であ る こ とがわか っ た。
4 .
窒 素 コ ロナ 放 電による燃 焼 排ガ ス中
の 窒 素 酸 化 物 の 除 去4 .
1
ま え が き 第 3 章で は,
プラ ズマ によっ て生 成 したア ン モ ニ アや 水 素の ラジ カル を排ガス と 反 応 さ せ て,
燃 焼排ガス 中の 窒 素 酸 化 物NOx
を 除 去 す る場 合の最 適 条 件 を検 討して い る。一
方,
化 学 平 衡 計 算で は,
窒素ラ ジカ ルが水 素ラジ カ ル よ り もその 再 結 合速 度が遅 く,
従っ て,
窒 素 ラジカ ル を 用い る ほ う が NO 。除 去の 可能 性は高い とい う結 果が 得 ら れた。
これ よ り本 研 究では,
取 扱い 上の安 全性や 実 用性から水 素 は 用い ずに,
窒素源 とし てもNH
,の かわ り に 窒素ガス を使用 し て 窒素 ラジ カル を 生成 し,
NOx の 除 去 特 性 を 考 察 す ること と した。
また,
著 者 ら はNOx
除 去 に関 連し て これまで アー
ク放 電プラ ズマ を用い る方 法や,
高 温の 窒 素プ ラ ズ マ を排ガ ス に 注入 する方 法 を 検 討51・
6},
9)llo
)し てい る が,
熱 プラ ズマ より も低電 力で安定作 動 するコ ロ ナ放 電 を使 用 する ほ う が , 省エ ネル ギー
の観 点か ら は 望 ましい と考 え ら れ る。
本 実 験で は
,
コ ロ ナ 放 電 管に は NO 、減 少 反 応に関 連 す る窒素の みを流入 し て窒 素ラジ カル を生成し,
これ を模 擬 燃焼排ガ ス と混 合し て ガ ス中の一
酸 化窒素NO
と 反 応 さ せ,
NOr を除去する窒 素コ ロ ナ放電方 式の 可能 性 を考 察 した。
これ よ り燃 焼 排ガス 中に酸 素,
水 分 が 存 在 し て もNOx
除去 率に は影響せず,
炭 酸 ガス か らのCO
の発 生 も ない 窒素コ ロ ナ 放 電 に よ るNOr
除去法 を提 案 し た の。
4.
2
実 験 装 置 と 方 法Figure 12に実験 装置概 略 図と使用放電管を示 す
。
放 電 管の 電 極は外 側 電 極の 内 径 D×長 さL( )が,
54×16010
プ ラズマ を利 用し た環境汚 染 物 質の防 除 (木 下幸
一 ・
森 棟 隆 昭 )CO
,CO2
He
七
er
四〇
xHe とe
(
層
0
,HO2
}
Vaeu
皿Pu
皿POu
ヒ
02Me
ヒ
er
厂ノ
、
、
△
spirator
Sinula
七
ed
Exhaust
G
\ コ 浮 一
CoronaDischarge
Tube
N2
eorona
−十
DC
Supply
High
Vol
ヒ
.
Resis
ヒ
anee
匡
L DTube
−
1
D=
5叫,
L=
160匡
壷
CO2
NOH20
Boiler
Tube
−
2
D=
28,
L=
160(a } Apparatus of N2 minus corena discharge (b} Corena reactor Tube
−
1,
2Fig
.
12.
Exhaustgas
cleaning by N2 corona discharge.
〔Tube
−
1),
28
×160
(Tube−2
)の 2種類で材 質はSUS304
を 使 用 し た。
中 心 電 極に はO.
18,0.
3,0.
8mmiP
の 3騨 の銅 線 を 使用し,
電 極 径d・
=
O.
3mmiP
の銅 線につ い て は,
放 電の 安定 化 を試み る た めに銅 線に 20 ピ・
ソチで結び目 を 付 けたもの も使用 し た。
これ らの 外 側,
中 心 電極の組 合せ で放 電実験 を行い,
放 電 範 囲が広 く 気 体の活性 化特 性の 良好な 放 電 管 を選 択 し た。
これよ り,
電 圧 電 流の作 動 範 囲や安定性を 考 えて 本 研 究で は中心電極1
聟 を03
φ と し,
放電管につ い て は作 動 範 囲と ともに.
外 側電 極の 内 径D
の大 きい放電 管の方が,
処 理ガス量 を 多 くとれる 可能 性があ るこ とも考慮 し て,
主 としてTube−
1につ い て実験 を進め た。 なお こ こで は,
中心電 極が正,
負 極の 場 合に成立する放電 をそれ ぞ れ 正 極 性,
負 極 性 コ ロナ放 電として い る。
電 源に は高電 圧直 流電 源 (35
kV,
3
rnA )を 用い,
負 極 側に 10kΩ の保護 抵抗 を入れて い る。
放 電 管 内に窒 素 ガス を 注入 し て生成され た 窒素ラ ジカ ル は
,
放 電管を出た後に ア ス ピレー
タに て 常 温の 模 擬 燃 焼 排ガス (Air+CO2
+H20
+NO
》と 混 合・
反 応 し た後,
排 ガスの一
部は サンプ リン グ されて NOx,
02,
CO ,
CO2
な どの 体積成 分濃度が測定 され,
その後 大 気へ 放出さ れ る。 放 電 管に流入 さ せ る窒 素ガス (以 後 作 動ガス)は,
コ ロナ 放 電の 安 定 性 を 考慮 して 3〜
811min(15°C,
101.
3kPa,
以.
卜 同様 )と した。
な お,
放 電 管 を流 出 する窒 素は ほぼ常温 で あ る。 処理 される模 擬排 ガス の流 量は 15〜
25〃min と し てお り.一
酸 化 窒 素の初 期 体 積 濃度NOi
, (作 動ガス と 模 擬排ガス との混 合 後の濃 度)は3
段 階に変えた。
ま た,
窒素ラ ジ カル と模 擬 排ガス との 混 合ま で の 距離を 変え て 実 験 を 行い,
NOx 除去率か ら滞 留 時 間に よ るラ ジ カル 残存 特 性 を 考 察 し た。
NOx
(NO
+NOD ,02,
(CO ,
COD
の濃 度 測定に は
.
それ ぞ れ 化 学 発 光法,
磁気風 式,
非 分散赤 外 線 吸 収 法 を 用い た 。 4.
3
窒素コ ロ ナ放 電によ る ラ ジ カル 生 成 特 性 とNOx
除 去 率 コ ロ ナ放 電 を 用い た従 来の 排ガス浄化 法 11P14)に おい て は,
燃焼 排ガス を直接 放 電 管に流入 さ せ てい るが,
この 方 法で は被 処 理排ガス 中の酸 素や水 分が NOx 除 去 率に影 響を 及 ぼ し,
また,
炭酸ガス よ りCO
の発 生 す る 可 能 性 も あ る。
本 研 究で は,
放 電管に はNOx
減 少に直 接 関 連 す る窒素の みを流入 させ る窒 素コ ロ ナ放電 方 式によ り,
解 離 窒 素 原 子・
励 起 分 子 (N ,N2
* )な どの 窒 素 ラジ カル を 生 成 し,
こ の ラ ジ カル を模擬 排ガ ス と 混合・
反応さ せ て,
以 下の式 (4.
1)およ びFontijn
ら15}の提 案 す る式 (4.
2
〕に よ る 排ガス 中の NO 除去の 可能 性 を 検 討した。
N
+NO
→N2
+0
N2
*+NO
→N2
十N+0 (4.
1) (4.
2
)11
湘 南工科大学 紀要 第
34
巻 第1
号20
纛
15
Ol
5
o←
田 駕 > o 日9
×OZ
00
10
20
30
Power
W
Fig.
13.
EffectS of corona power andNOin
ppm on NO κ removal rate (+eorona ).
NO 、
除去率Rn
につ い て は.
NOi
.,
NO
。h をコロ ナ放 電印加 の前 後の排ガス 中のN
叺 濃度 とし て式 (4.
3
>で 定 義する。
Rn −
(NOi
。− NO
、h)/NOmX100 (%) 〔4.
3
)模擬排ガ ス (
N2
+NO )の場 合に,
ガス中の窒素酸化物 初 期濃 度 (荷電前の濃度)NOi
,の値 を 変 化さ せ放 電 管か ら の窒 素ラ ジカ ル と混合し て.
排ガス 中のNO
、濃 度 を減 少 させ た結 果 をFig.
6に示 す。
正極性の場 合 30w で最 大10
%程 度の窒 素 酸 化 物が還 元され減 少し てい る が,
窒素 ラ ジ カル量 は 窒 素ガス に有 効に伝 達さ れ た 放 電 入力で決 まると考 え られ,
放 電入 力が一
定で あれ ば生成 さ れ る窒 素ラ ジ カル 量は一
定 と考え られ るの で.
初 期濃度NOi. が 増加するとNOx
除去 率Rn
は低 下 す る。
しかv ,
Fig.
6
よ り同じ投入電力に おけ るNO、減 少 量 を 求め る と,
初期濃 度NOi
,の高い ほどNOx
減 少 量 が 少 な い結 果が得 られた。
こ の 結 果に つ い て は窒 素ラ ジ カル とNO
との反 応 効 率 が 関 連 すると 考 えられ る。
負 極 性で は 16W 程 度でス パー
クが生じ た。
いずれに しても 正 負 極 性コ ロ ナの場 合に,
初 期 濃度 NOi, が220ppm で は 10% 程 度の NOx 除去率が 得られる こ と がわか る。 本 研 究で提案する窒 素コ ロ ナ放 電は.
とくに正極 性コ ロナの場 合にス パー
クへ 移 行 しやす く不 安 定な面が あ る。
そこでO.
3mmil
の 中心電極に結 帽 をつ けて放 醗 生 部 とすることで,
コ ロ ナ放電の安 定性を さ らに向 上さ せ る こ とを 試み た。
こ の場合のNOx
除去 率Rn
に つ い て,
正 極 性コ ロ ナの結 果のFig.
14に よる と,
結び目つ きの場合NOx
除 去 率が低下 し作 動電 力範囲 も結 び 目 なしの場 合と 大 差ない が,
放電 時の 電 流値の ふ れの有 無 な ど を 考 慮 す る と結 び 目つ きの方 が 放 電安定 性があ り,
制御し やすく 実用的と考え られる。
また負 極 性の場合結 び目 が 発光し て 安定 放 電 し て お り,
以 後の 実験 で は 中 心 電 極 径 0.
3 φで 結び 目つ き の線を用い るこ と と し た。
NO.減 少に必要な解 離窒素 原 子な ど 窒 素ラ ジカ ル は
.
放 電領域 を 出てか ら急速に再 結 合し て,
励 起 窒 素 分 子 さ らに窒 素 分 子に戻 ると考え られる。 こ れ よ り窒 素ラ ジ カ ル が模 擬 排ガス と混合するまで の距 離を 可能な限り短 く し て,
ラ ジ カ ル の 多 く残っ て い る状 態で 排 ガス と 混合・
反 応 させt 被 処 理ガス 中のNOx
を減少さ せ る こ と が望 ま しい と考え られる。
放 電 部 出口 か らア ス ピレー
タ に お け る混合 部ま での 距 離とNO
.除去 率 Rn の 関 係 を 調べ る た めに,
ア ス ピレー
タへ の連 結 管 を延長し て,
通 常の実 験 の 混 合まで の滞 留 時 間の 約 1.
22倍と し た場 合の実 験 結 果 をFig,15
に示 す。
Figure
15
に おいて τ=1222
の場 合,
NOx
除 去 率
Rn
は 10〜
20 W の 範 囲に おい て τ=1
のRl
値の65〜80
% に減 少して い る。
これはア ス ピレー
タ の混 合 部 ま で の体 積 部の増 加,
す な わ ち,
滞 留 時 間の 延長に よって ラジ カル が 再 結 合 して窒 素ラ ジ カル量が減 少し たこ と が原 因と推 測さ れる
。
Figure
16
に さら にH20
を 含 む 模 擬排ガ ス (Air
+CO2
+H20+
NO
)の 場合のNO
工除 去 率
Rn
の 結 果 を 示 す。
本研 究プラ ズマ を利用し た環境汚 染 物 質の防 除 (木 下 幸
一 ・
森 棟隆昭)20
纛
15
2
録 【 邸 > O 日 O 」 ×OZ
10
5
00
10Power
W20
30
Fig.14.
Effect
ofpower
onNO 、
removal rate(伽e wire with and without knot}.
20
長
15
01
5
譽
二
邸 > O 日 」さ
Z
OO
10Power
W20
30
Fig。15 .
Effect
of retention time onNO
ご removal rate (−
corona ).
で検 討 し てい る窒 素コ ロ ナ放 電 方 式で は
,
被処 理ガス は 放 電 管 を 通 過せず H,O は放 電 印 加 されて い ない の で OH は生 成 しない。
従っ て次 式 N+OH
→ NO +H
(4.
4
) に よ るNO
の生成は な く,NOr
除 去 率1
〜η に及ぼす 被 処 理ガ ス中の水 分の 影 響は ない。
また,
Fig.
16中に 被 処理 ガス流量 を25
1
/min と し た場 合の結果 も併記する が.
流 量 増 加に よ りNQ ,除去率 Rn は 当 然 低 下する. 以 トのFigs.15,16
につ い て は正極 性コ ロナ の場 合に関 し ても 同 傾向の 結果が得ら れて い る。
4.
4 ま と め 窒 素 をコ ロ ナ 放 電 管に直 接 流 入し,
生 成 され た 窒素原 子・
励 起分f
な どの窒 素ラ ジ カル を 燃 焼排ガス と混 合・
13湘 南工科 大 学 紀 要 第34巻 第 1号
20
・
15
O 罵 h01 肩 > o 日 o 」
5
×OZ
OO
10
20Power
30W
40
50
Fig
.
16,
Effects of H20 and treated gas flow rate on NOκ rernoval rate Rn (−
corena ).
反 応 させ る窒素コ ロ ナ放 電 方 式に よ り